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544 名前:妹さんの心[] 投稿日:2013/05/16(木) 22:59:03 ID:DSZOLsek [2/8] 俺の妹、峰ヶ稿 鐘衣がちょっとした、軽い事件を起こしたのがつい最近――二日前のことである。 時は二日前に遡る、その日 俺は、いつも通りに学校から帰宅路についてのんびりと空は青いな、とか柄にもないことをひんやりとした風をあびながら雲ひとつない青空を見上げて思った。 最近、俺の妹の様子がおかしい・・とは思うものの、あいつの考えていることなんて俺には分からないし、分かるわけがない。 もしかしたら、あいつの身に何かあったのか、とかも考えてしまうのは兄としての性なのだろうか。 だがしかし。 あいつは普段、俺のことを無視する、しかも、全てのことにかけて距離をとる。 昔中学二年生の時は、周りの兄妹と比べて仲が良かったとは思う。 確か俺が中学三年生に上がってから、あいつは俺と露骨に距離をとり始めたんだっけか・・。 そのときの俺は思春期にでもなって難しいお年頃なのだろうと考えて俺の方からも距離をとった。 現在、高校二年に上がった今でも関係は直ってないっていうか悪化してる。 まったく話さないから無視に進化した。 最近は俺の方から目も合わせなくなったな、そういえば。 ああ、危ない危ない、元々の悩みから脱線するところだった・・それで、様子が変なのだ。 ことあるごとに俺に突っかかってくる、この前なんて飯ができたと言いに行ったら部屋の扉越しに罵声を浴びせられた。 顔を合わせると、見てもないのに『こっち見ないでよ』とか言ってきて、見てないと言い返すと喧嘩に派生する。 一年前はまだ、こんなことはなかった。 あと、やけにボディタッチが多い気がする。 喧嘩の時は肩を捕まれ、俺があきらめて引こうとすると手から腕にかけて、どこか捕まれる。 あとは、ご飯の時とか席が隣になると親から見えないところで太もも近辺をひねってくる。 指と指の間でぐりぐりとねじるようにして。手を置いて、触るようにしてひねってくるから余計に性質が悪い。 これではボディタッチではなくボディアタックじゃないだろうか。 まったく、何をあんなに苛立っているのだろうか。 学校で何か嫌なことがあって、ストレスの捌け口として俺を使っているのだろうか・・だとしたらやめてほしいのだが。 妹のことについて考えていると、家の前に着いた。 我が家はどこにでもある一軒家で二階建て、庭付きである。 一回は主に食事とかテレビを見るとか家族共有スペースで二階に俺と妹と親の私室がある。 「ただいまー」 家の玄関を開けて靴を脱ぎ、家の中にいるであろう家族に聞こえるように言った。 母親の「おかえりー」と、いう声と共に二階からがたがたと慌しい音が聞こえてくる。 妹が何かしているのだろうか、何をしているかは想像もつかないが。 とりあえず、普段着に着替えるべく二階の自室へと向かう。 一段、一段と上がっていくたびに木が軋む音がする。 階段を上りきって、自室の扉を開ける。 いや、開けようとした、のほうが正しいだろう。 自室の扉を開けようとしたがガチャガチャと音がなって開かない。 なぜか鍵がかかっている・・・。 545 名前:妹さんの心[] 投稿日:2013/05/16(木) 23:06:57 ID:DSZOLsek [3/8] 「おい、誰か中にいるのか?」 といっても中に入るようなやつは妹しかいないだろうが。 またしても、中から何かバタバタと慌しい音が聞こえてくる。 あいつ、何してるんだ?俺の部屋で・・・。 音が止み、一瞬の静寂の後、目の前の扉からがちゃり、と鍵が開いた音がした。 俺は早速鍵が開いた扉を開けて、妹に何事かと聞こうとする、が 聞く前に妹は俺の胸板らへんに両手を当てて押しのけ、走って自室へと戻っていった。 押しのけるなら触る部分肩でもよくね?、と思ったがどうでもいいか、と脳の片隅へと考えを追いやった。 俺の部屋でいったい、何をやっていたのだろうか。 見たところ、物の位置は何も変わっていない。 ベッドの上のかけ布団が朝出て行ったときよりも乱れていることからベッドの上にいたことは分かるがそれ以外はまったくと言っていいほど何も変わっていないようだった。 前から意味不明で奇怪な行動をすることがあったが、今日もその類のようだ。 