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737 名前: ◆UDPETPayJA[sage] 投稿日:2013/07/26(金) 07:29:49 ID:35uqTW2k [2/8] その場面を目の当たりにした俺は、一瞬、何が起こっているのか理解できなかった。 ベンチから落ち、床に横たわる彼女は、必死に息をつきながら苦しみに顔を歪める。 どうしてこんなにスカートが血まみれなのか、なぜ彼女はこんなに苦しそうにしているのか。あまりにも突然すぎて、思考が追いつかない。 「結意ちゃん…結意ちゃん!! しっかりしろ! 結意ちゃんっ!」 何が原因なのか。どうすればいいのか。簡単なことだ。ここは病院なんだから、医者を呼べば済む。 けれど、そんな簡単な事にすら気付かないくらい、俺の頭は混乱していた。 ただ阿呆のように名前を呼び続け、力のなく、少し冷たい手を握るくらいしかできない。 その様子に気付き、看護婦が近づいて来る。俺たちを見ると、すぐに異変を察知したのか、ドクターを呼びに向かった。 そこでようやく俺は、自分の阿呆さに気付く。なぜ、そんな簡単な事を忘れていたのか、と。 間も無く、看護婦は数名と、担架を持って引き返し、結意ちゃんは担架に乗せられ、他の場所へ運ばれて行った。そこに俺も追従していく。 「君は…この娘の?」と、看護婦が尋ねてくる。 「…ただの、友達です。」 「…そう。大丈夫よ、見た限りは命に別状はないわ。ただ…いえ、なんでもない。」 「?」 看護婦が語尾を濁らせたのが、僅かに気になった。 担架が、処置室の前に到着したあたりで看護婦に足を止めさせられる。これ以上は着いてはいけない。 「結意ちゃんを…お願いします。」そう医者たちに言うことが、今の俺の限界だった。 * * * * * およそ2時間は経っただろうか。処置室の扉が開き、医者が出てくると、俺はすぐに食ってかかるように尋ねた。 「結意ちゃんは! どうなったんですか!?」 「…助かったよ。あの娘は、ね。」 「───よかった…! 助かったんです、ね…?」 おかしい。結意ちゃんは助かったはずなのに、医者の顔つきは険しい。まるで、苦虫を噛んだように… 「君は、あの娘の彼氏か何かか?」医者は厳しい表情のまま、そう尋ねてきた。 「いえ…俺はただの友人ですよ。結意ちゃんの彼氏は、俺の親友なんです。」 「そうか…親友か…」 医者の額から、汗が流れ落ちる。処置でかなり神経を使ったんだろうか? …いや、この医者の様子。きっと他に何かがあったんだ。だって、この医者は結意ちゃんが助かった事を″素直に喜んでいない″。 この表情は、俺もよく知っているはずだ。そう…これは、大切なものを守れなかった人間の顔だ。 だけど…一体なにがあるんだ? 「結意ちゃんが、どうかしたんですか。」 「………すまない。私の口からはまだ、言えない。」 「飛鳥…俺の親友になら言えるんですか。」 「………………」 俺の言葉に医者は答えを出さないまま、わずかな沈黙が流れる。 遠くでエレベーターの開くような音が、まるですぐ近くで聞こえているように耳に伝わる。 こんな時間だ、病院の中ではさして人は動いていないだろう。辺りは静かで、互いの息を呑む音が聞こえたとき、先に言葉を発したのは医者の方だった。 「…………ああ、むしろ真っ先に話すべきだろうな。彼女ひとりの問題ではないからな。」 「…それ、どういう意味で…」 「もう、今日は帰りなさい。恐らく彼女は明日まで起きないよ。」 医者はそう言い残すと、俺の視線を振り切るように足早に立ち去って行く。 …残念なことに、今の医者の言葉だけで俺は結意ちゃんに何が起こったのか。それがわかってしまった。 738 名前: ◆UDPETPayJA[sage] 投稿日:2013/07/26(金) 07:31:26 ID:35uqTW2k [3/8] 「うっ………く、あ、あっ……! 」 俺は膝から崩れ落ち、床に拳を打つ。 悔しさが、腹の底から込み上げてくる。だけど駄目だ。この感情を吐き出すなら、せめて外に出なければ。 鉛よりも重く感じる足に力を入れる。無理矢理立ち上がり、ろくに前も見ないまま階段へ向かい、下っていく。 結意ちゃんの処置室は、亜朱架さんの手術室と同じ2階にある。外へ出るまで、そうかからない。 正面玄関はすでに閉じられているので、救急外来口から出るしかない。少し探したが、すぐに見つかった。とにかく、早く外へ… 救急外来口には受付係と思しき人影があったが、そいつはただ機械的に「お気をつけてー」と言うだけで、俺の顔など恐らく見もしなかったろう。 