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<div>1 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/05/27(土) 13:39:59 ID:o/bu76WH<br /> このスレッドはヤンデレの小説を書いてみるものです<br /> このスレではヤンデレとは主人公が好きだが(デレ)その過程で心を病んでしまう(ヤン)<br /> 状態の事をさします(別名:黒化、黒姫化など)<br /> 既存のキャラを使うもよし、オリジナルキャラを作るもよし、です<br /> 未完にさえしなければぶつ切りでもいいのでどしどし書き込んでみてください</div> <div> </div> <div>2 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 13:58:47 ID:j2t7ssuz<br /> 2</div> <div><br /> 3 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 14:18:34 ID:URRAIFRK<br /> &gt;&gt;1<br /> 乙<br /> 嫉妬スレくらいのびて欲しいな</div> <div> </div> <div>4 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 14:49:32 ID:c4RDrkV7<br /> 3</div> <div> </div> <div>5 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 16:05:52 ID:Qt52YLWc<br /> というか、修羅場スレとの線引きが難しいな。<br /> 向こうも修羅場への過程上、ほぼヤンデレ化してしまうから。</div> <div> </div> <div>6 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/05/27(土) 18:52:02 ID:w22gTeDZ<br /> 嫉妬スレは対抗馬がいて激しいバトルを繰り広げるが<br /> こっちは特定の対抗馬がいないのに勝手に病んでいくみたいな?</div> <div> </div> <div>7 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 19:15:18 ID:D0sTtARY<br /> &gt;&gt;1<br /> こうですか?わかりません!&gt;&lt;<br />      o∝,;r''&quot; ̄ ゙゙゙̄''''‐::;,,<br />    o9 .i'゙::          ゙i<br /> △8   i':::::      ..     |<br />   8▽ .|::::::.      .. ::     |<br />   8 . r::!;::::::''ー-::;,,;:. ;;,;::-‐'''|<br />   8 . l :!lli:::::::r''&quot;゙゙lア゙ i;:゙゙&quot;lア |<br />   ilii .ヾ,:l!;:::::::::     ゙i   | <いいですとも!<br />   ''゙   ゙'lli;::::: .: ,-::;;,,_,!、  l<br />        .|::゙i;;::i .i゙;:――:;゙i. /<br />       .|::::;!゙'ii;.゙  ::::::: ゙/l<br />      ,:‐,| ヾ::ヾiii;;;;;;;―'゙ ,゙‐:、</div> <div> </div> <div>8 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 20:21:24 ID:P1AXZkLo<br /> 質問があります<br /> ヤンデレは、最初から病んでる子が病んだままデレるのでもいいのでしょうか?</div> <div><br /> 9 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 20:53:55 ID:mEYw7okH<br /> おれは、病んでさえいれば何でもいい。</div> <div> </div> <div>10 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/05/27(土) 21:25:40 ID:y/7XZU1c<br /> &gt;&gt;8<br /> 悪くはないが、下手をするとただの痛い系キモ女になってしまう諸刃の剣。<br /> やっぱ、段々と病んでくのがいいとおもう。<br /> 主人公への思いの強さ故に・・・という感じがよく出るし。</div> <div>&gt;&gt;6<br /> 同意。<br /> 例えば克服したはずの過去のトラウマ・・・幼少時の愛の無い家庭や<br /> 両親の離婚、自分を引き取った方の親の虐待からくる精神の不安定さが<br /> 主人公と付き合いだすことで再覚醒するとかアリかも。</div> <div><br /> 11 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 23:29:14 ID:V38lmzl/<br /> 石田敦子の漫画がそんな感じかね<br /> 作者の精神が心配な作品がたまにある</div> <div> </div> <div>12 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 23:51:14 ID:P1AXZkLo<br /> &gt;&gt;10<br /> 最初から発狂しているサイ娘を愛するスレかと思った</div> <div> </div> <div>13 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/28(日) 00:05:47 ID:qACkzsxA<br /> &gt;&gt;7<br /> ヤンゴルじゃん</div> <div>つまり、ヤンガスデレデレなSSですな</div> <div> </div> <div>14 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/28(日) 02:19:48 ID:adrkbpWP<br /> ヤンダルゾックとデレデレ。</div> <div> </div> <div>15 名前:名無しさん@ピンキー[dere] 投稿日:2006/05/28(日) 10:14:12 ID:a5rt+aiw<br /> &gt;&gt;6<br /> つまりこんな感じか?</div> <div>nana14071 [やすいひろさと] ポチっぷり</div> <div> </div> <div>16 名前:名無しさん@ピンキー[sage ] 投稿日:2006/05/28(日) 23:19:57 ID:TY0hKG1f<br /> ヤンデレの定義というのがいまひとつ分からないのだが、とりあえずプロットを投下してみる。</div> <div>・姉は実の弟に家族以上の想いを抱いているが、道徳観が邪魔をして一線を越えられない。<br /> ・他の女に弟を取られるのは嫌だが、それと同時に仲の良い姉弟の関係を壊したくないので身を引く。<br /> ・弟に彼女ができた。幸せそうな弟を見て、これで良かったと思う反面、どうしようもない苛立ちをおぼえる姉。<br /> ・弟への想いを打ち切るため、姉は他の男を付き合う。<br /> ・しかしその男が女を食い物にする悪いやつで、姉を性欲処理の玩具としか見ていなかった。<br /> ・姉に飽きたその男は、自分の連れに輪姦させる。<br /> ・精神が病んでしまった姉。弟は甲斐甲斐しく看病する。<br /> ・何とか立ち直った姉だが、結果的に大切なものが壊れてしまっていた。<br /> ・「私は弟を愛してる。だから弟も私を愛してる」<br /> ・「私がこうなってしまったのは弟以外の男と付き合ったから。だから私以外の女と付き合ってる弟もいずれ酷い目に遭ってしまう」<br /> ・「何とかして弟を守らなければ、それが姉としての義務だ」<br /> ・「……そうだ、弟を躾ければいいんだ」<br /> ・「私以外の女に興味を持たないように調教してあげればいいんだ」<br /> ・このような脈絡のない思考の元、弟の寝込みを襲う姉。<br /> ・自分の上で腰を振る姉にショックを受ける。やめてくれと頼むが効果なし。<br /> ・「ほら……お姉ちゃんのマ○コ気持ち良いでしょ?エッチならいくらでもさせてあげるからお姉ちゃんだけを見て……」<br /> ・それでも頑なに拒む弟。<br /> ・「○○(弟の名前)!マ○コ気持ち良いって言いなさい!!お姉ちゃんを愛してるって言いなさい!!!」<br /> ・結局姉の中で果てた弟。近親相姦に罪悪感を抱くが、幸せそうな姉を見ると責めることができなかった。<br /> ・それ以来日常的に関係を結ぶ(逆レイプ)。こんな関係はいけないと思いつつも姉を拒むことができない弟。<br /> ・そのうち姉は弟に暴力を振るうようになる。他の女に近づかないための躾として。<br /> ・だが暴力を振るわれた後、いつも謝ってくる姉。<br /> ・「ごめんね……○○ちゃんが心配だから……つい手が出ちゃうの……お姉ちゃんを許してね……」<br /> ・しかし日に日に酷くなっていく暴力。「また他の女のこと考えて!!○○ちゃんは悪い子ね!!!」<br /> ・度重なる暴力と、それと同じだけの愛情を注がれて、弟はどうしようもなくなっていた。</div> <div>駄文スマソ。こういうのもヤンデレって言うのかな?</div> <div> </div> <div>17 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2006/05/28(日) 23:36:38 ID:9ZO5D1xf<br /> &gt;&gt;16<br /> イイね!まさにヤンデレって感じ</div> <div> </div> <div>18 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/29(月) 00:08:29 ID:EQRf+40f<br /> ヤンデレって書くの難しいと思うな</div> <div> </div> <div>19 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/29(月) 00:16:30 ID:rT8pwRrt<br /><a href="http://1go.it/kwsk">http://1go.it/kwsk</a></div> <div> </div> <div>20 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/29(月) 00:22:26 ID:W96BxYC0<br /> 書いていると嫉妬スレのほうで発表すればいいかというかそんな出来に。<br /> 誰も書く人出てこないけど、このスレって職人さんとか別にいないのに勢いだけで立てられたの?</div> <div> </div> <div>21 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 00:13:11 ID:W56qDLe3<br /> 誰も書かないので駄文で埋める。ただしヤンデレと同時にただのサイ娘である。実験。</div> <div> 須藤幹也は狂気倶楽部の一員である。<br />  しかし、彼は狂気倶楽部には一体何人いるのか、そもそも倶楽部が何をするところなのか。<br />  そんなことすら知らない。知ろうとも思わなかった。<br />  彼にとって狂気倶楽部は暇つぶしでしかなかった。<br />  無論、長い長い人生が終わるまでの暇つぶしである。</div> <div>「雨に――唄えば――」</div> <div> 古い歌を歌いながら幹也は階段を降りる。街の片隅、路地にひっそりと立つ喫茶店「グリム」の地下へ。<br />  グリムの地下は基本的に開放されているが、誰もそこに行こうともしない。<br />  そもそもグリムはごくきわまった趣味を持った少年少女しか集まらず、その地下にある「書架」ともなると<br />  狂気倶楽部の面々しか立ち入らないのだった。</div> <div>「雨に――唄えば――」</div> <div> 同じフレーズを延延と唄いながら幹也は降りる。古い板の階段が、一歩足を下ろすたびにかつんと鳴る。<br />  地下へと降りる階段は、きっちり13段だ。<br />  毎回幹也は数えながら降り、そのたびに幹也は一度としてみたことのないマスターのことを思う。<br />  彼は――あるいは彼女は――一体何を考えてこんな店を作ったのだろう?<br />  病んだ少年少女、ゴスロリ少女や歪んだ少年ばかりが集う喫茶店を。<br />  考えても仕方のないことだ、と幹也は割り切る。特定の何かに、彼はこだわりをもたない。<br />  だまって、十三段の階段を折り終え、</div> <div>「あ。お兄ちゃんだ――っ!」</div> <div> 地下に辿りついた幹也に、聞き慣れた、舌足らずの声が届いた。 <br />  人に甘えるような、生まれたばかりの子猫のような声。<br />  幹也はあえて声にこたえず、奥へと進み、一番奥の椅子に座ってから声の主を見た。</div> <div><br /> 22 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 00:25:14 ID:W56qDLe3<br />  声の主は、声の通りに少女だった。十と七を迎えたばかりの幹也よりも、ずっと年下に見える、幼い声と同様に幼い容姿。<br />  長い栗色の髪は膨らみ、彼女が動くたびにふわりと揺れた。<br />  裾にフリルのついた白いワンピースを着て、靴下も靴も何も履かずに裸足だった。<br />  栄養が足りず、細くなった手と足がむきだしになって見える。<br />  両の手首には、プレゼント用の包帯が巻かれている。<br />  幹也は知っている。その下に、醜い傷跡が残されていることを。<br />  椅子の隣、本棚から適当に本を選びつつ答える。</div> <div>「ヤマネ。僕は君の兄じゃないと、何度言えばいいんだ?」<br /> 「えぇ――? で、でもぉ、」</div> <div> ヤマネと呼ばれた少女は首をかしげ、戸惑うように言葉を切った。<br />  幹也は構わず本を抜き出す。背にはこう書かれている。<br /> ――『黄金に沈むお茶会』。<br />  かつて狂気倶楽部にいた人間が書いた本の一冊である。</div> <div>「お兄ちゃんはー、兄ちゃんだよね?」<br /> 「お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど僕は君のお兄ちゃんじゃないからお兄ちゃんじゃないんだよ」<br /> 「でもお兄ちゃんはヤマネのお兄ちゃんよね?」<br /> 「あーもうそれでいいから静かにしてろよ」</div> <div> 呆れたように幹也が言うと、ヤマネは満面の笑みを浮かべた。大きな瞳がにっこりと閉じられる。<br />  幹也の『それでいい』だけに反応したのだろう。<br />  ゆったりとした安楽椅子に座り、本を広げる幹也。<br />  その幹也へと、裸足のままヤマネは近寄り、</div> <div>「えへっ」</div> <div> 頬に手を当てて笑ってから、ごそごそと、幹也の膝の上に上りこんだ。<br />  小柄な身体がすっぽりと幹也の胸に収まる。椅子の上でだっこをするのは、なれないと難しい。<br />  そして、幹也はもうそれに慣れていた。<br />  制服のすぐ向こうに、ヤマネの体温を感じた。</div> <div> </div> <div>23 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 00:34:30 ID:W56qDLe3<br />  細い足が、安楽椅子の下を蹴るようにぶらぶらと揺れる。<br />  そのたびにヤマネの小さな身体が揺れ、幹也の身体に振動を伝えた。<br />  すぐ真下にある髪から、シャンプーと、少女の臭いが混ざった、甘くただれた香りがした。</div> <div>「お兄ちゃんっ、今日は何のご本?」<br /> 「『黄金に沈むお茶会』。いつもの変なご本だよ。『ご』をつけるほど大層なものじゃないけどね」<br /> 「読んで読んで読んでっ!」</div> <div> 膝の上でばたばたと手を動かしながら嬉しそうにヤマネが言う。声は大きく、普通の喫茶店なら叱られるだろう。<br />  が、そう広くもない、椅子が12個と長い机が一個だけ置かれ、壁は全て本棚で埋め尽くされた図書室に人はいない。<br />  いつもの面子はおらず、今は、ヤマネと幹也しかいなかった。<br />  本を遮るように動く細く白い腕と、その手に巻かれた紅いリボンを見ながら、幹也は言う。</div> <div>「読んでやるから、手は動かさないでくれ。読めない」<br /> 「はーい!」</div> <div> がっくんがっくんと頷き、ヤマネは手をばんざいし、幹也の首に絡めた。<br />  そのままくるりと半身をひねり、猫のように全身で幹也に抱きつく。<br />  とても、三つ下の少女とは思えなかったが、幹也は特に気にしない。これも『いつも』だ。<br />  首筋に触れる髪を感じながら、幹也は表紙をめくった。<br />  声に出して、幹也は読み始める。<br />  最初のページには、たった一行だけ、こう書かれていた。</div> <div><br /> 『むかしむかし。でも、むかしっていつだろう? 少なくとも、明日よりは近いのよね 』</div> <div> </div> <div>24 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 00:40:19 ID:W56qDLe3<br /> 『 むかしむかし。でも、むかしっていつだろう? 少なくとも、明日よりは近いのよね。<br />   明日は永遠に来ないけど、少なくともむかしは記憶にはあるもの。<br />   あら、でもそうね。永遠に手が届かないという意味では同じかしら。<br />   わからないわね。<br />   でもきっと、この本を誰かが読むときは、私は「むかし」になってるのよ。<br />   できれば、そのときに私が生きていないことを祈るわ。だってそうでしょう?<br />   無事に死ねたのなら、それが一番の幸せですもの!</div> <div>  それで、むかし。手が届かない昔ね。<br />   一人の女の子と、独りの女の子がいたの。<br />   二人の女の子は決して出会うことはなかったわ。だって、お茶会には椅子が一つしかあいてなかったから。<br />   一人の女の子は、お茶会で、楽しくお喋り。<br />   独りの女の子は、お茶会で、独り寂しくお茶を飲む。<br />   そのうちに、独りの女の子は考えたの。<br />   一人の女の子がいなくなれば、自分は一人になれるんじゃないかって。<br />   というわけで、思い立ったら吉日よね。独りの女の子は、紅茶のポットに毒を入れたわ。<br />   黄金色に輝く毒を。とってもおいしそうな毒を。<br />   次の日のお茶会で、一人の女の子は、そのおいしそうな毒を飲んだわ。<br />   でも残念なことに、お茶会のメンバーは、あんまりにもおいしそうだったから、その毒を全員飲んじゃったの。<br />   そうして、独りの女の子は、一人の女の子になれたけど。<br />   やっぱり、お茶会では、独りだったの。<br />   独りきりでお茶会をしている女の子は、ある日、一つ残ったティーカップに、黄金色のお茶が残ってるのに気づいたの。<br />   それが何か独りの女の子は知っていたけど、あんまりにもおいしそうだから。<br />   独りの女の子は、それを飲んじゃったの。<br />   それで、おしまぁい。お茶会には誰もいなくなっちゃった   』</div> <div> </div> <div>25 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 00:53:37 ID:W56qDLe3<br />  短いその本を読み終えて、幹也は小さくため息を吐いた。<br />  何のことが書かれているのか、まったく分からなかった。<br />  分からなかったが、少なくとも、暇は潰せた。<br />  あとは、そのわからないことを考えて暇を潰せばいい。全てはその繰り返しだった。</div> <div>「お見事、お見事、大見事。さすが朗読が上手いわね、三月ウサギ」</div> <div> ぱん、ぱん、ぱん、と。<br />  なげやりな拍手の音と共に、少女の声がした。<br />  ヤマネの声ではない。ヤマネよりも冷たい感じのする、鋭い声だ。<br />  拍手と声のする方向を幹也は見る。<br />  13階段の傍。本棚に背をもたれて、長く艶のある黒髪の少女が立っていた。<br />  少女は男物のタキシードを着て、小さなシルクハットをかぶり、おまけに黒い杖まで持っていた。<br />  彼女もまた、狂気倶楽部の一員であり、幹也――今この場では三月ウサギだが――とヤマネの知り合いだった。</div> <div>「……マッド・ハンター。着てるのならば声をかかえればいいのに」<br /> 「あら、あら、あら。ごめんあそばせ。あんまりにも仲がいいから邪魔をするのも悪くてね」</div> <div> つ、と紅色がひかれた爪先で、マッド・ハンターは幹也を指差す。<br />  そこには、幹也に抱きつくようにして甘えるヤマネがいる。朗読中はずっとこうだった。<br />  幹也は小さくため息を吐き、</div> <div>「言っとくけどね、僕は発情期じゃないよ」<br /> 「あら、あら、あら。でも、発狂期なのでしょう?」<br /> 「……ハ」<br /> 「あら、あら、あら。違ったかしら? そうね、違うわ。永遠の発狂を『期』とは言わないもの」<br /> 「君に言われたくはないな、イカレ帽子屋め。何人の帽子を集めりゃ気がすむんだ」<br /> 「それは、それはもう!」</div> <div> マッド・ハンターは言いながらくるりと回り、ステップを踏みながら、かろやかに椅子の背を引いてそこに座った。<br />  幹也とは対角線上。長机の一番端に。<br />  座り、足を組み、肩に杖を乗せてからマッド・ハンターは答えた。</div> <div>「全て、全て、全ての帽子を集めるまで、ですよ!」<br /> 「その前に君が死ぬのが先だと思うがね」<br /> 「あら、あら、あら! そしたら私の帽子が手に入るわけね。すばらしいわ」</div> <div> 言って、マッド・ハンターはくすくす笑った。<br />  処置なし、と心の中で呟き、幹也は手持ち無沙汰になった手をヤマネの髪に伸ばす。<br />  栗色の毛を、手ですきながら、幹也は言った。</div> <div>「ヤマネ。今日はお前一人か?」<br /> 「うん? うぅん?」<br /> 「どっちだよ」<br /> 「えっとねぇ。お兄ちゃんがいる」<br /> 「……。他には?」<br /> 「お兄ちゃんがいれば、それでいいよっ!」</div> <div> マッド・ハンターと幹也は同時にため息を吐いた。聞くだけ無駄、というやつである。<br />  仕方なしに、幹也はマッド・ハンターに尋ねる。</div> <div>「『眼球抉りの灰かぶり』はどうした? あいつ暇なんじゃなかったのか」<br /> 「あの子は、あの子の、あの子なら最近新しい子に熱中中中中よ」<br /> 「繰り返しはいいよ――ああ、じゃあ今日は狂気倶楽部というより、『お茶会』だな」<br /> 「うふ、うふふ、ううふふ。ヤマネにマッド・ハンターに三月ウサギ。穴から転げる子は来るかしら?」<br /> 「『裁罪のアリス』は無理だろ。あいつがいちばん忙しいだろ」</div> <div> 幹也はいいながら立ち上がる。誰もこないのなら、自分がやるしかない。</div> <div><br /> 26 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 00:59:51 ID:W56qDLe3<br />  椅子から立ち上がり、幹也は上へと向かった。飲み物を取りにいくためだ。<br />  マスターの存在しないこの店では、自分たちでやるしかない。</div> <div>「わ、わ、にゃ! お兄ちゃん落ちるっ!」<br /> 「落ちたくないならつかまってろよ。それが嫌なら落ちろ」</div> <div> 幹也の言葉に、ヤマネはさらに手に力を込め、両足を腰に回し、全身で幹也にしがみついた。<br />  意地でも歩く気が存在しない。<br />  軽いので問題はなかった。幹也はヤマネを抱えたまま階段まで行き、</div> <div>「紅茶、紅茶、紅茶をお願いね」</div> <div> 後ろから聞こえる声に、手をひらひらと振って答えた。<br />  十三の階段を着合いで昇り、喫茶店『グリム』のカウンターへと真っ直ぐに進む。<br />  中で優雅に茶を飲んでいるゴスロリ少女たちが不審げな――あるいは羨ましげな――瞳で見てくるが、全部無視した。<br />  狂気倶楽部とは、格好から入る少女にとって、敬愛と侮蔑と尊敬と憎悪の対象でもある。<br /> 「他人と違う」ということに憧れる少女は狂気倶楽部に入ろうとし。<br /> 「誰とも違う」ということに気づいて、狂気倶楽部を怖れ憎むのだ。<br />  その視線を全て幹也は無視する。ヤマネはそもそもまったく他を見らず、ただ幹也に甘えるだけだ。<br />  手早く、適当に紅茶とコーヒーとホットミルクを用意して、盆につぎ、零さないように地下へと戻る。<br />  地下の図書室では、マッド・ハンターが本を読みながら待っていた。</div> <div>「おお、おお、おお! お疲れさまだね、三月ウサギ」<br /> 「そう思うなら少しは手伝ってくれ――はい、紅茶」<br /> 「どうも、どうも、どうもありがとう」</div> <div> お礼を言うマッド・ハンターの前に紅茶を置き、残る二つを手に幹也は下の椅子へと戻った。<br />  ヤマネは、今度は、背を幹也にもたれて座った。<br />  三人は手に飲み物を取り、掲げ、声を揃えていった。</div> <div>「――『狂気倶楽部に乾杯』」</div> <div><br /> (続)</div> <div>27 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 01:24:11 ID:W56qDLe3<br /> 極めて意図的に中二病向けなサイ娘が書きたくなった<br /> 読み返したら本気で中二病っぽかった<br /> プロット考えたら嫉妬スレ向けになった<br /> こっそり早く書き上げよう</div> <div> </div> <div>28 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 01:56:25 ID:tf4jy+E/<br /> &gt;&gt;27<br /> 中二病患者でサイ娘好きの俺はワクテカしながら読んでました<br /> 続き期待してます</div> <div><br /> しかしあれだね<br /> 嫉妬スレの包含するものは大きいし向こうは人も作者も多いから<br /> ここは病んでればそれでいいスレにした方が住み分けになると思うんだ<br /> そもそも住み分ける必要があるのかどうかは分からんけども</div> <div> </div> <div>29 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 02:17:43 ID:W56qDLe3<br />  狂気倶楽部とは、つまるところ「ごっこ遊び」である。<br />  誰が言い出したのか、誰が作り出したのかすらはっきりしない。<br />  ただ、その『始まり方』だけははっきりと伝わっている。なぜならば経緯を記した地下図書室にあるからだ。<br />  元々喫茶店「グリム」は少し変わった喫茶店であり、古いアンティークと雰囲気が合わさって<br />  ゴスロリ少女が集まる、通向けの喫茶店だった。<br />  そのうちに、集まる少女の誰かが言った。<br /> 『ごっこ遊びをしましょう』<br />  集まる少女の誰かが賛同した。<br /> 『本名を隠して、「お話し」の名前を借りて。ごっこ遊びをしましょう』<br />  集まる少年の誰かが賛同した。<br /> 『キャラクターをなぞらえて。二つ名をつけて。楽しい楽しいごっこ遊びをしましょう』<br />  集まる少女と少年が賛同した。<br /> 『私はアリス』<br /> 『あたしは赤頭巾』<br /> 『僕はピーターパン』<br /> 『わたくしはシンデレラ』<br />  こうして、童話と元にした、『ごっこ遊び』が始まった。<br />  始めは他愛のない、あだ名の付けあいのようなものだった。<br />  けれども、ゆっくりと、それは変質していった。<br />  本名も何も知らない、喫茶店だけで通じるあだ名。<br />  それは選民意識を伴い、やがては、『ごっこ遊び』から『物語』へと変わる。<br />  異端な登場人物。真似、ではなく、本物になっていた。<br />  初代シンデレラは親友の目を抉って自殺した。<br />  初代アリスは、その存在を特別なところへと押し上げた。<br />  初代ピーターパンは、永遠を求めるあまりに発狂した。<br />  初代赤頭巾は、親戚に地下室に閉じ込められて堕ちてしまった。<br />  そうして。<br />  その名は受け継がれ。二代目たちは、最初から異端なものたちで構成され。<br />  名前を受け継ぎ、二つ名をつけられる彼女ら、彼らは、いつしかこう呼ばれた。<br />  喫茶店に来るだけで、名前を受け継がれない「観客」たちから、こう呼ばれたのだ。</div> <div>――「狂気倶楽部」と。</div> <div><br /> 30 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 02:30:06 ID:W56qDLe3<br />  そして今、三代目「三月ウサギ」こと、『五月生まれの三月ウサギ』須藤幹也は優雅にコーヒーを飲んでいる。<br />  彼の本名を、この場にいる人間は誰も知らない。<br />  幹也も、今この場にいる二人の本名を知らなかった。<br />  あくまでもこの場だけの付き合い。死ぬまでの暇つぶし。<br />  虚無的で刹那的な空間を、そしてそこにいる異常な、この場ではあるいみ通常な少女たちを気に入っていた。<br />  居心地がいい、とすら思った。久しく飽きることはない。そう感じた。</div> <div>「お兄ちゃんっ! 今日はもうご本読まないの?」</div> <div> 膝の上に座る、ヤマネ――何代目かは知らない――『眠らないヤマネ』は、顔を上げて幹也にそう問いかけた。<br />  ぴちゃぴちゃと猫のように舐めていたホットミルクが、いつの間にか空になっていた。<br />  逆しまになった瞳を見つめて、幹也は答える。</div> <div>「本は飽きたよ。一日一冊で十分だ。たまにはヤマネが読めばいいじゃないか」<br /> 「やーだよ。ヤマネは、お兄ちゃんに読んで欲しいんだもんっ!」</div> <div> 言って、コップを机に置き、ヤマネは再び反転した。<br />  猫がそうするように、幹也の膝の上で丸くなった<br />  どこが『眠らない』だ、と幹也は思う。二つ名をつけるのは一代前の人間か、あるいは『名づけ親』と呼ばれる倶楽部仲間で、本人の意思ではない。<br />  回りがそう感じたからこそつける名前が二つ名だ。<br />  眠らない――活発に動き続ける、ということだろう。<br />  死ねば動かなくなるかな。そう思いながら、幹也はヤマネの頭をなでた。</div> <div>「今日も今日も今日とて仲がよさそうだね。いやはやいやはや妬けてしまうよ」</div> <div> 呆れるように、からかうようにマッド・ハンターが言う。『首刈り』という物騒な二つ名を持つ少女だ。<br />  もっとも、幹也は彼女をそう恐れてはいない。マッド・ハンターの趣味は、大抵同年代の少女へと向いているからだ。<br />  幹也にとってはお喋りで面倒な相手でしかない。<br />  それでも構うのは、やはり暇だからだろう。</div> <div>「焼けるっていうのは、二枚舌でも焼けるのか」<br /> 「いやいやいや。残念ながら私の下は一枚だもの。焼けてしまったら困る」<br /> 「焼けて静かになった方が世界のためだ」<br /> 「君の世界はどうか知らないが、私の世界はこれで幸せだよ」</div> <div> マッド・ハンターは、満足げにそう言って、手にしていた本を机の上に投げ置いた。<br />  しおりも何もはさまっていない。読み終えたのか、続きを読む気がないのか。<br />  恐らくは後者だろう、と幹也は思う。</div> <div><br /> 31 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 02:45:04 ID:W56qDLe3<br />  無視して、ヤマネの頭をなでながら思考に戻る。<br />  今日の暇つぶし的な思考は、先ほど読んだ本についてだ。<br />  少女が片方を毒殺し、毒殺することで独りになり、最後には誰もいなくなる話。<br />  出来の悪いマザーグースか何かのように思えた。これを作った奴はそうとうにひねくれているに違いないと幹也は思う<br />  この本は、書店に流通している本ではない。<br />  喫茶店「グリム」の地下の「図書室」に存在する本。<br />  それらは全て、過去の「狂気倶楽部」のメンバーが書いたものだ。<br />  基本的に著者は乗っていない。文体でこの本とこの本は同じ人が書いたな、と思うくらいだ。<br />  本は、誰かに見せるための本ではなかった。<br />  ただ、暗い嫌い自分の内面を吐露しただけの、怨念のような本だった。<br />  それを、幹也は、何を気負うこともなく毎日読んでいた。<br />  学校から還って、寝るまでの時間を、幹也はここですごす。<br />  居心地がいいのでも、合いたい人間がいるのでもない。<br />  一番『マシ』な秘密基地だから、とでもいうかのような理由だった。</div> <div>「ヤマネは本は好きかな?」</div> <div> 幹也の問いに、ヤマネは丸まったまま即答する。</div> <div>「お兄ちゃんの方が好きだよっ!」</div> <div> それは嬉しいことだ、と幹也は思う。<br />  たとえ出会った瞬間に「お兄ちゃんっぽいからお兄ちゃんっ!」と言われ、それ以降依存するかのように<br />  つねにべったりと甘えられているとしても、好意を向けられていることは嬉しかった。<br />  好意を向けられれば、少なくとも暇つぶしはできるから。<br />  依存と調教。ヤマネと幹也は歪な関係であり――</div> <div> </div> <div>32 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 02:45:54 ID:W56qDLe3</div> <div>「今日も、今日も、今日とて君はやるのかな?」</div> <div> マッド・ハンターの楽しそうな声。</div> <div>「まあね――どうせ、暇だし」</div> <div> 幹也は答え、ヤマネの頭をなでていた手を、おなかの下へと回す。ヤマネの小さな身体を抱きかけるように。</div> <div>「うぃ? お兄ちゃん?」</div> <div> ヤマネの不思議そうな声。嫌悪はにじみ出ていない。<br />  幹也は片手でヤマネを持ち上げる。満足に食事をしていないのか、酷く軽かった。<br />  持ち上げて、机の上からコップをどかし、広くなった机にヤマネの身体を置いた。<br />  丸いヤマネの瞳が、幹也を見上げている。</div> <div>「うぃ、お兄ちゃんやるのっ?」<br /> 「暇だしね」<br /> 「いつものようにいつものごとく、見させてもらおうかな」</div> <div> そう。<br />  狂気倶楽部においては、歪こそが正常である。<br /> 『元ネタ』が共通しているせいか、ヤマネとマッド・ハンターと幹也は、比較的話す機会があった。<br />  ヤマネが依存し。<br />  幹也が壊し。<br />  マッド・ハンターが薄く微笑みながらソレを見る。<br />  異常な光景が通常に行われる場所。それが狂気倶楽部の集い場だった。<br />  そして、幹也は、いつもの如く、</div> <div>「――それじゃあ、暇つぶしだ」</div> <div> 机に押し倒した、小さなヤマネの細い首に、手をかけた。</div> <div><br /> (続)</div> <div><br /> 33 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 02:47:47 ID:W56qDLe3<br /> &gt;&gt;28<br /> ありがとう</div> <div>嫉妬や修羅場分が少ない、サイ娘少女による異常な純愛とか<br /> そういうのなら修羅場スレよりこちら向きかもしれない</div> <div> </div> <div>34 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 21:35:58 ID:L2vHHL9M<br /> ヤンデレ抜きで普通におもしろげだな</div> <div>35 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 23:54:32 ID:dUdy7Kor<br />  幹也が先代三月ウサギ――『12月生まれの三月ウサギ』に出会った場所は、実を言えば狂気倶楽部やグリムではない。<br />  そもそも、『三月ウサギ』として出会ったのではない。<br />  学校の図書室に残る、二つ年上の三年生の先輩。二つ名のない、普通の学生である「里村・春香」と出会ったのだ。<br />  出会った場所は、陽が暮れかけて、赤く染まった図書室。<br />  誰もいなかった。図書室は閉館時間を向かえ、図書委員である春香を除いて、誰もいなかった。<br />  幹也がいたのは完全に偶然である。ただ暇つぶしのために本を読んでいて、気づけば閉館時間になっていたのだ。<br />  気づけば、誰もいなくなっていた。<br />  誰もいなくなっていることにさえ、幹也は気づいていなかった。春香が声をかけなければ、永遠にそこで本を読み続けていたかもしれない。</div> <div>「ねぇ」</div> <div> 幹也が顔をあげると、三つ編みの髪を三つ作った、銀縁眼鏡の先輩がいた。<br />  叱られるかな、そう思った。<br />  別に叱られても構わないな、そう思った。<br />  どんな事態になれ、暇つぶしにはなるからだ。</div> <div>「……何ですか?」</div> <div> 問い返す幹也の持つ本を指差して、春香ははっきりと言った。</div> <div>「その本、死ぬほど詰まんないわよ。読むくらいなら死んだ方がマシね」</div> <div> 意外な言葉だった。<br />  そんな言葉を言われるとは、少しも思っていなかった。<br />  せいぜい、「閉館時間ですよ」と言われるくらいだと思っていた。<br />  興味がわいた。<br />  だから、幹也も正直に答えた。</div> <div>「つまる本なんてあるんですか?」</div> <div> その言葉が、そのときはまだ名前も知らなかった里村・春香の興味を引いたのだと、<br />  幹也は数ヵ月後、春香の二つ名と共に知ることになる。</div> <div><br /> 36 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 00:09:07 ID:ju7bF4dq<br />  そして今――幹也は『三月ウサギ』を里村・春香から受け継ぎ、グリムの首を絞めている。<br />  数ヶ月の間、暇つぶしの相手になってくれた里村・春香はもういない。<br />  狂気倶楽部において、名前を継ぐというのはそういうことだった。<br />  里村・春香はどこにもいない。<br />  幹也は彼女から二つ名と、喫茶グリムの存在と、狂気倶楽部での椅子を受け取り。<br />  暇を潰す場所を、学校の図書室から、グリムの図書室へと移した。</div> <div>「あ――っ、う、あ、」</div> <div> 首を優しく絞められて、グリムは嬉しそうに呻いた。力を込めていないので、普通に喋れはする。<br />  力を込めれば死ぬということに、代わりはないけれど。<br />  遊びを思いついたのがグリムだったのか幹也だったのか、あるいは他の誰かだったのか、幹也はもう憶えていない。<br />  気づけば、こんな関係になっていた。<br />  幹也は思う――これくらい普通だ。自分は普通だ。みんなしたいと思っている。する相手がいないだけだ。いい暇つぶしだ。<br />  平然と首を絞める少女こそが狂っていると、幹也は思う。</div> <div>「お兄ちゃんっ、もっと、もっとぉ、」</div> <div> 甘えるようにグリムが言う。<br />  本人曰く、首を絞められるのは、たまらなく心地良いらしい。<br />  殺意を以って支配されている感覚が、死を以って繋ぎとめている感触が、相手の全てを共有している気分が、<br />  寂しがり屋で甘えん坊で、独占欲と依存癖の塊であるグリムにとっては、何よりも心地良いらしい。</div> <div>「言われなくてもやるさ――暇だからね」</div> <div> 首を絞める手に力を込める。<br />  グリムの細く白い首に、ゆっくりと、指先が食い込んだ。そのたびにグリムは嬉しそうに笑う。<br />  その気持ちは、幹也にはまったく分からない。<br />  首を絞められて何が楽しいのかわからない。他人を支配も共有も共存もできるはずがないとすら思う。<br />  こんなのは暇つぶしだ。リアルに還ってくる相手の反応が楽しいだけだ。<br />  冷めて冷静な心とは反対に、身体は、熱を持ったように動き始めた。</div> <div> </div> <div>37 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 00:30:10 ID:ju7bF4dq<br />  首を絞めながら、幹也は身を近づける。グリムの小さな身体を押しつぶすように。<br />  顔を近づけ、グリムの小さな耳を優しく噛む。こりこりと硬い感触があった。<br />  そのまま噛み千切ったら、この少女はどんな反応を示すだろうか。そんなことをふと思う。</div> <div>「あ――、あっ、あは、あはっ」</div> <div> 首を絞められ、身体を端から食べられかけながら、グリムは嬌声と笑い声が混ざり合った声を漏らす。<br />  心の底から楽しそうだった。虚ろな瞳は妖しく笑っている。<br />  独占と依存を背負うグリムにとって、食尽というのはある意味究極のあこがれなのかもしれない。<br />  そして、幹也にとっては。<br />  そんな憧れなど、知ったことではなかった。</div> <div>「楽しいね。楽しいと思いたいものだよ、本当に」</div> <div> 口から漏れる言葉に意味はない。まったく意味のない、ため息のような発言だ。<br />  けれども、グリムはその言葉を聞いて、さらに嬉しそうに笑う。</div> <div>「お兄ちゃんっ、楽しい、たのし、いのっ! やったっ」</div> <div> 首を絞められ、途切れ途切れの声で、それでもグリムは嬉しそうに言う。<br />  幹也は片手で首を絞めたまま、右手をゆっくりと下へと這わせた。<br />  むき出しになった鎖骨をなぞり、さらに下へ、下へ。<br />  フリルのついた裾まで辿りつくと、手は服の下へともぐりこみ、今度は上へと上がった。<br />  ふくらみのない胸――ではなく。はっきりと形の分かるアバラを、一本一本幹也はなぞっていく。</div> <div>「あ、あは、あはっ、あはははっ、あははははははははははははっ!」</div> <div> くすぐったいのか。楽しいのか。気持ちいいのか。嬉しいのか。<br />  首を絞められ、鎖骨をなぞられながら、グリムは笑い続ける。<br />  その笑いを塞ぐかのように、幹也は耳をかんでいた唇を、グリムの唇へと移した。</div> <div><br /> 38 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 00:43:03 ID:ju7bF4dq<br />  重ねた唇から舌を伸ばしてきたのは、グリムの方だった。<br />  八本、九本とあばらを数えながら、倒錯した行為を続けながら、幹也も舌を絡ませる。<br />  意志を持った触手のように、二対の舌は勝手に蠢き、口の端から唾液が漏れた。<br />  倒錯した行為に没頭しながらも――幹也の頭は冷えていた。<br />  どうしてこんなことをしているのだろう、と自問して。<br />  暇だからだ。時間つぶしにはなるからだ、と自答できるほどには。</div> <div>「ん、っん、んぁ――、う、あ、」</div> <div> 少しだけ、手に力を込める。首を絞める手に。<br />  繋げた唇の向こうで、グリムが苦しげに息を履いたのが分かった。<br />  唾液と下に混ざって、吐息が口の中に入り込み、幹也の肺腑を侵食していく。<br />  首を絞め。細い身体を好き勝手に弄びながら、幹也はキスをしたままグリムを見た。<br />  目をつぶるなどという、殊勝な行為はしていなかった。<br />  グリムは瞳をしっかりと開け、身体をすき放題にする幹也を、じっと見ていた。<br />  その瞳は笑っている。その瞳は物語っている。<br />  獲物を絡め取った蜘蛛のように笑うグリムの瞳は、こう言っている。</div> <div>――楽しい、お兄ちゃんっ? もっと楽しんでいいの。でも――その代わり。</div> <div> 篭絡する瞳で、歳にあわない妖艶な、狂った瞳で、グリムはこう言うのだ。</div> <div> ――ずっと愛してねっ。ずっと、ずっとグリムのお兄ちゃんでいてねっ。</div> <div> 幹也は唇を離す。ぬるりと舌が滑りながら、グリムの唇から抜け出る。<br />  顔を離すことなく、間近で幹也は言う。</div> <div>「楽しいよ――ありがとうグリム」</div> <div> 手を離すことなく、心中で幹也は思う。</div> <div> ――楽しくはない。退屈だ。ああ、暇が此処にある。</div> <div> 倒錯した二人は、そのまま、倒錯した行為に溺れていく。お互いを食い合うような行為に。<br />  その行為を、口を挟むことなく、マッド・ハンターは見ていた。<br />  異常な二人を、にやにやと、にやにやにやと笑いながら、異常な笑みを浮かべながら、ずっと見ていた。<br />  倒錯した行為は終わらない。<br />  倒錯したお茶会は、どこまでも続く。</div> <div><br /> (続)</div> <div> </div> <div>39 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 00:45:57 ID:ju7bF4dq<br /> 大体のストーリーは考えてはいるものの、考えながら書いてるので変なところがあったら申しわけない。<br /> エロはなし。倒錯行為だけで。<br /> タイトル考えてないことに今更気づいた……とりあえず、一応は幹也とグリムの話です。<br /> ヤンデレでサイ娘で嫉妬で修羅場で死亡なお話し</div> <div> </div> <div>40 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 02:04:40 ID:GMOaiQZQ<br /> サイ娘キタコレ!</div> <div>続き期待して待ってます</div> <div> </div> <div>41 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 02:12:06 ID:M/ahUCy2<br /> もはやヤンデレとかサイ娘とか抜きで面白い<br /> 更にその味付けが深くなった日には恐ろしく上質なものが出来るなぁ<br /> 流石です、作者様(*´д`*)</div> <div> </div> <div>42 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 02:37:50 ID:uTAUNG6e<br /> ヤマネなのかグリムなのか<br /> 何かのトリックの可能性もある</div> <div>というわけで続きが<br /> +   +<br />   ∧_∧  +<br />  (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ<br />  (0゚∪ ∪ +<br />  と__)__) +</div> <div> </div> <div>43 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 02:41:17 ID:ju7bF4dq<br />  里村・春香と出会ってから分かれるまでの数ヶ月の間、幹也は春香を好きだと思ったことは一度もなかった。<br />  ただ、彼女の左手に隠すことなく刻まれた細く数多い傷跡は、幹也の興味を惹くだけのものがあった。<br />  幹也には自傷癖も他傷癖もない。そういうことをする人間に対する興味はあった。<br />  なぜそうするのか――それを考えていれば、正しく暇つぶしになった。</div> <div>「どうしてこういうことをするの?」</div> <div> 夕暮れの図書室。紅く染まった、本と埃の、時の積み重なったにおいのする部屋。<br />  二人だけの世界で、幹也は、春香の手首を舐めている。<br />  手首につけられた傷跡を、穿り返すかのように、丹念に舐めている。<br />  春香は光悦とした表情とともに答えた。</div> <div>「人による。狂気倶楽部には、手首を切る人は多いけど、みんな理由が違う」</div> <div> 狂気倶楽部、という名前を、幹也は図書室で「遊ぶ」ようになってから幾度となく聞いていた。<br />  それが何かと聞いても、春香は決して教えようとはしなかった。<br />  いつか教えてあげる。それまで誰にも秘密。その二つだけしか言わなかった。<br />  幹也もそれ以上尋ねようとはしなかったし、誰にも話すつもりはなかった。<br />  そもそも、学校では「可もなく不可もなく特徴のない」生徒だった幹也には、そういうことを話す相手はいなかった。<br />  家でも、学校でも、彼は普通である。ただ、退屈していただけだ。<br />  何の理由もなく、何の原因もなく、生まれつき彼は――ただひたすらに、退屈していた。<br />  だからこそ、こうして退屈しのぎと称して、退廃的で倒錯した行為にふけっている。<br />  手首から舌を外して、幹也はもう一度尋ねた。</div> <div>「なら――春香の理由は?」</div> <div> 幹也は、学校では『12月生まれの三月ウサギ』ではなく、名前で呼んでいた。