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939 名前:狂宴高校の怪 第12話(試練編)[sage] 投稿日:2011/07/02(土) 21:39:48 ID:Zo99DcJs [2/6] ――――――――――  学園祭三日目も何事もなく終わり、去年よりも長く感じた学園祭が終わりを迎えました。  あれから三日後の朝、学園祭の片付けの日でしたかね。これは珍しい、チバタ君が僕達の教室の前にいるなんて。 「あれ?どうしたのです?」 「いや・・・見てればわかりますよ。」  ひきつった笑顔を浮かべるチバタ君の目線の先には・・・。 ――――――――――  朝、私は教室でナオさんと話をした。色々と確かめたかったこともあるし・・・。 「ナオさん、話があるんだけど。」 「はい、何ですか?クドさん。」  一番確かめたかったことを単刀直入に言う。 「ナオさん、あなたはコイル君が好きなんですか?」 「え!?そんな急に!」  ・・・流石に突然すぎたかな?と思っていたが、決心したかのように顔を上げて答えた。 「はい、会ってまもないですが、私はコイル君が好きです。」  ・・・ここまでまっすぐ言われるとなにも言い返せない。むしろ清々しくなってくる。 「そうですか。でも私は負けませんよ?油断してたらコイル君奪っちゃいますからね!」 「上等ですよ!」 ――――――――――  そんなわけでクドさんもナオさんも仲が良くなり、クドさんの暴走も終結。平和な日々が戻ってきました。  そんな清々しい朝に、一つの違和感に気づきました。 「あれ?ケンゴウ君は・・・休みですか?」 940 名前:狂宴高校の怪 第12話(試練編)[sage] 投稿日:2011/07/02(土) 21:40:34 ID:Zo99DcJs [3/6] ―――――――――― 「あれ?本当だ。休みか?」  シドウが指摘した通り、ナオをはさんで隣にいるべき男がいない。珍しい。 「そういえば例の事件の日の夕方から顔色が優れていませんでしたね。」  あぁ、そういえば三日前の事が済んでから、確かにケンゴウは元気ではなかった。 「ねぇ、気になることがあるんだけど・・・。」  発言したのはクドだった。 「私がコイル君のを挿入したときから、何か吐き気を耐えていたような顔をしていたんだよね・・・。」  え?まさか準備期間中の吐き気と関係があるのか? 「私、お見舞いにいってみようと思うんだ。私のせいでケンゴウ君の体調を崩してしまったから・・・。」 「それなら私も行こう!」  いつの間にかマナカが教室に来ていた。 「あぁそうだな。じゃあ皆で見舞いに行くか!」  そう言ったと同時に、チャイムが学校中に響き渡った。 ―――――――――― 「え!ケンゴウ君って自活してるんですか!」  クドとナオ、二人が同時に驚いた。  目の前のアパートの一室、ここがケンゴウが一人で住んでいる部屋である。何回か遊びに行ったことがあるが、綺麗に片付いているケンゴウらしくない部屋だ。 ガチャ! 「あれ?お前ら、何しに来たんだ?」  部屋を開けたら、すぐにケンゴウが目に入った。寝てはいるが、顔色はとても良い。 「お見舞いに来ました。体の方は大丈夫?」 「あぁ、体調はバッチリだぜ!明日から学校に行けるよ。」  どうやら心配はないようだな。 「ケンゴウ君!こんなものを持ってきたぞ!」  マナカが鞄から、クッキーを取り出した。 「ケンゴウ君のために作ったのだ!食べてくれ!」 「おぉ、ありがとうな。」  そう言って、ケンゴウはマナカのクッキーを一枚食べた。 刹那。 「グボオオオォォォェェェェェ!!!!!!!!!!」  言葉が出なかった。 941 名前:狂宴高校の怪 第12話(試練編)[sage] 投稿日:2011/07/02(土) 21:41:24 ID:Zo99DcJs [4/6] 「ケ!ケンゴウ君!」  クッキーを食べた瞬間に、ケンゴウは激しく嘔吐した。またもやケンゴウの謎の嘔吐。おいおい、この量は準備期間中の嘔吐の比じゃないぞ。床が濡れまくってぐしゃぐしゃになってしまっている。しかし、ケンゴウは嘔吐を止めない。 「大丈夫かケンゴウ君!クッキーが苦手なら言えばよかったではないか!」  いやいや、苦手だからとかいうレベルじゃないぞ?ケンゴウの体内の水が全て出てるみたいだ。 「大丈夫だ・・・大丈夫・・・。」  やっと話せるようになったケンゴウ。はっきり言うと大丈夫には見えない。 「ちょっと油断しただけだ。一晩寝れば何とかなるさ。」  そう言ってケンゴウは、布団に潜り込んだ。 「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・。」  部屋を出るまで、マナカはずっと呟いていた。 ――――――――――  意味が分からない。準備期間中にもあった謎の嘔吐と同じ感覚。しかし、共通点が無い・・・共通点?  残っていたクッキーを一枚取り出して、匂いを嗅いでみる。 「う!!!」  またもや吐き気!必死で抑える!耐えろ!耐えろ!耐えろ!  ようやく吐き気が無くなった。しかし、気を抜けばすぐに出てくる。 「共通点・・・あの時と同じ・・・。」 匂い。  間違いない。クッキーから、あの時の床についていた異様の匂いがする。しかし、クッキーからは微量しか感じ取れない。 「何なんだよ・・・。俺の体はどうなってるんだよ。」 942 名前:狂宴高校の怪 第12話(試練編)[sage] 投稿日:2011/07/02(土) 21:42:09 ID:Zo99DcJs [5/6] ―――――――――― 「マナカ、ケンゴウにあげたクッキーに何か入れたのか?」  気になっていたので質問してみた。 「実は・・・あの中には私の愛液を入れたんだ。好きな人にあげる料理に愛液を入れると良いらしいからな。」  愛液?まさかケンゴウはそれに反応したのか?  しかし・・・そんな情報をどこで?マナカの顔に、今朝の明るさは全く無い。  いや、俺が質問した時から顔が暗くなった。  これじゃあ・・・まるであの時のクドみたいだ・・・。 ――――――――――  手作りのものを食べて吐かれたら、ダメージが大きいのは当たり前だ。それが好きな人ならなおさら。私は不安になった。精神が不安定になる気がした。  私の想いは彼には届かないのか?いや、そんなこと考えたくない。私は私で、必ず彼を振り向かせてみせる!  しかし、私は違和感を感じた。  愛しきケンゴウ君との出会いが思い出せない。いつどこで、どのように出会ったのだろうか・・・。  思い出そうと頑張ってみるが、その頑張りはむなしく終わる。  気がつけば家に着いた。コイル君達に別れを告げ、私は家に帰ってきた。  私の両親は海外にいる。だから私も自活をしている。  私一人にこの家は大きすぎる。どうしようもない孤独感が私を襲う。  ・・・今日はもう寝よう。  私は階段を上がってドアを開ける。 あれ?  部屋を間違えたみたいだ。私の部屋は隣だ。 ・・・今の部屋は何? 「うぐぅ!!!」  急に襲った吐き気。私は口を塞いだ。  隣の部屋・・・。見た瞬間、感じた瞬間、吐き気が止めどなく押し寄せる。  何で?隣の部屋には何があるの?私はいったい・・・?このぽっかりと空いた記憶の穴は何?  教えて!助けて!ケンゴウ君!

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