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110 :変身少女 [sage] :2008/06/11(水) 03:56:47 ID:Os9sQ5He 【変身少女】 ≪あのさ、俺たち少し距離を置いて付き合わないか≫  祐(ゆう)くんが目の前でそう、あたしに告げた。 「えっ、あ……うん」  その時は頭が真っ白でそう言うのが精一杯だった。一瞬、何を言われたのか 分からず、祐くんにただ笑顔を見せようと、私はニコニコしていたと思う。 「俺さ、ずっと忍(しのぶ)の事大切な友達だと思っているから。それに、忍は 美人だし頭もいいしさ。俺も羨むくらいの女の子だから、大丈夫」 「……そんな気にしないで」  私の言葉を聞くと、祐くんは少しホッとした様に自分の家に入っていった。  私はこの時、祐くんとのこの関係はこれからもずっと続いていくものだと少しも 疑わず、その場で≪バイバイ≫と手をずっと振っていたのを覚えている。  祐くんとは小学校5年の時に初めて出合った。私よりも少しだけ背の大きいその 男の子は、私の隣の席に座ると手を差し伸べてきた。 「今日からよろしく」 「……えっ」 「いや、俺、隣にこんな可愛い子が座るなんて思わなかったからさ、ラッキー だったかなって」  その男の子は小声で私に囁いた。 「……あの……かわいい?」 「そうだよ」  顔が真っ赤になった私をからかう様に、男の子は舌をぺろっと出してあっかんべー をした。 111 :変身少女 [sage] :2008/06/11(水) 03:57:39 ID:Os9sQ5He  それから祐くんと私はずっと一緒。祐くんはスポーツ万能で勉強もそこそこできた。 お喋りも面白くてクラスの人気者。対する私は内気で眼鏡をかけていて、クラスでも 目立たない存在だった。でも、そんな私を祐くんは全く気にせずに、いつも話しかけて きてくれて仲間に誘ってくれた。そんな優しい祐くんを私はすぐに好きになっていった。 「お前、忍の事好きなんだろ」 「あぁ、好きだよ」 「……ちょっ、……祐くん……」 「じゃあ、結婚するのか?」 「そんなの分かるかよ。まだ子供だぞ、俺」 「そんなブス、好きなんて変わっているな」 「……何だと!」 「……祐くん……いいから」 「お前、変わってんな~。こんな女とよぉ」 「謝れ!」 「何だやるのか?」 「うるせぇ、忍を馬鹿にするな!」  こんな事もあった。でも、凄く嬉しくて、私はその晩ずっと祐くんの事だけを考えて 眠れなかった。 ≪んっ、あ……んくっ≫  中学1年の時、初めてのキス。キスがしたいと言われて、俯いたままの私を強引に 引っ張って行って祐くんは校舎の影で唇を合わせてきた。凄く恥ずかしいのに、そうされる 事で、祐くんに愛されているんだと認識できた。私も祐くんが本当に好きなんだ。 そう思うと、下半身が熱くなる。体の力が抜け、何をされてもいいという気持ちになってくる。 私は、その夜に自慰というものを始めてした。祐くんにセックスされる妄想をしながら。 112 :変身少女 [sage] :2008/06/11(水) 03:58:12 ID:Os9sQ5He  その一週間後。私は母親に頼んで、コンタクトレンズを作ってもらった。今までろくに 手入れをしていなかった髪を美容室に行って綺麗にカットを入れてもらう。 【少しでも祐くんに相応しい女の子になろう……】  勉強の時間も増やした。祐くんと同じ高校に行くためには、私のテストの点は余りにも 低かった。塾に行き、夜にまた勉強をする。祐くんは一緒にいられる時間が減ったと怒ったけど、 2年生の3学期になる頃には祐くんと同じ位の点を取れるようになった。 「あの、付き合ってもらいたいんだけど」 「……はい?」 「ずっと、見てました。その、好きです」  この頃、私の周りで変化が起きる。私に告白してくる男の子が現れる様になった。小学校の時、 ブスとか言われていたのに……。 