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<div>201 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 14:33:16 ID:RHQXF9gm</div> <div>&gt;&gt;199</div> <div>ウルトラジャンプに乗ってたマンガ版Arkはそこらへん露骨でよかったな</div> <div>曲以上に話がイミフだったけど</div> <div><br /> 202 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 14:38:31 ID:fjF7FuM/</div> <div>&gt;&gt;198</div> <div>GJ!</div> <div>健気なのに虎吉報われないw</div> <div><br /> 203 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 15:31:12 ID:El5OIu9X</div> <div>ところで話は変わるが、お茶会のチェシャが実は女だったという事実に衝撃を受けた。</div> <div><br /> ぶかぶかのシルクハットの中にロングヘアーを隠していたとは……。</div> <div><br /> 204 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 16:10:06 ID:txZOJ4nE</div> <div>個人サイトの方の話題はなるべくやめとけ。</div> <div>最悪、お茶会の人がここから追い出される事になるぞ。</div> <div> </div> <div><br /> 205 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 16:23:23 ID:6lP41cJS</div> <div>&gt;&gt;184-191</div> <div>一応、元から病んでる女性が恋愛に関してもその病みっぷりを発揮して、</div> <div>依存や執着、熱愛しまくるって言うのもあるとおもうんよ。</div> <div>つまり、邪悪ヒロインとヤンデレの兼用。結構いると思う。</div> <div><br /> だけど、&gt;&gt;184はただの自己中っていうか、DQN。</div> <div>愛が感じられんね。ヤンデレじゃない。</div> <div><br /> 206 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 16:29:34 ID:HiwBB4on</div> <div>境界例って最初は境界人の仲間? なんて思ってたら違ったみたいだorz</div> <div>それにしてもドラマチックパーソナリティにはちょっと吹いたww</div> <div><br /> 207 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 17:18:52 ID:El5OIu9X</div> <div>ttp://en.wikipedia.org/wiki/Yandere</div> <div><br /> 例にヒグラシが書かれてる……。</div> <div><br /> 208 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 17:49:44 ID:6jmPJ/Y5</div> <div>&gt;&gt;207</div> <div>園崎詩音以外のヒロインがヤンデレなのかは置いておくとして。</div> <div><br /> 外国人でもヤンデレに萌える人っているの?</div> <div>日本人だけの特殊な嗜好かと思ってた・・・・・・</div> <div><br /> 209 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 18:40:38 ID:RHQXF9gm</div> <div>&gt;&gt;208</div> <div>萌は全世界共通ですよ</div> <div><br /> 何人だろうがオタクはメンタリティが似通ってしまうから</div> <div>ヤンデレという概念が伝わればヤンデレ好きが現れてもおかしくない</div> <div><br /> 210 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 18:50:55 ID:6lP41cJS</div> <div>&gt;&gt;207</div> <div>修正を施してやりたいが英語は全然ダメだ。</div> <div>何を指してヤンデレゆうとるんだ毛唐どもは</div> <div><br /> 211 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 19:22:41 ID:EltsT6Y7</div> <div>確か未来日記の由乃は、海外でも「stalker-tan」と呼ばれ愛されていると聞いたような</div> <div><br /> 212 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 19:35:16 ID:rDJr3cBG</div> <div>毛唐どもに「道徳上好ましくないものを愛でる」という概念が伝わるのだろうか?</div> <div><br /> 213 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 19:48:26 ID:2XMstMPL</div> <div>わびさびは日本だが退廃主義は向こうが先だしなあ</div> <div>案外通じ合うものがあるのかもしれないぞ</div> <div><br /> 214 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 19:59:10 ID:6jmPJ/Y5</div> <div>あっちのミステリー映画には結構ヤンデレっぽいのがあった。</div> <div>「ルームメイト1・2」なんか女同士だけどヤンデレだし。</div> <div><br /> もしかしたら狂気を描いたらあちらさんの方が上かもしれない。</div> <div><br /> 215 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 21:46:28 ID:duRQvPGE</div> <div>アナキンはヤンデレ</div> <div><br /> 216 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 22:04:18 ID:/PeM0D4h</div> <div>俺なんか今日、「一万年と二千年前から愛してる」って告白したんだぞ!?</div> <div><br /> 217 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 22:04:52 ID:/PeM0D4h</div> <div>すまん誤爆したorz</div> <div><br /> 218 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 22:29:43 ID:Y76R4PGY</div> <div>これはひどい</div> <div><br /> 219 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 22:47:08 ID:XC6ueZ/B</div> <div>いや/PeM0D4hにはヤンデレの素質があるかもしれない</div> <div><br /> 220 名前:伊南屋 ◆WsILX6i4pM [sage] 投稿日:2007/02/16(金) 22:48:50 ID:PK44QiOg</div> <div>神無士乃/狂気</div> <div>http://imepita.jp/20070216/820180</div> <div><br /> 試しに絵柄を若干変えてみたり。</div> <div><br /> 221 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 22:53:43 ID:XC6ueZ/B</div> <div>&gt;&gt;220</div> <div>この雰囲気(・∀・)イイ!ですGJ!</div> <div><br /> 222 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/02/16(金) 22:56:16 ID:6jmPJ/Y5</div> <div>&gt;&gt;220</div> <div>うすら笑いがなんとも・・・・・・GJ!!</div> <div><br /> では第四話投下します。</div> <div><br /> 223 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/02/16(金) 22:57:11 ID:6jmPJ/Y5</div> <div>第四話~腐れ縁の同級生~</div> <div><br /> 天野香織に出会ったのは俺が12才のころ。</div> <div> 中学校に入学した日のことだった。</div> <div><br /> ・ ・ ・ ・ ・ ・</div> <div> </div> <div> 入学式の後、クラスメイトへの自己紹介を終えてHRが終了した。</div> <div> その後でクラスは話し声や席を移動する音でたちまち喧騒に包まれた。ここからは</div> <div>クラスメイトとの友達作りが始まる。</div> <div> ここで友人を作っておくことは大事なことだ。初日は大概の人間が友人を作りたいと</div> <div>思っているので、話しかけられても親しく接してくれる。</div> <div> つまり、一番友人を作りやすい状況だと言えるのだ。</div> <div><br /> 俺も誰か友人を作ろうと思い話しかける相手を探したら、左隣にいる女生徒が最初に目に入った。</div> <div> 何故彼女のことが最初に気になったかと言うと、彼女が誰にも話しかけずにぼーっと下を向いていたからだ。</div> <div><br /> その女の子はなかなか可愛かった。標準的な女子中学生の体型。肩に届くぐらいまで</div> <div>伸ばした髪からは活発的な印象を受ける。顔のラインは少しだけ丸みをおびているが、</div> <div>丸くて大きな瞳との組み合わせで愛らしく見える。</div> <div> 一見して明るそうな女の子に思えるのだが、なぜ誰にも話しかけないのだろうか。</div> <div> 不思議に思ったので、しばらく観察することにした。</div> <div><br /> ときどき顔を上げて周囲を見渡している。</div> <div> 数人でグループを作って談笑している姿を見てそれに混ざろうとして腰を浮かすが、</div> <div>今度は椅子に腰を下ろす。しばらく見ていたが、結局誰にも話しかけなかった。</div> <div> どうやら、友達を作りたいが話しかけるきっかけがつかめずにいるらしい。</div> <div><br /> そのまま見つめていると、視線に気づいたのか俺の方を振り向いた。</div> <div> 初めはきょとんとしていたが、たちまち嬉しそうな顔つきになった。そのまま話しかけてくる。</div> <div>「あ、あの! じゃなくて・・・・・・な、何かな?」</div> <div> 落ち着いているような演技をしているが、その声は話しかけられたことによる喜び</div> <div>でうわついていた。なんとなく俺まで嬉しくなってしまった。</div> <div>「いや。さっきから見てたんだけど、なんで話しかけないのかなって思って」</div> <div>「それはその、・・・・・・タイミングを逃したら話しにくいじゃないか。</div> <div> そんなときはなんて言って話しかければいいのかな?」</div> <div>「・・・・・・・・・・・・俺もわからない」</div> <div> 人に『話しかけないのか?』と言っておいてなんだが、俺にもわからなかった。</div> <div> 今までの友達はいつのまにか仲良くなっていたし、</div> <div>俺から話しかけて友達を作ったことはほとんど無いと思う。</div> <div><br /> ・・・・・・あ、そうか。俺もこの女の子と一緒なのか。友達を作ろうとは思うけど、</div> <div>いざ話しかけようと思っても何と言って話しかければいいのかわからない。</div> <div> だからあえて話しかけようとしない。おそらく人に話しかけられるまで待っているのでは</div> <div>ないだろうか。俺も。そしてこの子も。</div> <div> そう思うとこの女の子に対して親近感が沸いてきた。</div> <div><br /> 活発そうに見えるのに実際は内気な女の子。</div> <div> その日、俺が香織について抱いた印象はそれだった。</div> <div><br /> 224 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/02/16(金) 22:58:19 ID:6jmPJ/Y5</div> <div><br /> ・ ・ ・ ・ ・ ・ </div> <div><br /> 出会ってからもう11年経つのか・・・・・・。</div> <div><br /> 緑に囲まれた山の県道で、昔を思い出しながら空を見上げた。</div> <div>「内気な女の子だったんだけどなあ・・・・・・」</div> <div> ・・・・・・違うな。『内気な女の子だと思っていた』だ。</div> <div> 香織と知り合って十年以上経つから初日に受けた印象が勘違いだということは既に理解している。</div> <div> 親しくなった人間に対しては全く遠慮なし。それが香織の本当の性質である。</div> <div><br /> 「誰のこと言ってるのかな? もしかしてボクのこと?」</div> <div> 相変わらずの口調で香織が話しかけてくる。全く悪びれた様子は無い。</div> <div> 今俺たちが置かれている状態を作った張本人であるにも関わらずこの調子でいられるのは何故なんだろう。</div> <div>「ひょっとしてキミ、怒ってる?」</div> <div>「呆れてるだけだ」</div> <div> もう何度もこういうことは経験してきているのだ。いちいち怒ってなどいられない。</div> <div> 香織の誘いに乗って、途中何らかのトラブルが発生したことは一度や二度では済まない。</div> <div>二回に一回の頻度で起こると言ってもいいだろう。</div> <div> その全てが天災や偶然によるものではなく、発案者のきまぐれが原因になっている。</div> <div>「途中でガス欠になるということを計算に入れていないとは俺も思わなかった」</div> <div>「う・・・・・・まだ大丈夫かなあ、と・・・・・・」</div> <div>「そう考えているんなら途中で脇道に入らなければよかったんだ。</div> <div> あのままルート通りに走り続けていればガス欠してもなんとかなったのに」</div> <div>「ぅぅぅ・・・・・・」</div> <div> なぜそういうことに気が回らないのだろうか。</div> <div> ・・・・・・まあ、黙ったまま何も言わなかった俺も馬鹿なやつだとは思うけど。</div> <div><br /> 「まあ、いまさら言っても仕方が無い。バイクを押して山を降りよう。</div> <div> ほら、俺に貸せ。押して行ってやるから」</div> <div>「え? ほんと! ありがとう雄志君!」</div> <div> さっき落ち込んだ顔を見せたかと思ったらすぐに立ち直った。</div> <div> もしかしたら香織がこんな性格になったのは俺がこうやって甘やかしたからか?</div> <div>「そうだ! 一休みしてから行こうよ。ほら、コーヒーあげる」</div> <div>「・・・・・・・・・・・・」</div> <div> 無言で缶コーヒーを受け取る。どこまで能天気なんだろうか。まったく・・・・・・</div> <div><br /> まあいいや。一休みしてから山を降りるとしよう。</div> <div> コーヒーを飲みながら自然豊かな山の中、女の子と談笑しながら体を休めよう。</div> <div> ・・・・・・こういうのもいいもんだな。</div> <div>(――――ん?)</div> <div> ふと思いついた。</div> <div> 俺、この状況にまったくこたえていない?</div> <div> 能天気なのは俺もか?</div> <div><br /> (もしかしてこいつ、俺に似たんじゃないよな・・・・・・?)</div> <div> そんなことはない、と思う。――そう信じたい。</div> <div> </div> <div>225 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/02/16(金) 22:59:38 ID:6jmPJ/Y5</div> <div><br /> バイクを押しながら山を降りる。</div> <div> 香織はバイクを挟んで向かい側に居て倒れないように気を使いながら歩いている。</div> <div> お互い何も喋らない。休憩中にたくさん喋ったから話題が尽きたのだ。</div> <div> 喋り続けていなくても間が持つ人間関係は最高だと言う。そうすると香織と俺の</div> <div>関係は最高だということになる。友人としては。しかし恋人としては――</div> <div>「ちょっと考えられないな」</div> <div>「何? 今度は何の話?」</div> <div>「いや。なんでもない」</div> <div> </div> <div> 香織と長く付き合っているからだろう。「二人は恋人同士なの?」と聞かれたことは何度もある。</div> <div> しかし、その度に俺が返す返事は「違う」の一言だけだ。香織を嫌っているわけではない。</div> <div> 何より、俺が香織を嫌う理由は一つも見当たらない。さっきのやりとりで見せた能天気さや</div> <div>少し抜けているところはこいつらしくて欠点にはならない。</div> <div> 容姿も悪くない。俺が今まで交際してきた女と比べたら間違いなく香織の方が上だ。</div> <div>最近はその基準もかなこさんや華の登場であやしくなってはいるが・・・・・・。</div> <div> それなのになぜ恋人にならないかというと、長く付き合いすぎたせいで恋人になる必要を</div> <div>感じないからだ。わかりやすく言えば恋人以上の――親友なのだ。</div> <div><br /> もちろんそう思っていることを香織に言ったことはない。もし言ったとしたら、</div> <div>「何恥ずかしいこと言ってんのさ!」と言われながら肩を思いっきり叩かれるに決まっている。</div> <div> いや、それ以前に――それは聞く必要も無いことだ。</div> <div> そうでなければ高校を卒業してからも定期的に連絡をとりあったりなどしない。</div> <div>昔友人だった人間はみな自然消滅してしまったが、香織だけは別だった。</div> <div> 会社で人間関係に絶望しかけていた俺が四年間も働き続けていられたのは香織のおかげだ。</div> <div><br /> 俺にとって香織は親友であり、恩人でもある。そういう意味では本当に最高の人間</div> <div>関係だと思う。</div> <div><br /></div> <div> 今日バイクのタンデムシートに座ってまで香織が行きたいと言っていた場所――山中の温泉――</div> <div>に付き合うことにしたのはそれだけ仲がいいからに他ならない。</div> <div>「あ、あれ! さっき山に入るとき曲がったところだよ!</div> <div> よかったあ・・・・・・これでガソリンを入れたら、温泉に行けるよ」</div> <div>「いいや。今日は温泉に行くのは無しだ」</div> <div>「えー! なんでさ!」</div> <div> 明らかに不服そうな顔でにらんでくる。</div> <div>「もう午後五時だ。今から行ったら帰るときには真っ暗だぞ」</div> <div>「大丈夫だよ。旅館も近くにあるらしいし」</div> <div>「それに・・・・・・ホラ」</div> <div><br /> 手のひらを上にして香織に向ける。手のひらに小雨程度ではあるが雨粒が落ちてきた。</div> <div>しばらくは大丈夫だろうがこのままではいずれ本降りになる。</div> <div>「あ・・・・・・・・・・・・。ハアァ、これは大人しく帰るしかないね・・・・・・」</div> <div> さすがに雨に降られてはどうしようもないと思ったのだろう。</div> <div> 落胆しながらも再びガソリンスタンドへ向けて歩き出した。</div> <div> </div> <div>226 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/02/16(金) 23:00:42 ID:6jmPJ/Y5</div> <div><br /> ・ ・ ・ ・ ・ ・</div> <div> </div> <div> ザァァァァァァァ</div> <div><br /> 夜七時過ぎにようやく俺の住むアパートに到着した。</div> <div> しかし、アパートまであと10分で着くというところで突然本降りになってしまった。</div> <div>「ううううう。つめたいよう・・・・・・」</div> <div> しかもそれがバイクに乗って走っているときだったから、やっかいなことになった。</div> <div> 二人とも合羽など用意していなかったので、バイクで走りながら10分の間雨に</div> <div>打たれ続けることになってしまった。</div> <div> この季節に雨に濡れたままにしておいたら香織はすぐに風邪をこじらすだろう。</div> <div>それに俺も早く着替えて暖まりたい。</div> <div>「とりあえず中に入れ。そのままだと間違いなく体調崩すぞ。</div> <div> 中でシャワーでも浴びていけ」</div> <div>「うん。そうしようかな・・・・・・って! いきなり何を言うのかなキミは!」</div> <div> 何を驚いているんだ。早く部屋に入ってシャワーでも浴びれば・・・・・・</div> <div><br /> シャワー!?</div> <div><br /> いかん。たぶん誤解しているぞこの女は。</div> <div>「いや、そりゃあボクだって寒いから早くシャワーを浴びて暖まりたいけど、</div> <div> キミが間違いを冒さないと保障できない以上、それはちょっと・・・・・・」</div> <div>「変な誤解をするな! 濡れたままでいたら風邪をひくかもしれないと思ってだな」</div> <div>「もしその言葉を信じたとしてもキミがボクのお風呂上りの姿を見て</div> <div> 興奮しないとも言えないよね」</div> <div> なかなか引き下がらない。</div> <div> それにさっきから俺がケダモノであるかのようなことを言っている。</div> <div> ならば、こっちはお前の身近なコンプレックスを攻めてやる!</div> <div>「聞き捨てならんな。いくら俺でもお前を相手にしなければいけないほど飢えてはいない。</div> <div> 店長みたいな体つきをしているならともかく、お前では俺の理性を失くすことは不可能だ!」</div> <div>「ぐっ・・・・・・言ったね! ボクのナイスバディを見て後悔しないでよ!</div> <div> 意地でも触らせてやんない! あと、店長にも言いつける!」</div> <div>「上等だ。お前こそ俺に欲情するなよ!」</div> <div>「な・・・・・・っ! そ、そ、そんなこと、あるもんか!」</div> <div> そう言うと顔を紅くして明後日の方向に顔を向ける。</div> <div> 自分が攻めるときには強いのに俺から攻められたら割と簡単に引き下がる。</div> <div> 早く暖まりたい今の心境ではその性格がありがたい。</div> <div><br /> 部屋の鍵を開けて中に入った。</div> <div> まずは香織にシャワーを浴びさせないと。</div> <div>「香織、先に入れ。俺は後でいいから」</div> <div>「え? でもキミだって濡れてるのに・・・・・・」</div> <div>「俺はタオルで体を拭いておくからお前の後で入っても平気だ」</div> <div>「でも・・・・・・」</div> <div> なかなか浴室に行こうとしない。こうなったら強引にでも押し込んでやる。</div> <div>「いいから早く行け。・・・・・・それとも俺の身体で温めてやろうか?</div> <div> あ、それがいいな。シャワー代はかからないし二人一緒に温まるし」</div> <div>「な・・・、な! こ、・・・・・・このけだものぉっ! あほーーーーー!」</div> <div> 香織は大声を上げて浴室へ入っていった。</div> <div> </div> <div>227 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/02/16(金) 23:02:23 ID:6jmPJ/Y5</div> <div><br /> ・ ・ ・ ・</div> <div><br /> シャァァァ・・・・・・</div> <div><br /> 「はあ・・・・・・」</div> <div> 温かいお湯の熱が身体に沁みこんでいく。さっきまで寒い思いをしていたのが嘘のようだ。</div> <div> 香織が出てくるまで待っていたからかなり身体が冷えてしまった。</div> <div>「まったく、今日はこんな思いをせずに温泉にゆっくり浸かれると思っていたのに。なんでこんな・・・・・・」</div> <div> 原因は分かっている。バイクがガス欠してしまったのが悪い。</div> <div> しかしガス欠させたのはガソリンの残量を把握していなかった香織とそのことを勘付きながらも</div> <div>何も言わなかった俺だ。三割くらいは俺が悪いと言ってもいいかな。</div> <div> ――いや、違うだろ。俺に非は無い。あいつがガソリンの残量を把握していれば、脇道を通って</div> <div>近道したりしなければ雨に濡れることなく温泉に浸かれていたのだ。香織が悪いことは明白だ。</div> <div> ・・・・・・しかし、そのことについて責めないということは。</div> <div><br /> 「結局、あいつには甘いよな・・・・・・俺は」</div> <div> 何故か分からないが、香織の悲しい顔や泣き顔を見ることを俺は恐れている。</div> <div> そんな顔は誰だって好んで見たいなどとは思わないだろうが、俺の場合香織に対しては</div> <div>特にそういう感情が強い。</div> <div>「昔あいつと何かあったっけ・・・・・・」</div> <div> 再会してからの一年では特別何も無い。遊んでばっかりいた気がする。</div> <div> 会社に勤めていたときの四年間は会っていない。メールや電話で悲しませた覚えも無い。</div> <div> 高校時代は・・・・・・無かったと思う。さすがに俺も分別をわきまえていたはずだ。</div> <div> となると、怪しいのは中学時代。</div> <div>しかしここまで昔になると一つ一つの出来事まで思い出すことは不可能だ。</div> <div><br /> ・・・・・・・・・・・・。</div> <div> やめよう。</div> <div> たぶん俺は香織のことを妹みたいな親友として見ている。だから悲しい顔をさせたくないだけなんだ。</div> <div> 妹みたいな、と言っても華とは違うな。華は俺の助けを必要としていない。一人でなんでもできるような</div> <div>しっかりした女の子に成長している。</div> <div> それに二人は体つきが全然違う。華はスレンダーだが、香織は結構スタイルがいい。</div> <div> そういえばさっき風呂上りの姿を見たがなかなか扇情的な――</div> <div><br /> 「いやいやいやいやいや」</div> <div> 馬鹿なことを考えるな、俺。あいつは親友だ。一時の気まぐれでそれを壊してはいけない。</div> <div> </div> <div> 俺と香織は友人。その関係が一番いいんだ。</div> <div> </div> <div>228 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/02/16(金) 23:03:20 ID:6jmPJ/Y5</div> <div> 浴室からでてきて部屋に戻ったら香織が髪を乾かしていた。</div> <div>「あれ、もう出てきたの? まだ10分しか入ってないよ」</div> <div>「ああ・・・・・・お湯がもったいないからな」</div> <div> というのは冗談だ。いつもは20分くらいシャワーに時間をかけている。</div> <div> 考えごとをしていたら変な方向にいってしまったから早めにあがってしまったのだ。</div> <div><br /> 「・・・・・・ねえ、お金がもったいないんならボクとルームシェアする?</div> <div> 二人でお金出し合えばもう少し広いところに住めるよ」</div> <div>「悪いがお前と同居するつもりは無い」</div> <div> 即座に返答する。同性ならともかく、若い男女が同居していたら親類や世間は恋人同士だと</div> <div>勘違いするだろう。</div> <div> それに従妹が隣に住んでいるだけでストレスが溜まっているというのに香織と同居でもした</div> <div>ときには更なるストレスと欲求不満で俺はおかしくなるに決まっている。</div> <div>「そう? 残念だな。結構いいアイデアだと思うんだけど」</div> <div>「ルームシェアもいろいろ問題があるって言うしな。同居した途端仲が悪くなったりとかするらしいし」</div> <div>「それは無いんじゃないかな? キミとボクなら」</div> <div> ・・・・・・なるほど。親友同士だからという理由で同居しないかと言い出したわけか。</div> <div> まさかこいつも親友だと思っていてくれたとは。嬉しいな。こういうのは。</div> <div><br /> 「それに、・・・・・・ボクはキミとなら一緒に住んでもいいと思ってる」</div> <div><br /> 真剣な表情になって喋りだした。</div> <div> しかし、そこまで真剣に考えてもらっても俺は応えられない。</div> <div>「・・・・・・そうか。まあ、俺もお前となら住んでも上手くやっていけそうな気はしてる」</div> <div>「え!? ホント!」</div> <div> やけに反応がいいな。そこまで嬉しそうな顔をするほどでもないだろうに。</div> <div>「でもな、俺とお前の関係だからこそやらないほうがいいと俺は思う」</div> <div>「・・・・・・? それ、どういう意味?」</div> <div>「お互いにプライベートを大事にするためには今のままのほうがいいだろ?」</div> <div>「それはわかるけど・・・・・・でも、一緒に住んでてもそれはなんとかなるよ。</div> <div> どうしても避けられないときもあるけど。その・・・・・・夜、とかさ」</div> <div> 夜?