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205 名前:狂宴高校の怪 第16話(激動編)[sage] 投稿日:2011/07/12(火) 17:39:46 ID:Klz.Hd0s [2/5] ――――――――――  お兄ちゃんはお腹を空かせてなんていなかった。ナオさんとクドさんからおかずをもらい、笑顔でそれを頬張っている。  ・・・私のお弁当を食べてる時はあんな顔・・・しなかったのに・・・。  何で私じゃないの?何であの二人なの?  ふと、ナオさんと初めて会った日の事を思い出す。  私はあの時・・・ナオさんに丸め込まれていたのかな?ナオさんが私を優しく抱き締めてくれた時、私の頭を撫でてくれた時、どんな顔をしていた?  顔を見ていない・・・。まさか後ろでは笑っていたのか?私をお兄ちゃんから遠ざけたことを喜んでいたのでは?私は・・・いいように操られていた?  許せない・・・!私の気持ちを弄んだナオさんが憎い!ナオが憎い!憎い! 「お兄ちゃん・・・私だけのお兄ちゃん・・・。」  私は心の奥から黒いものがにじみ出るのを感じた。 「まずは・・・あの女・・・。」 ―――――――――― 「いなかったのか?」 「あぁ、教室にも行ってみたがいなかった。」  昼休みが終わる五分前に、ノマルの見舞いに行ったのだが、保健室にノマルの姿は無かった。マナカにも聞いてみたが、マナカも知らないらしい。  ・・・どこに行ったんだ? ―――――――――― 「えぇ!先帰っちゃったの?」  今日こそはコイル君を買い物に誘おうと思ったのに! 「妹さんに関することですから仕方ないですよ。察してあげてください。」 「・・・そうね。たった一人の妹さんだもんね。」  仕方ないよね。妹さんは特別だ。将来私の義理の妹になるかもしれないのだから。  そういい聞かせても、やっぱり妹さんにちょっとだけ嫉妬しちゃう。コイル君にしんぱいしてもらっているのだから。  私は妹さんやナオさんと比べると、優先順位が低いのかな?  また強引な手でコイル君を物にしてしまいたい、と思ってしまう。でもそんなことはしない。これ以上コイル君に心配かけたくない。  コイル君が言っていた言葉を思い出す。  未来はわからない。  いつかは私のことが好きになってくれるかもしれない。そしたら何でもやりたい放題だ。腕組んで映画館で純愛映画を見て、レストランで食事をとってカラオケに行く。その後は勿論ホテルに直行!朝まで帰りたくない、いや!帰さない!そして話は勿論、責任とってなんたらかんたら、私を先に食べちゃって!旦那様!  気づけばあそこはびしょびしょ。帰ったら下着を取り替えよう。いや、どうせ妄想しながら一人でする予定なんだ、もう一枚用意しておこうかな。  コイル君のあそこの型でもとってみようかな・・・。  ふと、後ろに気配を感じた。  いや、気配なんて生ぬるいものではない。これは・・・殺意?誰かが私を殺意の目で見てる?  ・・・逃げなきゃ!  足に命令が伝わる前に、頭に響く痛み。  私は前屈みに倒れて、意識を頭から手放した。  不意に聞こえた声。 「お兄ちゃんをたぶらかす雌豚なんか・・・許さない!」 206 名前:狂宴高校の怪 第16話(激動編)[sage] 投稿日:2011/07/12(火) 17:40:42 ID:Klz.Hd0s [3/5] ―――――――――― 「あれ?まだ帰ってないのか?」  家に妹はいなかった。どこかに出掛けているのか?それにしても今日はとことん妹に会えないな。  とりあえず近所のスーパーとかを探してみようかな。 ――――――――――  あいつは絶対にこのスーパーに来る。それはわかりきっている話だ。それは放課後の会話で確信した。 「今日お菓子を作る予定なんですけど、コイル君は甘いものとかは好きですか?」 「うん、基本はなんでも好きだけど。」 「良かった、それじゃ明日作ったのを食べてみてください。」  あいつの家からこの店は近い。何度かあいつが買い物に来ているのも見たことがある。  