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519 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2008/05/22(木) 01:27:09 ID:PgPjpBDj こんばんは、続きを貼りに来ました、誤字脱字は二回くらい読んで修正したので多分大丈夫です。 いろいろ言ってもらえるのはありがたいですが、いきなり何やかんや言われても対応も手直しもし きれませんし。そこまで高いレベルを自分に求められても困りますので勘弁してください。 別に趣味でやっておりますので自分の文章やSS自体が気に入らなければスルーしてくれて構いません ので。 君の涙が乾くまで~西田義孝⑧ あれから俺はずっと夢を見ていた、まだ遠い、いや、ほんの数ヶ月前、学園に通って実家で家族四人で 幸せに暮らしていた頃の夢だ。そして当然のように俺とさやかは恋人同士で、いつでもずっと一緒の カップルで…やがて結婚してさやかが子供を生み、家族で仲良く暮らす夢、そう、もう戻れない、それでいて もっとも俺が叶えたかった夢だ。 「さやか…」 俺はそう呟くと同時に覚醒し、ゆっくりと目を覚ます、そこは真っ白な部屋だった。 「まずい!S-01号がまた覚醒したぞ!!」 「逃げろ!後一歩という時にこうなるなんて、あと少しで洗脳が完了したって言うのに!!」 多分ここは手術室か何かなのだろう、そんなことを言いながら逃げ惑う研究者達を尻目に 俺はここから脱出を図るために力を入れて両手に巻かれた鎖を破壊し、部屋の壁をぶち破って 脱出を図った。 パンチで発砲スチロールのように軽々と破壊された壁がもうもうと白煙をあげる先には大量の ゾルダートたちがダートガンを構えていた。 「変身!!」 俺はゾルダートのすさまじい銃撃にひるむことなく変身する、きっと彼らに研究室で何かしらの 手を加えられてのだろう、赤い光に包まれていつものとおりに変身した体は、黒い装甲にまるで 血管のような赤い線が引かれ、全身の装甲は普段から見比べると中世の豪奢な鎧のように金色の 入り混じった鋭敏なものになっていた。 「ひるむな、うてぇ!!」 次々にゾルダートが弾丸を放つが、俺の体に触れた弾丸は全て兆段し、ゾルダートたちに跳ね返る 始末だった。 「こうなれば…ルキフグス様!!」 隊長格のゾルダートの声と共にグレイブを持ったルキフグスが俺に向かって突進してくる、俺はひるまず に左手に装着されたガトリングガンのような三連砲の引き金を絞った。 鼓膜を引き裂くような凄まじい爆音と共に弾丸が銃口から飛び出していく、固い装甲で覆われているはずの ルキフグスの体は一瞬で消し飛んだ、改造S-01の新型兵器、ガトリングショットは凄まじい効果を発揮した。 「うわああああああああ!!!」 恐れをなしたゾルダート達がちりじりに逃げるが場所は広いとはいえ施設の通路内部、狙い撃てないほうが おかしい状況だ。俺はそれを容赦なく狙い撃ちにした。 ガトリングショットの装填数は1万発、そしてその発射速度は分速100万発、存在自体がチートといわざるを 得ない怪物兵器だ。弾丸が切れるまで俺の攻撃は続き、気が付けば俺はゾルダート達が呼び出したのであろう例の 偽パスズ部隊に取り囲まれていたが、それすらも圧倒的な戦闘力で次々に撃破していった。 「ジャイロジェットシュート!!」 叫ぶと同時にガトリングショットの中央部から生えたニードルで1体を貫き、返す刃で1体を貫き、バイクで特攻 をかける3体をガトリングショットで吹き飛ばし、さらに強化されたアイギスシールドで1体の首を切り落とし、両肩 に装着された新兵器のヤヌスシールドで、もう1体の首をはねた。 気が付けば残っているのは右足を切り落とされて、それでもジャイロショットの引き金を引く偽パスズ一人となっていた。 「楽に殺してやる、だからシナゴーグの居場所を言え」 「あ…あの地下室に」 それを聞いた俺は、パスズの首を強力な回し蹴りで弾き飛ばした。もう無抵抗な敵を殺すのに全く抵抗を感じない、そんな自分 が恐ろしくなった。今ならきっと上条のことも軽く殺せるだろう、俺はそう思った。 