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788 :龍馬暗殺 [sage] :2010/12/05(日) 14:37:29 ID:ilBMG1Eo 「龍馬暗殺」  慶応3年11月15日深夜、京都河原町の近江屋・・・・・・  中岡慎太郎との議論に熱中していた龍馬で有ったが  階段からドドドーーーッ!!! と大きな物音・・・  龍馬は「ほたえなや(土佐弁で騒ぐなという意味。)」と声をかけた。  それで龍馬の在室を確認したのだろう。  一人の麗人は二階奥の八畳間に飛び込んだ。 だが、部屋には男二人がいた。  坂本龍馬と中岡慎太郎だ。 とまどいながら、敷居上に麗人は正座して 「坂本様お久しゅう御座います」と恭しく両手をつく。  右にいた龍馬が「はて、どなたでしたかな」と答えると。  麗人は一瞬龍馬をにらみ、やおら目を瞑り短く深い息を吐くと「千葉佐那子で御座います。」と深々と畳に頭を付ける。  龍馬は大きく目を見開き突然の来訪者に驚いた様子だったが、直ぐに独特の人懐こい笑顔を浮かべると「佐那子さんか・・見違えるほどお綺麗になっとるから分からなかったぜよ!」 と佐那子に笑いかけた。  佐那子は目を潤まながら「まあ、坂本様って相変わらずなのね・・・私は直ぐ坂本様って分かりましたわよ」 と微笑む。  龍馬の横に居た慎太郎はじっと、この麗人の佐那子を見詰めていたが彼女と視線が合い微笑みを返されると慌てて 「千葉佐那子って・・・りょ、龍馬!ワシはちと席を外すけん」と立ち上がる。  龍馬は「慎太遠慮せんで良いぜよ」と笑うが空気を読んで居たたまれなく成った慎太郎はそそくさと奥に引っ込む。  佐那子は慎太郎に軽くお辞儀をすると龍馬に向かって「坂本様・・ご活躍は聞いております。」と笑いかける。  龍馬は「わしは自分の出来る事をやってるだけぜよ」と豪快に笑い飛ばした。  佐那子は“あの頃”と変わらない龍馬に安堵したのか柔らかい微笑みを浮かべるが・・・突然真剣な眼差しを龍馬に向けると 「坂本様・・・そう言えば風の噂で聞きましたが最近はお龍さんって“ヒト”と常に一緒に居るとか・・・」  と低い声で呟く・・龍馬は雰囲気が変わった佐那子に戸惑いながら 「お龍、お龍は、わしの・・女房ぜよ・・・・・・」 とぽっりと喋る。  佐那子は宙をさまよう様な虚ろな目をして笑みを浮かべると 「やだわ、坂本様・・・坂本・・いや、龍馬様の妻は私しか居ませんのに・・・」  佐那子の低い声が響く・・・龍馬は佐那子の奥の 狂気を感じ取ったのか狼狽えながら 「い、いや・・佐那子さん・・・」   789 :龍馬暗殺 [sage] :2010/12/05(日) 14:41:11 ID:ilBMG1Eo 「い、いや・・佐那子さん・・・」  と佐那子に話し掛けるが、彼女は龍馬を無視して 「龍馬様も今や天下の志士~英雄色を好むと言いますから浮気の一つや二つで妻としてはとやかく言いませんけど・・・」  龍馬は蒼く顔色を変え 「違う!違うぜよ!佐那子さん!お龍は・・・」  と佐那子を制しょうとするが・・・ 「嫌!聞きたくない・・・だって・・・言ったじゃ無いですか・・・私の事・・妻に・・するって・・・」  俯いて肩を震わせる佐那子に龍馬は両手を付いて 「す、すまん!佐那子さん!」 と頭を下げる。 「・・・下さい・・・」   小さいか細い佐那子の声に龍馬は「え!?」と聞き返す 「抱いて下さい!私の事を妻と想うなら!」  佐那子の渾身の叫びに龍馬は・・・ 「すまん」と頭をさげるのみだった。  佐那子は龍馬を狂気で歪んだ顔で見詰める・・心配に成った龍馬が顔を上げると 「りょうまぁああーーー!!!」  と叫び抜き打ちざまに龍馬の額を真横に払った。 「さ、佐那子・・さん・・・」  龍馬が崩れ落ちるーーその時異様な叫び声を聞いて慎太郎が駆けつける 「りょ、龍馬!」  と喚きながら慌てて近寄る慎太郎に佐那子はーー  「こなくそ」と叫びながら後頭部を斬り裂くーー  龍馬は「慎太~!」と叫び、そばにおいてあった刀を取ろうと後ろ向きになったところ 右側から腹部を佐那子に斬られる さらに彼女は手を抜くことなく上段から剣を振り下ろした! 刀を手に取った龍馬は佐那子の剣を鞘で受け止めるしが、剣の勢いが強く鞘ごと削りとられ頭部に致命傷を負い脳しょうの一部が飛び散る。 致命傷を負ったのか龍馬は「お龍・・・」と一言呟くと事切れた・・・ 「いやぁああああああ!!!!!」 と佐那子の叫び声が響き渡る。 慎太郎は「よ、よくも、よくも龍馬をーーー!!!」 と太刀を持ち応戦するが慎太郎も深手を負ってる上佐那子も北辰一刀流・・やがて太刀を弾かれ剣を短刀で受け止めるのが精一杯・・・ 「あはははははははははははははははははははははははははははははは・・・・・・」 無き笑う異様な表情の佐那子の狂気の刃に慎太郎は切り刻まれ全身20箇所以上に負傷を負い動かなく成った。 一説によると龍馬の遺体には睾丸、性器が抉り取られてたとゆう・・・・・・ 790 :龍馬暗殺 [sage] :2010/12/05(日) 14:42:35 ID:ilBMG1Eo 龍馬暗殺『千葉佐那説』では。 彼女も北辰一刀流だし、動機としてはお龍と結婚した事に腹を立てて、江戸からやってきたのでは。 それならば、中岡が襲撃後二日間も生存していたのにもかわらず、刺客について何も語ってはいない。 女にやられたのでは、言うに言えなかったのだと思う。 791 :オマケ [sage] :2010/12/05(日) 15:19:34 ID:ilBMG1Eo 史実での「千葉佐那子」 天保9年、北辰一刀流千葉周作の弟、千葉定吉の長女として生まれる。 北辰一刀流免許皆伝の腕前を持ち、馬術、長刀にも優れていた。 佐那子が17歳の時、江戸に留学してきた坂本竜馬が八重洲の道場に 入門し、佐那子は坂本の修行の相手をつとめる。入門5年後、坂本は 師定吉から北辰一刀流長刀兵法の目録を得、また互いに思いあうようになっていた佐那子との婚約を許された。その際千葉家から坂本に 短刀一振が正式に贈られ、何も持っていなかった坂本は新しい紋付を 差し出したという。二人は天下静定の後に祝言をあげることを約束 した。坂本は土佐にいる姉乙女に佐那子に心が傾いていることをあ らわした手紙を送っている。この後坂本は江戸を離れ、国事に奔走するうちに京でお龍と出会い、佐那子を忘れ、お龍と結婚する。 佐那子はそのことも知らず、婚約から9年後の慶応3年11月、坂本 の死の報を知る。その後佐那子は独身を貫き、坂本の妻として生きた。

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