何を言ってるんだ?</div> <div> ・・・・・・まさか同居したら一緒に寝なきゃいけないとか考えているのか?</div> <div>「いや、さすがに夜は別々に寝るだろ。恋人同士じゃあるまいし」</div> <div>「・・・・・・・・・・・・・・・・・・はあ?」</div> <div> 鳩が豆鉄砲食らったような顔になった。</div> <div> 俺の顔をアホを見るような目で見つめている。</div> <div>「キミが何を言っているのかが、わからないなあ。あはははは・・・・・・」</div> <div>「だから、いくら親友だからって一緒に寝る必要はないだろってことだよ」</div> <div>「え? 親友? いや確かにそうだけど、え? </div> <div> ・・・・・・もしかしたらさっき言ってたこと、全部友達としての話・・・・・・?」</div> <div>「最初からそのつもりだったんだが」</div> <div> </div> <div> 俺の言葉を聞いてがっくりと膝をついた。そのまま前のめりに倒れる。</div> <div>「あははははは・・・・・・」</div> <div> 今度は力無く笑い出した。</div> <div> </div> <div>229 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/02/16(金) 23:04:07 ID:6jmPJ/Y5</div> <div><br /> 「あはははははは・・・・・・ははは。・・・・・・あーー、もう!</div> <div> まるでボクが馬鹿みたいじゃないか! 期待して損したよ! このニブチン!」</div> <div> いきなり立ち上がると俺に向かって怒り出した。</div> <div> 一体何を期待していたんだろうか。</div> <div>「はああああ・・・・・・今日はため息ついてばっかりだよ。</div> <div> ・・・・・・喉渇いたな。何か甘い飲み物ある?」</div> <div>「ああ。冷蔵庫の中に入ってるぞ」</div> <div> 俺の言葉を聞いて冷蔵庫の方へ歩いていった。力なくうなだれた背中が哀愁を漂わせている。</div> <div> ・・・・・・俺が悪いのか?</div> <div><br /> 「ねえ。どれ飲んでもいいの?」</div> <div>「ああ、別にどれでもいいぞ・・・・・・っ!?」</div> <div> しまった!もしや・・・・・・!</div> <div>「じゃあこのコーヒー牛乳をもらおうかな」</div> <div>「待て! それは駄目だ!」</div> <div> すぐに駆け寄って香織の手からコーヒー牛乳の瓶を奪い取る。</div> <div> これはこの家にある最後のコーヒー牛乳なんだ!渡すわけにはいかない!</div> <div>「あ、返してよ! どれでもいいって言ったじゃないか!」</div> <div>「程度の問題だ! 風呂上りのコーヒー牛乳は渡さん!」</div> <div>「ボクだってお風呂上りだよ!」</div> <div>「知らん!」</div> <div> 俺の手から瓶を奪い取ろうとして飛び掛ってくる。</div> <div>「おい! 体当たりするな!」</div> <div>「おとなしく渡しなよ! 今なら半分こにしてあげるから!」</div> <div>「ふざけるな! 全部俺のもんだ!」</div> <div> 香織の顔を左手で押しのける。右手でコーヒー牛乳を飲もうとして――</div> <div>「チェストおぉっ!」</div> <div>「ぼがっ?!」</div> <div> しゃがみこんだ香織が腰に向かって体当たりしてきた。</div> <div> 勢いそのままに反転して倒れこむ。</div> <div><br /> どたどたん! ゴト!</div> <div><br /> 「いたた・・・・・・あ! 瓶が・・・・・・」</div> <div> さっきの体当たりでコーヒー牛乳の瓶を落としてしまった。</div> <div> 中身は無残にもぶちまけられている。</div> <div>「ああ、なんてもったいない・・・・・・。</div> <div> 香織! お前なあ! いきなり体当たりするなんて・・・・・・」</div> <div>「・・・・・・・・・・・・ぁ・・・・・・」</div> <div>「おい? どうかしたのか・・・・・・、!?」</div> <div> </div> <div> さっき香織は俺の腰に向かって体当たりしてきた。</div> <div> その拍子に俺は反転して倒れた。</div> <div> そしてその結果――――</div> <div><br /> 「雄志君・・・・・・」</div> <div> </div> <div> 俺が香織を押し倒す格好になってしまった。</div> <div> </div> <div>230 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/02/16(金) 23:05:59 ID:6jmPJ/Y5</div> <div><br /> 「あ・・・・・・その・・・・・・」</div> <div> この体勢はまずい。ものすごく顔が近い。体なんか密着している状態だ。</div> <div>「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」</div> <div> 香織は何も言わない。・・・・・・何か喋ってくれよ。なんでもいいから。</div> <div>「すまん! 調子に乗りすぎた。すぐにどくから・・・・・・」</div> <div> </div> <div> ・・・・・・・・・・・・ん?あれ?起き上がれない?なんでだ?</div> <div>「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん・・・・・・」</div> <div> 香織が俺の背中に手を回してしがみついている。</div> <div> 目の前には紅い顔。俺の目を見つめたまま瞬き一つしない。</div> <div>「・・・・・・・・・・・・・・・なあ」</div> <div>「・・・・・・雄志君・・・・・・」</div> <div> 色っぽい声で俺の名前を呼ぶ。こんな近くでそんな声出さないでくれ。</div> <div> 湯上り独特のシャンプーの匂いがする。まずい。体が熱くなってきた。</div> <div>「そろそろ離してくれないか・・・・・・?」</div> <div>「・・・・・・・・・・・・うん。でも、その前にボクの話を聞いて」</div> <div> 雰囲気が変わった。真剣な眼差しを俺に向けてくる。</div> <div><br /> 「・・・・・・あ、あのね・・・・・・ボク、こういうの嫌じゃないんだ」</div> <div>「え?」</div> <div>「さっきキミがボクと一緒に住んでもいいって言ってくれたとき、すごく嬉しかった。</div> <div> まさかそれが友達としての言葉だとは思わなかったけど・・・・・・」</div> <div>「・・・・・・・・・・・・」</div> <div>「さっき同居の話をしてたとき、本当は、キミと・・・・・・」</div> <div> ・・・・・・何を言うつもりだ?</div> <div><br /> 「ボクはキミとずっと――」</div> <div> おい、ちょっと待――――――――――</div> <div> </div> <div> バァン!</div> <div> </div> <div>「いいっ!?」「へっ!?」</div> <div> いきなり玄関のドアが開いた。続いて聞きなれた声が響いた。</div> <div><br /> 「おにいさん! 大丈夫ですか?! </div> <div> 人が倒れる音が聞こえてきたからつい心配になってきたんですけど――――けど――けど、</div> <div> ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なにしてるんですか?」</div> <div> ドアを開けて飛び込んできたのは隣に住む従妹の華だった。</div> <div>「おにいさん? 何をやってるんですか・・・・・・?」</div> <div>「雄志君。この人・・・・・・誰?」</div> <div><br /> 一人暮らしの男の部屋で女の子が押し倒されているこの状況。</div> <div> なんと言って説明すれば血を見ずに済むだろうか。</div> <div> </div> <div> 香織に抱きつかれながらそんなことを考えていた。</div> <div> </div> <div>231 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/02/16(金) 23:09:07 ID:6jmPJ/Y5</div> <div>第四話終了です。</div> <div> </div> <div>前回から時間が空いてしまって申し訳ないです。</div> <div>精進せねば・・・・・・</div> <div><br /> 232 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 23:20:03 ID:XC6ueZ/B</div> <div>&gt;&gt;231</div> <div>GJ!</div> <div>見事なまでの鈍さの主人公と</div> <div>ライバルの存在に気付いたヒロインの動向が楽しみです</div> <div><br /> 233 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 23:59:29 ID:28Sk/qaH</div> <div>GJ!</div> <div><br /> 234 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 00:03:00 ID:VNEswL9I</div> <div>&gt;&gt;231</div> <div>GJ!</div> <div>これは次回に期待w</div> <div><br /> 235 名前:伊南屋 ◆WsILX6i4pM [sage] 投稿日:2007/02/17(土) 00:03:54 ID:UCeXvZ7h</div> <div>キャラアイコン置いときますね。</div> <div><br /> キャラアイコン/ヤマネ</div> <div>http://imepita.jp/20070217/000560</div> <div>キャラアイコン/如月更紗</div> <div>http://imepita.jp/20070216/863870</div> <div>キャラアイコン/グレーテル</div> <div>http://imepita.jp/20070216/863000</div> <div><br /> 236 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 00:39:18 ID:aJEsADXe</div> <div>ことのはぐるま氏キター!!!</div> <div><br /> 237 名前:51[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 01:16:04 ID:3vW+j4KF</div> <div>はつとうこう。</div> <div><br /> ====================</div> <div><br /> 今は昔、東方の地に戦巫女ありけり。</div> <div>戦場にありては敵を討ち、屠り尽くすがその身上。</div> <div>その一薙ぎは百の首を刎ね、</div> <div>その一突きは百の臓腑を穿つと伝え聞く。</div> <div> </div> <div><br /> 赤。朱。紅。</div> <div><br /> 私は、赤い色が好き。</div> <div>彼が、好きだと言った色。</div> <div><br /> …私は古来より優秀な戦巫女を輩出する一門によって育てられた。</div> <div>戦巫女。それは、人でありながら人で無き道具。</div> <div>ある者は呪力によって、ある者は武技によって、ただの一人で戦況を覆す、兵器。</div> <div>憐憫も慈悲もなく、ただ戦い、屠り、そしてその為だけに果てる人の容をした道具。</div> <div>私に触れる者の手に温もりはなく、『道具』として私を造り上げる者達との日常。</div> <div>そんな日々は、私を何物にも心を動かされぬ器物へと育て上げていった。</div> <div><br /> そんな私の前に『彼』は現れた。</div> <div>それが、始まりであったのだ。</div> <div><br /> 238 名前:51[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 01:17:43 ID:3vW+j4KF</div> <div>それは私が16を越え、初めて御館様への御目通りをすべく城に推参した時に遡る。</div> <div>武によって多くの藩国を睥睨する戦国の猛者。</div> <div>その藩主の元で邁進せよ、との命を受けて。</div> <div><br /> 城での謁見の席にあったのは拒絶の感情だった。</div> <div>建前だけの賛辞。</div> <div>化け物でも見るような奇異の眼。</div> <div>あるいは、外道めと罵らんばかりの憎悪。</div> <div><br /> だが、その時の私はそれらに対して何の感慨も抱いてはいなかった。</div> <div>私は器物。器物は、心など持たぬもの。戦って殺す事さえ出来ればそれで良い。</div> <div>その為に私はここに在るのだ、と。</div> <div><br /> 一通りの挨拶が済むと、私は城の一角に設けられた離れに案内された。</div> <div>巫女様に無礼無きように、との事であったが、その実は隔離されただけである。</div> <div>私は、彼らにとっては異質なのだ。人は異質なる物を忌避し拒絶する。</div> <div>見たくない物には蓋を、聞きたくない音には耳をふさいでしまえばよい。</div> <div>誰一人としてこの離れに近づくことはないだろうと、私はそう思っていた。</div> <div><br /> しかし、その私の考えはすぐに覆されることになる。</div> <div>それは、城での生活を始めて数日たった頃のこと。</div> <div>離れの縁側で一人静かに瞑想していた私は、近くの物陰に気配を感じた。</div> <div><br /> …見られている。</div> <div><br /> 敵意をこそ感じなかったが、その気配は一分の隙も無く私を注視している。</div> <div>私の疑念に気付いていないのか、翌日も、その翌日も、その気配は私の監視を</div> <div>怠ることはなかった。</div> <div><br /> 239 名前:51[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 01:18:51 ID:3vW+j4KF</div> <div>そんな日が続いて一週間ほどが過ぎただろうか。</div> <div>私はついに思い立ち、すっと立ち上がるとその気配のほうを睨み付け、「何者か」と声を投げかけた。</div> <div>突然のその声に驚いたのか、ややあって物陰から一人の男が顔を出す。</div> <div><br /> 年齢は私と同じくらいだろうか?</div> <div><br /> 青年は私に睨みつけられると、己の行為を恥じてかぽぅとその頬を赤く染める。</div> <div>私は彼に向かってこの一週間私を監視していた理由を問うた。</div> <div>その意図は何にせよ、毎日のように監視を続けるからには何か理由があるに違いない。</div> <div>だが、彼はその問いに答えることなく何事かわけの判らない事を呟くと、そのまま走って</div> <div>逃げ去ってしまった。</div> <div>後には、ぽつんと取り残された私一人。</div> <div><br /> そして翌日。</div> <div>今までとは違い、姿を隠さず私の前に現れた彼は深々と頭を下げて私に詫びた。</div> <div>昨日は申し訳ない。</div> <div>言いたい事は幾らでもあったのだが、混乱してつい逃げてしまった、と。</div> <div>確かに、隠れていた相手にいきなり声をかければそれは道理。</div> <div>私は彼の謝罪を受け入れた上で、改めて彼に監視の理由を問うた。</div> <div>だが、どれほど重い理由かと考えていた私にとって、その答えはあまりにも間の抜けたものであった。</div> <div><br /> ― 貴方のことを、もっと知りたいと思ったからです ―</div> <div><br /> 彼は、ただそれだけを答えた。</div> <div>その答えを聞いて、私はたっぷり八半刻は呆然としていたと思う。</div> <div>彼に改めて声を掛けられ、私はようやっと我に返った。</div> <div>私は、本当にそれだけなのかと強く問いただす。</div> <div>だが、彼の答えは変わらなかった。</div> <div>その口調とそぶりに、嘘をついているような気配は見られない。</div> <div>つまり、彼は私という人間を知りたいというただそれだけの理由で一週間もの間</div> <div>飽きもせずこの離れに通っていたというのだ。</div> <div><br /> 私はまず、呆れた。</div> <div>そして次に、彼に興味を持った。</div> <div>誰もが畏れ、忌避する私を、あえて知りたいと彼は言う。</div> <div>そんな一風変わった彼に、私もまた彼のことをもっと知りたいと思えたのだ。</div> <div><br /> その日から、私の日課に彼との語らいが加わることになる。</div> <div><br /> 240 名前:51[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 01:20:05 ID:3vW+j4KF</div> <div>私は、彼に多くのことを話した。</div> <div>生まれた場所、修練を積んだ日々の事、技を授けてくれた師の事…</div> <div>おおよそ、私の経験してきたその全てを彼に伝えた。</div> <div>彼もまた、自身のことを私に話した。</div> <div>武家とはいえど、既に落ちぶれて久しいということ。</div> <div>身を立てるため、この国の足軽になったということ。</div> <div>いつか、名を上げて故郷に錦を飾るつもりだということ。</div> <div>それだけにあらず、彼からは世俗の風習や流行などの話も聞いた。</div> <div>彼の語る世界は私の知らぬ事ばかりで、世俗から隔絶されて育った私にとって</div> <div>その全てが興味深く、また驚きを生んだ。</div> <div>私は、疑問が生まれるたびに何故か?と彼に問いただした。</div> <div>彼にしてみれば、私は酷く下らない質問していたのかもしれない。</div> <div>だが、そんな私に彼は面倒臭がる事もなく、むしろ優しく判りやすくその疑問に答えてくれた。</div> <div><br /> そんな日々を繰り返す内、いつしか彼との語らいを心待ちにするように私はなっていた。</div> <div><br /> 彼が所用で来る事ができない日などは、酷く面白くない気分にもなった。</div> <div>たとえ修練の最中でも、彼が来たと判ればすぐに切り上げた。</div> <div>それは、今までの私ならば考えられない行動であったろう。</div> <div><br /> ある日の事。彼は手に花を携えてやって来た。</div> <div>暇の間に野山を散策して見つけてきたのだ、と言う。</div> <div>それは、赤い花弁を持った可憐な花。</div> <div>姫百合というのです、と彼は教えてくれた。</div> <div>花を愛でる、という事を私はした事がない。</div> <div>否、そんな事をするなどという考えすら浮かんだことがなかった。</div> <div>だが、こうしてじっくりと見てみると花のなんと美しい事か。</div> <div>ほうとため息をつきながら花を眺める私を見て、彼は微笑むと、口を開く。</div> <div><br /> ― 自分は、この花のように赤い色が好きです ―</div> <div><br /> 何故か、と私は彼に問うた。</div> <div><br /> ― 赤い色を見ると、貴方の衣装と、貴方の顔を思い出すんです ―</div> <div>― その、赤い色が、貴方にはとてもよく似合っていると思って ―</div> <div><br /> 彼は頭を掻きながら、そうはにかむ。</div> <div>…何故だろうか。</div> <div>彼のその言葉に、私の胸の奥にちくりと心地のよい痛みが走った。</div> <div><br /> ~続~</div> <div>=============================</div> <div>つか、長ェ。</div> <div>txtにしてうpしたほうがいいかもしれん</div> <div><br /> 241 名前: ◆5PfWpKIZI. [sage] 投稿日:2007/02/17(土) 01:38:46 ID:eYxLDwO8</div> <div>&gt;&gt;ことのはぐるま氏</div> <div>なんて酷い主人公wそして華のなんて鋭いことww</div> <div><br /> &gt;&gt;伊南屋氏</div> <div>GJです!!本当に仕事丁寧で早くて感服します……遅筆の俺は見習いたいorz</div> <div><br /> &gt;&gt;屍氏@保管庫BBS</div> <div>すみませんやり直したら普通に書き込めました。皆さん、よづりさんが来てますよ、と。</div> <div><br /> &gt;&gt;51氏</div> <div>時代ものキタ――長いのは大丈夫だと思いますよ。</div> <div><br /> 奇跡の全レス。では投下します↓</div> <div> </div> <div>242 名前:恋人作り ◆5PfWpKIZI. [sage] 投稿日:2007/02/17(土) 01:40:00 ID:eYxLDwO8</div> <div><br /> 「ちょっと祐人、食べづらいって言ってるじゃない。引っ張らないでってば」</div> <div>「仕方ないだろ。左手のお前より右手の俺の方が食べづらいんだから思いやってくれ」</div> <div>「……祐人くん適応力あるのね」</div> <div><br /> 結局あの後何事もなかったかのように夕食の運びとなった。</div> <div> だがもちろん手枷足枷の類を真弓が外してくれる訳も無く。</div> <div><br /> 「だから食べさせてあげるって言ったのに」</div> <div>「とりあえず食えてるからいいだろう」</div> <div>「食べさせてあげたかったのに」</div> <div>「……姫野、俺は食べさせてもらうのはあまり好きじゃないんだが」</div> <div>「もう。祐人の意地っ張り。真弓って呼んでって言ったじゃない」</div> <div>「わ、わかったわかったから真弓、手引っ張るのやめてくれ。食ってるんだから危ない」</div> <div><br /> 祐人はとりあえず2人に合わせるという選択肢をとることにしていた。恐らく</div> <div>2人の世界観から大きくはみ出なければ危害を加えられることは無いだろう。真弓が</div> <div>これからどう出るのかは全くの未知数だったが殺されることは無いと思えた。</div> <div><br /> その読みは正しかったが、ある一点で彼は読み違いをしていた。必ず誰かが自分を</div> <div>ここから連れ出しにくるだろうという祐人の希望。それだけが大きな思い違いだった。</div> <div> </div> <div>■■■■■■</div> <div> </div> <div><br /> 243 名前:恋人作り ◆5PfWpKIZI. [sage] 投稿日:2007/02/17(土) 01:41:05 ID:eYxLDwO8</div> <div>■■■■■■</div> <div> </div> <div>「なあ……真弓。これって風呂とかトイレはどうするつもりなんだ?」</div> <div><br /> 夕食後。祐人が当然の疑問を口にした。</div> <div><br /> 「……祐人、まさかトイレ一緒に入りたいの?祐人にそういう趣味が」</div> <div>「あるわけ無いだろう」</div> <div>「あるなら入ってもいいよ?……すごい恥ずかしいけど祐人がそうしたいなら」</div> <div>「真弓。人の話をちゃんと聞いてくれ」</div> <div><br /> 頬を染めて恥ずかしがりながら見上げてくる真弓は正直可愛いかった。</div> <div> 彼女が動くたびに鎖がシャラシャラと音を立てる。</div> <div><br /> 「本気なのに。とりあえず長い手錠あるからトイレの時だけそっちに付け替えかな」</div> <div>「長いのあるなら普段からそっちにしないか」</div> <div>「せっかく一緒に生活出来るようになったからしばらくは腕より遠く離れたく無いの」</div> <div>「いやでも不便じゃないか?」</div> <div>「お願い祐人。しばらくの間でいいからこのままいよう」</div> <div><br /> 可愛い。首を少し傾げて祐人にもたれかかるようにして甘えてくる真弓は</div> <div>本当に可愛い。何となく流されてこれが普通のような気がしてきてしまう。</div> <div> 合わせようと思い立ったせいなのか自分の思考が少し鈍くなったように祐人は感じた。</div> <div><br /> 「風呂もそっちの手錠なのか?」</div> <div>「…………」</div> <div><br /> 姫野真弓は少しうつむいて耳まで真っ赤になった。</div> <div> そして一緒に入ろう、と消え入りそうな声で呟いた。</div> <div> </div> <div>■■■■■■</div> <div>■■■■■■</div> <div> </div> <div>「絶対開けないでよ!!」</div> <div><br /> 聖祐人と姫野真弓は一緒に風呂に入っていた。そう言ってしまうと少し語弊があるが。</div> <div>彼らは同じ浴室内にいることはいたが、シャワーカーテンに仕切られて今祐人に</div> <div>見えているのは己に繋がれた真弓の左手だけだった。カーテンの向こうでは今は</div> <div>真弓が体を洗っており祐人は湯船に浸かっている。</div> <div> </div> <div> </div> <div>244 名前:恋人作り ◆5PfWpKIZI. [sage] 投稿日:2007/02/17(土) 01:42:18 ID:eYxLDwO8</div> <div>「あまり時間がかかるとのぼせるんだが」</div> <div>「女の子には色々あるの。時間かかるんだよ」</div> <div>「それにしても手錠全部ついてる俺よりかかるのはおかしく無いか」</div> <div>「そんなにかかって無いよ」</div> <div><br /> 真弓は一緒に入ると言い出したものの恥ずかしくて脱衣場では祐人に後ろを</div> <div>向くことを命じ、浴室ではシャワーカーテンで仕切るという何とも意味の無い事態に</div> <div>なっていた。それでも彼女には一緒に入ることに意味があるらしい。</div> <div><br /> 「むしろ左手は洗わなくていいのか」</div> <div>「左手は最後にまとめてやるの」</div> <div>「変な習慣だな」</div> <div>「違うよ!!体洗ってる時に祐人の手があったらドキドキして大変だもん。</div> <div> 祐人にいたずらされるかもしれないし」</div> <div>「するわけ無いだろう」</div> <div><br /> シャワーカーテンに区切られているおかげで祐人のいる場所は少し暗い。祐人は</div> <div>真弓の左手をぼんやり見ながら答えた。彼女から受ける印象からすると意外なほど</div> <div>白い手だった。最も姉の亜弓の病的な白さにはほど遠いが。そして、細かった。</div> <div>力をこめて握れば折れるのでは無いかと思う。指もやはり細い。整った爪先には</div> <div>マニキュアなどは一切塗っていないようだ。</div> <div>手首に手錠が擦れてできたような赤い跡があった。</div> <div><br /> 夢の中にいるような妙な浮遊感を感じた。</div> <div> 白く細く儚い手が目の前でたまに揺れながら――まるで誘っているかのように。</div> <div> そしてその手は間違いなく自分に繋がれている。</div> <div><br /> 「左手もらうよ。……祐人?まさか寝ちゃった?」</div> <div>「あ、いや大丈夫だ」</div> <div><br /> 祐人の思考能力は限り無く低下していた。</div> <div> </div> <div>■■■■■■</div> <div> </div> <div><br /> 245 名前:恋人作り ◆5PfWpKIZI. [sage] 投稿日:2007/02/17(土) 01:43:37 ID:eYxLDwO8</div> <div>■■■■■■</div> <div> </div> <div>「祐人……祐人。寝ちゃったの?」</div> <div><br /> 真っ暗な部屋で真弓と祐人は並んで一つのベッドに横たわっていた。</div> <div><br /> 「寝ちゃったか。やっぱり最初だから薬効きすぎたのかな」</div> <div><br /> 真弓は祐人の髪を撫でながら話しかける。</div> <div><br /> 「仕方ないね。でも私祐人が家に来てくれて本当に嬉しい。本当に夢みたいだよ」</div> <div><br /> 微笑んだその顔は穏やかで、その首についた首輪と凄まじいギャップを持っていた。</div> <div><br /> 「祐人。私ね、祐人が大好き。祐人もそうなんだよね。だって祐人は私のためだけに</div> <div> いるんだから。祐人がちゃんと私だけのためにいられるように私頑張ったんだよ」</div> <div><br /> 真っ暗な部屋の中真弓の声だけが響く。</div> <div><br /> 「祐人。私の祐人。祐人は私のものだし私は祐人のものだよ。</div> <div> ずっとずっと一緒にいようね」</div> <div><br /> 手錠で繋がれた祐人の手を取って真弓は自分の胸に当てた。大きくは無いが</div> <div>小さくも無い。標準的なサイズの、だが形の良い胸を祐人の手で包み込む。</div> <div><br /> 「大好きだよ。私を全部あげるから。祐人の全部は私のものね」</div> <div><br /> 暗い中で真弓は幸せを噛み締めた。</div> <div> </div> <div>■■■■■■</div> <div>■■■■■■</div> <div> </div> <div><br /> 246 名前: ◆5PfWpKIZI. [sage] 投稿日:2007/02/17(土) 01:45:04 ID:eYxLDwO8</div> <div>ヤン+デレの割合が完全にデレ過重な真弓。