好都合だった。こんな、まるで屍鬼のようにふらふらしながら歩いている姿を見られでもしたら、呼び止められたかもしれない。 外は当然の如く暗闇で、街灯と救急外来の電気がついている以外はほとんど光がなかった。少し歩けばその街灯の前につく。ここならいいだろう。 「───あァぁぁぁぁぁぁッ!!」 その街灯の柱に、俺は拳を思い切り打ち込んだ。それも1度じゃない。何度も、何度も。 骨が砕ける音が聞こえた。柱には血の痕がつく。そのうち頭突きまで織り交ぜては、身体を痛めつけていく。どうせ30分もせずに治るんだ。あの日折れた前歯も、そのくらいで生えてきた。いくら傷つけたって、意味がない。 ただ生きているだけのモノ、今の俺はまさにそれだ。守りたいものも守れずに、ただのうのうと生きているだけの───! こんな俺に、何の価値があるというんだ。誰か殺してくれよ。俺はそんな事を脳裏に思い描いていた。 「うぅぅぅぁぁぁ、らあぁァァァ!!」 さらに強く、加速度的に、柱に八つ当たりをする。───人が見れば、狂っている、と思うだろう。 狂っていたらどんなにいいか。そうすれば、誰かを守りたかったなんて思わずに済むんだから。結意ちゃんの失ったものに比べれば、俺なんて… そうしてどれだけの間、自傷していただろうか。いつしか腕に力が入らなくなり、嗚咽を漏らしながら地面に突っ伏した。 「ちきしょう……俺は……俺はぁ…っ…」 身体の再生が始まっているのが感じ取れた。柱に血痕だけを残し、俺の身体は数分もすれば、もとの傷無しに戻るのだ。 そこに、見計らったように携帯電話がぶるぶると震え始めた。 …なんてこった。佐橋からの電話からこっち、電源を付けっ放しだったのか。しかも、また佐橋からの着信ときた。 それもそのはず、俺が携帯でまともに会話するのは、飛鳥ちゃんと佐橋ぐらいしかいないんだから。 俺は激しい義務感を抱きながら電話をとった。 『その様子だと、間に合わなかったみたいだな…』 「そっちこそ…俺の情けねえざまを、″視て″たんだな。」 『…今回の件は、お前の責任じゃあない。そう言うのは簡単だがな。あえて止めなかったのは、かつて俺も同じ思いをした事があったからだ。』 「同じ思い、だと? こんな惨めな思いを、お前もしたってのか。」 『惨めな思いならいつもしているさ。俺の予知は、ほぼ必ず当たるんだからな。』 必ず当たる。それは、どんなに最悪な未来が見えても、それを変えることができなかった、という意味だ。 それは佐橋にとって、これ以上ない皮肉だろう。 『………端的に言うとだな、俺は恋人を守るために、実の妹を見殺しにしたことがある。それだけの事だ…』 「えっ…?」 なんだよ、それじゃあ俺どころか、飛鳥ちゃんと同じじゃないか? その言葉は喉まで出かかったが、押しとどめた。 そんな事、今更言うまでもない。 『本命に入るぞ。聞け、斎木。』佐橋の声に、緊張の糸が走った気がした。 739 名前: ◆UDPETPayJA[sage] 投稿日:2013/07/26(金) 07:36:14 ID:35uqTW2k [4/8] 『お前たちの話だと、穂坂の家には瀬野が案内したんだよな?』 「ああ、そうだ。」 『そして、織原が窓ガラスを割って侵入…激情に任せ、瀬野に暴行を加え、お前は前歯を折られた。まるで物盗りが入り込んだようなサマだな。 なのになぜ、お前たちの所へ誰も来ない?』 「えっ…誰も…?」 『穂坂と父親がその家にいて、瀬野とは関係がなかったとするならば、普通は空き巣を疑うだろ? 何せ、食器はぐちゃぐちゃ。瀬野の血が飛び散り、お前の歯も落ちている。土足なら、足跡もある。指紋もある。』 「そ、それは…誰も帰らなかったからだろ?」 『その通りだ。あの家にはお前たち以外はあれ以降入っていないだろう。 しかし、今日確認しに行ったら、お前の言っていた痕跡など何もなかったぞ。』 「な…どういうことだ?」 『誰かが後始末したんだろうよ。警察沙汰になると困る、と思って。 まあ、これならどうだ? 瀬野 遥は現在″父親″と同居し、穂坂は″母親″と同居していたが、父親が仕送りを送っていたらしい。』 …待てよ。それでは逆だ。確か瀬野は、穂坂が父方で、瀬野が母方だと言っていた。 『さらに、父親は出張が多い仕事で、現在も中国へ出向いている。母親はどうやら新しい男を…まあいいか。』 「おい、そんなのどこで調べたんだよ…?」 『俺の友人にはな、そういう調べ事が得意な奴がいるんだよ。2日もあればあらかたわかる。 わかるか? お前たちは騙されたんだよ、瀬野に。』 