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265 名前:ヤンデレの朝は早い ◆STwbwk2UaU [sage] 投稿日:2011/07/18(月) 01:22:33.77 ID:fPHi5iud [2/6]
――どうしてこんなに早く?
日が上り始めたころにヤンデレは起きる。
「朝から彼に色目を使うメス猫が沸きますからね。
これくらい早く起きないと彼に迷惑がかかっちゃうんですよ」
そういいつつ、刃物などで武装をし、外に出かける。
――辛くはないんですか?
「まぁ、最初の頃はいやでしたよ。
でも彼を奪われるくらいならって考えると苦にならなくなっていったんです」
そういいながら淡々とメス猫狩りを続けている
一般人では到底ありえないだろうと考えてしまう人も
ヤンデレはものの数十秒で片付けてしまう。
――いや、今の人どう見てもただの通行人にしか見えなかったんですが。
「まぁ、初心者にはおすすめできないやり方ですね。
でも私には分かるんです。あいつが彼を奪おうとしてるってことが。」
断言するヤンデレの目に迷いはなかった。
朝のメス猫狩りが終わると、今度は彼のために弁当を作り始めた。
その動作に一切の無駄がなく、かつ愛情を込めることを忘れていない。
「やはり彼のために弁当を作っている時が一番幸せです。
私の弁当を美味しいって言ってくれる時、私は死んでもいいと思えるんです。」
――今、血とか入れてませんでしたか?
「隠し味です。」
断言するヤンデレの目に疑問はなかった。
266 名前:ヤンデレの朝は早い ◆STwbwk2UaU [sage] 投稿日:2011/07/18(月) 01:23:07.43 ID:fPHi5iud [3/6]
「本当なら…動脈の血を使うのがいいのですが、後始末が大変でして…
腕の血を垂らす程度が限界ですね……」
ヤンデレは悔しそうにつぶやいた。
やがて弁当の作成が終わると、ヤンデレは学校へ向かう。
無論、偶然を装っての一緒に登校というイベントもこなす。
此処から先はリアルタイムのインタビューが難しいので、事前に学校に設置しておいたカメラを使い、
日常を映した後、ヤンデレから詳しく状況を聞くことにした。
ヤンデレは、授業中にも関わらず彼の方を見ており、決して目をそらさない。
「はぁ……いつ見ても彼はかっこいいですね………」
――授業中先生にあてられましたけど、見事に回答なされていましたね。
「あんなの彼の好物を調べることに比べたら、全然なんてことないです。
というか、先生もどうせ私が回答できること知ってるなら、当てないで欲しいですよね。」
ヤンデレは少し呆れたように笑いながら当時の状況を説明してくれた。
「あ、ここ、ここです。
今彼伸びをしたら消しゴムを落としましたよね?
これ、わたしが仕組んだんです(笑)」
――ほほう、どのようなことをしたのですか?
「いつも彼、この授業の中盤になると伸びをするんですよ。
そこで、先ほど当てられて黒板に出たときに、こっそり消しゴムを落ちやすいところに動かしたんです。」
少し戻って、その現場を確認してみる。
スロー再生でも残像が出るほどの速さだが、確かに移動させている。
こんな芸当は普通の人ではできないというのに、ヤンデレは笑う。
「日々の積み重ねが、こういうことを出来るようにするんですよね。
あ、ほら、彼が消しゴムを落としたら私の足元まで転がってきましたよね?
これも計算してました。
…はぁ、彼の手………暖かかった………」
267 名前:ヤンデレの朝は早い ◆STwbwk2UaU [sage] 投稿日:2011/07/18(月) 01:23:42.84 ID:fPHi5iud [4/6]
昼のチャイムがなると、御飯の時間である。
この学校ではどうやら、弁当が主流のようだ。
ヤンデレもまた、弁当を持ったままウロウロとしている。
――友達と食べるとか、彼を誘うとかしないんですか?
「あぁ、この動きはブラフです。
別に友達なんて彼に比べたらゴミ以下です。
こういう動きをすると、彼は優しいので声をかけてくれるんですよ。
でっでも、そのうち仲良くなったら私から……!」
顔を真赤にしながらヤンデレは、今後の意気込みを語る。
映像の中の彼女は、彼に朝作った弁当を渡している。その顔はまさに恍惚。
それを見る今のヤンデレもまた、恍惚としている。
――彼、食べちゃいましたね。
「そうですね。食べちゃいましたね……私を。
はぁぁ……もうやめてもいいでしょうか?ちょっとムラムラしてきました。」
もう色々と臨戦態勢になって撮影者の自分を放り出そうとするヤンデレをなだめすかし、
ドキュメンタリーを続行させてもらうことにした。
しかし、次の映像を見たとき、ヤンデレの目が変わった。
――この女性、誰ですかね?
「あああああああの女!!また彼に手を出してっ!!
ああ、あなたいい仕事したわこれであの女に彼を取られる前に排除できる絶対にあの女許さない
彼に手をだそうなんて百年早いのよメス豚あんたなんて犬にくれてやるから覚悟しなさいよ――」
ありと、あらゆる罵詈雑言を画面の向こうにいる女性に向けて放つ。
おりしも体育、それも丁度この女性は着替えの最中であった。
彼がその着替えを見ただけでこの荒れ様、ただごとではない。
268 名前:ヤンデレの朝は早い ◆STwbwk2UaU [sage] 投稿日:2011/07/18(月) 01:24:21.05 ID:fPHi5iud [5/6]
しかしこのままでは話にならないので、ヤンデレをまたも宥めすかし、次の映像を見る。
どうやら下校時間のようである。
ヤンデレはそそっと彼の傍に移動し、吃りながらも彼を帰りに誘っているようだ。
「ここここの時ですね、わ、私すっごい勇気出したんです!
そして、それが実ったんですよ!
あの時ほどやった!って思ったことはないですね!うん!」
――彼、優しいですね。
「そうなんですよ!彼優しいんですよ!
でもその優しさにすぐつけこむ豚どもが多くて多くてほんと処分に困るっていうか……」
彼の話をするときのヤンデレは、非常に嬉しそうだ。
小一時間彼の話をされた後、ヤンデレは急に部屋に向かって走り出し、
部屋の中にあるテレビとヘッドフォンの電源を急いでいれた。
「はぁ…はぁ……そんなに切ない声出さないでぇ……
私の名前を呼んでよ……そしたら私、いつでも貴方のところに行くから……」
画面の向こうの彼は、どうやら性欲処理の真っ最中のようだ。
そしてその声を聞きながら、ヤンデレは自分の秘所をいじっている。
「あぁ、お願いそんなティッシュにせーえき出さないで……私の中に出して…お願い……
私だったら……私だったらそんなティッシュよりも優しく……うぅっ!」
ヤンデレはどうやら自分ひとりの世界に浸ってしまったようだ。
そして撮影者の私もまた、変な気分になってしまったのでこれから風俗へ行かねばならない。
ヤンデレの世界は深い。
この話もまた、ヤンデレの世界の一端でしかないのだ。