<br />  春香がそう懇願したのだ。まるで、特別な絆を作るかのように。<br />  春香は微笑んで、答えた。</div> <div>「死にたいから。死にたいけど怖くて、手首しか切れないの」</div> <div> 分からなかった。<br />  どうして死にたいのか。<br />  だから、幹也は尋ねた。</div> <div>「春香は、どうして死にたいの?」</div> <div> 笑ったまま、春香は答えた。</div> <div>「生きるのが怖いから」</div> <div> この答えの25日後、里村・春香は言葉どおりに、屋上から飛び降り自殺をした。<br />  そしてその遺言に従い、幹也は暇をもてあましながら、喫茶店「グリム」を訪れたのだった。</div> <div><br /> 44 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 03:08:51 ID:ju7bF4dq<br />  退廃的で倒錯的な行為を終えて、幹也はグリムの身体から離れた。<br />  机の上で、グリムは、ぐったりと力を失って気絶している。<br />  フリルのついた、黒いワンピースが乱れていた。<br />  色こそ違うものの、その姿は、いつかの日のヤマネに似ていると思った。<br />  それもそうだ、と幹也は内心で頷く。ヤマネにやったようなことを、グリムへやったのだから。<br />  行為を終え、椅子に深く座りなおした幹也に、マッド・ハンターがにやにや笑いと共に話しかけた。</div> <div>「やぁやぁやぁ。『盲目のグリム』は有望な新人でしょう?<br />  排他的でも自傷的でもない、誘いうける依存者は久しぶりだよ」</div> <div> 幹也は、眼前の机の上で横になるグリムと、昔と変わらず対角線上の端に座るマッド・ハンターを見つめて言う。</div> <div>「喫茶店の名前はつけないものとばかり思ってたよ。分かりにくいことこの上ない。<br />  途中から喫茶店に向かって話しかける気分になった」<br /> 「まぁ、まぁまぁそれも仕方がないよ。この子、どうにもマスターの関係者らしいよ。<br />  会ったことはないそうだけれどね」</div> <div> 随分と曖昧で適当なことだ、と幹也は思う。久しぶりに来たが変わりはない。<br />  あの頃。<br />  春香を失い、暇をもてあまし、マッド・ハンターとヤマネと過ごしていた頃と、何も変化はない。<br />  きっと、永遠に変化しないまま、唐突に終わるのだろう。<br />  まったく変わらないマッド・ハンターは、やはり変わらない笑いを浮かべながら幹也に言う。</div> <div><br /> 「しかし、しかし、しかしだね。三月ウサギ君はどうにも、『妹』に好かれやすい節があるね。<br />  ヤマネの時もお兄ちゃんと呼ばれていただろう? 懐かしいね。<br />  君の本当の妹も、お兄ちゃんって呼んだのかな?」<br /> 「狂気倶楽部の外の話は、ここではナシだったはずだろう?<br />  そのルールも変わったのかい、マッド・ハンター」<br /> 「いやいやいや。変わってないよ。ただし、君の場合は有名になりすぎたからね」</div> <div> ――有名。<br />  マッド・ハンターの言葉は間違っていない。<br />  ヤマネと分かれ、狂気倶楽部からしばらく離れるきっかけになった事件で、幹也は有名になった。<br />  マッド・ハンターも、その事件を知っているし、本来秘密のはずの幹也の本名も知っている。<br />  それでも二つ名で呼んでくれるのは、マッド・ハンターの優しさなのかもしれない。</div> <div>「それで、それで、それで? 君はまたしばらくここにいるの?」<br /> 「いや――」</div> <div> 幹也は言葉を斬り、失神したまま動かないグリムを見る。<br />  今は失神しているだけだ。<br />  けれど、いつかは死ぬかもしれない。<br />  里村・春香のように。<br />  そして――ヤマネのように。</div> <div>「この子を愛せるようになったら、またどこかに行くさ」</div> <div> グリムの黒い服と白い足を見ながら、幹也はふと思い出す。<br />  ヤマネのことを、春香のことを。<br />  忘れることのない、一瞬だけ退屈から救われた事件のことを。</div> <div><br /> (続)</div> <div> </div> <div>45 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 22:17:28 ID:VAe4dHpS<br /> 後から後から微笑がこぼれてくる。</div> <div> </div> <div>46 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 23:51:29 ID:4mtc8WIK<br /> 読み直すと苦笑いが出てくる。<br /> 書きたいサイ娘シーンまで頑張ろう俺</div> <div>時空軸の表記がないので判りにくいことに気づきました<br /> 一レス内で時間が跳ぶことはありません<br /> 春香時代と、ヤマネ時代と、グリム時代の三編が絡み合ってます</div> <div> </div> <div>47 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/01(木) 02:02:09 ID:zXEahP8G<br />  狂気倶楽部の数少ない原則の一つに、外での関わりを持たないというものがある。<br />  外で話すな仲良くなるな、ということではない。<br />  他の人間に、狂気倶楽部という存在を知られるな、ということである。<br />  一対一でこっそりと密談するのならばいい。けれども、横の繋がりを、外に知られてはならない。<br />  そういった、排他的な面が狂気倶楽部にはあった。<br />  それは、狂気倶楽部の面子が――事件を起こしやすいという一面を持つからだ。<br />  自殺なり他殺なり。<br />  何かの事件を起こしやすく、起こしたときに、個人ではなく狂気倶楽部を責められないように。<br />  あくまでも喫茶店グリムとその地下図書室を除いては、彼ら、彼女らは他人同士だった。<br />  本名も住所も分からない、二つ名と異常性だけのつながり。<br />  だから――</div> <div> 里村・春香の葬式には、狂気倶楽部の面々は来なかった。</div> <div> そのときはまだ幹也は狂気倶楽部の一員ではなかったけれど、そのことだけは断言できる。<br /> 「学校代表者」を除けば、春香の葬式には、幹也しか来なかったからだ。<br />  誰もいない葬式。<br />  両親と、義理でくる人以外には、誰もいない葬式だった。<br />  誰もかもがおざなりに泣いていた。<br />  幹也は泣かなかった。<br />  泣かずに、ただ、</div> <div> ――ああ、彼女は本当にこの世に未練などなかったんだな、と思った。</div> <div> そうして、生前ただ一人の友人とった幹也は、葬式から帰るその足で喫茶店「グリム」へと向かったのである。<br />  </div> <div>48 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/01(木) 02:20:56 ID:zXEahP8G<br />  そして今、『五月生まれの三月ウサギ』という二つ名を得て、幹也は地下図書室で暇を潰している。<br />  膝の上には白いワンピース姿のヤマネ。<br />  情欲と肉欲と食人と他傷を混ぜ合わせたような行為を経て、ぐったりと力を失って幹也にもたれかかっている。<br />  その目に光はなく虚ろだが、幸せそうに笑ってもいた。<br />  幹也はその細い両手首を掴み、普段は隠されている手首の傷を、抉るように撫でていた。<br />  普段傷を隠してるプレゼント用のリボンは、今は何かの冗談のようにヤマネの首に巻かれている。<br />  まるで、絞めた跡を隠すかのように。</div> <div>「雨に――唄えば――」</div> <div> 手首の傷を撫でながら、子守唄のように幹也はワン・フレーズを繰り返す。<br />  手首の傷。<br />  春香は死に損ねた結果としての傷だった。<br />  ヤマネは、「お兄ちゃんに会えなくて寂しいときにつけるのっ!」と言った。<br />  幹也には自殺をする人間の気持ちも自傷をする人間の気持ちも分からない。<br />  そういうこともあるか、と思うだけだ。<br />  暇を潰すために、傷口を唄いながら撫で続ける。</div> <div>「前から、前から、前から思っていたのだけど。君、映画に何か思いいれでもあるの?」<br /> 「映画?」</div> <div> 幹也の問いかけに、反対側の椅子に座るマッド・ハンターは「雨に唄えば」と言った。<br />  幹也はああ、と頷き、</div> <div>「そっちじゃないよ」</div> <div> ん? と首を傾げるマッド・ハンター。<br />  幹也は掴んだヤマネの手首をぷらぷらと揺らしながら答える。</div> <div>「『時計仕掛けのオレンジ』の方」<br /> 「なんともなんともなんとも――悪趣味なまでに良い趣味だね君は」<br /> 「そうかもしれないね。でも、あれは退屈しのぎとしては楽しそうだよ」</div> <div> 映画の中。暇な遊びとして、唄いながら暴行を加えるシーンを幹也は思い出す。<br />  そして、今こうしてヤマネにしているのも、同じようなのかもしれないな、と思い、自嘲げな笑みを浮かべる。<br />  愛情を受け止める手段として、首を絞め、身体を弄ぶ。<br />  それが、暴行と殺害に代わったところで、意味は変わらないだろうと思うのだ。<br />  首を絞められても喜ぶヤマネは。<br />  たとえ殺されても、喜ぶだろう。<br />  その瞬間、相手を独占できるのだから。</div> <div> </div> <div>49 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/01(木) 02:35:30 ID:zXEahP8G<br /> 「うあー? うぃ、お兄ちゃん……?」</div> <div> マグロのように虚ろだったヤマネの瞳に、ようやく意志の色が戻ってきた。<br />  全身を幹也に預けたまま、顔だけを上げて幹也を見る。<br />  丸い瞳と目が合う。<br />  ふと目を突きたくなった。きっと、時計仕掛けのオレンジの話をしていたからだろう。<br />  目を突く代わりに、その栗色の髪をなでてやった。</div> <div>「ひゃはっ! お兄ちゃんっ、くすぐったいよっ!」</div> <div> ヤマネは嬉しそうにそう言って、身体をねじり、首を伸ばした。<br />  幹也の首を、顎を、頬を嬉しそうに舐める。</div> <div>「……何してるの?」<br /> 「スキンシップっ!」</div> <div> 幹也の問いに嬉しそうに答え、ヤマネは舌を這わせる。<br />  マーキングをする犬と対して変わりはなかった。<br />  その二人を見て、マッド・ハンターが「やれやれ」とでも言いたげにため息をついた。</div> <div>「まったくまったくまったくね。君たちは獣のようだ獣だケダモノのようだ」</div> <div> 呆れてはいるが、楽しそうでもあった。<br />  傍から見れば異常であるはずのスキンシップを、楽しそうに見つめている。<br />  歪んだ少女の愛情は続き、愛情を持たない少年は、暇を持て余しながらも、愛情に対して行為で返す。<br />  それを、残る少女が笑いながら見つめている。<br />  これが、ここしばらくの幹也の日常だった。<br />  ヤマネとマッド・ハンターとの三人で過ごす狂気倶楽部での日々。<br />  退屈だけれど、暇つぶしにはなる日々。<br />  異常だけれど、それが平常となる日々。<br />  歪んだままに穏やかな日々だった。</div> <div> ――それが崩壊したのは、狂気倶楽部の外に、その狂気が持ち込まれたのが切っ掛けだった。</div> <div>(続)</div> <div> </div> <div>50 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/01(木) 02:37:26 ID:zXEahP8G<br /> &gt;&gt;47<br /> の『 そうして、生前ただ一人の友人とった幹也は、』 は『友人となった』ですね<br /> 掲示板でSS書くのは初めてで、色々勝手がわからず難しい限りです。<br /> 嫉妬修羅場スレの人たちは凄いなぁ……</div> <div>とりあえず明日には事件が起きて一気に崩壊まで加速します</div> <div> </div> <div>51 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/01(木) 02:53:11 ID:3ZDBu5zu<br /> いつもながらGJ。どんな崩壊が待っているのかwktkだよ。</div> <div>ところで一つ確認させて頂きたいのだが「マッド・ハッター」ではなく「マッド・ハンター」なのは<br /> 首刈りにかけてあるんだよな?</div> <div> </div> <div>52 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/02(金) 04:04:01 ID:zdEZTGLI<br /> &gt;&gt;51<br /> ですね、「マッド・ハンター」です。<br /> 多少言葉遊びも含まれています<br /> オチまでにちゃんと回収できるよう頑張ります</div> <div><br /> 53 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 02:49:59 ID:+eT8KhQA<br />  里村・春香がいなくなって数ヶ月、幹也の生活は完全に固定していた。<br />  学校が終わると、図書室に行くことなく、喫茶店グリムへと向かう。<br />  部活動が終わるくらいの時間までは、グリムで、マッド・ハンターやヤマネと過ごす。<br />  そして、二人を置いて、家へと帰る。<br />  ヤマネは先に帰る幹也を恨みがましい目で見つめたが、無理矢理に引き止めようとはしなかった。<br />  代わりに、</div> <div>「お兄ちゃんっ、明日、明日も来てねっ! 絶対だよっ!」</div> <div> と約束の言葉を投げかけるのだった。<br />  幹也はその言葉に頷きつつも、内心ではどうでもよかった。<br />  学校は嫌いではない。勉強もそこそこで、話し相手もいて、平穏な日々。<br />  ただし、退屈だった。<br />  家族は嫌いではなかった。父がいて、母がいて、妹がいて。平和な一軒家。<br />  ただし、退屈だった。<br />  狂気倶楽部は嫌いではなかった。マッド・ハンターやヤマネ、時にはその外の少女との異常な付き合い。<br />  ただし、退屈だった。<br />  面白いことがないから退屈なのではない。<br />  退屈だと思うから退屈なのだと、幹也は自覚していた。<br />  ヤマネを抱くことに楽しさを感じることもなければ、首を絞めるのに背徳感もない。<br />  ただただ、退屈だった。<br />  だから、</div> <div>「――兄さん、明日暇ですか?」</div> <div> と、家で妹に言われたとき、幹也は迷わず「暇だよ」と答えた。<br />  頭の中ではヤマネとの約束を憶えていたが、どうでもよかった。<br />  退屈だったのだ。<br />  その結果、どんなことになろうが、構いはしなかった。</div> <div><br /> 54 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 03:07:24 ID:+eT8KhQA<br />  妹。<br />  その姿を見るたびに、最近の幹也はヤマネのことを思い浮かべる。<br />  勿論ヤマネと妹は似てもつかない。<br />  妹は物静かで口数が少なく、ほとんどの時間を鴉色の制服で過ごしている。<br />  髪の色は幹也と同じ黒で、膨らむことなく真っ直ぐに伸びている。<br />  背は幹也の肩に並ぶくらいだが、全体的に細く、大人びた感があった。とても中学生には見えない。<br />  同じく鴉色のプリーツスカートには皺一つない。丁寧で几帳面だな、と幹也は思う。<br />  学校帰りに買い物に行く時でさえ、制服を着ているのだから。<br />  もっとも、幹也とて、同じく制服を着ているのだから妹に何を言えるはずもない。<br />  <br /> 「どれがいいですか?」</div> <div> 幹也の隣に立つ妹が小さく言う。ぴったりと横に寄り添い、腕をくっつけるようにして立っている。<br />  いつものことなので幹也は気にしない。ウィンドウに並ぶケーキの山を見定める。<br />  母親の誕生日ケーキだった。<br />  ――プレゼントは既に買っているので、みんなで食べるケーキを買いたい。兄さんも好きなケーキを。<br />  そう妹に頼まれたのだった。<br />  好きなケーキ、と言われても、幹也にはぴんとこない。好きなものも嫌いなものもないからだ。</div> <div>「――これは?」</div> <div> 適当なチーズケーキを指差して幹也が言うと、その手を掴んで、ぐい、と妹は降ろした。</div> <div>「指差してはいけません」</div> <div> そのまま、指を差さないように、ぎゅ、と腕を掴んで離さなかった。<br />  幹也は仕方なく、目線だけでケーキを見て、</div> <div>「あのロールケーキは?」<br /> 「それがすきなのですか?」<br /> 「好きでも嫌いでもないよ」</div> <div> 正直にそう言うと、妹は少しだけ頬を膨らませた。</div> <div>「それではだめです。好きなものを選んでください」<br /> 「好きなの、ね……」</div> <div> 幹也は悩み、すべてのケーキを見る。好きなものも嫌いなものもない。<br />  が、一つだけ、ピンと来るものがあった。</div> <div><br /> 55 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 03:08:07 ID:+eT8KhQA</div> <div> ごくありきたりな、生クリームのイチゴケーキ。<br />  けれど、その上には、お菓子で出来たウサギが乗っていた。<br />  妹に話していないものの――『五月生まれの三月ウサギ』として、興味が沸いた。</div> <div>「これ。これにしよう。これがいい」<br /> 「これですね」</div> <div> 幹也の視線を正確に読んで、妹は店員にケーキ名を告げる。<br />  すぐに、箱に入れたケーキを手渡された。<br />  妹は、幹也に片手を絡ませたまま、器用に残った手で財布からお金を取り出そうとした。<br />  そして、それよりも早く、</div> <div>「はい、どうぞ」<br /> 「ありがとうございましたー!」</div> <div> 幹也が、ポケットから千円札を取り出して、店員に渡した。<br />  お釣りを受け取る幹也を、妹は、微かに嬉しそうな、怒ったような、どちらともつかない顔で見ている。</div> <div>「……兄さんはずるいです」<br /> 「みんなずるいのさ」</div> <div> 妹の言葉の意味がわからなかったが、幹也は適当にそう答え、絡ませていない方の手でケーキを受け取った。<br />  頭を下げる店員から目を離し、踵を返す。<br />  そして。</div> <div>「――――――――――」</div> <div> 鏡張りの向こう、店の外に。<br />  手首にラッピング用のリボンをまき、栗色の髪の毛で、フリルのついた白いワンピースを着て、裸足の少女がいた。</div> <div> 少女は――ヤマネは。</div> <div> 泣きそうな、それでいて笑い出しそうな、不思議な表情で、幹也と、手を絡める妹を見ていた。</div> <div> </div> <div><br /> 56 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 03:28:22 ID:+eT8KhQA<br />  ヤマネとはっきりと目があった。<br />  泣き笑いを浮かべ、口元をへらへらとゆがめるヤマネと、はっきりと目があうのを幹也は感じていた。<br />  幹也は考える。明日も来てね、と約束して、来なかった自分を探して、街をさ迷うヤマネの姿を。<br />  いつもの格好で、裸足のまま、街をうろつくヤマネの姿を。<br />  そして思うのだ。<br />  幹也が約束を破ったのは、これが始めてではない。いつもは、約束を破って、家に帰っていた。<br />  けれど、今日はたまたま――妹と、町に出た。大人びて、幹也と似ていない妹と。<br />  そして、たまたまではなく、いつものようにヤマネは街をさ迷って、幹也の姿を見かけた。<br />  そして、ヤマネは、仲が良さそうに手を組み、ケーキを買う幹也と妹を見て、こう思ったに違いない。</div> <div> ――いつも、あの子と一緒にいるんだ、と。</div> <div> 幹也と妹が店から出ても、ヤマネは一歩も動かなかった。<br />  へらへらと笑っている。<br />  へらへらと、壊れたかのように笑っている。<br />  その姿を妹は不審げに見ている。幹也は、真顔で見つめている。<br />  笑ったまま、ヤマネは言った。</div> <div>「お兄ちゃんっ! ヤマネのこと、好きっ?」</div> <div> 妹が不審げな顔を深める。<br />  幹也は、感情を込めずに、あっさりと答える。</div> <div>「ああ、好きだよ」</div> <div> その言葉を聞いて、ヤマネは、へらへら笑いではない、満面の笑みを浮かべた。</div> <div>「そっかっ! じゃあ、お兄ちゃんっ、また明日ねっ!」</div> <div> 言って、笑ったまま、どこかへ去っていった。<br />  裸足で去っていく姿から、幹也はあっさりと視線を外し、言う。</div> <div>「帰ろうか」<br /> 「兄さん」</div> <div> 歩き出そうとした幹也の腕を掴んだまま、妹は不審げな表情のままに、尋ねた。</div> <div>「今の人は知り合いですか?」</div> <div> 幹也は、平然としたまま、あっさりと答えた。</div> <div>「知らない子だよ」</div> <div><br />  その日は、それだけで終わった。</div> <div><br />  そして、全てが終わり始めたことに、幹也はまだ気づいていなかった。</div> <div>(続)</div> <div> </div> <div>57 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 03:38:08 ID:UCmT86MI<br /> いい感じに病んできましたなー。</div> <div>妹にも期待</div> <div> </div> <div>58 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 23:06:36 ID:xM4iJZ1Z<br /> 作者様GJ(*´д`*)ハァハァ<br /> 時間軸をそろそろ自分の中でに整理しないと<br /> 俺の頭では理解が限界、折角の良作を楽しむためにも<br /> ちょっと脳年齢上げてくる</div> <div> </div> <div>59 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/04(日) 01:11:44 ID:qc8UBzFa<br /> &gt;&gt;58 氏<br /> わかりづらいので一応補足をば。</div> <div>里村・春香時代(回想)<br /> &gt;&gt;35<br /> &gt;&gt;43<br /> &gt;&gt;47</div> <div>ヤマネ時代(ほぼメイン)<br /> &gt;&gt;21-26<br /> &gt;&gt;29-32<br /> &gt;&gt;48-49<br /> &gt;&gt;53-56</div> <div>グリム時代(現在)<br /> &gt;&gt;36-38<br /> &gt;&gt;44</div> <div> </div> <div>60 名前:58[sage] 投稿日:2006/06/04(日) 01:49:35 ID:cByhBQ4R<br /> 作者様の手を煩わせてしまい申し訳ない(*_ _)人<br /> 改めて良作ップリを味あわせていただきました(*´д`*)</div> <div> </div> <div>61 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/04(日) 03:32:06 ID:sVLyjdlB<br /> ヤマネもいい病みっぷりだが<br /> 妹に期待しちゃう…<br /> キモウトだとええなあ</div> <div> </div> <div>62 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/04(日) 05:58:40 ID:1U8Y5B+2<br /> 俺もキモウトがいいなぁ。</div> <div> </div> <div>63 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 02:23:08 ID:HVNZGBN/<br />  翌日。幹也は学校が終わると同時に、喫茶店「グリム」へと向かった。<br />  ヤマネが「明日」と言ったからではない。<br />  単純に、退屈だったからだ。退屈だったからこそ、いつものようにグリムへ行き、地下の狂気倶楽部へと向かった。<br />  いつものように、そこには二人の少女がいた。<br />  マッド・ハンターと、ヤマネだ。<br />  幹也は唄いながら十三階段を降り終え、二人に挨拶した。</div> <div>「おはよう」<br /> 「ん、ん、ん? おはようと言った所でもう夕方よ」<br /> 「授業中退屈で寝てたんだよ――おはようヤマネ」</div> <div> 言葉を向けられると、ヤマネの顔に、満面の笑みが浮かんだ。<br />  脳が蕩けたかのような笑顔を浮かべながらヤマネが言う。</div> <div>「おはよっ、お兄ちゃんっ! 今日はなにするっ!?」</div> <div> にこやかに挨拶をするヤマネに笑いかけ、幹也はいつもの指定席に座る。<br />  長机の一番奥の椅子に。<br />  いつもと違う事があるとすれば――幹也が本をとるよりも早く、その膝の上に、ヤマネが乗ってきたことだ。<br />  まるで、昨日の分も甘えるとでも言うかのように、ヤマネは全身で幹也にすりよる。<br />  臭いをつける猫に似ていた。<br />  ヤマネが、二つ名の通りに『ヤマネ』ならば、今ごろ幹也は穴だらけになっていただろう。</div> <div>「今日はずいぶんと甘えるね」</div> <div> 幹也もそう感じたのか、言いながら栗色の髪の毛を撫でる。<br />  撫でられたヤマネは気持ち良さそうに微笑み、言う。</div> <div><br /> 「――お兄ちゃんっ、昨日のコって誰かなっ!?」</div> <div> </div> <div>64 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 02:32:12 ID:HVNZGBN/<br />  唐突なその問いに、幹也の手が止ま――らなかった。<br />  まったく動揺することなく、頭をなでながら、幹也は言う。</div> <div>「妹だよ」<br /> 「妹?」</div> <div> 逆に、ヤマネの動きが止まった。<br />  その答えをまったく予想していなかったのか、瞳はきょとんとしていた。<br />  何を言っているのかわからない、そういう顔だ。<br />  家族がいないとでも思っていたのだろうか――そう思いながら、幹也は言う。</div> <div>「妹。家族だよ」<br /> 「仲」惚けたまま、ヤマネは問う。「良いのかなっ?」</div> <div> 見ての通りだよ、と幹也が応えると、ヤマネは「そっかぁ。えへへ」と、笑った。<br />  楽しそうに、笑った。<br />  楽しそうに笑う場面ではないというのに。安堵の笑みなら分かる。幹也を取られないという安堵ならば。<br />  けれども、ヤマネの笑いは違った。<br />  どこか被虐的な――自嘲じみた、歪に楽しそうな笑みだった。</div> <div>「家族かぁ! いいなぁ、いいねっ! お兄ちゃんも、ヤマネの家族だよねっ、だってお兄ちゃんだもんっ!」</div> <div> 楽しそうに笑ったままヤマネは言う。<br />  幹也は「そうだね」と適当に頷き、ヤマネの軽い体を机の上に置く。<br />  退屈だった。<br />  妹もヤマネもどうでもよかった。退屈を潰せるのならば。<br />  いつものように――幹也は、ヤマネの首に手をかける。</div> <div><br /> 「うふ、ふふふっ、うふふふふっ! あは、あはっ! お兄ちゃん、楽しいねっ!」</div> <div> ヤマネは笑っている。<br />  いつもとはどこか違う、歯車が一つ壊れたような笑み。<br />  幹也は構わない。歯車が壊れても遊べることには変わりない。<br />  歪な、歪な今までとは違う歪さの二人。</div> <div> その二人を見ながら、マッド・ハンターはひと言も発さず、楽しそうに笑ってみている。</div> <div> </div> <div> </div> <div>65 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 02:39:15 ID:HVNZGBN/<br />  結局、その日は、いつもよりも早く帰ることになった。<br />  ヤマネの反応が、いまいち面白くなかったからだ。常に笑っているだけでは、壊しがいがない。<br />  反応を返してくれるからこそ、退屈しのぎになるのだ。<br />  そう考えながら、幹也は一人、家へと帰る。<br />  ごく普通の一般家庭の中に、普通の子供として帰る。<br />  肌に少女の臭いが残るだけだ。家族は情事としてしか見ないだろう。<br />  まさか首を絞め、異常な交わりをしているとは、少しも思わないだろう。</div> <div>「雨に――唄えば――雨に――唄えば――」</div> <div> ワン・フレーズを繰り返しながら幹也は歩く。<br />  頭の中には、もうヤマネのことはない。あるのは、里村・春香のことだ。<br />  図書室から飛び降り自殺をした春香のことを考える。<br />  今もなお考えるのは――死んだ瞬間、春香のことが好きだったからだと、幹也はなんとなく考えている。<br />  一瞬だけ退屈がまぎれるような――人を好きになれるような――幸せだと感じるような――<br />  不思議な感覚が、『あの一瞬』にはあった。<br />  人にとっては異常とも思える思考と記憶にたゆたいながら、幹也は家へと帰る。</div> <div>「雨に、唄えば――」</div> <div> 唄いながら扉を開け、家へと入る幹也は気づかない。</div> <div>――電柱の陰に隠れるように少女がいる。ワンピースをきて、栗色の髪の毛をした少女が。裸足のまま、じっと、幹也が入っていった家を見ている。</div> <div> ヤマネに、後をつけられ、家を知られたことに、幹也は気づかない。<br />  幹也の家を知り、幹也の部屋に電気がついたことを確認したヤマネは、楽しそうに笑いながらその場を去っていく。<br />  ヤマネの頭にある考えは、一つだけだ。</div> <div><br /> ――お兄ちゃんは、ヤマネだけのものなの。</div> <div> </div> <div>(続)</div> <div><br /> 66 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 15:27:00 ID:k8WbBjNn<br /> ヤマネVSキモウトの予感…!</div> <div> </div> <div>67 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/05(月) 21:27:56 ID:+jTKkPfr<br /> 今書いているのが有るんだが、登場人物紹介だけ。<br /> 南校生徒、山岳部<br /> 1:井田 敦也(イダ アツヤ)二年三組。<br /> 無愛想で、友達は少ないが、その友達の質は高い。いつも冷静沈着。<br /> 2:高田 翔太(タカダ ショウタ)二年三組。<br /> 自称、敦也と親友関係。もてたいがそれが前に出過ぎるため、もてない。童貞。学園卒業前に、脱童貞を目指す。<br /> 3:桐谷 美保(キリヤ ミホ)二年三組<br /> 敦也の幼馴染みであり、唯一敦也が普通に話せる相手。敦也の事が好きだが、その事に疎いためヤキモキしている。影の学園アイドル。<br /> 4:市原 奏(イチハラ カナデ)二年四組<br /> 自他共に認める学園のアイドルだが、少し我が儘なとこが玉に傷。容姿端麗、頭脳明晰と、完璧なタイプ。それを鼻にかけるのがまた厄介。<br /> 5:神崎 光(カンザキ ヒカリ)二年四組<br /> 活発で、男勝りな所があるが、美少女の部類に入る。翔太とは喧嘩友達といった辺りだが、互いに好意があるかは不明。<br /> 6:神崎 明(カンザキ アカリ)二年二組<br /> 光の双子の妹だが、性格は正反対でおとなしく、地味。そのため、双子でも簡単に見分けられる。昔目の手術に失敗し、眼鏡が無いと何も見えない。</div> <div><br /> 68 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/05(月) 21:30:09 ID:+jTKkPfr<br /> 7:楠木 絵理(クスキ エリ)二年一組<br /> 昔の事故により、片足が不自由な女の子。既に治っているのだが、精神的なもので動かないため、筋力が衰えてしまった。読書が大好き。<br /> 8:高田 由良(タカダ ユラ)一年二組<br /> 翔太の妹。兄譲りのお調子者な性格で、ムードメーカ的な存在。翔太の友人である敦也が好きだが、美保の気持ちを知っているので抑えている。<br /> 9:馬場 隆(ババ タカシ)<br /> 25歳。筋肉質で、いわゆる体育会系教師。山岳部顧問であり、今回の部活旅行の引率。生徒からの評価は、ごく普通。<br /> ~~~~~~~~~~~~~<br /> 洋館の主<br /> 春川 知奈美(ハルカワ チナミ)本名かは不明。<br /> 今回山岳部に招待状を出した、奏の親戚。とはいえ、奏も見たことがなく、どんな人なのかも不明。噂では、若くて美しい女性だとか。</div> <div>・<br /> ・<br /> ・<br /> ・<br /> ・<br /> ・<br /> ・<br /> グロって有り?</div> <div> </div> <div>69 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 22:42:05 ID:KfB8sfCy<br /> |ω・`) グロの度合いがわからないけど寝取られ系でなければ基本大丈夫<br /> まぁ読者が私一人じゃないからなんともいないけど・・・<br /> グロだからどうこうってことはないと思います<br /> とりあえず設定だけで(*´д`*)ハァハァ<br /> 10人近い人物がどう動くのか期待</div> <div> </div> <div>70 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 22:53:34 ID:tFgb8qQG<br /> メッタ刺し位なら平気<br /> &gt;&gt;69<br /> 俺は、女が男を寝取るとかなら割とすきだなぁ</div> <div> </div> <div>71 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 23:26:04 ID:ivcG0IBK<br /> 最初に明記すればなんでもありじゃない?<br /> スレタイが【ヤンデレ】なんだしさ</div> <div> </div> <div>72 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 23:34:23 ID:hz8qZhvt<br /> 俺は別にグロでもいいと思うけど、あんまり行き過ぎると・・・<br /> 登場人物が多いと大変だろうと思うけど頑張ってください。<br /> 期待してます!!</div> <div> </div> <div>73 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/06(火) 02:28:32 ID:bJP1ejAS<br /> &gt;&gt;63<br /> やばい!!ヤマネがなんかツボすぎる。<br /> そしてまだ攻めには転じていないキモウトにも期待w<br /> 個人的に</div> <div>「お兄ちゃんっ、昨日のコって誰かなっ!?」</div> <div>が相当キタw</div> <div>作者さんGJです!!</div> <div> </div> <div>74 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/06(火) 13:33:27 ID:yF1KkMww<br /> 投下します。<br /> 心臓の弱い方、妊婦はご遠慮(ry</div> <div> </div> <div>75 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/06(火) 13:34:22 ID:yF1KkMww<br /> ――敦也<br /> きっかけは何気ない一言だった。<br /> 「夏休み、みんなで旅行に行かない?」<br /> 奏の提案だった。俺達山岳部……とはいえ、ほとんど活動はしてない……が、奏の親戚の家に招待された。俺は面倒だと言ったのだが、美保に強引に連れられてしまった。<br /> そして今はバスの中。日も暮れて来た時間、山中を進む。かなり高い所まで来た。隣りでは美保が熟睡して居る。無防備なもんだ。<br /> 外の味気無い風景を眺めていると、前に座っていた翔太が、イスから身を乗り出して話しかけてくる。<br /> 「おう、敦也。実はな、今回の旅行、俺には計画があるんだ。」<br /> 「…計画?」<br /> 面倒に思ったが、一応返事はする。<br /> 「人里離れた洋館……たくさんの美少女達……この条件から導かれるのはただ一つ!脱・童・貞!だぁぁぁぁ!!!!」<br /> お前が報われないのはそこにあるんだぞ?といいたくなるが、黙っておく。言っても無駄だし、自分で気付かないと無意味だろう。<br /> 「な?お前も乗るだろ?」<br /> 「断る。」<br /> 俺にとっては、完全に無意味なことだ。この後、そんな余裕もない程悲惨な旅行になるとは、俺も含めて誰も知らなかった………</div> <div> </div> <div>76 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/06(火) 13:35:27 ID:yF1KkMww<br /> ――由良<br /> 「脱・童・貞!だぁぁぁぁ!!!!」<br /> 兄さんがまた変な事を叫んでいる。妹として、兄のイメージ低下は避けて欲しい……でももう手遅れみたい。みんな引いちゃってる。<br /> はあ、なんであんなのが兄なんだろう。ほら、敦也さんにだって軽くあしらわれちゃってる。……かっこいいなぁ。<br /> でも、そんな敦也さんの肩に頭を乗せながらぐっすりと寝てる美保さんを見ると、胸が痛くなる。<br /> 『私、あっちゃんが好きなんだ、幼馴染みとしてじゃなくて……男の子として。』<br /> それを相談されたとき、本当に泣きそうになった。でも、私も敦也さんが好きだと言ったら、きっと美保さんは身を引いてしまう。優しすぎるから。<br /> そんな事をさせてまで、敦也さんに好きだと言える事なんて無理。だから私は黙っていた。美保さんも好きだから、二人には幸せになって欲しい。<br /> 私が……私さえ我慢すれば、全部丸く収まるんだ。だから我慢…………でも、黙っていれば、離れて見てていても構いませんよね?<br /> 兄さんを避けるように顔を背けた敦也さんと目が合い、苦笑いされる。ああ……また、私の胸が疼く……敦也さんがイケナインデスヨ?</div> <div> </div> <div>77 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/06(火) 13:36:37 ID:yF1KkMww<br /> ――翔太<br /> 俺の懇願虚しく、周りからは色のいい反応はもらえなかった。<br /> 「な?お前も乗るだろ?」<br /> 無理やり敦也を誘ってみる。わが親友ならわかってくれるはず……<br /> 「断る。」<br /> と思ったが、こいつはそういう奴だったよ。ちょっと腹癒せにからかってみる。<br /> 「お前はいいよなー。もうかわいい候補がいるからさぁ。」<br /> 敦也の隣りで寝てる美保ちゃんを見ながら言う。どうみても美保ちゃんが敦也に好意を持ってるのはバレバレだ。だから俺としても二人がくっついてくれるのはありがたい。<br /> だから絶対に美保ちゃんには手を出さないようにする。ただ一つ問題なのは……<br /> 「候補?誰が?なんの?」<br /> 敦也本人が爆発的に鈍感って事だ。わざとか?と思うほど、色恋ざたははぐらかす。<br /> 「美保ちゃんが、さ。」<br /> 「まさか。」<br /> 苦笑いしながら顔をそらす。その目線の先には由良がいた。……む、こいつ、もしや俺の妹狙いか。もし由良と敦也が結婚までいくとなれば……<br /> 『今後ともよろしくお願いします、兄さん。』<br /> 『兄さん』『兄さん』『兄さん』<br /> それを想像しただけで吐き気が…………</div> <div> </div> <div>78 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/06(火) 22:52:53 ID:lVzMyppW<br /> |ω・`) 一体誰が病むのかワクテカ<br /> それにしても兄貴、結構キてるなぁ((;゚Д゚)ガクガクブルブル</div> <div> </div> <div>79 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/07(水) 21:43:54 ID:yONoAegT<br /> 保守だ。</div> <div> </div> <div>80 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/07(水) 23:28:25 ID:P9556osH<br /> ヤマネマダァァァァァ??</div> <div> </div> <div>81 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/08(木) 00:41:43 ID:ghfOlPng<br /> &gt;&gt;76<br /> (;´Д`)ハァハァ<br /> つ、続きを早くヤンで</div> <div> </div> <div>82 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/08(木) 06:50:22 ID:S6xMSoai<br /> あぁ、由良がいい感じで病んでるなぁw<br /> 美保が出てきてないけど……ワクワクしながらまってますぉ!</div> <div> </div> <div>83 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/08(木) 10:38:35 ID:4nKORfYh<br /> よく分からんが、定義としては<br /> S県月宮みたいな奴のことをいうのか?>ヤンデレ</div> <div> </div> <div>84 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/08(木) 13:43:23 ID:RqCur5RQ<br /> ――美保<br /> とても心地良い、あっちゃんの肩。寝たフりしてるけど、本当は最初からずっと起きてる。ドキドキして寝れないから。<br /> 考えてみれば、あっちゃんが居る旅行なんて初めて。無理やり連れて来てもよかった。翔太君が変な事を叫んでいたけど、私も似た様なことを考えている。<br /> この旅行の間に、あっちゃんと………<br /> そんなことを考えていたら、体が暑くなってきちゃった。いけない、いけない。私は変な子なんだろうか?<br /> 誤魔化そうと薄目をすると、あっちゃんが私を見ていた。一瞬似して体が硬直してしまった。な、なんでこっちを見てるの!?<br /> 「こいつ……」<br /> なにか呟いてる。<br /> 「面白い癖っ毛だな。」<br /> ガクッ<br /> はぁ、なんか期待外れ……まあ、あっちゃんに期待するのも無駄かな。私が引っ張っていかないとだめだからね。</div> <div>そろそろ起きようかと思った時………<br /> ガタン<br /> 「んん?」<br /> バスが少し揺れ、運転をしていた先生が声を出す。<br /> 「おかしいな……ガソリンはまだあるし、故障か?」<br /> 周りから不満の声が上がる。<br /> 「いいじゃない、あれが目的地なんでしょ?あれぐらい歩いて行きましょうよ。」<br /> 奏ちゃんがそう提案した。</div> <div><br /> 85 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/08(木) 13:44:14 ID:RqCur5RQ<br /> ――奏<br /> 私が提案したように、皆で森を抜け、歩いて洋館まで向かう。<br /> まったく、こんな不便な所に別荘を建てるなんて理解できない。しかも余り知らない親戚から招待されるなんて、なんかおかしい。<br /> でもまあ、みんなそれなりに楽しみ似しているようなのでよしとする。<br /> 少しだけ舗装された道を歩くこと数十分。やっと正門までたどり着いたけど……<br /> 「で、でけぇ~~!!」<br /> 翔太君がみっともなく大声で叫ぶ……無理もない。本当に大きいのだ。山の森に隠れていたためか、近付くまでわからなかったが、正門から見ただけでもウチの学校の校舎ぐらいはある。<br /> こんなところに住むなんて、とても疲れそうだ。<br /> 「あ、あれ何?」<br /> エリっちが不思議そうに指差した先には……<br /> 「時計塔、か。」<br /> あら、珍しい。敦也が答えるだなんて。<br /> 確かにそこには時計塔があった。ちょうど私達の居る正門とは正反対で、洋館を線対称に分けるように中央にそびえたっている。<br /> 夜の闇にライトアップされたそれは、妙に不気味に見えた。その上……<br /> 「つ、つめたい!」<br /> 雨まで降り出した。敦也君が珍しくしゃべるからよ!</div> <div><br /> 86 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/08(木) 13:45:56 ID:RqCur5RQ<br /> ――絵理<br /> 「ほら、冷えてきたから、さっさと入るぞ。」<br /> 先生が促すと、皆で正門に入る。松葉杖をついている私を、光ちゃんが、しっかりと支えてくれる。こんな私が山岳部なんかに入った理由がこれだ。<br /> 障害があり、なかなか部活に入れなかった私を、カナちゃん(奏)が誘ってくれた。ちなみにカナちゃんが山岳部に入った理由は、『暇そうだから』らしい。<br /> それから私とカナちゃんは親友になった。カナちゃん以外も皆優しくてとても助かっている。<br /> 庭の中央まで来た時、異変は突然起こった。<br /> ガシャン!<br /> 大きな音がして振り返ると、鉄の正門が閉じていた。<br /> 「風かな?」<br /> 光ちゃんが言った直後………<br /> ガルルルルル……ワンッ!!<br /> 犬の吠える声が聞こえた。よく見ると、庭の隅の穴から、五匹ぐらい這い出ていた。その私たちを見る目は、餌に飢えた獣のようだった。<br /> 「あ、あれって!軍用犬じゃない!みんな逃げて!」<br /> そうカナちゃんが叫ぶと、皆スイッチが入ったように混乱し、玄関へと走り出す。そんな中私は……<br /> 「いよっと!」<br /> 翔太君におぶられていた。………そんな翔太君の横顔が、なんとなくかっこよく見えた………</div> <div> </div> <div>87 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/08(木) 17:00:30 ID:XG2Ju9NL<br /> なんかサスペンスの臭いが((;゚Д゚)ガクガクブルブル<br /> これはいいヤンデレ洋館ものですね(*´д`*)</div> <div> </div> <div>88 名前:十月五日午前三時の君達へ[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 06:16:24 ID:8ZzyCs2Z<br /> 七月十日<br /> 拝啓、お元気ですか?<br /> こちらは元気です。<br /> 湿った六月も明け、七夕を経て、半端な時期に梅雨も終わって、ようやく夏がやってきそうです。<br /> 先日、一人暮らしをしていた弟が私の住む実家に帰ってきました。<br /> 半年間メールでしか連絡を取っていなかったので、久々に弟と顔を合わせて話せたので心臓がどきどきしています。まるで恋する乙女の様です。弟は夏休みの間はこちらにいるようなのでその間、何をして弟と過ごすか色々と考えている今日この頃。</div> <div>七月十五日<br /> 今日は弟と一緒に映画館に行きました。内容はあまり覚えていません。ずっと弟の横顔を眺めていたので。<br /> 帰りに弟とショッピングモールで買い物をしました。弟が付けている地球をモチーフにしたピアスがあったので、それを購入。<br /> おそろいですね。と言うと少し頬を紅くして、照れていました。可愛いです。<br /> だけど、家に帰る途中に弟の友達と名乗る妙な女が弟を連れて行ってしまいました。そこは今日という素晴らしい一日の唯一の汚点で、どうもいただけません。<br /> 死ねば良いのに。</div> <div>八月九日<br /> 今日は弟と一緒に海に行きました。<br /> 本当は人前に肌を晒すのは嫌なのですが、弟に見られるとなると話は別です。散々胸元を弟の元を弟の前で見せびらかす事に成功。<br /> やりました。<br /> 少しはこちらを意識してくれたでしょうか?<br /> 帰りの電車でつい、うとうとしてしまったのですが、弟の視線がちらちらと私の胸にいっているような気がします。<br /> 早く襲ってくれればいいのですが。