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136 名前:ふたり第5話 ◆Unk9Ig/2Aw[sage] 投稿日:2012/11/17(土) 22:41:10 ID:QKkCB9TQ [2/9] 第5話 私は家に帰るとすぐに私の部屋に入り、下着姿になってベッドに飛び込んだ。 今日の出来事を何度も頭の中で反芻した。 ショッピングモールで買い物をしてる時、私は一瞬だけどあいつと手を繋いだ。 わずかな間だったけどあの時私は、あいつと恋人になれたような気分を味わえて気分が高揚した。 そして、クレープ店での事も忘れられない一生ものの思い出となった。 あいつと間接キスをしてしまった!しかも私の食べかけのクレープを恋人がするようにあーんして池上に食べさせることに成功したのだ! あいつはとぼけていたけど、あーんして食べさせた瞬間あいつの顔が真っ赤に染まっていたのを私は見逃さなかった。 そして私も池上にあーんして食べさせてもらった。 あーんしてもらったことよりもあいつが口をつけたクレープを食べることができたことの方が嬉しかった。 ただのクレープなのに、あいつが口にしたものだというだけでこれ以上ないくらい素晴らしい至福の味に様変わりしてしまう。 あの時、私はあのままとろけてなくなってしまいそうな、そんな感覚だった。 極めつけはあの展望台での事だ。 あいつの夕日に照らされた横顔はどんな男の顔よりもかっこよくて美しかった。 そして何より、あいつの私への優しい気遣いに私は心臓が高鳴りっぱなしだった。 私の中ですっかり大嫌いな場所になっていたあの展望台をあいつはあたたかい思い出の場所にしてくれた。 私が落ち込んでいるときにあいつが見せた、下手でも私を気遣う気持ちが痛いほどわかるあのエアギター。 はっきり言って何がおもしろいのか分からなかったけど。 あの忌まわしい思い出を一瞬にして忘れさせてくれた。 「池上・・・私の池上・・・。」 私は突然湧き起こった体の火照りを鎮めるために左手で胸のふくらみを抱きしめる。 「・・・・んっ!」 指をぎゅっと食いこませ快楽を求める。 同時に右手を股間あたりに伸ばす。 既にビショビショに濡れている私のアソコを人差し指と中指で開くと、とろりと熱い液体が垂れる。 池上と手を繋いだ右手。その右手で弄るだけで快楽は3倍増しだ。 137 名前:ふたり第5話 ◆Unk9Ig/2Aw[sage] 投稿日:2012/11/17(土) 22:41:55 ID:QKkCB9TQ [3/9] 「ああっ・・・」 左手も同時進行で胸を揉みしだく。ぎゅっ、ぎゅっと力加減に緩急をつけて揉んでいるうちにとてつもない快感が頭の先から足の先まで電撃のように駆け抜けた。 「んんんーっ!くうううっ・・・!」 この行為の中で頭に浮かべているのは勿論あいつの姿。あいつの屈託のない笑顔を思い浮かべる。 「い・・・池上ぃ・・・私の池上ぃ・・・。」 十分に揉みしだいた胸のふくらみの先端をキュッとつまむ。 瞬間、私の体がしなる。快感に頭の奥が甘くしびれる。 私のアソコがひくひくと刺激を待ち望んでいる。 私は右手の指でぱっくりと開かれたアソコをつつーっとなぞる。 それだけでさらなる快感が私を襲った。 ねちゃねちゃと粘着質な淫猥な水音を耳に感じながら更にアソコを責め立てる。 「ああ・・・池上っ!池上いいいいいい!んあああああああああ!」 私の頭の中であいつが好きだよって囁いた時、体の内に蓄積されていた快感が一気に暴発した。 私の体が2、3回痙攣すると、そのまま私はあっという間に果てた。 私は肩で息をしながらベッドに横たわる。 今の自慰行為の激しさへの羞恥心に私は何度も足をバタバタさせた。 それでも、懲りない私は再び今日のあいつの事を思い出していた。 そういえば、エアギターを終えて、その後に恥ずかしがって悶えていたあいつの姿は可愛いかったなあ。思い出すだけで顔がだらしなくにやけてくる。 もしかして私たちは今、ものすごくいい関係なんじゃないか。 