</div> <div>もっとちゃんと病ませたい……</div> <div> </div> <div>247 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 03:10:11 ID:5Nf1Sr2S</div> <div>ぐっじょぶ(*´ρ`*)いやほんと祐人の適応能力高いなww</div> <div>個人的には真綾の方も……期待してたりします。色んな意味で。</div> <div><br /> 248 名前:線路のひと[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 04:13:26 ID:F4AMjAKa</div> <div>こんばんはこないだ線路に落ちた人です。</div> <div>前に書いたとうり作品を書いてみました。と言うよりは大体の骨組みが決まったのでプロローグみたいのを書いてみました。</div> <div>といっても適格ではない表現とかもあるので口だけでなく書く意思があると言う宣言みたいなものと考えてください。</div> <div><br /> 249 名前:線路のひと[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 04:17:17 ID:F4AMjAKa</div> <div>「まもなく、3番線に列車が到着します」</div> <div> ほぼ毎日聞いているアナウンスが流れている中、一一一(ひといちはじめ)と言う少年は部活の疲れもあってぼぉ~っとしていた。彼良く知る人間ならば珍しい光景だと言うし、そうでは無い人間には別にたいした事じゃないと言うだろう。しかし今回はそれが災いとなった。</div> <div><br /> 250 名前:線路のひと[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 04:20:09 ID:F4AMjAKa</div> <div> 一本前の電車にあと少しと言う所で乗り遅れてしまい線の手前側にいたし、都市とまではいかないが田舎ではないこの町には時間が時間であってかなり混んでいた。</div> <div>そしてそんなのも日常として捕らえている彼には問題はなかった。</div> <div> </div> <div>251 名前:線路のひと[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 04:22:58 ID:F4AMjAKa</div> <div>しかし電車のやってくるガタンゴトンと言う音が聞こえてくる頃、彼は不意に誰かに押された。</div> <div><br /> もしかしたら殴られたかもしれないし蹴られたかもしれない。</div> <div><br /> まあそんなことは今のどうでも良かった。</div> <div><br /> ぼぉ~としていたせいで彼は数秒ほどそのことを自覚するのに遅れた。</div> <div><br /> しかし既に時遅し彼は線路に落ちる事を回避するのが不可能な状態になっていた。</div> <div> </div> <div>252 名前:線路のひと[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 04:24:40 ID:F4AMjAKa</div> <div><br /> 落ちて行く瞬間、彼は「線路で自殺するとかなりの金額をJRか似たような会社に払わないといけないんだよな。父さん母さん親不孝な俺でごめんなさい」などと思っていた。</div> <div><br /> そして頭を線路にぶつけるとともに彼の意識はブラックアウトしていった</div> <div> </div> <div>253 名前:線路のひと[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 04:36:52 ID:F4AMjAKa</div> <div>今回はここまで、今投下したのはあくまでやる気をあるのをみせただけ、書いて見て表現力のなさを思い知りました。</div> <div>色々勉強しながら書くので他の人よりペースは遅いと思いますがよろしくお願いします</div> <div><br /> 254 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 04:55:56 ID:XBPYbn/J</div> <div>乙</div> <div><br /> ちなみに、エディタに書いたのをある程度まとめてコピペして投下すると良いと思う</div> <div><br /> 255 名前: ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/02/17(土) 05:14:18 ID:cBapEcIl</div> <div>&gt;&gt;253</div> <div>生きておられましたか。ご無事で何より。</div> <div><br /> &gt;&gt;236 &gt;&gt;241</div> <div>いえ、「ことのはぐるま」はタイトルであって名前では無いのですが・・・・・・</div> <div><br /> なんだったら今度からトリップ名ではなく別の名前を付けましょうか?</div> <div>私はそれでもいいのですが。</div> <div><br /> 256 名前:241[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 07:53:17 ID:eYxLDwO8</div> <div>&gt;&gt;255</div> <div>すみませんorz</div> <div>わかってたんですがやっちゃいました。</div> <div><br /> 本当すみません。</div> <div><br /> 257 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 08:42:27 ID:Y+qdF+xS</div> <div>沢山キテタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!</div> <div>新連載から連載まで全てにGJ!</div> <div>続きが楽しみだー!</div> <div><br /> 258 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 09:10:45 ID:2gnDXS0x</div> <div>そういやまだ日本語版ウィキペディアにヤンデレの項目ないんだな</div> <div>ツンデレの項にちょこっと書いてあるだけで</div> <div><br /> 259 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 10:15:47 ID:x0g8bpG5</div> <div>皆に聞きたいことがある。</div> <div><br /> &gt;&gt;255でも言っていたが、</div> <div>作者の方々が途中からロボ氏や赤いパパ氏みたいに名乗るのはおkなのか?</div> <div>それとも最初から名乗っていないとダメか?</div> <div><br /> 260 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 10:34:59 ID:4/sydiu6</div> <div>え?</div> <div>途中から名乗られると何か不都合があるのか?</div> <div> </div> <div><br /> 261 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 11:12:56 ID:Y+qdF+xS</div> <div>&gt;&gt;259</div> <div>途中からでも全然おkでしょ。</div> <div>まあ、今後この名前でいきます、みたいに宣言してくれた方がいいかも。</div> <div>トリップの前に突然あるとタイトルと混乱するし、保管庫の管理人さん的にもいいと思うし。</div> <div><br /> 262 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 11:21:29 ID:5gV4IN4w</div> <div>誰もんな小さいことにこだわってない</div> <div>はっきり言えばくそどうでもいい</div> <div><br /> 263 名前:伊南屋 ◆WsILX6i4pM [sage] 投稿日:2007/02/17(土) 13:11:45 ID:O8lmNRJf</div> <div>絵柄の変更に合わせてデザインも極々若干ながら修正してみた。</div> <div>如月更紗(Ver1.1)/バストアップ</div> <div>http://imepita.jp/20070217/471160</div> <div>神無士乃(Ver1.1)/バストアップ</div> <div>http://imepita.jp/20070217/472460</div> <div><br /> 264 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/17(土) 15:37:58 ID:/Q0pBnTr</div> <div>&gt;&gt;240</div> <div>これはヤンデレでは初めて見る舞台設定、期待してます。</div> <div><br /> &gt;&gt;246</div> <div>これほどのデレが一瞬でヤミになると考えると最高ですw</div> <div><br /> &gt;&gt;253</div> <div>実体験なんて貴重な話楽しみです。</div> <div>くれぐれも背後には気をつけながら頑張って下さい。</div> <div><br /> では上書き5話投下します。</div> <div><br /> 265 名前:上書き第5話 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/17(土) 15:39:09 ID:/Q0pBnTr</div> <div><br /> 『誠人くん…あたしがちゃんと”上書き”してあげるから…大丈夫だよ…?あはははは!!!』</div> <div>『あぁあああ!!!』</div> <div><br /> 容易に想像のつく悲惨な末路、自分で想像しておきながらそのあまりに生々しく現実味溢れ、何より起きても納得してしまう光景に身震いする。</div> <div>加奈ならやりかねない…。</div> <div>  きっと加奈にとっての問題は”傷”なんかではなく、自分以外の人間が俺に触れた”証”の有無なのだろう…傷でなくても加奈がそれを”傷”と捉えるかは置いておいて。</div> <div> だから、たとえ俺の首元に付けられたのが”直接的外傷のない”キスマークであったとしても、それは加奈にとって十分”上書き”すべき対象なのだろう。</div> <div>万が一にでもこのキスマークが見付かれば、加奈は容赦しない…首は少し傷付けるだけで簡単に命を落としてしまう事にも気付かず。</div> <div>そうなったら、俺は間違いなく死ぬ…確かにそれはかなりの重要事項だ。</div> <div> まだまだ俺にだってやりたい事は山ほどある。</div> <div> だけど、それと同じくらい…いや、それ以上に俺が恐れているのは…加奈の弱さだ。</div> <div>加奈は俺にあんな事をしてくるけど、それは加奈が我慢というものを知らないからだ…加奈は純粋過ぎる。</div> <div>もし加奈が俺に”上書き”した後、自分のした事の過ちに気付いたりしたら…きっと加奈は壊れる。</div> <div>一生立ち直れない程に壊れる、それこそが一番危惧すべき事なのだ。</div> <div>何度も何度も俺を傷付ける…そんな加奈が好きなんだ。</div> <div>勿論いつもの加奈も好きだ、誰よりもと断言してもいい。</div> <div> 低い背丈に童顔な顔つき、それと相反するように大人の魅力を釀しだす長い黒髪、いつも何か懇願するように見上げてくる真っ直ぐな瞳…幼馴染みながらも、ここまで自分の理想に担う相手は他にいない。</div> <div> そんな加奈を愛しているのだが…時折見せる狂気的に色を失った瞳に見つめられるのも好きだったりする…その時加奈が俺を見ているのかは分からないが。</div> <div> その瞳の奥にあるのが純粋に俺を好きでいる気持ちだって何となくわかるから。</div> <div> どんな加奈でも好きだから、幸せになって欲しい。</div> <div>もし、俺以上に加奈を幸せに出来るって奴が現れたなら、俺は喜んで加奈をそいつに譲るだろう。</div> <div>加奈の幸せは俺の幸せ…。</div> <div>加奈の幸せを、一時の過ちなんかで台無しにしたくない。</div> <div>だから、絶対にこのキスマークは見られる訳にはいかない。</div> <div><br /> そんな俺の心中も知らず、島村は俺の手を引いていく。</div> <div> 新しい玩具を買って貰った子供のように楽しそうだ。</div> <div>お前が悩みの種なのに…なんて恨めしそうに背中を見つめながら、神経質に俺は首元を隠すように制服の襟を立てた。</div> <div> </div> <div>266 名前:上書き第5話 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/17(土) 15:40:00 ID:/Q0pBnTr</div> <div><br /> 「誰もいませんね~?」</div> <div> 一回ドアをノックして反応がない事を確認すると、島村は堂々と保健室へと入って行った。</div> <div>当然俺も引きずられるように。</div> <div>島村の第二の命令が終わった事を確認すると、未だに手を繋いでいる事が妙に気恥ずかしくなり、大袈裟に島村の手を振り払う。</div> <div>理由がなくなった以上、島村と手を繋ぐのはおかしい事だ。</div> <div>しかし、ちょっと大袈裟にやり過ぎたらしい、島村が露骨にこちらを睨みつけてくる。</div> <div>目をそらしてもピリピリと島村の視線を感じる。</div> <div> それでもやはり島村の考えは読めない。</div> <div>「女の子と手を繋ぐのは初めてでしたか?」</div> <div>突然上機嫌に俺を嘲るようにクスクス笑い出す。</div> <div>発言の内容から察するに馬鹿にされている。</div> <div>さっきからいくら弱味を握られてるかと言ってこいつにはやられっぱなしだ。</div> <div>かと言って抵抗して高校生活を棒に降る気はない。</div> <div> せめてもの意地で、若干強めの口調になる。</div> <div>「これでも俺は結構モテるんだ、小学生じゃあるまいし、手繋ぐくらい訳ない」</div> <div>「成程、そんな自称モテる沢崎くんは当然童貞なんかじゃないですよね?」</div> <div>…この女はどうしてこうまで人の奥を覗き込むんだ?</div> <div>無言でうつ向いてしまった俺を見下すように笑いながら、それ以上言及する事はしなかった。</div> <div>嬉しいような悲しいような…。</div> <div>そんな俺をよそに、島村は慣れた感じで保健室を徘徊する。</div> <div>勝手に持ち出していいのかわからないが、棚を開け中に収められている薬品等を凝視している。</div> <div>見つめている物が薬品からなのかもしれないが、結構様になってるなと思った。</div> <div>全体的に見れば肩にかからない程度のショートの黒髪だが、前髪が不釣り合いな程に長い。</div> <div>ただでさえ縁なしで今時流行らなそうな大きいレンズの眼鏡をかけているのに、長い前髪が余計に表情を隠そうとしている。</div> <div>しかし、何故かそれが俺視点からかもしれないが、物凄く似合う。</div> <div>何と言うか、地味な意味ではなく”飾ってない”感じの顔にかなりそれがマッチしている。</div> <div> そういえばこいつ、良く見ると化粧もしていない、それが妙な清潔感を生んでいる。</div> <div> 白衣でも着せたらきっとそのまま仕事出来るんじゃないか…?</div> <div>「ありました!」</div> <div>そう言って俺の方へ振り返りニコリと笑う島村。</div> <div>こいつのこんな純粋そうな笑顔は今日の昼休み―つってもまだ昼休みだが―、俺の腕の傷が大した事ないってわかった時以来だな…。</div> <div>同じ昼休み間なのに、その短い時間で随分と島村の本性を垣間見たからな。</div> <div>そんな風に笑ってれば結構いける方だと思うんだけどな…ってそういえば腕の傷って…。</div> <div>「それじゃ治療をしますか」</div> <div> </div> <div>267 名前:上書き第5話 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/17(土) 15:41:01 ID:/Q0pBnTr</div> <div><br /> そう言って島村は俺の右腕を掴んで自分がベッドに座る為にそこまで俺を引っ張った。</div> <div>思い出した…首元に気を取られ過ぎてたけど、この腕の傷は純粋にかなりヤバいんだった。</div> <div>思い出したら急に痛みを感じてきた。</div> <div>島村の言った通り、早く治療しないといけない。</div> <div>それにしても、さっきの白衣の妄想の続きだが、棚から取り出した消毒液を脱脂綿に染み込ませている姿を見ると、本当にナースのように見える。</div> <div>まぁこいつは白衣を見に纏った悪魔なんだろうけど…。</div> <div>「にしても、どうしてこんなに傷増えてるんですか?」</div> <div>島村が俺の傷を不審そうに見ている。</div> <div>しまった、言い訳を何も考えていなかった…。</div> <div>こんなひっかき傷がどうしてつくのか…体育館裏で島村に言い訳を考えた時のように理由を探した。</div> <div>しかし、今回はそれは無用だった。</div> <div>「あっ!ごめんなさい。女子トイレで腕がこんなになる程何してたかなんて訊くのは失礼ですよね」</div> <div>口さえなければ…と他人に本気で思ったのは初めてだ。</div> <div>それで納得してもらえるならひとまず良かった…大事なものと引き替えにしてる気もするが。</div> <div>「さ!これでよし」</div> <div>脱脂綿に消毒液が十分に染み渡り、満足そうな島村。</div> <div>まぁ今は素直に嬉しい、保健室の皺でクシャクシャの顔の婆さんにやってもらえるは断然いい。</div> <div>そう思ったのも束の間、島村は何の前触れもなくいきなり脱脂綿を傷に当ててきやがった。</div> <div>「痛ッ!」</div> <div>液の染込む痛切な感覚に俺が腕を引っ込めると、その反応を島村は口に手を当て喜んでいた。</div> <div>こいつドSだな…。</div> <div>そんな俺の憶測―ほぼ正解だが―に拍車をかけるように、島村が何かを思いついたのか両手を叩いた。</div> <div>目を細めこちらを見つめてくる…具体的な想像は出来なかったが、かなり嫌な予感がした。</div> <div>「沢崎くん」</div> <div>「な、何だよ?」</div> <div>「第三の命令です」</div> <div> そう言うと島村は人差し指を立て、俺の口元に持ってくる。</div> <div>「これから私が言いというまで、一切声を出さないで下さい」</div> <div>「…」</div> <div> 声を出さない…それに一体どんな意味があるというのか?</div> <div> それを訊かなかったのは今までのやり取りから、これからたとえ質問であろうと一言でも声を発すれば何を言ってくるかわからなかったからだ。</div> <div> 小学生みたいな考え方だが、今のこいつに対しては非常に有効だ。</div> <div>「声を出したら…分かってますね?」</div> <div> 体育館裏で俺を問い質した時のあの試すような目線を送ってくる。</div> <div> 目を合わるのが怖く、下を向く事で安全圏に入る。</div> <div> しかし、そんな俺の考えは甘かった。</div> <div>「―――――ッ!」</div> <div> 寸でのところで出そうになる悲鳴を抑え込んだ。</div> <div> 後もう少し島村の力が強ければ情けない悲鳴をあげていただろう。</div> <div> 島村は、消毒液たっぷりの脱脂綿をやっと血が固まってきた俺の傷口に思い切り当ててきたのだ。</div> <div> ガキじゃあるまいし消毒液くらいでなんかと思うかもしれないが、今の不意打ちは正直やばかった。</div> <div> もし島村に対しての俺の印象が少しでも緩いものだったらそこから油断が生まれて、間違いなく終わってた。</div> <div>「うふふ…面白い!」</div> <div> 含み笑いを続けながら俺の傷口に脱脂綿を当て続ける島村。</div> <div> いくらやられるとわかっていても、やっぱり傷口への消毒液はかなり沁みる。</div> <div> 腕は当てられる度に震えてしまう、その反応が島村の加虐的な心を更に刺激して自らの首を絞める結果になってしまう。</div> <div> そう分かっていても、声を止める事だけでやっとである。</div> <div>「声…出しちゃったら楽だと思いますけど?」</div> <div> 甘い言葉を投げかけてくる…俺の自制心がみるみる内に崩れ去っていこうとする。</div> <div> 心の隅ではまだ島村に対して幻想を抱いているのかもしれない…白衣の天使だと思っているのかもしれない…。</div> <div> 数分前に受けた体育館裏でのあの屈辱的な出来事を思い出し、それを必死に物色する。</div> <div>「我慢している時の誠人くんって可愛い…」</div> <div> 男なんだから可愛いと言われても全く嬉しくない、女に逞しいですねぇって言うようなものだ。</div> <div> 一瞬変な違和感を感じたが、繰り返し送られ続ける苦痛の電流を前に、そんな疑念はすぐ消え去る。</div> <div> 声を出させようとする島村と、必死に堪える俺との攻防は3分にも及んだ…。</div> <div> </div> <div>268 名前:上書き第5話 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/17(土) 15:43:00 ID:/Q0pBnTr</div> <div><br /> 『シュッ!』</div> <div> 最後の最後で島村は十分消毒し終えた俺の傷口を守る純白の包帯を、これでもかというくらいキツく締めてきた。</div> <div> 呻き声が漏れそうになるが、今までの苦労が水泡に帰してしまう事を考え、何とか堪えた。</div> <div> 巻き終えて少々不満そうな顔をしている島村、こいつに対して初めて勝ち誇った喜びを噛み締める。</div> <div>「あ~あ、つまらないですねぇ。もういいですよ」</div> <div> 言葉の意味を3回くらい頭の中で確認し、本当に許しが貰えた事を理解し溜息をつく。</div> <div> これでも男、女に一方的にやられるだけやられる訳にはいかない。</div> <div> それでも主導権はあっちが握っている事を思うと、いささか良い気分にはなれない。</div> <div> 何となく思ったんだが、島村が満足する時って、俺は一体何をすればいいんだ…?</div> <div>「それにしても保健室の匂いが染み付いてしまいましたね。私この匂い嫌いなんですよね」</div> <div>「俺に対して言われても、あくまでお前の命令で連れてこられた訳だから、自業自得だろ」</div> <div>「あら、私が誰の為にここに来てあげたとお思いで?」</div> <div> 一瞬俺の為かなんて思ったがそんな訳ないとすぐにその甘い考えを振り払う。</div> <div> あそこまで笑顔で俺を痛みつけてきた人間が、俺の事を思い遣っているなんて到底思えない。</div> <div>「俺の痛がる瞬間が見たかったからだろ?」</div> <div> 俺の言葉を聞くと、一瞬島村の顔の雲行きが怪しく見えた。</div> <div> 睨む訳でもない、何だか物悲しそうに見えたのは気のせいだろうか?</div> <div>「まぁそれもありますけどね…」</div> <div> やはりそうじゃないかと追い討ちをかけたかったが、これ以上言うと島村の逆鱗に触れそうな予感がしたのでやめておく。</div> <div> 別に怒っている風には見えなかったのに、何で俺は”逆鱗に”なんて思ったんだろう…。</div> <div> 数秒自問して答えが見つからなかったのでその問題を頭の中で吐き捨てる。</div> <div> パッと見て分からなかったら飛ばせという先生の指示を忠実に従う受験生のようだった。</div> <div>「さて」</div> <div> 沈んだように見えた島村はすぐにいつもの少々ニヤけたような表情に戻す、というか俺に昨日健気に謝ってきた島村はこんな表情していただろうか?</div> <div> 今更そんな事を思う。</div> <div> 目の前にはベッドの上で足を組み俺を頑張って見下ろそうとしている島村がいるというのに…。</div> <div>「何だ?」</div> <div>「この保健室はどうなっているんでしょうね。ピンセットも見当たらないなんて」</div> <div> それはお前は保健室の住人じゃないんだから当然だろと思ったが、口には出さない。</div> <div> むしろ消毒液や脱脂綿を見つけておいてピンセットは見つけられないなんて妙な話だ。</div> <div> そんな事を思いながら島村を見ていると、第三の命令を下した時のように人差し指を突き出した。</div> <div> 今回も俺の口元に近づけたが、立てる事はなくまるで挿し込もうとしている…ってまさか…。</div> <div>「という事で第四の命令、この指から消毒液の匂いが取れるまで綺麗に舐め取って下さい。脱脂綿に触れていたせいで大変な匂いですよ…」</div> <div> 予感的中。</div> <div> この女なら言いかねないと思っていたが、良くもまぁ堂々とこんな事を命令出来たもんだ…。</div> <div> その図を客観視して、物凄いヤバイんじゃないかと思った。</div> <div>「それはさすがに…。誰かに見られたらマズイだろ?」</div> <div>「沢崎くんに拒否権はありませんよ?」</div> <div> 俺の言葉を無視して、ほらほらと言わんばかりに頬を突付いてくる島村。</div> <div>「でもよぉ…」</div> <div>「別に構いませんよ?私は困りませんし」</div> <div> ”バラされてもいいなら好きにしなさい”、脳内で後に続く文を付けたし、観念する事にした。</div> <div>「わかったよ…」</div> <div> その言葉を聞くと、島村は嬉しそうに指を動かす。</div> <div> それにしても、指をくわえるなんて俺は小さい頃にもやった事がない。</div> <div> ましてや他人、それも女のというのはかなり厭らしい気がする…。</div> <div> それでもしなければならない、そう言い聞かせて俺は島村の細い人差し指を掴んだ。</div> <div>「ん………」</div> <div> この期に及んで、まだ抵抗感がある。</div> <div> 加奈以外の女の子に触れるなんて小学生のフォークダンス以来だ、しかもそれが指の消毒液の匂いを舐め取る為だなんて…。</div> <div> 自分の不幸を呪い、覚悟を決めた俺はとうとう島村の人差し指を口に咥える。</div> <div> </div> <div>269 名前:上書き第5話 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/17(土) 15:44:00 ID:/Q0pBnTr</div> <div> 俺にはもう人としての尊厳とかはないのかもしれない…少なくとも、島村視点からすればそうなんだと思う。</div> <div>「素直でよろしいですよ」</div> <div> そう言って俺の髪を撫でてくる島村。</div> <div> 屈辱感の中に妙な快楽があり、流されそうになっている自分に叱咤する。</div> <div> こんな事をするのは加奈へだけかと思っていたが、思わぬ伏兵がいたものだ…。</div> <div>「…んっ………」</div> <div> 俺はただ口に咥えたままの状態で舌を動かしただけなのに、島村は恍惚な表情を浮かべ呻いていた。</div> <div> 俺そこまでの事してるか…なんて思いながらも、口に広がる消毒液独特の匂いが俺の思考を遮断する。</div> <div> 早くやってしまおう…そう思って早めにアイスバーを舐めるようにすると、島村の腕が一瞬反応した。</div> <div>「あっ…」</div> <div> 馬鹿野郎、そんな色っぽい声出されたらどう対応したらいいのか分からないだろ?</div> <div> 微かに耳元に響く島村の声が、俺の脳の奥の奥を刺激する。</div> <div> その甘ったるい声に恥ずかしい話だが、俺の”ナニ”まで反応してしまう。</div> <div> これは酷い拷問だ、そう思いながらも徐々に真剣になっていってしまう…。</div> <div> 心の奥底で、”もっと”と思う気持ちが僅かでもあるという事に自己嫌悪を覚える。</div> <div> 人間の性とは恐ろしいものだ…そんな風に自分に呆れながら、個人的に背徳的な行為に浸りかけた………。</div> <div><br /> 『ガラァッ』</div> <div>「誠人くんいるぅ~!?………っえ?」</div> <div><br /> 突如保健室のドアが開き、聞き覚えのある声が先程まで別の少女に魅了されていた耳を貫く。</div> <div> その音に驚き、俺は慌てて島村の指から口を離した。</div> <div>「か、加奈ッ!」</div> <div> そこにいたのは加奈だった。</div> <div> 弁当を持っているところを見ると、どうやら俺を探していたようだ。</div> <div> そういえば一緒に昼飯食うとか言ってたな、色々あって忘れてたっけ…でもそんな事はどうでもいい。</div> <div> 問題は”見られている”か”見られていない”かの一点につきる。</div> <div> 俺は頭の中で必死に前者を唱え続けた………島村の指と俺の口に、まるで”絆”のように繋がっている涎にも気付かず…。</div> <div><br /> 270 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/17(土) 15:45:54 ID:/Q0pBnTr</div> <div>投下終了です。</div> <div>にしても最初は島村さんこんなキャラにする気なかったのに…。</div> <div>次の投下は1ヶ月近く遅れる可能性大ですので…。</div> <div><br /> &gt;&gt;263</div> <div>如月に激しく悶えたw</div> <div><br /> 271 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/17(土) 15:54:59 ID:/Q0pBnTr</div> <div>&gt;&gt;269</div> <div>ヤバイww誤植がありましたんで最後の文訂正します。</div> <div><br /> 俺は頭の中で必死に「前者」を唱え続けた…</div> <div>↓</div> <div>俺は頭の中で必死に「後者」を唱え続けた…</div> <div><br /> なんで見られたいんだと自分でツッコミたくなりました。