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571 名前:キモオタと彼女 5話[sage] 投稿日:2012/06/04(月) 14:52:05 ID:14NcqlcI [3/5] 拙者は、昔見たドラマを思い出していたでござる。 オタクが電車内で酔っ払いに絡まれている美女を助け美女と付き合う物語。 正直あんなシチュエーション有り得ないでござるし、所詮はフィクション。 オゥフ そう思っていた時期が拙者にもあったでござる。 コポオ 今、拙者の前に広がるこの光景は…紛れもなく現実でござる。 「ああああああにょでしゅねェ、おおおおオトゥコの人々がジョジョ女性をカカカ囲ミュのは、いいいいいイケナイことですよぉ! ヌフ」 ひぁぁぁぁぁ!!! やはり、怖いもんは怖いでござるぅぅぅぅぅぅ!! ドラマは酔っ払いサラリーマン一人に対し、拙者の今の状況は見た目が厳つい若者が何人もいるでござるぅぅぅぅぅぅ!! …でも、ここで拙者が逃げてしまったら朝比奈さんが…はわわわわわ…。 「お前…!?」 ひぃっ!? 一番威圧感のあるイケメンが話かけてきたでござるぅぅぅぅぅぅぅ!! 「…お前ら、帰るぞ」 ふぇ? 「なっ、なんでだよ!? この女に何人も…」 「いいから帰るぞ」 「あっ、あぁ…。」 まさかの拙者大勝利!? えっと、どうしてこうなったんでござろうか。 とあるビルの二階の喫茶店で拙者と朝比奈さんが向かい同士で座る日がくるなんて…。 あの後、朝比奈さんに無言で手を引かれて今この喫茶店にいるでござるが…。 「…………。」 「…………。」 うぅ…きっ、気まずいでござる…。 朝比奈さんはさっきからずっと顔が赤いまま俯いているし。 やっぱり、拙者と一緒にいるなんて恥ずかしくてしょうがないんでござろうなぁ。 よっ、よし! 朝比奈さんに拙者と一緒にいて無理をさせるのは、申し訳ないので帰る提案をしてみよう。 そうしようでござる。 コポォ 「…あのっ、」 「あのね助けてくれてとても嬉しかった、ありがとう。あなたはいつも私の事を助けてくれるのに私はあなたに何もしていないよね。 うん、そうだよね。 私はこれからあなたに尽くして尽くして一生尽くさなきゃいけないよね。今までのお礼もしなきゃいけないしね。だから、今からホテ」 「い、いやっ、落ち、落ちつい」 「…嫌? 私と一緒にいるの嫌なの?」 いやいや、嫌じゃなくて…。 572 名前:キモオタと彼女 5話[sage] 投稿日:2012/06/04(月) 14:54:44 ID:14NcqlcI [4/5] だっ、駄目でござる…。 まったく、話にならないでござる。 朝比奈さんの後ろにいる女性が笑いを堪えているせいかものすごく肩がプルプルしてるし、周囲の目が痛いでござるぅぅ。 ここは、退散しなければ! 失敬! 「きょ、今日の事は全然気にしなくて大丈夫ですので! お礼も大丈夫ですので!」 千円札一枚を置いて拙者は逃げるように店を出たでござる。 フフッ、照れているあなたも可愛いね。 でも、今回は反省すべき点がたくさんあるわね。 彼と一緒にいると思考がまとまらず、周りが見えなくなってしまうのが難点だなー。 そう、さっきまで私の後ろにいた女にも気付けないほどにね…。 私以外に彼を狙っている女がいるなんて。 まっ、彼に近付く女は……から。 それより、これからは今日の事を理由にデートに誘う事が出来るのが楽しみで仕方ない。 今まで伝える事が出来なかった私の感謝の気持ちと私がどれだけあなたを愛しているかをこれからは、いっ~ぱい伝えるからね! 明日、会社で会ったら早速デートの約束しないと! 彼とデートが出来るなんて…! 明日が楽しみでしょうがない。 今日は、明日に備えて計画と準備をしないとね。 本当に…明日が楽しみだわ。

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