</div> <div> </div> <div>89 名前:十月五日午前三時の君達へ[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 06:20:45 ID:8ZzyCs2Z<br /> 八月十九日<br /> 今日は弟と家でごろごろとしていました。たまにはだめ人間になるのも良いものです。<br /> 朝はトースト。お昼はパスタ。夜にはカレーを作って食べました。<br /> この調子で弟も食べてしまいたくなります。<br /> ずっと二人でこの家で、誰にも阻まれず、弟と心逝くまでとろけてしまいたくなります。<br /> 弟の滞在期間もあと半分です。その間に理性は保ってくれるでしょうか?崩れるのも一興ですが。</div> <div>八月二十五日<br /> 最近、弟がよそよそしいです。家に帰る時刻が遅く。前までは遅くなるとその旨を伝えるメールが来るのですが、それさえもありません。<br /> 何だか寂しいので今夜も一人、体を慰めながらの就寝です。<br /> 八月三十日<br /> 悔しい。弟と同じ血が流れるこの体が恨めしい。あの女。よりにもよって私の弟と繋がったようです。<br /> 決め手は弟の体から女の臭いがして来たからで、私は今すぐにでもその臭いをわたしの臭いで多い被せたくなりました。<br /> しかし、人の良い弟の事です。どうせあの女が何か泣き落として無理やりに抱かせたに違いありません。<br /> 先月にあった時に直感で理解しました。ろくでもない発情した動物と同類だと。<br /> 殺してやりたい。</div> <div><br /> 九月四日<br /> 弟の瞳は私のもの。<br /> 指は喜ばせ、唇は私を震わせる。耳に届く声は甘い呪いの呪文。舌は否応にも私を濡らせ、抱き締める腕でさらわれてしまいたい。<br /> 体の全てで弟を感じて、想いの全てで弟を受け入れました。<br /> しあわせ。<br /> もう、はなさない。</div> <div>九月十八日<br /> 今日も一日中弟と繋がり合いました。<br /> 朝起きて、私の奉仕で目覚めそのまま一回。<br /> 午前は居間で飽きるほどに互いの秘所を舐め逢いました。<br /> 昼食の準備の最中に襲われ、はしたなく食事中も私の中に弟は挿さったままでした。<br /> 午後になって私の胸で一回。今まで私の胸で興奮した事があるそうです。嬉しい。<br /> 夕方になって夕飯の買い物の帰り近所の公園の御手洗いで一回。<br /> 夕飯を食べた後、御風呂の中で二回。浴場で弟と洗いっこ。どんどん元気になって行く弟が印象的でした。<br /> 私も隅々まで洗われて、絶頂まで連れて行かれてしまいました。恥かしいです。</div> <div><br /> 90 名前:十月五日午前三時の君達へ[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 06:24:06 ID:8ZzyCs2Z<br /> 九月二十日<br /> 弟はこちらに残るそうです。あまりの嬉しさに泣いてしまいました。最近泣いてばかりです。アノ時も泣きっ放しです。姉としての威厳が。</div> <div>夕飯の買い物を一人で済ませ、帰り道の途中にあの女と会ってしまいました。<br /> 泣きはらしたような目でこちらを見て、<br /> 変態。<br /> と、静かに呟いて去って行ってしまいました。<br /> 負け犬の遠吠え。思わず笑い出しそうになるのを押さえるのに必死でした。<br /> これからずっと弟と一緒だと考えると淫らな気持ちになってしまいました。<br /> 帰ったらうんと恥かしい御仕置をしてもらわなくてはなりません。</div> <div>九月二十九日<br /> しにたい。</div> <div>十月一日<br /> きょうはわたしたちのなかをじゃまするふたりをやっつけました。<br /> おとうともわたしのかんがえにさんせいしてくれました。なつのあいだかれにあたえていたくすりのせいかです。<br /> いいぐあいにかれのこころをてにいれることができました。</div> <div>いまでわたしたちのりょうしんがふたつならんでしんでいます。<br /> どうでもいいことです。<br /> さて、いまからまたおとうとときもちよくなってきます。</div> <div>十月五日<br /> 拝啓、お元気ですか?<br /> 私はあまり元気ではありません。昨日から弟がベッドから起き上がってくれないのです。<br /> ベッドの上には相変わらず弟から流れた血で紅く汚れています。<br /> 早く起きて欲しいです。私を驚かそうとしているのですね?騙されませんよ。<br /> さあ、早く起きて朝ご飯を食べましょう?朝に食べないと体に悪いんですよ?食べ終わって、それで早く私も食べてしまってください。<br /> いつまで寝ているんですか?さあ起きましょう。天気も良いですよ。二人で久し振りに外に出かけましょう?<br /> ねえ、起きましょう…?<br /> ねえ、はやく…<br /> ねえ…<br /> ベッドの上には相変わらず手首に傷をつけた弟がいつまでも横になっていました。</div> <div><br /> 91 名前:作者[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 06:28:21 ID:8ZzyCs2Z<br /> 眠れなくてふと、書いてみました。<br /> 勢いで書いたので気に入っていただけるか…<br /> 携帯からの書き込み、失礼しました。<br /> それでは名無しに戻ります。</div> <div> </div> <div>92 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 06:57:09 ID:XoOrus3h<br /> サスペンスと言うよりむしろ、ホラー……?<br /> これからどうなるのやらw</div> <div> </div> <div>93 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 09:34:19 ID:xeKRSHZm<br /> やべぇなんて良スレを発見しちまったんだ……!</div> <div> </div> <div>94 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 10:47:20 ID:E+NqHkk+<br /> キモアネは人類の至宝</div> <div> </div> <div>95 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 18:44:19 ID:bgN0fkZe<br /> 愛に溢れるキモ姉ものが読みたい。<br /> キモ姉こそ、人類最後の希望。</div> <div> </div> <div>96 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 22:00:55 ID:8ZQ++sLn<br /> このスレと修羅場スレは俺にとって聖地。</div> <div> </div> <div>97 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/09(金) 23:24:41 ID:3KxOvOB5<br /> ――敦也<br /> 「ハァ、ハァ、ハァ」<br /> 皆急に走ったため、息が切れている。なんとか走り抜き、ドアを閉め、犬を追い払う事ができた。<br /> 「か、奏!なんであんなのがいるんだよ?」<br /> 「知らないわよ。私だって聞きたいぐらいだわ。」<br /> さすが自称アイドルを誇るぐらいだ。もう息も整え、平然と返事をしている。<br /> 「あ、あっちゃん!大丈夫?怪我なかった?」<br /> 「おまえな…俺の事より自分の事心配しろよ。お前こそ、怪我してないか?」<br /> 「うん…ありがと。」<br /> そう言うとホワッと笑う。<br /> 「しかし許せんな。あんな凶暴な犬を放し飼いにしておく上、迎えも無いとは……ここの主と話をつけてくる。」<br /> 「私も行きます。私がいないと話にならないでしょうから……とりあえず、適当にこちらに行ってみましょう。」<br /> 言うやいなや、先生と奏は十数枚あるドアのうちの一つを開け、さっさと行ってしまった。<br /> 「あっちゃん……どうする?」<br /> 「散歩でもしながら適当に時間つぶすさ……一緒に行くか?」<br /> 「うん!」<br /> それを聞き、俺は美保と一番入口から遠いドアを開け、入っていった。それは……地獄の幕開けだ……</div> <div> </div> <div>98 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/09(金) 23:26:12 ID:3KxOvOB5<br /> ――光<br /> 「ひ、光ちゃん……やめようよ……勝手に入ったら怒られちゃうよ?」<br /> 「なぁーに心配してんのよ。大丈夫だって。」<br /> 私は明と洋館を探索し始めた。あの様子だと先生達が戻ってくるのは遅くなりそうだ。それに……<br /> 「こういう広い家……私の冒険家としての魂が燃えるわよ!!」<br /> 「だからまずいってば~。」<br /> まったく、相変わらず弱気ね、明は。私達は双子だってのに、こうまで違うのかしらね。<br /> 「なによ、あんただって図書室があるかも、っていったら喜んだじゃない。同罪よ。」<br /> 「そんなぁ~」<br /> 「それに、あんなめにあったんだから、これぐらいは許されるわよ。」<br /> おどけながらもしっかりとついてくる。見掛けによらず、本に関しては貪欲だ。本が嫌いな私とは、本当に正反対だ。<br /> やっぱ本なんか読むよりスポーツよねー。<br /> 「それにしても…本当に広いわね…」<br /> 廊下だけでも、相当な長さだ。電気は着いているが、小さな豆電球が等間隔で点いているだけなので、全体的に薄暗く、廊下の先もよく見えない。<br /> ……正直に言えば、不気味なのだ。<br /> 「ほら、この部屋なんか面白いドア……あれ?」<br /> 振り返ると、いつの間にか明が居なかった。さっきまではいたはずなのに………</div> <div><br /> 99 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/09(金) 23:27:13 ID:3KxOvOB5<br /> ――???<br /> あなたがついにやってきた。私が招待した洋館へ。でも、正確にはこの洋館にすんでいいのはあなただけ……<br /> 他の人は皆消すだけ。私とあなたは一生をここで過ごす……最初の犬に、誰も食い殺されなかったのは残念……でも安心して。<br /> 邪魔者を消す方法なんて、いくらでもあるから……私にまかせてくれれば、きっと……いえ、絶対うまくやってみせる。<br /> 「ん?おお、――か。こんな所でどうした?」<br /> 馬場隆……あなたの通う学校の先生…邪魔な人…<br /> 私は誤魔化すため、道に迷ったと言う。あたりに人はいない。殺るなら今。<br /> 「そうか、じゃあ俺と一緒にホールに戻ろう。この洋館に住んでる人が見当たらん。」<br /> そう言うと、なんの疑いもせず、背中を向ける。……馬鹿な人。背中に隠していたネイルハンマーを取り出し、振りかざす。…もちん、釘抜きの方を向けて………振り下ろす!<br /> ガッ!<br /> 「ぐあ!?」<br /> 一撃で膝を突く。まだまだ足りない。消えてもらわないと。<br /> ガッ!ガッ!<br /> 「やめ…――!な、にを……す……」<br /> 私の名前が呼ばれるが、構わない。私の名前を呼んでいいのはあなただけだから。他の奴等は……虫酸が走る。<br /> ガッ!ドカッ!グバッ!<br /> 打撃音が水気を含む音に変わる。<br /> 「ふふふ…アハハハハハはははははは………」<br /> グバッ!ドッ!グシュッ!<br /> もう完全に死んでいる。それてもまだ振り続ける。あなたのためにしていると思うと、快感で体が熱くなり、止まらなくなる。<br /> 「まっててね……私の大事な大事な……なによりも大事な弟………――ちゃん…ふははは……あっはは………」<br /> 気付けばもう、叩くところが無くなっちゃった……残念………</div> <div> </div> <div>100 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 00:07:12 ID:1Og+TXND<br /> サスペンスキタ━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━!!!!<br /> 続きwktk!+(0゚・∀・) + テカテカ +</div> <div> </div> <div><br /> 101 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 00:30:03 ID:M/U1Dsv6<br /> イキナリ惨殺キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!<br /> 最高のスレだ、ここは。<br /> 全部早く続き読みてー!!</div> <div> </div> <div>102 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 00:39:49 ID:uj/kMvwy<br /> ヤマネの方にもトリップつけたほうがいいのかな……<br /> とりあえず死の館の続きを楽しみに待っています</div> <div> </div> <div>103 名前:65の続き[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 00:56:48 ID:uj/kMvwy<br />  その日、珍しいことに、幹也は学校に行かなかった。<br />  その日、珍しいことに、喫茶店「グリム」にヤマネはいなかった。<br />  地下図書室には、いつもの姿をした、マッド・ハンターだけがいた。</div> <div>「おや、おや、おやまあ! これは珍しいわね。おサボリ?」<br /> 「おサボリのお欠席だよ」</div> <div> 言って、幹也はいつもの席に座った。いつもと変わらない制服姿。鞄には教科書と弁当が詰まっている。<br />  本当は、学校に行くつもりだったのだ。<br />  学校に行こうとして――そのまま、喫茶店「グリム」へと来たのだ。<br />  完全な気まぐれだった。<br />  完全な気まぐれだと、椅子に座るその瞬間まで、幹也自身もそう思っていた。</div> <div>「それでそれでそれで? きみはどうして学校を休んだの?」<br /> 「同じように学校を休んでる君に言われたくないけどね――いや、そもそも、学校に『居る』の?」</div> <div> 幹也の問いに、マッド・ハンターは唇の端を吊り上げて笑った。<br />  答える気はない、と笑みが告げている。<br />  幹也はため息を吐き、「それならば僕も答える必要がないな」と呟いて、<br />  ようやく、気づいた。</div> <div>「ああ、なるほど。死んだからだ」<br /> 「――?」</div> <div> 幹也の突然の言い分に、マッド・ハンターが首を傾げる。<br />  構わずに、幹也は独り言のように呟いた。</div> <div>「『先代』が死んでから、ちょうど半年だ」<br /> 「ほう、ほう、ほう!」</div> <div> 楽しそうなマッド・ハンターの声を、幹也はもはや聞いてはいない。<br />  頭の中にあるのは、『先代』との思い出だけだ。<br />  先代。<br />  十二月生まれの三月ウサギ――里村・春香。<br />  ちょうど一ヶ月前の放課後に、彼女は、図書室から飛び降りて死んだのだった。<br />  そして、それは、幹也にとっても特別な日だった。<br />  先代が死んだから、でも、三月ウサギになったから、でもない。<br />  生まれて初めて――『退屈でない』と思った日だからだ。</div> <div><br />  </div> <div> </div> <div>104 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01:06:52 ID:uj/kMvwy<br /> 「君は、君は、君は――」マッド・ハンターが楽しそうに言う。「彼女が好きだったのかな?」「<br /> 「彼女?」<br /> 「『12月生まれの三月ウサギ』」</div> <div> いきなりとも言えるマッド・ハンターの問いかけに、幹也は悩む。<br />  傍から見れば、付き合っているように見えた――わけがない。<br />  幹也と春香の関係は、図書館の夕暮れ、誰もいないところだけだったのだから。<br />  今でも、幹也と春香の関係を知る人などいないだろう。葬式に出た、くらいだ。<br />  そして。<br />  実際の『関係』がなかったかといえば、NOだ。<br />  ヤマネにするような関係を、幹也は、春香としていた。<br />  12月生まれの三月ウサギ。<br />  12月に生まれたウサギは――死にやすい。<br />  その通りに、春香は、今にも死んでしまいそうな人間だったし、実際に死んでしまった。<br />  彼女が死んだ瞬間を思い出しながら、幹也は言った。</div> <div>「好きだよ」</div> <div> 好きだった、ではなく。好きだ、と幹也は言う。<br />  その答えを聞いて、マッド・ハンターは笑う。</div> <div>「ふぅん、ふぅん、ふぅぅぅん。それも嘘かい?」<br /> 「さあね」</div> <div> 幹也は肩を竦める。本を探す気にはなれなかった。<br />  相変わらず退屈だ。<br />  そして、退屈でなかった一瞬を、思い出していたかった。<br />  里村・春香が死んだ瞬間を――唯一、退屈でないと思えた瞬間を。</div> <div>「ふむ、ふむ、ふぅむ。私も見たかったわ、その瞬間。もう一つだけ質問いいかな?」<br /> 「駄目って言っても聞くんだろ?」<br /> 「まぁねまぁねまぁぁね。それで、自殺した先代は――君が殺したの?」</div> <div> 酷く核心的な、酷く確信的な問い。<br />  全ての前提を覆すような問いを、笑いながらマッド・ハンターは吐く。<br />  幹也は、その問いに、真顔で即答した。</div> <div>「――さあね」</div> <div> </div> <div><br /> 105 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01:19:53 ID:uj/kMvwy</div> <div> 結局、その日は、幹也は学校には行かなかった。<br />  ほぼ一日中、本も読まず、楽しいと、退屈ではないと思えた一瞬のことを思い出していた。<br />  思い出している間は――かすかだけど、退屈さが紛れるような気がしたからだ。<br />  席を立ったのは、十六時前。<br />  いつも喫茶店「グリム」に来る時間よりも、かなり早かった。<br />  ヤマネもいないので、家でゆっくりと思い返そう――そう思ったのだ。<br />  帰る道すがら、幹也は、ぼんやりと思考をめぐらせていた。<br />  帰ったら妹がいるだろうか、一昨日買ったケーキがまだ残っているだろうか。<br />  父と母は家にいるだろうか。時間が不定な家族は、いつ家にいるかわからない。<br />  いなければいい、いてもいなくても退屈なのだから、いないほうが静かだ――そう幹也は思った。<br />  そして、そんなことよりも、頭にあったのは。<br />  里村・春香のことだ。<br />  彼女の最後の言葉を、幹也は思い出す。</div> <div>『――幹也くん、私はもう疲れた』</div> <div> 心の底から、疲れきった、生気の無い声。<br />  いつものように首を絞められながら、春香はいった。</div> <div>『――だから、お終いにしよ』</div> <div> それが、最後の言葉だった。<br />  その数秒後――春香は、図書室の窓から落ちて自殺したのだから。<br />  その光景を思い出して、幹也は小さく笑う。<br />  地面に咲いた赤い花。<br />  肉と臓物と血で出来たきれいな華を思い出して、幹也は歩きながら笑った。<br />  あの瞬間。<br />  あの瞬間だけは、退屈でなかったのだから。<br />  いまもなお退屈をかかえる幹也は、退屈でないときを思い返しながら、歩く。<br />  あっという間に家へとたどり着き、チャイムを鳴らした。<br />  ぴんぽん、という間抜けな音。<br />  誰も出なかった。そもそも、誰かが出るとは思っていなかった。とりあえず鳴らしただけだ。<br />  玄関を入り、ポケットから鍵を取り出し、ドアノブを掴み、</div> <div>「……あれ?」</div> <div> そこでようやく、幹也は異変に気づいた。<br />  ドアノブが、回ったのだ。<br />  鍵を差し込んでいないのに。<br />  鍵は――かかっていなかった。<br />  誰かいるのだろうか。チャイムに気づかなかったのか? そう思いながら、幹也はドアノブをひねり、<br />  扉を、<br />  開けた。</div> <div><br />  ――そして幹也は、むせ返るような赤を見た。</div> <div> </div> <div><br /> 106 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01:22:39 ID:G1P/sHbL<br /> 乙<br /> なんか主人公が1番のヤンデレみたい?</div> <div>ところでキミキススレにヤンデレが襲来してるな</div> <div> </div> <div>107 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01:26:49 ID:uj/kMvwy</div> <div> 赤と紅と朱。臙脂、橙、茶。<br />  思いつくかぎりの、この世に存在する限りの赤が、そこにあった。<br />  それは、とある赤いものが、元からあった家具や壁や空気と触れ合って、変色した結果だった。<br />  もともとは、くすんだ赤。<br />  黒に近いような――赤。<br />  家の中は、完全に、赤に染まっていた。<br />  濡れた赤。<br />  まだ、乾ききっていない。<br />  幹也の家は、玄関に入れば、扉一枚向こうにリビングが見える作りになっている。<br />  そして、その扉は今、開けっ放しになって――扉の向こうには、赤が広がっている。 <br />  赤に塗れた世界を見て、幹也はなるほど、と納得した。<br />  ――これならば、チャイムに出ることもできないな、と。<br />  扉の向こう。赤い水溜りに沈むように、ばらばらの何かがあった。<br />  皮をはがれ、肉を抉り、骨を削り、臓物を取り出し。<br />  必要以上に――否、必要がないのに、ばらばらにされた、父と母の姿を、幹也は見た。<br />  そして、その奥。<br />  手足から血を流す妹と――その妹の神を掴み、楽しそうに笑う少女の姿を、幹也ははっきりと見た。<br />  普段の白いワンピースは、いまは赤く染まっている。<br />  この部屋と同じように――――溢れる血で、ヤマネは真っ赤に染まっていた。<br />  幹也は、いつものように、ヤマネに声をかける。</div> <div>「やぁ、ヤマネ」</div> <div> ヤマネは。<br />  右手に分厚いナイフを持ち、左手に妹の髪を掴んでいたヤマネは。<br />  まるで人形か何かのように、妹を放り投げ、血の海をばちゃばちゃと言わせながら、幹也へと近づいてきた。<br />  そして、真っ赤に染まった体と、真っ赤にそまった顔で、ヤマネは笑う。<br />  血に塗れ、右手に包丁を持ったヤマネは、死に囲まれた部屋で、満面の笑顔で言った。</div> <div>「おかえりっ、おにいちゃんっ!」</div> <div>(続)</div> <div> </div> <div>108 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01:28:43 ID:uj/kMvwy<br /> &gt;&gt;106<br /> 春香から妹にいたるまで全員の予定</div> <div>主人公は<br /> 「君が一番狂ってるんじゃないのかい?」<br /> と終わり際でネタにする予定</div> <div> </div> <div>109 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01:35:15 ID:thi7MeHr<br /> ヤマネまったてよヤマネ</div> <div>ちょっ<br /> キモウトもうお亡くなり!?そんなのヤダヤダ!</div> <div> </div> <div>110 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01:37:53 ID:1Og+TXND<br /> &gt;&gt;108<br /> おおおおおお殺戮キタコレwwwww</div> <div>GJ!!</div> <div><br /> トリップは別にいいと思うけど<br /> 投下するレス数は書いてもらえるとありがたい<br /> 割り込みとかへるし</div> <div> </div> <div>111 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01:58:37 ID:GWU5lhqh<br /> 鬼、キモウトが死んでルー!!</div> <div> </div> <div>112 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 02:03:47 ID:HPh6ODlY<br /> 続きが気になって仕方が無い。</div> <div> </div> <div>113 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 02:04:18 ID:thi7MeHr<br /> ヤマネヤバスと思ったが</div> <div>主人公が一番こわいお!</div> <div> </div> <div>114 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/10(土) 11:10:02 ID:XKVYYFeK<br /> ――敦也 〈一階東側通路〉<br /> 「なんてこった……」<br /> しばらく歩き進んで初めて気付いた。この通路には所々、廊下を区切る様にドアが設置してあった。<br /> やたらと枚数が多いと思ったのだが……<br /> 「一方通行とはな。」<br /> ホールから見て奥へ進むと、その側のドアに取っ手が無かった。<br /> 「どうしよい、あっちゃん……戻れないよ…」<br /> 美保が泣きそうな顔ですがりついてくる。こういう時に慰める術を俺はよく知らない。<br /> 「戻れない事もないだろ。そんな家があってたまるか。…先に進んで一周でもすれば戻れるさ。」<br /> どうしてかこう刺のある言い方になってしまう。人を拒絶する傾向があるからか。<br /> 「えぇ~。本当に?」<br /> 知るか。と口に出そうだが、喉で止めておく。……美保にだけは、俺を軽蔑のまなざして見てほしくない。<br /> 「大丈夫だ…いくぞ。」<br /> 「あっ……」<br /> グイッと手を引っ張って行く。これぐらいしないとなかなか先へ進んでくれないからだ。そうやって手をつないだ途端、黙ってしまった。<br /> 「ん?」<br /> そうしてまたドアを開けた途端、激しい違和感に襲われる。すぐにわかった。この通路だけ、横に部屋がないのだ。<br /> ドアは突き当たりの一枚のみ……進むしかないか。<br /> 「なに?これ。」<br /> そのドアにはドアノブが無く、一枚の紙が貼ってあるだけだった。<br /> 「えーっと……『スペインとサイパンの違いはな~んだ?わかったら大きく叫ぼう』……?」<br /> その問題を読んだ瞬間……<br /> ガコォンッ<br /> なに大きなものが外れたような音がし、振り返ると………<br /> 「まじかよ…」<br /> さっき閉めたドアが、ゆっくりと迫ってきた…………</div> <div> </div> <div>115 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/10(土) 11:11:04 ID:XKVYYFeK<br /> ――奏 〈一階西側通路〉<br /> 「もう……なんなのよ、ここ……」<br /> 私は完全に道に迷ってしまった。いや、この場合家に迷ったと言うべきか。<br /> その上先生ともはぐれてしまった。……この歳で迷子だなんて勘弁だが、そうも言ってられない。<br /> 携帯を見てみるが、完全に圏外。いまどき電波の届かないところなんてあるのね………<br /> とりあえず、ポケットにある飴玉を舐めて気持ちを落ち着かせる。甘い物は鎮静剤になる。<br /> 「落ち着け……常に冷静に。」<br /> それが私の好きな人の口癖であり、モットーであった。もっとも、その人の事を考えると、落ち着いてもいられなくなるのだが。<br /> 適当にドアを開け、部屋に入ってみると、そこには幾つかの本棚と、机、その上には本が開いてあった。<br /> 「さしずめ書斎っつとこね。」<br /> 臆する事無くイスに座り、本を覗いてみると………<br /> 『森鴎外、夏目漱石、芥川龍之介………いずれも世に名高い賢者である。だが、今の時代には欲にまみれた愚者と成り代わるものあり。<br /> さて、その名を叫び、世に知らしめよ。わからぬ者、自然の恵みにあやかる資格なし。』<br /> 「……?」<br /> まったく意味不明。これが一体なんだと……</div> <div>ガチャ<br /> 席を立とうとした瞬間、横から出たベルトに体を固定される。<br /> 「な、なんなの!?悪ふざけもういい加減に……っ!」<br /> 少し叫んだ時気付いた。……酸素が…薄れてる……</div> <div> </div> <div>116 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 19:09:30 ID:oFeSDvUN<br /> クイズの雰囲気に蠅声の王を思い出した((;゚Д゚)ガクガクブルブル<br /> 最後1対1になったらどうなるのかな(*´д`*)</div> <div> </div> <div>117 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/11(日) 02:20:47 ID:FUN6bYIy<br /> 何気に&gt;&gt;16のプロットが秀逸だな</div> <div> </div> <div>118 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/11(日) 22:55:58 ID:8vhck+0u<br /> うほっ<br /> いいスレ!</div> <div> </div> <div>119 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/12(月) 20:42:01 ID:D/p3jFsP<br /> 保守</div> <div> </div> <div>120 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/12(月) 22:39:33 ID:TNKxT41S<br /> クイズで失敗すると……ってのは怖いなw</div> <div> </div> <div>121 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/13(火) 13:21:41 ID:qDbR0HcX<br /> ――翔太<br /> 皆で洋館の探索に行っちまったため、ホールには俺と由良と絵里ちゃんが残っていた。<br /> 「由良、お前は探索に行かなかったんだな。こういうの好きそうじゃねぇか?」<br /> 「私はそんな子供じゃありまん。それに、絵里さんと二人っきりにしたら何をするかわからないので。」<br /> 「アホか。俺はそんな鬼畜と違うぞ。節度ある紳士で……」<br /> 「紳士はバスで叫びません。」<br /> くっ!さすが我が妹。人の揚げ足をとるのがうまくなってきたな。これは要注意だ。<br /> 三人でしばらく雑談していると……<br /> 「答…は……の数…!」<br /> どこかのドアの向こうから、叫び声が聞こえた。あまり内容は聞き取れなかったが。<br /> その瞬間、ドアの一つが開き、中から敦也と美保ちゃんが出て来た。<br /> 「めずらしぃな。敦也が大声出すなんて。ゴキブリでもいたか?」<br /> 「そんなんじゃないんだよぉ。大変だよ、この洋館……」<br /> 美保ちゃんが必死な顔で説明する。一方通行の通路。なぞなぞと迫ってくるドア。……まったく信じられなかった。<br /> 「おいおい……冗談だろ?それじゃあまるで、からくり屋敷どころか、殺人館じゃねえか!」</div> <div><br /> 122 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/13(火) 13:22:40 ID:qDbR0HcX<br /> ――由良<br /> さすがに今回のことは信じられなかった。いくら敦也さんの言葉とは言え、人殺しの罠なんてないと思ったが……<br /> 「はぁ、はぁ、み、みんな無事?」<br /> 足下がおぼつかない奏さんが、ホールに入ってかた。かなり息が上っているようだ。<br /> そして奏さんからも聞いた。洋館の罠を。<br /> 「そう……敦也君たちも引っ掛かったのね…」<br /> 「ああ、なんとか解けたけどな。……あの庭の犬と言い、本当に冗談じゃすまされないな。」<br /> 目の前の会話がとても難解だった。実際自分が体験していないからなんだろうけど………<br /> 「あれっ?みんな集まってなにしてんの?…先生居ないみたいだけど……」<br /> 明さんと光さんが一緒にホールへ来た。これで先生以外は揃ったことになる。<br /> 奏さんの話を聞いてから、恐怖感が込み上げて来て、寒気がした。今だけ……今だけなら。<br /> そう思い、敦也さんに近付き、自然な形で寄り添った。<br /> 「なんか……怖いです。」<br /> 「大丈夫さ……なんとかなるさ。」<br /> そう言ってもらうだけで気持ちが楽になった……そのとき。<br /> 「由良ちゃん!!」<br /> いきなり美保さんが叫んだ……<br /> 「誰かが殺人者かもしれないんだよ!!?あっちゃんから離れて!!」</div> <div><br /> 123 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/13(火) 13:23:47 ID:qDbR0HcX<br /> ――???<br /> 結局、見回りだけでは誰も罠に掛からなかった。しかも、大切なあなたが罠にかかってしまったのは誤算だ。<br /> あなたになにかあったら……私……。<br /> でも誤解しないでね?あなたじゃなくて、その隣りに居る邪魔者を潰したかっただけなの……そう、自分の感情を押さえ切れず、後輩にキレてる醜い女を……<br /> 「落ち着けって!美保!…由良ちゃんは悪くないだろ?」<br /> あなたの怒気を含んだ声……少しこまった顔……それを見て、聞くだけで、体が熱くなってしまう……下着ももう、ビショビショなのよ?<br /> 「◆†≠…!……∮а#%〒!!?」<br /> 「@&*≒√だ…ろ!?」<br /> あなた以外の声はすべてノイズになってしまう。聞き取る必要も無い。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。<br /> あなたがここに居なかったらみんな消してしまうところだ。でもそれじゃだめ。あなたの見ていないところでやらないと。<br /> 「くそっ……奏。先生はどうした?」<br /> 「…れが……≠∮а°+ー…」<br /> 何?あの男を探してるの?だったら見せたあげる……もう、直視できない様な形だけど、ね。</div> <div> </div> <div>124 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2006/06/13(火) 16:52:09 ID:yC4nLjWD<br /> キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!</div> <div> </div> <div>125 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/13(火) 17:20:27 ID:V/mWpM3x<br /> サスペンスキタ━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━!!!!</div> <div>なるほど徐々に容疑者が減っていくのか……</div> <div> </div> <div>126 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/15(木) 13:22:52 ID:e+FvKVEx<br /> ――敦也<br /> 「ね?あっちゃん、私の隣りに居れば安全だから……みんな…みんな危ないんだから!」<br /> 軽く美保が錯乱し始めていた。あんな目にあったからだろうか。あからさまに周りと接する事を避けて居る。<br /> 「ははは……や、やだなあ、美保ちゃん。俺達が危害加えるわけないだろ?」<br /> 翔太が慌てて仲裁に入る。確かに、今の美保の言ってる事はめちゃくちゃだ。<br /> と、その時、ひゅっと風を切る音。<br /> 「え?」<br /> ガシャーーン!!!<br /> 振り替えると、中央にシャンデリアが落ちてきた。誰もいなかったため下敷きにはならなかったが、そこには………<br /> 「き、キャーーー!!イヤァーー!!」<br /> 一斉に飛び交う複数の叫び声。恐怖、驚愕、悲しみ……そこにはすべてが混じっていた。そう、そのシャンデリアには………<br /> 「はは、あは……う、嘘だろ?」<br /> フラフラと近付く翔太。目線はただ一つ……シャンデリアに巻き付く様になっていた死体だった。<br /> それはもう直視出来る様な物ではなかった。頭は潰され、血は体中にべとべとと張り付き、強烈な死臭を放っていた。俺も込み上げる吐き気を抑え、何とか近付き、確認する………</div> <div><br /> 127 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/15(木) 13:23:34 ID:e+FvKVEx<br /> ――奏<br /> 「これは……先生、だな。顔は潰されてわからないけど……服と言い、体格と言い、間違いないだろ。」<br /> 「……ドッキリなんだろ?なあ、敦也?」<br /> そんなわけない。離れて見ても本物の死体だとわかる。こんな匂いを、偽造できっこない。<br /> でもまずい。この状況で疑われるのは……私だ。<br /> 「奏ちゃん!?」<br /> 真っ先に美保ちゃんに呼ばれた。いや、名前を叫ばれた。ああ、違う。私じゃ……ないのに。<br /> 「奏ちゃん、先生と一緒にいたんでしょ?これ、どういう事なの!?」<br /> 「そんな……私じゃ…ないよ………私は……」<br /> 「奏ちゃんが……やったんじゃないの!?」<br /> 「違う!私だって、途中から先生とはぐれて……それで……」<br /> いくら弁解しても周りの疑いの目ははれない。<br /> 「おい、よせよ美保。言い過ぎだ。」<br /> 「そ、そーだって……たはは……」<br /> こういうとき、男子はフォローしてくれる。<br /> 「あっちゃん!いくら奏ちゃんだからって庇わないで!」<br /> 「そうよ……一番疑いがあるのよ?」<br /> 女子は醜さが露にされる。えりっちまでも私を疑う。酷い、酷い!<br /> 「私じゃない!!……あなたたちの中にだっているんじゃないの!?」</div> <div><br /> 128 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/15(木) 13:24:54 ID:e+FvKVEx<br /> ――絵里<br /> 正直、私も完全にカナちゃんが殺ったと思った。だって、他にできる人なんていない。でも、もしカナちゃんが犯人なら、理由が全く見当たらない。<br /> 少なくとも、カナちゃんが先生に殺意を抱いていたということは見えなかった。人の心は友達でもわからないけど…<br /> 「いやよ…もう、いや、イヤァ!!」<br /> 突然、明ちゃんが狂った様に叫び、一人で走りだして勝手にドアの向こうへ入ってしまった。<br /> 「あ、明!!」<br /> 呆然として立ち尽くす七人。この複雑な洋館に加え、館内を彷徨っているかもしれない殺人鬼のことを考えると、疲れるのも当然か。<br /> 「取りあえず……こうしててもなにもかわんねぇし、明ちゃん探すついでに、此所から出る方法も考えようぜ。」<br /> 翔太君が案を出す。普段はおちゃらけているけど、こういう時には頼りになるのかもしれない。<br /> 「そうだな……明を探す班と、脱出法を探す班。二つに分けるけど、いいか?」<br /> それに続いた敦也君の提案に、他の人達もうなずき、賛成する。ただ、私と美保ちゃんは少し渋った。それもそのはず、殺人鬼が仲間にいるかもしれないのに………</div> <div> </div> <div>129 名前: ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/16(金) 13:32:47 ID:oKE/zmL/<br /> 今ヤンデレスレで投稿してるのが修羅場向けになりそうなんで、こっちに移ってよい?</div> <div><br /> 130 名前: ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/16(金) 13:33:49 ID:oKE/zmL/<br /> 間違えた…orz…スマソ</div> <div> </div> <div>131 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 15:25:13 ID:DRoLkIMx<br /> 穏やかな風が吹く、どこか涼しいその感触はどこからともなく現れる秋が来たことを告げている。もう二月もすれば、吐く息も白くなる冬が訪れるだろう。<br /> アルバイトをこなし、疲れた風体で道を歩いている弥栄 志摩はぼんやりとした表情で陽が隠れた空を眺めた。<br /> その表情は堅い。なにか思い詰めたそれは、選択を悩む子犬を連想させる。<br /> 歩きなれた道を進み、志摩は家にたどり着いた時にどのような態度で家族と接して良いかを悩む。<br /> 恐らく、家に帰れば多少行き過ぎた感のある過保護な姉がいるだろう。<br /> 今日、アルバイトに行く際に散々行かないでと駄々をこね、そのまま家を飛び出してしまった。志摩はその時泣いていた姉の姿が仕事中にちらつき、つまらないミスをいくつか起こしてしまった。<br /> 帰れば、姉はどういう態度で迎えて来るのか、そして自分は何と言えばいいのか。いい加減まとまらない思考が志摩の足取りを更に遅くさせる。<br /> 散らかされたゴミのように志摩の気持ちはバラバラになっていった。それが歩みを遅くさせ、最終的にジレンマとなって志摩に襲いかかる。<br /> 細いワイヤーを頭蓋に通すような痛みが心に走る。結局、その状況から逃れるために、その足は繁華街の方交へ向かっていた。</div> <div>132 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 15:26:38 ID:DRoLkIMx<br /> 繁華街にある少し大きめのゲームセンターで時間を潰して外に出ると、大降りの雨が志摩を出迎えた。<br /> ゲームをしていても、一向に気晴らしにもならなかった気分は、大降りの雨を前にして更に下がり気味になる。<br /> いつ頃から降り出したかは解らないけれど、ゲームセンターに入ったのが二時間前。コンクリートに溜まる水溜まりの量から察すると、少なく見積もっても一時間は降っているだろう。<br /> 濡れ鼠になることを覚悟しようとしたが、迎えのコンビニエンスストアの傘立てに忘れられたようにビニールの傘があった。<br /> 雨を避けるようにしてその傘立てに近付き、その傘を手に取る。柄の部分を見て、名前がないことを確認すると、志摩はそれを広げて雨の中に入る。道徳心が痛んだが、それよりも傘立てに挿さったままの傘が寂しげで、その孤独感が自分に似ている気がした。<br /> しかし、その傘にも持ち主がいるはずで、そのことに気がついて苦笑する。元に戻そうかとも思ったけれど、あいにく濡れるのが煩わしかったのでそのまま家の方向を進んだ。<br /> 足音は雨音に遮られて聞こえなかった。</div> <div> </div> <div>133 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 15:30:05 ID:DRoLkIMx<br /> 雨の中、帰りの道を進み家がある方向の曲がり角を曲がると、家の前に一つの影が立っていた。<br /> 志摩の背中に冷たいものが伝う。<br /> 「志摩くん、おかえり」<br /> あまりに場違いと感じるほど姉、弥栄 柚姫の面持ちは鬼気迫るものだった。長い間雨にさらされていたのだろう、髪は肌に張り付き、唇は紫に染まっている。寒さから来ているのか、身体は小刻みに震えている。何も言わずに志摩が立っていると、<br /> 「志摩くん、お疲れさま。こんな所で立ってないで、お家に入ろ?傘さしてても濡れちゃうよ?」<br /> そう言って、志摩の手を握り家の中に引っ張って行く。何か言おうとしたけれど、手を握る柚姫の掌の冷たさに言葉は凍り、口から出ることは叶わなかった。</div> <div><br /> 134 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 15:32:44 ID:DRoLkIMx<br /> 携帯から失礼しますよ。<br /> 少し短めを想定しています。どうかお付き合いのほどを。</div> <div> </div> <div>135 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 15:43:41 ID:kuGBuGuf<br /> キモ姉きた!<br /> お姉ちゃんがどんな風に、壊れてるか、続き楽しみにして待ってます</div> <div> </div> <div>136 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/17(土) 05:24:07 ID:WaylaRvC<br /> キモ姉サイコー!</div> <div> </div> <div>137 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/19(月) 15:06:11 ID:bKpBlPc8<br /> 投下します。</div> <div> </div> <div>138 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/19(月) 15:49:17 ID:/1yrsfcI<br /> キタ━━━━━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━━━━━!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?</div> <div> </div> <div>139 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/19(月) 19:12:58 ID:bKpBlPc8<br /> 「おなか空いたでしょ?お姉ちゃんが何か作ってあげる」玄関に上がるとすぐに柚姫が嬉しそうに言う。<br /> その鬼気迫る雰囲気と話している内容の差に志摩は不思議な感情になる。<br /> しかし、すぐに濡れた姉を着替えさせないといけない、と気がついた。<br /> 「柚姫、着替えないと。風邪を引いてしまう」<br /> 志摩はそのまま、柚姫の手を引くと浴室まで連れて行こうとする。けれど柚姫はその場から動こうとしない。志摩が柚姫を促そうと、声を出そうとするのを遮り<br /> 「私の作ったごはん、食べてくれないの?」<br /> 柚姫が少し拗ねたような声を出す。<br /> 「解った、外で知らない女と食べて来たのね?だから帰りが遅かったんでしょう?困った子ね、私の志摩くんが嫌がるのに、無理やり食事に連れて行かれたのね?」<br /> 柚姫の口は止まらずに言葉を溢れさせる。<br /> 「本当に笑えないわ。志摩くんは私が作ったものしか食べちゃいけないのに」<br /> そう言うと、柚姫の顔が志摩に近付く、たがいの距離が限り無くゼロになる。<br /> 「柚姫、落ち着いて」<br /> 志摩がたしなめるように言うのを聞かずに、柚姫はその唇で志摩の口を塞いだ。</div> <div><br /> 140 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/19(月) 19:20:28 ID:bKpBlPc8<br /> 「ん…」<br /> 静かに唇を離すと柚姫は照れるように頬を朱に染めて、微笑んだ。<br /> 少し曲がる口から志摩は目を離せない。<br /> 「許さないんだから」<br /> 志摩の胸に顔を埋める形で柚姫は呟く。志摩はしばらくその感触を楽しみたかったが、それを振り放そうと口を開く。<br /> 「違う」<br /> 音のない空間に、その声は大きく響くように聞こえた。<br /> 「ん…」<br /> 柚姫が両手を志摩の身体に巻き付ける。<br /> 「誰とも、食事なんてしていない」<br /> 出してしまえば後は零れるように溢れ出る。<br /> 「柚姫が、泣いてたから。柚姫がバイトに行くのを止めたのに、俺がそれを聞かずに出て行ったから…それが気になって、帰るのが」<br /> 遅くなったんだ。と、言おうとして、再び口を塞がれた。<br /> 「ん…ふぅ…ぁ」<br /> 口から舌が伸びてきて、志摩もそれに応える。濡れた感触が広がり、それに思わず自分が反応して、柚姫の腕に力がこもる。<br /> 少し身体に痛みが走るが、志摩にはそれが心地良い。<br /> 唾液と舌の艶かな感覚を楽しんで、二人は口を離した。柚姫の唇についた唾液が、彼女の首元に落ちる。<br /> 慌ててそれを拭う。</div> <div><br /> 141 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/19(月) 19:25:01 ID:bKpBlPc8<br /> 「ん…」<br /> 静かに唇を離すと柚姫は照れるように頬を朱に染めて、微笑んだ。<br /> 少し曲がる口から志摩は目を離せない。<br /> 「許さないんだから」<br /> 志摩の胸に顔を埋める形で柚姫は呟く。