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天使の分け前、悪魔の取り分第四話」(2011/05/05 (木) 11:42:55) の最新版変更点

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149 名前:天使の分け前、悪魔の取り分 ◆STwbwk2UaU[sage] 投稿日:2011/04/15(金) 02:36:35 ID:FRUSX36M [21/29] 動け…動いてくれ僕の足…… 金縛りにかかったように、体が全く言う事を聞かない。 「それとも、間に合うように待っててくれたのか?だとしたら私は実に嬉しい。」 頬を撫でる。体が震える。 「さて、それじゃあ……君を私の好きなようにさせてもらおうかな。」 そう言うと、ふわりと僕の前に立つ。 ちょうど、扉と僕の間に立つように。 やがて、僕の顔を手で挟み、僕とレッドアイズは目を合わせる。 赤い、どこまでも真っ赤な瞳。 意識が……吸い込まれる……… ……… …… … ――目を覚ますと、僕はさっきの部屋にいた。 両手、両足は動かない。見えない糸に縛られているかのようだ。 そして僕の胸の上で、レッドアイズは顔を擦り付けていた。 「私の物…私だけの…」 うわ言のようにレッドアイズがつぶやいている。 やがて、僕が起きたことに気づいたのか、目が合った。 「……僕をどうする気だ。」 レッドアイズを睨みつけながら言う。 正直、虚勢以外の何者でもないが、少しでも恐怖を思い出そうものなら、 僕はもう立ち上がれない。 「言っただろう?お前を食べたいと。」 僕の首筋をレッドアイズが舌でなぞる。 全身にゾクゾクするような快感が走った。 「くっ……殺すならさっさと殺せ……!」 僕は快感を否定するかのように、レッドアイズをどかせるために体を揺さぶった。 「おっとっと……暴れるなよ…躾が悪い子には……こうだっ!」 先程まで舌を走らせていた部分に牙を突き立てる。 血が流れ、その血をレッドアイズは嬉々として飲む。 「がっ…!」 僕は抵抗をやめ、ブルブルと震えた。 「おや…?あまりに痛すぎたとでもいうのかな?少し…噛んだだけだというのに。」 レッドアイズは口元の血を拭い、官能をそそる艶やかな笑みを浮かべた。 …そう、僕はたしかに痛いと感じた。 だが抵抗をやめたのはそれが理由じゃない。 痛みをはるかに上回る快感が自分を襲ったからだ。 なんなんだ?この快感は……? だが、まだ僕の心は折れていない。 レッドアイズを睨みつけ、再度反撃を開始する。 「…アリスはどこにやった、レッドアイズ。」 僕が彼女をレッドアイズと呼んだ時、彼女は悲しげな表情を見せた。 まるで君までそう呼ぶのか、と言わんばかりに。 そして決意を秘めた赤い瞳で、僕を見ながら言い放った。 「アリスは、もういない。君が私をレッドアイズと呼ぶのならな。 アリスは君から生まれた。君だけの存在だった。 君が全てだったのに、君がすべてを否定した。 だから私は奪う。君を奪い尽くす。君にだって渡さない。」 そう言うと、僕の服を引き裂いた。 僕の肌が顕になり、外気に触れる。 「これが…君の裸……実に素敵だ……あぁ……」 まるで心を奪われたかのように、顕になった上半身に体を擦り付ける。 レッドアイズの甘い匂いが、さっきよりも強く匂ってきている気がする…… 少しの間僕の体をレッドアイズが蹂躙していると、 何かに気づいたように顔を上げた。 その顔は驚きから、喜び、そして狂喜へと変化した。 「……!ふっ……ふふふ………あはははははははははははははは!  そうか!その紋様、呪われていたのか!  くっくっくっ…もう会わないといったのはそういうことか…ははは…ははははははははははっ!!」 も、紋様?僕には何も見えない……が… 「好都合だ!実に好都合!  もう、君はどこにも行かなくていい。ここにいろ。  死なせたりなぞするものか!君を誰にも奪わせたりなんてしない!  だから……安心して私のものになれ………  あはは!あははははははははははは!」 レッドアイズは笑いながら、僕の胸に両手を置いた。 次の瞬間、まるで炙り文字のように、僕の全身から紋様が浮かぶ。 その紋様は微細に動き、まるで蛇のようだった。 こ、これが紋様ってやつか! 蛇で言うところの、頭にあたるような部分が僕の心臓に到達している。 なんとなく分かる。僕の心臓はこいつに食われていたんだ。 だから、僕はしんでしまうのか…… 150 名前:天使の分け前、悪魔の取り分 ◆STwbwk2UaU[sage] 投稿日:2011/04/15(金) 02:37:03 ID:FRUSX36M [22/29] …っ!