やはり、ストレスでも溜まっているのだろうか・・・、最近は普通に話さえしない仲だが、さすがに心配になってくる。 昔の名残なのだろうか、それとも未だに自分は妹のことを可愛く思っているのか・・。 まあ、そんなこと気にしていても仕方がない、どちらにせよ兄だから、で締めくくれるのである。 疲れたため、ふぅ、と小さくため息をついてベッドの上に寝転がる。 ぬちゃ ・・・?ん? 何故か枕の裏に入れた手にねちゃねちゃとした粘質な感触がする。 何かついているのかと思い、枕を裏返してみると、元々は白に近い限りなく薄い青色だった平べったい枕の中央部分がすこし黒ずんでいる、明らかに何か液体をこぼした後のように。 「うぇ!?」 驚いて慌てて手を離す、驚いたからか、変な声を出しながら。 おいおい、鐘衣さんよ・・・なにをやらかしてくれたんですか・・・。 この付着している液体が何か、心当たりがあるが、鐘衣に限ってそれはない。と、思いたい。 あの鐘衣に限ってまさか、兄の枕に自分の愛液なすりつけるとか・・正直言って想像出来ないし、したくもない。 大体、童貞の発想なんてあてにならぬ。これが愛液だと決まったわけではない。 長方形な枕の右上のちょっと尖ってる部分を右手の親指と人差し指でつまみ、自室の扉を開けて走って一階へ降り、洗面所に行き洗濯物の中に入れる。 ・・さて、どうしようか。 このまま妹に何をしたか問い詰めるか、見逃すか。 平和的な解決法が、俺からしたら、見逃すだな、うん。 546 名前:妹さんの心[] 投稿日:2013/05/16(木) 23:16:38 ID:DSZOLsek [4/8] これ以上変に問い詰めて妹との仲の悪さが悪化するとさすがに家に居づらくなるため、今日だけは見逃してやることにした。 今度やったら見逃さないけど。 ほら、仏の顔も三度までって言うじゃないか。 俺の場合三度じゃなくて一度までだけど。 だがこれまでのをプラスにすると三度じゃすまないな、俺の心広いな。 しょうもない自画自賛をやめて、俺は自室に戻ったのであった。 で、これが二日前の事件である。 なんで、二日前の事件なんか思い出してるかというと、今日珍しく妹が普通に話しかけてきたのだ。 勉強を教えてほしいから部屋にきてほしいとのこと。 普通に話しかけられたのなんてかなり前だから、この前の事件が何か関係あるんじゃないか?と、思い出していたのだが、どこが関係しているかわからない。 しおらしい、昔の妹を連想させるような態度だったからついつい最近の妹を忘れて、イエスの返事をしてしまった。 ん、あ、そういえば。妹と二人で、勉強イベントで思い出したけど 確か、今日と明日、明後日帰ってこないんだっけか、父さんと母さん。 なにやら夫婦で温泉にいくんだとさ。 あの歳になってもまだ仲がいいなんて夫婦の鏡だな。 つうことは今日含めて三日間妹と二人きりか、なんか気まずいっていうか、なんていうか。 この勉強を教えるっていうイベントを機会に徐々にでも仲直りできたらいいな、とか高望みしすぎだろうか。 いや、兄ならこう考えて当然・・・だと思う。 あ、もう7時か、そろそろ妹の部屋に行かないと。 ベッドの上から、よっこらしょっと声を出して足を床へと投げ出し、ゆっくりと立ち上がる。 長いこと猫背で本を読んでいたため、両腕を伸ばして上体を後ろに反らして欠伸をすると、骨のなる音が聞こえる。 読んでいた本を勉強用机の隣に設置してある本棚に栞をはさんで戻す。 勉強っていっても、何を教えたらいいのだろうか、ま、そこら辺は妹が言ってくれるだろう。 などなど考えながら、自室を出て妹の部屋の前に立つ。 久しぶりだなー、妹の部屋、何年ぶりだろうか。 とりあえずノックする。 「俺だ、入っていいか?」 「・・いいよ」 しばらくすると小さめな、ちょっと高めで妹独特のアニメにでてくる声優のような声が聞こえてきた。 さてさて、許可をもらったので入るとするか。 『ショウの部屋』と丸っこいかわいらしい文字で書かれた板のついた扉を開ける。 妹の部屋は、質素なものだった。 人形の類は一切なしである。 必要最低限のものしか置いていない、年頃の娘がこんな部屋で大丈夫か?だいじょばない、大問題だ。 自問自答をして、妹の部屋をまじまじと見つめる。 妹は部屋のちょっと中央から左に寄っているテーブルの左側、壁側に座って物理と書かれたノートをテーブルの上に置いて俺の方を見ている。 