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238 名前:うちの奇妙な同居人:2011/01/11(火) 01:32:53 ID:DextzXB8
みんな、[A・I]って知ってるか?
昔映画にもなったことあるんだが、平たく言っちまえば人工知能のことだ
まずできたばかりの頃はまっさら。何にも知らない赤ちゃんみたいな状態
そっから少しづつでもいろんなことを教えてやれば、最終的には人間と同じように考えたりする事ができる機械
それが今、俺のパソコンにいる
五年くらい前に、とあるメーカーが家庭で教育できるAIってなふれこみで出たものなんだが、これが大ヒット商品になった
しかし二年前、データ改造の容易さから多くのコンピューター犯罪に使われることが多くなり、最終的には法で規制されたのだ
その他にも、このソフトの影響で引きこもりが増えただの子供の教育上だの規制すべきだのと
ソースも何も無いくせに権力者が好きそうな馬鹿話が横行したってのもあるが、それは置いとこう
口汚く罵っちまいそうだしな
それはさておき、何で俺のパソコンにそのソフトがあんのか
タネは簡単で、実は中古ショップで買ってきたのだ
ああいうとこの店員は、基本的に自分が何売ってんのか把握してないからねぇ
そんでこのAIで俺が何しようとしてんのかって?
決まってんだろ? おいおい、言わせんなよ………理想の彼女を作ろうとしてるなんてさ
「名前は、後でよく考えて決めるとして……
俺のことは……マスターと呼んでもらう
性別はもちろん女!
性格は優しくて思いやりがあって従順でそれからそれから………」
[ERROR]
あれ、もうエラーメッセージが出たぞ
はぇえよ。中古だからデータがイカレてるとか勘弁してよマジで
[エラー箇所→性格:女
女とはいったいなんでしょうか?
性格設定も抽象的すぎます
基礎設定プログラムから入力をお願いします]
えっ、そっから?
確かに箱には[玄人向き]って書いてあるけどさぁ
だから売れなかったのかね
女がどんなものか説明しろっていわれたって、年齢=彼女いない暦の俺にゃ荷が重いぞ
えっと……説明書説明書………
俺は操作に困って初めて説明書を読む派なのだ。攻略本と一緒にすんなと言われたこともある
[本作は玄人向き設定となっておりますので、逐一設定が必要になる場合が多々あります
その操作に疲れた際は、データダウンロード機能をご利用ください
本サイトとのURLは………]
それはいらん
法規制されてから、この会社のAIデータサイトはつぶされちまったんだ
まったく、いいものってのは理解されない世の中なんだねぇ
他の方法は書いてないのか?
自力で打ち込むとかそんな苦行はさすがに無理だぞ……
239 名前:うちの奇妙な同居人:2011/01/11(火) 01:33:16 ID:DextzXB8
[その他の設定方法として、情報記憶処理機能も搭載しております]
これか? どれどれ………
[その情報が掲載されているサイトのURLを貼り付ければ、自動的にその情報を読み取り設定します
ただし一度読み取ったものは情報演算機能により取り消しは不可能。アンインストールするしかなくなりますので注意してください]
つまりここで[幼女とはいかなるものか]みたいなことをとうとうと語るサイトのURLを貼り付ければ
AIがそれを理解して幼女になるってことか。人には間違っても聞かせらんない例え話だけど
つーか、それって犯罪じゃねーのだろか。転載とかと違うのか? 法関係まったく分からんからさっぱりだが
………ま、いっか
やりやすい方法が見つかったんだ。後ろめたさは丸めて捨てて、さっさと設定やっちゃおう
「ええ~~っと……女性とはどんなものかか……このサイトで良いか」
俺が好きなSSサイト
職人の皆様方が優しく健気でデレデレな少女達の話を書き記している
こういうSSサイトの良いところは、話が十人十色なところだ
それはつまり多くのデータを取ることができ、そのデータを統合した女性となればきっと最高だろう
善は急げだ
さーて、早速ダウンロード開始!
「……あれ?」
……おかしいな、始まらんぞ
説明書説明書……
[情報演算処理準備には非常に時間がかかります。ダウンロードが開始されるまでに十時間ほどお時間をいただきます]
これも玄人向きだって言うのか
なんか騙されてるような気がしないでもないが、まあ中古だしな
贅沢を言うのはよそう
そんじゃ、パソコンはこのままにして今日は祝杯といくかぁ!!
240 名前:うちの奇妙な同居人2011/01/11(火) 01:34:04 ID:DextzXB8
ピピピピ ピピピピ ピピピピ
「ファー うるせえな だまれ」
目覚まし時計? 俺、んなもん設定したっけ?
つかうちにそんなもんあったか?
昨日は酔いつぶれてまったくおぼえがねぇ。しかもパソコンから目覚まし音がしてんそオイ
あ、そういや……ダウンロード終わってっかな?
パソコンのディスプレイを立ち上げて、と
[ダウンロード:100% 完了]
よしよし、終わってるな
昨日は2升も祝杯を上げちまったから何かやらかしたんじゃないかと心配だったがな
変な事してなくて良かったぜ
ほら、サイトもちゃんと―――
[ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫 @ ウィキ ]
あれー?
たしかにここ、いつもの巡回地点だけどさ
「昨日酔っ払ってここに設定して、それからブッ倒れて寝たってこと?」
「そうだよ。マスターはおっちょこちょいだね」
「いやいや、俺の姉ちゃんほどじゃないって」
「私の前で他の女の話はしないで」
「他の女って姉貴だぞ」
「姉でも何でも他の女はみんな嫌。マスターは私だけ大切にしてくれればいいの」
「そうは言っても………なあ、おい」
「ん?」
「あんまりにも自然な流れでしばらく気が付かなかったんだが……俺、誰と話してんだ?」
「何言ってるの? 私よ、私」
「……パソコン?」
「違うよ。私だってば。名前はまだつけてもらってないけどね」
ディスプレイには、セミロングの可愛い女の子が大写しになっていた
「……A・I?」
「そうだよ。これからずっと、末永く、永遠によろしくね! マスター!」
こうして俺のパソコンには、女の子が一人住み着くことになった
それも………
「マスター、ここに入ってた私以外の女の子の画像と動画とゲーム、全部破棄しといたからね」
「NOOOOOOOOOOOOOOッ!!!」
「あはは。マスター、アメコミみたいだよ」
「そういう問題じゃねえ!」
「いいじゃん。私がいるんだから。他の女なんて、さ」
相当に嫉妬深い、ヤンデレの女の子がな