でも、だからこそ一度上条を助け出して、それからきちんと片をつける必要があった。 そう思って地下室の扉を開ける、そこには予想外の光景が広がっていた。 520 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2008/05/22(木) 01:29:55 ID:PgPjpBDj 君の涙が乾くまで~西田義孝⑧ 「…うげえ…」 俺は思わず吐きそうになった。 椅子に縛り付けられたであろう上条の体は多分生きながらに、指の関節から 爪の一枚に至るまで綺麗に腑分けされ、保存液に付けられていたのだ。そして 壁には何故かずたずたに引き裂かれた子宮と思われる肉塊が鉄杭で打ち付けられていた。 視線を次々に保存液の入った容器に移していく、最後の最後に残ったのは体はおろか、目や 鼻、舌や歯等を取り除かれて、それでも延命装置を付けられて生かされている上条の頭部だった。 「…酷いな」 いくらいつか殺してやろうと考えていた僕でも、この光景は見るに耐えられなかった。 「…今、楽にしてやるぞ」 そういってガトリングショットを上条の頭部に向けたとき、背後に気配を感じた。 「もったいないですね、そのまま生かしておいた方が彼女をもっと苦しめられますよ?ミスター西田」 そう言って背後で軽く笑ったのは、品のよさそうなスーツ姿の眼鏡の男だった。 「お前、LYSの改造人間か?」 「ええ、しかしその言い方はもう古いですね…LYSは先日、本部基地の全滅を持って滅んでしまった ので、正確には元LYSの改造人間、とした方が正しくなるはずです」 俺は彼の言葉に耳を疑う。 「LYSが…滅んだ?」 「はい、あなたが一ヶ月ほど寝ている間に世界の情勢は変わったんですよ。LYSは我等LYSの内部派閥 …QOSの勢力によって世界支部ごと破壊され、世界中の兵器全般を握っていたLYS崩壊の混乱に乗じて戦争 を起こした世界各国は我等改造人間と、総統率いるQOSの勢力によって完全に支配された、長くなりましたが貴方 、ヒーローの完全敗北、と言ったところですかね」 俺はそれを聞くなりにガトリングショットを男に向ける。 「たとえ…俺一人になってでも!!正義は!!」 男はまるで俺をいたわるように告げる。 「もう力を抜いて良いんですよ、貴方の体は我々の技術でいつでも人間のものに戻りますし それに世界中の人々は戦争で荒廃していた生活から、我々のもたらした素晴らしい技術で幸せ な生活を送っている…知っていますか?人間は闘争本能さえ取り除けばりっぱに共産主義で生活 できるんですよ?もうこれで争いは起こらず、人々は全てを分かち合える素晴らしい世界が完成したんです」 「嘘だ!!嘘だ!!嘘だ!!」 俺は混乱した。もしこの男の言っていることが真実なら俺は最早戦う意味を失ったに等しいのだろう、しかし… もし、それが事実ならば俺は…。 「それに総統、さやかさんも貴方の事をお待ちになられていますよ。早く彼女の元へ行ってあげられてはどうです?」 さやかが、総統?・・・何を言っているんだこいつは?混乱する僕を見て楽しそうに、男はふふふと笑った。 「さやかさんは貴方と別れた直後、貴方をそこの汚らしい肉塊に奪われたショックから憔悴していましてねえ… 簡単でしたよ、我々の組織に誘い込むのは。でもこうして今日、貴方と愛し合える、誠に素晴らしい世界を作り上げた わけです、いやあ、愛は偉大ですねえ、その肉塊を毎日少しずつ分解しながら世界を支配し、さらに貴方の存命と、どんな 敵でも殺せる総統の花婿にふさわしい体に手術するというそんな芸当が出来るなんて、まさしく彼女は天才だ」 「貴様あああああ!!!!」 俺はそれ以上の言葉を聴くまでも無く、男ののど笛にニードルを突き立てる、男はそれを素手でつかみ、その姿をコウノトリタイプ の怪人に変貌させた。 「私を殺しても意味は全く有りませんよ?」 「そんなことは関係ない!さやかに!そんな!こんな事をさせたお前が!俺は!お前が憎い!!」 「それは逆恨みというものです、第一貴方が強気に出ずにその肉塊を引き入れたのがそもそもの原因なのでしょう?そんなことをする 暇があったらとっとと総統に謝って、二人で幸せな生活でも送ったらどうです?」 