目が…眩しい…… レッドアイズが、赤い閃光に包まれている。 その閃光は両手を伝い、僕の体に流れ込む。 そして、蛇のような紋様に「楔」のような紋様が次々と付け加えられていく。 そして楔が増えるたびに…焼けるように体が痛い! まるで蛇を縫いつけて動けなくするかのように、楔が打ち込まれていく。 やがて頭以外の全てに楔が打ち終わった。 「あははははははははははは!あーはははははははははは!」 まだ哄笑は止まらない。 レッドアイズは両手を離した。 右手を、天高く構える。 レッドアイズの笑みが深くなると同時に、 僕の左胸はレッドアイズに貫かれた。 そして次の瞬間、ぷちゅっという音が、ダイレクトにぼくに聞こえた。 ……ぼくの心臓が、潰れた!? レッドアイズがゆっくりと僕の左胸から手を抜く。 左胸を見る。 ――穴どころか、傷一つ無い。 そして、自分の奥底から聞こえる鼓動。 僕は……死んでない…のか? なら…あれは一体…? 151 名前:天使の分け前、悪魔の取り分 ◆STwbwk2UaU[sage] 投稿日:2011/04/15(金) 02:37:40 ID:FRUSX36M [23/29] ――下半身に、鋭い快感がっ! 心臓に気をとられていたからわからなかったが、 僕のズボンは既に脱がされていた。 そして情けなくもそそり立つ僕の分身は、 ――レッドアイズに、舐められていた。 「ん……ちゅっ……んむ…ぁ…」 蕩けた表情で、僕の分身を愛おしそうに舐めている。 「な、何をして…うぁ……」 レッドアイズの舌が筋を舐め、レッドアイズの口が僕の鈴口に吸いつく。 「ん…じゅる…ここがいいのか…?ふふふ…ちゅ…」 あまりの快感に腰ががくがくと震える。出る…出てしまう!! 「や、やめろ!離れ…ああああああああああああ!!!」 「ん…むぅ…!ん…ぐ…んぐ…」 どくん、どくんとレッドアイズの口の中に出してしまった。 しかしレッドアイズは口を離さず、僕の分身に吸いついている。 「んむ……ぷぁっ……随分と、溜まっていたんだな?  私の口の中が君の精液でいっぱいだ。」 口周りにこぼれた精液を嚥下しつつ、僕を蕩けた目で見つめる。 僕の分身はというと、あれほどレッドアイズの口に出したというのに、 未だに天を仰いでいた。 「ふふっ……まだ出し足りないのかな?  もう一回シてもいいんだが、まだ君にやりたいことがあるんだ。  …これほど元気なら、もう口でしなくても大丈夫そうだ。」 レッドアイズはそう言うと、スカートの中にゆっくりと手をかけ、 白いものを取り出した。 あれは、まさかパンツ? ……ってことは、これから僕がするのは… 「いやだ!やめろレッドアイズ!僕は友達とそんなことしたくない!」 確か、セックスとかいうやつだったはずだ! あれは、愛するオトコとオンナが行う行為で… 僕とアリスはそんな関係じゃ……! 「さっき言ったはずだ。トモダチはやめだと。」 レッドアイズ…アリス…がまたがる。 アリス?…レッドアイズ?なんだか…わからなくなってきた。 「もう…我慢出来ないんだ。  君を…私のものにしたい…」 熱に浮かされているかのように、アリスは僕の分身を、彼女の大事な部分に摺りつけている。 「やめてくれ…アリス……僕らは…友達じゃないか……」 視界がぼやけている。泣いているのか……僕が… アリスと呼ばれた彼女は、ビクっと震えると動きを止めた。 そして何か言葉を紡ぐかのように、口を数回動かすと、口を噤んだ。 そして自分に言い聞かせるように、ぼくに言った。 「私はもう、トモダチをやめる。  もっと、もっと深いところで君と繋がりたい。  もう離れたくない…そのためなら何だってする……  君は私を嫌うか?  嫌うがいい。憎むがいい。  その程度の覚悟……私は出来ているっ!!」 次の瞬間、僕の分身は、彼女と繋がった。 152 名前:天使の分け前、悪魔の取り分 ◆STwbwk2UaU[sage] 投稿日:2011/04/15(金) 02:38:09 ID:FRUSX36M [24/29] ぐちゅ、ぐちゅという音が、部屋に広がる。 僕は、食われていた。 僕の分身は吸い付かれ、揉みしだかれ、しごかれていた。 僕よりも小さな娘の、体の中で。 「ん…ふっ…気持ちっ……いいか……っ?」 アリスが腰をグラインドさせる。そのたびに僕が嬌声を上げている。 「私っ…は…ぁっ!…気持ち…ふぅっ…いいぞ……っ!」 時折、僕の分身の先端が何かに触れる。 触れるたびにその何かは僕に吸いつき、僕の中の子種を催促する。 「や、やめてくれアリス……そんなことしたら…うぅぁっ!…」 「…どうだ…?こうしたらたまらないか?」 ペタンと膝を付き、円を描く様に腰をふる。 