「……ごめんなさい」  そう、私には他の選択肢はない。私の外観や優等生の仮面だけ見て告白してくる男子。 そんな男の子は全く興味が無い。その頃、私の胸は同級生と比べても大きかった。 腰まで伸びた黒髪、大きな胸、切れ長の目。母親も自分の娘がモデルのように成長してくれた と近所に自慢するようになっていた。でも、そんな事私には関係ない。だって、この体は 祐くんの為にあるんだもの。 「……くっん、あっ、あ、ぁぁ……いいよぉ……祐くぅん」 ≪くちゅ、ちゅっく、ちゅぷ……≫  真夜中にいつもやっている事。この頃のあたしは、毎日自慰に明け暮れていた。祐くんも、 進学校に進むために有名な塾に通っている。だから、一緒に帰るのは週に1度か2度だけ。 その寂しさが、私を自慰の世界に引き込んでいく。祐くんはキス以上の事をしてくれない。 お互いを大事にしようねと、優しくしてくれている。  2度程、胸を軽く揉んでくれたけど、それ以上の事はしてくれなかった。その度に私の ショーツの中にある産毛はびっしょりと愛液に濡れ、体から溢れる淫欲がそれ以上の 行為を欲する。私は妄想の中で、公園のトイレの中、校舎の屋上、誰もいない保健室と 犯される場所を変えながら、自慰に没頭するようになっていった。 113 :変身少女 [sage] :2008/06/11(水) 03:58:39 ID:Os9sQ5He 「よしっ、これで一緒の学校にいける」 「……うん」 「それにしても、忍も頑張ったなぁ。まさか、一緒の高校に行けるとは思ってなかったよ」 「……祐くんの為だから……私、頑張ったんだよ」  高校受験は無事、希望した高校に合格することができた。これで、また3年間は一緒に いられる。私は嬉しくて小躍りしそうだった。そして、これで堂々と祐くんと……。 受験勉強に縛られた1年半は、苦痛以外何ものでもなかった。でも、それもこれで報われる。 私と祐くんは、他の人が羨むようなカップルになるはずだ。 ≪あれ?何で私、泣いているんだろう≫  高校1年の夏、私は自分の部屋で自問自答していた。 ≪あのさ、俺たち少し距離を置いて付き合わないか≫  これ、どういう意味だろう。私、何か悪い事したのかな?うんん、男子からの告白は 全部断っているし、エッチな事だって自慰だけ。祐くんに気に入られるように、エステに 行ったりして綺麗になる努力だってしている。そう、何にも問題ないよね。そうだ、きっと 高校生らしく、目立たないように付き合っていこうってことだと思う。私は携帯を開くと、 祐くんに電話をかける。 ≪現在、電波の届かない状況にあるか、電源が入っていないためかかりません……≫  あれ?充電し忘れちゃったのかな。几帳面な祐くんにしては珍しいな。う~ん、今日は 凄く祐くんに会いたい気分だ。そうだ、家に直接会いに行けばいいんだ。  私と祐くんの家は、歩いて10分も離れていない。小学校の同じ学区内で、直ぐに行ける 距離だ。自転車に乗ればそれこそ、5分で会える距離にいる。 114 :変身少女 [sage] :2008/06/11(水) 03:59:01 ID:Os9sQ5He 【驚くかな。最近、祐くんの家に行ってないし。学校で距離を置いて、こっちで会えばいいんだ】  祐くんの家の近くまで来た時、玄関の前に2つの影を見つける。祐くんと……妹さん? あれ、祐くんは確か一人っ子だよね。 「祐……」  玄関の前の影が重なった。影と影が重なり、一つになる。やがてその影は2つに別れ、 祐くんは玄関の中へと消えていった。そして、もう一つの影が私の横を通り過ぎる。 ボサボサの髪に眼鏡。冴えない少女。目立たない少女。地味な少女。 ≪誰よ……貴方……≫  声が出ない。それはどこかで見たような少女だった。そう、遠い何処かで。それは……。 ≪何で、こんな子が祐くんと……キス……何で……こんな地味な……なんで……なんで……≫  私は猛スピードで家に戻った。布団を頭から被り、大声で泣く。 「私は、祐くんの為に綺麗になった、処女だっていつでも捧げられる、祐くんは、私だけに 優しくて、そう、私だけに優しいのよ。あんな地味で眼鏡で、ブスな子が祐くんと釣り合う 訳がないじゃない!」  何度も、何度も叫ぶ。声が枯れるまで。わたしは、一晩中叫んで泣いた。 【おしまい】