よくしゃべる男の口に弾丸を撃ち込み、僕はその体制から一気に飛び上がって必殺のキックを男の頭部にくらわせた。 100トン以上あるそれは、男の頭部を、いや、その全身をやすやすと粉砕した。 それからずいぶん時間が経ったが、俺は上条の頭部を最後の情けにとガトリングショットで一気に撃ち砕くと、そのまま 徒歩である場所に向かった。 そう、彼女と始めてあったあの場所、学園の旧校舎の図書館だ。 俺は、彼女にどうしても会わなくてはいけない、そして…けじめをつけなければいけない。 地下室を出て、研究所の扉を開けた時ふと見上げた空は、明け方の日差しを放っていた。 521 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2008/05/22(木) 01:30:57 ID:PgPjpBDj 君の涙が乾くまで~始発~桃井さやか その日の夕方、町での買い物の帰り道、僕はある人物に会うために住宅街の外れのバス停に向かった。 そこにいる男は、ネットなどで恋の救導師と呼ばれている存在だった。 曰く、恋に焦がれるあまり、悩んで恐慌に走る少女に確実なアドバイスを与え、協力を惜しまないのだという。 「あの、救導師さんは居ますか…?」 そう言ってぼろぼろのうえにどこか薄暗いバス停に入る、その中は血の臭いで充満していた。 「ああ…こんにちは…貴方も、バスを待っているわけではないですよね?」 その中央には、腹部から血を流して倒れこんでいる男…通称、救導師の姿があった。 「あ!!その、救急車!!」 そう言って携帯電話を取り出す僕を、男は制した。 「いいんです、これは僕が悪いんですし…それにこれで僕の人生が終わるなら僕は本望だ…だって、初めて女性に、 生まれて初めて本気で愛されて、それで、いつもの観測をしていたら勘違いで刺されたんですよ、もうこれ以上に うれしいことは無い…」 男は酷く幸せそうだった、その幸せそうな笑顔を僕に向けると、ゆっくりとこう告げた。 「さあ、いったいあなたはどんな恋をしているのか、教えてくれませんか…どうやらこれが最後に聞ける話のようですし …ふふふ、楽しみだなあ」 それにせかされるかのように、僕は男の横に座ると、彼への思いを男に洗いざらい放してみる事にしてみた…。
519 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2008/05/22(木) 01:27:09 ID:PgPjpBDj 君の涙が乾くまで~西田義孝⑧ あれから俺はずっと夢を見ていた、まだ遠い、いや、ほんの数ヶ月前、学園に通って実家で家族四人で 幸せに暮らしていた頃の夢だ。そして当然のように俺とさやかは恋人同士で、いつでもずっと一緒の カップルで…やがて結婚してさやかが子供を生み、家族で仲良く暮らす夢、そう、もう戻れない、それでいて もっとも俺が叶えたかった夢だ。 「さやか…」 俺はそう呟くと同時に覚醒し、ゆっくりと目を覚ます、そこは真っ白な部屋だった。 「まずい!S-01号がまた覚醒したぞ!!」 「逃げろ!後一歩という時にこうなるなんて、あと少しで洗脳が完了したって言うのに!!」 多分ここは手術室か何かなのだろう、そんなことを言いながら逃げ惑う研究者達を尻目に 俺はここから脱出を図るために力を入れて両手に巻かれた鎖を破壊し、部屋の壁をぶち破って 脱出を図った。 パンチで発砲スチロールのように軽々と破壊された壁がもうもうと白煙をあげる先には大量の ゾルダートたちがダートガンを構えていた。 「変身!!」 俺はゾルダートのすさまじい銃撃にひるむことなく変身する、きっと彼らに研究室で何かしらの 手を加えられてのだろう、赤い光に包まれていつものとおりに変身した体は、黒い装甲にまるで 血管のような赤い線が引かれ、全身の装甲は普段から見比べると中世の豪奢な鎧のように金色の 入り混じった鋭敏なものになっていた。 「ひるむな、うてぇ!!」 次々にゾルダートが弾丸を放つが、俺の体に触れた弾丸は全て兆段し、ゾルダートたちに跳ね返る 始末だった。 「こうなれば…ルキフグス様!!」 