このまま一緒に過ごしていけばそのまま恋人になれるんじゃないか?そんな気がしてきた。 だとしたら、私はなんと馬鹿な事をしてしまったんだろう。 原先輩と馬鹿な鎌かけの為に付き合うことにしたことを激しく後悔した。 138 名前:ふたり第5話 ◆Unk9Ig/2Aw[sage] 投稿日:2012/11/17(土) 22:42:33 ID:QKkCB9TQ [4/9] 今日なんか私が原先輩と付き合っていなければ、あいつはもしかしたらあのまま私に告白してきたかもしれなかったのに。 それほどあの展望台でのひと時はいいムードだった。 肌寒くなったわたしはクローゼットから寝間着を取り出した。 取り出しながら、枕もとに置いてあるあいつと私のツーショット写真に目を向けた。 満たされたような笑顔でピースサインをしている私とちょっとだけ気恥ずかしそうにしているあいつが申し訳程度にピースサインを出している。 そんな写真だ。 思わず私のあいつへの気持ちがあふれだしてくる。 「池上・・・好き。大好きだよ。もう原先輩とは別れる。だから、だから、私だけの彼氏になって・・・。」 本人の前じゃ恥ずかしくて絶対に言えないようなセリフをその写真に語りかける。 これは私の声明だ。 原先輩とは別れて、もっとあいつにアタックしてみよう。 そうと決まれば、もう原先輩はいらない。 原先輩とは結局何もないままで別れてしまうことになるから、多少申し訳なく感じる。 でも、私のことを本当に好きでいてくれたなら浮気なんてしなかったはずだ。 つまり、原先輩の私への思いはその程度。別れられて当然なんだ。 正当化しているわけじゃないけど、そう自分に言い聞かせてお気に入りのあいつとお揃いの黒い携帯をとり出す。 私は自慰後のけだるさに負けないように、原先輩の浮気を口実にお別れメールを作成し始めた・・・。 「フー・・・。」 俺は約10時間ぶりの帰宅を果たし、疲れ果ててリビングのソファに倒れこんだ。 今日は1日中米沢に振り回されてばかりだった気がする。 特に最後のエアギターは俺の人生の中でメガトン級の汚点だ。 いま思い出すだけでも叫びだしたくなるほど恥ずかしかった。 ふと台所に目をやると、そこから姉の麻衣が出てくるのが見えた。 139 名前:雌豚のにおい@774人目[sage] 投稿日:2012/11/17(土) 22:43:11 ID:QKkCB9TQ [5/9] 「あ、帰ってたの。ご飯、外で食べて来た?」 「いいや。今月は懐事情がピンチだからそんな余裕はない。」 「ふーん。今日は料理するのがめんどうくさいから宅配ピザ頼んだからね。」 「分かった。そういえば親父は?」 「今日は仕事で遅くなるってさ。」 「あっそう。」 姉の麻衣は無精者だが、母が外国に出張しているため、この家での女手は彼女だけだ。 つまりは姉が俺の母親代わりなのだ。 「今日はどこ行ってたの?」 「ああ、米沢と買い物してた。」 「フーン。」 姉は俺の答えを聞くとどうでもいいやって感じの返事を返す。 自分で聞いといたくせになんだ、その気のない返事は・・・。 プシュッと缶チューハイを開ける音がする。 俺も何かを飲もうと台所に向かった。 「そういえばさあ。」 姉はファッション雑誌を読んでいたが、急に読む手をやめて俺のほうに視線を向けた。 どことなくニヤニヤ笑っている。 「あんたに彼女が出来たでしょう。」 何言ってんだろうか、この姉は。俺には彼女などいない。 恋愛に興味がない俺には色気のある展開など無縁だ。 ・・・興味あったら、彼女がいるかどうかは別の問題だが。 「俺に彼女はいないよ。一体何を勘違いしているんだよ。」 「え?嘘でしょ?絵里ちゃんってあんたの彼女じゃないの?」 違います。 確かに本条さんは俺と多少仲がいいだろうが、誰とでも(米沢等の例外はあるにしろ)フレンドリーな彼女にとってみれば 俺なんぞ道端の石ころに過ぎないことだろう。 140 名前:ふたり第5話 ◆Unk9Ig/2Aw[sage] 投稿日:2012/11/17(土) 22:43:50 ID:QKkCB9TQ [6/9] 彼女ならどんな男でもよりどりみどりだ。