志摩はしばらくその感触を楽しみたかったが、それを振り放そうと口を開く。<br /> 「違う」<br /> 音のない空間に、その声は大きく響くように聞こえた。<br /> 「ん…」<br /> 柚姫が両手を志摩の身体に巻き付ける。<br /> 「誰とも、食事なんてしていない」<br /> 出してしまえば後は零れるように溢れ出る。<br /> 「柚姫が、泣いてたから。柚姫がバイトに行くのを止めたのに、俺がそれを聞かずに出て行ったから…それが気になって、帰るのが」<br /> 遅くなったんだ。と、言おうとして、再び口を塞がれた。<br /> 「ん…ふぅ…ぁ」<br /> 口から舌が伸びてきて、志摩もそれに応える。濡れた感触が広がり、それに思わず自分が反応して、柚姫の腕に力がこもる。<br /> 少し身体に痛みが走るが、志摩にはそれが心地良い。<br /> 唾液と舌の艶かな感覚を楽しんで、二人は口を離した。柚姫の唇についた唾液が、彼女の首元に落ちる。<br /> 慌ててそれを拭う。<br /> 「いやらしい…」<br /> うっとりとした表情で呟くと<br /> 「そんなに、私が濡れてるのが気になるの?」<br /> 柚姫の口が耳に触れる。くすぐったい様な感覚に少し震える。<br /> 「それじゃあ」<br /> これから続く言葉は、大体予想がつく。志摩は自分の鼓動が早くなるのを感じた。<br /> そんな彼の心の裏を知ってか知らずか、柚姫は唇を歪ませながらささやく。<br /> 「志摩くんが、暖めて…」<br /> 言葉は、麻薬のように広がった。</div> <div>142 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/19(月) 19:42:07 ID:bKpBlPc8<br /> 投下失敗orz<br /> 規制がかって時間が開いてしまいました。<br /> お見苦しい所を見せてしまいました。<br /> スミマセン(´・ω・`)</div> <div>143 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/20(火) 00:24:35 ID:yav7fLyZ<br /> じわじわとくる感じで、うまいなぁ……<br /> GJです!</div> <div><br /> 144 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/20(火) 10:02:08 ID:wSNGe558<br /> 柚姫エロスw<br /> やはりキモ姉はいいものだ</div> <div> </div> <div>145 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 18:40:35 ID:eOvBDNwj<br /> 109 名前:現役小説家兼漫画原作家 ◆4HhZSQd0HY [sage] 投稿日:2006/06/21(水) 18:00:34<br /> 最後に</div> <div>漫画家や小説家は内職ですので、家にかじりついてる時間がつくづく多い仕事だと<br /> 思いますね。<br /> それとですね、小池一夫先生がいつも言ってたけど才能というものは<br /> ・自分に対する自信<br /> ・無駄の無い努力<br /> この二つさえついてれば十分だといつもいってましたね。<br /> 確かにその通りです。<br /> 伸びの遅い人はほとんどがこの二つのどちらか、もしくは両方に当てはまっていること<br /> が多いです。</div> <div>最終選考を超えられない壁と考えずに、後一歩のハードルと考えればかなり良い線に<br /> なるはずです。<br /> それと、あなたの場合最終選考で残るということは、むしろ絵が下手なのより書く速度<br /> のほうに問題があるのでは?<br /> 私が選考委員の手伝いをするときは最終選考で行き詰まる人は大概絵のほうは最低限<br /> の連載レベルのハードルは、超えています。<br /> 編集部は得てして絵が下手と一蹴しますが、私達が落選と当選を分ける判断として決め<br /> ているのは、その絵のラインの引き方から出る、スピードです。<br /> 素人(いわゆる漫画読者)はどんなにデッサンがしっかり出来ている絵よりも、見栄えの良<br /> い無難な絵のほうをプラスに表し、Gペンのダイナミックなラインよりも丸ペンの線の細いラ<br /> インのほうを美しいと言います。</div> <div><br /> 146 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 19:00:43 ID:PwJN8CFo<br /> 誤爆ですか><?</div> <div>版権ギャグ物しか書いたことのないヘタレでも、投下してみてもよろしいですか(`・ω・´;)?<br /> 大体九割ほど書き上がっているもので</div> <div> </div> <div>147 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 19:15:25 ID:4xnMVk4B<br /> もちろんですとも<br /> ささ、遠慮などなさらずに</div> <div> </div> <div>148 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/22(木) 01:59:42 ID:L/arMpBo<br /> 遠慮せずにこいよ。</div> <div> </div> <div>149 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/22(木) 02:47:04 ID:L/arMpBo<br /> ヤマネの続きが読みたいなぁ。</div> <div> </div> <div>150 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/23(金) 20:14:36 ID:+hl2L+4W<br /> &gt;&gt;146<br /> 誘い受けと顔文字うざいっすw<br /> きもいんで遠慮して欲しいっす<br /> ここには既に神が居るんで、正直水差さないで欲しいっす</div> <div> </div> <div>151 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/23(金) 21:02:50 ID:sgT2Wozz<br /> そう言う野暮は廃れる原因だぞ?<br /> 神は足りなくて困る事はあっても多すぎるに越した事は無い<br /> と言うわけで未だ見てたなら気にせずカモーン</div> <div> </div> <div>152 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/23(金) 21:28:04 ID:3UuvqBNQ<br /> 職人が増えると、信者同士のいざこざがスレを乱すからな…<br /> 既に連載を持っている身としては、平穏を乱すのは正直遠慮して頂きたいものだな。</div> <div> </div> <div>153 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/23(金) 21:29:15 ID:2es/HUJu<br /> スレ住人の心までヤンデルからな</div> <div> </div> <div>154 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/23(金) 23:12:17 ID:x1FD+7ir<br /> もう投下しづらい空気になってしまったね。実に残念だ<br /> スレ速度が伸びないから、新しい職人が増えるのは願ってもいなかったのに</div> <div> </div> <div>155 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/23(金) 23:16:03 ID:vG1zlFG1<br /> &gt;&gt;154<br /> あまり開放的なのも面倒事が増えるきっかけなんで<br /> 多少閉鎖的で排他的なほうが平和で良い</div> <div> </div> <div>156 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/23(金) 23:25:57 ID:HG48fsAg<br /> そんなの投下がなくなったら平和も糞もあったもんじゃない</div> <div> </div> <div>157 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 00:29:48 ID:f+v7Fphm<br /> わざわざ投下してくれるのを断る馬鹿は死ねばいいのよ<br /> ただでさえここ暫く投下がない廃れたスレなのに。</div> <div> </div> <div>158 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 00:44:41 ID:PfoyDJsX<br /> で、ヤマネはまだなの?</div> <div>そろそろ放置プレイがきつくなってきたんだが…</div> <div> </div> <div>159 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 00:54:24 ID:64HdAo9O<br /> ここの住民はツン期な奴が多いね</div> <div> </div> <div>160 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 01:55:01 ID:7fiY42Gx<br /> &gt;&gt;157<br /> いや、くだらない投下で水を差されるのも萎えるし・・・<br /> 別にいいんでない?<br /> 住人もも投下を餞別するくらいの権利はあるだろ。</div> <div> </div> <div>161 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 02:12:37 ID:Ybks7DNa<br /> ねぇよ</div> <div> </div> <div>162 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 02:25:25 ID:TcXogWyZ<br /> &gt;&gt;161<br /> んじゃ<br /> スカトロホモSSを、延々と住人の声無視で投下しても文句は付けられない訳だw<br /> 次に誰か投下したら割り込みで投下するんでよろしくw</div> <div> </div> <div>163 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/24(土) 02:27:23 ID:TcXogWyZ<br /> さっき、川原でやった六尺兄貴凄かったです!ガチムチの色黒兄貴がオッス連呼で<br /> 張型ケツにぶちこまれ腰振ってました。俺もくわえさせられて浣腸食らい無様に<br /> 排便さらしました。バリカン出されたときは一瞬引いたけど、兄貴の「いやなら<br /> 止めていいんだぜ!」の一言で覚悟決め、生まれて初めて丸刈りになりました。そ<br /> の後、脇・チンゲも刈られてビンビンのマラ、思いっきりしごかれ派手にガチムチ<br /> 兄貴の顔に飛ばしました。スッゲー男らしく気持ちよかったです。また行くとき<br /> カキコして下さい!帰ってから丸刈りの頭見て、また感じまくってます!</div> <div> </div> <div>164 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 02:53:41 ID:lxvidNoI<br /> ヤンデレななごみんが見たいなぁ</div> <div> </div> <div>165 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 09:42:59 ID:Z9STkiMX<br /> 乞食がもらうものを選べるわけねぇだろ。<br /> 嫌なものはもらわないことはできるだろうけど。<br /> てわけで嫌ならスルー</div> <div> </div> <div>166 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 10:34:36 ID:zL/nlMoL<br /> 客はレストランで出されたものをまずいという権利はある。<br /> まずかったら金払わなくてもいいんじゃね?<br /> 金の代わりに感想上げてるわけだし、一方的に恵んでもらてるわけじゃねーべ。<br /> 思いあがりも甚だしいなw</div> <div> </div> <div>167 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/24(土) 11:27:29 ID:Q0YKR+/z<br /> なんか粘着沸いてるな。このスレもうダメぽ。</div> <div> </div> <div>168 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 12:27:41 ID:PHi7Wac4<br /> 気持ち悪いのが一人で頑張っているよね。</div> <div> </div> <div>169 名前:名無しさん@ピンキー[sage ] 投稿日:2006/06/24(土) 12:54:13 ID:k4OAvRhc<br /> こいつのやってることはどうみても荒らしだね。<br /> 偉そうな態度を取って反応する奴らを虎視眈々と狙ってるきがする。<br /> ってわけでなんか場を一掃するネタを↓の人どうぞ。</div> <div> </div> <div>170 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/24(土) 13:51:55 ID:xMiegZIh<br /> 糞スレage</div> <div> </div> <div>171 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 19:55:43 ID:Ef6oQ2P3<br /> 七誌君がこんなところに目移りしちゃうのが悪いんだよ<br /> 七誌君が見ていいのは私だけ、それ以外の女なんて見たら<br /> 七誌君の目が腐っちゃうよ、だから七誌君に近づく女から守ってあげる<br /> あの女がヤリまくってる牝豚だっていう噂流したの私だよ<br /> だってそうしないと七誌君優しいからずっと付きまとわれちゃうもんね<br /> そんなの七誌君がかわいそうだよ<br /> だから私が排除してあげたの<br /> これからはずっと一緒、ずっと・・・</div> <div><br /> っていう目的の荒らしだったらヤンデレでいいねぇ<br /> 俺は未だに146殿の作品を待っているわけだが・・・<br /> ヤンデレは発展途上だから色々見てみたい(*´д`*)</div> <div>172 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 00:41:57 ID:T2aHSS6C<br /> ゴミみたいな小説もどきしかないのな<br /> もう少し人生考え直したほうが良いと思うが。</div> <div> </div> <div>173 名前:107の続き[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 02:32:12 ID:+sD7Pgg/</div> <div> ヤマネは――笑っていた。<br />  どうしようもないほどに、どうにもならないほどに、満面の笑顔でヤマネは笑う。<br />  その笑顔の向こうを幹也は見る。それ以外は見ようともしない。<br />  血に沈んだ家族も。壊れて散乱した家具も。割れた窓も。<br />  穏やかで、退屈だった日常の残骸を幹也は見ようともしない。<br />  血に濡れた笑顔だけを見つめている。</div> <div>「ただいま、ヤマネ。どうしてここに?」</div> <div> 幹也は問う。<br />  どうしてこんなことをしたのか、ではなく。<br />  どうしてここにいるのか、と。<br />  その問いに、ヤマネは笑ったまま答えた。</div> <div>「だって、ヤマネはお兄ちゃんの妹だもんっ!」</div> <div> 言って、ヤマネは包丁を放りなげてすりよってくる。<br />  手から離れた包丁が宙を回り、中ほどまで床に突き刺さった。<br />  血をぱちゃぱちゃと踏み鳴らしながら、ヤマネは幹也へと抱きついた。<br />  すぐ真下にある髪からは、いつもと変わらない少女の臭いと、真新しい血の臭いがした。<br />  その血の臭いも、部屋に満ちているそれと混ざり合い、すぐに分からなくなる。</div> <div>「ヤマネねっ、お兄ちゃんのために頑張ったんだよ?<br />  お兄ちゃんを閉じ込める、ニセモノの家族を倒してあげたの!<br />  ね、褒めて、褒めてっ!」</div> <div> 傍から聞けば、錯乱しているとしか思えないヤマネの言葉。<br />  けれど、この場には『傍』に立つものは誰もいなかった。<br />  血に濡れた部屋に立っているのは、ヤマネと幹也の二人だけだ。<br />  力の限り抱きついてくる少女を、幹也はそっと抱き返して言う。</div> <div>「そう。――がんばったね、ヤマネ」</div> <div> 答える幹也の顔は、邪悪に笑って――などいなかった。<br />  笑ってもいない。<br />  怒ってもいない。<br />  いつもと変わらぬ、退屈そうな表情のまま、幹也はヤマネを抱きしめていた。</div> <div><br /> 174 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 02:33:35 ID:63vVoDMc<br /> 妨害工作自演職人キター!</div> <div><br /> 175 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 02:41:44 ID:Xy0aiEkL<br /> 一レス分だけなんて酷いよ!お兄ちゃんっ!<br /> もっともっと!</div> <div> </div> <div>176 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 02:43:47 ID:0jmQoazG<br /> 遂に続きキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!<br /> 主人公一番ヤベーがな!!</div> <div> </div> <div>177 名前:173の続き[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 02:49:15 ID:+sD7Pgg/</div> <div> 腕の中、ヤマネが猫のように喉を鳴らし、頬を摺りつけてくる。<br />  ふと、幹也はその細い首に手をかける。<br />  キスをしたい。そう思う反面、このまま首を絞めてしまいたくもなった。<br />  そうすれば、少しは暇ではなくなるだろうから。退屈が紛れるだろうから。<br />  この異常な状況においてなお――幹也は、どこまでも平常だった。<br />  けれども、幹也が何をするよりも、ヤマネの動きの方が早かった。</div> <div>「お兄ちゃん、そろそろ行こっ!」</div> <div> 幹也から離れ、首に添えられた手を握り、縦にぶんぶんと振ってヤマネが言う。<br />  上下に振られた手を追いながら、幹也は呟くように答えた。</div> <div>「行くって――どこに?」</div> <div> 当然といえば当然の言葉に、ヤマネは「決まってるよっ!」と前置き、</div> <div>「こんなところ、もういらないよね? ね、ヤマネと一緒にいこっ!」</div> <div> ――こんなところ。<br />  その言葉を聞いて、幹也は部屋の中を見回してみる。<br />  二人分の死体と、一人の死に掛けと、血と死と破壊で満ちた家。<br />  すでに終わってしまった場所。<br />  成る程、もうここは要らないな、と幹也は内心で納得する。<br />  退屈な家から離れて、殺人鬼の少女と退屈な逃避行。<br />  それも暇つぶしだ、とすら思った。</div> <div>「そうだね。行こうかヤマネ」</div> <div> ヤマネの手を握り返し、幹也は言う。<br />  その言葉を聞いて、ヤマネは、これ以上ないくらい嬉しそうに笑った。</div> <div>「うんっ! ここも、喫茶店もヤマネいらない!<br />  お兄ちゃんがいればそれでいいよっ!」</div> <div> ヤマネは手を繋いだままぴょんと跳ね、幹也の隣に並ぶ。<br />  繋いだ手の温もりと、血に濡れる感触を感じながら、幹也は踵を返す。<br />  視界の端に、重症の中まだ動いている――最後の生き残った家族が見えた。<br />  もはや家族ではなくなった少女に向かって、幹也は言う。</div> <div>「――ばいばい」</div> <div> それが、別れの挨拶だった。<br />  幹也も、ヤマネも、振り返ることはなく。</div> <div>「雨に――唄えば――」<br /> 「唄え――ば――」</div> <div> 二人仲良く歌いながら、家の外へ、夜の街へと消えていった。</div> <div> </div> <div>178 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 03:09:23 ID:63vVoDMc<br /> 【アッー!の由来】</div> <div>サッカー部員に扮した多田野らがヤクザの車に追突<br />  ↓<br /> 「犬のまねしろよ」「四つん這いになるんだよ」「やれば返していただけるんですか?」<br /> 「何犬のくせにお前服着てるんだよ」「早くしろよ」などの会話を経て全裸に。<br />  ↓<br /> 「わんわん泣いてみろ」「まわってみろ」「よぉし、お手だ」の命令に犬を演じるも<br /> 「なんか犬っぽくねぇなあ」「なんかたんねえよなぁ」ということで首輪をはめられる。<br />  ↓<br /> 指でアナルをほじくられ、「汚ない穴だなぁ」などと罵られる。スパンキングに穴が反応。<br /> 「お前初めてかここは、力抜けよ」と後輩の目前でいじられ、長い尻尾をつけられる。<br />  ↓<br /> 「咥えてやれよ」と命令された後輩(DB)のフェラチオで「アッー アッー!」と悶える<br />  ↓<br /> ヤクザに局部を見せながら2人の後輩に尻の穴を見せる。「気持ちいい!」と悶えながら<br /> 男性自身を勃起させる。このあと、後輩(HTN)がコンドームをつけ、多田野に背後から挿入。<br /> 「オフッ!」と唸るも、直後から「アッ、アッ、アッ、アッ!」と多田野は勃起させながら声をあげる。<br />  ↓<br /> ヤクザも加わり4Pが始まる。ヤラれるばかりだった多田野が一転、攻勢に出て、<br /> ヤクザを下にして犯し始める。<br /> 小刻みに腰を振りながら「イグ!イグッ!イグゥ!アッー!、アッー!」 と叫んで、<br /> 多田野もヤクザの腹に勢い良く射精「…アッー!… アッー!… ァッー…」と虚脱の表情。</div> <div> </div> <div>179 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 03:10:37 ID:63vVoDMc<br /> &gt;&gt;ゲイの出会い系で知り合った10歳以上年上のオジサンの家へ。<br /> そしたら「これ着て責めて欲しい」と言われて、レンコン掘りというか、<br /> 魚河岸の人が着てるような胸まであるゴム長を着させられ、捻りハチマキをさせられた。向こうは全裸。<br /> まあこんなのもたまにはいいか、と愛撫してたら、オジサンが喘ぎ声の中、喋りだした。<br /> 「お、おにいちゃん…お、おかえりなさい…た、大漁だった?ねえ大漁だった??」<br /> …オレは突然の、しかも想定の範囲を超えたセリフにポカーンとしてしまった。<br /> オジサンは素に戻って、「…返事して欲しい」と恥ずかしそうにオレに言った。<br /> プレー再開。・・・耳とかをなめつつ体中をさわさわと触る<br /> 「お、おにいちゃん、大漁だった?」<br /> 「ああ、大漁だったよ」<br /> 「あぁぁぁあぁすごいいいぃいぃ!、、な、なにが、、ハァハァなにが捕れたの?」<br /> 乳首を舌でやさしく舐めながらオレは答えた<br /> 「…鯛とか、、、ヒラメがいっぱい捕れたよ」<br /> セリフを聞き、オジサンはびくんびくんと身体をひきつらせた<br /> 「はっ!はぁぁぁあんっ!イ、イサキは?イサキは、と、取れたの??」 チンコをしごく<br /> 「ああ。でかいイサキが取れたよ。今年一番の大漁だ。」<br /> 「大漁っ!!イサキぃぃ!!おにいちゃんかっこいいいいぃぃぃい ぃくううううう!」<br /> 実話です。。きっと漁師の人との幼い頃の体験というか、淡い恋心とかが<br /> あったんだろうなあ、といろんなことを考えさせられた一夜でした。</div> <div>180 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 03:14:01 ID:63vVoDMc<br /> ××の喧嘩祭といえば、六尺褌一丁の男達が、神輿を担いでぶつかり合う、<br /> 勇壮な祭として、この地方に知られている。<br /> 祭のあと、男達は集会所に集まり、普段着に着替え、飲み合う。<br /> 六尺は、激しい祭でドロドロボロボロになるから、使い捨てで、ゴミとして出される。<br /> 俺はいつもそれが狙いだ。<br /> 捨てられている六尺の、できるだけ汚れてる奴を10数本ほど、<br /> こっそりさらって家に持ち帰る。<br /> そして、深夜、俺一人の祭が始まる。<br /> 俺はもう一度汚れた六尺のみ身に付け、部屋中にかっさらってきた六尺をばら撒き、<br /> ウォーッと叫びながら、六尺の海の中を転げ回る。<br /> 汚れた六尺は、雄の臭いがムンムン強烈で、俺の性感を刺激する。<br /> 前袋の中のマラは、もうすでに痛いほど勃起している。<br /> 六尺の中に顔を埋める。臭ぇ。<br /> 汗臭、アンモニア臭や、股ぐら独特の酸っぱい臭を、胸一杯に吸い込む。溜まんねえ。<br /> 臭ぇぜ、ワッショイ! 雄野郎ワッショイ!と叫びながら、前袋ごとマラを扱く。<br /> 嗅ぎ比べ、一番雄臭がキツイやつを主食に選ぶ。<br /> その六尺には、我慢汁の染みまでくっきりとあり、ツーンと臭って臭って堪らない。<br /> その六尺を締めてた奴は、祭で一番威勢が良かった、五分刈りで髭の、40代の、<br /> ガチムチ野郎だろうと、勝手に想像して、鼻と口に一番臭い部分を押し当て、<br /> 思いきり嗅ぎながら、ガチムチ野郎臭ぇぜ!俺が行かせてやるぜ!と絶叫し、<br /> マラをいっそう激しく扱く。<br /> 他の六尺は、ミイラのように頭や身体に巻き付け、<br /> ガチムチ野郎の六尺を口に銜えながら、ウオッ!ウオッ!と唸りながらマラを扱きまくる。<br /> そろそろ限界だ。<br /> 俺は前袋からマラを引き出し、ガチムチ野郎の六尺の中に、思いっきり種付けする。<br /> どうだ!気持良いか!俺も良いぜ!と叫びながら発射し続ける。<br /> 本当にガチムチ野郎を犯してる気分で、ムチャクチャ気持ち良い。<br /> ガチムチ野郎の六尺は、俺の雄汁でベトベトに汚される。<br /> ガチムチ野郎、貴様はもう俺のもんだぜ!<br /> 俺の祭が済んだあと、他の六尺とまとめて、ビニール袋に入れ押し入れにしまい込む。<br /> また来年、祭で六尺を手に入れるまで、オカズに使う。<br /> 押し入れにはそんなビニール袋がいくつも仕舞ってあるんだぜ。</div> <div> </div> <div>181 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 03:15:41 ID:63vVoDMc<br /> この前ズリダチとタイマン勝負したことを書くぜ。<br /> 互いに六尺姿でまずは威嚇、腕組みヤニ咥えガン飛ばし、<br /> 大股で筋肉と勃起誇張して、野郎比べだ。<br /> 雄臭ぇポーズで挑発しあう。腰突き出し勃起を振り回し、<br /> オラオラ節で興奮に火が付く。</div> <div>やわらオイルをタップリ仕込んで、いよいよズリ戦開始だ。<br /> 胴ズリ、逆ズリ、雁ズリ、玉ズリ、上ズリ、下ズリ。<br /> 野郎うなぎ責め、腰砕けの手マンコ、野郎泣かせの亀頭責め。<br /> 片手技と両手技の競り合いで、雄の粋と艶を比べ合う。<br /> ズリ見せ根性丸出しでな。</div> <div>一息入れる時にゃ、奴の胸板めがけて、勃起ションベン。</div> <div>ビシバシ痛ぇくらいに、照射すりゃ、雄の征服感が全身を<br /> 快感となって駆け回る。</div> <div>さらにオイルを仕込んで2R。<br /> 今度は俺のズリビデオ見せながらのダブルズリ攻撃さ。<br /> ラッシュ飛ばして、ド淫乱野郎に変獣し、チンポ・センズリ・押忍の連呼。<br /> 俺達はまさに、チンポ、ズリ、男意気を激しく比べ合う戦闘士だ。</div> <div>寸止めのエロい表情も相手を落とす神技、何度も食らう度に金玉の<br /> 引きつる痛みさえ新たな快感に変わる。</div> <div>その時、ほんの少しの気の緩みで奴は快感のコントロールを失い<br /> 射精の痙攣に突入。</div> <div>2回に渡るファイトはいずれも俺の勝利、最後は奴のチンポめがけて、<br /> 野郎征服の快感に酔いながら勝利の照射!<br /> 3時間勝負は俺達ズリ舎弟の絆を更に固めたぜ!</div> <div> </div> <div>182 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 03:16:13 ID:63vVoDMc<br /> 「一発やっかぁ」<br /> ス-ツを脱ぎ捨てると、縦じわでよれよれの前垂れを整えた。鏡の前に立ち股を開く。<br /> 既に前袋を濡らし、俺のチンポは俺の愛撫を待つ。<br /> 身体を横にして鏡に映すと、前垂れを持ち上げて、ピラミッドがそこにあった。<br /> 「俺の越中一本のセンズリだぜ」声に出していう。<br /> 「男はやっぱセンズリ」<br /> やおら前袋の脇から、ズルムケ状態の仮性包茎チンポを取り出す、手にオイルをたっぷり取り、逆手で亀頭をこね回す、<br /> 「ヌリュッ、ヌチョッ」音が俺の勃起中枢を更に刺激する。<br /> 「センズリたまんねぇ」扱きに合わせて、身体を上下させる。<br /> 「男のセンズリにゃあこれだよ」ラッシュを吸い込む。<br /> 「スッ、スッ、スッ、スッ」顔から熱くなり、やがて頭の中が真っ白になる。<br /> 「チンポ、チンポ」「越中のセンズリ」<br /> 頃合いをみて前垂れを引き抜く。俺は自分のこの格好が好きだ。<br /> 白い細紐だけがはらに残り、ぶらぶらのきんたまのバックに、前垂れ垂らして、腰を振り、左手できんたま引っ張り、右手でヌルヌルとチンポを扱く。<br /> 鏡の中のの俺は、日本一の伊達男になっていた。<br /> 「ちきしょう誰かに見せてやりテェよ」最高潮が近付くと、いつもそう思った。ラッシュをもう一度効かせ、オイルを追加すると、男へ向かってまっしぐらだ。<br /> 「男になってやる」「越中一本のほんまもんの男」<br /> 「うりゃ、そりゃ」「ズリュッ、ブチュッ」しぶきを飛ばしながら、クライマックスをめざす。<br /> 「たまんねぇよ」きんたまの奥から、激しいうねりが起こった。やがて奔流となり、俺を悩ます。<br /> -だしてぇ- -もっと扱きてぇ-相反する気持ちがせめぎあい、俺は崖っ淵に立つ。<br /> 「きたっ」俺は膝を直角に曲げ、それに備える。奔流は堰を切ろうとしていた。<br /> 「男一匹 ! 」「ぶちっ」<br /> 鈴口を押し分けて、白い塊がしゃくり出される。<br /> 真っ白い時間が過ぎ、目の前が現実に戻る。</div> <div> </div> <div>183 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 03:23:52 ID:63vVoDMc<br /> 「もういっちょ男になってやろうじゃねぇか」<br /> 布の上から、亀頭を刺激する。爪で引っかくように、エラの部分を擦った。<br /> チリチリとした快感に、鏡の中の越中野郎が顔を歪めた。<br /> 左手は、前袋に突っ込み、きんたまを掴んだ。そのまま腰を落としももを割る。<br /> 「おやじの越中最高だぜ」声に出す言葉で、自分を挑発する。<br /> 「越中褌一丁日本男児のセンズリだぜ」「俺のこの男っぷり見てやってくれっ」<br /> 辛抱たまらなくなって、前垂れを抜き取る。右手にオイルたっぷりで、左手にラッシュ構える。<br /> 「おうっ」亀頭の先から、チンポの根元へ、ヌルンと扱き下ろす。<br /> 「スッ、スッ、スッ、スッ、ス-ッ」きつめにラッシュ決めたら、暫く呼吸を止める。<br /> 血圧が下がり、脳の中を&lt;せんずり&gt;だけが、支配する。<br /> 「ピチッ、ヌチョッ、クチャッ」亀頭の辺りを通過する度、くぐもった擦過音が響いた。<br /> 先ほど来揉み続けていたきんたまを、ギュッと下方へ引っ張る。<br /> チンポの皮が引き延ばされ、亀頭がテカテカに突っ張る。逆手でそれを握ると、グリグリと回転させる。<br /> 「これが俺の亀頭攻めだぜ」強い刺激に腰が砕けそうになる。腰を前後に振ると、一層感じる。<br /> オイルを追加し、改めてラッシュを吸い込む。<br /> 「スッ、ス-ッ、スッ、ス-ッ」一旦止めて効果を待つ。<br /> 滴る程のオイルと、やけに効くラッシュで、男入りまくり状態だ。<br /> 「センズリ、センズリ男のセンズリ」「越中一本男のセンズリ」<br /> 言葉が快感を呼び、刺激が男をくすぐる。<br /> 「スッ」軽く吸う。蟹股で部屋の中を歩く、<br /> 「ス-ッ」男気が溢れ、どうしようもなくなってくる。<br /> 「ス-ッ」反り返り脈打つチンポを、渾身の力を込めて扱く。 <br /> 「たまんねぇ、勘弁してくれ」<br /> 「スッ、ス-ッ」<br /> 「きたぜ、くるぜっ」<br /> &lt;そんきょ&gt;の体制で、備えた。押し寄せるものは、もはや留まることを知らない。<br /> 「おりゃっ男一匹」<br /> いつもの決め言葉で、噴出が始まる。その回数に合わせ腰を振った。<br /> やがて潮が引き、ヌルヌルと後戯を楽しむ。<br /> 次第に呼吸が整ってくる。</div> <div> </div> <div>184 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 04:56:06 ID:kccRMrcs<br /> &gt;&gt;177<br /> ヤマネGJです!</div> <div>この後、妹が復活して暴走してくれればいいな……と思ってみたり。</div> <div> </div> <div>185 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 10:34:58 ID:qO4QxtZY<br /> &gt;&gt;184</div> <div>俺はセンズリの時は必ず六尺を締めてやる。<br /> そのまま発射するから六尺には雄汁がたっぷり染み込む。<br /> それを一回も洗濯しないからチンポが当たる部分は変色し茶ばんで、<br /> 臭いもすげぇ雄臭くなっている。<br /> 昨夜もその六尺締めてセンズリした。<br /> 臭いが逃げないように六尺は密封ケースの中に仕舞ってあり、六尺二丁が生乾き状態で、<br /> 蓋を開けただけでムワッと雄臭え臭い立ち昇ってきて俺の性欲を刺激する。<br /> 全裸になって素早く六尺を締める。縦褌がケツにギュッと食い込むほどきつく締める。<br /> 六尺一丁の姿を全身鏡に映して眺める。週4でトレして日焼けマシンで焼き込んでる<br /> ゴツクて浅黒い肉体が我ながら雄欲をそそる。<br /> 既に前袋の中では痛いほどチンポが勃起して盛り上がり先走りの染みがひろがっている。<br /> 俺はいろいろポージングして己の肉体美を観賞する。<br /> 雄臭ぇ。たまんねぇぜ。<br /> 俺は前袋ごとチンポを揉みしだく。<br /> うぉっ!いいぜ。<br /> 長く楽しむために発射しそうになると手の動きを止める。<br /> 俺は交互に使ってるもう一丁の生乾きの六尺を顔に押し当て臭いを嗅ぐ。<br /> 臭ぇ臭ぇ。ギンギンのチンポからさらに先走りが溢れる。<br /> こうやってじっくり楽しみながらいよいよ発射の時が来る。<br /> 褌マッチョ野郎!雄臭えぜぇー!と叫びながら六尺に中出しする。<br /> 六尺はドロドロベトベトになり部屋中に雄臭が漂う。<br /> 六尺を解いてすぐ密封ケースに仕舞う。今夜もまた世話になるぜ。よろしくな。</div> <div> </div> <div>186 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 13:21:38 ID:CmEnv2PY<br /> ヤマネ待ってました!(b^ー°)。</div> <div><br /> 187 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 17:02:34 ID:CDvp98fD<br /> ガチムチ待ってました\(^o^)</div> <div> </div> <div>188 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 17:07:47 ID:N7SFMt4o<br /> ある山奥の洞窟に、赤鬼と青鬼が住んでいました。<br /> 赤鬼と青鬼はとても仲良しで「兄貴」と、呼び合い、お菓子を持ち合ってお互いの家を訪ねたり、玉門を貸し合ったりしていました。<br /> ある日、赤鬼が青鬼に悩みをうち明けました。<br /> 「青兄貴・・・」<br /> 「なんだい、赤兄貴」<br /> 「俺、村にいる、他の穴を持つ奴とも仲良くしたいっす・・・」<br /> 「私じゃ、不満かい?赤兄貴」<br /> 「いえ、そうじゃないっす。ただ、色々な穴を持つ人達と広く知り合いになりたいというか・・交流をもちたいっす」<br /> 「そうか。赤兄貴はやさしい性格だから、きっと、いろんな人達と穴友達になれるだろうね」<br /> やさしい青鬼の言葉に、赤鬼は悲しげに首を振りながら言いました。<br /> 「だめっす・・!みんな俺の逞しい体と顔を見ると恐がって逃げていくっす。いつ、誰が訪ねてきてもいいように、お菓子も用意して玉門も毎日清潔にしているのに誰も来てくれないっす。乱暴なことはしないのに・・・」<br /> 肩を落として悲しげな様子の赤鬼を、青鬼はとてもかわいそうに思いました。<br /> 「そうだ、赤兄貴。他の人とも仲良くなれるかもしれない名案があるよ。」<br /> 「えっ、本当っすか!青兄貴、ぜひご教授おねがいしまっす!」<br /> 青鬼の名案というのは、自分が悪者になり村人をいじめ、そこへ赤鬼が現れ村人を助けるというものでした。<br /> 「そんな・・そんなこと出来ないっす!青兄貴を悪者にするなんて!」<br /> 「赤兄貴、一時的なことだよ。村人と仲良くなれたら君があとで誤解を解いてくれればいい」<br /> 赤鬼はとても悩みましたが、青鬼に説得されて実行に移すことにしました。</div> <div> </div> <div>189 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 17:46:25 ID:G7CWR5Yn<br /> &gt;&gt;177<br /> お待ちしておりました。<br /> ヤマネGJ!</div> <div> </div> <div>190 名前:177の続き[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 22:39:19 ID:OwitErRI</div> <div> ――そして、半年後。</div> <div> 街へと消えていったはずの幹也は、今、喫茶店「グリム」地下の図書室にいる。<br />  机の上でぐったりと放心している少女――グリムに覆いかぶさるようにして。<br />  そこにいるのは、ヤマネではない。<br />  机の反対側にはマッド・ハンター。胸の中にはグリム。<br />  かつて幹也の傍にいたヤマネは、此処にはいなかった。</div> <div>「ふむ、ふむ、ふぅむ! それにしても君は本当にどうしてここにいるのかな?」</div> <div> 行為が終わったのを見計らって、マッド・ハンターが口を挟んだ。<br />  その声は、いつもと変わらない嬉々としたものだ。ヤマネがいたころから。あるいはその前から。<br />  そして、これから先も変わらないであろう笑顔に向かって、幹也は答える。</div> <div>「退屈になったから。それだけだよ」</div> <div> 簡潔な答えに、マッド・ハンターはあは、あはは、あはははと笑い、</div> <div>「君はいつもそれだよね。退屈、退屈、退屈! <br />  ――その退屈を紛らせてくれたヤマネはどうしたのかな?」 </div> <div> 確信的な、あるいは核心的な言葉を聞いて、幹也は微笑んで答える。</div> <div>「君が知らないわけないだろ。ニュース見たよ。<br /> 『少年少女謎の失踪』。『殺人カップル』『少年死亡説』、他には何があったっけ」<br /> 「『悲惨な事件の生き残り・須藤冬華の賢明なリハビリ』。<br />  ニュースに出たおかげで、三月ウサギ君の正体を知ったのよね」<br /> 「ここで名前を呼ばないのは嬉しいけどね。で、どういうことなんだよ」</div> <div> なにがかな? とマッド・ハンターはとぼける。<br />  とぼけた顔は笑っている。解っていて、彼女は笑っているのだ。<br />  そのことを悟っている幹也は、ため息と共に言う。</div> <div>「どうして――死んだはずのヤマネが、失踪扱いになってるんだよ」</div> <div> その言葉に、マッド・ハンターはこの上ない笑みを浮かべた。</div> <div> </div> <div>191 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 23:57:03 ID:CjdxWwkE<br /> 鏡に向かって地下足袋手甲姿で盛る毎日。<br /> 数日に1回の射精にしてるから、ほとんど毎日が寸止めズリ修行さ。<br /> 大股仁王立ち、マラ握り突き上げる腰つき、チンポセンズリ連呼、鏡の手前ぇにガン飛ばし、ラッシュで駈け登る。<br /> 何度も極楽彷徨い随喜の涙が糸引き飛び散る。いつも1時間位は修行でな、テレズリ相手とナマ中継もやったりな。<br /> 金玉の底からザー汁がクツクツ上ってきてよ、この感覚が最高なんだよな。<br /> 射精の日、最近はタッパに手前ぇのザー汁吐き出して速攻急速冷凍。<br /> 勿論貯めて時々解かしては胸板チンポにオイルとミックスして、マッパザー汁まみれ、勿論手前ぇの口でもタップリ味わってよ、至極のズリに酔い痴れる。<br /> 全国のズリ野郎、ビュッビュッと吹き上げようぜ!電話でのズリ戦対決、待ってんぜ!</div> <div> </div> <div>192 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 00:05:26 ID:havn7b8g<br /> 柚姫お姉さんも楽しみだネ。</div> <div> </div> <div>193 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 00:09:06 ID:OW4cXkow<br /> 越中兄さんも楽しみだネ。</div> <div> </div> <div>194 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 00:21:08 ID:jNI9vZbM<br /> &gt;&gt;192<br /> 作者自演乙w</div> <div> </div> <div>195 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 00:24:46 ID:8uwgQBmv<br /> &gt;&gt;194<br /> 流石ヤンデレ容赦ないわね<br /> いくら七誌君を取られたくないからってそういう汚い手を使うのは<br /> お兄ちゃんどうかと思うな</div> <div> </div> <div>196 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/26(月) 00:35:32 ID:bdpix0Jr<br /> 紀州の南高梅といえば、六尺一丁の暇人が、我を忘れて仕込み合う、<br /> 薫り高い梅として、全国に知られている。<br /> 仕込みのあと、野郎達は集会所に集まり、去年の仕込み酒を持ち寄り、飲み合う。<br /> 南高梅は、梅酒にとてもよい青梅の旬の後、すぐ黄色や赤色になるから、<br /> 投売りでセール品として出される。俺はいつもそれが狙いだ。<br /> 投売られている南高梅の、出来るだけ肉付きのいい青めの奴を1kgほど、<br /> こっそり購入して家に持ち帰る。<br /> そして、深夜、俺一人の祭が始まる。<br /> 俺はもう一度熟した南高梅の身を摘み、流しの桶にばら撒き、<br /> ウォーッと叫びながら、桶の中に流水を落とし回す。<br /> 汚れた南高は、日本古来より親しまれて来た臭いがムンムン強烈で、俺の性感を刺激する。<br /> ザルに上げた南高は、もうすでに痛いほどアクが抜かれている。<br /> 梅の中に顔を埋める。臭ぇ。<br /> 梅臭、山臭や、南高独特の酸っぱい臭を、胸一杯に吸い込む。溜まんねえ。<br /> 臭ぇぜ、ワッショイ! 梅仕事ワッショイ!と叫びながら、ペーパータオルごと梅を扱く。<br /> 嗅ぎ比べ、一番梅臭がキツイやつを主食に選ぶ。<br /> その南高には、虫食いの染みまでくっきりとあり、ツーンと臭って臭って堪らない。<br /> その南高を食べてた奴は、里で一番威勢が良かった、五分の魂で一寸の、無脊椎の、<br /> 幼虫野郎だろうと、勝手に想像して、鼻と口に一番臭い部分を押し当て、<br /> 思いきり嗅ぎながら、南高野郎臭ぇぜ!俺が仕込んでやるぜ!と絶叫し、梅のヘタをいっそう激しく穿り取る。<br /> 仕込んだ南高は、兵馬俑のようにガラス容器に並び付け、<br /> 南高野郎のデカ梅を口に銜えながら、ウオッ!ウオッ!と唸りながら氷砂糖を置きまくる。<br /> そろそろ限界だ。<br /> 俺は戸袋からブランデーを引き出し、南高野郎の容器の中に、思いっきりブチ撒ける。<br /> どうだ!気持良いか!俺も良いぜ!と叫びながら1.8リットル程注ぎ込み続ける。<br /> 本当に美味しい梅酒を仕込んでる気分で、ムチャクチャ気持ち良い。<br /> ガチムチ南高梅の容器は、俺の雄酒でベトベトに浸される。<br /> 南高梅、貴様はもう俺のもんだぜ!<br /> 俺の祭が済んだあと、他の容器とまとめて、ラベルを張って押し入れにしまい込む。<br /> また来年、梅雨頃に南高梅を手に入れるまで、オカズには使えない。<br /> 押し入れにはそんな梅酒がいくつも仕込んであるんだぜ。</div> <div> </div> <div>197 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 00:46:39 ID:g6i1EULZ<br /> &gt;&gt;196<br /> コピペにレスするのもアレだが<br /> 今年梅酒仕込めなかったの後悔してたけど、南高梅探してみる<br /> ブランデー漬けもしたことなかったから試してみるよ、ありがとう!</div> <div>198 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/26(月) 00:53:27 ID:IRlUOfx8<br /> このまえ、スゲーやらしい交尾したんで報告するっす。俺は176-65-28でジム週3行って、逆三体形。<br /> ソフモヒで色黒競パン跡くっきりのヤラシー体してるっていわれる。その日はすげーケツマンがうずいて我<br /> 慢できなくて、ドイツの発展場へ行った。店内は結構混んでたんだけど、ジャニ系のカッコカワイイ子が手を<br /> のばしてきた。もちオッケーして個室へ。「すげーカッケーすね。超タイプなんで掘らしてもらっていいっす<br /> か?」うなずいてそいつのチンポさわったら超デケー!20はかるくこえてたかな。俺も夢中になってしゃぶる<br /> んだけど、口ん中先走りでべとべと。ようやく奴が「やらしーケツマンコっすね。ヒクヒクしてるっすよ。」って<br /> 言いながら指を出し入れしてきた。俺はもう早く入れてほしくて奴のチンポをせがんだ。「ヴォースゲー!」奴<br /> の生チンポ入ってきたんだけど、そいつ若いからなりふり構わず腰振ってくるんだよね。30分くらいガンガン<br /> に掘られて、俺も気が狂うかと思うほど。そしたら奴が個室の鍵を開けて「みんなに見せ付けてやろうぜ」って<br /> 言う。体勢をバックに変えてガンガンに掘られてたら、程なくしてガタイのいい野郎っぽい奴が入ってきた。<br /> 「すげーやらしい交尾してんじゃん。俺リバだから3人でやろうぜ!」俺も掘られながら奴のチンポしゃぶったら<br /> こいつのもでかいのなんの。超硬い。そうこうしてたら、野郎の兄貴が俺のチンポにオイルをぬりたくって「三連<br /> 結やろうぜ」って言う。俺のチンポが野郎のケツマンコに生で入った瞬間すげーやばいくらい感じた。ラッシュガ<br /> ンガンに吸って「すげーすげー!」1時間くらい三人つながったままで盛り合ってたら、俺を掘ってるジャニ系の<br /> 奴が「やべーイキそう」って言って俺のケツマンコにドクドク種付けした。そしたら俺もやばくなって野郎のケツマ<br /> ンコん中にぶっぱなした。野郎の奴はトコロテンしやがって「こんどは俺が真ん中やるよ」て言って交代で交尾<br /> し合った。またこういう交尾してー!</div> <div> </div> <div>199 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 18:00:31 ID:YUDNHltq<br /> 進んでるなぁ</div> <div> </div> <div>200 名前:LION[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 18:38:49 ID:v/7+yLzE<br /> 進んでると言うより<br /> まさに病んでると言うべきだろう。<br /> あぁヤマネも死の館も柚姫もきになるぅ</div> <div style="margin-left:2em;"> </div> <div> </div>