</div> <div>今後はもっと推敲してから投下します…orz</div> <div><br /> 272 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 16:16:46 ID:z9M29ywN</div> <div>投下キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!</div> <div>&gt;&gt;263絵師伊南屋氏に大いなる感謝を(-人-)</div> <div>&gt;&gt;270GJ!しかし島村さんがどんどんやばいキャラにw</div> <div>>次の投下は1ヶ月近く遅れる可能性大ですので…。</div> <div>正座してお待ちしております</div> <div><br /> 273 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 19:41:47 ID:npXWHE+t</div> <div>伊南屋氏、kNPkZ2h.ro氏共にGJ!</div> <div>1ヶ月ですか…もちろん期待して待ちますが…</div> <div>一月後には次スレに移行してそうな盛況ぶり、</div> <div>へたすると次々スレ?</div> <div>Part1の後半からのこの消費速度がヤヴァイな</div> <div><br /> 274 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 19:49:24 ID:cBapEcIl</div> <div>次スレの~今頃にはぁぁ 私は~きっと 刺されてる♪</div> <div> </div> <div>275 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 22:12:40 ID:47mr3tg7</div> <div>>270</div> <div>GJ!!</div> <div>彼氏の方もけっこうヤンデレだよなぁ。自分の死よりも彼女が傷つくことを心配するなんて。</div> <div><br /> 276 名前:51[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 23:03:57 ID:wIS6evBI</div> <div>だいにわ</div> <div><br /> ========================</div> <div>赤。朱。紅。</div> <div><br /> 私は、朱い色が好き。</div> <div>あの人と一緒に見た、あの夕日の色。</div> <div><br /> 彼との出会いから、半年ほどの月日がたった。</div> <div><br /> 御館様は私という武力を手に入れたことを皮切りに、周辺諸藩国への侵攻を始めていた。</div> <div>それは、戦いの日々。</div> <div>私もまた数多の敵を屠り、多くの戦いで勝利を導いた。</div> <div>私の刀が一閃する度にそこには屍の山が築かれる。</div> <div><br /> だが、戦場で戦果をあげ凱旋する私を迎える感情はいつも冷ややかなものであった。</div> <div><br /> ― あれが人の成す事か ―</div> <div>― あれではただの殺戮と変わらぬ ―</div> <div>― 逃げる者さえ切り捨てたと聞く ―</div> <div>― 外道め ―</div> <div>― 外道め ―</div> <div>― 外道め ―</div> <div><br /> 私の耳に、囁かれる陰口が届く。</div> <div>だからどうした。それがどうした。</div> <div>私はその為にいるのだ。その為に生きて来たのだ。</div> <div>戦って、殺す。それの、何が悪い。</div> <div><br /> 277 名前:51[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 23:04:37 ID:wIS6evBI</div> <div>だが、何故だろうか。</div> <div><br /> 彼らのその言葉が、時に酷く私の胸の奥にざらりとした不快な感覚を呼び起こす。</div> <div>…今まではそんなことはなかった。</div> <div>有象無象の言葉など、取るに足らぬと聞き捨てることが出来たのに。</div> <div><br /> それだけではない。</div> <div><br /> 戦場で人を斬る度に、私の胸の奥に重く、冥い感覚が溜まって行く。</div> <div>私に殺された者の今際の声が、顔が、忘れられない。</div> <div>人を殺したことは初めてではない。</div> <div>里の修行の中、実際に人と殺し合いをしたこともあった。</div> <div>始めて人を殺した時ですら、私はなんの感慨も抱いていなかったはずなのに。</div> <div><br /> 重い、息を吐く。</div> <div>無論、そんなものでこの不愉快な感覚が消える事はない。</div> <div>あるいは、私は何か病にでも冒されてしまったのだろうか。</div> <div><br /> ― 怪我はありませんでしたか! ―</div> <div><br /> 声。</div> <div>私は、その声のほうに向き直る。</div> <div>そこには、慌てた様子の彼がいた。</div> <div>彼の顔を見た瞬間、まるで粉雪が溶けるかのように今までの不快な感情が溶けていくのを私は感じる。</div> <div><br /> 彼は、私が戦場より戻れば、まずいの一番に私の元にやってきた。</div> <div>そして私が無事である事を確認すると、いつもまるで自分の命が救われたような顔をするのだ。</div> <div>多くの者が私を拒絶するこの藩国の中において、この彼だけが私の身を案じている。</div> <div>小さく頭を振ると、私はいつものように、大事無い、と彼に伝えた。</div> <div>実際、怪我をしているわけではない。ただ、気が晴れぬだけなのだ。</div> <div>だが…</div> <div><br /> ― 本当になんともないのですか ―</div> <div><br /> 今日の彼は、いつもと違った。</div> <div>私の言葉に納得しないのか、しつこく私に絡んでくる。</div> <div>今日に限って…いぶかしむ私に、彼はその顔を曇らせた。</div> <div><br /> ― 酷く、苦しそうな顔をしてらっしゃいます ―</div> <div><br /> …そうなのか。</div> <div>私は平常を保っているつもりだったが、どうやらそうではなかったらしい。</div> <div>小さく、吐息を吐く。</div> <div><br /> 気が晴れぬだけだ。</div> <div><br /> 私は、彼にそう伝えると陣に設けられた私の寝場へと足を向けた。</div> <div><br /> 278 名前:51[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 23:05:23 ID:wIS6evBI</div> <div>― お待ちを ―</div> <div><br /> 彼は、強い口調で私を呼び止める。</div> <div>何事か。</div> <div>振り返った私は、眼前に迫る彼に一瞬躊躇する。</div> <div><br /> ― 暫しお時間を ―</div> <div><br /> そういうと、彼はいきなり私の手をとった。</div> <div>私の心臓が不意の出来事に驚いたように鼓動を早める。</div> <div>そんな私の手を引いて、彼は人目を避けるようにして陣から私を連れ出していく。</div> <div>彼が私を連れて来たのは、陣に程近い小高い丘の上だった。</div> <div>陣を見下ろすことができるその丘の上で、彼は地平を指差した。</div> <div><br /> ― あれをご覧ください ―</div> <div><br /> 私は、彼の指差す先に視線を向ける。</div> <div>そこには、地平へと沈む朱い太陽。</div> <div>それは頂点に昇っている時よりもはるかに大きく雄大に思われた。</div> <div>何よりも、その包み込むような朱い色。</div> <div>全てを染め往くようなその朱に、いつしか私は心を囚われていた。</div> <div>世の全てを照らす天道の王…されど、それは同時に救世を成す菩薩のようで。</div> <div><br /> 美しい。</div> <div><br /> 気がつけば、思わず私はそう呟いていた。</div> <div>そんな私を見て、彼は微笑みながら口を開く。</div> <div><br /> ― 夕日を眺めると、思えるのです ―</div> <div>― 己の悩み、苦しみが、どれだけ重いものか、と ―</div> <div>― この、日の雄大さの中にしてみれば、なんと矮小で瑣末なことか、と ―</div> <div><br /> そのとおりだった。</div> <div>気がつけば、私の胸のしこりのようなそれは、まるで夢幻のように消えている。</div> <div><br /> 279 名前:51[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 23:06:44 ID:wIS6evBI</div> <div>私は、ふっと彼の顔を見た。</div> <div>夕日に染められ、朱色に染まるその横顔は、酷く美しい。</div> <div>彼との出会いは、私に多くの事を与えてくれた。</div> <div>それは、知識だけのことではない。</div> <div>花を、美しいと思える心を与えてくれた。</div> <div>この、雄大な景色を美しいと思える心を与えてくれた。</div> <div>あの里で数多の殺人技を鍛えた10数年よりも、はるかに価値ある数ヶ月をくれた。</div> <div><br /> 私の胸が、きゅうと、縛り付けられたような苦しさを覚える。</div> <div>だが、それは不快な感覚ではない。</div> <div>むしろ、心地よくさえあった。</div> <div><br /> ああ…そうか。</div> <div>言葉でしか私はそれを知らなかった。</div> <div>故に、私は気付いていなかったのだ。</div> <div>これが、人を『愛しい』と思う感情なのか。</div> <div><br /> 私は、彼を愛しいと思っている。彼の寵愛を一身に受けたいと願っている。</div> <div>だが、私はその想いを口に出す事は無かった。</div> <div>いや、出せなかった。</div> <div>口に出すことが、何故か躊躇われて仕方が無かったのだ。</div> <div><br /> だから、私は願ったのだ。</div> <div><br /> 彼と共に生きてゆきたい、と。私の今生が果てるその時まで。</div> <div> </div> <div> </div> <div>今は昔、東方の地に戦巫女ありけり。</div> <div>戦うために生まれしその巫女は、一人の男に魅入られた。</div> <div>巫女の亡くしたその心、触れ合い、愛し、甦る。</div> <div>かくて、戦巫女は『戦い』忘れ『姫(むすめ)』に変わる。</div> <div>姫巫女願うは今生の幸。</div> <div>さりとてゆめゆめ忘れるべからず。</div> <div>『魅』という字には『鬼』がいることを。</div> <div><br /> ~続~</div> <div>==========================</div> <div>デレ描写長いなー</div> <div>とりあえず次回で完結。明日には投稿できる予感。</div> <div><br /> 280 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 23:22:17 ID:Y+qdF+xS</div> <div>GJ!</div> <div>この幸せがどう転んで、戦巫女がどんな風に病むのか楽しみだ!</div> <div><br /> 281 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:01:27 ID:5Nf1Sr2S</div> <div>うわ、そんなこと言われたら待ち遠しくて眠れないじゃないかっ!</div> <div><br /> 282 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:07:46 ID:uJWAo89M</div> <div>えっ、もう完結!? 長編でしばらく楽しめるのかと思ってたよォォ</div> <div><br /> 283 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:56:29 ID:TfiZAZTC</div> <div>唐突だが、ヤンデレキャラのもう一つの属性として味が出そうなのはツンデレ、</div> <div>逆に別キャラの属性としてヤンデレと対抗できそうなのは素直系(クール、ヒート)だと思う。</div> <div><br /> 284 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 02:04:17 ID:26GkC7W/</div> <div>いやいや、表面上はごく普通の恋人で実は病んでいるってのも</div> <div>背骨にゾクゾクっとくるんだぜ</div> <div><br /> 285 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 02:21:35 ID:MQNIb55Z</div> <div>いやいや、表面上はごく普通の姉や妹で実は病んでいるってのも</div> <div>脊髄にゾクゾクっとくるんだぜ</div> <div><br /> 286 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 02:33:29 ID:EpXAN35+</div> <div>いやいや、表面上はごく普通の幼馴染みで実は病んでいるってのも</div> <div>骨髄にゾクゾクっとくるんだぜ</div> <div><br /> 287 名前:慎 ◆lPjs68q5PU [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 02:42:13 ID:h00npabN</div> <div>いやいや、表面上はごく普通の後輩で実は病んでるってのも</div> <div>脳髄にゾクゾクっとくるんだぜ</div> <div><br /> 288 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 02:55:55 ID:XwVfDzRS</div> <div>実は病んでないんだぜ</div> <div><br /> 289 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 03:01:19 ID:ExzZruMV</div> <div>自分以外の全てが病んでるってのも</div> <div>髄液にゾクゾクっとくるんだぜ</div> <div><br /> 290 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 03:03:58 ID:o+a7lJ+U</div> <div>&gt;&gt;289</div> <div>→主人公発狂ENDへ(リタイア)</div> <div><br /> 291 名前:慎 ◆lPjs68q5PU [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 03:21:35 ID:h00npabN</div> <div>何かがおかしい。</div> <div>今日学校に行ったとき最初に感じたことだ。</div> <div>不穏なオーラが漂っている。おれは高校2年生の淳。</div> <div>昼休みに最初に感じた違和感の正体がわかる。</div> <div>まず1学年うえの姉が弁当持ってきた。</div> <div>・・・姉さん朝に台所で怪しい薬見たんだけどさぁ・・・</div> <div>まさか入れてないよね?と聞くと案の定挙動不審になった。</div> <div>まずい、食ったらやばいかもしれない。媚薬だか睡眠薬だったかなあれ。</div> <div>とにかくまずい。とりあえず食欲がないことにして断った。</div> <div>すると姉は、いきなり俺の口をこじ開けようとしてきやがった!</div> <div>まずい!俺は立ち上がろうとした。姉は俺が立てないようにブロックしている。</div> <div>しかしそこは男だ。力任せに振り切り、とりあえず走って逃げた。</div> <div>近親相姦はごめんだ。ちゅうか目がおかしかったし!</div> <div>廊下を歩いていると今度は幼馴染の同級生がいた。</div> <div>あのぉその手に持ってるのはスタンガンとか言うやつですか?</div> <div>いやいたいのは一瞬だからとか言う問題じゃない。</div> <div>え、なに二人だけの世界?ああそんな世界あったらいいね。おれはごめんだ</div> <div>本格的に襲ってきたのでまたしても逃げた。今度は屋上に。</div> <div>さすがに屋上には誰もいないだろうと思った俺が馬鹿だった。恋人の真紀がいた。</div> <div>その手には包丁。なんかさぁ行こうとか言ってる。てか行こうじゃなくて逝こうなんだろうな・・・</div> <div>はは、はは、はははははははははははははははははははははは。</div> <div>今日の俺ってなんかついてないみたいだな。いいや行ってやろうじゃないか。</div> <div>真紀が一緒なら怖くないや。え?ただ両腕両足を切り落とすだけ?</div> <div>やだな、一思いにやっちゃってよ。・・・マジですか?</div> <div>いや止血ちゃんとするからとかじゃなくて・・・いやちょ・・・うわーーー!</div> <div><br /> 292 名前:慎 ◆lPjs68q5PU [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 03:23:24 ID:h00npabN</div> <div>姉も幼馴染も恋人もヤンデレ。主人公切り落とされた後はもちろん監禁へ。うん流れ呼んで即興で書いてみた。</div> <div>反省?なにそれうまいの?ちなみにワッフルワッフルしても続きは書きません。あしからず。</div> <div><br /> 293 名前:慎 ◆lPjs68q5PU [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 03:24:47 ID:h00npabN</div> <div>行ってやろう→逝ってやろう。誤字誤字申し訳ない。さて続き書くか。</div> <div><br /> 294 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 09:43:29 ID:MQNIb55Z</div> <div>&gt;&gt;291 GJ!</div> <div>うわ、主人公逃げきれないww</div> <div><br /> 295 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 09:51:52 ID:NwzDUr6+</div> <div>&gt;&gt;291</div> <div>これはww</div> <div>夢でもいいから一度こんな状況に陥りたいww</div> <div><br /> 296 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 10:10:14 ID:26GkC7W/</div> <div>&gt;&gt;295</div> <div>ソノユメニドトサメナイケドナー</div> <div><br /> 297 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 10:44:43 ID:KfzCfqKQ</div> <div>&gt;291 GJ!</div> <div>藻前らに質問。</div> <div>ょぅjょなヤンデレはありかな?</div> <div><br /> 298 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 10:50:56 ID:sKyDlnPF</div> <div>単なる幼女もいいが、</div> <div>小学生間でのヤンデレも見てみたい</div> <div><br /> 299 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 10:51:03 ID:CAZmUHwR</div> <div>幼さ故の純粋さ。その純粋さ故の狂気。</div> <div>大いに有りでしょう。</div> <div><br /> 300 名前:トリップテスト ◆choco.get. [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 13:02:23 ID:/iLEwFHf</div> <div>うまくいくかな?</div> <div><br /> 301 名前:おにいたん、だいすき! (1) ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 15:04:14 ID:/iLEwFHf</div> <div>297です。では書きます。</div> <div><br /> <<<おにいたん、だいすき!>>></div> <div>とあるファミリーレストラン。</div> <div>「いらっしゃいませ!---へ、ようこそ!」</div> <div>その日そのとき、店に入ってきたのは3人連れの家族だった。</div> <div>チンピラ風の男、優しそうな若い奥さん、幼稚園児ぐらいの女の子。</div> <div>チンピラと奥さんは同い年ぐらいか?</div> <div>耕治はそんなことを考えながらお冷を席に持っていく。</div> <div>「いらっしゃいませ。ご注文をお伺いします」</div> <div>「おう、俺はビーフカレーセット」</div> <div>「では私も同じものを」</div> <div>「おこさまらんち!」</div> <div>女の子が元気よくこたえる。</div> <div>「元気がいいお子さんですね。お嬢ちゃん、お名前は?」</div> <div>「かぁる!」</div> <div>やはり元気よくこたえる。すると隣に座っていたチンピラが、</div> <div>「このガキャあ、まだ自分の名前も言えねえのか!!」</div> <div><br /> ぱぁん!!</div> <div><br /> 女の子を張り飛ばした。</div> <div>「きゃあ!」</div> <div>「あなた、やめてください」</div> <div>「なにするんですか!」</div> <div>女の子、奥さん、耕治がそれぞれ声を上げる。</div> <div>「薫、もう一度自分の名前を言え!」</div> <div>「か、かぁる・・・」</div> <div>「またこのがきゃあ!」</div> <div>「やめてください!」</div> <div>耕治はたまらずチンピラの振り上げた右手をつかんで止めた。</div> <div>「てめぇ!なにしやがるんだ!」</div> <div>「あんた、自分の子供に向かって何暴力ふるってんだ!」</div> <div>「俺んとこの教育方針に指図すんじゃねぇ!」</div> <div>「それが教育か!子供泣かして、血まで流させて、てめぇ何様のつもりだ!」</div> <div>女の子は口から血を流している。口でも切ったのだろうか。</div> <div>「あなた・・・」</div> <div><br /> 302 名前:おにいたん、だいすき! (2) ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 15:05:01 ID:/iLEwFHf</div> <div>やがて騒ぎを聞きつけた店長らしき人物が席に寄る。</div> <div>「お客様、落ち着いてくださいませんか?」</div> <div>「落ち着いてられっかぁっ!!てめぇんとこはどういう教育を社員にしてんだ!」</div> <div>店長はにっこりと笑いながら言った。</div> <div>「当店職員にはお客様第一を考えて行動するように教育しています」</div> <div>そして真顔になると、</div> <div>「ただし、人の道をはずせとまでは教えておりません」</div> <div>「て、てめぇ!もういい!てめぇらのやったことを、てめぇんとこの社長に訴えてやる!侘び料でも出してもらわないといけねぇなぁ」</div> <div>へっへっへっ、とでも言いそうなチンピラ。席では娘と奥さんがが震えている。</div> <div>「では私は警察に訴えましょう。そちらのお嬢さん、かわいそうに、口の中を切ったようですね」</div> <div>「なっ・・・」</div> <div>「耕治君電話を。未成年どころが児童に親が暴力を振るったとしたら今のご時世どうなるでしょうか?」</div> <div>再びにっこりと笑う店長。</div> <div>「てってってっ、てめぇ・・・」</div> <div>狼狽するチンピラ。</div> <div>「おいっ!もういい、帰るぞ!」</div> <div>「あなた・・・」</div> <div>「注文はキャンセル、キャンセルだ!おい、そのガキもつれてこい!!」</div> <div>チンピラは席を立つと前に立つ店長を押しのけて出口に向かった。</div> <div>奥さんは女の子を抱きかかえその後を追う。</div> <div>「おにいたん・・・」</div> <div>「ごめんな、怖かっただろ?」</div> <div>レジの前、女の子を背負った奥さんはレジに立ってた耕治に向かって会釈をした。</div> <div>「うん・・・」</div> <div>「ご迷惑をおかけしました」</div> <div>再びお辞儀をする奥さん。</div> <div>「いえ、こちらこそ・・・」</div> <div>「おにいたん」</div> <div>奥さんの背中にいた女の子は耕治に声をかけた。</div> <div>「店に来てくれたらね。また来てくれるかい?」</div> <div>「うんっ♪」</div> <div><br /> 去り行く二人を見て、耕治はあの二人のこれからを考えて、・・・欝になった。</div> <div>「実際いるんだなぁ・・・あんな家族」</div> <div><br /> 303 名前:297 ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 15:07:21 ID:/iLEwFHf</div> <div>続きます。</div> <div>なお、実在の人物・事件・ゲーム(笑)とは一切関係ありません。</div> <div>ないことにしておいてください。</div> <div><br /> 304 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 17:20:34 ID:o+a7lJ+U</div> <div>&gt;&gt;303</div> <div>斬新な切り口に期待する。</div> <div><br /> 305 名前:51[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 17:47:34 ID:Oo+NMfRU</div> <div>さいごのおはなし</div> <div><br /> ============================</div> <div>暗い部屋。</div> <div>数人の人影が、音も無く佇んでいる。</div> <div>部屋を照らす明かりは、唯一つの蝋燭の炎。</div> <div><br /> 「贄の様子は如何に」</div> <div>「万事恙無く」</div> <div>「贄に心は宿ったか」</div> <div>「確かに」</div> <div>「贄はしかと兎を愛したか」</div> <div>「確かに」</div> <div>「なれば万事は満ちたり。計るなれば今」</div> <div>「然り。無明が望むがままに」</div> <div>「無明に忠節を」</div> <div>「無明に忠節を」</div> <div>「無明に忠節を」</div> <div><br /> ====================================</div> <div><br /> 赤。朱。紅。</div> <div><br /> 私は、紅い色が好き。</div> <div>それは、迸る鮮血の色。</div> <div><br /> 私は戦場にいた。</div> <div>酷い、酷い負け戦だった。</div> <div>恐らくは御館様の慢心がその故だろう。</div> <div>眼前の敵陣に突撃を仕掛けたところを、横合いからの伏兵に脇を刺された。</div> <div>結果、先陣をきっていた部隊と後続が分断され完全に包囲殲滅の陣形を取られてしまったのだ。</div> <div><br /> そして…先行していた部隊には、彼がいた。</div> <div> </div> <div>306 名前:51[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 17:48:05 ID:Oo+NMfRU</div> <div>それを知った時、私は思わず走り出していた。</div> <div>助けねば。</div> <div>彼を助けねば。</div> <div>ただそれだけしか、考えることが出来なかった。</div> <div>そんな私の侵攻を阻むべく、多くの敵が立ちふさがる。</div> <div>それを一刀の元に切り伏せつつ、私は駈けた。</div> <div>だが、10の首を刎ねれば20の敵が。</div> <div>20の胴を薙ぎ払えば、30の敵が。</div> <div>30の敵を穿てば、40の敵が。</div> <div><br /> 一体どこからこれだけの数が、と思わせるほどの敵の集団。</div> <div>それに阻まれ、私の歩みは遅々として進まない。</div> <div><br /> 何故邪魔をする…!</div> <div><br /> 苛立ちのあまり、私は舌を打った。</div> <div>だが、その苛立ちが技の冴えを曇らせ、さらに私の歩みを遅くする。</div> <div>ようやっと先陣に追いつく頃には、たっぷりと二刻ほどが過ぎていた。</div> <div>その頃には、おおよそ戦闘と呼ばれるものは終わりつつあり、</div> <div>残っている兵力ももはや風前の灯火といえる状況にあった。</div> <div>彼の名を叫びながら、戦場を彷徨う私。</div> <div>焦燥が胸を焦がし、心臓を奇妙な鼓動で満たす。</div> <div>私は、締め付けられるようなその胸の苦しみを堪えながら、彼の名を呼び続けた。</div> <div><br /> そうして、半刻ほどたった頃だろうか。</div> <div>私は、戦場でも最も最後まで戦闘が行われていた場所に辿り着く。</div> <div><br /> そこに、彼はいた。</div> <div><br /> 紅い水溜りに倒れ臥す彼には</div> <div><br /> 眼がなかった。</div> <div>腕がなかった。