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304 :ヤンデル生活 第2話 これから始まること。:2011/07/18(月) 14:51:40 ID:minpuElA ヤンデル生活第2話投下いたします。 「光る海に、広がる星空。この世をかける白い羽よ。」 彼女は満面の星空に照らされながら歌っている。この広い草原と、無限の湖には俺と彼女しかいない。 彼女はとてもきれいだ。透き通るような白い肌に、深い青の瞳。そして、星に照らされて白く輝く白銀の髪。 彼女は楽しそうに歌っている。けど俺は悲しくてたまらない。涙が止まらない。 広い草原に一陣の風が吹いた。 星空を美しく反射する湖に、一人の人が落ちた。 無表情で俺を見つめながら、どこまでも続く満面の星空からつかさが湖に落ちた。 「つ・・か・・さ・・・?」 「うわあああッ・・・。はあ・・はあ・・・。またあの夢か。」 また、という表現はおかしいか。 いつも、真夜中の草原と無限に広がる湖とこの世のものとは思えないほどきれいな少女がきれいな歌を歌っている。 「光る海に、広がる星空。この世をかける白い羽よ・か・・・。」 この歌詞だけが頭から離れられない。他の歌詞は忘れて思い出せないというのに・・・。 でも、今回の夢はいつもと違った。 つかさ・・・。 犯人が妹。殺害動機・・・。  自分の兄を独り占めしたかったから。 「お兄ちゃんのことが好きなの。兄弟としてじゃなく、一人の人として。」 やめろ・・・やめてくれ。俺は・・・俺は・・・お前のことを妹以外に見ることはできないんだ・・・。 この夢をみると、いつも頭が痛くなる。 「頭が痛い・・。頭痛薬どこだったかな。」 まずい、頭痛薬買いに行くの忘れた。 薬局は近くにあるけど・・。 「買いに行くにはちょっと時間が足りないか・・。」 仕方ない、今日は我慢しよう。ちょっと頭痛が続いたからって死ぬわけじゃない。 すると、こんこんっとドアを誰かが叩いた。 わかっている。妹だ。 「お兄ちゃん大丈夫?さっきすごい声出してたから。」 「ああ・・大丈夫だ。いつもの夢見ただけだから。」 「そう・・気を付けてね。お兄ちゃんに何かあったら・・私。」 「大丈夫だって。そろそろ支度しないと遅刻するぞ。」 「うん、わかった。お兄ちゃんも遅れないでね。」 そういって、妹は自分の部屋に帰って行った。 それにしても、頭が痛い。いつもよりかなり痛い。 「やっぱり買いに行くか。」 俺は時間を確かめた。 ・・・。 いや、買いに行ったら100%遅刻だな。  昼休み、俺は一人、屋上で弁当を食べていた。頭痛は朝よりひどくなっていた。 「保健室に行った方がいいかな。」 「九鷹・・君?」 俺しかいない屋上で、誰かの声が聞こえた。 後ろを振り向くと、そこには眼鏡をかけたセミロングの少女がいた。 まさに、委員長という言葉にぴったりの外見だ。 ・・・。 ピッタリすぎる。 「えっと、君は確か・・柴田まりさん?」 「うん!名前覚えててくれたんだ。」 「なんというか、覚えやすいというか。」 出席番号一番だしな。 「そっか。なんかうれしいな。」 そういって、照れくさそうに指をからませる。現実でこんなことする人いるんだな。 305 :ヤンデル生活 第2話 これから始まること。:2011/07/18(月) 14:53:29 ID:minpuElA 「それで?何の用?」 早く、話を済まそう。頭が痛くて死にそうだ。 「あっそうだった。あの、九鷹君の妹のすずさんが呼んでたよ。」 「なんで?」 「よくわかんないけど、私は屋上に行けないから代わりに呼んできてほしいって」 そうか、妹は高所恐怖症だったな。 「悪いけど、ちょっと気分悪いから保健室行ってくるって伝えてくれないか?」 「えっ、九鷹君、気分悪いの?大丈夫?」 「大丈夫。ただの頭痛だから。それじゃ。」 「本当に大丈夫?私ついて行こうか?」 心配そうに俺の顔を覗き込んでる。こいつ、よっぽどのお人よしか、それとも・・。 「いい。本当に大丈夫だから。」 