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393 名前:ツイノソラ ◆wERQ.Uf7ik[sage] 投稿日:2012/05/01(火) 18:39:44 ID:Bbf8rtn. [6/10] そして、夜が来る。 僕とケイは、古びた平屋の、今はもう誰も住まなくなったそこに一夜の宿を求める。 夜は……『レイス』の世界だ。 第二世代の僕には危険過ぎる。 レイス――大戦中、空が光ってから、いつからか夜の世界を跋扈するようになった、かつては人間だったものの変異体。 日光の下では生きられず、そのため日中は、光を避けた暗がりに潜んでいる。 レイスは食欲だけで生きている。僕の両親もレイスにやられた。 生きたまま、がりごりと喰われた様は、一生忘れることはないだろう。 僕とケイの二人は、廃屋でささやかな食事を済ます。 「ケイ、その緑色の虫は鍋に入れない方がいいね」 「んあっ、わかった」 日が落ち、流石のケイもピリピリと緊張している。 せわしなく周囲を見回し、手元に近づけた鉄パイプを握ったり、手放したりと落ち着きがない。 「大丈夫だよ、ケイ。外にはトラップを仕掛けておいたからね。レイスが来れば、すぐ分かる」 「うん」 頷いたケイは真剣そのものの表情だった。 きっと、自分でなく、僕のことが心配なのだろうけど余計な心配だ。 僕は手持ちのリュックから組み立て式のボウガンを取り出し、早速組み立て始める。 「ケイ、もしレイス共がやって来たら?」 「…ぶっ叩いて、脳みそ撒き散らす!」 僕は、やれやれと肩をすくめる。 まったく、この脳筋は…… 鉄パイプを握りしめ、鼻息を荒くするケイにいう。 「ハズレ。ケイ、またはぐれても知らないよ?」 「あうっ!」 ケイは第一世代だ。しかも、腕力に限っていえば、飛びきり強力な第一世代だ。 あのレイス共も五体くらいまでなら、素手で応戦できる。 鉄パイプを持ったケイの強さは……推して知るべし。 「……もし、僕がレイスに咬まれたり、ひっかかれた時は?」 「それは……それは……」 ケイはオロオロとして、しきりに唇を舐め回す。 「その時は、僕の脳みそを撒き散らす。分かるね」 「……」 レイスの体液には『レイス症状』を伝染させる『何か』がある。 感染すると、個人差はあるが、一時間ほどでレイスになる。 狂暴化し、喰うことしか考えられなくなる。 この国に僅かに残る『自衛軍』の調べでは、レイスの頭の中に『何か』いるらしい。 僕の旅の目的はこの『自衛軍』と合流することだ。 394 名前:ツイノソラ ◆wERQ.Uf7ik[sage] 投稿日:2012/05/01(火) 18:41:02 ID:Bbf8rtn. [7/10] 『自衛軍』の本拠地は、ホッカイドウの何処かだ。 僕は、そこで『自衛軍』に志願するつもりでいる。 二時間交代で僕から先に眠る。 眠りに落ちる瞬間、泣きそうな表情で僕を見つめ続けるケイの潤んだ瞳が、酷く印象的だった。 … …… ……… ………… 突然響き渡った激しい衝撃音に、僕は飛び起きた。 目の前では、腰に貧相な布切れを巻き付けただけの女のレイスが二体、鉄パイプを構えたケイと対峙している。 レイスたちは歯を剥き出して、飢えにぎらつく眼でケイを睨み付けている。 一方のケイは、わからない。僕を庇うようにして、こちらに背を向けている。 外には糸を張り巡らして、誰かやって来た時は鈴の音が鳴るようにしてある。 ……ケイめ、ここまでレイスを近づけるとは、さては居眠りしたな!? 考えながら、手元のボウガンに手を伸ばす。 ――と同時に、ケイが吼えた。 「ウウウウウ! ガアアアアッ! このメスブタどもっ! そんな格好で何しに来たっ!」 僕は、この剣呑な雰囲気の中、ずっこけそうになった。 確かに、レイスの女二人はおっぱい剥き出しのエロい格好をしている。 けど、問題はそこじゃない。……そこじゃないよね? 「喰らってぶっ飛べ! この腐れビッチがっ!!」 