</div> <div>足がなかった。</div> <div>臓腑がこぼれてなくなっていた。</div> <div><br /> 307 名前:51[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 17:49:04 ID:Oo+NMfRU</div> <div>私の耳に、今まで聞いたことがないような絶叫が響く。</div> <div>それが私自身が発した声であると気付くのに、暫くの時間がかかった。</div> <div>私は、半狂乱になって彼の体を抱きしめる。</div> <div>私の装束を、彼の血が紅く紅く染めてあげていった。</div> <div>彼が、好きだといっていた紅い色に。</div> <div>かき抱いた彼の体には、まだほんのりと温もりが残っていた。</div> <div><br /> そうだ…まだ、助かるかもしれない。</div> <div>否、助かるに決まっている。</div> <div>私は、まだ彼に聞きたい事がある。</div> <div>聞いて欲しい事もある。</div> <div>して、あげたいと思うこと、して欲しい事もまだある。</div> <div>こんなところで、こんな形での終わりなど、私は絶対に認めない。</div> <div><br /> 私はあまりにも軽い彼の体を抱きかかえ、自陣への道を駈けた。</div> <div>途中、敵の追撃もあったはずだが、そんなことに構っていられぬほど私は一心不乱に駈ける。</div> <div>ようやっと自陣に辿り着いたときには、着付けは乱れ、体中擦り傷まみれと散々な姿に変わり果てていた。</div> <div>だが、私にとってそんな事は些細なことだ。</div> <div>彼を抱きかかえて陣を往く私を、兵達はまるで化生でも見たかのような顔で迎える。</div> <div>そんな顔には慣れている。幾らでも私を化け物扱いするがいい。</div> <div>今は何よりも、彼を助けねばならない。</div> <div><br /> 私は、陣の中にある医務所へと彼を運び込む。</div> <div>やはり相当の負け戦だったらしい。医務所には、多くの負傷者でごった返していた。</div> <div>私は、負傷者の体を押しのけて空間を作ると優しく彼の体を横たえる。</div> <div>すぐに医者を呼ぶ。だから安心してほしい、と彼の頬を撫でた。</div> <div>私は、せわしなく動き回る医者の肩をつかみ、無理やり彼の元へと連れこむ。</div> <div>だが、医者は彼の姿を一瞥すると彼の体に指一つ触れることなく頭を振った。</div> <div><br /> ― これはもう駄目です。もうとっくに■■でいる ―</div> <div><br /> 308 名前:51[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 17:50:04 ID:Oo+NMfRU</div> <div>そう言って、医者は彼を置いて別の負傷者へと向かっていった。</div> <div>…今、あの医者はなんと言ったのだ?</div> <div>彼が■■んだ?</div> <div>■■んだと、あの医者は言ったのか?</div> <div>笑えない冗談だ。人を馬鹿にするにもほどがある。</div> <div>私は、立ち去ろうとする医者の肩に手をかけ、こちらへ向きなおさせる。</div> <div><br /> 何故、手当てをしない。何故助けない。</div> <div><br /> 私は、そう叫びながら指が食い込まんばかりに肩を強く掴んだ。</div> <div>医者はそんな私の姿に困惑したように口を開く。</div> <div><br /> ― あれはもう息をしていない。幾ら医者でも『死人』を助ける術はないのだ ―</div> <div><br /> 医者は、私の腕を振り払い、まるで気でも違った者を見るような一瞥を私に向けると、</div> <div>逃げるようにその場を立ち去った。</div> <div><br /> 何を…戯けた事を。</div> <div>彼は死んでなどいない、まだ助かる、助かるのだ。</div> <div>無能め、あれは役に立たない。</div> <div>ならば、私が何とかするしかない。</div> <div>まずは、彼の無くなった手足を何とかせねば。</div> <div><br /> ふと、周りを見回す。</div> <div><br /> …なぁんだ、ちょうどいい。</div> <div>『代わり』は、そこら中に転がっているではないか。</div> <div>私は、手にした刀をすらりと引きぬいた。</div> <div>ちょうど、私の目の前に『足』が転がっている。</div> <div><br /> 私は</div> <div><br /> 手にした刀を</div> <div><br /> 振りかぶり</div> <div><br /> 勢いのまま</div> <div><br /> 振り下ろした。</div> <div><br /> 309 名前:51[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 17:51:08 ID:Oo+NMfRU</div> <div>飛び散る鮮血、悲鳴と怒号、辺りに満ちる紅い匂い。</div> <div>ああ、いい具合に彼の足にぴったりの足が手に入った。</div> <div>そんな私を見て、周囲の有象無象がなにやら騒ぎ立てる声が聞こえたが、私はそれを無視する。</div> <div>どうせ、下らぬ戯言だろう。相手にする必要も、暇も今はない。</div> <div>辺りを見回すと、すぐに良い腕が見つかった。</div> <div>その腕は私が近づこうとすると地べたを這いずって逃げ出そうとする。</div> <div><br /> 面倒な…。</div> <div><br /> 私は再び刀を上段に振りかぶると、振り下ろした。</div> <div>脳漿を柘榴のように弾けさせると、その腕は逃げるのをやめる。</div> <div>私は、動かなくなった腕に刃を走らせた。</div> <div><br /> ああ、これで腕と足が揃った。</div> <div>私はその腕と足を持って彼の元に向かい、それを彼の体に継いでやる。</div> <div><br /> 次は目だ。</div> <div>ふっと顔を上げると、まるで化け物でも見るような顔で私を見つめる目があった。</div> <div>ああ、ちょうど良い。これにしよう。</div> <div>私は、人差し指に中指を添え、その目に向かって指を突き立てる。</div> <div>悲鳴、指に伝わる滑る粘液の感覚。</div> <div>そのままぐるりと指を動かし、ぶつり、とその目を抉り取った。</div> <div>彼のあいた目に、抉り取ったそれを嵌め込んでやる。</div> <div>悪くない。</div> <div><br /> 最後は臓腑。</div> <div>こればかりは傷物を使うわけにはいかない。</div> <div>ぐるりとあたりに視線を回す。</div> <div>私を、まるでかごめかごめでも遊ぶかのように取り巻く群衆。</div> <div>怯え、竦む群集のその中に、私は先ほどの無能な医者を見つけた。</div> <div>そうだな、無能には無能なりに使い道がある。</div> <div>私は一足とびでその医者に迫ると、刀を振るう。</div> <div><br /> 宙を飛ぶ、首。</div> <div><br /> 沸きあがる悲鳴と、堰を切ったように医務所から逃げ出す群衆を尻目に、</div> <div>私は頭のなくなった無能を引き摺り彼の元に向かった。</div> <div>横たわる彼の隣にそれを置くと、懐刀を取り出し腹を割き、</div> <div>彼の体に足りないものを一つ、一つ確かめながら埋め込んでゆく。</div> <div><br /> 仕上げに、接いだ腕と足、裂けた腹を針と糸で縫いつけてやる。</div> <div>少し痛いかもしれないが、我慢して欲しいと彼に向かって私は微笑んだ。</div> <div>これで、全てよし。</div> <div>早く、目を覚まして欲しい。</div> <div>早く、声を聞かせて欲しい。</div> <div>早く、私に向かって笑顔を見せて欲しい。</div> <div> </div> <div>310 名前:51[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 17:59:10 ID:Oo+NMfRU</div> <div>だが。</div> <div>彼は、目を覚ましてはくれなかった。</div> <div>足りないものは全て補ったのに。</div> <div>何が、何かが足りない。決定的な何かが足りないのだ。</div> <div>苦悩しながら、私はふっと自身の体に目を落とす。</div> <div><br /> そこには紅く染め上げられた、装束。</div> <div><br /> ……ああ、そうか。</div> <div>大事なものを忘れていた。</div> <div><br /> 血だ。</div> <div><br /> 血が、足りない。</div> <div>そうだ、後は血があれば…。</div> <div>そうすれば彼は、彼はきっと、きっと目を覚ます。</div> <div>私の名を呼んでくれる。</div> <div>私に向かって微笑んでくれる。</div> <div>私に…</div> <div><br /> ― 乱心召されたか、戦巫女殿! ―</div> <div><br /> 気が付けば、私の周りを取り囲む、『血袋』の集団。</div> <div>なんという幸運だろう。</div> <div>これで、血を探す手間が省けたというものだ。</div> <div><br /> ― なんと言うことを…これは我らに対する反逆か! ―</div> <div><br /> …五月蝿い。こいつらの声は癇にさわる。</div> <div>私が聞きたいのは『彼』の声なのだ。貴様らの声じゃない。</div> <div>私は、手にした刀を『血袋』に向かって突きつける。</div> <div>一瞬、血袋達が怯むが、すぐに武器を構えなおした。</div> <div><br /> ― ええい、戦巫女がどうした、殺れ!殺ってしまえ! ―</div> <div><br /> 刃が走り、悲鳴と苦悶の声があがり、世界は、紅く染め上げられていく。</div> <div> </div> <div>311 名前:51[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 17:59:59 ID:Oo+NMfRU</div> <div>…半刻ほど過ぎた頃。</div> <div>あたりに動く者は何一つ無かった。</div> <div>私は、手にした杯を傾け、彼の口に紅いそれを注ぎ込んでやる。</div> <div>だが、幾らそれを飲ませても、幾ら彼の名を呼んでも、</div> <div>彼は、目を覚ましてはくれなかった。</div> <div><br /> 血が、足りないのだろうか。</div> <div><br /> ならば、もっと。もっとたくさんの血が必要なのだ。</div> <div>私は、目を閉じたままの彼の口にやさしくそっと口を添える。</div> <div><br /> …初めての接吻は、紅く、甘美な味がした。</div> <div><br /> すぐに、たくさんの血を持ってくる。だから待っていて。</div> <div>私は微笑んで、その場を後にする。</div> <div>そう、私は血を集めなければならない。</div> <div> </div> <div> </div> <div> </div> <div><br /> 今は昔、東方の地に戦巫女ありけり。</div> <div>心を得りし『姫巫女』は、戦の最中に気を違え、その手を血にて染め上げる。</div> <div>かくて『姫(き)』は『鬼(き)』に転じ『鬼(おに)』と化す。</div> <div>鬼巫女に堕ちしその巫女は、ただ血を求めて野に下る。</div> <div><br /> 嗚呼、愚かなるかや、哀れなるかや。</div> <div> </div> <div>312 名前:51[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 18:01:32 ID:Oo+NMfRU</div> <div>=================================</div> <div><br /> びしゃりと、私の頬に降りかかる生暖かい液体。</div> <div>目の前には、首のないかつて人だったもの。</div> <div><br /> 私は刀を納めて満足げに微笑むと、びしゃびしゃと首から降り注ぐ血を手にした竹水筒の中に</div> <div>溜め込んでいく。</div> <div>一本、二本、三本…今日は、随分とたくさん血が集まった。</div> <div><br /> 周囲に転がる、骸、骸、骸、骸。</div> <div>子供がいた。若い者がいた。老いた者がいた。</div> <div>男がいた。女がいた。</div> <div>その全てに共通して、首がなかった。</div> <div>…ここはなんと言う名前の里だったか。</div> <div>確か一番最初に斬った里人が何か言っていたような気がするが、思い出せない。</div> <div>最も、瑣末なことではあるか。</div> <div>深呼吸をした私の鼻をくすぐる、あたりに満ちる濃厚な紅い匂い。</div> <div>その芳しさに、私はほう、とため息を一つつく。</div> <div><br /> あの日から、私は血を集め続けている。</div> <div>一人二人の血では足りない。</div> <div>もっともっと、もっとたくさんの血が必要なのだ。</div> <div>そう、私は血を集めなければならない。</div> <div>その為に、私は今ここにいる。</div> <div>今、こうしてここに在る。</div> <div><br /> …けれど。</div> <div><br /> 嗚呼、何故だろう。</div> <div>何か、私はとてもとても大切な事を忘れているような気がするのだ。</div> <div>それは、何よりも、きっと大切な事だった気がするのだ。</div> <div>私は、それを何よりも強く願っていた気がするのだ。</div> <div>…駄目だ、駄目だ。</div> <div>余計な事を考えている暇は無い。</div> <div><br /> 血だ。</div> <div>血が、足りないのだ。</div> <div><br /> 私は血を集めなければならない。</div> <div><br /> 私は、血を集めなければならない。</div> <div><br /> 私は、血を、集めなければならない。</div> <div><br /> 私は、血を、集めなければ、ならない。</div> <div><br /> ~終~</div> <div>=================================</div> <div><br /> というわけでお終い。</div> <div>もちと文章校正できるようになりたいな。</div> <div><br /> 313 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 18:23:17 ID:RP/hHxzK</div> <div>&gt;&gt;303</div> <div>これはチンピラオヤジ危うしですな。GJ!!</div> <div><br /> &gt;&gt;312</div> <div>悲劇的ってレベルじゃねえぞ!</div> <div>幸せになれないと知っていても悲しいわ・・・・・・</div> <div><br /> 最高にGJだ!!</div> <div> </div> <div>314 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 18:27:22 ID:Gmz2zLuf</div> <div>pi○2に・・・</div> <div>俺もあの親子は好きだったw</div> <div><br /> 315 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 18:35:48 ID:b4BAcQBn</div> <div>&gt;&gt;312</div> <div>超GJです!!</div> <div>初っぱなから時代物でかなり期待してましたが</div> <div>期待以上っす!</div> <div>こういう場合、男が全て飲み込めるか、</div> <div>全て背負えるぐらいに(身も心も)強くないと幸せにはなれんな…</div> <div>アレ、そもそも「彼」が死ななかったらヤンデレな結果に成らんのかこの話</div> <div><br /> 316 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/02/18(日) 19:30:28 ID:6xOVWmJ1</div> <div>&gt;&gt;312</div> <div>続編あるといいな。</div> <div>彼によく似た人物が現れて…</div> <div>というのはナシ?</div> <div>或いは今後のssに此の物語の伝承が少しでも出ててもいいな。</div> <div><br /> 「ねぇ、『』君。此の町に伝わる伝承…っていうか昔話なんだけどね。知ってる?」</div> <div>「?」</div> <div>「えっとねぇ…」</div> <div> </div> <div>317 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 19:33:28 ID:6xOVWmJ1</div> <div>sage忘れました。すみません。</div> <div><br /> 318 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 21:30:45 ID:VFTenPfV</div> <div>&gt;&gt;102-104の後編に当たる話を書きました</div> <div>以下に投下します</div> <div><br /> 319 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 21:31:16 ID:VFTenPfV</div> <div>ケダモノじみた兄さんの視線、というのは、わたしの短い人生において初めてで、ずいぶん新鮮な感じだった。</div> <div>かちゃかちゃと食器を洗いながら、わたしはそんなことを思う。</div> <div>先ほどまで、いつも通りに二人きりで食卓を囲んでいたのだけれど、そこで兄さんがわたしに向けていた眼といったら!</div> <div> 一般的視点から見るとややボリュームに欠けたわたしの胸ばっかり凝視しているものだから、ヘイヘイ兄ちゃん今は食事の時間だぜ、おっぱいよりわたしが丹精込めて作ったシチューを見てくれないかい、なんて突っ込みそうになったくらいだ。</div> <div><br /> まあ、兄さんがこうなったのはわたしのせいなんだけれども。</div> <div><br /> ふふっ、と笑いが漏れる。</div> <div>兄さん――わたしのチョコ、食べたんだねえ。</div> <div>たあっぷり媚薬を混入したチョコだもの、あれを食べたらキリストだってレイプ魔に変身しちゃうよ。</div> <div>よく今まで我慢し切れているね。まさしく黄金の理性だね。拍手を送りたくなってくる。さっすがわたしの自慢の兄さん!</div> <div>今はお風呂に入ってるみたいだけれど、出たらわたしを襲いに来るかな?</div> <div>禽獣じみた強引さでわたしを組み伏せて――貪るのかな?</div> <div>「くふぅ……」</div> <div>淫猥な妄想が、わたしの脳神経を侵略する。ただでさえ媚薬を摂取していたわたしに、さっきの兄さんの視線はまさに毒だった。</div> <div>毒は毒でも、この上なく甘美な、口に含んだら言語を絶するほどの快楽を与えて死に至らしめる――そういう類の、毒だけれど。</div> <div>はやく出てきて、にいさん……。</div> <div>さっき凝視されたせいで、わたしの乳首はぴんぴんに尖っちゃったんだよ。</div> <div>こうしてちょっと摘んで、ねじるだけで……</div> <div>……ほ、ほ、ほらぁ。いぃ、いっちゃったぁ……。</div> <div>上と下のおくちから、だらだらよだれを垂らして、ぴくぴく体を痙攣させて。</div> <div>たべごろ――なんだよ。</div> <div>風がひと吹きすれば、枝から落ちてべしゃっと潰れちゃいそうなほど、熟れてるんだよ。</div> <div>兄さんのためだけに、あまい果汁をたあっぷり溜めて、待ってるんだよ。</div> <div>だから早く出てきてわたしを犯してよ、兄さん。今日はいつもよりお風呂の時間が長い――――</div> <div>――ちょっと、長すぎない?</div> <div>やおらわたしの意識は現実に回帰した。リビングの時計に眼をやると、すでに40分が経過してる。</div> <div>烏の行水とまでは言わずとも、兄さんの入浴時間は概して短い。今日の時間は、異例とも言うべき長さだった。</div> <div>それに気付くなり、わたしは食器洗いを適当に切り上げて脱衣場に急行した。</div> <div>ドアを開く寸前で減速して、ごく自然な風を装って中に入る。</div> <div>……予想に違わず。</div> <div>曇りガラスの向こうには、兄さんのシルエット。湯船にはつかっていないということだ。</div> <div>なのにシャワーの音も、体をこするタオルの音もない。</div> <div>何をしているのかな――もう。だめだよ。</div> <div>「兄さん」</div> <div>わたしが声をかけると、肌色のシルエットがびくりと震えた。</div> <div>「あ、ああ氷雨!? ど、どうしたんだよ」</div> <div>意地悪してごめんなさい。</div> <div>でもね、兄さん、わたしだってちょっとくらいワガママを言う権利は、あると思うんだ。</div> <div>「わたし、今日はちょっと早くお風呂に入りたいの。いいかな?」</div> <div>あくまで平静の仮面を被って兄さんは応対する。</div> <div>「……分かった。すぐ、出るよ」</div> <div>でも、落胆の色はありありとして声ににじんでいた。そんな兄さんも可愛いよ。だいすき。あいらぶゆう。</div> <div><br /> 320 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 21:32:28 ID:VFTenPfV</div> <div>手早く服を脱いで、洗濯機の中へ放り込んでいく。ぱんつがべちゃっと濡れた音を立てたのはご愛嬌……だよね。きっと。</div> <div>わたしは何も身にまとっていない状態となって、お風呂の戸を開けた。</div> <div>中に入って最初にしたのは、鼻孔から室内の湿った空気をいっぱいに吸い込むこと。</div> <div>――よかった。</div> <div>わたしはとりあえず安堵して、手桶でお湯を体にかけた。</div> <div>室内に精液のにおいは一切していない。換気扇を回してはいないから、兄さんがここで達したということは絶対にない。</div> <div> 兄さんの部屋のゴミ箱から、精液のしみこんだティッシュを抜き取って、半日近くも嗅いでいたことのあるわたしが言うんだから、そりゃもう間違いなんてあるわけない。あの時は何回いってしまったんだっけ。</div> <div>ベッドがおねしょしたみたいになってしまって、だいぶ困った。今となっては青春の1ページだけど。</div> <div>今日はわたしの処女を奪って、さらには子宮の処女も奪ってもらうんだから。</div> <div>最初に注ぎ込まれる精液は、こってりとした、ぷりぷりの、黄色い黄色い一番搾りでなくちゃあ――ね。</div> <div>それにしても、兄さんは困ったひとだ。でも、すごく良いひとだ。</div> <div>あの媚薬を体内に入れておきながら、まだわたしを襲うところまで理性をガタガタにしていない。</div> <div>そんなのよくない。わたしの意図が外れてしまう。遠慮せず、その性欲のかぎりをわたしに叩きつければいいのに。</div> <div>わたしには、その全てを受け止める用意がある。イヤ、自分で仕組んだんだから当たりまえなんですが。</div> <div>ここまで発育した、わたしのこの肉のすべては、兄さんが使っていいのに。</div> <div>というか、そのためだけにこの世にあると言っても過言ではないくらいなのに。もう。</div> <div>「でも……ふふふ」</div> <div>ふわふわと湯気を昇らせる浴槽に身を沈めつつ、わたしは思いのほか無邪気に笑った。</div> <div>兄さんは、やっぱりすごくやさしい。</div> <div>体験したわたしだから言えるけれど、あの媚薬の威力ははっきり言って常軌を逸してる。</div> <div>全裸で街を駆け抜けて丘に登り、満月に向けてわおーんと遠吠えしても不思議でないくらい、理性をズタズタにする薬なのに。</div> <div>それでもまだ自分で欲の処理をしよう、なんて発想は普通は出てこない。</div> <div>すぐそばに食べごろのお肉があるとなれば、それは尚更。</div> <div>きっと常識家でとっても優しい兄さんのこと、欲望任せに妹を蹂躙して、その心と身体に深い傷を刻んでしまうのを危惧してるんだ。</div> <div>その愛情を思えば――</div> <div>「すきすきすきすきすきっすき♪ あいしてるぅっ♪」</div> <div>――どこかで聞いたような歌のひとつも、口ずさみたくなるってものだよ。そうでしょ?</div> <div> </div> <div>じっくり、ゆっくりと身体を洗っていく。</div> <div>今日は一世一代、人生に一度きりの大イベントなんだから、当然、からだは綺麗に綺麗にしないといけない。</div> <div>わたしは禊をするようなつもりで、丹念に身体の隅々までを清めた。</div> <div>その過程で、何度いってしまっただろう。おかげで、大切なところを洗うのには難儀した。</div> <div>洗えば洗うだけ、蜜が溢れてしまう。</div> <div>井戸の水ではあるまいし、べつに枯渇したりはしないけれど、兄さんの口に含まれることもなく排水溝に流されていく愛液はもったいない気がした。</div> <div>より正確に表現するなら、かわいそうだった。</div> <div>兄さんの舌にのる事もなく、食道をつたい落ち、胃袋に収まり、腸から吸収される栄誉に与れないなんて。</div> <div>初めて膣を指でかき回すことを覚えてから6年、どれだけ淫水を分泌したかは覚えていないけれど、こんなことを感じたのは初めてだ。</div> <div>おそらくは、この後に控えた天国のことを意識しているからだろう。</div> <div>自分の分泌物にこんなことを思うのは――おかしいのかな。</div> <div>よくあるとまでは言わないけど、思春期の健康的な少女にはあり得る情動じゃないだろうか。</div> <div>それからさらに時間をかけつつも、どうにかこうにか全身の洗浄を終えて、わたしは風呂場を出る。</div> <div>ちょっと特別な下着を装着して、パジャマで身を隠し、わたしは洗面台の鏡の前でふと迷った。</div> <div>髪はどうしよう。乾かしたほうがべちゃべちゃ兄さんに張り付かないし、不快さを与えないだろうか。</div> <div>でも昔――10年くらい前かな――兄さんは、「濡れた髪って色っぽいよなあ」って言っていた。</div> <div>今にして思うと、年齢不相応なませた発言だ。でも兄さんの好みを知るという上では、有用な資料でもある。</div> <div>この肩にかかるかどうかという長さの髪の毛だって、4年前の発言をもとにして調節したんだしね。</div> <div>「んー……」</div> <div>よし決めた。タオルで拭くくらいにとどめておこう。</div> <div><br /> 321 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 21:33:05 ID:VFTenPfV</div> <div>そうと決めると、わたしは身支度を整えて脱衣所を出た。</div> <div> 戸締りも、ガスの元栓もチェックして、最後に一階の電気をすべて消す。今日一日、あとは兄さんにたくさん、たぁっぷりと「して」もらうだけだから、もう一階の後始末は済ませておく。</div> <div>お父さんたちが海外にいる今、わたしがこの辺りのことをきちんとしなくちゃならないのです。</div> <div>さて、準備は全て万端。</div> <div>細工は流々――あとは仕上げをごろうじろ、といった感じかな。</div> <div>残念だったね有象無象のメス豚さんたち。兄さんの魅力に気付いたのは誉めてあげられるけど、でもそこまで。</div> <div>あなたたちの出番なんて、最初から脚本に記載されていないんだから、黙って舞台の袖でハンカチでもくわえていなさい。</div> <div>わたしがねっとりじっくり愛してもらっているのを見て、こっそり自分を慰めるくらいは、妥協に妥協を重ねて許してあげるから。</div> <div>ふふ。勝者の余裕ってやつですね。</div> <div> そうしてわたしは足取りも軽く階段を上る。そのまま天上世界にまでも行けそうだけど、あいにくわたしの目的地は花々咲き乱れる楽園にあらず。どこにでもあるような男子高校生の私室だ。</div> <div>そここそが約束の地。わたしのエルサレム。人生の全てを賭けるに値する、禁忌のリンゴが生る園。</div> <div>――深呼吸して、ノックを3回。</div> <div>これから起こることに鼓動を高ならせて、わたしはドアの前でじっと待つ。</div> <div>待つ……。</div> <div>………………。</div> <div>「あ、あれ?」</div> <div>返事が無いのですが。</div> <div><br /> 念のため、もう一度ノックをしてみたけれど、反応は返ってこなかった。</div> <div>おかしいな。よほど機嫌が悪くない限り、兄さんがわたしを無視するなんてことは有り得ない。</div> <div>「入るよ、にいさん?」</div> <div>一応断ってから、わたしはドアノブをひねった。</div> <div>途端。</div> <div>ドアの隙間から、むわぁ……と青臭い匂いが溢れてきた。</div> <div>その匂いの正体を、脳が理解した瞬間――――</div> <div>――きゅうっ。</div> <div>と、あそこが強く締まった。そして甘やかでいて激しい電気信号が神経系を踏み荒らす。</div> <div>「う、ううぅうううぅぅぅ……♪」</div> <div>く、くさいよぉ……わたしのいちばんすきなにおいだぁ……。</div> <div>もっと、ずっと嗅いでいたい――って、いまは、そんな、場合じゃ、ない……。</div> <div>わたしは理性を全力で復旧させ、部屋の様子を確認した。</div> <div>「寝て、る……」</div> <div>その一言に尽きた。</div> <div>兄さんは電気も消さないままに、ベッドに潜り込んで、安らかな寝息を立てている。</div> <div>もちろん、媚薬は絶対だ。あれによって喚起させられた性欲を放置して眠るには、それこそ一週間は徹夜していないと無理だろう。</div> <div>翻って兄さんはといえば、当然昨日も睡眠はとっている。