姉はおそらくその辺を勘違いしてる。 「へえ、こりゃ絵里ちゃん苦労するわ。」 「は?何だって?」 「なんでもないわよ。」 意味深長な言葉を残すと、にやけた顔を元に戻さずそのまんまにやけ顔でファッション雑誌に再び視線を落とした。 意味不明だったが特に気にせずに、俺は買ってきた新刊のマンガを読み始めた。 我が愚弟は私の鎌かけに全く反応を示さなかった。 薄々感じていたが、哲也は極度の鈍感だ。 私は自分でもなかなか鋭いほうだと思っている。哲也はその分鈍い奴になってしまったようだ。 哲也が帰ってくる1時間ほど前、私は大学のレポートの作成をしていた。 その間、可愛らしい訪問客があったのだ。 本条絵里さん。聞けば、哲也のクラスメートだと言う。 哲也は滅多に女の子の話をしない。大体話すのは、男友達の話だ。だから本条さんなんてとびっきり可愛い女友達があっただなんて知らなかった。 「こんにちは。あの、哲也君いますか?」 「いないわよ。哲也はまだ帰ってきてないわ。」 「いつ頃帰ってくるか分かりますか?」 「さあ、もしかしたら外でご飯食べて帰ってくるかもしれないから遅くなるかも。」 「そう・・・ですか。」 彼女は私の話を聞くと、あからさまに残念そうな顔をした。 おや、これはもしかしたら、もしかするかも・・・と思った。 これは、じっくり話を聞かせてもらう必要があると直感した。 「まあ、立ちながらもなんだから家に上がっていきなさいよ。お茶とお菓子もあるから。」 私がこう誘うと、本条さんはコクリとうなずいた。 141 名前:ふたり第5話 ◆Unk9Ig/2Aw[sage] 投稿日:2012/11/17(土) 22:44:27 ID:QKkCB9TQ [7/9] 「・・・それじゃあお邪魔しますね。」 「あ、そうだ哲也の携帯電話に掛けてみたの?」 よく考えると、本条さんと哲也は全くの赤の他人というわけではなさそうだから、お互いに携帯番号やメールアドレスの交換ぐらいしているだろうと思っての発言だった。 しかし、彼女は首を左右に振って、 「いえ、哲也君は学校には絶対に携帯電話を持っていかないんです。だから、掛けても意味はありません。」 とキッパリと言い張る。 凄い、姉の私でも知らないことを・・・。 これはやはり哲也(好きな異性)のことを色々と知るための本条さんの努力の結果なんじゃないか。私は確信を持って切り出した。 「ねえ、もしかして本条さんは哲也が好きなの?」 「・・・・え?」 私がこの質問をした直後、本条さんは可哀想な位あからさまに顔を真っ赤にして照れた。 今まできっちりとした口調で話していたが、突然発言はしどろもどろになり、動揺してるのがありありと見てとれた。 そして、その内隠しているのも馬鹿らしくなったのか、それとも隠しきれないと思ったのかは定かではないが、はっきりとうなずいて肯定した。 つまり私の勘は当たっていたということか。 だが・・・本条さんはこんなに可愛いのになぜ哲也なんかを好きになったのかは全く分からない。 哲也もなかなか隅に置けないやつだ。 本条さんの話を聞くと、すぐに終わるような恋心ではないことがすぐに分かった。 恐らくは生半可な愛情ではない。私は寒くもないのになぜか鳥肌が立った。 彼女が帰って5分後に入れ替わるように哲也が帰って来た。 運の悪い子だなあと思った。哲也も空気読んでもうちょっと早く帰ってくれればよかったのに。 142 名前:ふたり第5話 ◆Unk9Ig/2Aw[sage] 投稿日:2012/11/17(土) 22:45:06 ID:QKkCB9TQ [8/9] ファッション雑誌から視線を哲也に向けると、楽しそうな哲也の顔が見える。 今、哲也は呑気にマンガなんか読んでいる。 そんなことでいいの? 本条さんみたいなタイプは・・・一度暴走すると止まらないんだから。 巻き込まれて取り返しのつかないことになっても、私は知らないからね。

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