547 名前:妹さんの心[] 投稿日:2013/05/16(木) 23:24:45 ID:DSZOLsek [5/8] 「はやく、こっち座って」 妹が、そう言い自分の右斜め上側をぽんぽんと叩いてこちら側を見てくる。 「お、おう・・」 妹に言われたとおり、叩かれた場所に腰を下ろす。 妹のノートを見る限り物理がわからないようだ、安心しろ妹よ、物理はお兄ちゃんの得意科目だ。 心内でそう呟くが、口に出して言わない。 機嫌を悪くするとともに下手をしたら手が飛んでくる、もちろんパーじゃなくグーで。 妹は両手でノートをぱらぱらと開き中間部分にさしかかると手を止めた。 「ここ、教えてほしいんだけど」 と言って文字と数字の列に人差し指を置く。 「ああ、それか、そこはだな――」 妹に勉強を教えてしばらく経ったときのことであった。 妹が飲み物をいれてくると席を立った、その際俺に何か飲むかと聞いてきたが、素直に甘えて麦茶を頼んだ。 鐘衣は飲み込みが早いし、一度教えたことはさくさくと覚えていってくれるため凄く楽だ。 「兄ちゃん、いれてきたよ」 鐘衣を脳内でべた褒めしていると鐘衣がお茶を持ってきた。 わりと喉が渇いていたため、俺は一瞬で麦茶を飲み干した、その時一瞬だけ、本当に一瞬だけだが鐘衣がにやりと笑った気がした。 そこからしばらく休憩して、勉強を再開しようとしたその時だった。 「ふぅ・・よし、再開す・・る・・あ・・・れ?」 いきなり、体の力が抜けて後ろに倒れる。 だんだんと、体が熱く火照ってくる。 一体何が起こっているのか理解できなかった、鐘衣に助けを求めようとするが、声が出ない。出そうとしてもうめき声だけで言葉にならない。 ふいに鐘衣が立ち上がる。 するとどこからか、しめ縄のようなものを持ってきた。 鐘衣が俺を起き上がらせて、後ろから抱え込むと、ベッド方面に引き寄せる。 女子独特のいい匂いとやわらかい感触に少しドキっとしたが混乱で脳内を埋め尽くされているため、そこまでだった。 つか妹に欲情はありえない、したとしても一時の気の迷いか狂ったのであろう。 そんなことを考えているうちに妹がニヤニヤと口元を歪に、右端のほうを歪ませて俺の腕をベッドに縄で縛り付ける。 いったい、こいつは何を考えているのだろうか。 妹は立ち上がり、クローゼットからカメラを取り出すと、俺の方に向けるようにして前のほうに取り付けた。 カメラの赤いランプがやけにまぶしく感じる、そこまで近い距離はないのだが。 「あ、忘れてた」 縄をもうひとつ取り出すと、俺の両足を縛りつけた。 ちょっときつめに縛られているせいで痛い。 ふぅ、と息をつくと鐘衣は俺の上に這いつくばって、べったりと引っ付いてきた。 顔を胸の部分に押し付けて、匂いを嗅がれる。 鐘衣の普段はツインテールにしている長い銀髪が少し、鼻を掠める。 アホかこいつは、何をしてるんだ。 何をしているんだっていうか、何を考えているんだ・・。 そして鐘衣が目が赤い、白ウサギのような瞳で俺を見てくる。 気のせいだろうか、若干息が荒い。 548 名前:妹さんの心[] 投稿日:2013/05/16(木) 23:45:01 ID:DSZOLsek [6/8] 「ねね、兄ちゃん、これからボクが何をするかわかる?」 悪戯な笑みを浮かべて俺を見てくる。 わかるわけねーだろ、馬鹿、と言ってやりたかったが、生憎体が動かない。 「ハメ撮りだよ ハ メ 撮 り」 語尾にハートがつきそうなほど甘ったるい声で俺に、一般的な兄妹での間では絶対に出ることがないような単語を俺の耳元で呟いてくる。 って、まて、こいつ今なんつった? ハメ撮り・・? は? え? ちょっとまて、ちょっと待てよ! 何を考えているんだ・・聞き間違えであってほしい。 「兄ちゃん兄ちゃん、ボクがどんな気持ちで三年間過ごしてきたかわかってる?」 俺がわかるわけないだろう、と。 「それはそれは、悶々と、ムラムラとした三年間だったよ。何回兄ちゃんを背後から襲ってしまいそうになったことか・・・この苦労、分かってる?」 だから俺にわかるわけねーだろうが! 口が動かないのがこれだけもどかしいなんて。 まず、兄をそんな目で見ていたことが驚きだよこん畜生。 「二日前、ボクが兄ちゃんの枕をボクの愛液で濡らしちゃったときはさすがに怖かったよ、ばれるんじゃないかって。けどね、けどね、本当はその後が大変だったんだよ?なんせいいところで中断しちゃったから、興奮して夜も眠れなくなったんだよ。