ではどうやって獣欲を克服したのか――</div> <div>答えは、勉強机のそばにあった。</div> <div>こんもりと、ティッシュの山が築かれている。</div> <div>ずっとその宝の山を見ていたがる視神経を叱咤して、わたしは部屋の時計に目を移した。</div> <div>滾りきった欲をセルフバーニングで処理しきれるほどの時間は、余裕で経っていた。</div> <div>わたし……どんだけお風呂に入っていたんですか。</div> <div><br /> 322 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 21:33:23 ID:MQNIb55Z</div> <div>&gt;&gt;312</div> <div>GJ━━(゚∀゚)━━!!期待以上でした!</div> <div>戦巫女の狂い方が悲しかったよ</div> <div>続編というか生まれ変わって幸せになって欲しいとか思ってしまった</div> <div><br /> 323 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 21:34:25 ID:VFTenPfV</div> <div>う、ううううううううううううう。</div> <div>涙が溢れてきて、わたしは膝をついた。</div> <div>せっかく兄さんをお風呂から追い出しても、わたしが長風呂してたら意味ないよ。</div> <div>わたしバカすぎる。アホすぎる。どうしてこんな簡単なことを、頭からぽろっとこぼしてしまったんだろう。</div> <div>そんなに自分の指は気持ちよかっただろうか。兄さんの太くてカタいモノのほうが、ずっと気持ち良いに決まってるのに。</div> <div>うああああああああ。千載一遇の好機だったのにいいいいいいいいいいいいいいいいいい。</div> <div>「…………うぅ」</div> <div>しかたない。今日は、今日は、今日だけは諦めよう。自分のミスなんだから、兄さんは恨めない。</div> <div>いや。</div> <div>兄さんを恨むなんて選択肢は、いかなる状況でも原理的に発生し得ない。</div> <div>発生するようなら、わたしはわたしでなくなっている。</div> <div>だから――</div> <div>「まったく、これじゃあ風邪ひくよ」</div> <div>適当にひっかぶっただけの布団を、しっかり兄さんにかける。</div> <div>すっかり眠り込んでいる兄さんの顔は、どこかあどけなくて可愛らしい。</div> <div>ふふっ、とわたしは含み笑い。</div> <div>「すきだよ。だいすき」</div> <div>普段は言えないことを、こっそりと、秘密の呪文のように口にする。</div> <div>いつか起きている兄さんに、普通に、ごく自然に当然に、言えるようになりたいな。</div> <div>そして、ほっぺたにそっと、唇を触れさせる。</div> <div>不思議なことに、あそこではなくて胸が熱くなった。</div> <div>唇にそっと人差し指をあてる。まだ何かが残っている気がした。</div> <div>くちびる同士のちゃんとしたキスは、兄さんのほうからしてもらわなくちゃいけないんだ。</div> <div>わたしの全存在は兄さんに捧げるためだけにあるんだから、わたしから兄さんの唇を奪うなんて、おこがましいにも程がある。</div> <div>「おやすみなさい、兄さん」</div> <div>わたしは明かりを消して、部屋を出る。</div> <div>……おっと、忘れ物があった。</div> <div>部屋の中に戻り、机の上に置かれたメス豚どものチョコ(まだ手もつけていない♪)を回収。</div> <div>ついでに、ゴミ箱の底を探って、いちばん濃い精液が染み込んだティッシュを発掘する。</div> <div>鼻にあてて、空気をひと吸いすれば、それだけでイケるだろう、極上の一品。</div> <div>ごめんなさい兄さん。でもわたしも一応、処理しないと身体が疼いて寝られないから。</div> <div>というわけで、今度こそ。</div> <div>「また明日、ね」</div> <div>ぱたん――とドアを閉ざす。</div> <div>さて、わたしも部屋に戻るといたしますか。</div> <div><br /> 324 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 21:37:45 ID:VFTenPfV</div> <div>以上です</div> <div><br /> すいません、タイトル付け忘れたので保管庫の管理人様、「氷雨デイズ」とでも題していただきたく思います</div> <div>なんか書いてて、病んでることは病んでるのだけど、ヤンデレっぽくはないかもしれないと自分で思いました</div> <div>個人的にはまだこのキモウトで書きたいと思いますが、スレ違いなら言ってください</div> <div><br /> 325 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 21:40:22 ID:MQNIb55Z</div> <div>&gt;&gt;324 割り込んでスマンかった… orz</div> <div>GJ━━(゚∀゚)━━!!策士策に溺れちゃった氷雨カワイイよ(*´Д`)</div> <div>続き待ってる!</div> <div><br /> 326 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 21:46:13 ID:NwzDUr6+</div> <div>&gt;&gt;321</div> <div>乙!そしてGJの嵐!</div> <div>一話でここまで狂えるのは凄いw</div> <div>個人的には&gt;&gt;16のような展開を希望。</div> <div><br /> &gt;&gt;324</div> <div>「氷雨デイズ」ってタイトルで言葉様が浮かびましたw</div> <div>しかし好きな相手は傷付けない、健気ですね氷雨。</div> <div>自分とは大違い…orz</div> <div><br /> 327 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 22:07:35 ID:c3GIq8At</div> <div>&gt;&gt;324</div> <div>GJ!</div> <div>キモウト可愛いよキモウト</div> <div><br /> 328 名前:297 ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 22:22:29 ID:aK4gtdbK</div> <div>&gt;&gt;304</div> <div>スマソ、たぶんこのスレ的にはオーソドックスな展開だ。</div> <div><br /> &gt;&gt;305</div> <div>こんな悲しいヤンデレがあるとは・・・GJ!</div> <div>しかしここの部分だけ読むと♂×♂の物語といっても通じるだろうな・・・ってスマソorz</div> <div><br /> &gt;&gt;313</div> <div>既に旗は立っておりまする。チンピラにはチンピラにふさわしく・・・</div> <div><br /> &gt;&gt;314</div> <div>親子丼、玉大盛りで行きたいと思います。</div> <div><br /> &gt;&gt;318</div> <div>GJ!キモウトカワイソスw</div> <div>ムカついて阿部定化したら確実にヤンデレだったな。</div> <div>けどそれだったら面白くなかったかな?</div> <div><br /> ではおにいたん、だいすき!投下します。</div> <div><br /> 329 名前:おにいたん、だいすき!(3) ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 22:24:17 ID:aK4gtdbK</div> <div>あの事件の3日後。</div> <div>店にチンピラを除いた2人がお店に現れた。</div> <div>「いらっしゃいま・・・あ」</div> <div>耕治が席に案内しようとしたが、二人の異様な様子に気づいた。</div> <div>「お客様、しばらくお待ちいただけませんでしょうか?」</div> <div>とりあえず他人行儀に接したあと、耕治はバック(店事務所)に引っ込み、店長に相談した。</div> <div>そして普段は予約のみの席である個室に二人を案内する。</div> <div>お冷をテーブルに置きながら、耕治は奥さんのほうに話しかけた。</div> <div>「奥さん・・・それとかおるちゃんも、大丈夫ですか?」</div> <div>二人は顔に何箇所もの痣や傷を負っていた。多分全身傷だらけではないのか?</div> <div>耕治は想像してぞっとした。</div> <div>「あの人はいつもそうなんです。何かしらあればいつも私やかおるに・・・」</div> <div>「だって、パパは、かぁるの、ホントのパパじゃないもん」</div> <div>うつむきながら、ボソっと、かおるが話す。</div> <div>「か、かおる!」</div> <div>驚きの声を上げる奥さん。</div> <div>「パパは、かぁるのことが、じゃまだって。『にくべんき』ぐらいにしかやくにたたないって」</div> <div>「に、にくべぇっ?!」</div> <div>あまりに卑猥な言葉を耳にして今度は耕治が驚きの声を上げる。</div> <div>「て、店員さん!!声が大きいですよ!」</div> <div>はっとして耕治が部屋の周りを見渡すと扉が少し開いていて外に女の子の姿が見えた。</div> <div>多分同僚のあずさだな・・・聞かれたかな?</div> <div>「あ、奥さん、俺、耕治って言います」</div> <div>「耕治さんでしたか・・・私、とき子と申します」</div> <div>「かぁるは、かぁるだよっ♪」</div> <div>「この子は薫っていいます。まだ幼くて、自分のことかぁるって言うんです。それが主人には気に入らないらしくて・・・」</div> <div>「とき子さん、役所とか警察に相談したんですか?」</div> <div> 「役所には相談したのですが、職員の方が一回来ただけでして。そのときは主人も猫をかぶって応対して。その後二人とも寝込むほど暴力を振るわれました」</div> <div>「パパ、こわいの。なんでも、つぐ(すぐ)、ママや、かぁるをぶつの」</div> <div>「警察に相談すればいいのでしょうけど、何年かあとにあの人が再び社会にでたらお礼参りをされそうで・・・」</div> <div><br /> 330 名前:おにいたん、だいすき!(4) ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 22:25:16 ID:aK4gtdbK</div> <div>「おにいたん・・・」</div> <div>瞳に涙を潤ませて、薫は耕治を見つめた。</div> <div>「おにいたん、かぁるの、おにいたんに、なってくだたい!」</div> <div>「えっ?!」</div> <div>「かぁるだけの、おにいたんに、なってくだたい!」</div> <div>うろたえる耕治。とき子は畳み掛けるように言う。</div> <div>「知り合ったばかりの方にこんなことを頼むのは失礼なこととは存じあげておりますが、</div> <div>この子には支えになってくれる方が必要なんです」</div> <div>そしてテーブルに手をついて懇願する。</div> <div>「どうか、なってやってください!時々、お店に来たときに、話し相手になってくれるだけでいいんです!」</div> <div>「はぁ・・・まぁ、それぐらいなら」</div> <div>「おにいたん、なってくれるの?」</div> <div>「ああ。なってあげるよ、薫ちゃんのお兄ちゃんに」</div> <div>「ほんと?!おにいたん、かぁるのもの?」</div> <div>「ああ。俺は薫ちゃんのものだよ」</div> <div>「おにいたん、だぁいすき!」</div> <div>薫は耕治に抱きついた。石鹸のにおいが心地よい。そして生々しい傷跡を見て、耕治は胸が痛くなった。</div> <div><br /> 「耕治!」</div> <div>凛とした声で自分を呼ばれ薫を抱いたまま耕治は扉の方を振り返ると、</div> <div>先ほどの女の子が耕治を手招きして呼んでいる。</div> <div>耕治は薫を座席において扉のほうに行く。</div> <div><br /> だれ・・・?</div> <div><br /> 「もう、耕治ったらお客さんと話し込んで。それに、何エッチな言葉吐いてんのよ、子供の前で」</div> <div>「肉便器って単語を知っているお前も十分エッチだが」</div> <div>「そういう問題じゃなくて。もう、お客さん増えたんだから手伝ってよ」</div> <div>「分かった。挨拶してからサポートはいるわ」</div> <div><br /> 耕治は個室に戻ると親子に挨拶をした。</div> <div>「すいません、忙しくなったんでお店のほうに戻ります」</div> <div>「こちらこそ引き止めてしまって申し訳ありません」</div> <div>「おにいたん、いなくなっちゃうの?」</div> <div>「ごめんな、俺、仕事しなくちゃ」</div> <div><br /> おにいたんは、かぁるのものに、なってくれたのではないでつか?</div> <div><br /> 「すいません、私たちもそろそろお暇します」</div> <div>「もう、かえるの?かぁる、かえりたくない・・・こわい・・・」</div> <div>「早く帰らないと、パパが帰ってきて、もっと怖い目にあいますよ」</div> <div>「うん・・・」</div> <div>二人は店の入り口に立つと再び耕治に礼をした。</div> <div>「おにいたん、あちた、またきても、いい?」</div> <div>「もちろんだよ?」</div> <div>「耕治、早く!」</div> <div><br /> あのおんなは、だれでつか?</div> <div><br /> あずさにせかされて、耕治は店のホールに向かう。振り向きざま二人に手を振る。</div> <div>「かぁるちゃん!また来るんだよ!」</div> <div>「うん!」</div> <div>にっこりと笑って手を振る薫。しかし、その瞳に月色の光を帯びていたことに誰も気がつかなかった。</div> <div>薫に背中を向けた耕治。そこに親しく話しかけるあずさ。</div> <div><br /> あのおんなは、おにいたんの、なんでつか?</div> <div><br /> 331 名前:297 ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 22:30:16 ID:aK4gtdbK</div> <div>続きます。次回、チンピラ親父のフラグ処理と奥さんの種割れw</div> <div><br /> あとすいません、「おにいたん、だいすき!(2)」のエラッタ。</div> <div>後ろから6行目なんですが</div> <div><br /> ×「店に来てくれたらね。また来てくれるかい?」</div> <div>↓</div> <div>○「もしよかったら、また来てくれるかい?」</div> <div><br /> になります。スマソ。</div> <div> </div> <div>332 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 22:32:52 ID:RP/hHxzK</div> <div>&gt;&gt;324 </div> <div><br /> ::::::::::          :: レ'ノ        こいつはくせえッー!</div> <div>::::::::::::::        ::: レ'⌒ヽ     兄さんの精液のにおいが</div> <div>ヽ-───i===i─-}ァ'  ノ    プンプンするぜッ─────ッ!!</div> <div>、` ー-===-゚---゚==‐' /</div> <div>、`¨フ>;''ニニゞ,;アニニY´; )     このくさいにおいを</div> <div>_、;;)¨´,ニ=゚='&quot; ,.ヘ=゚:く {ッリ'        ずっとかいでいたいほどだァ────ッ</div> <div>i1(リ        r;:ドヽ K</div> <div>ヾ=、     に二ニヽ `|; )      長風呂していたからチャンスを逃した?</div> <div>_,ノ| i.     {⌒゙'^ヽ.{  i;; ヽ        ちがうねッ!!</div> <div>_,ノ!i ヽ、  ヾ二ニソ ,';;;  ;;冫=:、</div> <div>_;(|.!.  \   ‐っ /!;;; ;;/ 、''&quot;\__  兄さんは生まれついてのオナニー好きだッ!</div> <div>'ト、\.   ,ゝ、.二..イリ\ / ー1\'ニゝヽ_</div> <div>:ヽ  `ニア   ,. -┴‐‐'  ー-:l :=ゞ=ソ」=ヽ   </div> <div>:::::\ ニ=ト、.i___`ー-┴-、ノ .   l __l| ,ニト、くヽ</div> <div>l::::::::::\ー:ト      __}/ト、゙ ー-‐| ,ニ|ゞ=ハ `¨´ー-  </div> <div> </div> <div>&gt;&gt;331</div> <div>GJ!!</div> <div>DVチンピラがどうやってこらしめられるか・・・・・・wktkです!</div> <div><br /> 333 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 22:44:17 ID:TfiZAZTC</div> <div>&gt;&gt;331</div> <div>GJ&wktk!</div> <div> </div> <div>しっかし、こんな小さな子供がヤンデレかするのもおっとろしいが、</div> <div>もしその気持ちを何十年も大人になるまで持ち続けたらさらにおっとろしいよなぁw</div> <div><br /> 334 名前:慎 ◆lPjs68q5PU [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 23:01:52 ID:h00npabN</div> <div>&gt;&gt;331</div> <div>GJ!というか怖いんだけど。幼児言葉で言われるとまた違った趣が・・・・</div> <div>&gt;&gt;333</div> <div>&gt;しっかし、こんな小さな子供がヤンデレかするのもおっとろしいが、</div> <div>もしその気持ちを何十年も大人になるまで持ち続けたらさらにおっとろしいよなぁw</div> <div><br /> そのネタもらったぁ。気が向いたら短編で書いてみようかな。いや、今書いてる長編と平行で長編書くのもいいな。</div> <div>んじゃ</div> <div>「慎太郎の受難」投下。</div> <div><br /> 335 名前:慎太郎の受難第3話1/7 ◆lPjs68q5PU [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 23:02:39 ID:h00npabN</div> <div> 月曜日。俺は日曜日のこともあり、少し鬱な気分で登校した。奈津子と絵里が鉢合わせしたとき、何も起こらなかったので、内心安心していた俺の気持ち。</div> <div>しかし、よくよく考えてみると、何もしなかったのは、我慢していただけではないかと・・・</div> <div>そう考えると今日の部活は恐ろしかった。奈津子になにをされるか・・・そんなことを考えていると授業が頭に入ってこなかった。</div> <div>結局今日の授業まともに聞けず放課後俺は部室に向かった。さて蛇が出るか、鬼が出るか。</div> <div>・・・しかし、予想に反する出来事が俺の身に降りかかる。</div> <div>「ヤッホー、しんちゃん♪」</div> <div>それはいつもどおりの明るい挨拶。昨日のことなんてなかったかのような笑顔。俺は驚いて言葉が出なかった。</div> <div>「うーん、どうしたのかなぁ?私の顔に何かついてる?」</div> <div>「いや、昨日お前・・・」</div> <div>「昨日どうしたの?」</div> <div>「いや、会ったじゃん街で!」</div> <div>「何言ってるの~?あぁ、もしかして妄想?私に惚れすぎちゃった?うれしいなぁ~♪」</div> <div>・・・忘れてやがる。</div> <div>「きのうは確か練習終わった後家にそのまま帰ったよ~」</div> <div>どういうことかは分からないが、奈津子は昨日のことをすっかり忘れていた。</div> <div>正確に言えば昨日の夜のことのみを。</div> <div>俺はわけがわからなくなった。</div> <div>「本当に覚えてないのか?」</div> <div>「しつこいなぁ覚えてないって言ってるでしょ?」</div> <div>・・・何がなんだか分からない。</div> <div>あれは夢だったというのか?</div> <div>いや、確かに昨日俺は・・・</div> <div>そんな思考をめぐらせていると、突然グイッと俺は誰かにひっぱられ、</div> <div>そのまま連れ去られた。</div> <div><br /> 「ちょっとまて誰だ!?」</div> <div>「つべこべ言わない!」</div> <div><br /> 336 名前:慎太郎の受難第3話2/7 ◆lPjs68q5PU [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 23:03:36 ID:h00npabN</div> <div>その声は・・・恵か!</div> <div>「ちょ・・・何するんだよ!」</div> <div>そんな声を無視して、恵は俺を引っ張りながらずんずん廊下を突き進む。</div> <div>「ここならいいかな」</div> <div>といって停まったのは、部室から遠いほうの階段の踊り場だった。そして恵の第一声。</div> <div>「あんたどういうつもり!?」</div> <div>恵は俺に昨日の事情を説明し始めた。</div> <div>昨日俺に会った後、奈津子はまるで抜け殻のように一言もしゃべらず、</div> <div>ただふらふらと街をうろつこうとしたらしい。</div> <div>これは危ないと判断して家まで奈津子を恵が送ったらしい。</div> <div>ちなみにその間も、魂が抜けたような感じだったらしいが。</div> <div>「かなりショック受けてたみたい・・・」</div> <div> そういえばこういう話を聞いたことがある。人は自己防衛のために、記憶にふたをすることがあるらしい。要するに嫌な記憶だけの忘却。奈津子は今そんな感じか。</div> <div>「いい?余計な詮索をして、思い出させるようなことしちゃ駄目よ。」</div> <div>「分かってるよ・・・俺もいきなり修羅場になるのはごめんだし。はぁ」</div> <div>「それにしてもあんたったら、女たらしもいいところね」</div> <div>「おい!俺にはまだ彼女はいないが?」</div> <div>「誰だってあの状況みりゃ彼女だって思うわよ!」</div> <div>うれしい誤解だな。絵里が彼女かぁ・・・</div> <div>恵に解放された後奈津子に、、恵と何をしていたかと詮索されたが、別に大きなことにはならなかった。</div> <div>そして土曜日になった。恵の言いつけを守り、奈津子には余計な詮索をしなかった。</div> <div>幸い、記憶は戻らず平和な一週間がすぎていった。</div> <div>そう、またしても俺は忘れていたんだ。天国の後には地獄が来ることを・・・</div> <div>土曜日の夜、それは唐突にやってきた。</div> <div>神様、俺なんか悪いことしました?</div> <div> </div> <div> </div> <div>337 名前:慎太郎の受難第3話3/7 ◆lPjs68q5PU [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 23:05:04 ID:h00npabN</div> <div>そう、土曜日の夜。</div> <div>俺は家の電話がなったのに気づき受話器を取った。</div> <div>「しんく~ん」</div> <div>「なんだ絵里か」</div> <div>「何だとは何よ?」</div> <div>「いや・・・うん他意はない。で、何か?」</div> <div>「勉強教えて欲しいの」</div> <div>「はぁ?」</div> <div>「だから、勉強教えて欲しいの」</div> <div>「何でまた?」</div> <div>「全然追いつけなくてさぁ・・・ほらあんた頭いいでしょ?」</div> <div>「全然」</div> <div>「あたしよりは確実にいいでしょ?だからさぁその・・・」</div> <div>「場所は?図書館でいいか?」</div> <div>「ううん、あたしの家」</div> <div>「なっ・・・なんだってー」</div> <div>「あ、両親その日いないの。だから、その泊りがけで教えていきなさい!」</div> <div>これなんてエロゲ?というかフラグ建っちゃたよおい!</div> <div>テンションあがるなぁ!よし、少しからかってみるか。</div> <div>「いいのかよおい、夜にお前を襲っちまうぜ」</div> <div>「・・・襲ってきたらぶち殺す」</div> <div>「・・・冗談だって・・・」</div> <div>なんで可愛いこと言えないかねぇ・・・はぁ。</div> <div>何はともあれチャンス到来。</div> <div>これを気に童貞卒業だー!</div> <div>しかし、その幸せな思考を携帯の着信音が突然さえぎる。</div> <div>メールが来ていた。誰からだよ、と思い、送信者を見て・・・愕然とした。</div> <div>Mail from 小牧奈津子</div> <div> </div> <div><br /> 338 名前:慎太郎の受難第3話4/7 ◆lPjs68q5PU [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 23:05:50 ID:h00npabN</div> <div>んな夜中になんだよ・・・</div> <div>俺は一体なんなのかと思いつつ携帯を開いた。内容は</div> <div>『明日の部活後、私の家に来ない?』</div> <div>・・・なんですと!というかなぜお前のうちに行かなければならない?</div> <div>下を見てみると</div> <div>「来てくれなかったら・・・するよ。あ、ちなみに両親は明日いないの」</div> <div>と書かれている。</div> <div>いや、お前何する気だと。</div> <div>俺の頭は混乱した。</div> <div>よりにもよってダブルブッキングかよ!しかもどっちも両親いないってなんだよ!</div> <div>お前らの両親ぐるかよ!</div> <div>さらに電話で絵里が混乱に追い討ちをかける。</div> <div>「今の携帯の着信何?奈津子さん?」</div> <div>いや絵里さん勘良すぎだから!</div> <div>どうする俺・・・そりゃ絵里のほうに行きたい・・・</div> <div>だが、奈津子のほうを断ったときに、何が起こるのか予想がつかない。</div> <div>殺されたりしないだろうか?あいつならやりかねん。</div> <div>勝手な妄想が俺の中でぐるぐる回る。</div> <div>どうする俺・・・考えてるうちにまたメールが来た。</div> <div>『何を迷ってるの?早く返事してよ~』</div> <div>そんな事言われても!</div> <div>果たしてどうするか・・・</div> <div>結局考え付かず、へたれな俺は、結論を明日にまわすことに決めた。</div> <div>そうと決まれば言い訳するしかない。</div> <div>まず、絵里に明日返答することを言うことにした。</div> <div><br /> 339 名前:慎太郎の受難第3話5/7 ◆lPjs68q5PU [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 23:07:03 ID:h00npabN</div> <div>「絵里・・・すまん明日行くか決めていいか?どうせ夜のことだし、いいだろ?」</div> <div>「ふーん、今日じゃ駄目なの?」</div> <div>「あぁ」</div> <div>「奈津子さんとあたしとで迷ってるんでしょ?」</div> <div>「んなこたない。ただ心の準備とかが必要なんだ・・・」</div> <div>「じゃあ奈津子さんは関係ないと。」</div> <div>「そうだ」</div> <div>「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だ・・・」</div> <div>「?」</div> <div>「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そだ・・・嘘だ・・・」</div> <div>「・・・おい絵里・・・?どうした?」</div> <div>「嘘だ・・・嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だーーーーーーー!」</div> <div>!!!!!!</div> <div>「絵里!」</div> <div>やばい壊れた!どうしたって言うんだよ!</div> <div>「絵里落ち着け!まずは落ち着け」</div> <div>「・・・・・あは♪驚いた?アニメでみてこうすれば男の人って驚くのかなぁと思って。」</div> <div>どうやら元に戻ったようだ。しかし何のアニメ見たんだ?こいつ。</div> <div>「驚くも何も心臓に悪い。やめてくれ」</div> <div>「ふふふ・・・でもね、嘘つくのはやめたほうがいいわよ」</div> <div>「だから嘘なんてついてないって」</div> <div>「・・・もう一度言うわよ。あたしに嘘はついちゃ駄目よ。」</div> <div>「なんでだよ?」</div> <div>「もう長い付き合いじゃない。しん君が嘘ついてることぐらいわかるし、それに・・・」</div> <div>「それに?」</div> <div>「見てるから。じゃね♪」</div> <div>がちゃ!つーつー。</div> <div>見てるから?最後のは見てるからってどういうことだ?</div> <div>まあいい気にはなるが次は奈津子にメールをしなければならない。</div> <div> </div> <div>340 名前:慎太郎の受難第3話6/7 ◆lPjs68q5PU [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 23:08:59 ID:h00npabN</div> <div>しかしここで俺は異常な状態に気づく。</div> <div>ん?今までの間に新着が50通?</div> <div>・・・しかも全部奈津子かよ。</div> <div>何々</div> <div>『ねぇ返事は?』