<div>1 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/05/27(土) 13:39:59 ID:o/bu76WH<br /> このスレッドはヤンデレの小説を書いてみるものです<br /> このスレではヤンデレとは主人公が好きだが(デレ)その過程で心を病んでしまう(ヤン)<br /> 状態の事をさします(別名:黒化、黒姫化など)<br /> 既存のキャラを使うもよし、オリジナルキャラを作るもよし、です<br /> 未完にさえしなければぶつ切りでもいいのでどしどし書き込んでみてください</div> <div> </div> <div>2 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 13:58:47 ID:j2t7ssuz<br /> 2</div> <div><br /> 3 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 14:18:34 ID:URRAIFRK<br /> &gt;&gt;1<br /> 乙<br /> 嫉妬スレくらいのびて欲しいな</div> <div> </div> <div>4 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 14:49:32 ID:c4RDrkV7<br /> 3</div> <div> </div> <div>5 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 16:05:52 ID:Qt52YLWc<br /> というか、修羅場スレとの線引きが難しいな。<br /> 向こうも修羅場への過程上、ほぼヤンデレ化してしまうから。</div> <div> </div> <div>6 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/05/27(土) 18:52:02 ID:w22gTeDZ<br /> 嫉妬スレは対抗馬がいて激しいバトルを繰り広げるが<br /> こっちは特定の対抗馬がいないのに勝手に病んでいくみたいな?</div> <div> </div> <div>7 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 19:15:18 ID:D0sTtARY<br /> &gt;&gt;1<br /> こうですか?わかりません!&gt;&lt;<br />      o∝,;r''&quot; ̄ ゙゙゙̄''''‐::;,,<br />    o9 .i'゙::          ゙i<br /> △8   i':::::      ..     |<br />   8▽ .|::::::.      .. ::     |<br />   8 . r::!;::::::''ー-::;,,;:. ;;,;::-‐'''|<br />   8 . l :!lli:::::::r''&quot;゙゙lア゙ i;:゙゙&quot;lア |<br />   ilii .ヾ,:l!;:::::::::     ゙i   | <いいですとも!<br />   ''゙   ゙'lli;::::: .: ,-::;;,,_,!、  l<br />        .|::゙i;;::i .i゙;:――:;゙i. /<br />       .|::::;!゙'ii;.゙  ::::::: ゙/l<br />      ,:‐,| ヾ::ヾiii;;;;;;;―'゙ ,゙‐:、</div> <div> </div> <div>8 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 20:21:24 ID:P1AXZkLo<br /> 質問があります<br /> ヤンデレは、最初から病んでる子が病んだままデレるのでもいいのでしょうか?</div> <div><br /> 9 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 20:53:55 ID:mEYw7okH<br /> おれは、病んでさえいれば何でもいい。</div> <div> </div> <div>10 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/05/27(土) 21:25:40 ID:y/7XZU1c<br /> &gt;&gt;8<br /> 悪くはないが、下手をするとただの痛い系キモ女になってしまう諸刃の剣。<br /> やっぱ、段々と病んでくのがいいとおもう。<br /> 主人公への思いの強さ故に・・・という感じがよく出るし。</div> <div>&gt;&gt;6<br /> 同意。<br /> 例えば克服したはずの過去のトラウマ・・・幼少時の愛の無い家庭や<br /> 両親の離婚、自分を引き取った方の親の虐待からくる精神の不安定さが<br /> 主人公と付き合いだすことで再覚醒するとかアリかも。</div> <div><br /> 11 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 23:29:14 ID:V38lmzl/<br /> 石田敦子の漫画がそんな感じかね<br /> 作者の精神が心配な作品がたまにある</div> <div> </div> <div>12 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 23:51:14 ID:P1AXZkLo<br /> &gt;&gt;10<br /> 最初から発狂しているサイ娘を愛するスレかと思った</div> <div> </div> <div>13 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/28(日) 00:05:47 ID:qACkzsxA<br /> &gt;&gt;7<br /> ヤンゴルじゃん</div> <div>つまり、ヤンガスデレデレなSSですな</div> <div> </div> <div>14 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/28(日) 02:19:48 ID:adrkbpWP<br /> ヤンダルゾックとデレデレ。</div> <div> </div> <div>15 名前:名無しさん@ピンキー[dere] 投稿日:2006/05/28(日) 10:14:12 ID:a5rt+aiw<br /> &gt;&gt;6<br /> つまりこんな感じか?</div> <div>nana14071 [やすいひろさと] ポチっぷり</div> <div> </div> <div>16 名前:名無しさん@ピンキー[sage ] 投稿日:2006/05/28(日) 23:19:57 ID:TY0hKG1f<br /> ヤンデレの定義というのがいまひとつ分からないのだが、とりあえずプロットを投下してみる。</div> <div>・姉は実の弟に家族以上の想いを抱いているが、道徳観が邪魔をして一線を越えられない。<br /> ・他の女に弟を取られるのは嫌だが、それと同時に仲の良い姉弟の関係を壊したくないので身を引く。<br /> ・弟に彼女ができた。幸せそうな弟を見て、これで良かったと思う反面、どうしようもない苛立ちをおぼえる姉。<br /> ・弟への想いを打ち切るため、姉は他の男を付き合う。<br /> ・しかしその男が女を食い物にする悪いやつで、姉を性欲処理の玩具としか見ていなかった。<br /> ・姉に飽きたその男は、自分の連れに輪姦させる。<br /> ・精神が病んでしまった姉。弟は甲斐甲斐しく看病する。<br /> ・何とか立ち直った姉だが、結果的に大切なものが壊れてしまっていた。<br /> ・「私は弟を愛してる。だから弟も私を愛してる」<br /> ・「私がこうなってしまったのは弟以外の男と付き合ったから。だから私以外の女と付き合ってる弟もいずれ酷い目に遭ってしまう」<br /> ・「何とかして弟を守らなければ、それが姉としての義務だ」<br /> ・「……そうだ、弟を躾ければいいんだ」<br /> ・「私以外の女に興味を持たないように調教してあげればいいんだ」<br /> ・このような脈絡のない思考の元、弟の寝込みを襲う姉。<br /> ・自分の上で腰を振る姉にショックを受ける。やめてくれと頼むが効果なし。<br /> ・「ほら……お姉ちゃんのマ○コ気持ち良いでしょ?エッチならいくらでもさせてあげるからお姉ちゃんだけを見て……」<br /> ・それでも頑なに拒む弟。<br /> ・「○○(弟の名前)!マ○コ気持ち良いって言いなさい!!お姉ちゃんを愛してるって言いなさい!!!」<br /> ・結局姉の中で果てた弟。近親相姦に罪悪感を抱くが、幸せそうな姉を見ると責めることができなかった。<br /> ・それ以来日常的に関係を結ぶ(逆レイプ)。こんな関係はいけないと思いつつも姉を拒むことができない弟。<br /> ・そのうち姉は弟に暴力を振るうようになる。他の女に近づかないための躾として。<br /> ・だが暴力を振るわれた後、いつも謝ってくる姉。<br /> ・「ごめんね……○○ちゃんが心配だから……つい手が出ちゃうの……お姉ちゃんを許してね……」<br /> ・しかし日に日に酷くなっていく暴力。「また他の女のこと考えて!!○○ちゃんは悪い子ね!!!」<br /> ・度重なる暴力と、それと同じだけの愛情を注がれて、弟はどうしようもなくなっていた。</div> <div>駄文スマソ。こういうのもヤンデレって言うのかな?</div> <div> </div> <div>17 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2006/05/28(日) 23:36:38 ID:9ZO5D1xf<br /> &gt;&gt;16<br /> イイね!まさにヤンデレって感じ</div> <div> </div> <div>18 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/29(月) 00:08:29 ID:EQRf+40f<br /> ヤンデレって書くの難しいと思うな</div> <div> </div> <div>19 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/29(月) 00:16:30 ID:rT8pwRrt<br /><a href="http://1go.it/kwsk">http://1go.it/kwsk</a></div> <div> </div> <div>20 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/29(月) 00:22:26 ID:W96BxYC0<br /> 書いていると嫉妬スレのほうで発表すればいいかというかそんな出来に。<br /> 誰も書く人出てこないけど、このスレって職人さんとか別にいないのに勢いだけで立てられたの?</div> <div> </div> <div>21 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 00:13:11 ID:W56qDLe3<br /> 誰も書かないので駄文で埋める。ただしヤンデレと同時にただのサイ娘である。実験。</div> <div> 須藤幹也は狂気倶楽部の一員である。<br />  しかし、彼は狂気倶楽部には一体何人いるのか、そもそも倶楽部が何をするところなのか。<br />  そんなことすら知らない。知ろうとも思わなかった。<br />  彼にとって狂気倶楽部は暇つぶしでしかなかった。<br />  無論、長い長い人生が終わるまでの暇つぶしである。</div> <div>「雨に――唄えば――」</div> <div> 古い歌を歌いながら幹也は階段を降りる。街の片隅、路地にひっそりと立つ喫茶店「グリム」の地下へ。<br />  グリムの地下は基本的に開放されているが、誰もそこに行こうともしない。<br />  そもそもグリムはごくきわまった趣味を持った少年少女しか集まらず、その地下にある「書架」ともなると<br />  狂気倶楽部の面々しか立ち入らないのだった。</div> <div>「雨に――唄えば――」</div> <div> 同じフレーズを延延と唄いながら幹也は降りる。古い板の階段が、一歩足を下ろすたびにかつんと鳴る。<br />  地下へと降りる階段は、きっちり13段だ。<br />  毎回幹也は数えながら降り、そのたびに幹也は一度としてみたことのないマスターのことを思う。<br />  彼は――あるいは彼女は――一体何を考えてこんな店を作ったのだろう?<br />  病んだ少年少女、ゴスロリ少女や歪んだ少年ばかりが集う喫茶店を。<br />  考えても仕方のないことだ、と幹也は割り切る。特定の何かに、彼はこだわりをもたない。<br />  だまって、十三段の階段を折り終え、</div> <div>「あ。お兄ちゃんだ――っ!」</div> <div> 地下に辿りついた幹也に、聞き慣れた、舌足らずの声が届いた。 <br />  人に甘えるような、生まれたばかりの子猫のような声。<br />  幹也はあえて声にこたえず、奥へと進み、一番奥の椅子に座ってから声の主を見た。</div> <div><br /> 22 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 00:25:14 ID:W56qDLe3<br />  声の主は、声の通りに少女だった。十と七を迎えたばかりの幹也よりも、ずっと年下に見える、幼い声と同様に幼い容姿。<br />  長い栗色の髪は膨らみ、彼女が動くたびにふわりと揺れた。<br />  裾にフリルのついた白いワンピースを着て、靴下も靴も何も履かずに裸足だった。<br />  栄養が足りず、細くなった手と足がむきだしになって見える。<br />  両の手首には、プレゼント用の包帯が巻かれている。<br />  幹也は知っている。その下に、醜い傷跡が残されていることを。<br />  椅子の隣、本棚から適当に本を選びつつ答える。</div> <div>「ヤマネ。僕は君の兄じゃないと、何度言えばいいんだ?」<br /> 「えぇ――? で、でもぉ、」</div> <div> ヤマネと呼ばれた少女は首をかしげ、戸惑うように言葉を切った。<br />  幹也は構わず本を抜き出す。背にはこう書かれている。<br /> ――『黄金に沈むお茶会』。<br />  かつて狂気倶楽部にいた人間が書いた本の一冊である。</div> <div>「お兄ちゃんはー、兄ちゃんだよね?」<br /> 「お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど僕は君のお兄ちゃんじゃないからお兄ちゃんじゃないんだよ」<br /> 「でもお兄ちゃんはヤマネのお兄ちゃんよね?」<br /> 「あーもうそれでいいから静かにしてろよ」</div> <div> 呆れたように幹也が言うと、ヤマネは満面の笑みを浮かべた。大きな瞳がにっこりと閉じられる。<br />  幹也の『それでいい』だけに反応したのだろう。<br />  ゆったりとした安楽椅子に座り、本を広げる幹也。<br />  その幹也へと、裸足のままヤマネは近寄り、</div> <div>「えへっ」</div> <div> 頬に手を当てて笑ってから、ごそごそと、幹也の膝の上に上りこんだ。<br />  小柄な身体がすっぽりと幹也の胸に収まる。椅子の上でだっこをするのは、なれないと難しい。<br />  そして、幹也はもうそれに慣れていた。<br />  制服のすぐ向こうに、ヤマネの体温を感じた。</div> <div> </div> <div>23 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 00:34:30 ID:W56qDLe3<br />  細い足が、安楽椅子の下を蹴るようにぶらぶらと揺れる。<br />  そのたびにヤマネの小さな身体が揺れ、幹也の身体に振動を伝えた。<br />  すぐ真下にある髪から、シャンプーと、少女の臭いが混ざった、甘くただれた香りがした。</div> <div>「お兄ちゃんっ、今日は何のご本?」<br /> 「『黄金に沈むお茶会』。いつもの変なご本だよ。『ご』をつけるほど大層なものじゃないけどね」<br /> 「読んで読んで読んでっ!」</div> <div> 膝の上でばたばたと手を動かしながら嬉しそうにヤマネが言う。声は大きく、普通の喫茶店なら叱られるだろう。<br />  が、そう広くもない、椅子が12個と長い机が一個だけ置かれ、壁は全て本棚で埋め尽くされた図書室に人はいない。<br />  いつもの面子はおらず、今は、ヤマネと幹也しかいなかった。<br />  本を遮るように動く細く白い腕と、その手に巻かれた紅いリボンを見ながら、幹也は言う。</div> <div>「読んでやるから、手は動かさないでくれ。読めない」<br /> 「はーい!」</div> <div> がっくんがっくんと頷き、ヤマネは手をばんざいし、幹也の首に絡めた。<br />  そのままくるりと半身をひねり、猫のように全身で幹也に抱きつく。<br />  とても、三つ下の少女とは思えなかったが、幹也は特に気にしない。これも『いつも』だ。<br />  首筋に触れる髪を感じながら、幹也は表紙をめくった。<br />  声に出して、幹也は読み始める。<br />  最初のページには、たった一行だけ、こう書かれていた。</div> <div><br /> 『むかしむかし。でも、むかしっていつだろう? 少なくとも、明日よりは近いのよね 』</div> <div> </div> <div>24 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 00:40:19 ID:W56qDLe3<br /> 『 むかしむかし。でも、むかしっていつだろう? 少なくとも、明日よりは近いのよね。<br />   明日は永遠に来ないけど、少なくともむかしは記憶にはあるもの。<br />   あら、でもそうね。永遠に手が届かないという意味では同じかしら。<br />   わからないわね。<br />   でもきっと、この本を誰かが読むときは、私は「むかし」になってるのよ。<br />   できれば、そのときに私が生きていないことを祈るわ。だってそうでしょう?<br />   無事に死ねたのなら、それが一番の幸せですもの!</div> <div>  それで、むかし。手が届かない昔ね。<br />   一人の女の子と、独りの女の子がいたの。<br />   二人の女の子は決して出会うことはなかったわ。だって、お茶会には椅子が一つしかあいてなかったから。<br />   一人の女の子は、お茶会で、楽しくお喋り。<br />   独りの女の子は、お茶会で、独り寂しくお茶を飲む。<br />   そのうちに、独りの女の子は考えたの。<br />   一人の女の子がいなくなれば、自分は一人になれるんじゃないかって。<br />   というわけで、思い立ったら吉日よね。独りの女の子は、紅茶のポットに毒を入れたわ。<br />   黄金色に輝く毒を。とってもおいしそうな毒を。<br />   次の日のお茶会で、一人の女の子は、そのおいしそうな毒を飲んだわ。<br />   でも残念なことに、お茶会のメンバーは、あんまりにもおいしそうだったから、その毒を全員飲んじゃったの。<br />   そうして、独りの女の子は、一人の女の子になれたけど。<br />   やっぱり、お茶会では、独りだったの。<br />   独りきりでお茶会をしている女の子は、ある日、一つ残ったティーカップに、黄金色のお茶が残ってるのに気づいたの。<br />   それが何か独りの女の子は知っていたけど、あんまりにもおいしそうだから。<br />   独りの女の子は、それを飲んじゃったの。<br />   それで、おしまぁい。お茶会には誰もいなくなっちゃった   』</div> <div> </div> <div>25 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 00:53:37 ID:W56qDLe3<br />  短いその本を読み終えて、幹也は小さくため息を吐いた。<br />  何のことが書かれているのか、まったく分からなかった。<br />  分からなかったが、少なくとも、暇は潰せた。<br />  あとは、そのわからないことを考えて暇を潰せばいい。全てはその繰り返しだった。</div> <div>「お見事、お見事、大見事。さすが朗読が上手いわね、三月ウサギ」</div> <div> ぱん、ぱん、ぱん、と。<br />  なげやりな拍手の音と共に、少女の声がした。<br />  ヤマネの声ではない。ヤマネよりも冷たい感じのする、鋭い声だ。<br />  拍手と声のする方向を幹也は見る。<br />  13階段の傍。本棚に背をもたれて、長く艶のある黒髪の少女が立っていた。<br />  少女は男物のタキシードを着て、小さなシルクハットをかぶり、おまけに黒い杖まで持っていた。<br />  彼女もまた、狂気倶楽部の一員であり、幹也――今この場では三月ウサギだが――とヤマネの知り合いだった。</div> <div>「……マッド・ハンター。着てるのならば声をかかえればいいのに」<br /> 「あら、あら、あら。ごめんあそばせ。あんまりにも仲がいいから邪魔をするのも悪くてね」</div> <div> つ、と紅色がひかれた爪先で、マッド・ハンターは幹也を指差す。<br />  そこには、幹也に抱きつくようにして甘えるヤマネがいる。朗読中はずっとこうだった。<br />  幹也は小さくため息を吐き、</div> <div>「言っとくけどね、僕は発情期じゃないよ」<br /> 「あら、あら、あら。でも、発狂期なのでしょう?」<br /> 「……ハ」<br /> 「あら、あら、あら。違ったかしら? そうね、違うわ。永遠の発狂を『期』とは言わないもの」<br /> 「君に言われたくはないな、イカレ帽子屋め。何人の帽子を集めりゃ気がすむんだ」<br /> 「それは、それはもう!」</div> <div> マッド・ハンターは言いながらくるりと回り、ステップを踏みながら、かろやかに椅子の背を引いてそこに座った。<br />  幹也とは対角線上。長机の一番端に。<br />  座り、足を組み、肩に杖を乗せてからマッド・ハンターは答えた。</div> <div>「全て、全て、全ての帽子を集めるまで、ですよ!」<br /> 「その前に君が死ぬのが先だと思うがね」<br /> 「あら、あら、あら! そしたら私の帽子が手に入るわけね。すばらしいわ」</div> <div> 言って、マッド・ハンターはくすくす笑った。<br />  処置なし、と心の中で呟き、幹也は手持ち無沙汰になった手をヤマネの髪に伸ばす。<br />  栗色の毛を、手ですきながら、幹也は言った。</div> <div>「ヤマネ。今日はお前一人か?」<br /> 「うん? うぅん?」<br /> 「どっちだよ」<br /> 「えっとねぇ。お兄ちゃんがいる」<br /> 「……。他には?」<br /> 「お兄ちゃんがいれば、それでいいよっ!」</div> <div> マッド・ハンターと幹也は同時にため息を吐いた。聞くだけ無駄、というやつである。<br />  仕方なしに、幹也はマッド・ハンターに尋ねる。</div> <div>「『眼球抉りの灰かぶり』はどうした? あいつ暇なんじゃなかったのか」<br /> 「あの子は、あの子の、あの子なら最近新しい子に熱中中中中よ」<br /> 「繰り返しはいいよ――ああ、じゃあ今日は狂気倶楽部というより、『お茶会』だな」<br /> 「うふ、うふふ、ううふふ。ヤマネにマッド・ハンターに三月ウサギ。穴から転げる子は来るかしら?」<br /> 「『裁罪のアリス』は無理だろ。あいつがいちばん忙しいだろ」</div> <div> 幹也はいいながら立ち上がる。誰もこないのなら、自分がやるしかない。</div> <div><br /> 26 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 00:59:51 ID:W56qDLe3<br />  椅子から立ち上がり、幹也は上へと向かった。飲み物を取りにいくためだ。<br />  マスターの存在しないこの店では、自分たちでやるしかない。</div> <div>「わ、わ、にゃ! お兄ちゃん落ちるっ!」<br /> 「落ちたくないならつかまってろよ。それが嫌なら落ちろ」</div> <div> 幹也の言葉に、ヤマネはさらに手に力を込め、両足を腰に回し、全身で幹也にしがみついた。<br />  意地でも歩く気が存在しない。<br />  軽いので問題はなかった。幹也はヤマネを抱えたまま階段まで行き、</div> <div>「紅茶、紅茶、紅茶をお願いね」</div> <div> 後ろから聞こえる声に、手をひらひらと振って答えた。<br />  十三の階段を着合いで昇り、喫茶店『グリム』のカウンターへと真っ直ぐに進む。<br />  中で優雅に茶を飲んでいるゴスロリ少女たちが不審げな――あるいは羨ましげな――瞳で見てくるが、全部無視した。<br />  狂気倶楽部とは、格好から入る少女にとって、敬愛と侮蔑と尊敬と憎悪の対象でもある。<br /> 「他人と違う」ということに憧れる少女は狂気倶楽部に入ろうとし。<br /> 「誰とも違う」ということに気づいて、狂気倶楽部を怖れ憎むのだ。<br />  その視線を全て幹也は無視する。ヤマネはそもそもまったく他を見らず、ただ幹也に甘えるだけだ。<br />  手早く、適当に紅茶とコーヒーとホットミルクを用意して、盆につぎ、零さないように地下へと戻る。<br />  地下の図書室では、マッド・ハンターが本を読みながら待っていた。</div> <div>「おお、おお、おお! お疲れさまだね、三月ウサギ」<br /> 「そう思うなら少しは手伝ってくれ――はい、紅茶」<br /> 「どうも、どうも、どうもありがとう」</div> <div> お礼を言うマッド・ハンターの前に紅茶を置き、残る二つを手に幹也は下の椅子へと戻った。<br />  ヤマネは、今度は、背を幹也にもたれて座った。<br />  三人は手に飲み物を取り、掲げ、声を揃えていった。</div> <div>「――『狂気倶楽部に乾杯』」</div> <div><br /> (続)</div> <div> </div> <div>27 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 01:24:11 ID:W56qDLe3<br /> 極めて意図的に中二病向けなサイ娘が書きたくなった<br /> 読み返したら本気で中二病っぽかった<br /> プロット考えたら嫉妬スレ向けになった<br /> こっそり早く書き上げよう</div> <div> </div> <div>28 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 01:56:25 ID:tf4jy+E/<br /> &gt;&gt;27<br /> 中二病患者でサイ娘好きの俺はワクテカしながら読んでました<br /> 続き期待してます</div> <div><br /> しかしあれだね<br /> 嫉妬スレの包含するものは大きいし向こうは人も作者も多いから<br /> ここは病んでればそれでいいスレにした方が住み分けになると思うんだ<br /> そもそも住み分ける必要があるのかどうかは分からんけども</div> <div> </div> <div>29 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 02:17:43 ID:W56qDLe3<br />  狂気倶楽部とは、つまるところ「ごっこ遊び」である。<br />  誰が言い出したのか、誰が作り出したのかすらはっきりしない。<br />  ただ、その『始まり方』だけははっきりと伝わっている。なぜならば経緯を記した地下図書室にあるからだ。<br />  元々喫茶店「グリム」は少し変わった喫茶店であり、古いアンティークと雰囲気が合わさって<br />  ゴスロリ少女が集まる、通向けの喫茶店だった。<br />  そのうちに、集まる少女の誰かが言った。<br /> 『ごっこ遊びをしましょう』<br />  集まる少女の誰かが賛同した。<br /> 『本名を隠して、「お話し」の名前を借りて。ごっこ遊びをしましょう』<br />  集まる少年の誰かが賛同した。<br /> 『キャラクターをなぞらえて。二つ名をつけて。楽しい楽しいごっこ遊びをしましょう』<br />  集まる少女と少年が賛同した。<br /> 『私はアリス』<br /> 『あたしは赤頭巾』<br /> 『僕はピーターパン』<br /> 『わたくしはシンデレラ』<br />  こうして、童話と元にした、『ごっこ遊び』が始まった。<br />  始めは他愛のない、あだ名の付けあいのようなものだった。<br />  けれども、ゆっくりと、それは変質していった。<br />  本名も何も知らない、喫茶店だけで通じるあだ名。<br />  それは選民意識を伴い、やがては、『ごっこ遊び』から『物語』へと変わる。<br />  異端な登場人物。真似、ではなく、本物になっていた。<br />  初代シンデレラは親友の目を抉って自殺した。<br />  初代アリスは、その存在を特別なところへと押し上げた。<br />  初代ピーターパンは、永遠を求めるあまりに発狂した。<br />  初代赤頭巾は、親戚に地下室に閉じ込められて堕ちてしまった。<br />  そうして。<br />  その名は受け継がれ。二代目たちは、最初から異端なものたちで構成され。<br />  名前を受け継ぎ、二つ名をつけられる彼女ら、彼らは、いつしかこう呼ばれた。<br />  喫茶店に来るだけで、名前を受け継がれない「観客」たちから、こう呼ばれたのだ。</div> <div>――「狂気倶楽部」と。</div> <div><br /> 30 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 02:30:06 ID:W56qDLe3<br />  そして今、三代目「三月ウサギ」こと、『五月生まれの三月ウサギ』須藤幹也は優雅にコーヒーを飲んでいる。<br />  彼の本名を、この場にいる人間は誰も知らない。<br />  幹也も、今この場にいる二人の本名を知らなかった。<br />  あくまでもこの場だけの付き合い。死ぬまでの暇つぶし。<br />  虚無的で刹那的な空間を、そしてそこにいる異常な、この場ではあるいみ通常な少女たちを気に入っていた。<br />  居心地がいい、とすら思った。久しく飽きることはない。そう感じた。</div> <div>「お兄ちゃんっ! 今日はもうご本読まないの?」</div> <div> 膝の上に座る、ヤマネ――何代目かは知らない――『眠らないヤマネ』は、顔を上げて幹也にそう問いかけた。<br />  ぴちゃぴちゃと猫のように舐めていたホットミルクが、いつの間にか空になっていた。<br />  逆しまになった瞳を見つめて、幹也は答える。</div> <div>「本は飽きたよ。一日一冊で十分だ。たまにはヤマネが読めばいいじゃないか」<br /> 「やーだよ。ヤマネは、お兄ちゃんに読んで欲しいんだもんっ!」</div> <div> 言って、コップを机に置き、ヤマネは再び反転した。<br />  猫がそうするように、幹也の膝の上で丸くなった<br />  どこが『眠らない』だ、と幹也は思う。二つ名をつけるのは一代前の人間か、あるいは『名づけ親』と呼ばれる倶楽部仲間で、本人の意思ではない。<br />  回りがそう感じたからこそつける名前が二つ名だ。<br />  眠らない――活発に動き続ける、ということだろう。<br />  死ねば動かなくなるかな。そう思いながら、幹也はヤマネの頭をなでた。</div> <div>「今日も今日も今日とて仲がよさそうだね。いやはやいやはや妬けてしまうよ」</div> <div> 呆れるように、からかうようにマッド・ハンターが言う。『首刈り』という物騒な二つ名を持つ少女だ。<br />  もっとも、幹也は彼女をそう恐れてはいない。マッド・ハンターの趣味は、大抵同年代の少女へと向いているからだ。<br />  幹也にとってはお喋りで面倒な相手でしかない。<br />  それでも構うのは、やはり暇だからだろう。</div> <div>「焼けるっていうのは、二枚舌でも焼けるのか」<br /> 「いやいやいや。残念ながら私の下は一枚だもの。焼けてしまったら困る」<br /> 「焼けて静かになった方が世界のためだ」<br /> 「君の世界はどうか知らないが、私の世界はこれで幸せだよ」</div> <div> マッド・ハンターは、満足げにそう言って、手にしていた本を机の上に投げ置いた。<br />  しおりも何もはさまっていない。読み終えたのか、続きを読む気がないのか。<br />  恐らくは後者だろう、と幹也は思う。</div> <div><br /> 31 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 02:45:04 ID:W56qDLe3<br />  無視して、ヤマネの頭をなでながら思考に戻る。<br />  今日の暇つぶし的な思考は、先ほど読んだ本についてだ。<br />  少女が片方を毒殺し、毒殺することで独りになり、最後には誰もいなくなる話。<br />  出来の悪いマザーグースか何かのように思えた。これを作った奴はそうとうにひねくれているに違いないと幹也は思う<br />  この本は、書店に流通している本ではない。<br />  喫茶店「グリム」の地下の「図書室」に存在する本。<br />  それらは全て、過去の「狂気倶楽部」のメンバーが書いたものだ。<br />  基本的に著者は乗っていない。文体でこの本とこの本は同じ人が書いたな、と思うくらいだ。<br />  本は、誰かに見せるための本ではなかった。<br />  ただ、暗い嫌い自分の内面を吐露しただけの、怨念のような本だった。<br />  それを、幹也は、何を気負うこともなく毎日読んでいた。<br />  学校から還って、寝るまでの時間を、幹也はここですごす。<br />  居心地がいいのでも、合いたい人間がいるのでもない。<br />  一番『マシ』な秘密基地だから、とでもいうかのような理由だった。</div> <div>「ヤマネは本は好きかな?」</div> <div> 幹也の問いに、ヤマネは丸まったまま即答する。</div> <div>「お兄ちゃんの方が好きだよっ!」</div> <div> それは嬉しいことだ、と幹也は思う。<br />  たとえ出会った瞬間に「お兄ちゃんっぽいからお兄ちゃんっ!」と言われ、それ以降依存するかのように<br />  つねにべったりと甘えられているとしても、好意を向けられていることは嬉しかった。<br />  好意を向けられれば、少なくとも暇つぶしはできるから。<br />  依存と調教。ヤマネと幹也は歪な関係であり――</div> <div> </div> <div>32 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 02:45:54 ID:W56qDLe3</div> <div>「今日も、今日も、今日とて君はやるのかな?」</div> <div> マッド・ハンターの楽しそうな声。</div> <div>「まあね――どうせ、暇だし」</div> <div> 幹也は答え、ヤマネの頭をなでていた手を、おなかの下へと回す。ヤマネの小さな身体を抱きかけるように。</div> <div>「うぃ? お兄ちゃん?」</div> <div> ヤマネの不思議そうな声。嫌悪はにじみ出ていない。<br />  幹也は片手でヤマネを持ち上げる。満足に食事をしていないのか、酷く軽かった。<br />  持ち上げて、机の上からコップをどかし、広くなった机にヤマネの身体を置いた。<br />  丸いヤマネの瞳が、幹也を見上げている。</div> <div>「うぃ、お兄ちゃんやるのっ?」<br /> 「暇だしね」<br /> 「いつものようにいつものごとく、見させてもらおうかな」</div> <div> そう。<br />  狂気倶楽部においては、歪こそが正常である。<br /> 『元ネタ』が共通しているせいか、ヤマネとマッド・ハンターと幹也は、比較的話す機会があった。<br />  ヤマネが依存し。<br />  幹也が壊し。<br />  マッド・ハンターが薄く微笑みながらソレを見る。<br />  異常な光景が通常に行われる場所。それが狂気倶楽部の集い場だった。<br />  そして、幹也は、いつもの如く、</div> <div>「――それじゃあ、暇つぶしだ」</div> <div> 机に押し倒した、小さなヤマネの細い首に、手をかけた。</div> <div><br /> (続)</div> <div><br /> 33 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 02:47:47 ID:W56qDLe3<br /> &gt;&gt;28<br /> ありがとう</div> <div>嫉妬や修羅場分が少ない、サイ娘少女による異常な純愛とか<br /> そういうのなら修羅場スレよりこちら向きかもしれない</div> <div> </div> <div>34 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 21:35:58 ID:L2vHHL9M<br /> ヤンデレ抜きで普通におもしろげだな</div> <div> </div> <div>35 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 23:54:32 ID:dUdy7Kor<br />  幹也が先代三月ウサギ――『12月生まれの三月ウサギ』に出会った場所は、実を言えば狂気倶楽部やグリムではない。<br />  そもそも、『三月ウサギ』として出会ったのではない。<br />  学校の図書室に残る、二つ年上の三年生の先輩。二つ名のない、普通の学生である「里村・春香」と出会ったのだ。<br />  出会った場所は、陽が暮れかけて、赤く染まった図書室。<br />  誰もいなかった。図書室は閉館時間を向かえ、図書委員である春香を除いて、誰もいなかった。<br />  幹也がいたのは完全に偶然である。ただ暇つぶしのために本を読んでいて、気づけば閉館時間になっていたのだ。<br />  気づけば、誰もいなくなっていた。<br />  誰もいなくなっていることにさえ、幹也は気づいていなかった。春香が声をかけなければ、永遠にそこで本を読み続けていたかもしれない。</div> <div>「ねぇ」</div> <div> 幹也が顔をあげると、三つ編みの髪を三つ作った、銀縁眼鏡の先輩がいた。<br />  叱られるかな、そう思った。<br />  別に叱られても構わないな、そう思った。<br />  どんな事態になれ、暇つぶしにはなるからだ。</div> <div>「……何ですか?」</div> <div> 問い返す幹也の持つ本を指差して、春香ははっきりと言った。</div> <div>「その本、死ぬほど詰まんないわよ。読むくらいなら死んだ方がマシね」</div> <div> 意外な言葉だった。<br />  そんな言葉を言われるとは、少しも思っていなかった。<br />  せいぜい、「閉館時間ですよ」と言われるくらいだと思っていた。<br />  興味がわいた。<br />  だから、幹也も正直に答えた。</div> <div>「つまる本なんてあるんですか?」</div> <div> その言葉が、そのときはまだ名前も知らなかった里村・春香の興味を引いたのだと、<br />  幹也は数ヵ月後、春香の二つ名と共に知ることになる。</div> <div><br /> 36 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 00:09:07 ID:ju7bF4dq<br />  そして今――幹也は『三月ウサギ』を里村・春香から受け継ぎ、グリムの首を絞めている。<br />  数ヶ月の間、暇つぶしの相手になってくれた里村・春香はもういない。<br />  狂気倶楽部において、名前を継ぐというのはそういうことだった。<br />  里村・春香はどこにもいない。<br />  幹也は彼女から二つ名と、喫茶グリムの存在と、狂気倶楽部での椅子を受け取り。<br />  暇を潰す場所を、学校の図書室から、グリムの図書室へと移した。</div> <div>「あ――っ、う、あ、」</div> <div> 首を優しく絞められて、グリムは嬉しそうに呻いた。力を込めていないので、普通に喋れはする。<br />  力を込めれば死ぬということに、代わりはないけれど。<br />  遊びを思いついたのがグリムだったのか幹也だったのか、あるいは他の誰かだったのか、幹也はもう憶えていない。<br />  気づけば、こんな関係になっていた。<br />  幹也は思う――これくらい普通だ。自分は普通だ。みんなしたいと思っている。する相手がいないだけだ。いい暇つぶしだ。<br />  平然と首を絞める少女こそが狂っていると、幹也は思う。</div> <div>「お兄ちゃんっ、もっと、もっとぉ、」</div> <div> 甘えるようにグリムが言う。<br />  本人曰く、首を絞められるのは、たまらなく心地良いらしい。<br />  殺意を以って支配されている感覚が、死を以って繋ぎとめている感触が、相手の全てを共有している気分が、<br />  寂しがり屋で甘えん坊で、独占欲と依存癖の塊であるグリムにとっては、何よりも心地良いらしい。</div> <div>「言われなくてもやるさ――暇だからね」</div> <div> 首を絞める手に力を込める。<br />  グリムの細く白い首に、ゆっくりと、指先が食い込んだ。そのたびにグリムは嬉しそうに笑う。<br />  その気持ちは、幹也にはまったく分からない。<br />  首を絞められて何が楽しいのかわからない。他人を支配も共有も共存もできるはずがないとすら思う。<br />  こんなのは暇つぶしだ。リアルに還ってくる相手の反応が楽しいだけだ。<br />  冷めて冷静な心とは反対に、身体は、熱を持ったように動き始めた。</div> <div> </div> <div>37 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 00:30:10 ID:ju7bF4dq<br />  首を絞めながら、幹也は身を近づける。グリムの小さな身体を押しつぶすように。<br />  顔を近づけ、グリムの小さな耳を優しく噛む。こりこりと硬い感触があった。<br />  そのまま噛み千切ったら、この少女はどんな反応を示すだろうか。そんなことをふと思う。</div> <div>「あ――、あっ、あは、あはっ」</div> <div> 首を絞められ、身体を端から食べられかけながら、グリムは嬌声と笑い声が混ざり合った声を漏らす。<br />  心の底から楽しそうだった。虚ろな瞳は妖しく笑っている。<br />  独占と依存を背負うグリムにとって、食尽というのはある意味究極のあこがれなのかもしれない。<br />  そして、幹也にとっては。<br />  そんな憧れなど、知ったことではなかった。</div> <div>「楽しいね。楽しいと思いたいものだよ、本当に」</div> <div> 口から漏れる言葉に意味はない。まったく意味のない、ため息のような発言だ。<br />  けれども、グリムはその言葉を聞いて、さらに嬉しそうに笑う。</div> <div>「お兄ちゃんっ、楽しい、たのし、いのっ! やったっ」</div> <div> 首を絞められ、途切れ途切れの声で、それでもグリムは嬉しそうに言う。<br />  幹也は片手で首を絞めたまま、右手をゆっくりと下へと這わせた。<br />  むき出しになった鎖骨をなぞり、さらに下へ、下へ。<br />  フリルのついた裾まで辿りつくと、手は服の下へともぐりこみ、今度は上へと上がった。<br />  ふくらみのない胸――ではなく。はっきりと形の分かるアバラを、一本一本幹也はなぞっていく。</div> <div>「あ、あは、あはっ、あはははっ、あははははははははははははっ!」</div> <div> くすぐったいのか。楽しいのか。気持ちいいのか。嬉しいのか。<br />  首を絞められ、鎖骨をなぞられながら、グリムは笑い続ける。<br />  その笑いを塞ぐかのように、幹也は耳をかんでいた唇を、グリムの唇へと移した。</div> <div><br /> 38 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 00:43:03 ID:ju7bF4dq<br />  重ねた唇から舌を伸ばしてきたのは、グリムの方だった。<br />  八本、九本とあばらを数えながら、倒錯した行為を続けながら、幹也も舌を絡ませる。<br />  意志を持った触手のように、二対の舌は勝手に蠢き、口の端から唾液が漏れた。<br />  倒錯した行為に没頭しながらも――幹也の頭は冷えていた。<br />  どうしてこんなことをしているのだろう、と自問して。<br />  暇だからだ。時間つぶしにはなるからだ、と自答できるほどには。</div> <div>「ん、っん、んぁ――、う、あ、」</div> <div> 少しだけ、手に力を込める。首を絞める手に。<br />  繋げた唇の向こうで、グリムが苦しげに息を履いたのが分かった。<br />  唾液と下に混ざって、吐息が口の中に入り込み、幹也の肺腑を侵食していく。<br />  首を絞め。細い身体を好き勝手に弄びながら、幹也はキスをしたままグリムを見た。<br />  目をつぶるなどという、殊勝な行為はしていなかった。<br />  グリムは瞳をしっかりと開け、身体をすき放題にする幹也を、じっと見ていた。<br />  その瞳は笑っている。その瞳は物語っている。<br />  獲物を絡め取った蜘蛛のように笑うグリムの瞳は、こう言っている。</div> <div>――楽しい、お兄ちゃんっ? もっと楽しんでいいの。でも――その代わり。</div> <div> 篭絡する瞳で、歳にあわない妖艶な、狂った瞳で、グリムはこう言うのだ。</div> <div> ――ずっと愛してねっ。ずっと、ずっとグリムのお兄ちゃんでいてねっ。</div> <div> 幹也は唇を離す。ぬるりと舌が滑りながら、グリムの唇から抜け出る。<br />  顔を離すことなく、間近で幹也は言う。</div> <div>「楽しいよ――ありがとうグリム」</div> <div> 手を離すことなく、心中で幹也は思う。</div> <div> ――楽しくはない。退屈だ。ああ、暇が此処にある。</div> <div> 倒錯した二人は、そのまま、倒錯した行為に溺れていく。お互いを食い合うような行為に。<br />  その行為を、口を挟むことなく、マッド・ハンターは見ていた。<br />  異常な二人を、にやにやと、にやにやにやと笑いながら、異常な笑みを浮かべながら、ずっと見ていた。<br />  倒錯した行為は終わらない。<br />  倒錯したお茶会は、どこまでも続く。</div> <div><br /> (続)</div> <div> </div> <div>39 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 00:45:57 ID:ju7bF4dq<br /> 大体のストーリーは考えてはいるものの、考えながら書いてるので変なところがあったら申しわけない。<br /> エロはなし。倒錯行為だけで。<br /> タイトル考えてないことに今更気づいた……とりあえず、一応は幹也とグリムの話です。<br /> ヤンデレでサイ娘で嫉妬で修羅場で死亡なお話し</div> <div> </div> <div>40 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 02:04:40 ID:GMOaiQZQ<br /> サイ娘キタコレ!</div> <div>続き期待して待ってます</div> <div> </div> <div>41 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 02:12:06 ID:M/ahUCy2<br /> もはやヤンデレとかサイ娘とか抜きで面白い<br /> 更にその味付けが深くなった日には恐ろしく上質なものが出来るなぁ<br /> 流石です、作者様(*´д`*)</div> <div> </div> <div>42 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 02:37:50 ID:uTAUNG6e<br /> ヤマネなのかグリムなのか<br /> 何かのトリックの可能性もある</div> <div>というわけで続きが<br /> +   +<br />   ∧_∧  +<br />  (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ<br />  (0゚∪ ∪ +<br />  と__)__) +</div> <div> </div> <div>43 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 02:41:17 ID:ju7bF4dq<br />  里村・春香と出会ってから分かれるまでの数ヶ月の間、幹也は春香を好きだと思ったことは一度もなかった。<br />  ただ、彼女の左手に隠すことなく刻まれた細く数多い傷跡は、幹也の興味を惹くだけのものがあった。<br />  幹也には自傷癖も他傷癖もない。そういうことをする人間に対する興味はあった。<br />  なぜそうするのか――それを考えていれば、正しく暇つぶしになった。</div> <div>「どうしてこういうことをするの?」</div> <div> 夕暮れの図書室。紅く染まった、本と埃の、時の積み重なったにおいのする部屋。<br />  二人だけの世界で、幹也は、春香の手首を舐めている。<br />  手首につけられた傷跡を、穿り返すかのように、丹念に舐めている。<br />  春香は光悦とした表情とともに答えた。</div> <div>「人による。狂気倶楽部には、手首を切る人は多いけど、みんな理由が違う」</div> <div> 狂気倶楽部、という名前を、幹也は図書室で「遊ぶ」ようになってから幾度となく聞いていた。<br />  それが何かと聞いても、春香は決して教えようとはしなかった。<br />  いつか教えてあげる。それまで誰にも秘密。その二つだけしか言わなかった。<br />  幹也もそれ以上尋ねようとはしなかったし、誰にも話すつもりはなかった。<br />  そもそも、学校では「可もなく不可もなく特徴のない」生徒だった幹也には、そういうことを話す相手はいなかった。<br />  家でも、学校でも、彼は普通である。ただ、退屈していただけだ。<br />  何の理由もなく、何の原因もなく、生まれつき彼は――ただひたすらに、退屈していた。<br />  だからこそ、こうして退屈しのぎと称して、退廃的で倒錯した行為にふけっている。<br />  手首から舌を外して、幹也はもう一度尋ねた。</div> <div>「なら――春香の理由は?」</div> <div> 幹也は、学校では『12月生まれの三月ウサギ』ではなく、名前で呼んでいた。<br />  春香がそう懇願したのだ。まるで、特別な絆を作るかのように。