【変身少女】 ≪あのさ、俺たち少し距離を置いて付き合わないか≫  祐(ゆう)くんが目の前でそう、あたしに告げた。 「えっ、あ……うん」  その時は頭が真っ白でそう言うのが精一杯だった。一瞬、何を言われたのか 分からず、祐くんにただ笑顔を見せようと、私はニコニコしていたと思う。 「俺さ、ずっと忍(しのぶ)の事大切な友達だと思っているから。それに、忍は 美人だし頭もいいしさ。俺も羨むくらいの女の子だから、大丈夫」 「……そんなの気にしないで」  私の言葉を聞くと、祐くんは少しホッとした様に自分の家に入っていった。  私はこの時、祐くんとのこの関係はこれからもずっと続いていくものだと少しも 疑わず、その場で≪バイバイ≫と手をずっと振っていたのを覚えている。  祐くんとは小学校5年の時に初めて出合った。私よりも少しだけ背の大きいその 男の子は、私の隣の席に座ると手を差し伸べてきた。 「今日からよろしく」 「……えっ」 「いや、俺、隣にこんな可愛い子が座るなんて思わなかったからさ、ラッキー だったかなって」  その男の子は小声で私に囁いた。 「……あの……かわいい?」 「そうだよ」  顔が真っ赤になった私をからかう様に、男の子は舌をぺろっと出してあっかんべー をした。  それから祐くんと私はずっと一緒。祐くんはスポーツ万能で勉強もそこそこできた。 お喋りも面白くてクラスの人気者。対する私は内気で眼鏡をかけていて、クラスでも 目立たない存在だった。でも、そんな私を祐くんは全く気にせずに、いつも話しかけて きてくれて仲間に誘ってくれた。そんな優しい祐くんを私はすぐに好きになっていった。 「お前、忍の事好きなんだろ」 「あぁ、好きだよ」 「……ちょっ、……祐くん……」 「じゃあ、結婚するのか?」 「そんなの分かるかよ。まだ子供だぞ、俺」 「そんなブス、好きなんて変わっているな」 「……何だと!」 「……祐くん……いいから」 「お前、変わってんな~。こんな女とよぉ」 「謝れ!」 「何だやるのか?」 「うるせぇ、忍を馬鹿にするな!」  こんな事もあった。でも、凄く嬉しくて、私はその晩ずっと祐くんの事だけを考えて 眠れなかった。 ≪んっ、あ……んくっ≫  中学1年の時、初めてのキス。キスがしたいと言われて、俯いたままの私を強引に 引っ張って行って祐くんは校舎の影で唇を合わせてきた。凄く恥ずかしいのに、そうされる 事で、祐くんに愛されているんだと認識できた。私も祐くんが本当に好きなんだ。 そう思うと、下半身が熱くなる。体の力が抜け、何をされてもいいという気持ちになってくる。 私は、その夜に自慰というものを始めてした。祐くんにセックスされる妄想をしながら。  その一週間後。私は母親に頼んで、コンタクトレンズを作ってもらった。今までろくに 手入れをしていなかった髪を美容室に行って綺麗にカットを入れてもらう。 【少しでも祐くんに相応しい女の子になろう……】  勉強の時間も増やした。祐くんと同じ高校に行くためには、私のテストの点は余りにも 低かった。塾に行き、夜にまた勉強をする。祐くんは一緒にいられる時間が減ったと怒ったけど、 2年生の3学期になる頃には祐くんと同じ位の点を取れるようになった。 「あの、付き合ってもらいたいんだけど」 「……はい?」 「ずっと、見てました。その、好きです」  この頃、私の周りで変化が起きる。私に告白してくる男の子が現れる様になった。小学校の時、 ブスとか言われていたのに……。 「……ごめんなさい」  そう、私には他の選択肢はない。私の外観や優等生の仮面だけ見て告白してくる男子。 そんな男の子は全く興味が無い。