</div> <div>『私待ってるんだけど。』</div> <div>『返事マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン 』</div> <div>『ねぇ・・・』</div> <div>『ちょっと・・・まだなの?』</div> <div>『ふざけないで・・・ねぇってば』</div> <div>『しんちゃんなんで返事くれないの?』</div> <div>『速くしてよ!』</div> <div>『・・・・・・・・ねぇ、私怒るよ?』</div> <div>『もう怒ったんだからぁ。早く返事をよこせ!』</div> <div>等など。まだ5分もたってないぜ・・・おい。</div> <div>とりあえず明日伝える旨をメールで送った。</div> <div>『すまん奈津子、今日はちょっと決め切れん。明日の部活で返事しても言いか?』</div> <div>すぐさま返事が来た。</div> <div>『今じゃ駄目?』</div> <div>『駄目だ。俺にも心の準備というものがあるしな』</div> <div>『分かった~。じゃ明日ね。』</div> <div>あんがいあっさり行った。</div> <div>まさかここまで奈津子が素直に従うとは思わなかった。</div> <div>普通にしてればやっぱりかわいいんだよな。</div> <div>そんなことを考えてるとまたメールが来た。</div> <div>『そうそう明日先週一緒に歩いてた子のこと教えてね。じゃ今度こそおやすみ~』</div> <div>戦慄が走った。記憶が戻ってる。何故?このとき俺は初めて死にたいと思った。</div> <div>盗んだバイクで走り始めるのもいい。とにかく逃げ出したい。</div> <div>そんな時母がこんな事を俺に言った。</div> <div>「そういえばあんたがいないとき絵里ちゃん来て、あんたが返してくれないものがあるからって</div> <div>直接取りに来てたわよ。あんたの部屋探してたけど、なかったって帰っちゃった。早く返しなさいよ」</div> <div>なんだって!?あいつが俺の部屋に入っただって?</div> <div>俺の頭は混乱し、何がなんだか分からなくなった。まさか、見てるからって・・・</div> <div>ふっ思い過ごしさ・・・そうだ思い過ごし。</div> <div>よし明日になれば何とかなる。そう思って寝てしまった。</div> <div>そして日曜日が来た。きてしまった。</div> <div><br /> 341 名前:慎太郎の受難第3話7/7選択肢 ◆lPjs68q5PU [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 23:10:51 ID:h00npabN</div> <div>部活に行く間俺は次の行動ををどうとるか考えた。</div> <div>とりあえず思いつくものをあげておく。</div> <div><br /> 1,奈津子のところへ行くことにする。</div> <div>2,絵里のところへ行くことにする。</div> <div>3,とりあえず恵に相談してみる。</div> <div>4,とりあえず鈴木に相談してみる。</div> <div><br /> どうする俺!?どうする?</div> <div> </div> <div>342 名前:慎太郎の受難第3話7/7選択肢 ◆lPjs68q5PU [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 23:15:54 ID:h00npabN</div> <div>というわけで3話終了。後はルート別と2話3話の裏側編を書き上げます。</div> <div>今回は・・・・兆候といいますか・・・2話の修羅場からまぁいろいろあったんです。</div> <div>何があったかは次書く裏側編で書きたいと思います・・・・。</div> <div>ページ数はもう少し減らせそうなんで次回以降変えてみます。</div> <div>&gt;&gt;291の続きも書いてみようかな。ギャグ風味で。</div> <div>&gt;&gt;334はシリアスめで。</div> <div>これは・・・ENDによって変わるかなぁ・・・それでは。</div> <div>最後に、職人さんがた、お疲れ様です。絵師のお二方、目の保養ありがとうです。</div> <div>では。</div> <div> </div> <div>343 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 23:16:26 ID:rnOE30XW</div> <div>1…と言いたいが、恵のヤミっぷりに期待して</div> <div>3333333333333333333333333333333333333333</div> <div><br /> 344 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 23:37:43 ID:MQNIb55Z</div> <div>&gt;&gt;342 続きGJ━━(゚∀゚)━━!!</div> <div>何だか慎太郎が羨ましいと思う俺ガイル…</div> <div><br /> 2に一票!…だが4で鈴木の行動に(((;゚Д゚)))ガクブルを期待している俺ガイル…</div> <div><br /> 345 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 00:09:27 ID:iSPPuQQu</div> <div>俺ならとりあえず1で行くかな。</div> <div> </div> <div>ところで気づいているかいみんな。</div> <div>このスレが立って一週間しか経過していないのにもう247kだぜ。</div> <div><br /> 346 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 00:12:16 ID:qq1GcBh9</div> <div>ツンデレもpart3なんだぜ!</div> <div><br /> 347 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 00:37:52 ID:dCGHauS7</div> <div>迷い迷った挙句・・・・・・・1でお願いしまつ!</div> <div><br /> 348 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 01:22:26 ID:kxkMot9N</div> <div>2でおねがいします!!!</div> <div>てか、ヒロイン二人の病みっぷりがすげぇ・・・。</div> <div>鉈と鋸が飛び交うような修羅場希望。</div> <div><br /> 349 名前:伊南屋 ◆WsILX6i4pM [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 01:45:01 ID:jjcG+va9</div> <div>なんちゃってゲーム画面。</div> <div>http://imepita.jp/20070219/061640</div> <div>注・この絵は開発中のゲームとは一切の関連も合切の関係もありません。</div> <div><br /> 350 名前:慎 ◆lPjs68q5PU [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 02:56:32 ID:oqetez8w</div> <div>&gt;&gt;349</div> <div>GJ!関係ないなんて嘘でしょう、ねぇ嘘って言って!というか如月更紗やっぱりかわいいなぁ。</div> <div><br /> 2が人気か・・・2から書くことに決めた!前スレで言った通り、エンディングは4通りあり、</div> <div>すでにどの選択肢がどのENDか決めていたんですが・・・構想練り直し。</div> <div>別作品書きながらぼちぼちやって行きます。</div> <div><br /> &gt;&gt;345</div> <div>速い・・・だんだん速くなってる・・・いま保管庫で確認してきたが、SS職人の数が連載中は自分含めて11人。</div> <div>完結作品、名無しの職人含めると、30人近くいる・・・。連載中の作品は12。</div> <div>初期の頃に比べ、随分と活気が出てきましたね。</div> <div> </div> <div>351 名前:伊南屋 ◆WsILX6i4pM [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 07:28:37 ID:jjcG+va9</div> <div>おはようございます。</div> <div><br /> いろんな絵柄を模索中。</div> <div>http://imepita.jp/20070219/112270</div> <div><br /> 352 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 07:42:22 ID:TVrVtBoC</div> <div>&gt;&gt;351</div> <div>エロ―――(゚∀゚)―――イ!! もう一杯!</div> <div><br /> 353 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 09:52:37 ID:ey0nQQNl</div> <div>&gt;&gt;349 &gt;&gt;351</div> <div>いや、もうこんなの見ちゃうとね。</div> <div>買うのを我慢しようと思っていた俺でもね。</div> <div>買っちゃおうかななんて思ったりするわけですよ。</div> <div><br /> 354 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 13:28:33 ID:YI4yabes</div> <div>◆lPjs68q5PU氏も伊南屋氏もGJ!</div> <div><br /> 355 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 14:22:20 ID:Pjcji0QQ</div> <div>http://nijibox.ohflip.com/futabafiles/001/src/sa12520.bmp</div> <div><br /> 伊南屋氏のアイコン画像に勝手に色を付けてみようと思ったけれど、</div> <div>ここまでで力尽きた。</div> <div><br /> やっぱ素人が手を出しちゃだめだわな……orz</div> <div><br /> 356 名前:297 ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 15:07:34 ID:jGvnfur4</div> <div>保管庫の中の人様。</div> <div>収録は至極光栄なのですが「おにだい」はまだ完結しておりませぬorz</div> <div>あと、できれば備考欄に「ロリ注意」と書いていただければと思います。</div> <div>そういうのが苦手な人もおられると思いますので。</div> <div><br /> &gt;&gt;332</div> <div>おまたせしましたw</div> <div><br /> &gt;&gt;333</div> <div>単に狂気倶楽部からお迎えが来るだけではないかとw</div> <div><br /> &gt;&gt;.334、慎様。</div> <div>幼児ですから、情け容赦ないですよ?ていうか、幼女ヤンデレって洒落にならないよな現実世界じゃ。</div> <div>あと慎太郎君の未来が黒いことを祈ってますwww</div> <div><br /> では「おにだい」続き投下。今回かなりえぐい表現とロリハードエロがありますので、</div> <div>そういうのが苦手な方はスルーを推奨します。</div> <div> </div> <div>357 名前:おにいたん、だいすき!(5) ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 15:08:48 ID:jGvnfur4</div> <div>あむ・・・ぺろ・・・ぬちゃ・・・</div> <div><br /> 「てめぇ!もっとしっかり舐めねぇか!」</div> <div>真新しい公営住宅(一戸建て)。変に立派な「山那」と書かれた表札が出てる。</div> <div>その中の一室で、チンピラ親父は薫に自分の「一物」を舐めさせていた。もちろん薫は全裸。</div> <div>「あ・・・あぁい・・・」</div> <div>「あなた、お願いで・・・きゃぁ!!」</div> <div>奥さん-とき子も全裸で、股間にリモコンバイブを入れられていた。</div> <div>バイブは自分ではずせないように俗に言う「貞操帯」につけられている。</div> <div>「口答えしてんじゃねぇよ!このバイブにしか満足できねぇガバ○ンが!」</div> <div>チンピラは抗うとき子に対しバイブの無線リモコンで出力を最大にした。</div> <div>「あふぅ・・・あぁ・・・はぁ・・・」</div> <div>あまりの快感に声が出なくなるとき子。</div> <div>「パパぁ・・・ママをいじめないで・・・」</div> <div>舐めるのをやめて薫がチンピラに言う。</div> <div>「ふん、あの女はああやって貰うのがうれしいのさ!さて、今度はてめえの中に突っ込むぜ」</div> <div>「ぱぱ・・・いたいの、やだよう・・・」</div> <div>ふん、と鼻であしらうとチンピラは立ち上がり、小瓶に入ったローションを自分の一物にたらした。</div> <div>そして薫を抱きかかえると股間を自分の一物で突き刺した。</div> <div>「は・・・ひぎぃっ!」</div> <div>「さすがはガキ○ンコだな!根元まではいらねぇや!」</div> <div>「ばば・・・ぼんぼんいだい・・・」</div> <div>「ひゃひゃひゃ、腹がチ○コの形に膨れてるぜぇ!」</div> <div>ぱぁんぱぁんぱぁんぱぁん!</div> <div>俗に言う「駅弁」の形でチンピラは薫の腹を突き上げる。</div> <div>薫の股間からは白濁した液体と血が滴り落ちる。</div> <div>「もう擦り切れやがったか。このきつさ具合といい、年中処女と姦ってるようなもんだな!」</div> <div>「あひぃ・・・ひい・・・」</div> <div>チンピラに突き上げられる苦痛の中、薫は「おにいたん」のことを考えていた。</div> <div><br /> おにいたんなら、どうちてくれるかな・・・?</div> <div>やさちくちて、くれるかな・・・?</div> <div>かぁるの、おまたのあかいぶぶんも、やさちくなめてくれるかな・・・?</div> <div><br /> 「おらぁ、そろそろだすぞ!」</div> <div>ゴポォ、ゴプゴプゴプ・・・</div> <div>薫の膣内ではそんな音がしたのかもしれない。</div> <div>チンピラが一物を引き抜くと、かおるの膣口から赤いものと白いものが流れ落ちた。</div> <div>「つぎはてめぇのなかに入れるぜ!ケツの穴ならまだ使い物になるだろうよ!」</div> <div>チンピラはとき子の貞操帯をはがすと前技もなしにアナルに一物を突っ込んだ。</div> <div>「ぎゃ、ぎゃぁぁぁぁ!」</div> <div>「おらおらぁっ!前技なくてもケツマ○コはゆるゆるでちょうどいいなぁ?!」</div> <div><br /> まま、いたとう(痛そう)・・・。</div> <div><br /> チンピラととき子のアナルセックスを横目に、薫は心の中でつぶやいた。</div> <div><br /> まま・・・あと、つこちのちんぼう(少しの辛抱)でつ・・・。</div> <div>よういは、もうできてまつ・・・。</div> <div>あちた、まま、わらってくれるかな・・・?</div> <div><br /> 358 名前:おにいたん、だいすき!(6) ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 15:09:28 ID:jGvnfur4</div> <div>ある日の午後。とき子は休み。チンピラはパチンコ。</div> <div>とき子はお気に入りのビデオ録画したサスペンスドラマを見ていた。</div> <div>「まま、なんてよむの?」</div> <div>薫はテレビテロップの「○○○○殺人事件」を指さす。</div> <div>「さつじんじけん、よ」</div> <div>「たつじん、じけん?」</div> <div>「人が、人を、壊すの。二度と動かなくなるの」</div> <div>「ぱぱも、とうなればいいのに」</div> <div>「だめよ。大変なことになるでしょう?」</div> <div><br /> だめなのでつか?ままや、かぁるを、ぱぱがこわすのはいいのでつか?</div> <div><br /> 次の日。とき子は働きに行っていない。チンピラも出かけた。『ぱちんこ』だろう。</div> <div>今日ほど具合のいい日はない。薫は行動を開始した。</div> <div>「パパぁ?ブーブ(自動車)をおそうじするのに、ながぁいでんきのちぇん(線)がいるよね?」</div> <div>といってホームセンターでチンピラに買わせた10mの延長コード。</div> <div>たんすの上にあるのを薫は引き出しを階段代わりに上って手に入れた。</div> <div>次に薫は玄関の靴箱に行き、チンピラの工具箱と自分の長靴を引っ張り出す。</div> <div>工具箱は重く、一番下の段にあったのだが薫には持てなくてひっくり返した。</div> <div>前に工具箱をひっくり返したときは失神するほど叩かれたが、今回はそのほうが都合がいい。</div> <div>ひっくり返った衝撃で散乱した工具。薫はその中から目的のものを見つけた。プラスの柄の短いドライバー。</div> <div><br /> んしょ、んしょ。</div> <div>苦労して長靴を履くと薫は外に出た。玄関脇には砂場遊び用のバケツとスコップ。</div> <div>まずはバケツを持って外の散水栓にいき、水を一杯汲んだ。</div> <div>そのまま靴も脱がずに中に入り水入りバケツを置くと、今度はトイレに行き大きなバケツを持ってきた。</div> <div>廊下の奥にバケツを置き水入りバケツの水を大きいバケツに移し換える。</div> <div>これを何回も繰り返し、大きなバケツは水一杯になった。</div> <div>バケツを返したあとは外から柄の長い箒(ホウキ)を家の中に入れる。</div> <div><br /> 薫は家の居間に持ってきたものを並べる。</div> <div>箒、延長コード、ドライバー。そして台所から持ってきたガムテープ。</div> <div>まず延長コードのコンセントをドライバーでばらばらにした。出てきたのが裸の電線。</div> <div>次に電線を箒に巻きつける(裸の部分を箒の上のほうに)。</div> <div>裸の部分にかからないように気をつけながら、箒の上下を電線がずり落ちないようガムテープで固定。</div> <div>電線を巻きつけた箒を立てかけ、コードのコンセントを差し込む。</div> <div>何も起きない。成功だ。</div> <div>もうすぐ3時。奴は帰ってくるだろう。</div> <div>水のバケツをひっくり返し、廊下を水に浸す。</div> <div>そして薫はパパを待った。</div> <div>いとしい、いとしい。殺したいほどいとしいパパが帰ってくるのを。</div> <div> </div> <div>359 名前:おにいたん、だいすき!(7) ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 15:10:43 ID:jGvnfur4</div> <div>くそう。チンピラは一人ごちた。</div> <div>今日はパチンコで3万もすられた。最近勝ったためしがない。</div> <div>この鬱憤をどうはらそうか。薫の中にまたぶちまけようか。</div> <div>とき子にビールの大瓶を突っ込んでもいいな。痛がるとき子の表情は最高だ。</div> <div>そんなサディスティックな妄想に浸りつつチンピラは家の玄関を開けた。</div> <div>そして妄想はすべて吹っ飛んだ。</div> <div>散らかった下駄箱と工具箱。玄関は土まみれ。廊下は水浸し。</div> <div>「薫、てめぇ、なにしてんだ!」</div> <div>怒り心頭に達し、チンピラは土足のままで家に上がる。ちなみに土足といっても裸足にサンダル。</div> <div><br /> ばしぃっ!</div> <div><br /> 廊下を中ほど進んだとき、両足の腱に衝撃が走った。</div> <div>足が動かなくなり、前のめりに倒れるチンピラ。</div> <div>「ぱぱなんか、こわれたえ(壊れちゃえ)!」</div> <div>チンピラの目に入ったのは箒を手に仁王立ちの薫。</div> <div>「てめぇ、なにしてんだ!」</div> <div>這いつくばったままチンピラは薫に向けて手を突き出す。</div> <div>「えいっ!」</div> <div>薫はチンピラの手のひらに箒の柄を押し当てる。箒に巻きつけた電線を通じ、100V15Aの電流が衝撃となってチンピラの手の自由を奪う。</div> <div>「ぐあぁぁぁぁ!」</div> <div>なんで、箒から電気が?よく見ると薫の手にある箒には電線がまきつけてある。ご丁寧にゴム長靴まで履いて自滅を防いでいる。</div> <div>「このがきゃぁ、親父を殺すきか?!」</div> <div>「おまえなんか、パパちがうでつ」</div> <div>「なにぃ!」</div> <div>薫は箒の柄をチンピラのもう片方の腕にも押し付ける。これで事実上全身麻痺。</div> <div>薫はチンピラの背中を踏みつけ、チンピラの太ももの間の空間に立つ。</div> <div>「つぎは、かぁるやままのおまたをけがたてた(怪我させた)、おちんちんを、こわつです」</div> <div>「や、やめろ!」</div> <div><br /> ばちばちばちばちっ!</div> <div><br /> 股間の一物に箒の柄を押し当てる薫。</div> <div>あまりの衝撃に口から泡を吹き失神するチンピラ。</div> <div>「ねるのはまだはやいでつ」</div> <div>チンピラの頭の前に回りこみ、首筋に箒の柄を当てる薫。</div> <div>「がはぁっ!」</div> <div>衝撃で再び目を覚ます。</div> <div>「な、なぁ、薫・・・ご、ごめんな・・・これからは、薫にも、ママにも、やさしくするから、な・・・」</div> <div>チンピラはどうにかしてこの事態を脱出しようと、口からでまかせで謝罪の言葉を口にした。</div> <div>もちろん本心ではない。とき子と薫にかけた生命保険は来年以降でないと払ってくれない。</div> <div>それまでは生かしておきたい。とりあえずそれまでは我慢しよう・・・しかし。</div> <div>「ぱぱをちんじて(信じて)くれるのは、ママと、『やくにん』って、ひとぐらいでつ」</div> <div>薫の口より死刑判決が下る。</div> <div>「や、やめろ、やめてく」</div> <div>「パパなんか、こわれたえ!」</div> <div><br /> ばちばちばちばちっ!</div> <div>バンバン!!</div> <div><br /> 青白く光るチンピラの体。ブレーカーの落ちる音。</div> <div>電気がすべて消え、薄暗い家の中で薫はママが帰るのを待った。</div> <div> </div> <div><br /> 360 名前:おにいたん、だいすき!(8) ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 15:12:12 ID:jGvnfur4</div> <div>夜。とき子が帰ってきた。</div> <div>「ただぁいま・・・あれ、どうしたの?まっくらで」</div> <div>「ままぁ・・・でんきがね、『ばっちん』ってなったの」</div> <div>「ばっちん?ああ、ブレーカーが落ちたのね。直しましょう」</div> <div>玄関にある電気の主幹ブレーカーを上げるとき子。電気のついた屋内でとき子の目に入ったのは</div> <div>黒こげ同然のチンピラの姿であった。</div> <div>「・・・!!」</div> <div>「まま、あのね。なまごみができちゃったの」</div> <div>音にならない悲鳴を上げるとき子。薫の目には再び月色の光が宿っていた。</div> <div>「ねぇ、まま?おにいたんを、おうちによんでも、いい?」</div> <div>普通に考えたら、他人を呼ぶなんて自殺行為もいいところである。しかし。</div> <div>「・・・いいわね。耕治さんを、薫の大好きなお兄ちゃんを、呼んでらっしゃい?」</div> <div>振り返り、微笑むとき子。その眼は焦点があってなく、月色の光がやはり宿っていた。</div> <div>「うん!!」</div> <div>満面の笑みを浮かべる薫。時刻は9時前。店はまもなく閉店。耕治を連れ出す時間帯としては最高だ。</div> <div>「まま、なまごみ、どこかにかくちておかたづけもおねがいでつ。なまごみは、おにいたんと、とおくにかたづけよ?」</div> <div>薫はとき子に事実上の命令を下す。</div> <div>「ええ」</div> <div>「あと、まま、おくすりも」</div> <div>「まぁ・・・おくすりもつかうの?」</div> <div>「あのおんながついてきたらつかうでつ・・・」</div> <div><br /> そして薫は外へ飛び出す。だいすきな、おにいたんを、おうちに呼ぶために。</div> <div><br /> 361 名前:297 ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 15:13:49 ID:jGvnfur4</div> <div>すいません、まだ続きます。</div> <div>次回。耕治とあずさの運命はいかに。</div> <div><br /> ・・・あ。</div> <div>一応「このスレ的ハッピーエンド」を目指すつもりです。</div> <div><br /> 362 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 15:18:48 ID:GyN+ke6k</div> <div>GJ!!</div> <div><br /> 363 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 15:19:17 ID:NuGIrQwr</div> <div>&gt;&gt;361</div> <div>自作スタンガン作る幼女(´Д`;)ハアハア</div> <div>それはともかくGJ!!こんなチンピラにやられた親娘(´・ω・) カワイソス</div> <div><br /> 364 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 15:23:13 ID:GyN+ke6k</div> <div>GJ!!</div> <div>続きを待ちます。</div> <div><br /> このスレ的ハッピーエンドって</div> <div>……どんなん?</div> <div>周りに問題あっても生きたまま</div> <div>くっついてればHappy?</div> <div><br /> 365 名前:慎 ◆lPjs68q5PU [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 15:29:29 ID:oqetez8w</div> <div>&gt;&gt;361</div> <div>GJ!てかほんと情け容赦がないw殺し方えぐすぎw</div> <div>このスレ的ハッピーENDwktkです。</div> <div>&gt;&gt;364</div> <div>死んでも一緒ならばそれはそれでハッピーでは?と思う俺がいる。</div> <div> </div> <div>366 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 16:22:15 ID:GPZ0JNmZ</div> <div>&gt;◆kNPkZ2h.ro氏</div> <div>&gt;◆dkVeUrgrhA氏</div> <div><br /> すんませんでした、お二方。</div> <div>これから、同じようなミスを起こさないよう誠心誠意努力して保管作業を続けていきたいと思います。</div> <div> </div> <div>367 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 16:33:40 ID:Acfc3Wd8</div> <div>&gt;&gt;361</div> <div>ちょwww</div> <div>薫タン怖いよ薫タン((( ;゚Д゚)))ガクブル</div> <div>しかしGJ!</div> <div><br /> 368 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 16:35:58 ID:ey0nQQNl</div> <div>&gt;&gt;366</div> <div>おろ?保管庫の管理人さん?</div> <div><br /> 369 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 16:54:46 ID:Acfc3Wd8</div> <div>&gt;&gt;366</div> <div>いつもお世話になってますm(_ _)m</div> <div><br /> 370 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 18:08:29 ID:TVrVtBoC</div> <div>GJ!!何で子供が殺人計画思いつくんだwww</div> <div>電撃で殺すって普通子供わからんだろwwwwww</div> <div>まさしく天才チャイルド、天性のヤンデレ。子供なだけに末恐ろしいな。</div> <div><br /> 371 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 18:15:40 ID:hQq+AdIr</div> <div>&gt;&gt;341</div> <div>奈津子のヤミっぷりを期待して2!これしかない!</div> <div><br /> &gt;&gt;361</div> <div>とんでもない子供がいたものです…GJ!</div> <div><br /> &gt;&gt;366</div> <div>修正ありがとうございます。</div> <div>これからもお世話になるかと思います。</div> <div>管理の方お疲れ様です、これからも頑張って下さい。</div> <div><br /> では上書き6話前編投下します。</div> <div>この前「一ヶ月は投下できない」とキッパリ言ったばかりなのに…。</div> <div>スマン、ありゃ嘘だった。