隊長格のゾルダートの声と共にグレイブを持ったルキフグスが俺に向かって突進してくる、俺はひるまず に左手に装着されたガトリングガンのような三連砲の引き金を絞った。 鼓膜を引き裂くような凄まじい爆音と共に弾丸が銃口から飛び出していく、固い装甲で覆われているはずの ルキフグスの体は一瞬で消し飛んだ、改造S-01の新型兵器、ガトリングショットは凄まじい効果を発揮した。 「うわああああああああ!!!」 恐れをなしたゾルダート達がちりじりに逃げるが場所は広いとはいえ施設の通路内部、狙い撃てないほうが おかしい状況だ。俺はそれを容赦なく狙い撃ちにした。 ガトリングショットの装填数は1万発、そしてその発射速度は分速100万発、存在自体がチートといわざるを 得ない怪物兵器だ。弾丸が切れるまで俺の攻撃は続き、気が付けば俺はゾルダート達が呼び出したのであろう例の 偽パスズ部隊に取り囲まれていたが、それすらも圧倒的な戦闘力で次々に撃破していった。 「ジャイロジェットシュート!!」 叫ぶと同時にガトリングショットの中央部から生えたニードルで1体を貫き、返す刃で1体を貫き、バイクで特攻 をかける3体をガトリングショットで吹き飛ばし、さらに強化されたアイギスシールドで1体の首を切り落とし、両肩 に装着された新兵器のヤヌスシールドで、もう1体の首をはねた。 気が付けば残っているのは右足を切り落とされて、それでもジャイロショットの引き金を引く偽パスズ一人となっていた。 「楽に殺してやる、だからシナゴーグの居場所を言え」 「あ…あの地下室に」 それを聞いた俺は、パスズの首を強力な回し蹴りで弾き飛ばした。もう無抵抗な敵を殺すのに全く抵抗を感じない、そんな自分 が恐ろしくなった。今ならきっと上条のことも軽く殺せるだろう、俺はそう思った。 でも、だからこそ一度上条を助け出して、それからきちんと片をつける必要があった。 そう思って地下室の扉を開ける、そこには予想外の光景が広がっていた。 520 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2008/05/22(木) 01:29:55 ID:PgPjpBDj 君の涙が乾くまで~西田義孝⑧ 「…うげえ…」 俺は思わず吐きそうになった。 椅子に縛り付けられたであろう上条の体は多分生きながらに、指の関節から 爪の一枚に至るまで綺麗に腑分けされ、保存液に付けられていたのだ。そして 壁には何故かずたずたに引き裂かれた子宮と思われる肉塊が鉄杭で打ち付けられていた。 視線を次々に保存液の入った容器に移していく、最後の最後に残ったのは体はおろか、目や 鼻、舌や歯等を取り除かれて、それでも延命装置を付けられて生かされている上条の頭部だった。 「…酷いな」 いくらいつか殺してやろうと考えていた僕でも、この光景は見るに耐えられなかった。 「…今、楽にしてやるぞ」 そういってガトリングショットを上条の頭部に向けたとき、背後に気配を感じた。 「もったいないですね、そのまま生かしておいた方が彼女をもっと苦しめられますよ?ミスター西田」 そう言って背後で軽く笑ったのは、品のよさそうなスーツ姿の眼鏡の男だった。 「お前、LYSの改造人間か?」 「ええ、しかしその言い方はもう古いですね…LYSは先日、本部基地の全滅を持って滅んでしまった ので、正確には元LYSの改造人間、とした方が正しくなるはずです」 俺は彼の言葉に耳を疑う。 「LYSが…滅んだ?」 「はい、あなたが一ヶ月ほど寝ている間に世界の情勢は変わったんですよ。LYSは我等LYSの内部派閥 …QOSの勢力によって世界支部ごと破壊され、世界中の兵器全般を握っていたLYS崩壊の混乱に乗じて戦争 を起こした世界各国は我等改造人間と、総統率いるQOSの勢力によって完全に支配された、長くなりましたが貴方 、ヒーローの完全敗北、と言ったところですかね」 俺はそれを聞くなりにガトリングショットを男に向ける。 「たとえ…俺一人になってでも!!正義は!!」 男はまるで俺をいたわるように告げる。 「もう力を抜いて良いんですよ、貴方の体は我々の技術でいつでも人間のものに戻りますし それに世界中の人々は戦争で荒廃していた生活から、我々のもたらした素晴らしい技術で幸せ な生活を送っている…知っていますか?