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920 名前:狂宴高校の怪 第10話(強襲編)[sage] 投稿日:2011/07/01(金) 19:24:30 ID:7pZXR1rY [2/10]
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「なるほど、この間の事件の時に協力したので、今回は敵になるというわけですね。」
チバタ君はゆっくりと頷いた。
変と思うかもしれませんが、彼はこういう人間なのです。彼が何より大事にしていることは、自分が“同率の立場の人間”だということです。妹さんの件で、彼は僕達の味方になってくれたので、今回は僕達の敵になるということになります。つまり彼は、どちらか一方に肩入れをしない、両者に平等に情報や手段、きっかけを作る。平等主義、という言葉が、彼にぴったりなのかもしれないですね。
「シドウはあの時、コイルが有利になるきっかけ作りを私に頼んだ。だから次に私がやることは、コイルが不利になるきっかけを作ること。」
「では、この件が続いている今、依頼人である私の質問に答えることは出来ないということですね。」
やはり彼は難しい。幼馴染みが行方不明になっていても、自分のポリシーを曲げない頑固者ですからねぇ。
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「じゃあ俺になら教えてくれるだろ?」
これは意外だ。コイルと並ぶめんどくさがり屋のケンゴウが、私に協力を申し込むとは。
「お前が敵になっても構わないから、とりあえずコイルのこと教えてくれ。」
「そうですね・・・。彼は今、クドの家にいるでしょう。」
「そのクドの家はどこだ?」「案内しましょう。後ろにいる方々も同行しますか?」
いつのまにか、ナオさん達がシドウとケンゴウの後ろに立っていた。
「はい!一緒にいかせてください!」
ナオさんの目、どうやら本気のようですね。
「しかしナオさん、あなたは現実を受け入れる覚悟がありますか?」
「え?」
「今回の件はナオさん、あなたにも責任があるのですよ。」
921 名前:狂宴高校の怪 第10話(強襲編)[sage] 投稿日:2011/07/01(金) 19:25:29 ID:7pZXR1rY [3/10]
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私に・・・責任?どういうことなのだろう。
「あの・・・どういうことでしょうか?」
「言葉通りの意味です。」
チバタ君の言葉に重みを感じる。まるで、私を否定しているかのように。しかし、彼が懐かしんでいるようにも聞こえる。
「今回の件はクドさんの嫉妬によるものです。その嫉妬の対象、それがあなたなのです。」
え?クドさんが私に嫉妬?
「そんな・・・。」
「クドさんは本気です。必要とあらばあなたを、いえ、私達を殺しかねません。そんな彼女と会う覚悟がありますか?」
一拍おいて、私は答えた。
「はい、覚悟はできています!」
「彼女は本気ですよ?」
「私も本気です!ですが、出来ることなら彼女とわかりあいたい。彼女の痛みが私に向かって放たれるなら本望です!」
チバタ君は一拍おいてから、クスクスと笑い始めた。
「どうやら心配無用でしたね。あなたの覚悟、しっかり受け取りました。」
チバタ君は笑いをやめないまま、私から視線を外した。
「あなた達が守ってあげてください。彼女を。」
「当然だぜ!」
「そうですよ!」
「ナオさんを守ります!」
皆、一丸となっている。私も笑みがこぼれた。
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皆が笑いあっている中に、彼女はいる。私は再び彼女に目を向けた。
「やはり似ていますね。あの人に。」
本当に瓜二つだ。まるであの人を見ているみたいだ。
922 名前:狂宴高校の怪 第10話(強襲編)[sage] 投稿日:2011/07/01(金) 19:26:21 ID:7pZXR1rY [4/10]
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「何で?何でなの?私じゃ興奮してくれないの!?ねぇ!何か答えてよ!」
色の無い目が迫る。完全に萎縮してしまった。今の俺の息子は何があってもたたないだろう。
「やっぱり私じゃなくてナオさんの事が・・・。何で!?何でなの!?答えてよ!ねぇ!ねぇ!ねぇ!」
ぐっ!首を絞めてきた!息が出来ない!
「やっぱりナオさんが・・・。ナオさんがいるからいけないんだ!あんなやつ!殺してやる!」
ナオを殺す?何を言っているんだ?ていうかさっきから何でナオが出てくるんだ?
ヤバイ・・・。酸素が入ってこない・・・。このままじゃ・・・。
ガチャ!
誰かが入ってきた!それは、いつも学校で見てる顔。
「コイル君!クドさん!」
待っていたぞ!シドウだ!その後ろにはいつもの面子だ!
あれ?
何だ?この感覚・・・。頭の中の違和感。その中に皆がいる。今みたいに顔面蒼白で。
これは・・・。昔の記憶?しかし・・・こんなことあったっけ?駄目だ・・・思い出せない・・・。
ていうか違和感の中の俺は・・・何で皆に顔面蒼白で見られているんだ?
俺は・・・何か大事なことを忘れている気がする。この状況に似たような経験を。皆を巻き込んだであろう経験を。
しかし、いくら考えても出てこない・・・。
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「何で?何で皆がいるのかな?」
クドの顔が恐い。色の無い目が特に恐い。
「でも残念ね。今から私がコイル君と繋がっちゃうからー!」
繋がる?まさか!?
予想は当たった!クドは着ていたメイド服を脱ぎ始めた!おいおい!皆の前だぞ?
皆が呆気にとられ、声も出せない状態にいる中、クドが声を発した。しかしそれは、挿入したことによる喘ぎ声ではなかった。
「あれ?おかしいなー?私処女なのに痛くないよー?血が出ないよー?何でかなー?」