やがてあの女がやって来た。人通りが多くて手出しできないのが悔しくてしょうがない!仕方ない、待とう。  十分後、あいつが出てきた!人通りの少ないところまで尾行して、一気にけりをつけよう! 「あ!コイル君!」 「よぉナオ、買い物の帰りか?」 「はい!コイル君はどこへ?」 「あぁ、ノマルを探してるんだ。スーパーにいるんじゃないかと思ってな。」  え・・・?お兄ちゃんが私を探してる!?私を・・・。あの女よりも私を求めている!?全身が軽くなる!  お兄ちゃんが私を求めているなら、尚更あの女は邪魔だ!私とお兄ちゃんの間を飛び回る邪魔な虫どもは私が排除しなければ。  お兄ちゃん・・・待っててね・・・。 ――――――――――  スーパーの中を探し回ってみるが、ノマルの姿は無かった。 「おかしいなぁ・・・。いったいどこに行ったんだ?」  結局ノマルは見当たらなく、俺は家に帰ってきた。  おかしいなぁ・・・。ここまで見つからないのも珍しいな。こりゃ長期戦になるかもな・・・。  ガチャ! 「お帰りなさい!お兄ちゃん!」  いた。家にいた。案外早く見つかった。やれやれ。 「ノマル、今までどこにいたんだ?」 「私はずっと家にいたよ?変なお兄ちゃんだね!それよりも早くご飯食べようよ!」  ぐいぐいと袖を引っ張られる。  ズキッ! 「うっ!」  左目の傷を押さえる。この疼き・・・悪い予感の前兆だ!今度は何が起こるって言うんだ・・・。 207 名前:狂宴高校の怪 第16話(激動編)[sage] 投稿日:2011/07/12(火) 17:41:23 ID:Klz.Hd0s [4/5]  部屋に入る。お腹がかなり膨らんだ気がする。  今日は本当に意味がわからない日だった。日射病で倒れたノマルは元気だった。元気すぎるぐらいだ。  そして今日の夕食、とんでもない量だった。  フルコース的なメニューなのはいいのだが、量が三人前?五人前?七人前か? 「お兄ちゃん!どうぞ召し上がれ!」  こんな笑顔で言われたら拒否できない。とりあえず食えるだけ食ってみたが、半分すら届かなかった。 「お兄ちゃん・・・もうお腹一杯?」  上目遣いで言われると、拒否できないのが男の性だ。結局全てを平らげてしまった・・・。  お腹が痛い。もう何も食べられない。口に入らない。ていうか逆流しそう。  ・・・今日はもう寝ようかな・・・。明日朝早くシャワーを浴びればいいかな・・・。  横になると、不思議と眠気が波のように押し寄せてきた。目を閉じた瞬間、俺は眠りの世界に落ちていった。  ベッドから起きる。気づけば朝だ。シャワーを浴びなきゃな・・・。  部屋を出て風呂場に向かう途中、何かの液体が足についた。  ピチャッ。 「何だ?これ。」  足の裏を見る、赤黒い?  ・・・は!? 「これ・・・血!?」  何で血が家の床に・・・?血の出所を追ってみる。たどり着いたのは。 「ノマルの部屋・・・?」  ノマルの部屋のドアの下半分が、赤黒く染まっている。  ガチャ! 「うっ!」  生臭さが鼻をつく。部屋の床は真っ赤に染まっている。その先にいたのは・・・。 「あ!お兄ちゃん!」  血だらけのノマルが笑顔で俺を見た。その下には見るも無惨な二人の女子生徒・・・。 「ナオ・・・クド・・・。」  見覚えある顔、体は所々が切り刻まれていた。 「お兄ちゃん!これで二人っきりになれるね!」  血にまみれたノマルが俺に抱きついてきた。 「ハァ!」  汗だくになった上半身がベッドから離れた。 「・・・夢?」  当たり前か・・・ノマルがあんなことするなんて考えられない・・・。  傷がまた疼いてきた。思わず左目を手で押さえる。押さえてはいるが痛みは消えない。  何だ・・・この感覚・・・俺の回りで・・・何が起きているというんだ・・・。  時計を見たら、深夜の4時を示していた。  ・・・シャワーでも浴びるかな・・・。  ベッドから降りて風呂場に向かう。途中、嫌な予感はしつこく俺の後を付きまとってきた。

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