目まいがしてきた、早く保健室に行かないと。 「顔色悪いよ?」 しつこいな。頭がより一層、痛くなる。 「ごめん。ほんといそいでるから。」 俺はそういって振り切るようにその場を後にした。 「あっ・・!まって・・・。く~ちゃん・・・。」  保健室には俺しかいなく、とても静かだ。 保健室の先生も、やさしそうでいい人みたいだ。 「はい。これ、頭痛薬。また何かあったら保健室に来てね。」 「ありがとうございます。九条先生。」 「私のことはまなりんって呼びなさい!」 「は・・はい。」 ちょっと変わってるけど。 頭痛薬をもらった後、しばらくベットで寝かせてもらった。 5校時はたしか、体育だったな。まあ、休んでも大丈夫だろ。 すこし、頭痛もよくなってきたかな。 「お兄ちゃん。」 えっ。まさか・・。 「えへへ。お兄ちゃんの事心配になって見に来たよ。」 「すず・・。もうそろそろ授業始まるだろ、早くいかないとやばいんじゃないのか?」 来るとは思っていたけど、こんなに早く来るとは。 「大丈夫。1年生は今日は実力テストだから、午前で終わりだよ。」 そういうと、妹は俺のベットに潜り込んできた。 「お・・おい、ちょっとやめろって!」 「久しぶりだね。こうやって、一緒に寝るの。」 そういいながら妹は俺の腕に抱きついてきた。 やわらかい肌が俺の腕に滑るように絡み付いてくる。 そして、妹の胸が俺の腕に押し付けられる。 Dカップほどの胸がやわらかく俺の腕を包む。 「ちょ・・やめろよ。誰かに見られたら。」 「別にいいよ。誰かに見られても。」 306 :ヤンデル生活 第2話 これから始まること。:2011/07/18(月) 14:54:21 ID:minpuElA それってどういう意味だ。いや、本当は自分でもわかってる。 「だめだ。こんなこと。」 俺は、乱暴に妹を腕から引き離そうとしたが、がっちりとつかんで離さない。 「・・や。・・・いや。絶対離れない。」 そういって妹は俺の腕により一層絡み付いた。 これはテコでも動かない気だな。 「だめだって言ってるだろ。」 俺はさらに強く引きはがそうとする。 「もう離れたくないよぉぉ・・。うぇぇ。」 泣いてるのか・・? 「お・・おい。すず。」 「うぅぅぅ。うぇぇぇ。」 妹は俺の腕に顔をうずめた。 「九鷹君?もうそろそろよくなったかな?」 俺はとっさに、妹の口を塞いだ。 「あっはい!ちょっと良くなってきましたですけどまだちょっと痛いです。」 やばい、日本語がおかしくなった。 「そう。あんまり、ずる休みしちゃだめよ。」 そういって、小さくウインクをして先生はまた机に戻っていった。 「ありがとうございます。九条先生。」 いい人だ。 「だ~か~ら~まなりんって呼びなさいって言ったでしょ。」 やっぱり変わってる。 俺は、妹の口を抑えたままだったことを思い出して離そうとした。 すると、俺は手に違和感を感じた。 「ぺちゃ・・ぺろ・・れろ・・・。」 妹は俺の手のひらをなめている。 俺はとっさに、妹の口から手を離した。 「お兄ちゃんの手・・もっとなめさせてぇ・・。」 そういって妹は俺の手を掴もうとする。 「やめろっ!手をなめるなんて・・・汚いだろ。」 「汚くないよ・・。お兄ちゃんの手は世界一綺麗だよ?」 俺は我慢できずにベットから這いずり出た。 「あれ?もういいの?」 九条先生が不思議そうに俺を見る。 「はい・・。そろそろ良くなったんで。」 「そう、気を付けてね。」 そういって、九条先生は俺に笑顔を向けた。 俺は軽く頭を下げてその場を後にした。 これから、毎日こういうことが続くのかと思うと気が思いやられる。 俺は体育着を取りに行こうと教室へ向かった。 すると、職員室に知っている顔を見つけた。 それは久しぶりに見た人だった。 それは、忘れたくても忘れられない顔だった。 なぜなら今でも焼き付いている。警察に連行されるあの姿、あの顔を。 朝日向 比真理。 朝日向 司の妹だ。

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