<br />  春香は微笑んで、答えた。</div> <div>「死にたいから。死にたいけど怖くて、手首しか切れないの」</div> <div> 分からなかった。<br />  どうして死にたいのか。<br />  だから、幹也は尋ねた。</div> <div>「春香は、どうして死にたいの?」</div> <div> 笑ったまま、春香は答えた。</div> <div>「生きるのが怖いから」</div> <div> この答えの25日後、里村・春香は言葉どおりに、屋上から飛び降り自殺をした。<br />  そしてその遺言に従い、幹也は暇をもてあましながら、喫茶店「グリム」を訪れたのだった。</div> <div><br /> 44 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 03:08:51 ID:ju7bF4dq<br />  退廃的で倒錯的な行為を終えて、幹也はグリムの身体から離れた。<br />  机の上で、グリムは、ぐったりと力を失って気絶している。<br />  フリルのついた、黒いワンピースが乱れていた。<br />  色こそ違うものの、その姿は、いつかの日のヤマネに似ていると思った。<br />  それもそうだ、と幹也は内心で頷く。ヤマネにやったようなことを、グリムへやったのだから。<br />  行為を終え、椅子に深く座りなおした幹也に、マッド・ハンターがにやにや笑いと共に話しかけた。</div> <div>「やぁやぁやぁ。『盲目のグリム』は有望な新人でしょう?<br />  排他的でも自傷的でもない、誘いうける依存者は久しぶりだよ」</div> <div> 幹也は、眼前の机の上で横になるグリムと、昔と変わらず対角線上の端に座るマッド・ハンターを見つめて言う。</div> <div>「喫茶店の名前はつけないものとばかり思ってたよ。分かりにくいことこの上ない。<br />  途中から喫茶店に向かって話しかける気分になった」<br /> 「まぁ、まぁまぁそれも仕方がないよ。この子、どうにもマスターの関係者らしいよ。<br />  会ったことはないそうだけれどね」</div> <div> 随分と曖昧で適当なことだ、と幹也は思う。久しぶりに来たが変わりはない。<br />  あの頃。<br />  春香を失い、暇をもてあまし、マッド・ハンターとヤマネと過ごしていた頃と、何も変化はない。<br />  きっと、永遠に変化しないまま、唐突に終わるのだろう。<br />  まったく変わらないマッド・ハンターは、やはり変わらない笑いを浮かべながら幹也に言う。</div> <div><br /> 「しかし、しかし、しかしだね。三月ウサギ君はどうにも、『妹』に好かれやすい節があるね。<br />  ヤマネの時もお兄ちゃんと呼ばれていただろう? 懐かしいね。<br />  君の本当の妹も、お兄ちゃんって呼んだのかな?」<br /> 「狂気倶楽部の外の話は、ここではナシだったはずだろう?<br />  そのルールも変わったのかい、マッド・ハンター」<br /> 「いやいやいや。変わってないよ。ただし、君の場合は有名になりすぎたからね」</div> <div> ――有名。<br />  マッド・ハンターの言葉は間違っていない。<br />  ヤマネと分かれ、狂気倶楽部からしばらく離れるきっかけになった事件で、幹也は有名になった。<br />  マッド・ハンターも、その事件を知っているし、本来秘密のはずの幹也の本名も知っている。<br />  それでも二つ名で呼んでくれるのは、マッド・ハンターの優しさなのかもしれない。</div> <div>「それで、それで、それで? 君はまたしばらくここにいるの?」<br /> 「いや――」</div> <div> 幹也は言葉を斬り、失神したまま動かないグリムを見る。<br />  今は失神しているだけだ。<br />  けれど、いつかは死ぬかもしれない。<br />  里村・春香のように。<br />  そして――ヤマネのように。</div> <div>「この子を愛せるようになったら、またどこかに行くさ」</div> <div> グリムの黒い服と白い足を見ながら、幹也はふと思い出す。<br />  ヤマネのことを、春香のことを。<br />  忘れることのない、一瞬だけ退屈から救われた事件のことを。</div> <div><br /> (続)</div> <div> </div> <div>45 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 22:17:28 ID:VAe4dHpS<br /> 後から後から微笑がこぼれてくる。</div> <div> </div> <div>46 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 23:51:29 ID:4mtc8WIK<br /> 読み直すと苦笑いが出てくる。<br /> 書きたいサイ娘シーンまで頑張ろう俺</div> <div>時空軸の表記がないので判りにくいことに気づきました<br /> 一レス内で時間が跳ぶことはありません<br /> 春香時代と、ヤマネ時代と、グリム時代の三編が絡み合ってます</div> <div> </div> <div>47 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/01(木) 02:02:09 ID:zXEahP8G<br />  狂気倶楽部の数少ない原則の一つに、外での関わりを持たないというものがある。<br />  外で話すな仲良くなるな、ということではない。<br />  他の人間に、狂気倶楽部という存在を知られるな、ということである。<br />  一対一でこっそりと密談するのならばいい。けれども、横の繋がりを、外に知られてはならない。<br />  そういった、排他的な面が狂気倶楽部にはあった。<br />  それは、狂気倶楽部の面子が――事件を起こしやすいという一面を持つからだ。<br />  自殺なり他殺なり。<br />  何かの事件を起こしやすく、起こしたときに、個人ではなく狂気倶楽部を責められないように。<br />  あくまでも喫茶店グリムとその地下図書室を除いては、彼ら、彼女らは他人同士だった。<br />  本名も住所も分からない、二つ名と異常性だけのつながり。<br />  だから――</div> <div> 里村・春香の葬式には、狂気倶楽部の面々は来なかった。</div> <div> そのときはまだ幹也は狂気倶楽部の一員ではなかったけれど、そのことだけは断言できる。<br /> 「学校代表者」を除けば、春香の葬式には、幹也しか来なかったからだ。<br />  誰もいない葬式。<br />  両親と、義理でくる人以外には、誰もいない葬式だった。<br />  誰もかもがおざなりに泣いていた。<br />  幹也は泣かなかった。<br />  泣かずに、ただ、</div> <div> ――ああ、彼女は本当にこの世に未練などなかったんだな、と思った。</div> <div> そうして、生前ただ一人の友人とった幹也は、葬式から帰るその足で喫茶店「グリム」へと向かったのである。<br />  </div> <div>48 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/01(木) 02:20:56 ID:zXEahP8G<br />  そして今、『五月生まれの三月ウサギ』という二つ名を得て、幹也は地下図書室で暇を潰している。<br />  膝の上には白いワンピース姿のヤマネ。<br />  情欲と肉欲と食人と他傷を混ぜ合わせたような行為を経て、ぐったりと力を失って幹也にもたれかかっている。<br />  その目に光はなく虚ろだが、幸せそうに笑ってもいた。<br />  幹也はその細い両手首を掴み、普段は隠されている手首の傷を、抉るように撫でていた。<br />  普段傷を隠してるプレゼント用のリボンは、今は何かの冗談のようにヤマネの首に巻かれている。<br />  まるで、絞めた跡を隠すかのように。</div> <div>「雨に――唄えば――」</div> <div> 手首の傷を撫でながら、子守唄のように幹也はワン・フレーズを繰り返す。<br />  手首の傷。<br />  春香は死に損ねた結果としての傷だった。<br />  ヤマネは、「お兄ちゃんに会えなくて寂しいときにつけるのっ!」と言った。<br />  幹也には自殺をする人間の気持ちも自傷をする人間の気持ちも分からない。<br />  そういうこともあるか、と思うだけだ。<br />  暇を潰すために、傷口を唄いながら撫で続ける。</div> <div>「前から、前から、前から思っていたのだけど。君、映画に何か思いいれでもあるの?」<br /> 「映画?」</div> <div> 幹也の問いかけに、反対側の椅子に座るマッド・ハンターは「雨に唄えば」と言った。<br />  幹也はああ、と頷き、</div> <div>「そっちじゃないよ」</div> <div> ん? と首を傾げるマッド・ハンター。<br />  幹也は掴んだヤマネの手首をぷらぷらと揺らしながら答える。</div> <div>「『時計仕掛けのオレンジ』の方」<br /> 「なんともなんともなんとも――悪趣味なまでに良い趣味だね君は」<br /> 「そうかもしれないね。でも、あれは退屈しのぎとしては楽しそうだよ」</div> <div> 映画の中。暇な遊びとして、唄いながら暴行を加えるシーンを幹也は思い出す。<br />  そして、今こうしてヤマネにしているのも、同じようなのかもしれないな、と思い、自嘲げな笑みを浮かべる。<br />  愛情を受け止める手段として、首を絞め、身体を弄ぶ。<br />  それが、暴行と殺害に代わったところで、意味は変わらないだろうと思うのだ。<br />  首を絞められても喜ぶヤマネは。<br />  たとえ殺されても、喜ぶだろう。<br />  その瞬間、相手を独占できるのだから。</div> <div> </div> <div>49 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/01(木) 02:35:30 ID:zXEahP8G<br /> 「うあー? うぃ、お兄ちゃん……?」</div> <div> マグロのように虚ろだったヤマネの瞳に、ようやく意志の色が戻ってきた。<br />  全身を幹也に預けたまま、顔だけを上げて幹也を見る。<br />  丸い瞳と目が合う。<br />  ふと目を突きたくなった。きっと、時計仕掛けのオレンジの話をしていたからだろう。<br />  目を突く代わりに、その栗色の髪をなでてやった。</div> <div>「ひゃはっ! お兄ちゃんっ、くすぐったいよっ!」</div> <div> ヤマネは嬉しそうにそう言って、身体をねじり、首を伸ばした。<br />  幹也の首を、顎を、頬を嬉しそうに舐める。</div> <div>「……何してるの?」<br /> 「スキンシップっ!」</div> <div> 幹也の問いに嬉しそうに答え、ヤマネは舌を這わせる。<br />  マーキングをする犬と対して変わりはなかった。<br />  その二人を見て、マッド・ハンターが「やれやれ」とでも言いたげにため息をついた。</div> <div>「まったくまったくまったくね。君たちは獣のようだ獣だケダモノのようだ」</div> <div> 呆れてはいるが、楽しそうでもあった。<br />  傍から見れば異常であるはずのスキンシップを、楽しそうに見つめている。<br />  歪んだ少女の愛情は続き、愛情を持たない少年は、暇を持て余しながらも、愛情に対して行為で返す。<br />  それを、残る少女が笑いながら見つめている。<br />  これが、ここしばらくの幹也の日常だった。<br />  ヤマネとマッド・ハンターとの三人で過ごす狂気倶楽部での日々。<br />  退屈だけれど、暇つぶしにはなる日々。<br />  異常だけれど、それが平常となる日々。<br />  歪んだままに穏やかな日々だった。</div> <div> ――それが崩壊したのは、狂気倶楽部の外に、その狂気が持ち込まれたのが切っ掛けだった。</div> <div>(続)</div> <div> </div> <div>50 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/01(木) 02:37:26 ID:zXEahP8G<br /> &gt;&gt;47<br /> の『 そうして、生前ただ一人の友人とった幹也は、』 は『友人となった』ですね<br /> 掲示板でSS書くのは初めてで、色々勝手がわからず難しい限りです。<br /> 嫉妬修羅場スレの人たちは凄いなぁ……</div> <div>とりあえず明日には事件が起きて一気に崩壊まで加速します</div> <div> </div> <div>51 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/01(木) 02:53:11 ID:3ZDBu5zu<br /> いつもながらGJ。どんな崩壊が待っているのかwktkだよ。</div> <div>ところで一つ確認させて頂きたいのだが「マッド・ハッター」ではなく「マッド・ハンター」なのは<br /> 首刈りにかけてあるんだよな?</div> <div> </div> <div>52 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/02(金) 04:04:01 ID:zdEZTGLI<br /> &gt;&gt;51<br /> ですね、「マッド・ハンター」です。<br /> 多少言葉遊びも含まれています<br /> オチまでにちゃんと回収できるよう頑張ります</div> <div><br /> 53 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 02:49:59 ID:+eT8KhQA<br />  里村・春香がいなくなって数ヶ月、幹也の生活は完全に固定していた。<br />  学校が終わると、図書室に行くことなく、喫茶店グリムへと向かう。<br />  部活動が終わるくらいの時間までは、グリムで、マッド・ハンターやヤマネと過ごす。<br />  そして、二人を置いて、家へと帰る。<br />  ヤマネは先に帰る幹也を恨みがましい目で見つめたが、無理矢理に引き止めようとはしなかった。<br />  代わりに、</div> <div>「お兄ちゃんっ、明日、明日も来てねっ! 絶対だよっ!」</div> <div> と約束の言葉を投げかけるのだった。<br />  幹也はその言葉に頷きつつも、内心ではどうでもよかった。<br />  学校は嫌いではない。勉強もそこそこで、話し相手もいて、平穏な日々。<br />  ただし、退屈だった。<br />  家族は嫌いではなかった。父がいて、母がいて、妹がいて。平和な一軒家。<br />  ただし、退屈だった。<br />  狂気倶楽部は嫌いではなかった。マッド・ハンターやヤマネ、時にはその外の少女との異常な付き合い。<br />  ただし、退屈だった。<br />  面白いことがないから退屈なのではない。<br />  退屈だと思うから退屈なのだと、幹也は自覚していた。<br />  ヤマネを抱くことに楽しさを感じることもなければ、首を絞めるのに背徳感もない。<br />  ただただ、退屈だった。<br />  だから、</div> <div>「――兄さん、明日暇ですか?」</div> <div> と、家で妹に言われたとき、幹也は迷わず「暇だよ」と答えた。<br />  頭の中ではヤマネとの約束を憶えていたが、どうでもよかった。<br />  退屈だったのだ。<br />  その結果、どんなことになろうが、構いはしなかった。</div> <div><br /> 54 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 03:07:24 ID:+eT8KhQA<br />  妹。<br />  その姿を見るたびに、最近の幹也はヤマネのことを思い浮かべる。<br />  勿論ヤマネと妹は似てもつかない。<br />  妹は物静かで口数が少なく、ほとんどの時間を鴉色の制服で過ごしている。<br />  髪の色は幹也と同じ黒で、膨らむことなく真っ直ぐに伸びている。<br />  背は幹也の肩に並ぶくらいだが、全体的に細く、大人びた感があった。とても中学生には見えない。<br />  同じく鴉色のプリーツスカートには皺一つない。丁寧で几帳面だな、と幹也は思う。<br />  学校帰りに買い物に行く時でさえ、制服を着ているのだから。<br />  もっとも、幹也とて、同じく制服を着ているのだから妹に何を言えるはずもない。<br />  <br /> 「どれがいいですか?」</div> <div> 幹也の隣に立つ妹が小さく言う。ぴったりと横に寄り添い、腕をくっつけるようにして立っている。<br />  いつものことなので幹也は気にしない。ウィンドウに並ぶケーキの山を見定める。<br />  母親の誕生日ケーキだった。<br />  ――プレゼントは既に買っているので、みんなで食べるケーキを買いたい。兄さんも好きなケーキを。<br />  そう妹に頼まれたのだった。<br />  好きなケーキ、と言われても、幹也にはぴんとこない。好きなものも嫌いなものもないからだ。</div> <div>「――これは?」</div> <div> 適当なチーズケーキを指差して幹也が言うと、その手を掴んで、ぐい、と妹は降ろした。</div> <div>「指差してはいけません」</div> <div> そのまま、指を差さないように、ぎゅ、と腕を掴んで離さなかった。<br />  幹也は仕方なく、目線だけでケーキを見て、</div> <div>「あのロールケーキは?」<br /> 「それがすきなのですか?」<br /> 「好きでも嫌いでもないよ」</div> <div> 正直にそう言うと、妹は少しだけ頬を膨らませた。</div> <div>「それではだめです。好きなものを選んでください」<br /> 「好きなの、ね……」</div> <div> 幹也は悩み、すべてのケーキを見る。好きなものも嫌いなものもない。<br />  が、一つだけ、ピンと来るものがあった。</div> <div><br /> 55 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 03:08:07 ID:+eT8KhQA</div> <div> ごくありきたりな、生クリームのイチゴケーキ。<br />  けれど、その上には、お菓子で出来たウサギが乗っていた。<br />  妹に話していないものの――『五月生まれの三月ウサギ』として、興味が沸いた。</div> <div>「これ。これにしよう。これがいい」<br /> 「これですね」</div> <div> 幹也の視線を正確に読んで、妹は店員にケーキ名を告げる。<br />  すぐに、箱に入れたケーキを手渡された。<br />  妹は、幹也に片手を絡ませたまま、器用に残った手で財布からお金を取り出そうとした。<br />  そして、それよりも早く、</div> <div>「はい、どうぞ」<br /> 「ありがとうございましたー!」</div> <div> 幹也が、ポケットから千円札を取り出して、店員に渡した。<br />  お釣りを受け取る幹也を、妹は、微かに嬉しそうな、怒ったような、どちらともつかない顔で見ている。</div> <div>「……兄さんはずるいです」<br /> 「みんなずるいのさ」</div> <div> 妹の言葉の意味がわからなかったが、幹也は適当にそう答え、絡ませていない方の手でケーキを受け取った。<br />  頭を下げる店員から目を離し、踵を返す。<br />  そして。</div> <div>「――――――――――」</div> <div> 鏡張りの向こう、店の外に。<br />  手首にラッピング用のリボンをまき、栗色の髪の毛で、フリルのついた白いワンピースを着て、裸足の少女がいた。</div> <div> 少女は――ヤマネは。</div> <div> 泣きそうな、それでいて笑い出しそうな、不思議な表情で、幹也と、手を絡める妹を見ていた。</div> <div> </div> <div><br /> 56 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 03:28:22 ID:+eT8KhQA<br />  ヤマネとはっきりと目があった。<br />  泣き笑いを浮かべ、口元をへらへらとゆがめるヤマネと、はっきりと目があうのを幹也は感じていた。<br />  幹也は考える。明日も来てね、と約束して、来なかった自分を探して、街をさ迷うヤマネの姿を。<br />  いつもの格好で、裸足のまま、街をうろつくヤマネの姿を。<br />  そして思うのだ。<br />  幹也が約束を破ったのは、これが始めてではない。いつもは、約束を破って、家に帰っていた。<br />  けれど、今日はたまたま――妹と、町に出た。大人びて、幹也と似ていない妹と。<br />  そして、たまたまではなく、いつものようにヤマネは街をさ迷って、幹也の姿を見かけた。<br />  そして、ヤマネは、仲が良さそうに手を組み、ケーキを買う幹也と妹を見て、こう思ったに違いない。</div> <div> ――いつも、あの子と一緒にいるんだ、と。</div> <div> 幹也と妹が店から出ても、ヤマネは一歩も動かなかった。<br />  へらへらと笑っている。<br />  へらへらと、壊れたかのように笑っている。<br />  その姿を妹は不審げに見ている。幹也は、真顔で見つめている。<br />  笑ったまま、ヤマネは言った。</div> <div>「お兄ちゃんっ! ヤマネのこと、好きっ?」</div> <div> 妹が不審げな顔を深める。<br />  幹也は、感情を込めずに、あっさりと答える。</div> <div>「ああ、好きだよ」</div> <div> その言葉を聞いて、ヤマネは、へらへら笑いではない、満面の笑みを浮かべた。</div> <div>「そっかっ! じゃあ、お兄ちゃんっ、また明日ねっ!」</div> <div> 言って、笑ったまま、どこかへ去っていった。<br />  裸足で去っていく姿から、幹也はあっさりと視線を外し、言う。</div> <div>「帰ろうか」<br /> 「兄さん」</div> <div> 歩き出そうとした幹也の腕を掴んだまま、妹は不審げな表情のままに、尋ねた。</div> <div>「今の人は知り合いですか?」</div> <div> 幹也は、平然としたまま、あっさりと答えた。</div> <div>「知らない子だよ」</div> <div><br />  その日は、それだけで終わった。</div> <div><br />  そして、全てが終わり始めたことに、幹也はまだ気づいていなかった。</div> <div>(続)</div> <div> </div> <div>57 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 03:38:08 ID:UCmT86MI<br /> いい感じに病んできましたなー。</div> <div>妹にも期待</div> <div> </div> <div>58 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 23:06:36 ID:xM4iJZ1Z<br /> 作者様GJ(*´д`*)ハァハァ<br /> 時間軸をそろそろ自分の中でに整理しないと<br /> 俺の頭では理解が限界、折角の良作を楽しむためにも<br /> ちょっと脳年齢上げてくる</div> <div> </div> <div>59 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/04(日) 01:11:44 ID:qc8UBzFa<br /> &gt;&gt;58 氏<br /> わかりづらいので一応補足をば。</div> <div>里村・春香時代(回想)<br /> &gt;&gt;35<br /> &gt;&gt;43<br /> &gt;&gt;47</div> <div>ヤマネ時代(ほぼメイン)<br /> &gt;&gt;21-26<br /> &gt;&gt;29-32<br /> &gt;&gt;48-49<br /> &gt;&gt;53-56</div> <div>グリム時代(現在)<br /> &gt;&gt;36-38<br /> &gt;&gt;44</div> <div> </div> <div>60 名前:58[sage] 投稿日:2006/06/04(日) 01:49:35 ID:cByhBQ4R<br /> 作者様の手を煩わせてしまい申し訳ない(*_ _)人<br /> 改めて良作ップリを味あわせていただきました(*´д`*)</div> <div> </div> <div>61 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/04(日) 03:32:06 ID:sVLyjdlB<br /> ヤマネもいい病みっぷりだが<br /> 妹に期待しちゃう…<br /> キモウトだとええなあ</div> <div> </div> <div>62 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/04(日) 05:58:40 ID:1U8Y5B+2<br /> 俺もキモウトがいいなぁ。</div> <div> </div> <div>63 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 02:23:08 ID:HVNZGBN/<br />  翌日。幹也は学校が終わると同時に、喫茶店「グリム」へと向かった。<br />  ヤマネが「明日」と言ったからではない。<br />  単純に、退屈だったからだ。退屈だったからこそ、いつものようにグリムへ行き、地下の狂気倶楽部へと向かった。<br />  いつものように、そこには二人の少女がいた。<br />  マッド・ハンターと、ヤマネだ。<br />  幹也は唄いながら十三階段を降り終え、二人に挨拶した。</div> <div>「おはよう」<br /> 「ん、ん、ん? おはようと言った所でもう夕方よ」<br /> 「授業中退屈で寝てたんだよ――おはようヤマネ」</div> <div> 言葉を向けられると、ヤマネの顔に、満面の笑みが浮かんだ。<br />  脳が蕩けたかのような笑顔を浮かべながらヤマネが言う。</div> <div>「おはよっ、お兄ちゃんっ! 今日はなにするっ!?」</div> <div> にこやかに挨拶をするヤマネに笑いかけ、幹也はいつもの指定席に座る。<br />  長机の一番奥の椅子に。<br />  いつもと違う事があるとすれば――幹也が本をとるよりも早く、その膝の上に、ヤマネが乗ってきたことだ。<br />  まるで、昨日の分も甘えるとでも言うかのように、ヤマネは全身で幹也にすりよる。<br />  臭いをつける猫に似ていた。<br />  ヤマネが、二つ名の通りに『ヤマネ』ならば、今ごろ幹也は穴だらけになっていただろう。</div> <div>「今日はずいぶんと甘えるね」</div> <div> 幹也もそう感じたのか、言いながら栗色の髪の毛を撫でる。<br />  撫でられたヤマネは気持ち良さそうに微笑み、言う。</div> <div><br /> 「――お兄ちゃんっ、昨日のコって誰かなっ!?」</div> <div> </div> <div>64 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 02:32:12 ID:HVNZGBN/<br />  唐突なその問いに、幹也の手が止ま――らなかった。<br />  まったく動揺することなく、頭をなでながら、幹也は言う。</div> <div>「妹だよ」<br /> 「妹?」</div> <div> 逆に、ヤマネの動きが止まった。<br />  その答えをまったく予想していなかったのか、瞳はきょとんとしていた。<br />  何を言っているのかわからない、そういう顔だ。<br />  家族がいないとでも思っていたのだろうか――そう思いながら、幹也は言う。</div> <div>「妹。家族だよ」<br /> 「仲」惚けたまま、ヤマネは問う。「良いのかなっ?」</div> <div> 見ての通りだよ、と幹也が応えると、ヤマネは「そっかぁ。えへへ」と、笑った。<br />  楽しそうに、笑った。<br />  楽しそうに笑う場面ではないというのに。安堵の笑みなら分かる。幹也を取られないという安堵ならば。<br />  けれども、ヤマネの笑いは違った。<br />  どこか被虐的な――自嘲じみた、歪に楽しそうな笑みだった。</div> <div>「家族かぁ! いいなぁ、いいねっ! お兄ちゃんも、ヤマネの家族だよねっ、だってお兄ちゃんだもんっ!」</div> <div> 楽しそうに笑ったままヤマネは言う。<br />  幹也は「そうだね」と適当に頷き、ヤマネの軽い体を机の上に置く。<br />  退屈だった。<br />  妹もヤマネもどうでもよかった。退屈を潰せるのならば。<br />  いつものように――幹也は、ヤマネの首に手をかける。</div> <div><br /> 「うふ、ふふふっ、うふふふふっ! あは、あはっ! お兄ちゃん、楽しいねっ!」</div> <div> ヤマネは笑っている。<br />  いつもとはどこか違う、歯車が一つ壊れたような笑み。<br />  幹也は構わない。歯車が壊れても遊べることには変わりない。<br />  歪な、歪な今までとは違う歪さの二人。</div> <div> その二人を見ながら、マッド・ハンターはひと言も発さず、楽しそうに笑ってみている。</div> <div> </div> <div> </div> <div>65 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 02:39:15 ID:HVNZGBN/<br />  結局、その日は、いつもよりも早く帰ることになった。<br />  ヤマネの反応が、いまいち面白くなかったからだ。常に笑っているだけでは、壊しがいがない。<br />  反応を返してくれるからこそ、退屈しのぎになるのだ。<br />  そう考えながら、幹也は一人、家へと帰る。<br />  ごく普通の一般家庭の中に、普通の子供として帰る。<br />  肌に少女の臭いが残るだけだ。家族は情事としてしか見ないだろう。<br />  まさか首を絞め、異常な交わりをしているとは、少しも思わないだろう。</div> <div>「雨に――唄えば――雨に――唄えば――」</div> <div> ワン・フレーズを繰り返しながら幹也は歩く。<br />  頭の中には、もうヤマネのことはない。あるのは、里村・春香のことだ。<br />  図書室から飛び降り自殺をした春香のことを考える。<br />  今もなお考えるのは――死んだ瞬間、春香のことが好きだったからだと、幹也はなんとなく考えている。<br />  一瞬だけ退屈がまぎれるような――人を好きになれるような――幸せだと感じるような――<br />  不思議な感覚が、『あの一瞬』にはあった。<br />  人にとっては異常とも思える思考と記憶にたゆたいながら、幹也は家へと帰る。</div> <div>「雨に、唄えば――」</div> <div> 唄いながら扉を開け、家へと入る幹也は気づかない。</div> <div>――電柱の陰に隠れるように少女がいる。ワンピースをきて、栗色の髪の毛をした少女が。裸足のまま、じっと、幹也が入っていった家を見ている。</div> <div> ヤマネに、後をつけられ、家を知られたことに、幹也は気づかない。<br />  幹也の家を知り、幹也の部屋に電気がついたことを確認したヤマネは、楽しそうに笑いながらその場を去っていく。<br />  ヤマネの頭にある考えは、一つだけだ。</div> <div><br /> ――お兄ちゃんは、ヤマネだけのものなの。</div> <div> </div> <div>(続)</div> <div><br /> 66 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 15:27:00 ID:k8WbBjNn<br /> ヤマネVSキモウトの予感…!</div> <div> </div> <div>67 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/05(月) 21:27:56 ID:+jTKkPfr<br /> 今書いているのが有るんだが、登場人物紹介だけ。<br /> 南校生徒、山岳部<br /> 1:井田 敦也(イダ アツヤ)二年三組。<br /> 無愛想で、友達は少ないが、その友達の質は高い。いつも冷静沈着。<br /> 2:高田 翔太(タカダ ショウタ)二年三組。<br /> 自称、敦也と親友関係。もてたいがそれが前に出過ぎるため、もてない。童貞。学園卒業前に、脱童貞を目指す。<br /> 3:桐谷 美保(キリヤ ミホ)二年三組<br /> 敦也の幼馴染みであり、唯一敦也が普通に話せる相手。敦也の事が好きだが、その事に疎いためヤキモキしている。影の学園アイドル。<br /> 4:市原 奏(イチハラ カナデ)二年四組<br /> 自他共に認める学園のアイドルだが、少し我が儘なとこが玉に傷。容姿端麗、頭脳明晰と、完璧なタイプ。それを鼻にかけるのがまた厄介。<br /> 5:神崎 光(カンザキ ヒカリ)二年四組<br /> 活発で、男勝りな所があるが、美少女の部類に入る。翔太とは喧嘩友達といった辺りだが、互いに好意があるかは不明。<br /> 6:神崎 明(カンザキ アカリ)二年二組<br /> 光の双子の妹だが、性格は正反対でおとなしく、地味。そのため、双子でも簡単に見分けられる。昔目の手術に失敗し、眼鏡が無いと何も見えない。</div> <div><br /> 68 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/05(月) 21:30:09 ID:+jTKkPfr<br /> 7:楠木 絵理(クスキ エリ)二年一組<br /> 昔の事故により、片足が不自由な女の子。既に治っているのだが、精神的なもので動かないため、筋力が衰えてしまった。読書が大好き。<br /> 8:高田 由良(タカダ ユラ)一年二組<br /> 翔太の妹。兄譲りのお調子者な性格で、ムードメーカ的な存在。翔太の友人である敦也が好きだが、美保の気持ちを知っているので抑えている。<br /> 9:馬場 隆(ババ タカシ)<br /> 25歳。筋肉質で、いわゆる体育会系教師。山岳部顧問であり、今回の部活旅行の引率。生徒からの評価は、ごく普通。<br /> ~~~~~~~~~~~~~<br /> 洋館の主<br /> 春川 知奈美(ハルカワ チナミ)本名かは不明。<br /> 今回山岳部に招待状を出した、奏の親戚。とはいえ、奏も見たことがなく、どんな人なのかも不明。噂では、若くて美しい女性だとか。</div> <div>・<br /> ・<br /> ・<br /> ・<br /> ・<br /> ・<br /> ・<br /> グロって有り?</div> <div> </div> <div>69 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 22:42:05 ID:KfB8sfCy<br /> |ω・`) グロの度合いがわからないけど寝取られ系でなければ基本大丈夫<br /> まぁ読者が私一人じゃないからなんともいないけど・・・<br /> グロだからどうこうってことはないと思います<br /> とりあえず設定だけで(*´д`*)ハァハァ<br /> 10人近い人物がどう動くのか期待</div> <div> </div> <div>70 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 22:53:34 ID:tFgb8qQG<br /> メッタ刺し位なら平気<br /> &gt;&gt;69<br /> 俺は、女が男を寝取るとかなら割とすきだなぁ</div> <div> </div> <div>71 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 23:26:04 ID:ivcG0IBK<br /> 最初に明記すればなんでもありじゃない?<br /> スレタイが【ヤンデレ】なんだしさ</div> <div> </div> <div>72 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 23:34:23 ID:hz8qZhvt<br /> 俺は別にグロでもいいと思うけど、あんまり行き過ぎると・・・<br /> 登場人物が多いと大変だろうと思うけど頑張ってください。<br /> 期待してます!!</div> <div> </div> <div>73 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/06(火) 02:28:32 ID:bJP1ejAS<br /> &gt;&gt;63<br /> やばい!!ヤマネがなんかツボすぎる。<br /> そしてまだ攻めには転じていないキモウトにも期待w<br /> 個人的に</div> <div>「お兄ちゃんっ、昨日のコって誰かなっ!?」</div> <div>が相当キタw</div> <div>作者さんGJです!!</div> <div> </div> <div>74 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/06(火) 13:33:27 ID:yF1KkMww<br /> 投下します。<br /> 心臓の弱い方、妊婦はご遠慮(ry</div> <div> </div> <div>75 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/06(火) 13:34:22 ID:yF1KkMww<br /> ――敦也<br /> きっかけは何気ない一言だった。<br /> 「夏休み、みんなで旅行に行かない?」<br /> 奏の提案だった。俺達山岳部……とはいえ、ほとんど活動はしてない……が、奏の親戚の家に招待された。俺は面倒だと言ったのだが、美保に強引に連れられてしまった。<br /> そして今はバスの中。日も暮れて来た時間、山中を進む。かなり高い所まで来た。隣りでは美保が熟睡して居る。無防備なもんだ。<br /> 外の味気無い風景を眺めていると、前に座っていた翔太が、イスから身を乗り出して話しかけてくる。<br /> 「おう、敦也。実はな、今回の旅行、俺には計画があるんだ。」<br /> 「…計画?」<br /> 面倒に思ったが、一応返事はする。<br /> 「人里離れた洋館……たくさんの美少女達……この条件から導かれるのはただ一つ!脱・童・貞!だぁぁぁぁ!!!!」<br /> お前が報われないのはそこにあるんだぞ?といいたくなるが、黙っておく。言っても無駄だし、自分で気付かないと無意味だろう。<br /> 「な?お前も乗るだろ?」<br /> 「断る。」<br /> 俺にとっては、完全に無意味なことだ。この後、そんな余裕もない程悲惨な旅行になるとは、俺も含めて誰も知らなかった………</div> <div> </div> <div>76 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/06(火) 13:35:27 ID:yF1KkMww<br /> ――由良<br /> 「脱・童・貞!だぁぁぁぁ!!!!」<br /> 兄さんがまた変な事を叫んでいる。妹として、兄のイメージ低下は避けて欲しい……でももう手遅れみたい。みんな引いちゃってる。<br /> はあ、なんであんなのが兄なんだろう。ほら、敦也さんにだって軽くあしらわれちゃってる。……かっこいいなぁ。<br /> でも、そんな敦也さんの肩に頭を乗せながらぐっすりと寝てる美保さんを見ると、胸が痛くなる。<br /> 『私、あっちゃんが好きなんだ、幼馴染みとしてじゃなくて……男の子として。』<br /> それを相談されたとき、本当に泣きそうになった。でも、私も敦也さんが好きだと言ったら、きっと美保さんは身を引いてしまう。優しすぎるから。<br /> そんな事をさせてまで、敦也さんに好きだと言える事なんて無理。だから私は黙っていた。美保さんも好きだから、二人には幸せになって欲しい。<br /> 私が……私さえ我慢すれば、全部丸く収まるんだ。だから我慢…………でも、黙っていれば、離れて見てていても構いませんよね?<br /> 兄さんを避けるように顔を背けた敦也さんと目が合い、苦笑いされる。ああ……また、私の胸が疼く……敦也さんがイケナインデスヨ?</div> <div> </div> <div>77 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/06(火) 13:36:37 ID:yF1KkMww<br /> ――翔太<br /> 俺の懇願虚しく、周りからは色のいい反応はもらえなかった。<br /> 「な?お前も乗るだろ?」<br /> 無理やり敦也を誘ってみる。わが親友ならわかってくれるはず……<br /> 「断る。」<br /> と思ったが、こいつはそういう奴だったよ。ちょっと腹癒せにからかってみる。<br /> 「お前はいいよなー。もうかわいい候補がいるからさぁ。」<br /> 敦也の隣りで寝てる美保ちゃんを見ながら言う。どうみても美保ちゃんが敦也に好意を持ってるのはバレバレだ。だから俺としても二人がくっついてくれるのはありがたい。<br /> だから絶対に美保ちゃんには手を出さないようにする。ただ一つ問題なのは……<br /> 「候補?誰が?なんの?」<br /> 敦也本人が爆発的に鈍感って事だ。わざとか?と思うほど、色恋ざたははぐらかす。<br /> 「美保ちゃんが、さ。」<br /> 「まさか。」<br /> 苦笑いしながら顔をそらす。その目線の先には由良がいた。……む、こいつ、もしや俺の妹狙いか。もし由良と敦也が結婚までいくとなれば……<br /> 『今後ともよろしくお願いします、兄さん。』<br /> 『兄さん』『兄さん』『兄さん』<br /> それを想像しただけで吐き気が…………</div> <div> </div> <div>78 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/06(火) 22:52:53 ID:lVzMyppW<br /> |ω・`) 一体誰が病むのかワクテカ<br /> それにしても兄貴、結構キてるなぁ((;゚Д゚)ガクガクブルブル</div> <div> </div> <div>79 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/07(水) 21:43:54 ID:yONoAegT<br /> 保守だ。</div> <div> </div> <div>80 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/07(水) 23:28:25 ID:P9556osH<br /> ヤマネマダァァァァァ??</div> <div> </div> <div>81 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/08(木) 00:41:43 ID:ghfOlPng<br /> &gt;&gt;76<br /> (;´Д`)ハァハァ<br /> つ、続きを早くヤンで</div> <div> </div> <div>82 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/08(木) 06:50:22 ID:S6xMSoai<br /> あぁ、由良がいい感じで病んでるなぁw<br /> 美保が出てきてないけど……ワクワクしながらまってますぉ!</div> <div> </div> <div>83 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/08(木) 10:38:35 ID:4nKORfYh<br /> よく分からんが、定義としては<br /> S県月宮みたいな奴のことをいうのか?>ヤンデレ</div> <div> </div> <div>84 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/08(木) 13:43:23 ID:RqCur5RQ<br /> ――美保<br /> とても心地良い、あっちゃんの肩。寝たフりしてるけど、本当は最初からずっと起きてる。ドキドキして寝れないから。<br /> 考えてみれば、あっちゃんが居る旅行なんて初めて。無理やり連れて来てもよかった。翔太君が変な事を叫んでいたけど、私も似た様なことを考えている。<br /> この旅行の間に、あっちゃんと………<br /> そんなことを考えていたら、体が暑くなってきちゃった。いけない、いけない。私は変な子なんだろうか?<br /> 誤魔化そうと薄目をすると、あっちゃんが私を見ていた。一瞬似して体が硬直してしまった。な、なんでこっちを見てるの!?<br /> 「こいつ……」<br /> なにか呟いてる。<br /> 「面白い癖っ毛だな。」<br /> ガクッ<br /> はぁ、なんか期待外れ……まあ、あっちゃんに期待するのも無駄かな。私が引っ張っていかないとだめだからね。</div> <div>そろそろ起きようかと思った時………<br /> ガタン<br /> 「んん?」<br /> バスが少し揺れ、運転をしていた先生が声を出す。<br /> 「おかしいな……ガソリンはまだあるし、故障か?」<br /> 周りから不満の声が上がる。<br /> 「いいじゃない、あれが目的地なんでしょ?あれぐらい歩いて行きましょうよ。」<br /> 奏ちゃんがそう提案した。</div> <div><br /> 85 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/08(木) 13:44:14 ID:RqCur5RQ<br /> ――奏<br /> 私が提案したように、皆で森を抜け、歩いて洋館まで向かう。<br /> まったく、こんな不便な所に別荘を建てるなんて理解できない。しかも余り知らない親戚から招待されるなんて、なんかおかしい。<br /> でもまあ、みんなそれなりに楽しみ似しているようなのでよしとする。<br /> 少しだけ舗装された道を歩くこと数十分。やっと正門までたどり着いたけど……<br /> 「で、でけぇ~~!!」<br /> 翔太君がみっともなく大声で叫ぶ……無理もない。本当に大きいのだ。山の森に隠れていたためか、近付くまでわからなかったが、正門から見ただけでもウチの学校の校舎ぐらいはある。<br /> こんなところに住むなんて、とても疲れそうだ。<br /> 「あ、あれ何?」<br /> エリっちが不思議そうに指差した先には……<br /> 「時計塔、か。」<br /> あら、珍しい。敦也が答えるだなんて。<br /> 確かにそこには時計塔があった。ちょうど私達の居る正門とは正反対で、洋館を線対称に分けるように中央にそびえたっている。<br /> 夜の闇にライトアップされたそれは、妙に不気味に見えた。その上……<br /> 「つ、つめたい!」<br /> 雨まで降り出した。敦也君が珍しくしゃべるからよ!</div> <div><br /> 86 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/08(木) 13:45:56 ID:RqCur5RQ<br /> ――絵理<br /> 「ほら、冷えてきたから、さっさと入るぞ。」<br /> 先生が促すと、皆で正門に入る。松葉杖をついている私を、光ちゃんが、しっかりと支えてくれる。こんな私が山岳部なんかに入った理由がこれだ。<br /> 障害があり、なかなか部活に入れなかった私を、カナちゃん(奏)が誘ってくれた。ちなみにカナちゃんが山岳部に入った理由は、『暇そうだから』らしい。<br /> それから私とカナちゃんは親友になった。カナちゃん以外も皆優しくてとても助かっている。<br /> 庭の中央まで来た時、異変は突然起こった。<br /> ガシャン!<br /> 大きな音がして振り返ると、鉄の正門が閉じていた。<br /> 「風かな?」<br /> 光ちゃんが言った直後………<br /> ガルルルルル……ワンッ!!<br /> 犬の吠える声が聞こえた。よく見ると、庭の隅の穴から、五匹ぐらい這い出ていた。その私たちを見る目は、餌に飢えた獣のようだった。<br /> 「あ、あれって!軍用犬じゃない!みんな逃げて!」<br /> そうカナちゃんが叫ぶと、皆スイッチが入ったように混乱し、玄関へと走り出す。そんな中私は……<br /> 「いよっと!」<br /> 翔太君におぶられていた。………そんな翔太君の横顔が、なんとなくかっこよく見えた………</div> <div> </div> <div>87 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/08(木) 17:00:30 ID:XG2Ju9NL<br /> なんかサスペンスの臭いが((;゚Д゚)ガクガクブルブル<br /> これはいいヤンデレ洋館ものですね(*´д`*)</div> <div> </div> <div>88 名前:十月五日午前三時の君達へ[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 06:16:24 ID:8ZzyCs2Z<br /> 七月十日<br /> 拝啓、お元気ですか?<br /> こちらは元気です。<br /> 湿った六月も明け、七夕を経て、半端な時期に梅雨も終わって、ようやく夏がやってきそうです。<br /> 先日、一人暮らしをしていた弟が私の住む実家に帰ってきました。<br /> 半年間メールでしか連絡を取っていなかったので、久々に弟と顔を合わせて話せたので心臓がどきどきしています。まるで恋する乙女の様です。弟は夏休みの間はこちらにいるようなのでその間、何をして弟と過ごすか色々と考えている今日この頃。</div> <div>七月十五日<br /> 今日は弟と一緒に映画館に行きました。内容はあまり覚えていません。ずっと弟の横顔を眺めていたので。<br /> 帰りに弟とショッピングモールで買い物をしました。弟が付けている地球をモチーフにしたピアスがあったので、それを購入。<br /> おそろいですね。と言うと少し頬を紅くして、照れていました。可愛いです。<br /> だけど、家に帰る途中に弟の友達と名乗る妙な女が弟を連れて行ってしまいました。そこは今日という素晴らしい一日の唯一の汚点で、どうもいただけません。<br /> 死ねば良いのに。</div> <div>八月九日<br /> 今日は弟と一緒に海に行きました。<br /> 本当は人前に肌を晒すのは嫌なのですが、弟に見られるとなると話は別です。散々胸元を弟の元を弟の前で見せびらかす事に成功。<br /> やりました。<br /> 少しはこちらを意識してくれたでしょうか?<br /> 帰りの電車でつい、うとうとしてしまったのですが、弟の視線がちらちらと私の胸にいっているような気がします。<br /> 早く襲ってくれればいいのですが。</div> <div> </div> <div>89 名前:十月五日午前三時の君達へ[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 06:20:45 ID:8ZzyCs2Z<br /> 八月十九日<br /> 今日は弟と家でごろごろとしていました。