「騙されたって…どういう意味だよ!?」 『あの家は瀬野の家だ。ご丁寧に表札をすり替えたようだがな。俺が見た穂坂の家の表札は、明らかに真新しいものだった。 そもそもだ、母子家庭に、バイクを買ったりメイド服を大量入荷する財力などあるわけないだろう。 あれは恐らく父親の小遣いみたいなもんだろうよ。 瀬野の目的は、アジトの在り処を撹乱すること。自宅でなければどこだ、と思わせること。 一度無駄足を踏ませれば、もうそこへ行くことはないだろうからな。なら簡単だ。穂坂は母方の家にいる。』 「穂坂の…母親の家? け、けどそんな事をして瀬野に何の得がある!?」 『単純だ。あの男はまだ織原の事を諦めてはいない。穂坂が神坂を、瀬野が織原を。恐らくそういった流れだろう。 まあ、織原の方は瀬野を選ぶくらいなら命を断つかもしれんが。』 ………何てことだ。確かに、思い返せばあの場面での瀬野の登場は、でき過ぎていたようにも感じる。 全部、俺たちをミスリードさせるための行動だとしたら… 冷めていた身体に、熱が戻っていく。怒りと、単純な罠に気付かなかった苛立ちとで。 『気持ちはわかるが、落ち着けよ。まずは明日まで待て。俺にも準備がある。 とりあえずは、朝になったら織原に顔でも出せ。』 …本当に、あいつは頭の回りが早い奴だ。俺のやることなすこと、全て先読みしてるかのような言葉ばかりだ。 通話を終えると俺は、傷があらかた塞がったのを確認してから、今度はバス停へと向かった。 少しだけ気持ちが落ち着くと、今度は冷えた外気が身体にまとわりつく。バスもあまり本数が残っていない。 とにかく、今は明日を待つばかりだ。 740 名前: ◆UDPETPayJA[sage] 投稿日:2013/07/26(金) 07:37:40 ID:35uqTW2k [5/8] * * * * * ───声が、聞こえる。 貴女の大事なものを、全て奪ってやる、と。 私の大事なものを奪った、貴女を許さない、と。 呪詛を吐くのは、まるで鏡に写したように、私と瓜二つのソレ。 私も人のこと言えた義理じゃないけれど、明確な悪意の塊のような女。 世界の全てを敵だとでも思っているかのような、鋭い眼差しで女は私を睨む。 女としての幸せ、母としての幸せ、そして、生きることの幸せ。 ひとつずつ、?据いでいってあげる。 覚悟なさい、楽に終わらせてなんてあげないから─── 女の声が遠ざかる。海の底から上がっていくように、私の意識は外を向き始めた。 ───耳に入ってきたのは、何処かで聞いたような電子音。首を傾け、薄ぼんやりとした視界を凝らして、電子音を発する機械は私に繋がれているのだとわかった。 「よう、目が覚めたんだな。」 窓に差す太陽を背景に立っていたのは、斎木くんと、佐橋くんと、三神さん…? そもそも、どうして私はこんな所にこうしているの? まるで事態が、理解できなかった。 「光(こう)。説明を頼んだ。俺と斎木は外に出てる。」 「わかったよ、歩。」 「…辛い役割をさせて、すまない。」 「女の僕にしかできないことなんだから、仕方ないよ。どうか気に病まないで。 ちゃんと、最後まで僕に任せて?」 柔らかい声で佐橋くんと話しているのは、佐橋くんの彼女である三神 光。 長く伸びた綺麗な黒髪と、大人びた容姿に反してどこか幼げな雰囲気。そして、少し変わった口調の彼女だけがここに残り、男の子2人は外へ出た。 「…………話をする前に、覚悟をしておいて欲しい。僕は、先にお医者様から話を聞いたんだ。僕から伝えるから、って言ってね。 先に歩が言い当てなきゃ、教えてくれなかったろうけどね…。」 「覚悟…? 私は、何かの病気だとか…?」 「………その方が、良かったかもしれないよ。」そう語りだす三神さんの顔つきは、翳りを見せ始める。一体、何を話そうっていうの…。 「いいかい、結意さん。君はね………流産したんだよ。」 「…………………え、な…?」流産、だって? そんな、何を言っているのか、わからない。 「…やっぱり、自覚がなかったんだね。でも、心当たりはあったはずだよ。君のお腹には確かに、命が宿っていたんだ。…それが、昨日失われた。」 血の気がまたたく間に引いていく。三神さんの言葉が、ひとつずつ心を刺す。身体はわけもなく震え始め、胸に深い穴が穿たれたように、息をつくこともできない。 そうだ。思えば私達は、1度たりとも避妊をしなかった。できていて、当然の……… 「…本当に、残念だったよ。でもね、結意さん…」 「…う……あ、あぁっ、わ、わたしはぁ…」 「どうか落ち着いて、結意さん!」