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896 名前:狂宴高校の怪 第9話(強襲編)[sage] 投稿日:2011/06/29(水) 21:03:33 ID:21/OMUIY [7/10] ――――――――――  俺達三人とナオは、昨日働いたから今日は自由だ。やったー。  しかし、昨日ちゃんと待ち合わせの場所を皆で決めたはず。コイルもシドウもナオも、まだ来ていない。 「あいつら・・・どこにいるんだ?」 「ケンゴウ君!」  メールしようと携帯を手に持った時、不意に後ろから声をかけられた。 「葉久保!・・・どうしたんだ?」  後ろにいた葉久保の顔は、焦りと不安の色が強く出ていた。 「シドウとお呼びなさい!コイル君が学校に来ていないんですよ!それどころか、昨日は家にも帰っていないそうです!」  は?コイルは先に帰ったんじゃ・・・? 「妹さんやクラスの人にも聞きましたが、誰も知らないと言っていました。今、ナオさん達も聞き込みを行っています。」  あの馬鹿が学校にいない?行方不明ってことか? 「シドウさん!ケンゴウさん!やっぱり誰も知らないみたいです!」  向こうから、コイルの妹さんと、ナオとマナカが走ってきた。 「一年生と三年生にも聞いてみたんですが、答えは同じでした。」  話を聞けば聞くほど、謎は深まる。いったいどこに行ったんだ・・・? 「ん?聞いてない人がまだいるぞ?」  不意にマナカが手を叩く。 「今日休んでいる人には聞きようがない。」  今日休んでいる人・・・?昨日の出来事・・・。あれ?  シドウと目が合った。多分同じことを思ったのだろう。 「クドだ!」 897 名前:狂宴高校の怪 第9話(強襲編)[sage] 投稿日:2011/06/29(水) 21:04:25 ID:21/OMUIY [8/10] 「クドさんは私達が眠りにつくまで、私達といました。つまり一番結論に近いのはクドさん。」  シドウが、妹さんとマナカに昨日の出来事を話した。 「マナカさん!ヒントをありがとうございます!」  そういって、シドウは入り口に向かって走っていった。 「おい!?どこ行くんだ!?」  追いかけようとしたら、後ろから袖を掴まれた。 「ケンゴウ君!私のおかげだぞ!ご褒美に私の頭を撫でろ!」  何だよ急に・・・。マナカはキラキラした目で俺に上目遣いをする。すまんが萌えない。  しょうがないから頭を撫でてみる。茶髪の髪がサラサラと少しだけ乱れる。 「うん!やはりケンゴウ君に頭を撫でられるのが一番落ち着くな!」  無視して頭の上においていた手を離し、シドウの後を追った! ―――――――――― 「私達も後を追いましょう!」  ケンゴウ君を追うようにして、私とノマルちゃんとマナカちゃんも駆け出した!  ん?マナカちゃんの走り方がぎこちない。何でだろう。若干内股になっている。 ――――――――――  予想通りでしたよ。彼の今回の事件、やはり彼が関わっていました。  数分前、私は彼に会いました。 「コイルを探しているのですか?」  柱にもたれかかりながら、走ってきた私に声をかけたのは、 「やはりあなたでしたか。チバタ君。」 898 名前:狂宴高校の怪 第9話(強襲編)[sage] 投稿日:2011/06/29(水) 21:05:31 ID:21/OMUIY [9/10] ――――――――――  何の冗談だ?天井には俺の写真、ベッドの上にも俺の写真、机の上にも俺の写真。周りの全てが俺の写真ばかりだ。良い気はしない。なれるわけがない。  ていうか誰の部屋だよ。インテリアとかを見るからには、女子の部屋に見える。 ガチャ!  突如入ってきた、威圧感のある黒髪と眼鏡、ナイススタイルの女子。 「クド?じゃあ・・・ここはクドの部屋?」  ていうかクドの服装はなんなんだ?これは・・・間違いない!コスプレ喫茶でクドが着ていたメイド服だ! 「えへ!気に入ってくれた?私のメイド服を一人で堪能できるのはコイル君だけだよ!」 「何だよ?何の冗談だ?誰に言われた?シドウか?ケンゴウか?チバタか?」 「ちょっと正解。チバタ君がきっかけを作ってくれたの。でも安心して、あなたを独り占めしたいって言う気持ちは本当だから。誰かに言われたからじゃないね。」  最高の笑顔で俺の上に乗ってきた。 「ずっとこうしたいって思ってたんだ!やっとコイル君と一つになれるのね!私嬉しい!」  クドが上体を倒す。俺の胸の上にクドの胸が押し付けられる。 「私の胸、大きいでしょう?でもこの胸を好きにできるのはコイル君だけだよ。」  さらに押し付けが強くなる。かなり柔らかい感触だ。  しかし、四肢を拘束する手錠と、光の欠片すら見られないほどに暗さを表に出したクドの瞳。その二つのせいで、いや、その二つのおかげで、俺の息子が元気になることはなかった。

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