たまにはだめ人間になるのも良いものです。<br /> 朝はトースト。お昼はパスタ。夜にはカレーを作って食べました。<br /> この調子で弟も食べてしまいたくなります。<br /> ずっと二人でこの家で、誰にも阻まれず、弟と心逝くまでとろけてしまいたくなります。<br /> 弟の滞在期間もあと半分です。その間に理性は保ってくれるでしょうか?崩れるのも一興ですが。</div> <div>八月二十五日<br /> 最近、弟がよそよそしいです。家に帰る時刻が遅く。前までは遅くなるとその旨を伝えるメールが来るのですが、それさえもありません。<br /> 何だか寂しいので今夜も一人、体を慰めながらの就寝です。<br /> 八月三十日<br /> 悔しい。弟と同じ血が流れるこの体が恨めしい。あの女。よりにもよって私の弟と繋がったようです。<br /> 決め手は弟の体から女の臭いがして来たからで、私は今すぐにでもその臭いをわたしの臭いで多い被せたくなりました。<br /> しかし、人の良い弟の事です。どうせあの女が何か泣き落として無理やりに抱かせたに違いありません。<br /> 先月にあった時に直感で理解しました。ろくでもない発情した動物と同類だと。<br /> 殺してやりたい。</div> <div><br /> 九月四日<br /> 弟の瞳は私のもの。<br /> 指は喜ばせ、唇は私を震わせる。耳に届く声は甘い呪いの呪文。舌は否応にも私を濡らせ、抱き締める腕でさらわれてしまいたい。<br /> 体の全てで弟を感じて、想いの全てで弟を受け入れました。<br /> しあわせ。<br /> もう、はなさない。</div> <div>九月十八日<br /> 今日も一日中弟と繋がり合いました。<br /> 朝起きて、私の奉仕で目覚めそのまま一回。<br /> 午前は居間で飽きるほどに互いの秘所を舐め逢いました。<br /> 昼食の準備の最中に襲われ、はしたなく食事中も私の中に弟は挿さったままでした。<br /> 午後になって私の胸で一回。今まで私の胸で興奮した事があるそうです。嬉しい。<br /> 夕方になって夕飯の買い物の帰り近所の公園の御手洗いで一回。<br /> 夕飯を食べた後、御風呂の中で二回。浴場で弟と洗いっこ。どんどん元気になって行く弟が印象的でした。<br /> 私も隅々まで洗われて、絶頂まで連れて行かれてしまいました。恥かしいです。</div> <div><br /> 90 名前:十月五日午前三時の君達へ[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 06:24:06 ID:8ZzyCs2Z<br /> 九月二十日<br /> 弟はこちらに残るそうです。あまりの嬉しさに泣いてしまいました。最近泣いてばかりです。アノ時も泣きっ放しです。姉としての威厳が。</div> <div>夕飯の買い物を一人で済ませ、帰り道の途中にあの女と会ってしまいました。<br /> 泣きはらしたような目でこちらを見て、<br /> 変態。<br /> と、静かに呟いて去って行ってしまいました。<br /> 負け犬の遠吠え。思わず笑い出しそうになるのを押さえるのに必死でした。<br /> これからずっと弟と一緒だと考えると淫らな気持ちになってしまいました。<br /> 帰ったらうんと恥かしい御仕置をしてもらわなくてはなりません。</div> <div>九月二十九日<br /> しにたい。</div> <div>十月一日<br /> きょうはわたしたちのなかをじゃまするふたりをやっつけました。<br /> おとうともわたしのかんがえにさんせいしてくれました。なつのあいだかれにあたえていたくすりのせいかです。<br /> いいぐあいにかれのこころをてにいれることができました。</div> <div>いまでわたしたちのりょうしんがふたつならんでしんでいます。<br /> どうでもいいことです。<br /> さて、いまからまたおとうとときもちよくなってきます。</div> <div>十月五日<br /> 拝啓、お元気ですか?<br /> 私はあまり元気ではありません。昨日から弟がベッドから起き上がってくれないのです。<br /> ベッドの上には相変わらず弟から流れた血で紅く汚れています。<br /> 早く起きて欲しいです。私を驚かそうとしているのですね?騙されませんよ。<br /> さあ、早く起きて朝ご飯を食べましょう?朝に食べないと体に悪いんですよ?食べ終わって、それで早く私も食べてしまってください。<br /> いつまで寝ているんですか?さあ起きましょう。天気も良いですよ。二人で久し振りに外に出かけましょう?<br /> ねえ、起きましょう…?<br /> ねえ、はやく…<br /> ねえ…<br /> ベッドの上には相変わらず手首に傷をつけた弟がいつまでも横になっていました。</div> <div><br /> 91 名前:作者[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 06:28:21 ID:8ZzyCs2Z<br /> 眠れなくてふと、書いてみました。<br /> 勢いで書いたので気に入っていただけるか…<br /> 携帯からの書き込み、失礼しました。<br /> それでは名無しに戻ります。</div> <div> </div> <div>92 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 06:57:09 ID:XoOrus3h<br /> サスペンスと言うよりむしろ、ホラー……?<br /> これからどうなるのやらw</div> <div> </div> <div>93 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 09:34:19 ID:xeKRSHZm<br /> やべぇなんて良スレを発見しちまったんだ……!</div> <div> </div> <div>94 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 10:47:20 ID:E+NqHkk+<br /> キモアネは人類の至宝</div> <div> </div> <div>95 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 18:44:19 ID:bgN0fkZe<br /> 愛に溢れるキモ姉ものが読みたい。<br /> キモ姉こそ、人類最後の希望。</div> <div> </div> <div>96 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 22:00:55 ID:8ZQ++sLn<br /> このスレと修羅場スレは俺にとって聖地。</div> <div> </div> <div>97 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/09(金) 23:24:41 ID:3KxOvOB5<br /> ――敦也<br /> 「ハァ、ハァ、ハァ」<br /> 皆急に走ったため、息が切れている。なんとか走り抜き、ドアを閉め、犬を追い払う事ができた。<br /> 「か、奏!なんであんなのがいるんだよ?」<br /> 「知らないわよ。私だって聞きたいぐらいだわ。」<br /> さすが自称アイドルを誇るぐらいだ。もう息も整え、平然と返事をしている。<br /> 「あ、あっちゃん!大丈夫?怪我なかった?」<br /> 「おまえな…俺の事より自分の事心配しろよ。お前こそ、怪我してないか?」<br /> 「うん…ありがと。」<br /> そう言うとホワッと笑う。<br /> 「しかし許せんな。あんな凶暴な犬を放し飼いにしておく上、迎えも無いとは……ここの主と話をつけてくる。」<br /> 「私も行きます。私がいないと話にならないでしょうから……とりあえず、適当にこちらに行ってみましょう。」<br /> 言うやいなや、先生と奏は十数枚あるドアのうちの一つを開け、さっさと行ってしまった。<br /> 「あっちゃん……どうする?」<br /> 「散歩でもしながら適当に時間つぶすさ……一緒に行くか?」<br /> 「うん!」<br /> それを聞き、俺は美保と一番入口から遠いドアを開け、入っていった。それは……地獄の幕開けだ……</div> <div> </div> <div>98 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/09(金) 23:26:12 ID:3KxOvOB5<br /> ――光<br /> 「ひ、光ちゃん……やめようよ……勝手に入ったら怒られちゃうよ?」<br /> 「なぁーに心配してんのよ。大丈夫だって。」<br /> 私は明と洋館を探索し始めた。あの様子だと先生達が戻ってくるのは遅くなりそうだ。それに……<br /> 「こういう広い家……私の冒険家としての魂が燃えるわよ!!」<br /> 「だからまずいってば~。」<br /> まったく、相変わらず弱気ね、明は。私達は双子だってのに、こうまで違うのかしらね。<br /> 「なによ、あんただって図書室があるかも、っていったら喜んだじゃない。同罪よ。」<br /> 「そんなぁ~」<br /> 「それに、あんなめにあったんだから、これぐらいは許されるわよ。」<br /> おどけながらもしっかりとついてくる。見掛けによらず、本に関しては貪欲だ。本が嫌いな私とは、本当に正反対だ。<br /> やっぱ本なんか読むよりスポーツよねー。<br /> 「それにしても…本当に広いわね…」<br /> 廊下だけでも、相当な長さだ。電気は着いているが、小さな豆電球が等間隔で点いているだけなので、全体的に薄暗く、廊下の先もよく見えない。<br /> ……正直に言えば、不気味なのだ。<br /> 「ほら、この部屋なんか面白いドア……あれ?」<br /> 振り返ると、いつの間にか明が居なかった。さっきまではいたはずなのに………</div> <div><br /> 99 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/09(金) 23:27:13 ID:3KxOvOB5<br /> ――???<br /> あなたがついにやってきた。私が招待した洋館へ。でも、正確にはこの洋館にすんでいいのはあなただけ……<br /> 他の人は皆消すだけ。私とあなたは一生をここで過ごす……最初の犬に、誰も食い殺されなかったのは残念……でも安心して。<br /> 邪魔者を消す方法なんて、いくらでもあるから……私にまかせてくれれば、きっと……いえ、絶対うまくやってみせる。<br /> 「ん?おお、――か。こんな所でどうした?」<br /> 馬場隆……あなたの通う学校の先生…邪魔な人…<br /> 私は誤魔化すため、道に迷ったと言う。あたりに人はいない。殺るなら今。<br /> 「そうか、じゃあ俺と一緒にホールに戻ろう。この洋館に住んでる人が見当たらん。」<br /> そう言うと、なんの疑いもせず、背中を向ける。……馬鹿な人。背中に隠していたネイルハンマーを取り出し、振りかざす。…もちん、釘抜きの方を向けて………振り下ろす!<br /> ガッ!<br /> 「ぐあ!?」<br /> 一撃で膝を突く。まだまだ足りない。消えてもらわないと。<br /> ガッ!ガッ!<br /> 「やめ…――!な、にを……す……」<br /> 私の名前が呼ばれるが、構わない。私の名前を呼んでいいのはあなただけだから。他の奴等は……虫酸が走る。<br /> ガッ!ドカッ!グバッ!<br /> 打撃音が水気を含む音に変わる。<br /> 「ふふふ…アハハハハハはははははは………」<br /> グバッ!ドッ!グシュッ!<br /> もう完全に死んでいる。それてもまだ振り続ける。あなたのためにしていると思うと、快感で体が熱くなり、止まらなくなる。<br /> 「まっててね……私の大事な大事な……なによりも大事な弟………――ちゃん…ふははは……あっはは………」<br /> 気付けばもう、叩くところが無くなっちゃった……残念………</div> <div> </div> <div>100 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 00:07:12 ID:1Og+TXND<br /> サスペンスキタ━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━!!!!<br /> 続きwktk!+(0゚・∀・) + テカテカ +</div> <div> </div> <div><br /> 101 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 00:30:03 ID:M/U1Dsv6<br /> イキナリ惨殺キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!<br /> 最高のスレだ、ここは。<br /> 全部早く続き読みてー!!</div> <div> </div> <div>102 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 00:39:49 ID:uj/kMvwy<br /> ヤマネの方にもトリップつけたほうがいいのかな……<br /> とりあえず死の館の続きを楽しみに待っています</div> <div> </div> <div>103 名前:65の続き[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 00:56:48 ID:uj/kMvwy<br />  その日、珍しいことに、幹也は学校に行かなかった。<br />  その日、珍しいことに、喫茶店「グリム」にヤマネはいなかった。<br />  地下図書室には、いつもの姿をした、マッド・ハンターだけがいた。</div> <div>「おや、おや、おやまあ! これは珍しいわね。おサボリ?」<br /> 「おサボリのお欠席だよ」</div> <div> 言って、幹也はいつもの席に座った。いつもと変わらない制服姿。鞄には教科書と弁当が詰まっている。<br />  本当は、学校に行くつもりだったのだ。<br />  学校に行こうとして――そのまま、喫茶店「グリム」へと来たのだ。<br />  完全な気まぐれだった。<br />  完全な気まぐれだと、椅子に座るその瞬間まで、幹也自身もそう思っていた。</div> <div>「それでそれでそれで? きみはどうして学校を休んだの?」<br /> 「同じように学校を休んでる君に言われたくないけどね――いや、そもそも、学校に『居る』の?」</div> <div> 幹也の問いに、マッド・ハンターは唇の端を吊り上げて笑った。<br />  答える気はない、と笑みが告げている。<br />  幹也はため息を吐き、「それならば僕も答える必要がないな」と呟いて、<br />  ようやく、気づいた。</div> <div>「ああ、なるほど。死んだからだ」<br /> 「――?」</div> <div> 幹也の突然の言い分に、マッド・ハンターが首を傾げる。<br />  構わずに、幹也は独り言のように呟いた。</div> <div>「『先代』が死んでから、ちょうど半年だ」<br /> 「ほう、ほう、ほう!」</div> <div> 楽しそうなマッド・ハンターの声を、幹也はもはや聞いてはいない。<br />  頭の中にあるのは、『先代』との思い出だけだ。<br />  先代。<br />  十二月生まれの三月ウサギ――里村・春香。<br />  ちょうど一ヶ月前の放課後に、彼女は、図書室から飛び降りて死んだのだった。<br />  そして、それは、幹也にとっても特別な日だった。<br />  先代が死んだから、でも、三月ウサギになったから、でもない。<br />  生まれて初めて――『退屈でない』と思った日だからだ。</div> <div><br />  </div> <div> </div> <div>104 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01:06:52 ID:uj/kMvwy<br /> 「君は、君は、君は――」マッド・ハンターが楽しそうに言う。「彼女が好きだったのかな?」「<br /> 「彼女?」<br /> 「『12月生まれの三月ウサギ』」</div> <div> いきなりとも言えるマッド・ハンターの問いかけに、幹也は悩む。<br />  傍から見れば、付き合っているように見えた――わけがない。<br />  幹也と春香の関係は、図書館の夕暮れ、誰もいないところだけだったのだから。<br />  今でも、幹也と春香の関係を知る人などいないだろう。葬式に出た、くらいだ。<br />  そして。<br />  実際の『関係』がなかったかといえば、NOだ。<br />  ヤマネにするような関係を、幹也は、春香としていた。<br />  12月生まれの三月ウサギ。<br />  12月に生まれたウサギは――死にやすい。<br />  その通りに、春香は、今にも死んでしまいそうな人間だったし、実際に死んでしまった。<br />  彼女が死んだ瞬間を思い出しながら、幹也は言った。</div> <div>「好きだよ」</div> <div> 好きだった、ではなく。好きだ、と幹也は言う。<br />  その答えを聞いて、マッド・ハンターは笑う。</div> <div>「ふぅん、ふぅん、ふぅぅぅん。それも嘘かい?」<br /> 「さあね」</div> <div> 幹也は肩を竦める。本を探す気にはなれなかった。<br />  相変わらず退屈だ。<br />  そして、退屈でなかった一瞬を、思い出していたかった。<br />  里村・春香が死んだ瞬間を――唯一、退屈でないと思えた瞬間を。</div> <div>「ふむ、ふむ、ふぅむ。私も見たかったわ、その瞬間。もう一つだけ質問いいかな?」<br /> 「駄目って言っても聞くんだろ?」<br /> 「まぁねまぁねまぁぁね。それで、自殺した先代は――君が殺したの?」</div> <div> 酷く核心的な、酷く確信的な問い。<br />  全ての前提を覆すような問いを、笑いながらマッド・ハンターは吐く。<br />  幹也は、その問いに、真顔で即答した。</div> <div>「――さあね」</div> <div> </div> <div><br /> 105 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01:19:53 ID:uj/kMvwy</div> <div> 結局、その日は、幹也は学校には行かなかった。<br />  ほぼ一日中、本も読まず、楽しいと、退屈ではないと思えた一瞬のことを思い出していた。<br />  思い出している間は――かすかだけど、退屈さが紛れるような気がしたからだ。<br />  席を立ったのは、十六時前。<br />  いつも喫茶店「グリム」に来る時間よりも、かなり早かった。<br />  ヤマネもいないので、家でゆっくりと思い返そう――そう思ったのだ。<br />  帰る道すがら、幹也は、ぼんやりと思考をめぐらせていた。<br />  帰ったら妹がいるだろうか、一昨日買ったケーキがまだ残っているだろうか。<br />  父と母は家にいるだろうか。時間が不定な家族は、いつ家にいるかわからない。<br />  いなければいい、いてもいなくても退屈なのだから、いないほうが静かだ――そう幹也は思った。<br />  そして、そんなことよりも、頭にあったのは。<br />  里村・春香のことだ。<br />  彼女の最後の言葉を、幹也は思い出す。</div> <div>『――幹也くん、私はもう疲れた』</div> <div> 心の底から、疲れきった、生気の無い声。<br />  いつものように首を絞められながら、春香はいった。</div> <div>『――だから、お終いにしよ』</div> <div> それが、最後の言葉だった。<br />  その数秒後――春香は、図書室の窓から落ちて自殺したのだから。<br />  その光景を思い出して、幹也は小さく笑う。<br />  地面に咲いた赤い花。<br />  肉と臓物と血で出来たきれいな華を思い出して、幹也は歩きながら笑った。<br />  あの瞬間。<br />  あの瞬間だけは、退屈でなかったのだから。<br />  いまもなお退屈をかかえる幹也は、退屈でないときを思い返しながら、歩く。<br />  あっという間に家へとたどり着き、チャイムを鳴らした。<br />  ぴんぽん、という間抜けな音。<br />  誰も出なかった。そもそも、誰かが出るとは思っていなかった。とりあえず鳴らしただけだ。<br />  玄関を入り、ポケットから鍵を取り出し、ドアノブを掴み、</div> <div>「……あれ?」</div> <div> そこでようやく、幹也は異変に気づいた。<br />  ドアノブが、回ったのだ。<br />  鍵を差し込んでいないのに。<br />  鍵は――かかっていなかった。<br />  誰かいるのだろうか。チャイムに気づかなかったのか? そう思いながら、幹也はドアノブをひねり、<br />  扉を、<br />  開けた。</div> <div><br />  ――そして幹也は、むせ返るような赤を見た。</div> <div> </div> <div><br /> 106 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01:22:39 ID:G1P/sHbL<br /> 乙<br /> なんか主人公が1番のヤンデレみたい?</div> <div>ところでキミキススレにヤンデレが襲来してるな</div> <div> </div> <div>107 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01:26:49 ID:uj/kMvwy</div> <div> 赤と紅と朱。臙脂、橙、茶。<br />  思いつくかぎりの、この世に存在する限りの赤が、そこにあった。<br />  それは、とある赤いものが、元からあった家具や壁や空気と触れ合って、変色した結果だった。<br />  もともとは、くすんだ赤。<br />  黒に近いような――赤。<br />  家の中は、完全に、赤に染まっていた。<br />  濡れた赤。<br />  まだ、乾ききっていない。<br />  幹也の家は、玄関に入れば、扉一枚向こうにリビングが見える作りになっている。<br />  そして、その扉は今、開けっ放しになって――扉の向こうには、赤が広がっている。 <br />  赤に塗れた世界を見て、幹也はなるほど、と納得した。<br />  ――これならば、チャイムに出ることもできないな、と。<br />  扉の向こう。赤い水溜りに沈むように、ばらばらの何かがあった。<br />  皮をはがれ、肉を抉り、骨を削り、臓物を取り出し。<br />  必要以上に――否、必要がないのに、ばらばらにされた、父と母の姿を、幹也は見た。<br />  そして、その奥。<br />  手足から血を流す妹と――その妹の神を掴み、楽しそうに笑う少女の姿を、幹也ははっきりと見た。<br />  普段の白いワンピースは、いまは赤く染まっている。<br />  この部屋と同じように――――溢れる血で、ヤマネは真っ赤に染まっていた。<br />  幹也は、いつものように、ヤマネに声をかける。</div> <div>「やぁ、ヤマネ」</div> <div> ヤマネは。<br />  右手に分厚いナイフを持ち、左手に妹の髪を掴んでいたヤマネは。<br />  まるで人形か何かのように、妹を放り投げ、血の海をばちゃばちゃと言わせながら、幹也へと近づいてきた。<br />  そして、真っ赤に染まった体と、真っ赤にそまった顔で、ヤマネは笑う。<br />  血に塗れ、右手に包丁を持ったヤマネは、死に囲まれた部屋で、満面の笑顔で言った。</div> <div>「おかえりっ、おにいちゃんっ!」</div> <div>(続)</div> <div> </div> <div>108 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01:28:43 ID:uj/kMvwy<br /> &gt;&gt;106<br /> 春香から妹にいたるまで全員の予定</div> <div>主人公は<br /> 「君が一番狂ってるんじゃないのかい?」<br /> と終わり際でネタにする予定</div> <div> </div> <div>109 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01:35:15 ID:thi7MeHr<br /> ヤマネまったてよヤマネ</div> <div>ちょっ<br /> キモウトもうお亡くなり!?そんなのヤダヤダ!</div> <div> </div> <div>110 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01:37:53 ID:1Og+TXND<br /> &gt;&gt;108<br /> おおおおおお殺戮キタコレwwwww</div> <div>GJ!!</div> <div><br /> トリップは別にいいと思うけど<br /> 投下するレス数は書いてもらえるとありがたい<br /> 割り込みとかへるし</div> <div> </div> <div>111 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01:58:37 ID:GWU5lhqh<br /> 鬼、キモウトが死んでルー!!</div> <div> </div> <div>112 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 02:03:47 ID:HPh6ODlY<br /> 続きが気になって仕方が無い。</div> <div> </div> <div>113 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 02:04:18 ID:thi7MeHr<br /> ヤマネヤバスと思ったが</div> <div>主人公が一番こわいお!</div> <div> </div> <div>114 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/10(土) 11:10:02 ID:XKVYYFeK<br /> ――敦也 〈一階東側通路〉<br /> 「なんてこった……」<br /> しばらく歩き進んで初めて気付いた。この通路には所々、廊下を区切る様にドアが設置してあった。<br /> やたらと枚数が多いと思ったのだが……<br /> 「一方通行とはな。」<br /> ホールから見て奥へ進むと、その側のドアに取っ手が無かった。<br /> 「どうしよい、あっちゃん……戻れないよ…」<br /> 美保が泣きそうな顔ですがりついてくる。こういう時に慰める術を俺はよく知らない。<br /> 「戻れない事もないだろ。そんな家があってたまるか。…先に進んで一周でもすれば戻れるさ。」<br /> どうしてかこう刺のある言い方になってしまう。人を拒絶する傾向があるからか。<br /> 「えぇ~。本当に?」<br /> 知るか。と口に出そうだが、喉で止めておく。……美保にだけは、俺を軽蔑のまなざして見てほしくない。<br /> 「大丈夫だ…いくぞ。」<br /> 「あっ……」<br /> グイッと手を引っ張って行く。これぐらいしないとなかなか先へ進んでくれないからだ。そうやって手をつないだ途端、黙ってしまった。<br /> 「ん?」<br /> そうしてまたドアを開けた途端、激しい違和感に襲われる。すぐにわかった。この通路だけ、横に部屋がないのだ。<br /> ドアは突き当たりの一枚のみ……進むしかないか。<br /> 「なに?これ。」<br /> そのドアにはドアノブが無く、一枚の紙が貼ってあるだけだった。<br /> 「えーっと……『スペインとサイパンの違いはな~んだ?わかったら大きく叫ぼう』……?」<br /> その問題を読んだ瞬間……<br /> ガコォンッ<br /> なに大きなものが外れたような音がし、振り返ると………<br /> 「まじかよ…」<br /> さっき閉めたドアが、ゆっくりと迫ってきた…………</div> <div> </div> <div>115 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/10(土) 11:11:04 ID:XKVYYFeK<br /> ――奏 〈一階西側通路〉<br /> 「もう……なんなのよ、ここ……」<br /> 私は完全に道に迷ってしまった。いや、この場合家に迷ったと言うべきか。<br /> その上先生ともはぐれてしまった。……この歳で迷子だなんて勘弁だが、そうも言ってられない。<br /> 携帯を見てみるが、完全に圏外。いまどき電波の届かないところなんてあるのね………<br /> とりあえず、ポケットにある飴玉を舐めて気持ちを落ち着かせる。甘い物は鎮静剤になる。<br /> 「落ち着け……常に冷静に。」<br /> それが私の好きな人の口癖であり、モットーであった。もっとも、その人の事を考えると、落ち着いてもいられなくなるのだが。<br /> 適当にドアを開け、部屋に入ってみると、そこには幾つかの本棚と、机、その上には本が開いてあった。<br /> 「さしずめ書斎っつとこね。」<br /> 臆する事無くイスに座り、本を覗いてみると………<br /> 『森鴎外、夏目漱石、芥川龍之介………いずれも世に名高い賢者である。だが、今の時代には欲にまみれた愚者と成り代わるものあり。<br /> さて、その名を叫び、世に知らしめよ。わからぬ者、自然の恵みにあやかる資格なし。』<br /> 「……?」<br /> まったく意味不明。これが一体なんだと……</div> <div>ガチャ<br /> 席を立とうとした瞬間、横から出たベルトに体を固定される。<br /> 「な、なんなの!?悪ふざけもういい加減に……っ!」<br /> 少し叫んだ時気付いた。……酸素が…薄れてる……</div> <div> </div> <div>116 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 19:09:30 ID:oFeSDvUN<br /> クイズの雰囲気に蠅声の王を思い出した((;゚Д゚)ガクガクブルブル<br /> 最後1対1になったらどうなるのかな(*´д`*)</div> <div> </div> <div>117 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/11(日) 02:20:47 ID:FUN6bYIy<br /> 何気に&gt;&gt;16のプロットが秀逸だな</div> <div> </div> <div>118 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/11(日) 22:55:58 ID:8vhck+0u<br /> うほっ<br /> いいスレ!</div> <div> </div> <div>119 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/12(月) 20:42:01 ID:D/p3jFsP<br /> 保守</div> <div> </div> <div>120 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/12(月) 22:39:33 ID:TNKxT41S<br /> クイズで失敗すると……ってのは怖いなw</div> <div> </div> <div>121 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/13(火) 13:21:41 ID:qDbR0HcX<br /> ――翔太<br /> 皆で洋館の探索に行っちまったため、ホールには俺と由良と絵里ちゃんが残っていた。<br /> 「由良、お前は探索に行かなかったんだな。こういうの好きそうじゃねぇか?」<br /> 「私はそんな子供じゃありまん。それに、絵里さんと二人っきりにしたら何をするかわからないので。」<br /> 「アホか。俺はそんな鬼畜と違うぞ。節度ある紳士で……」<br /> 「紳士はバスで叫びません。」<br /> くっ!さすが我が妹。人の揚げ足をとるのがうまくなってきたな。これは要注意だ。<br /> 三人でしばらく雑談していると……<br /> 「答…は……の数…!」<br /> どこかのドアの向こうから、叫び声が聞こえた。あまり内容は聞き取れなかったが。<br /> その瞬間、ドアの一つが開き、中から敦也と美保ちゃんが出て来た。<br /> 「めずらしぃな。敦也が大声出すなんて。ゴキブリでもいたか?」<br /> 「そんなんじゃないんだよぉ。大変だよ、この洋館……」<br /> 美保ちゃんが必死な顔で説明する。一方通行の通路。なぞなぞと迫ってくるドア。……まったく信じられなかった。<br /> 「おいおい……冗談だろ?それじゃあまるで、からくり屋敷どころか、殺人館じゃねえか!」</div> <div><br /> 122 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/13(火) 13:22:40 ID:qDbR0HcX<br /> ――由良<br /> さすがに今回のことは信じられなかった。いくら敦也さんの言葉とは言え、人殺しの罠なんてないと思ったが……<br /> 「はぁ、はぁ、み、みんな無事?」<br /> 足下がおぼつかない奏さんが、ホールに入ってかた。かなり息が上っているようだ。<br /> そして奏さんからも聞いた。洋館の罠を。<br /> 「そう……敦也君たちも引っ掛かったのね…」<br /> 「ああ、なんとか解けたけどな。……あの庭の犬と言い、本当に冗談じゃすまされないな。」<br /> 目の前の会話がとても難解だった。実際自分が体験していないからなんだろうけど………<br /> 「あれっ?みんな集まってなにしてんの?…先生居ないみたいだけど……」<br /> 明さんと光さんが一緒にホールへ来た。これで先生以外は揃ったことになる。<br /> 奏さんの話を聞いてから、恐怖感が込み上げて来て、寒気がした。今だけ……今だけなら。<br /> そう思い、敦也さんに近付き、自然な形で寄り添った。<br /> 「なんか……怖いです。」<br /> 「大丈夫さ……なんとかなるさ。」<br /> そう言ってもらうだけで気持ちが楽になった……そのとき。<br /> 「由良ちゃん!!」<br /> いきなり美保さんが叫んだ……<br /> 「誰かが殺人者かもしれないんだよ!!?あっちゃんから離れて!!」</div> <div><br /> 123 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/13(火) 13:23:47 ID:qDbR0HcX<br /> ――???<br /> 結局、見回りだけでは誰も罠に掛からなかった。しかも、大切なあなたが罠にかかってしまったのは誤算だ。<br /> あなたになにかあったら……私……。<br /> でも誤解しないでね?あなたじゃなくて、その隣りに居る邪魔者を潰したかっただけなの……そう、自分の感情を押さえ切れず、後輩にキレてる醜い女を……<br /> 「落ち着けって!美保!…由良ちゃんは悪くないだろ?」<br /> あなたの怒気を含んだ声……少しこまった顔……それを見て、聞くだけで、体が熱くなってしまう……下着ももう、ビショビショなのよ?<br /> 「◆†≠…!……∮а#%〒!!?」<br /> 「@&*≒√だ…ろ!?」<br /> あなた以外の声はすべてノイズになってしまう。聞き取る必要も無い。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。<br /> あなたがここに居なかったらみんな消してしまうところだ。でもそれじゃだめ。あなたの見ていないところでやらないと。<br /> 「くそっ……奏。先生はどうした?」<br /> 「…れが……≠∮а°+ー…」<br /> 何?あの男を探してるの?だったら見せたあげる……もう、直視できない様な形だけど、ね。</div> <div> </div> <div>124 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2006/06/13(火) 16:52:09 ID:yC4nLjWD<br /> キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!</div> <div> </div> <div>125 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/13(火) 17:20:27 ID:V/mWpM3x<br /> サスペンスキタ━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━!!!!</div> <div>なるほど徐々に容疑者が減っていくのか……</div> <div> </div> <div>126 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/15(木) 13:22:52 ID:e+FvKVEx<br /> ――敦也<br /> 「ね?あっちゃん、私の隣りに居れば安全だから……みんな…みんな危ないんだから!」<br /> 軽く美保が錯乱し始めていた。あんな目にあったからだろうか。あからさまに周りと接する事を避けて居る。<br /> 「ははは……や、やだなあ、美保ちゃん。俺達が危害加えるわけないだろ?」<br /> 翔太が慌てて仲裁に入る。確かに、今の美保の言ってる事はめちゃくちゃだ。<br /> と、その時、ひゅっと風を切る音。<br /> 「え?」<br /> ガシャーーン!!!<br /> 振り替えると、中央にシャンデリアが落ちてきた。誰もいなかったため下敷きにはならなかったが、そこには………<br /> 「き、キャーーー!!イヤァーー!!」<br /> 一斉に飛び交う複数の叫び声。恐怖、驚愕、悲しみ……そこにはすべてが混じっていた。そう、そのシャンデリアには………<br /> 「はは、あは……う、嘘だろ?」<br /> フラフラと近付く翔太。目線はただ一つ……シャンデリアに巻き付く様になっていた死体だった。<br /> それはもう直視出来る様な物ではなかった。頭は潰され、血は体中にべとべとと張り付き、強烈な死臭を放っていた。俺も込み上げる吐き気を抑え、何とか近付き、確認する………</div> <div><br /> 127 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/15(木) 13:23:34 ID:e+FvKVEx<br /> ――奏<br /> 「これは……先生、だな。顔は潰されてわからないけど……服と言い、体格と言い、間違いないだろ。」<br /> 「……ドッキリなんだろ?なあ、敦也?」<br /> そんなわけない。離れて見ても本物の死体だとわかる。こんな匂いを、偽造できっこない。<br /> でもまずい。この状況で疑われるのは……私だ。<br /> 「奏ちゃん!?」<br /> 真っ先に美保ちゃんに呼ばれた。いや、名前を叫ばれた。ああ、違う。私じゃ……ないのに。<br /> 「奏ちゃん、先生と一緒にいたんでしょ?これ、どういう事なの!?」<br /> 「そんな……私じゃ…ないよ………私は……」<br /> 「奏ちゃんが……やったんじゃないの!?」<br /> 「違う!私だって、途中から先生とはぐれて……それで……」<br /> いくら弁解しても周りの疑いの目ははれない。<br /> 「おい、よせよ美保。言い過ぎだ。」<br /> 「そ、そーだって……たはは……」<br /> こういうとき、男子はフォローしてくれる。<br /> 「あっちゃん!いくら奏ちゃんだからって庇わないで!」<br /> 「そうよ……一番疑いがあるのよ?」<br /> 女子は醜さが露にされる。えりっちまでも私を疑う。酷い、酷い!<br /> 「私じゃない!!……あなたたちの中にだっているんじゃないの!?」</div> <div><br /> 128 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/15(木) 13:24:54 ID:e+FvKVEx<br /> ――絵里<br /> 正直、私も完全にカナちゃんが殺ったと思った。だって、他にできる人なんていない。でも、もしカナちゃんが犯人なら、理由が全く見当たらない。<br /> 少なくとも、カナちゃんが先生に殺意を抱いていたということは見えなかった。人の心は友達でもわからないけど…<br /> 「いやよ…もう、いや、イヤァ!!」<br /> 突然、明ちゃんが狂った様に叫び、一人で走りだして勝手にドアの向こうへ入ってしまった。<br /> 「あ、明!!」<br /> 呆然として立ち尽くす七人。この複雑な洋館に加え、館内を彷徨っているかもしれない殺人鬼のことを考えると、疲れるのも当然か。<br /> 「取りあえず……こうしててもなにもかわんねぇし、明ちゃん探すついでに、此所から出る方法も考えようぜ。」<br /> 翔太君が案を出す。普段はおちゃらけているけど、こういう時には頼りになるのかもしれない。<br /> 「そうだな……明を探す班と、脱出法を探す班。二つに分けるけど、いいか?」<br /> それに続いた敦也君の提案に、他の人達もうなずき、賛成する。ただ、私と美保ちゃんは少し渋った。それもそのはず、殺人鬼が仲間にいるかもしれないのに………</div> <div> </div> <div>129 名前: ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/16(金) 13:32:47 ID:oKE/zmL/<br /> 今ヤンデレスレで投稿してるのが修羅場向けになりそうなんで、こっちに移ってよい?</div> <div><br /> 130 名前: ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/16(金) 13:33:49 ID:oKE/zmL/<br /> 間違えた…orz…スマソ</div> <div> </div> <div>131 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 15:25:13 ID:DRoLkIMx<br /> 穏やかな風が吹く、どこか涼しいその感触はどこからともなく現れる秋が来たことを告げている。もう二月もすれば、吐く息も白くなる冬が訪れるだろう。<br /> アルバイトをこなし、疲れた風体で道を歩いている弥栄 志摩はぼんやりとした表情で陽が隠れた空を眺めた。<br /> その表情は堅い。なにか思い詰めたそれは、選択を悩む子犬を連想させる。<br /> 歩きなれた道を進み、志摩は家にたどり着いた時にどのような態度で家族と接して良いかを悩む。<br /> 恐らく、家に帰れば多少行き過ぎた感のある過保護な姉がいるだろう。<br /> 今日、アルバイトに行く際に散々行かないでと駄々をこね、そのまま家を飛び出してしまった。志摩はその時泣いていた姉の姿が仕事中にちらつき、つまらないミスをいくつか起こしてしまった。<br /> 帰れば、姉はどういう態度で迎えて来るのか、そして自分は何と言えばいいのか。いい加減まとまらない思考が志摩の足取りを更に遅くさせる。<br /> 散らかされたゴミのように志摩の気持ちはバラバラになっていった。それが歩みを遅くさせ、最終的にジレンマとなって志摩に襲いかかる。<br /> 細いワイヤーを頭蓋に通すような痛みが心に走る。結局、その状況から逃れるために、その足は繁華街の方交へ向かっていた。</div> <div>132 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 15:26:38 ID:DRoLkIMx<br /> 繁華街にある少し大きめのゲームセンターで時間を潰して外に出ると、大降りの雨が志摩を出迎えた。<br /> ゲームをしていても、一向に気晴らしにもならなかった気分は、大降りの雨を前にして更に下がり気味になる。<br /> いつ頃から降り出したかは解らないけれど、ゲームセンターに入ったのが二時間前。コンクリートに溜まる水溜まりの量から察すると、少なく見積もっても一時間は降っているだろう。<br /> 濡れ鼠になることを覚悟しようとしたが、迎えのコンビニエンスストアの傘立てに忘れられたようにビニールの傘があった。<br /> 雨を避けるようにしてその傘立てに近付き、その傘を手に取る。柄の部分を見て、名前がないことを確認すると、志摩はそれを広げて雨の中に入る。道徳心が痛んだが、それよりも傘立てに挿さったままの傘が寂しげで、その孤独感が自分に似ている気がした。<br /> しかし、その傘にも持ち主がいるはずで、そのことに気がついて苦笑する。元に戻そうかとも思ったけれど、あいにく濡れるのが煩わしかったのでそのまま家の方向を進んだ。<br /> 足音は雨音に遮られて聞こえなかった。</div> <div> </div> <div>133 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 15:30:05 ID:DRoLkIMx<br /> 雨の中、帰りの道を進み家がある方向の曲がり角を曲がると、家の前に一つの影が立っていた。<br /> 志摩の背中に冷たいものが伝う。<br /> 「志摩くん、おかえり」<br /> あまりに場違いと感じるほど姉、弥栄 柚姫の面持ちは鬼気迫るものだった。長い間雨にさらされていたのだろう、髪は肌に張り付き、唇は紫に染まっている。寒さから来ているのか、身体は小刻みに震えている。何も言わずに志摩が立っていると、<br /> 「志摩くん、お疲れさま。こんな所で立ってないで、お家に入ろ?傘さしてても濡れちゃうよ?」<br /> そう言って、志摩の手を握り家の中に引っ張って行く。何か言おうとしたけれど、手を握る柚姫の掌の冷たさに言葉は凍り、口から出ることは叶わなかった。</div> <div><br /> 134 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 15:32:44 ID:DRoLkIMx<br /> 携帯から失礼しますよ。<br /> 少し短めを想定しています。どうかお付き合いのほどを。</div> <div> </div> <div>135 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 15:43:41 ID:kuGBuGuf<br /> キモ姉きた!<br /> お姉ちゃんがどんな風に、壊れてるか、続き楽しみにして待ってます</div> <div> </div> <div>136 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/17(土) 05:24:07 ID:WaylaRvC<br /> キモ姉サイコー!</div> <div> </div> <div>137 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/19(月) 15:06:11 ID:bKpBlPc8<br /> 投下します。</div> <div> </div> <div>138 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/19(月) 15:49:17 ID:/1yrsfcI<br /> キタ━━━━━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━━━━━!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?</div> <div> </div> <div>139 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/19(月) 19:12:58 ID:bKpBlPc8<br /> 「おなか空いたでしょ?お姉ちゃんが何か作ってあげる」玄関に上がるとすぐに柚姫が嬉しそうに言う。<br /> その鬼気迫る雰囲気と話している内容の差に志摩は不思議な感情になる。<br /> しかし、すぐに濡れた姉を着替えさせないといけない、と気がついた。<br /> 「柚姫、着替えないと。風邪を引いてしまう」<br /> 志摩はそのまま、柚姫の手を引くと浴室まで連れて行こうとする。けれど柚姫はその場から動こうとしない。志摩が柚姫を促そうと、声を出そうとするのを遮り<br /> 「私の作ったごはん、食べてくれないの?」<br /> 柚姫が少し拗ねたような声を出す。<br /> 「解った、外で知らない女と食べて来たのね?だから帰りが遅かったんでしょう?困った子ね、私の志摩くんが嫌がるのに、無理やり食事に連れて行かれたのね?」<br /> 柚姫の口は止まらずに言葉を溢れさせる。<br /> 「本当に笑えないわ。志摩くんは私が作ったものしか食べちゃいけないのに」<br /> そう言うと、柚姫の顔が志摩に近付く、たがいの距離が限り無くゼロになる。<br /> 「柚姫、落ち着いて」<br /> 志摩がたしなめるように言うのを聞かずに、柚姫はその唇で志摩の口を塞いだ。</div> <div><br /> 140 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/19(月) 19:20:28 ID:bKpBlPc8<br /> 「ん…」<br /> 静かに唇を離すと柚姫は照れるように頬を朱に染めて、微笑んだ。<br /> 少し曲がる口から志摩は目を離せない。<br /> 「許さないんだから」<br /> 志摩の胸に顔を埋める形で柚姫は呟く。志摩はしばらくその感触を楽しみたかったが、それを振り放そうと口を開く。<br /> 「違う」<br /> 音のない空間に、その声は大きく響くように聞こえた。<br /> 「ん…」<br /> 柚姫が両手を志摩の身体に巻き付ける。<br /> 「誰とも、食事なんてしていない」<br /> 出してしまえば後は零れるように溢れ出る。<br /> 「柚姫が、泣いてたから。柚姫がバイトに行くのを止めたのに、俺がそれを聞かずに出て行ったから…それが気になって、帰るのが」<br /> 遅くなったんだ。と、言おうとして、再び口を塞がれた。<br /> 「ん…ふぅ…ぁ」<br /> 口から舌が伸びてきて、志摩もそれに応える。濡れた感触が広がり、それに思わず自分が反応して、柚姫の腕に力がこもる。<br /> 少し身体に痛みが走るが、志摩にはそれが心地良い。<br /> 唾液と舌の艶かな感覚を楽しんで、二人は口を離した。柚姫の唇についた唾液が、彼女の首元に落ちる。<br /> 慌ててそれを拭う。</div> <div><br /> 141 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/19(月) 19:25:01 ID:bKpBlPc8<br /> 「ん…」<br /> 静かに唇を離すと柚姫は照れるように頬を朱に染めて、微笑んだ。<br /> 少し曲がる口から志摩は目を離せない。<br /> 「許さないんだから」<br /> 志摩の胸に顔を埋める形で柚姫は呟く。志摩はしばらくその感触を楽しみたかったが、それを振り放そうと口を開く。