その頃、私の胸は同級生と比べても大きかった。 腰まで伸びた黒髪、大きな胸、切れ長の目。母親も自分の娘がモデルのように成長してくれた と近所に自慢するようになっていた。でも、そんな事私には関係ない。だって、この体は 祐くんの為にあるんだもの。 「……くっん、あっ、あ、ぁぁ……いいよぉ……祐くぅん」 ≪くちゅ、ちゅっく、ちゅぷ……≫  真夜中にいつもやっている事。この頃のあたしは、毎日自慰に明け暮れていた。祐くんも、 進学校に進むために有名な塾に通っている。だから、一緒に帰るのは週に1度か2度だけ。 その寂しさが、私を自慰の世界に引き込んでいく。祐くんはキス以上の事をしてくれない。 お互いを大事にしようねと、優しくしてくれている。  2度程、胸を軽く揉んでくれたけど、それ以上の事はしてくれなかった。その度に私の ショーツの中にある産毛はびっしょりと愛液に濡れ、体から溢れる淫欲がそれ以上の 行為を欲する。私は妄想の中で、公園のトイレの中、校舎の屋上、誰もいない保健室と 犯される場所を変えながら、自慰に没頭するようになっていった。 「よしっ、これで一緒の学校にいける」 「……うん」 「それにしても、忍も頑張ったなぁ。まさか、一緒の高校に行けるとは思ってなかったよ」 「……祐くんの為だから……私、頑張ったんだよ」  高校受験は無事、希望した高校に合格することができた。これで、また3年間は一緒に いられる。私は嬉しくて小躍りしそうだった。そして、これで堂々と祐くんと……。 受験勉強に縛られた1年半は、苦痛以外何ものでもなかった。でも、それもこれで報われる。 私と祐くんは、他の人が羨むようなカップルになるはずだ。 ≪あれ?何で私、泣いているんだろう≫  高校1年の夏、私は自分の部屋で自問自答していた。 ≪あのさ、俺たち少し距離を置いて付き合わないか≫  これ、どういう意味だろう。私、何か悪い事したのかな?うんん、男子からの告白は 全部断っているし、エッチな事だって自慰だけ。祐くんに気に入られるように、エステに 行ったりして綺麗になる努力だってしている。そう、何にも問題ないよね。そうだ、きっと 高校生らしく、目立たないように付き合っていこうってことだと思う。私は携帯を開くと、 祐くんに電話をかける。 ≪現在、電波の届かない状況にあるか、電源が入っていないためかかりません……≫  あれ?充電し忘れちゃったのかな。几帳面な祐くんにしては珍しいな。う~ん、今日は 凄く祐くんに会いたい気分だ。そうだ、家に直接会いに行けばいいんだ。  私と祐くんの家は、歩いて10分も離れていない。小学校の同じ学区内で、直ぐに行ける 距離だ。自転車に乗ればそれこそ、5分で会える距離にいる。 【驚くかな。最近、祐くんの家に行ってないし。学校で距離を置いて、こっちで会えばいいんだ】  祐くんの家の近くまで来た時、玄関の前に2つの影を見つける。祐くんと……妹さん? あれ、祐くんは確か一人っ子だよね。 「祐……」  玄関の前の影が重なった。影と影が重なり、一つになる。やがてその影は2つに別れ、 祐くんは玄関の中へと消えていった。そして、もう一つの影が私の横を通り過ぎる。 ボサボサの髪に眼鏡。冴えない少女。目立たない少女。地味な少女。 ≪誰よ……貴方……≫  声が出ない。それはどこかで見たような少女だった。そう、遠い何処かで。それは……。 ≪何で、こんな子が祐くんと……キス……何で……こんな地味な……なんで……なんで……≫  私は猛スピードで家に戻った。布団を頭から被り、大声で泣く。 「私は、祐くんの為に綺麗になった、処女だっていつでも捧げられる、祐くんは、私だけに 優しくて、そう、私だけに優しいのよ。あんな地味で眼鏡で、ブスな子が祐くんと釣り合う 訳がないじゃない!」  何度も、何度も叫ぶ。声が枯れるまで。わたしは、一晩中叫んで泣いた。 【おしまい】

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