少し語尾を強めて、三神さんは続ける。「君の身体も、危なかったんだよ? 助かったことだけでも…」 無理を言う。飛鳥くんのために生きると決めたのに、何も守れなくて、それどころか、私は大事なものを失ったのに! 「あぁぁぁぁぁっ、イヤあぁぁぁぁぁあ!」 …気が付けば、私は狂ったように叫び出していた。 741 名前: ◆UDPETPayJA[sage] 投稿日:2013/07/26(金) 07:40:16 ID:35uqTW2k [6/8] 頭を抱え、髪をぐしゃぐしゃに掻き毟り、そのうちの何本かがちぎれる。 「かえして!! 何でもするからかえ゛じて!! かえして、かえしてよぉ!! う゛あぁぁぁぁぁぁ!!」 素直に狂えていれば、まだ楽だったかも。かつて、私は飛鳥くんに捨てられて心身共にずたずたになったことがあった。それは亜朱架さんのせいであって、飛鳥くんのせいではなかったのだけど。 …そんな痛みなど、今のこの苦しみに比べればまだぬるい。 飛鳥くんと繋がった証。飛鳥くんのほしかった、家族という存在。 もう何も失いたくないと飛鳥くんはいっていたのに、わたしは、まもれなかった。 こんなわたしに、なんのかちがあるの。どうしてまだ、いきていられるの。 あいしたひとは、うばわれたままで。こんなわたしをみたら、こんどこそすてられる。 そんなのはイヤ。いっそ、ころして。 ころして、ころしてころしてころしてころしてころしてこロシてころしてころしてころしてころしてころしてころして殺しテころしてころしてころシてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころして─── 「結意さんっ!!」 不意に、わたしのからだが押さえつけられる。三神さんが、抱きつく形で押し倒したのだ。 「そんなこと言っちゃダメだ! いいかい、絶対に僕は君を殺したりなんかしない! 他のみんなだってそうだ! 第一、君が死んだら彼だって悲しむだろう!?」 ベッドに押し倒されて、押さえつけられてもまだわたしはもがき続ける。そんな言葉に意味はない、わたしはもう、生きていられない。 「…っ、まだそんなことを! そんな事は、絶対許さないから!」 ぐい、と顔を押さえつけられる。無理矢理正面に向けられる。私と、彼女の距離が縮まる。それは─── 「──────ん、っ!? はぁ、あ、んんっ、んちゅ…んぁ!」」 彼女の唇が、わたしのソレと重なる。口で荒く息をついていた私の呼吸は塞がれ、苦しさで意識が引き戻される。 もがいても、彼女は決して離すまいと力を込める。 唇と唇が触れ合うけれど、そこから伝わるのは卑しい感情などではなく、彼女の覚悟だった。 「っ、はぁ……この唇に誓うよ。僕は絶対に君を死なせない。みんなと一緒に守ってみせる。だからどうか、その命を棄てないで。生きることをやめないで! 神坂くんを守れるのは、君しかいないんでしょ!?」 大粒の涙を流しながら、彼女は言う。幼げな雰囲気だなんて、とんでもなかった。彼女はこんなにも強く、輝いているのに。 …そうだ。わたしは飛鳥くんの為に生きなきゃいけないんだ。 気づいてすらあげられなかった、失われた命。その傷はきっと癒える事はない。何度も泣くかもしれないけれど。 わたしが、飛鳥くんを助けてあげなきゃいけないんだ。そして、今度こそ… 「………うん。わたしが、やらなきゃいけないんだ。」 742 名前: ◆UDPETPayJA[sage] 投稿日:2013/07/26(金) 07:41:29 ID:35uqTW2k [7/8] * * * * * 時同じくして、壁を挟んで廊下側に、俺と佐橋は待っていた。 「───やるねぇ、カノジョ。いいのかい?」佐橋の前で、わざとらしく軽口をついてみせる。 「構わん。あれにはやましい意図など含まれていない。誓い立てと、ついでに頭を冷やさせただけだろう。」 「ほぉー…随分、行動力がおありで。」 「当然だ。なんせ、俺の″未来″を初めて変えた女だからな?」 佐橋は淡白そうに答えるが、口元がにやついている。あれは絶対の自信と、惚気が混ざった顔だな…。 「さて、と行きますか?」俺は佐橋の肩をぽん、と叩き、確認する。 「ああ、行こうか。俺の予知とお前の不死身があれば、すぐにカタはつくさ。」そう言うと俺たちは女子2人を残して、病室から離れていく。 全てのケリをつけるために。 ───待ってろよ、結意ちゃん。すぐにアイツを取り返してくるからな。

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