<br /> 「違う」<br /> 音のない空間に、その声は大きく響くように聞こえた。<br /> 「ん…」<br /> 柚姫が両手を志摩の身体に巻き付ける。<br /> 「誰とも、食事なんてしていない」<br /> 出してしまえば後は零れるように溢れ出る。<br /> 「柚姫が、泣いてたから。柚姫がバイトに行くのを止めたのに、俺がそれを聞かずに出て行ったから…それが気になって、帰るのが」<br /> 遅くなったんだ。と、言おうとして、再び口を塞がれた。<br /> 「ん…ふぅ…ぁ」<br /> 口から舌が伸びてきて、志摩もそれに応える。濡れた感触が広がり、それに思わず自分が反応して、柚姫の腕に力がこもる。<br /> 少し身体に痛みが走るが、志摩にはそれが心地良い。<br /> 唾液と舌の艶かな感覚を楽しんで、二人は口を離した。柚姫の唇についた唾液が、彼女の首元に落ちる。<br /> 慌ててそれを拭う。<br /> 「いやらしい…」<br /> うっとりとした表情で呟くと<br /> 「そんなに、私が濡れてるのが気になるの?」<br /> 柚姫の口が耳に触れる。くすぐったい様な感覚に少し震える。<br /> 「それじゃあ」<br /> これから続く言葉は、大体予想がつく。志摩は自分の鼓動が早くなるのを感じた。<br /> そんな彼の心の裏を知ってか知らずか、柚姫は唇を歪ませながらささやく。<br /> 「志摩くんが、暖めて…」<br /> 言葉は、麻薬のように広がった。</div> <div>142 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/19(月) 19:42:07 ID:bKpBlPc8<br /> 投下失敗orz<br /> 規制がかって時間が開いてしまいました。<br /> お見苦しい所を見せてしまいました。<br /> スミマセン(´・ω・`)</div> <div>143 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/20(火) 00:24:35 ID:yav7fLyZ<br /> じわじわとくる感じで、うまいなぁ……<br /> GJです!</div> <div><br /> 144 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/20(火) 10:02:08 ID:wSNGe558<br /> 柚姫エロスw<br /> やはりキモ姉はいいものだ</div> <div> </div> <div>145 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 18:40:35 ID:eOvBDNwj<br /> 109 名前:現役小説家兼漫画原作家 ◆4HhZSQd0HY [sage] 投稿日:2006/06/21(水) 18:00:34<br /> 最後に</div> <div>漫画家や小説家は内職ですので、家にかじりついてる時間がつくづく多い仕事だと<br /> 思いますね。<br /> それとですね、小池一夫先生がいつも言ってたけど才能というものは<br /> ・自分に対する自信<br /> ・無駄の無い努力<br /> この二つさえついてれば十分だといつもいってましたね。<br /> 確かにその通りです。<br /> 伸びの遅い人はほとんどがこの二つのどちらか、もしくは両方に当てはまっていること<br /> が多いです。</div> <div>最終選考を超えられない壁と考えずに、後一歩のハードルと考えればかなり良い線に<br /> なるはずです。<br /> それと、あなたの場合最終選考で残るということは、むしろ絵が下手なのより書く速度<br /> のほうに問題があるのでは?<br /> 私が選考委員の手伝いをするときは最終選考で行き詰まる人は大概絵のほうは最低限<br /> の連載レベルのハードルは、超えています。<br /> 編集部は得てして絵が下手と一蹴しますが、私達が落選と当選を分ける判断として決め<br /> ているのは、その絵のラインの引き方から出る、スピードです。<br /> 素人(いわゆる漫画読者)はどんなにデッサンがしっかり出来ている絵よりも、見栄えの良<br /> い無難な絵のほうをプラスに表し、Gペンのダイナミックなラインよりも丸ペンの線の細いラ<br /> インのほうを美しいと言います。</div> <div><br /> 146 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 19:00:43 ID:PwJN8CFo<br /> 誤爆ですか><?</div> <div>版権ギャグ物しか書いたことのないヘタレでも、投下してみてもよろしいですか(`・ω・´;)?<br /> 大体九割ほど書き上がっているもので</div> <div> </div> <div>147 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 19:15:25 ID:4xnMVk4B<br /> もちろんですとも<br /> ささ、遠慮などなさらずに</div> <div> </div> <div>148 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/22(木) 01:59:42 ID:L/arMpBo<br /> 遠慮せずにこいよ。</div> <div> </div> <div>149 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/22(木) 02:47:04 ID:L/arMpBo<br /> ヤマネの続きが読みたいなぁ。</div> <div> </div> <div>150 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/23(金) 20:14:36 ID:+hl2L+4W<br /> &gt;&gt;146<br /> 誘い受けと顔文字うざいっすw<br /> きもいんで遠慮して欲しいっす<br /> ここには既に神が居るんで、正直水差さないで欲しいっす</div> <div> </div> <div>151 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/23(金) 21:02:50 ID:sgT2Wozz<br /> そう言う野暮は廃れる原因だぞ?<br /> 神は足りなくて困る事はあっても多すぎるに越した事は無い<br /> と言うわけで未だ見てたなら気にせずカモーン</div> <div> </div> <div>152 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/23(金) 21:28:04 ID:3UuvqBNQ<br /> 職人が増えると、信者同士のいざこざがスレを乱すからな…<br /> 既に連載を持っている身としては、平穏を乱すのは正直遠慮して頂きたいものだな。</div> <div> </div> <div>153 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/23(金) 21:29:15 ID:2es/HUJu<br /> スレ住人の心までヤンデルからな</div> <div> </div> <div>154 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/23(金) 23:12:17 ID:x1FD+7ir<br /> もう投下しづらい空気になってしまったね。実に残念だ<br /> スレ速度が伸びないから、新しい職人が増えるのは願ってもいなかったのに</div> <div> </div> <div>155 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/23(金) 23:16:03 ID:vG1zlFG1<br /> &gt;&gt;154<br /> あまり開放的なのも面倒事が増えるきっかけなんで<br /> 多少閉鎖的で排他的なほうが平和で良い</div> <div> </div> <div>156 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/23(金) 23:25:57 ID:HG48fsAg<br /> そんなの投下がなくなったら平和も糞もあったもんじゃない</div> <div> </div> <div>157 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 00:29:48 ID:f+v7Fphm<br /> わざわざ投下してくれるのを断る馬鹿は死ねばいいのよ<br /> ただでさえここ暫く投下がない廃れたスレなのに。</div> <div> </div> <div>158 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 00:44:41 ID:PfoyDJsX<br /> で、ヤマネはまだなの?</div> <div>そろそろ放置プレイがきつくなってきたんだが…</div> <div> </div> <div>159 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 00:54:24 ID:64HdAo9O<br /> ここの住民はツン期な奴が多いね</div> <div> </div> <div>160 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 01:55:01 ID:7fiY42Gx<br /> &gt;&gt;157<br /> いや、くだらない投下で水を差されるのも萎えるし・・・<br /> 別にいいんでない?<br /> 住人もも投下を餞別するくらいの権利はあるだろ。</div> <div> </div> <div>161 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 02:12:37 ID:Ybks7DNa<br /> ねぇよ</div> <div> </div> <div>162 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 02:25:25 ID:TcXogWyZ<br /> &gt;&gt;161<br /> んじゃ<br /> スカトロホモSSを、延々と住人の声無視で投下しても文句は付けられない訳だw<br /> 次に誰か投下したら割り込みで投下するんでよろしくw</div> <div> </div> <div>163 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/24(土) 02:27:23 ID:TcXogWyZ<br /> さっき、川原でやった六尺兄貴凄かったです!ガチムチの色黒兄貴がオッス連呼で<br /> 張型ケツにぶちこまれ腰振ってました。俺もくわえさせられて浣腸食らい無様に<br /> 排便さらしました。バリカン出されたときは一瞬引いたけど、兄貴の「いやなら<br /> 止めていいんだぜ!」の一言で覚悟決め、生まれて初めて丸刈りになりました。そ<br /> の後、脇・チンゲも刈られてビンビンのマラ、思いっきりしごかれ派手にガチムチ<br /> 兄貴の顔に飛ばしました。スッゲー男らしく気持ちよかったです。また行くとき<br /> カキコして下さい!帰ってから丸刈りの頭見て、また感じまくってます!</div> <div> </div> <div>164 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 02:53:41 ID:lxvidNoI<br /> ヤンデレななごみんが見たいなぁ</div> <div> </div> <div>165 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 09:42:59 ID:Z9STkiMX<br /> 乞食がもらうものを選べるわけねぇだろ。<br /> 嫌なものはもらわないことはできるだろうけど。<br /> てわけで嫌ならスルー</div> <div> </div> <div>166 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 10:34:36 ID:zL/nlMoL<br /> 客はレストランで出されたものをまずいという権利はある。<br /> まずかったら金払わなくてもいいんじゃね?<br /> 金の代わりに感想上げてるわけだし、一方的に恵んでもらてるわけじゃねーべ。<br /> 思いあがりも甚だしいなw</div> <div> </div> <div>167 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/24(土) 11:27:29 ID:Q0YKR+/z<br /> なんか粘着沸いてるな。このスレもうダメぽ。</div> <div> </div> <div>168 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 12:27:41 ID:PHi7Wac4<br /> 気持ち悪いのが一人で頑張っているよね。</div> <div> </div> <div>169 名前:名無しさん@ピンキー[sage ] 投稿日:2006/06/24(土) 12:54:13 ID:k4OAvRhc<br /> こいつのやってることはどうみても荒らしだね。<br /> 偉そうな態度を取って反応する奴らを虎視眈々と狙ってるきがする。<br /> ってわけでなんか場を一掃するネタを↓の人どうぞ。</div> <div> </div> <div>170 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/24(土) 13:51:55 ID:xMiegZIh<br /> 糞スレage</div> <div> </div> <div>171 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 19:55:43 ID:Ef6oQ2P3<br /> 七誌君がこんなところに目移りしちゃうのが悪いんだよ<br /> 七誌君が見ていいのは私だけ、それ以外の女なんて見たら<br /> 七誌君の目が腐っちゃうよ、だから七誌君に近づく女から守ってあげる<br /> あの女がヤリまくってる牝豚だっていう噂流したの私だよ<br /> だってそうしないと七誌君優しいからずっと付きまとわれちゃうもんね<br /> そんなの七誌君がかわいそうだよ<br /> だから私が排除してあげたの<br /> これからはずっと一緒、ずっと・・・</div> <div><br /> っていう目的の荒らしだったらヤンデレでいいねぇ<br /> 俺は未だに146殿の作品を待っているわけだが・・・<br /> ヤンデレは発展途上だから色々見てみたい(*´д`*)</div> <div>172 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 00:41:57 ID:T2aHSS6C<br /> ゴミみたいな小説もどきしかないのな<br /> もう少し人生考え直したほうが良いと思うが。</div> <div> </div> <div>173 名前:107の続き[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 02:32:12 ID:+sD7Pgg/</div> <div> ヤマネは――笑っていた。<br />  どうしようもないほどに、どうにもならないほどに、満面の笑顔でヤマネは笑う。<br />  その笑顔の向こうを幹也は見る。それ以外は見ようともしない。<br />  血に沈んだ家族も。壊れて散乱した家具も。割れた窓も。<br />  穏やかで、退屈だった日常の残骸を幹也は見ようともしない。<br />  血に濡れた笑顔だけを見つめている。</div> <div>「ただいま、ヤマネ。どうしてここに?」</div> <div> 幹也は問う。<br />  どうしてこんなことをしたのか、ではなく。<br />  どうしてここにいるのか、と。<br />  その問いに、ヤマネは笑ったまま答えた。</div> <div>「だって、ヤマネはお兄ちゃんの妹だもんっ!」</div> <div> 言って、ヤマネは包丁を放りなげてすりよってくる。<br />  手から離れた包丁が宙を回り、中ほどまで床に突き刺さった。<br />  血をぱちゃぱちゃと踏み鳴らしながら、ヤマネは幹也へと抱きついた。<br />  すぐ真下にある髪からは、いつもと変わらない少女の臭いと、真新しい血の臭いがした。<br />  その血の臭いも、部屋に満ちているそれと混ざり合い、すぐに分からなくなる。</div> <div>「ヤマネねっ、お兄ちゃんのために頑張ったんだよ?<br />  お兄ちゃんを閉じ込める、ニセモノの家族を倒してあげたの!<br />  ね、褒めて、褒めてっ!」</div> <div> 傍から聞けば、錯乱しているとしか思えないヤマネの言葉。<br />  けれど、この場には『傍』に立つものは誰もいなかった。<br />  血に濡れた部屋に立っているのは、ヤマネと幹也の二人だけだ。<br />  力の限り抱きついてくる少女を、幹也はそっと抱き返して言う。</div> <div>「そう。――がんばったね、ヤマネ」</div> <div> 答える幹也の顔は、邪悪に笑って――などいなかった。<br />  笑ってもいない。<br />  怒ってもいない。<br />  いつもと変わらぬ、退屈そうな表情のまま、幹也はヤマネを抱きしめていた。</div> <div><br /> 174 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 02:33:35 ID:63vVoDMc<br /> 妨害工作自演職人キター!</div> <div><br /> 175 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 02:41:44 ID:Xy0aiEkL<br /> 一レス分だけなんて酷いよ!お兄ちゃんっ!<br /> もっともっと!</div> <div> </div> <div>176 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 02:43:47 ID:0jmQoazG<br /> 遂に続きキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!<br /> 主人公一番ヤベーがな!!</div> <div> </div> <div>177 名前:173の続き[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 02:49:15 ID:+sD7Pgg/</div> <div> 腕の中、ヤマネが猫のように喉を鳴らし、頬を摺りつけてくる。<br />  ふと、幹也はその細い首に手をかける。<br />  キスをしたい。そう思う反面、このまま首を絞めてしまいたくもなった。<br />  そうすれば、少しは暇ではなくなるだろうから。退屈が紛れるだろうから。<br />  この異常な状況においてなお――幹也は、どこまでも平常だった。<br />  けれども、幹也が何をするよりも、ヤマネの動きの方が早かった。</div> <div>「お兄ちゃん、そろそろ行こっ!」</div> <div> 幹也から離れ、首に添えられた手を握り、縦にぶんぶんと振ってヤマネが言う。<br />  上下に振られた手を追いながら、幹也は呟くように答えた。</div> <div>「行くって――どこに?」</div> <div> 当然といえば当然の言葉に、ヤマネは「決まってるよっ!」と前置き、</div> <div>「こんなところ、もういらないよね? ね、ヤマネと一緒にいこっ!」</div> <div> ――こんなところ。<br />  その言葉を聞いて、幹也は部屋の中を見回してみる。<br />  二人分の死体と、一人の死に掛けと、血と死と破壊で満ちた家。<br />  すでに終わってしまった場所。<br />  成る程、もうここは要らないな、と幹也は内心で納得する。<br />  退屈な家から離れて、殺人鬼の少女と退屈な逃避行。<br />  それも暇つぶしだ、とすら思った。</div> <div>「そうだね。行こうかヤマネ」</div> <div> ヤマネの手を握り返し、幹也は言う。<br />  その言葉を聞いて、ヤマネは、これ以上ないくらい嬉しそうに笑った。</div> <div>「うんっ! ここも、喫茶店もヤマネいらない!<br />  お兄ちゃんがいればそれでいいよっ!」</div> <div> ヤマネは手を繋いだままぴょんと跳ね、幹也の隣に並ぶ。<br />  繋いだ手の温もりと、血に濡れる感触を感じながら、幹也は踵を返す。<br />  視界の端に、重症の中まだ動いている――最後の生き残った家族が見えた。<br />  もはや家族ではなくなった少女に向かって、幹也は言う。</div> <div>「――ばいばい」</div> <div> それが、別れの挨拶だった。<br />  幹也も、ヤマネも、振り返ることはなく。</div> <div>「雨に――唄えば――」<br /> 「唄え――ば――」</div> <div> 二人仲良く歌いながら、家の外へ、夜の街へと消えていった。</div> <div> </div> <div>178 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 03:09:23 ID:63vVoDMc<br /> 【アッー!の由来】</div> <div>サッカー部員に扮した多田野らがヤクザの車に追突<br />  ↓<br /> 「犬のまねしろよ」「四つん這いになるんだよ」「やれば返していただけるんですか?」<br /> 「何犬のくせにお前服着てるんだよ」「早くしろよ」などの会話を経て全裸に。<br />  ↓<br /> 「わんわん泣いてみろ」「まわってみろ」「よぉし、お手だ」の命令に犬を演じるも<br /> 「なんか犬っぽくねぇなあ」「なんかたんねえよなぁ」ということで首輪をはめられる。<br />  ↓<br /> 指でアナルをほじくられ、「汚ない穴だなぁ」などと罵られる。スパンキングに穴が反応。<br /> 「お前初めてかここは、力抜けよ」と後輩の目前でいじられ、長い尻尾をつけられる。<br />  ↓<br /> 「咥えてやれよ」と命令された後輩(DB)のフェラチオで「アッー アッー!」と悶える<br />  ↓<br /> ヤクザに局部を見せながら2人の後輩に尻の穴を見せる。「気持ちいい!」と悶えながら<br /> 男性自身を勃起させる。このあと、後輩(HTN)がコンドームをつけ、多田野に背後から挿入。<br /> 「オフッ!」と唸るも、直後から「アッ、アッ、アッ、アッ!」と多田野は勃起させながら声をあげる。<br />  ↓<br /> ヤクザも加わり4Pが始まる。ヤラれるばかりだった多田野が一転、攻勢に出て、<br /> ヤクザを下にして犯し始める。<br /> 小刻みに腰を振りながら「イグ!イグッ!イグゥ!アッー!、アッー!」 と叫んで、<br /> 多田野もヤクザの腹に勢い良く射精「…アッー!… アッー!… ァッー…」と虚脱の表情。</div> <div> </div> <div>179 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 03:10:37 ID:63vVoDMc<br /> &gt;&gt;ゲイの出会い系で知り合った10歳以上年上のオジサンの家へ。<br /> そしたら「これ着て責めて欲しい」と言われて、レンコン掘りというか、<br /> 魚河岸の人が着てるような胸まであるゴム長を着させられ、捻りハチマキをさせられた。向こうは全裸。<br /> まあこんなのもたまにはいいか、と愛撫してたら、オジサンが喘ぎ声の中、喋りだした。<br /> 「お、おにいちゃん…お、おかえりなさい…た、大漁だった?ねえ大漁だった??」<br /> …オレは突然の、しかも想定の範囲を超えたセリフにポカーンとしてしまった。<br /> オジサンは素に戻って、「…返事して欲しい」と恥ずかしそうにオレに言った。<br /> プレー再開。・・・耳とかをなめつつ体中をさわさわと触る<br /> 「お、おにいちゃん、大漁だった?」<br /> 「ああ、大漁だったよ」<br /> 「あぁぁぁあぁすごいいいぃいぃ!、、な、なにが、、ハァハァなにが捕れたの?」<br /> 乳首を舌でやさしく舐めながらオレは答えた<br /> 「…鯛とか、、、ヒラメがいっぱい捕れたよ」<br /> セリフを聞き、オジサンはびくんびくんと身体をひきつらせた<br /> 「はっ!はぁぁぁあんっ!イ、イサキは?イサキは、と、取れたの??」 チンコをしごく<br /> 「ああ。でかいイサキが取れたよ。今年一番の大漁だ。」<br /> 「大漁っ!!イサキぃぃ!!おにいちゃんかっこいいいいぃぃぃい ぃくううううう!」<br /> 実話です。。きっと漁師の人との幼い頃の体験というか、淡い恋心とかが<br /> あったんだろうなあ、といろんなことを考えさせられた一夜でした。</div> <div>180 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 03:14:01 ID:63vVoDMc<br /> ××の喧嘩祭といえば、六尺褌一丁の男達が、神輿を担いでぶつかり合う、<br /> 勇壮な祭として、この地方に知られている。<br /> 祭のあと、男達は集会所に集まり、普段着に着替え、飲み合う。<br /> 六尺は、激しい祭でドロドロボロボロになるから、使い捨てで、ゴミとして出される。<br /> 俺はいつもそれが狙いだ。<br /> 捨てられている六尺の、できるだけ汚れてる奴を10数本ほど、<br /> こっそりさらって家に持ち帰る。<br /> そして、深夜、俺一人の祭が始まる。<br /> 俺はもう一度汚れた六尺のみ身に付け、部屋中にかっさらってきた六尺をばら撒き、<br /> ウォーッと叫びながら、六尺の海の中を転げ回る。<br /> 汚れた六尺は、雄の臭いがムンムン強烈で、俺の性感を刺激する。<br /> 前袋の中のマラは、もうすでに痛いほど勃起している。<br /> 六尺の中に顔を埋める。臭ぇ。<br /> 汗臭、アンモニア臭や、股ぐら独特の酸っぱい臭を、胸一杯に吸い込む。溜まんねえ。<br /> 臭ぇぜ、ワッショイ! 雄野郎ワッショイ!と叫びながら、前袋ごとマラを扱く。<br /> 嗅ぎ比べ、一番雄臭がキツイやつを主食に選ぶ。<br /> その六尺には、我慢汁の染みまでくっきりとあり、ツーンと臭って臭って堪らない。<br /> その六尺を締めてた奴は、祭で一番威勢が良かった、五分刈りで髭の、40代の、<br /> ガチムチ野郎だろうと、勝手に想像して、鼻と口に一番臭い部分を押し当て、<br /> 思いきり嗅ぎながら、ガチムチ野郎臭ぇぜ!俺が行かせてやるぜ!と絶叫し、<br /> マラをいっそう激しく扱く。<br /> 他の六尺は、ミイラのように頭や身体に巻き付け、<br /> ガチムチ野郎の六尺を口に銜えながら、ウオッ!ウオッ!と唸りながらマラを扱きまくる。<br /> そろそろ限界だ。<br /> 俺は前袋からマラを引き出し、ガチムチ野郎の六尺の中に、思いっきり種付けする。<br /> どうだ!気持良いか!俺も良いぜ!と叫びながら発射し続ける。<br /> 本当にガチムチ野郎を犯してる気分で、ムチャクチャ気持ち良い。<br /> ガチムチ野郎の六尺は、俺の雄汁でベトベトに汚される。<br /> ガチムチ野郎、貴様はもう俺のもんだぜ!<br /> 俺の祭が済んだあと、他の六尺とまとめて、ビニール袋に入れ押し入れにしまい込む。<br /> また来年、祭で六尺を手に入れるまで、オカズに使う。<br /> 押し入れにはそんなビニール袋がいくつも仕舞ってあるんだぜ。</div> <div> </div> <div>181 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 03:15:41 ID:63vVoDMc<br /> この前ズリダチとタイマン勝負したことを書くぜ。<br /> 互いに六尺姿でまずは威嚇、腕組みヤニ咥えガン飛ばし、<br /> 大股で筋肉と勃起誇張して、野郎比べだ。<br /> 雄臭ぇポーズで挑発しあう。腰突き出し勃起を振り回し、<br /> オラオラ節で興奮に火が付く。</div> <div>やわらオイルをタップリ仕込んで、いよいよズリ戦開始だ。<br /> 胴ズリ、逆ズリ、雁ズリ、玉ズリ、上ズリ、下ズリ。<br /> 野郎うなぎ責め、腰砕けの手マンコ、野郎泣かせの亀頭責め。<br /> 片手技と両手技の競り合いで、雄の粋と艶を比べ合う。<br /> ズリ見せ根性丸出しでな。</div> <div>一息入れる時にゃ、奴の胸板めがけて、勃起ションベン。</div> <div>ビシバシ痛ぇくらいに、照射すりゃ、雄の征服感が全身を<br /> 快感となって駆け回る。</div> <div>さらにオイルを仕込んで2R。<br /> 今度は俺のズリビデオ見せながらのダブルズリ攻撃さ。<br /> ラッシュ飛ばして、ド淫乱野郎に変獣し、チンポ・センズリ・押忍の連呼。<br /> 俺達はまさに、チンポ、ズリ、男意気を激しく比べ合う戦闘士だ。</div> <div>寸止めのエロい表情も相手を落とす神技、何度も食らう度に金玉の<br /> 引きつる痛みさえ新たな快感に変わる。</div> <div>その時、ほんの少しの気の緩みで奴は快感のコントロールを失い<br /> 射精の痙攣に突入。</div> <div>2回に渡るファイトはいずれも俺の勝利、最後は奴のチンポめがけて、<br /> 野郎征服の快感に酔いながら勝利の照射!<br /> 3時間勝負は俺達ズリ舎弟の絆を更に固めたぜ!</div> <div> </div> <div>182 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 03:16:13 ID:63vVoDMc<br /> 「一発やっかぁ」<br /> ス-ツを脱ぎ捨てると、縦じわでよれよれの前垂れを整えた。鏡の前に立ち股を開く。<br /> 既に前袋を濡らし、俺のチンポは俺の愛撫を待つ。<br /> 身体を横にして鏡に映すと、前垂れを持ち上げて、ピラミッドがそこにあった。<br /> 「俺の越中一本のセンズリだぜ」声に出していう。<br /> 「男はやっぱセンズリ」<br /> やおら前袋の脇から、ズルムケ状態の仮性包茎チンポを取り出す、手にオイルをたっぷり取り、逆手で亀頭をこね回す、<br /> 「ヌリュッ、ヌチョッ」音が俺の勃起中枢を更に刺激する。<br /> 「センズリたまんねぇ」扱きに合わせて、身体を上下させる。<br /> 「男のセンズリにゃあこれだよ」ラッシュを吸い込む。<br /> 「スッ、スッ、スッ、スッ」顔から熱くなり、やがて頭の中が真っ白になる。<br /> 「チンポ、チンポ」「越中のセンズリ」<br /> 頃合いをみて前垂れを引き抜く。俺は自分のこの格好が好きだ。<br /> 白い細紐だけがはらに残り、ぶらぶらのきんたまのバックに、前垂れ垂らして、腰を振り、左手できんたま引っ張り、右手でヌルヌルとチンポを扱く。<br /> 鏡の中のの俺は、日本一の伊達男になっていた。<br /> 「ちきしょう誰かに見せてやりテェよ」最高潮が近付くと、いつもそう思った。ラッシュをもう一度効かせ、オイルを追加すると、男へ向かってまっしぐらだ。<br /> 「男になってやる」「越中一本のほんまもんの男」<br /> 「うりゃ、そりゃ」「ズリュッ、ブチュッ」しぶきを飛ばしながら、クライマックスをめざす。<br /> 「たまんねぇよ」きんたまの奥から、激しいうねりが起こった。やがて奔流となり、俺を悩ます。<br /> -だしてぇ- -もっと扱きてぇ-相反する気持ちがせめぎあい、俺は崖っ淵に立つ。<br /> 「きたっ」俺は膝を直角に曲げ、それに備える。奔流は堰を切ろうとしていた。<br /> 「男一匹 ! 」「ぶちっ」<br /> 鈴口を押し分けて、白い塊がしゃくり出される。<br /> 真っ白い時間が過ぎ、目の前が現実に戻る。</div> <div> </div> <div>183 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 03:23:52 ID:63vVoDMc<br /> 「もういっちょ男になってやろうじゃねぇか」<br /> 布の上から、亀頭を刺激する。爪で引っかくように、エラの部分を擦った。<br /> チリチリとした快感に、鏡の中の越中野郎が顔を歪めた。<br /> 左手は、前袋に突っ込み、きんたまを掴んだ。そのまま腰を落としももを割る。<br /> 「おやじの越中最高だぜ」声に出す言葉で、自分を挑発する。<br /> 「越中褌一丁日本男児のセンズリだぜ」「俺のこの男っぷり見てやってくれっ」<br /> 辛抱たまらなくなって、前垂れを抜き取る。右手にオイルたっぷりで、左手にラッシュ構える。<br /> 「おうっ」亀頭の先から、チンポの根元へ、ヌルンと扱き下ろす。<br /> 「スッ、スッ、スッ、スッ、ス-ッ」きつめにラッシュ決めたら、暫く呼吸を止める。<br /> 血圧が下がり、脳の中を&lt;せんずり&gt;だけが、支配する。<br /> 「ピチッ、ヌチョッ、クチャッ」亀頭の辺りを通過する度、くぐもった擦過音が響いた。<br /> 先ほど来揉み続けていたきんたまを、ギュッと下方へ引っ張る。<br /> チンポの皮が引き延ばされ、亀頭がテカテカに突っ張る。逆手でそれを握ると、グリグリと回転させる。<br /> 「これが俺の亀頭攻めだぜ」強い刺激に腰が砕けそうになる。腰を前後に振ると、一層感じる。<br /> オイルを追加し、改めてラッシュを吸い込む。<br /> 「スッ、ス-ッ、スッ、ス-ッ」一旦止めて効果を待つ。<br /> 滴る程のオイルと、やけに効くラッシュで、男入りまくり状態だ。<br /> 「センズリ、センズリ男のセンズリ」「越中一本男のセンズリ」<br /> 言葉が快感を呼び、刺激が男をくすぐる。<br /> 「スッ」軽く吸う。蟹股で部屋の中を歩く、<br /> 「ス-ッ」男気が溢れ、どうしようもなくなってくる。<br /> 「ス-ッ」反り返り脈打つチンポを、渾身の力を込めて扱く。 <br /> 「たまんねぇ、勘弁してくれ」<br /> 「スッ、ス-ッ」<br /> 「きたぜ、くるぜっ」<br /> &lt;そんきょ&gt;の体制で、備えた。押し寄せるものは、もはや留まることを知らない。<br /> 「おりゃっ男一匹」<br /> いつもの決め言葉で、噴出が始まる。その回数に合わせ腰を振った。<br /> やがて潮が引き、ヌルヌルと後戯を楽しむ。<br /> 次第に呼吸が整ってくる。</div> <div> </div> <div>184 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 04:56:06 ID:kccRMrcs<br /> &gt;&gt;177<br /> ヤマネGJです!</div> <div>この後、妹が復活して暴走してくれればいいな……と思ってみたり。</div> <div> </div> <div>185 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 10:34:58 ID:qO4QxtZY<br /> &gt;&gt;184</div> <div>俺はセンズリの時は必ず六尺を締めてやる。<br /> そのまま発射するから六尺には雄汁がたっぷり染み込む。<br /> それを一回も洗濯しないからチンポが当たる部分は変色し茶ばんで、<br /> 臭いもすげぇ雄臭くなっている。<br /> 昨夜もその六尺締めてセンズリした。<br /> 臭いが逃げないように六尺は密封ケースの中に仕舞ってあり、六尺二丁が生乾き状態で、<br /> 蓋を開けただけでムワッと雄臭え臭い立ち昇ってきて俺の性欲を刺激する。<br /> 全裸になって素早く六尺を締める。縦褌がケツにギュッと食い込むほどきつく締める。<br /> 六尺一丁の姿を全身鏡に映して眺める。週4でトレして日焼けマシンで焼き込んでる<br /> ゴツクて浅黒い肉体が我ながら雄欲をそそる。<br /> 既に前袋の中では痛いほどチンポが勃起して盛り上がり先走りの染みがひろがっている。<br /> 俺はいろいろポージングして己の肉体美を観賞する。<br /> 雄臭ぇ。たまんねぇぜ。<br /> 俺は前袋ごとチンポを揉みしだく。<br /> うぉっ!いいぜ。<br /> 長く楽しむために発射しそうになると手の動きを止める。<br /> 俺は交互に使ってるもう一丁の生乾きの六尺を顔に押し当て臭いを嗅ぐ。<br /> 臭ぇ臭ぇ。ギンギンのチンポからさらに先走りが溢れる。<br /> こうやってじっくり楽しみながらいよいよ発射の時が来る。<br /> 褌マッチョ野郎!雄臭えぜぇー!と叫びながら六尺に中出しする。<br /> 六尺はドロドロベトベトになり部屋中に雄臭が漂う。<br /> 六尺を解いてすぐ密封ケースに仕舞う。今夜もまた世話になるぜ。よろしくな。</div> <div> </div> <div>186 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 13:21:38 ID:CmEnv2PY<br /> ヤマネ待ってました!(b^ー°)。</div> <div><br /> 187 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 17:02:34 ID:CDvp98fD<br /> ガチムチ待ってました\(^o^)</div> <div> </div> <div>188 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 17:07:47 ID:N7SFMt4o<br /> ある山奥の洞窟に、赤鬼と青鬼が住んでいました。<br /> 赤鬼と青鬼はとても仲良しで「兄貴」と、呼び合い、お菓子を持ち合ってお互いの家を訪ねたり、玉門を貸し合ったりしていました。<br /> ある日、赤鬼が青鬼に悩みをうち明けました。<br /> 「青兄貴・・・」<br /> 「なんだい、赤兄貴」<br /> 「俺、村にいる、他の穴を持つ奴とも仲良くしたいっす・・・」<br /> 「私じゃ、不満かい?赤兄貴」<br /> 「いえ、そうじゃないっす。ただ、色々な穴を持つ人達と広く知り合いになりたいというか・・交流をもちたいっす」<br /> 「そうか。赤兄貴はやさしい性格だから、きっと、いろんな人達と穴友達になれるだろうね」<br /> やさしい青鬼の言葉に、赤鬼は悲しげに首を振りながら言いました。<br /> 「だめっす・・!みんな俺の逞しい体と顔を見ると恐がって逃げていくっす。いつ、誰が訪ねてきてもいいように、お菓子も用意して玉門も毎日清潔にしているのに誰も来てくれないっす。乱暴なことはしないのに・・・」<br /> 肩を落として悲しげな様子の赤鬼を、青鬼はとてもかわいそうに思いました。<br /> 「そうだ、赤兄貴。他の人とも仲良くなれるかもしれない名案があるよ。」<br /> 「えっ、本当っすか!青兄貴、ぜひご教授おねがいしまっす!」<br /> 青鬼の名案というのは、自分が悪者になり村人をいじめ、そこへ赤鬼が現れ村人を助けるというものでした。<br /> 「そんな・・そんなこと出来ないっす!青兄貴を悪者にするなんて!」<br /> 「赤兄貴、一時的なことだよ。村人と仲良くなれたら君があとで誤解を解いてくれればいい」<br /> 赤鬼はとても悩みましたが、青鬼に説得されて実行に移すことにしました。</div> <div> </div> <div>189 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 17:46:25 ID:G7CWR5Yn<br /> &gt;&gt;177<br /> お待ちしておりました。<br /> ヤマネGJ!</div> <div> </div> <div>190 名前:177の続き[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 22:39:19 ID:OwitErRI</div> <div> ――そして、半年後。</div> <div> 街へと消えていったはずの幹也は、今、喫茶店「グリム」地下の図書室にいる。<br />  机の上でぐったりと放心している少女――グリムに覆いかぶさるようにして。<br />  そこにいるのは、ヤマネではない。<br />  机の反対側にはマッド・ハンター。胸の中にはグリム。<br />  かつて幹也の傍にいたヤマネは、此処にはいなかった。</div> <div>「ふむ、ふむ、ふぅむ! それにしても君は本当にどうしてここにいるのかな?」</div> <div> 行為が終わったのを見計らって、マッド・ハンターが口を挟んだ。<br />  その声は、いつもと変わらない嬉々としたものだ。ヤマネがいたころから。あるいはその前から。<br />  そして、これから先も変わらないであろう笑顔に向かって、幹也は答える。</div> <div>「退屈になったから。それだけだよ」</div> <div> 簡潔な答えに、マッド・ハンターはあは、あはは、あはははと笑い、</div> <div>「君はいつもそれだよね。退屈、退屈、退屈! <br />  ――その退屈を紛らせてくれたヤマネはどうしたのかな?」 </div> <div> 確信的な、あるいは核心的な言葉を聞いて、幹也は微笑んで答える。</div> <div>「君が知らないわけないだろ。ニュース見たよ。<br /> 『少年少女謎の失踪』。『殺人カップル』『少年死亡説』、他には何があったっけ」<br /> 「『悲惨な事件の生き残り・須藤冬華の賢明なリハビリ』。<br />  ニュースに出たおかげで、三月ウサギ君の正体を知ったのよね」<br /> 「ここで名前を呼ばないのは嬉しいけどね。で、どういうことなんだよ」</div> <div> なにがかな? とマッド・ハンターはとぼける。<br />  とぼけた顔は笑っている。解っていて、彼女は笑っているのだ。<br />  そのことを悟っている幹也は、ため息と共に言う。</div> <div>「どうして――死んだはずのヤマネが、失踪扱いになってるんだよ」</div> <div> その言葉に、マッド・ハンターはこの上ない笑みを浮かべた。</div> <div> </div> <div>191 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 23:57:03 ID:CjdxWwkE<br /> 鏡に向かって地下足袋手甲姿で盛る毎日。<br /> 数日に1回の射精にしてるから、ほとんど毎日が寸止めズリ修行さ。<br /> 大股仁王立ち、マラ握り突き上げる腰つき、チンポセンズリ連呼、鏡の手前ぇにガン飛ばし、ラッシュで駈け登る。<br /> 何度も極楽彷徨い随喜の涙が糸引き飛び散る。いつも1時間位は修行でな、テレズリ相手とナマ中継もやったりな。<br /> 金玉の底からザー汁がクツクツ上ってきてよ、この感覚が最高なんだよな。<br /> 射精の日、最近はタッパに手前ぇのザー汁吐き出して速攻急速冷凍。<br /> 勿論貯めて時々解かしては胸板チンポにオイルとミックスして、マッパザー汁まみれ、勿論手前ぇの口でもタップリ味わってよ、至極のズリに酔い痴れる。<br /> 全国のズリ野郎、ビュッビュッと吹き上げようぜ!電話でのズリ戦対決、待ってんぜ!</div> <div> </div> <div>192 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 00:05:26 ID:havn7b8g<br /> 柚姫お姉さんも楽しみだネ。</div> <div> </div> <div>193 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 00:09:06 ID:OW4cXkow<br /> 越中兄さんも楽しみだネ。</div> <div> </div> <div>194 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 00:21:08 ID:jNI9vZbM<br /> &gt;&gt;192<br /> 作者自演乙w</div> <div> </div> <div>195 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 00:24:46 ID:8uwgQBmv<br /> &gt;&gt;194<br /> 流石ヤンデレ容赦ないわね<br /> いくら七誌君を取られたくないからってそういう汚い手を使うのは<br /> お兄ちゃんどうかと思うな</div> <div> </div> <div>196 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/26(月) 00:35:32 ID:bdpix0Jr<br /> 紀州の南高梅といえば、六尺一丁の暇人が、我を忘れて仕込み合う、<br /> 薫り高い梅として、全国に知られている。<br /> 仕込みのあと、野郎達は集会所に集まり、去年の仕込み酒を持ち寄り、飲み合う。<br /> 南高梅は、梅酒にとてもよい青梅の旬の後、すぐ黄色や赤色になるから、<br /> 投売りでセール品として出される。俺はいつもそれが狙いだ。<br /> 投売られている南高梅の、出来るだけ肉付きのいい青めの奴を1kgほど、<br /> こっそり購入して家に持ち帰る。<br /> そして、深夜、俺一人の祭が始まる。<br /> 俺はもう一度熟した南高梅の身を摘み、流しの桶にばら撒き、<br /> ウォーッと叫びながら、桶の中に流水を落とし回す。<br /> 汚れた南高は、日本古来より親しまれて来た臭いがムンムン強烈で、俺の性感を刺激する。<br /> ザルに上げた南高は、もうすでに痛いほどアクが抜かれている。<br /> 梅の中に顔を埋める。臭ぇ。<br /> 梅臭、山臭や、南高独特の酸っぱい臭を、胸一杯に吸い込む。溜まんねえ。<br /> 臭ぇぜ、ワッショイ! 梅仕事ワッショイ!と叫びながら、ペーパータオルごと梅を扱く。<br /> 嗅ぎ比べ、一番梅臭がキツイやつを主食に選ぶ。<br /> その南高には、虫食いの染みまでくっきりとあり、ツーンと臭って臭って堪らない。<br /> その南高を食べてた奴は、里で一番威勢が良かった、五分の魂で一寸の、無脊椎の、<br /> 幼虫野郎だろうと、勝手に想像して、鼻と口に一番臭い部分を押し当て、<br /> 思いきり嗅ぎながら、南高野郎臭ぇぜ!俺が仕込んでやるぜ!と絶叫し、梅のヘタをいっそう激しく穿り取る。<br /> 仕込んだ南高は、兵馬俑のようにガラス容器に並び付け、<br /> 南高野郎のデカ梅を口に銜えながら、ウオッ!ウオッ!と唸りながら氷砂糖を置きまくる。<br /> そろそろ限界だ。<br /> 俺は戸袋からブランデーを引き出し、南高野郎の容器の中に、思いっきりブチ撒ける。<br /> どうだ!気持良いか!俺も良いぜ!と叫びながら1.8リットル程注ぎ込み続ける。<br /> 本当に美味しい梅酒を仕込んでる気分で、ムチャクチャ気持ち良い。<br /> ガチムチ南高梅の容器は、俺の雄酒でベトベトに浸される。<br /> 南高梅、貴様はもう俺のもんだぜ!<br /> 俺の祭が済んだあと、他の容器とまとめて、ラベルを張って押し入れにしまい込む。<br /> また来年、梅雨頃に南高梅を手に入れるまで、オカズには使えない。<br /> 押し入れにはそんな梅酒がいくつも仕込んであるんだぜ。</div> <div> </div> <div>197 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 00:46:39 ID:g6i1EULZ<br /> &gt;&gt;196<br /> コピペにレスするのもアレだが<br /> 今年梅酒仕込めなかったの後悔してたけど、南高梅探してみる<br /> ブランデー漬けもしたことなかったから試してみるよ、ありがとう!</div> <div>198 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/26(月) 00:53:27 ID:IRlUOfx8<br /> このまえ、スゲーやらしい交尾したんで報告するっす。俺は176-65-28でジム週3行って、逆三体形。<br /> ソフモヒで色黒競パン跡くっきりのヤラシー体してるっていわれる。その日はすげーケツマンがうずいて我<br /> 慢できなくて、ドイツの発展場へ行った。店内は結構混んでたんだけど、ジャニ系のカッコカワイイ子が手を<br /> のばしてきた。もちオッケーして個室へ。「すげーカッケーすね。超タイプなんで掘らしてもらっていいっす<br /> か?」うなずいてそいつのチンポさわったら超デケー!20はかるくこえてたかな。俺も夢中になってしゃぶる<br /> んだけど、口ん中先走りでべとべと。ようやく奴が「やらしーケツマンコっすね。ヒクヒクしてるっすよ。」って<br /> 言いながら指を出し入れしてきた。俺はもう早く入れてほしくて奴のチンポをせがんだ。「ヴォースゲー!」奴<br /> の生チンポ入ってきたんだけど、そいつ若いからなりふり構わず腰振ってくるんだよね。30分くらいガンガン<br /> に掘られて、俺も気が狂うかと思うほど。そしたら奴が個室の鍵を開けて「みんなに見せ付けてやろうぜ」って<br /> 言う。体勢をバックに変えてガンガンに掘られてたら、程なくしてガタイのいい野郎っぽい奴が入ってきた。<br /> 「すげーやらしい交尾してんじゃん。俺リバだから3人でやろうぜ!」俺も掘られながら奴のチンポしゃぶったら<br /> こいつのもでかいのなんの。超硬い。そうこうしてたら、野郎の兄貴が俺のチンポにオイルをぬりたくって「三連<br /> 結やろうぜ」って言う。俺のチンポが野郎のケツマンコに生で入った瞬間すげーやばいくらい感じた。ラッシュガ<br /> ンガンに吸って「すげーすげー!」1時間くらい三人つながったままで盛り合ってたら、俺を掘ってるジャニ系の<br /> 奴が「やべーイキそう」って言って俺のケツマンコにドクドク種付けした。そしたら俺もやばくなって野郎のケツマ<br /> ンコん中にぶっぱなした。野郎の奴はトコロテンしやがって「こんどは俺が真ん中やるよ」て言って交代で交尾<br /> し合った。またこういう交尾してー!</div> <div> </div> <div>199 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 18:00:31 ID:YUDNHltq<br /> 進んでるなぁ</div> <div> </div> <div>200 名前:LION[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 18:38:49 ID:v/7+yLzE<br /> 進んでると言うより<br /> まさに病んでると言うべきだろう。<br /> あぁヤマネも死の館も柚姫もきになるぅ</div> <div style="margin-left:2em;"> </div> <div> </div>

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