「題名の無い長編その三第一話」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「題名の無い長編その三第一話」(2009/04/16 (木) 22:45:52) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
9 :名無しさん@ピンキー :2008/04/25(金) 01:03:30 ID:4FqnX7n3
高1春 男
高校に入学して1ヶ月がたった。
地元の中学からこの高校に入学したのは俺だけだったので不安もあった。
でも、友人もでき、問題なく学校生活を送っていた。
部活はテニス部前から興味があった。それだけだ。
順調にどこにでもいる高校生になっていった。
高1夏 男
学校生活にも慣れてきた頃、クラスで気になる女子ができた。
彼女はクラス、いや学年でもトップクラスの容姿だった。だが漫画に出てくるような容姿端麗、頭脳明晰
というような娘ではなく、成績は中の下くらいだった。性格はおとなしく、化粧もしていないようで、同じようにおなしい
性格の友人とグループを作っていた。
10 :名無しさん@ピンキー :2008/04/25(金) 01:03:57 ID:4FqnX7n3
高1秋 男
夏休みが終わり、2学期が始まった。
彼女は夏休み前と変わっていなかった。
もし、派手な風貌になっていたらどうしようと身勝手な心配していたので安心した。
そんな風に彼女を見ていたら目があってしまった。
あわてて目をそらした。俺は女子にはまったく免疫がないんだ。
文化祭が近づいているので放課後も残って準備することが増えてきた。
俺は意図せず彼女と同じ班になっていた。
黒板の希望するグループのところに自分の名前をさっさと書いて友人とふざけていたら
彼女もこのグループに来てしまったのだ。
俺はただでさえ女子に免疫がないのに、気になる娘がそばにいるととても平静ではいられない。
放課後の作業も部活だとか塾(嘘)だとか言って逃げまくっていた。
しかし、いざ文化祭が近づくとそんな言い訳も通じなくなり、いやいや参加していた。
俺は異常だと自分でも思う。好きな娘と事務的な用事について話すだけでも嫌なのだ。
心臓がバクバクいって自分のヘタレた部分を見せ付けられるようでとても耐え切れないのだ。
文化祭は2日間に渡って行われる。
周りの友人はクラスだの部活の女子だのを誘い一緒に校内を回るようだ。
だが俺にはそんな発想はまったく無かった。
はっきり言って好きな娘ができても恋人になりたいなどと思ったことはない。
前に述べたようにヘタレなのものあるが、何より俺は自分に自信が無かった。
成績ははっきり言って悪い。運動も部活はしているが試合に勝ちたいとかそういう気持ちはなく、
いわば、前からの興味と運動不足を気にしてのことだった。
最後に容姿だが、これは実は周りからの評判は悪くない。といっても女子に免疫のない俺が女子の評判を耳にする機会などあるわけもなく、
もっぱら、男連中からだ。まあ要は信用ならない情報だ。
当日は部活の出し物のない時には教室の出し物に顔を出すことにした。
教室に行くと彼女が居た。
俺達のグループで入るのは彼女だけのようだ。目が合ってしまったのでしかたなく平静を装って彼女の方に向かう。
いつから当番をしているのかと尋ねてみるともうすでに3時間もここに居るそうだ。
俺は彼女に自分に任せてくれてかまわないと伝えたのだが、しかし
彼女は友人も男子とどこかにいってしまっているのでいいと返してきた。
俺は困ってしまった。彼女にこの場を任せるように言ったのは自分のためでもあったのだ。
俺は文化祭前に何が何でも彼女を落とすと豪語していた友人の登場を願った、心の底から。
すると友人ではなく誰だか知らない男が現れ、彼女に話しかけた。誘っているのだろう。
しかし、彼女はそれを断っているようだ。男はしばらくねばっていたが、やがてあきらめていってしまった。俺を睨み付けて・・・
結局文化祭が終了するまでの間俺はずっと彼女と一緒にいた。
その間彼女には10人以上のお誘いがあった。
しかし彼女は誰の誘いにも乗らなかった。そのせいで俺は10人以上に睨まれるはめになってしまった。
でも、彼女も彼女だと思う。相当なイケメンもいたのに振ってしまうなんて持ったいない。
イケメンをふって10分に一度「人あんまり来ないね・・・」「うん」なんて会話しかできない俺といるなんて矛盾している。
もしかしたら彼女も俺と同じ気持ちなのかもしれない
俺と同じで異性が苦手なのだ。
ちなみに彼女を落とすと豪語していた友人は前日にはもう振られていたらしい。
それを聞いて俺はホッとした。
身勝手だと思う。
彼女と二人になってしまった時には来い!そして誘え!と思っていたというのに。
11 :名無しさん@ピンキー :2008/04/25(金) 01:04:34 ID:4FqnX7n3
高1冬 男
俺の耳に恋愛の噂はあまり入ってこない。
俺自身が好きな人をまわりに言ったりしないせいだと思う。
クラスの中で三角関係が起きていたことなど、三角関係に決着が付いた後に知った程だ。
だが、噂の当事者が学年でも評判の美少女となれば話は別だ。
彼女に好きな人がいるらしい
俺は正直ホッとした。付き合っているという噂ならショックを受けただろう。
しかし、好きな人がいるというのはいいことだと思う。
自分のことは棚にあげるが、彼女にはいい恋をしてもらいたいと思う。
はっきりいって俺のような青春は駄目だ。
それに好きな人がいるらしいという段階から聞ければ、付き合っていると聞いてもショックは和らぐだろう。
2月14日はバレンタインデー
中高生男子にとっては審判の日だろう。
女の友人でもいれば気軽に構えてられるのかも知れないが、俺のような人間にそうはいかない。
というか、俺自身はそんな気にしてないのだが、同じ系統の人間が俺を巻き込んで騒ぐのは迷惑極まりない。
結果の見えているのにいつまでも教室にいるのは見ていて哀れになる。
俺はさっさと部活に行くことにして教室を出た。
その時についいつもの癖で彼女を見てしまう。
目が合う。合ってしまった。
後悔した死ぬほど
勝手に期待していた身の程知らずの男と思われただろうか。
彼女は意中の相手にチョコを渡すことはできなかったようだ。
彼女の性格なら十分にありうることだ。
普段、親しくしているならまだしもそうでない相手にチョコを渡すことは告白に等しい。
彼女は家で泣いたりしたのだろうか