繋がった部分から、ずちゅずちゅという卑猥な音が聞こえる。 アリスの蜜壺は僕をきゅうきゅうと、僕を逃さないかのように締め付ける。 「ひぁっ、な…なかで大きくなったな……で、出そうなのか?出るのか?」 ――奪われている。 僕の、全てが。 それがたまらなく愉悦を呼び、僕の脳髄をとろけさせ、神経を焦がす。 僕は、奪って欲しかったのだろうか? 世界から、家から、僕から。 いや、僕は奪って欲しかったんだろう。 彼女と一緒にいたくてたまらない、彼女とずっと仲良くしたい僕から。 アリスが深く、強くストロークを繰り返す。 「…ぐっ……うっ……」 僕は、残ったプライドでせめて射精だけはしないように我慢をしていた。 そんな僕を見て、アリスは意地悪く、そして艶やかに笑った。 「……知っているか?私は悪魔でも……人間に近いんだ。」 動きが止まる。蜜壺がキュウと締め上げる。 「だから、今ここで出されたら…私は孕むかもしれない。」 僕の分身の先端がちゅうちゅうと吸われる。これは…多分…子宮…… 「だから……さ………私を……」 ――孕ませて 「う…あ……うわああああああああああああああああっ!」 気づくと、僕はアリスの中に射精していた。 恍惚の表情で僕の子種を受け止めるアリス。 「あはっ!あはははははははははっ!出た!出してくれたっ!」 アリスがお腹をさする。まるで愛おしいものがそこにあるかのように。 「おいで…おいで…こっち…私はこっち……」 まるで、僕の精子を誘導するかのように、自分のお腹に語りかけるアリス。 そんな彼女を見ながら、僕は意識を失った。 153 名前:天使の分け前、悪魔の取り分 ◆STwbwk2UaU[sage] 投稿日:2011/04/15(金) 02:39:16 ID:FRUSX36M [25/29] 目を覚ますと、彼女が僕の隣で寝ていた。 すっかり情事の後は片付けられており、まるで嘘のようだった。 しかし、腰に甘く残る快感が、真実だと何よりも強く告げていた。 アリスがすぅすぅと寝ている。 僕は彼女が愛おしくなって、彼女の髪を弄ぶ。 透き通るような金髪を弄んでいると、彼女が起きた。 「……君……か?」 どうやら、まだ彼女は夢のなかのようだ。 「アリス、いやレッドアイズ……君は……どうしてこんなことを……」 分かっている。分かっているけど聞きたかった。 「そうか、私は君を汚してしまったんだな。 ……そうだよ、私は君が好きだった。 君を愛してる。今も、昔も。」 僕はどうしようなく愚かで、鈍くて、最低な奴だった。 それでも、そんな僕を彼女は愛してくれている。 僕も好きだった。彼女を独占したかった。 ふと、気になる。 今の彼女はレッドアイズだろうか、それともアリスなのだろうか。 「ねえ、君はレッドアイズなのか?それともアリスなのか?」 「レッドアイズも私。アリスも私。どっちも君のことが好きな、私。  でも、私を名前で呼んでくれるというなら、  私は君につけられた名前で呼ばれたい。  アリス…って……」 そうか、僕はとんでもない勘違いをしていたんだ。 怖いレッドアイズも、僕の好きなアリスも、彼女の一部。 そして彼女は、僕の好きなアリスなんだ。 彼女……いや、アリスは僕を抱きしめながら、夢見心地のような声で言った。 「この部屋は、君の置いていった本を元に作ったんだ。  君と、いつまでも一緒にいられるようにね。」  私はアリス。そう、不思議で、甘く優しい世界に誘われたアリスだ。」 アリスが僕を見る。 真夏の空のような真っ青な色の瞳で、僕を見る。 「そして君は私をこの世界に誘った。そう、君は私の白うさぎだ。  ああ、もう決して離さない。私だけの白うさぎ…」 アリスはそう言うと、僕に口づけをした。 僕も、もうアリスのそばを離れない。 彼女こそが、僕だけのアリスなのだから……… ――我を封じし人の子らよ  我はもはや世を混沌に落とそうとはしない。  人々を恐怖に陥れることもやめよう。  そして……そうだな、この蔵で作られるワインは  我が力を持って極上のものになるようにしよう。  そのかわり、貴様らの末裔の子は頂いていく。  これが…私の天使の分け前……いや、 ――悪魔の取り分、だ…… とある村にある蔵は、10年に一度、極上のワインが作られることで有名である。 その蔵で造られるワインは決して醸造による減少はなく、常に作られたものが、作られただけワインになるという不思議なものだった。 だが、その蔵で出来るのは葡萄の種類の如何に関係なく、 血のように赤く、深い色をたたえたワインであった。

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