あとは、それも重なって以前から計画していた、『兄ちゃん逆レイプ大作戦!』を実行しようと思ったんだぁ。しかも都合よくお母さん達旅行だし」 あのねちゃねちゃした液体って、やっぱりこいつのアレだったのかよ! 普通に触っちまったよ・・・。 まず兄の枕になすくりつけること自体がおかしいだろ、オイ。しかも実の兄を逆レイプする計画とかたてんなよ!! 「んぁっ」 鐘衣が左手を俺の右頬にあてて、右手を服の下に入れ、背中を撫でられる。 鐘衣の右手が案外、思っていたよりも冷たかったため変な声がでた。 ちょ、まじでやめろよバカヤロー。 熱のこもった目で、頬を赤く染めて俺を見てくる鐘衣。 ちょっとそんな色っぽい目でみないで! 549 名前:妹さんの心[] 投稿日:2013/05/16(木) 23:45:48 ID:DSZOLsek [7/8] そしてじわじわと鐘衣は俺に顔を近づけてくる。え?こいつなにしようとしてるの?いやいや、この状態だとなんとなーく予想はできますけど・・。 だらしなく開けられている俺の口の中に鐘衣は舌を入れる。 舌をつたって何かが流れ込んでくるのが分かる。言うまでもない、鐘衣の唾液である。 そしてしばらく俺の舌を弄んだあと、唇を離した。 「ぷはぁ あぁ、いいよ兄ちゃん興奮してきたよ。んふふ、兄ちゃんが起きてるときのハメ撮りは初めてだなー」 恍惚とした表情で言う鐘衣。俺は、その発言に違和感を覚えた。 起きてるとき・・・? まてよ、それじゃ寝てるときもしたことあるような言い方じゃないか。 純情チェリーボーイだぞ、俺。 「あ?その目は気づいちゃった感じ?ご想像通り、寝てるとき、何回も何回も何回もヤらせてもらってたよ!薬ってすごいよね、何をしても起きないんだから、ふふふ」 妖艶な笑みで俺の顔をじっと見つめてくる。 父さん母さん、娘はもう手遅れなようですよ。 そしてしらない間に俺の貞操は散らされてたようだ・・・。 「確か初めて撮ったのが小学6年生の時かなー、友達のみいちゃんがエッチな本見せてくれて、それを見てて思いついたんだ!ボクも兄ちゃんとのエッチを動画で撮ってコレクションにしようかなって。けどね、小学6年生の知恵じゃ薬盛るとか大胆な発想が浮かびあがらなかったから、素で寝てるときとか、夕食にちょっとだけお酒とか混ぜたりしてたんだー、兄ちゃんは今の今までボクがそんなことしてるなんて思ってもなかっただろうけど、それでねそれでね、兄ちゃん結構ショックだったみたいだし教えておくけどなんで兄ちゃんに冷たくしてたかっていうとね?そうしたら兄ちゃんもっとボクにかまってくれるかなーとか思ってたんだけど逆に遠ざかってたんだ。酷くショックだったよ、ボクは。もうね、学校に今まで撮ってきたビデオと画像をばら撒こうかと思ったよ、うん。けど、そのおかげで動画撮るときに背徳感とか感じれてよかったっちゃよかったんだけどね、寂しかったよ、ボク、これからどうやっていままでの分のお返ししてくれる?やっぱり毎晩エッチ?それとも学校でカップル宣言?それともそれとも両方にする?ふふふ、楽しみだなぁ。あ、抵抗しようとか考えたらだめだよ?そんなことしたら動画とか画像とか全部広がるようになってるからね?データのバックアップもばっちり取ってあるし、抵抗なんてするより従順に従ったほうが得だと思うなー。何もかも縛り付けるわけじゃないけどね、事務的な用で以外女の子と会話するのはやめてね、ボク以外の女の子を見ないでね、目とかも合わせないでよ、遊ぶとかもってのほかだよ。兄ちゃんにはボクさえいればいいもんね、また昔みたいに一杯一杯いーっぱい!遊ぼうね!」 息継ぎなしでよく言えたものだ、さすがに背筋がぞくっときた。 体温が下がっていくのが自分でもわかる、多分俺の顔は真っ青になっているであろう。 もっと早く気づくべきだった、妹の内に潜む狂気を・・いや、俺がいままでほったらかしにしていたのが悪化させたのだろうか。 頭の中で対抗策やらなにやらが浮かんでいくがおそらく全て通用しないだろう。 下手をすれば監禁されてビデオ公開の刑にもなりえる。 ああ ――終わったな。 四月二六日 俺の人生が終わった瞬間だった。 さようなら今までの平和な人生。ようこそこれからの異常な人生。 妹は大切にしろよ?対応を間違えるとえらいことになるぞ。

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