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888 名前:狂宴高校の怪 第8話(強襲編)[sage] 投稿日:2011/06/29(水) 02:16:30 ID:21/OMUIY [2/10]  今日は学園祭前日、ケンゴウ君の嘔吐以来、何事もなく無事に終わった。  クラスの皆は、明日の学園祭成功を願って、前夜祭が行われている。もちろんコイル君も参加している。 「・・・こんなもので・・・。」  あの日、私は小瓶を渡された。その中身が何なのかは知らないが、コイル君か、その回りにいる邪魔な人の飲み物に混ぜて飲ませろと言われている。  こう言われるていると、小瓶の中身が何かが想像がつく。  もし中身が予想通りなら、いつも妄想でしていることが出来るということだ。  ・・・また濡れちゃった。 ――――――――――  パァン!パァン!パァン!  花火が空に打ち上がる。校庭にはたくさんの人が笑顔で歩いている。  しかし、何だが腑に落ちない。多分、同じことを二人も思っているだろう。 「なぁ葉久保。何で俺達三人は喫茶店内で待機なんだろうな。」 「・・・シドウとお呼びなさい、仕方無いでしょう・・・それが学級委員長の決めたシフトなんですから。」 「で?俺達は何の仕事だったっけ?」 「簡単に言うと、治安維持ですね。」  コスプレという男のロマンが蔓延る空間。暴走する人が現れてもおかしくはない。ていうか必ずいる。  まぁ、そんな人を平和的に静めるのが俺達の仕事だ。  いるか?この仕事、ていうか役職。 889 名前:狂宴高校の怪 第8話(強襲編)[sage] 投稿日:2011/06/29(水) 02:17:21 ID:21/OMUIY [3/10] 「あ!お兄ちゃん!ナオさん!」  笑顔でコスプレ喫茶にやって来たのは、俺の妹、能登ノマルだ。 「あ!ノマルちゃん!」  笑顔のノマルの横に、見覚えのある顔が見えた。名前は・・・。 「幼馴染みの名前ぐらい、すっと出てこないのか?君は。」  この感じだ。シドウやチバタに似た雰囲気、いや、どちらかというと二人より質が悪いかもしれない。 「覚えてるに決まってんだろ?一年後輩の幼馴染み、旗鷲マナカだろ?」 「ナオさん!マナカも私達の幼馴染みなんですよ。」 「そうなんだ。マナカちゃん、よろしくね。」 「こちらこそよろしくです!ナオさん!」  二人が来たことで暇を解消できた。おかげで、一日目は何事もなく終了した。よかったよかった。 「あれ?皆は?」 「私達以外皆帰りましたよ。」  今教室にいるのは、俺とケンゴウとシドウとナオ、そして従業員スペースのクド、この五人だ。 「皆、お疲れ様です。」  談笑していると、クドがコーヒーを人数分持ってきてくれた。 「お!気が利くな!流石はクドだ!」  疲れて喉が乾いていたのもあり、俺達はコーヒーを一気に飲み干してしまった。  今日は本当に疲れた。ナオはともかく、ただ座っていただけでもかなり疲れるものだ。  一日が終わった安心からか、まぶたが重くなる。そろそろ帰らなければな、と思った直後、俺の頭から意識がこぼれ落ちた。 890 名前:狂宴高校の怪 第8話(強襲編)[sage] 投稿日:2011/06/29(水) 02:18:35 ID:21/OMUIY [4/10] ――――――――――  う・・・ん。白い天井と蛍光灯が見える。  体を起こす。どうやら教室で寝てしまっていたようですね。横にはナオさんとケンゴウ君がいる。僕より少し遅れて目を覚ましましたね。 「あれ?クドとコイルがいないな・・・。」  ケンゴウ君が周りをキョロキョロしている。確かに姿が見えませんね。 「先に帰ったんではないんですか?」  時計を見ると、7時を回っている。夏が近いのでまだ外は明るい。 「では私達も帰りましょうか。」  僕達三人は、眠い目をこすって教室を出た。 ――――――――――  視界がゆっくりと明るくなる。電球の光が眩しい。 「今日ぐらい学校で一夜を過ごすか・・・。」  俺は再び目を閉じた。  ん?電球?学校は蛍光灯のはずだぞ?  目を開け、体を起こそうとした。  ジャリ!  ん?四肢に感じる金属的な感触。起こせない上体。  もしかして俺、捕らわれてる?俺を動けなくしているのは、間違いなく手錠だ。  ていうかその前に、ここはどこだ?意識がはっきりしていないから、まだ天井がぼんやりと見える程度だ。天井の色的には俺の部屋っぽいな。まさか誰かが、俺を家まで運んでくれたとか?それなら、何で俺は手錠で動きを制限されているんだ?  色々考えていくうちに、視界がハッキリしてきた。俺は視力がいい方だから、見えるようになれば、動けなくても多少なら情報を・・・。 ・・・・・・・・・。  えっと、間違いない!ここは俺の部屋ではない!  俺は自分の部屋、しかも天井に、自分が写っている写真を大量に貼ったりはしないからな・・・。

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