第一世代のケイが、加減なく鉄パイプを振るう。 目にも留まらぬスピードで振るわれたそれは、レイスの女二人の頭を潰れたトマトよろしく吹き飛ばした。 ごちゃあっ、と肉を叩く音がして、放射線状に血飛沫が飛ぶ。 狂奮冷めやらぬケイが喚き散らす。 「カナメは、ケイと一緒にピリオドの向こうまで行くんだっ! 行くんだっ!」 行かない。行きたくない。 ケイは何処でそんな言葉を覚えたのだろう。 そんなことより、部屋中レイスの血液で汚れてしまった。 レイスの血液はとても危険だ。 僕は、ピリオドの向こうがどうとか喚き続けるケイの手を引いて、その場を後にした。 「あのビッチども! カナメとファックするつもりだったんだっ!」 ……いつものことだ。今更、何も思わない。 ケイの馬鹿は、取り返しのつかないところまで進行している。 「くそっ! くそっ! カナメは、ケイのだよなっ!? ケイのだよなっ!?」 「はいはい」 僕はボウガンを構えたまま警戒しつつ、路上に乗り捨てられた古いバンにケイを押し込め、自分も乗り込む。 395 名前:ツイノソラ ◆wERQ.Uf7ik[sage] 投稿日:2012/05/01(火) 18:42:12 ID:Bbf8rtn. [8/10] 僕は後部シートにケイを押し倒し、激しくキスをする。 「あうっ! カナメっ!」 ケイには困った癖がある。 興奮し過ぎてしまうと、なかなか落ち着かないのだ。 鎮静化させるためには性的刺激を与えるのが一番早く、確実だ。 「カナメっ! カナメっ!」 喘ぐケイの首筋をなめ上げながら、耳元でそっと呟く。 「ケイ、落ち着いて……僕は逃げないから……」 なるべく平静を保ち、落ち着いた調子で言う。 このままケイを興奮させたままにしておけば、レイスを呼び寄せることは間違いない。 「カナメぇ…」 ケイが上げる切ない声を聞きながら、バンの窓越しに周囲を見まわす。 レイスのいないことを確認してから、ケイの大きな胸を揉み、下着の中に指を這わせ、ぐちゃぐちゃになったそこを掻き回してやる。 「はぁぅぅ…」 濃くなった女の匂いが車中に漂う。 僕は、舌を絡め、じっくりと煮溶かすようなキスで、ケイを追い詰める。 「カナメぇ……欲しいよぅ……」 返事代わりに、唇を吸い上げながら、肥大したクリトリスを捻り上げてやる。 合わせた唇の間から、くぐもった声が漏れ、ケイが絶頂の合図を出す。 むわっと牝の匂いが濃くなり、手のひらがケイの分泌液に塗れた。 「声出したら、やめるから……」 残酷に言い放ち、再びケイを追い詰める。 挿入はしない。 僕は第二世代だ。本能的な欲求をコントロールできない第一世代とは違う。性欲は理性でコントロール可能だ。 ケイは真っ赤になった顔で唇を噛み締め、呻きすら漏らさぬように耐えている。 興奮を抑えるための刺激は充分に足りている。それでもケイを快楽漬けにする理由は、ただの憂さ晴らしだ。 こんな厄介な馬鹿は、僕には必要ない。 「イケよ……ほらっ!」 アナルにも指を突っ込んで、激しく蹂躙してやると、ケイは返事代わりに、陰部から飛沫を吐き出した。 結局、僕がケイに挿入したのは朝日が射し始めた頃だ。 白目を剥き、飽和状態で快楽を受け入れるだけの人形だったが、それでも挿入の快感は並ならぬものがあったようだ。 「ぎひぃぃ…!」 短く呻き、絶頂する。同時に、思いっきり尻をひっぱたいてやる。 最後の締めだ。 ちょっとした悪戯心。 ……マゾ豚に躾れば面白い。 396 名前:ツイノソラ ◆wERQ.Uf7ik[sage] 投稿日:2012/05/01(火) 18:42:53 ID:Bbf8rtn. [9/10] 「カナメぇっ……好きぃぃ……」 ケイは、その喘ぎを最後に激しくアクメを迎え、失神した。 僕は行く。 この終焉の世界を。 僕は行く。 この終の空(ツイノソラ)の下、精一杯生きるために。

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