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59 名前:狂宴高校の怪 第14話(試練編)[sage] 投稿日:2011/07/08(金) 00:32:51 ID:UsqEq.t6 [2/5] ――――――――――  思い出した・・・。謎の嘔吐の原因、四年前の記憶。  俺はあの家族との決別以来、女性を怖がっていたのだろう。  そしてそのトラウマによる言動で、俺はマナカを苦しめていたのだろう・・・。  ・・・何だかマナカに会いづらいな・・・。ドア一枚隔てた向こうにいるマナカに会えない。会うのが怖い・・・。  鍵は外してある。だから後はドアノブを回すだけ。そんな日常の動作が出来ないでいた。  何かが俺を躊躇させる。  そんな俺の気持ちを無視して、トイレのドアは俺の力を借りずに開いた。  マナカが立っていた。  色の無い目が俺に向けられている。まるでクドだ。 「ケンゴウ君・・・君はまた私をひとりぼっちにするのか?また私を置いていくのか?」  何を言っているんだ? 「もう私は君を離したくない!私はもうあの時みたいな事は嫌だ!」  ・・・あの時。恐らく俺と同じ、四年前の記憶だろう。マナカにも何かあったんだ。  いや・・・。微かに見えてきた。  恐らくマナカの四年前の記憶、その中に俺がいるはずだ。  マナカとの間に何があったか。四年前の記憶と一緒に思い出してきた。それはマナカも一緒だろう・・・。 60 名前:狂宴高校の怪 第14話(試練編)[sage] 投稿日:2011/07/08(金) 00:33:33 ID:UsqEq.t6 [3/5] ―――――――――― 「じゃあな、マナカ。」 「また明日部活で会おう!ケンゴウ君!」  私はケンゴウ君と別れ、ケンゴウ君の家の隣にある私の家に入った。  家に入ると、姉が玄関に立っていた。 「お帰りなさい、マナカ。」 「ただいま!お姉ちゃん!」  私はお姉ちゃんに挨拶をして、ケンゴウ君と過ごした楽しい時間の余韻に浸りながら、部屋に入っていった。 刹那。 「あん・・・ケンゴウ・・・さない!」  後ろから声が聞こえた。  次の日は学校が休みだ。私はケンゴウ君にメールをした 「今日、私の家に来ないか?新しいゲームを買ったのだ!一緒にやろう!」  勿論、ゲームをするためだけに呼ぶわけではない。  あわよくば私は、彼と一夜を共にしようと思っている。部屋には避妊器具は置いておいた。準備万端!いつでも来い!ケンゴウ君! ピンポーン!  来た!階段を一気に飛び降りる。着地に失敗したが気にならない。痛みは感じない。それほどに彼が愛しい。 「良く来たな!ケンゴウ君!さぁ入ってくれ!」 「おぅ、お邪魔します。」  愛しのケンゴウ君を、私は自分の部屋にいれることに成功した。  私は今、キッチンにいる。 「今からお菓子とお茶を持ってくるから待っててくれ!とびきり美味しいお菓子とお茶を用意するよ!」  そんなわけで、お湯が沸くのを待っていた。  この後が問題だ。どうやって彼とベッドに入ろうか。露出の多い服はすでに着ている。油断しなくても胸が見えてしまう。貧乳だけど。もちろんミニスカートも標準装備だ。 「ケンゴウ君・・・私で興奮してくれるだろうか・・・。」  私は姉みたいなナイススタイルではない、いわゆる幼児体型だ(小学六年生だからかな?)それでも私は彼を手にいれる。手にいれるためなら何でもする。どんなことでも出来るんだ! ピー!  あ、お湯沸いた。お菓子とお茶を早く持っていかなければ! 61 名前:狂宴高校の怪 第14話(試練編)[sage] 投稿日:2011/07/08(金) 00:34:30 ID:UsqEq.t6 [4/5]  私の部屋は二階の一番奥にある。だから姉の部屋を必ず通ることになる。  普段の何気ない習慣が、今日は違った。  姉の部屋から何かが聞こえる?  聞き覚えのある愛しい声?ケンゴウ君?  そっと耳を澄ました。 「やめ・・・まずいよ・・・。」  何なんだろう。ケンゴウ君が誰かを説得してる? 「邪道は承知の上よ!あいつに渡すぐらいなら私が奪う!」  奪う?何を言っているんだ?誰かがケンゴウ君を・・・監禁しようとしてる? 「やめようよ、マナカが来ちゃう。」 「あいつの名前なんか出すな!ケンゴウは私だけを見ていれば良いの!あんな奴なんか気にするな!」 「あんな奴って・・・妹だろ。」 「例え妹だろうが、私の恋路を邪魔するなら殺す!利用できるなら利用する!全てはあなただけのためなんだから!」  どういう事?お姉ちゃん?何で?  何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?  頭の中が整理できない。体が高揚する。  本能が全身に下した私への命令は一つ。 姉を殺せ! ガチャ! プシャー! 「キャー!あつっ!」  私はお茶を姉にかけた。熱さで姉がのたうち回る。 「何でケンゴウ君にこんなことしたのかな?教えてほしいかな?」  姉の上に乗り、首を絞める。 「カハァ・・・!」 「どうしたの?喋れないの?だったらこんな喉いらないよね?」  指に人生最高の力を込めた。 「やめろ!」  私の手を握った手。愛しのケンゴウ君の手だ。 「ケンゴウ君?何でこんなやつの事かばうのかな?何で?何で?何で?」  私は指にさらに力を込める。こんな家畜以下の女、さっさと消えてしまえば良い。 「やめろ!死んじゃうだろう!」  何で?何でケンゴウ君は私を押し倒すの?何で身支度をしてるの?何で部屋を出てくの?  あぁそうか、私の部屋じゃないと雰囲気でないよね。こんな家畜以下の女の部屋なんて嫌だよね。  いつまでも待った。部屋のベッドの上で待ち続けた。しかし彼は来ない。  何で来ないの?あぁそうか!私の愛情表現が足りなかったのかもしれないね!  私は決めた。これからはケンゴウ君を第一に考えケンゴウ君に尽くすと誓おう。  ケンゴウ君を汚す者は殺す覚悟でぶつかるまでだ。  姉は家を出ていった。ケンゴウ君はどこかに引っ越してしまった。  私に残ったのは果てしない孤独感だけ。  親も姉もいない広い家の中にいる私の心は、どんな闇よりも暗かった。

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