人間は闘争本能さえ取り除けばりっぱに共産主義で生活 できるんですよ?もうこれで争いは起こらず、人々は全てを分かち合える素晴らしい世界が完成したんです」 「嘘だ!!嘘だ!!嘘だ!!」 俺は混乱した。もしこの男の言っていることが真実なら俺は最早戦う意味を失ったに等しいのだろう、しかし… もし、それが事実ならば俺は…。 「それに総統、さやかさんも貴方の事をお待ちになられていますよ。早く彼女の元へ行ってあげられてはどうです?」 さやかが、総統?・・・何を言っているんだこいつは?混乱する僕を見て楽しそうに、男はふふふと笑った。 「さやかさんは貴方と別れた直後、貴方をそこの汚らしい肉塊に奪われたショックから憔悴していましてねえ… 簡単でしたよ、我々の組織に誘い込むのは。でもこうして今日、貴方と愛し合える、誠に素晴らしい世界を作り上げた わけです、いやあ、愛は偉大ですねえ、その肉塊を毎日少しずつ分解しながら世界を支配し、さらに貴方の存命と、どんな 敵でも殺せる総統の花婿にふさわしい体に手術するというそんな芸当が出来るなんて、まさしく彼女は天才だ」 「貴様あああああ!!!!」 俺はそれ以上の言葉を聴くまでも無く、男ののど笛にニードルを突き立てる、男はそれを素手でつかみ、その姿をコウノトリタイプ の怪人に変貌させた。 「私を殺しても意味は全く有りませんよ?」 「そんなことは関係ない!さやかに!そんな!こんな事をさせたお前が!俺は!お前が憎い!!」 「それは逆恨みというものです、第一貴方が強気に出ずにその肉塊を引き入れたのがそもそもの原因なのでしょう?そんなことをする 暇があったらとっとと総統に謝って、二人で幸せな生活でも送ったらどうです?」 よくしゃべる男の口に弾丸を撃ち込み、僕はその体制から一気に飛び上がって必殺のキックを男の頭部にくらわせた。 100トン以上あるそれは、男の頭部を、いや、その全身をやすやすと粉砕した。 それからずいぶん時間が経ったが、俺は上条の頭部を最後の情けにとガトリングショットで一気に撃ち砕くと、そのまま 徒歩である場所に向かった。 そう、彼女と始めてあったあの場所、学園の旧校舎の図書館だ。 俺は、彼女にどうしても会わなくてはいけない、そして…けじめをつけなければいけない。 地下室を出て、研究所の扉を開けた時ふと見上げた空は、明け方の日差しを放っていた。 521 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2008/05/22(木) 01:30:57 ID:PgPjpBDj 君の涙が乾くまで~始発~桃井さやか その日の夕方、町での買い物の帰り道、僕はある人物に会うために住宅街の外れのバス停に向かった。 そこにいる男は、ネットなどで恋の救導師と呼ばれている存在だった。 曰く、恋に焦がれるあまり、悩んで恐慌に走る少女に確実なアドバイスを与え、協力を惜しまないのだという。 「あの、救導師さんは居ますか…?」 そう言ってぼろぼろのうえにどこか薄暗いバス停に入る、その中は血の臭いで充満していた。 「ああ…こんにちは…貴方も、バスを待っているわけではないですよね?」 その中央には、腹部から血を流して倒れこんでいる男…通称、救導師の姿があった。 「あ!!その、救急車!!」 そう言って携帯電話を取り出す僕を、男は制した。 「いいんです、これは僕が悪いんですし…それにこれで僕の人生が終わるなら僕は本望だ…だって、初めて女性に、 生まれて初めて本気で愛されて、それで、いつもの観測をしていたら勘違いで刺されたんですよ、もうこれ以上に うれしいことは無い…」 男は酷く幸せそうだった、その幸せそうな笑顔を僕に向けると、ゆっくりとこう告げた。 「さあ、いったいあなたはどんな恋をしているのか、教えてくれませんか…どうやらこれが最後に聞ける話のようですし …ふふふ、楽しみだなあ」 それにせかされるかのように、僕は男の横に座ると、彼への思いを男に洗いざらい放してみる事にしてみた…。

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