</div> <div>後◆lPjs68q5PU氏に便乗して選択肢つけてみましたw</div> <div><br /> 372 名前:上書き6話前編 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 18:16:35 ID:hQq+AdIr</div> <div>「加奈ッ!ごめんな、弁当の事すっかり忘れてたよ」</div> <div> さっきまで島村の命令の為に下ろしていた腰を起き上がらせ、足早に加奈の元へ歩み寄る。</div> <div> 加奈の小さな両肩を掴み、大袈裟に且つ不自然にならないような笑顔を作る。</div> <div> 加奈に見られたのかは分からないが、どっちにしたってする行動は決まっている。</div> <div> 今はとにかくこの状況で一番納得のいく言い訳を考えるんだ…って、今日の俺は言い訳しようとし過ぎだな。</div> <div> 自分に呆れつつ、思考回路を全て最適な言い訳のために整備する。</div> <div> とりあえずこの言い訳を考えるのは島村の時よりは遥かに簡単だ…そんな油断が俺から物事を客観視する為の冷静さを奪った。</div> <div>「ちょっとこの腕の治療しようとして、偶然ここにいた島村に頼んだんだよ。な、島村!?」</div> <div> 俺は絶対世界一の馬鹿だ…というより、状況判断能力が致命的に欠落してるのだと思う。</div> <div> よりによって島村に一切口裏も合わせず嘘の共有を求めるなんて…。</div> <div>  島村は恐らく俺と加奈が付き合っている事を知らない、だから―知っていても島村ならどうかは分からないが―わざわざ辻妻を合わせるような発言はしてくれない。</div> <div> きっと「何言ってるんです?」とか言って普通に返される。</div> <div> 只でさえマズイのに、嘘までついたなんて事になったら状況は悪化する一方だ。</div> <div> 今すぐにでも加奈を連れて逃げたい…しかしそれはいらぬ心配だった。</div> <div>「はい、その通りですよ」</div> <div> 一瞬耳を疑った。</div> <div> 加奈に笑顔を向けている島村。</div> <div> 予想と真逆の解答、島村には俺の嘘に付き合う理由はないのに何でだ…と考えた瞬間すぐに答えは出た。</div> <div> 簡単な事だった、要は島村は勘違いされたくないだけだ…俺と危ない関係にあるんではないかと噂されるのを嫌ったんだ。</div> <div> そう考えれば初対面の加奈への対応としては一番自然だ。</div> <div> 心の中で島村に感謝しつつ、加奈の表情を伺おうとする。</div> <div> でも、加奈はうつ向いたまま顔を上げないから、表情が読めない。</div> <div>「加奈…?」</div> <div>「…そう…なんだ………」</div> <div> 加奈が絞りだしたような声を出す。</div> <div> 微妙にかすれていたようにも聞こえたが、今はそんな事は気にしない。</div> <div> それ以上言及しない事から、どうやら島村としていた事は見られていないようだ。</div> <div> 心の底からホッとしつつ、両肩を掴んでいた腕で加奈の体をクルリと反転させる。</div> <div>「そんじゃ飯食おうな」</div> <div> 加奈を納得させられたのなら、急いでこの場から逃げ去るのが得策だろう。</div> <div> 加奈の背中を後押ししながら後ろを振り向くと、島村が物言いたそうな感じで俺を見つめていた。</div> <div> その表情は加奈へと向けていた自然且つ張り付けた笑顔ではなく、俺を見下ろす優越感溢れるものだった。</div> <div> そんな顔に気味悪さを感じ、顔を戻そうとした瞬間、島村の口が大袈裟に、それこそ”あいうえおの歌”のように大きく動いた。</div> <div> 読唇術の心得なんかない俺でも何を言っているのかはっきり分かった。</div> <div>『か・し・で・す・よ』</div> <div> 「貸しですよ」か…どうやら俺は大きな勘違いをしていたらしい。</div> <div> 島村が俺の口裏を合わせてくれたのは、只単に俺で遊ぶ口実を増やす為に過ぎなかったようだ。</div> <div> …ん?</div> <div> でもそうなると、島村は俺と加奈が付き合ってる事を知ってる事になる…何でだ?</div> <div> 誰にも話してないはずなのに…ってよくよく考えりゃ島村と俺は同じクラスだ。</div> <div> 確かに加奈とはいつも程学校内では親しくしてないが、たまに弁当食いに来たりしてたんだ、それを見て彼女だって判断したんだろう。</div> <div> でも、普通特に話さないクラスメートの事なんか見てるか………なんて風に考えたが疲れたので頭を休める。</div> <div> 正直どうでもいい、今は加奈の事で頭がいっぱいなんだから、そっちに意識を集中しなければ…。</div> <div> 俺は島村をちっぽけな抵抗として軽く睨みつけつつ、加奈と一緒に保健室から出ていった。</div> <div><br /> 『クチュァア』</div> <div>「ハァ…誠人くんの…味がする…」</div> <div> </div> <div>373 名前:上書き6話前編 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 18:17:16 ID:hQq+AdIr</div> <div><br /> 「そんで歴史の日野の奴が大ボケかまして教室内がかなりシラケたんだよ!」</div> <div>「………」</div> <div> いつも通りの加奈との帰り道、陽が名残惜しそうに地平線の彼方へと消え入りそうになる中、俺は一人空回りした芸人のように喋り続けている。</div> <div> あの時からずっとこの調子だ。</div> <div> 一緒に昼飯を食った時も俺の一方通行な会話がうるさく教室に響いただけだ。</div> <div> 何か質問を投げ掛けても無反応、頷きもしない。</div> <div> 5時間目には何度かメールしてみたが返信はなかった。</div> <div> なのに何となく気まずく今日は一人で帰ろうと思っていると、教室のドアの端に地縛霊のように佇んでいた。</div> <div> 無言でこちらを見つめ続ける加奈を避ける事は出来ず、結局いつも通り2人で帰っているという訳だ。</div> <div> 島村との事を見られてはいないはずなのに、何でこうも沈黙を守るのだろう…?</div> <div> 確かに島村と一緒にいたという事実は認めたが、加奈は今まで俺が別の女の子と一緒にいても別段普通だった。</div> <div>いつも通りに俺に笑顔を向けてくれていた。</div> <div> なのに何で今日に限って…?</div> <div>  分からない…頭の中のありとあらゆる経験を総動員して考えるが、全く分からない…。 何か加奈を怒らせるような事したか…いや、それ以前に加奈は怒っているのか?</div> <div> 俺は加奈が怒っている時を知らない…加奈を怒らせた事なんて一度もないから。</div> <div> 俺の傷を”上書き”する時は、怒っているというよりは一心不乱に何かに取り憑かれたような感じだ………そこまで考えてようやく理解した。</div> <div> 何で気付かなかったんだ…こんなに身近な事に。</div> <div> 多分加奈を無意識の内に軽視していたからだと思う…何で俺が肉体的に傷付いた時だけが”発動条件”のように決めつけてたんだ…?</div> <div> 相変わらずうつ向き続ける加奈の様子を凝視して感じた、今の加奈の様子は俺の傷を”上書き”する時の感じに酷似している。</div> <div> もう訳が分からない…様々な事が全く噛み合わない気がした…。</div> <div> しかし、歯車を噛み合わせる為のキーワードは、俺にとっては意外なところにあった。</div> <div>「ハハ…そうだよね…」</div> <div> 突然加奈が小さく呟く。</div> <div> 思わず体まで驚きで反応してしまう中、加奈は一瞬半分生気を取り戻したような顔をして俺を見上げる。</div> <div> すぐにまたうつ向き、小さく小さく、それでも俺に訴えかけるように言った。</div> <div>「ごめんね…」</div> <div>「…え?」</div> <div>「あっ、何でもないの。気にしないで」</div> <div> 笑顔で手を振ってくる加奈。</div> <div> その表情には無理した様子は見受けられない…そのはずなのに、妙な違和感がある。</div> <div> いつもの笑顔でもない、狂気に満ちた笑顔でもない…様々な感情をごちゃ混ぜにしたような、複雑そうな顔…。</div> <div> こんな加奈の顔、俺は初めて見た。</div> <div> 加奈の考えが今の俺には欠片も読めない…。</div> <div> 自分に失望している最中、加奈は神妙な面持ち―笑顔は崩していない―でこちらを見てくる。</div> <div> そして………</div> <div>「ねぇ、誠人くん?」</div> <div>「何だ?」</div> <div>「今日のお昼休み、保健室で何をしてたの…?」</div> <div> 俺は決定的な言葉を突きつけられた。</div> <div><br /> ――――――――――――――――――――</div> <div><br /> (誠人くん…どういう事?)</div> <div> </div> <div>374 名前:上書き6話前編 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 18:18:18 ID:hQq+AdIr</div> <div> 本当ならお昼休みに誠人くんと一緒にお弁当を食べるはずだった。</div> <div> あんなに楽しみにしていたのに、誠人くんの腕の傷を見てまた動揺してしまった…。</div> <div> また誠人くんを傷付けてしまった。</div> <div> 誠人くんは悪くないのに、あたしが我慢強くないから…耐えられないから。</div> <div> 本当に申し訳ない…普通ならこんなあたし誰も好きになんかなってくれないのに、誠人くんは違う。</div> <div> あたしの事全部受け止めてくれる、あたしの気持ちを理解してくれている…はずだ。</div> <div> 誠人くんを世界で一番愛しているのはあたし、他の誰でもない、あたしだ。</div> <div> 誠人くんもあたしの事を愛してくれている…だから二人が結ばれるのは至極当然の事のはずだ。</div> <div> さぁ今日も当たり前のように誠人くんとお弁当を食べるんだ。</div> <div> 中々戻ってこない事が心配になった、もしかしたら一人で包帯を巻けてないんじゃないか。</div> <div> そんな思いを胸に、あたしは誠人くんがいるであろう保健室へと向かった。</div> <div> 困ってる誠人くんの顔を見るのも悪くない。</div> <div>  消毒液で思いっ切り悪戯してやるんだ、それで拗ねた誠人くんにあたしが自分の弁当をお裾分けして謝る、それで元気になった誠人くんと笑顔で食事、そんな光景になるはずだった。</div> <div> なのに…</div> <div><br /> (その女誰?)</div> <div><br /> 一瞬誠人くんがその女の指を…まさかね、誠人くんがあたし以外の人にそんな事する訳がない。</div> <div> 動揺して見間違えたのだろう…そう信じ瞬きしてから再び視線を誠人くんに向ける…これで悪い夢は醒めるはずだった。</div> <div> でもあたしが見たのは…</div> <div><br /> (…涎?)</div> <div><br /> 誠人くんの口元に妖しく光る液体、その終着点を辿ってあたしは愕然とした。</div> <div> 誠人くんを床に座らせて自分はベッドの上で寛いでいる女の人差し指に、それは確かに繋がっていた。</div> <div> 状況が理解出来ない…というよりしたくない。</div> <div> それなのにあたしの思考は次々と残酷なビジョンを映し出す。</div> <div> 誠人くんの口元とあの女の指を繋ぐ涎…これから想像為うる展開は只一つ。</div> <div><br /> (誠人くんが…!まさか、そんな…)</div> <div><br /> 目の前が暗転する。</div> <div> 深い絶望の落とし穴に嵌っていく…誠人くん、手を差し述べて…。</div> <div><br /> 「ちょっとこの腕の治療しようとして、偶然ここにいた島村に頼んだんだよ。な、島村!?」</div> <div><br /> 追い討ちの一言…誠人くん何言ってるの?</div> <div> 何で本当の事隠そうとするの?</div> <div> 隠そうとしてるようだけどあたしには分かる、どうしてそんな慌ててるの?</div> <div> やましい事がなければこんなに必死になる必要ないのに…何でなの?</div> <div> </div> <div>375 名前:上書き6話前編 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 18:20:31 ID:hQq+AdIr</div> <div> その後、あたしはひたすら自問した。</div> <div> 誠人くんがあたしに隠し事をする理由…最も正当な理由を。</div> <div> でもあたしなんかじゃその答えは導き出せない。</div> <div> 難し過ぎる問題だよ…助けて、誠人くん!</div> <div><br /> それでも誠人くんと一緒に帰る事は忘れない、体にしっかり刷りこまれている”やるべき事”の一つだから。</div> <div> その間も考え続けた、必死に探す…。</div> <div> その問題の難度さに、途中”誠人くんがあの女と…”と最悪な想像をして逃げ出そうともした。</div> <div> しかし、それは一番やってはいけない事…誠人くんを信じなくなったら、全てが終わる。</div> <div> 誠人くんがあたしを裏切る訳がない…そうよ!</div> <div> やっと分かった!</div> <div> この出口の見えない迷路からの脱出方法を。</div> <div> 誠人くんに聞けば良かったんだ…問題への解答を諦めなければ誠人くんはあたしに微笑んでくれる。</div> <div> あたしの誠人くんへの愛の度合いを図る試練だったんだ、これは!</div> <div> 理解してしまえば簡単だった…そこまでの過程で、一瞬でも誠人くんを疑ってしまった事を悔いて自分を呪った。</div> <div><br /> 「ごめんね…」</div> <div><br /> 精一杯の想いで謝った後、誠人くんに問う。</div> <div> あの時はいきなりあたしが現れたから驚いて嘘をついっちゃったんだろうけど、今度は本当の事言ってくれるよね…?</div> <div><br /> 「ねぇ、誠人くん?今日のお昼休み、保健室で何をしてたの…?」</div> <div><br /> ――――――――――――――――――――</div> <div><br /> 決定打だった…。</div> <div> 見上げてくる加奈の表情、言動、全てが物語る。</div> <div> ”全て知っているよ”。</div> <div> 俺は、初めて見るこんな加奈の様子を前に、一体どうすれば良いのだろうか…?</div> <div> </div> <div>A.今すぐ謝る</div> <div>B.本当の事を言う</div> <div>C.嘘をつき通す</div> <div> </div> <div>376 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 18:22:06 ID:hQq+AdIr</div> <div>投下終了です。</div> <div>AとBが似ている気もしますが気になさらずw</div> <div>とりあえず本ルートに入れるのは一つだけですので。</div> <div><br /> 377 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 18:55:29 ID:WicNwuUG</div> <div>Cしかないな。</div> <div><br /> 378 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 19:18:57 ID:vpu1sdNm</div> <div>ふと思いついたネタ。スルー推奨</div> <div><br /> 超能力者ヤンデレ。</div> <div>彼氏に降りかかる危険は念動力で吹き飛ばす。</div> <div>彼氏の靴箱に入っているチョコレートはテレポートでゴミ箱に。</div> <div>彼氏に好意を抱いてる女の子の心をテレパシーで変える。</div> <div>運命の彼氏とはまだ出会ってなくて、未来予知でのみ現れる</div> <div>彼に嫌われたくないから、超能力はひたすら隠し通す。</div> <div>彼がかすり傷一つつき様ものなら、全超能力を利用して相手に復讐する。</div> <div><br /> 379 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 19:22:54 ID:AWMdPqMy</div> <div>Bで島村惨殺ENDしか見えない</div> <div><br /> 380 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 19:32:00 ID:aVxXyO/5</div> <div>&gt;&gt;361 GJ!この幼女頭良すぎだろ・・まじこええええ((( ;゚Д゚)))</div> <div><br /> 381 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 19:43:04 ID:ZmvUz07B</div> <div>ごめん、何故か脳裏にひぐらしがなく頃にって単語が浮かんだ</div> <div><br /> 382 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 19:59:46 ID:qK0qqkTF</div> <div>A</div> <div>本人は誠実に謝ってるつもりで、言葉の選択ミスからさらに誤解を拡大w</div> <div><br /> 383 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 20:37:38 ID:Acfc3Wd8</div> <div>上書き続きキテタ━━ヽ(゚∀゚)ノ━━!!</div> <div>Bで島村さんと加奈タンの正面激突をキボン</div> <div><br /> 384 名前:297 ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 20:41:50 ID:jGvnfur4</div> <div>しかしエロシーンとヤンデレシーン入れたらGJの数がいきなり増えたなえwww</div> <div><br /> &gt;&gt;363</div> <div>喜んでいただけましたかw</div> <div>まーチンピラは殺される理由をつけるためにあんな性格になってしまいましたが。</div> <div><br /> &gt;&gt;364</div> <div>&gt;&gt;365、慎様</div> <div>心中エンドでも確かにこのスレ的にはハッピーですな。</div> <div>もっとも、もう人死にはでませんので。</div> <div>・・・肉体的にはなw</div> <div><br /> &gt;&gt;366、SS保管庫管理人様</div> <div>すばやい対応ありがとうございます。</div> <div>これからもがんばって収集を続けてください m(_ _)m</div> <div><br /> &gt;&gt;367</div> <div>怖いですか?可愛いじゃないですか、このスレ的にはw</div> <div><br /> &gt;&gt;370</div> <div>母の趣味のサスペンスドラマを絵本代わりに、セックスの嬌声を子守唄に聴いていたのですよ。</div> <div>彼女こそ、ヤンデレの神に祝福された存在なのです<まて</div> <div><br /> &gt;&gt;371、kNPkZ2h.ro様</div> <div>C!そして問い詰め二重奏から調教三重奏(誠人含む)へ。</div> <div><br /> &gt;&gt;378</div> <div>超能力は障害排除手段より黒化の手段として使ったほうがいいかも。</div> <div>千里眼で彼の浮気現場を偶然見てしまうとか、</div> <div>地獄耳で彼と浮気相手のセクースを聞いてしまうとか。</div> <div>誰か作りません?</div> <div><br /> &gt;&gt;380</div> <div>セックスとサスペンスドラマが彼女の知性を磨いたのですよ<え</div> <div><br /> おにだい(9)以降は明日午後~夕方の予定です。これから夜勤さorz</div> <div><br /> 385 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 21:01:08 ID:TVrVtBoC</div> <div>&gt;&gt;384</div> <div>なんとまあ教育に悪い家庭だ。サスペンスドラマを絵本代わりにするなwww</div> <div><br /> 386 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 21:06:07 ID:qK0qqkTF</div> <div>ついでにSMもの教材があれば殺したい相手や愛しい人を縛るのも完璧</div> <div>すばらしい英才教育に</div> <div><br /> 387 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 21:07:27 ID:5seD+i49</div> <div>&gt;&gt;376</div> <div>Bがいいなぁ。王道の展開じゃないけど、女子トイレに</div> <div>連れ込んだ自分のミスに気づいた加奈さんが、どう出るか見てみたいや。</div> <div><br /> 388 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 21:20:57 ID:d5YMm8tq</div> <div>&gt;&gt;376</div> <div>Cで</div> <div><br /> 389 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 21:25:07 ID:hXxxieYq</div> <div>Bで。ミスに気付いた加奈はどう動くのか……</div> <div><br /> 390 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 21:25:29 ID:17Ckh98T</div> <div>上書き、恋人作り、おにいたん…</div> <div>みんな病んでていいなあ。でも、修羅場や三角関係には特化して欲しくないなぁ。</div> <div><br /> 391 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/02/19(月) 21:49:11 ID:d3vBx1jc</div> <div>やっぱりBですよね。</div> <div><br /> 392 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 22:30:46 ID:c4UIWQMS</div> <div>Cで。</div> <div>疑念が募っていきそうで、面白そう。真相がばれるのはもう少し後でいいかも。</div> <div>誠人君の調教後、島村から離れられなくなってから。</div> <div><br /> 393 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/02/19(月) 22:39:53 ID:M9MCTvw1</div> <div>&gt;&gt;376</div> <div>&gt;&gt;379で</div> <div><br /> 394 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 22:46:36 ID:GyN+ke6k</div> <div>ネタ。</div> <div>・二重人格もの。</div> <div>極普通のツンデレ人格と極上のヤンデレ人格を内に飼う〇〇。</div> <div><br /> ・痛女からツンデレ→ヤンデレへ移行</div> <div>ただの痛いヒトだったのが、主人公に惚れて適正化。</div> <div>のちに振られたり、死に別れたりしてヤンデレ化。</div> <div> </div> <div>395 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 22:53:02 ID:5sTW/gn0</div> <div>Aで</div> <div>謝り倒すとこから加奈の独自解釈で更に泥沼w</div> <div><br /> 396 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 23:03:39 ID:Qy0stjuS</div> <div>&gt;&gt;376</div> <div>王道にBで一つ。</div> <div><br /> &gt;&gt;355ではないですが、伊南屋氏のアイコンに色を乗せてみました。</div> <div>http://deaikei.biz/up/up/4657.jpg.html (pass「sarasa」)</div> <div>線画抽出の際、勝手ながら髪の長さを伸ばしてみました。申し訳ない…。</div> <div>(本文では髪は腰まであると書いてあったので…)</div> <div><br /> 397 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 23:12:31 ID:iSPPuQQu</div> <div>&gt;&gt;396</div> <div>びっくりさすなアホウwww</div> <div><br /> てっきりゲームに出てくる画像かと思ったじゃないか!</div> <div>ぐ、ぐっじょぶなんて言わないんだからな!</div> <div><br /> 398 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 23:51:52 ID:yvPtJ3hG</div> <div>少し離れていたらスレの流れがとんでもないことに</div> <div>あっという間に三スレ目も終わりそうですね……</div> <div><br /> いない君といる誰か、十六話目投下します</div> <div><br /> 399 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 23:52:56 ID:yvPtJ3hG</div> <div><br /> 天井が堕ちてくる。</div> <div> そんな妄想を二日目にして抱いてしまう。光のない、真っ暗な地下室の中では天井すらも見</div> <div>えない。いったいどの高さに天井があるのか、神無士乃が訪れない限り分からない。だからだ</div> <div>ろうか、ゆっくりと、時計の短針よりも遅い速度で、天井が下へと堕ちてくるような気がする。</div> <div>みしりみしりと音を立てて、押し潰すために、天井が堕ちてくる。</div> <div> 圧迫感が付きまとう。閉塞感から逃れられない。</div> <div> 想像の中では天井はすぐ真上まで堕ちてきていて、あと一センチもあれば逃避にぶつかると</div> <div>ころで止まっていた。髪の毛がちりちりとする。妄想でしかないと分かっているのに、首を丸</div> <div>めて、少しでも下に逃げようとする自分がいた。</div> <div> 体が痛い。</div> <div> ほとんど動かすことができないせいで、手も、足も、背も、ぎしぎしと痛んでいた。大きく</div> <div>伸びをしたい。せめて手錠で繋がっていなければ、ストレッチくらいはできるものの――座っ</div> <div>たこの姿勢のまま、満足に動けない。</div> <div> 体が軋む。</div> <div> 心も軋む。</div> <div> ぎしぎしと、音を立てて、錆びていく。</div> <div> 妄想は止まらない。堕ちてくる天井だけに終わらない。密封された地下室で、徐々に酸素が</div> <div>薄くなっていくような気がする。換気扇があるわけでもなく、扉は存在しない。風の音すら聞</div> <div>こえない今――本当に空気が循環しているのが自信がない。</div> <div> もし循環していなければ。</div> <div> 酸素を奪われ、二酸化炭素に押し潰される。息苦しい。呼吸がうまくできない。それが体を</div> <div>動かしていないせいなのか、本当に酸素が薄くなっているせいなのか、よく分からない。</div> <div> ――ああ。</div> <div> 理解してしまう。</div> <div> 狂った人間のせいでもなく、狂った自分のせいでもなく。</div> <div> 何もないという、ただそれだけで、さびついて行く。粘質を帯びた空気に纏わりつかれ、満</div> <div>足に生きることもできなくなる。</div> <div> 狂った人間なんていないのに。</div> <div> 敵なんて此処にはいないのに――狂ってしまいそうになる。</div> <div> 何もない。</div> <div> ここには何もない。</div> <div> 時折訪れる神無士乃以外には――何も、ないのだ。</div> <div> </div> <div>400 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/19(月) 23:54:07 ID:yvPtJ3hG</div> <div><br /> 「おはようございます先輩」</div> <div> ぜぇ、ぜぇと呼吸をする僕に、いきなり声がかかった。顔を上げてみれば、何も見えない。</div> <div>そのときになってようやく、僕は自分が瞼を閉じていたことに気付いた。</div> <div> 瞼を開けるのすら、億劫だった。</div> <div>「……で、ほんとに朝なのか今?」</div> <div> 憎まれ口を叩くも、声に力がないのが自覚できる。喉が痛い。声を出すのが辛かった。</div> <div> 開いた瞼の先、今までとは違う灯火があった。神無士乃が降りてきた後、上へと通じる扉は</div> <div>閉めたらしい。白色の光も、蛍光灯の光もない。</div> <div> ランタンを手に、暗闇の中、神無士乃は立っていた。</div> <div> 赤い柔らかな光が神無士乃を照らしている。</div> <div> いつもと、違う。</div> <div> それだけで、心の中に、ささくれだった不安が沸いた。</div> <div> 今の僕の生殺与奪は――神無士乃に握られているのだから。</div> <div>「倫敦では朝ですよ」</div> <div>「誰が海の向こうの話をしろと云った……」</div> <div> 突っ込みに力が入らない。</div> <div> 倫敦との時差は――ああ、思い出せない。頭がよく動かない。昼なのか夜なのか朝なのか、</div> <div>まったく理解できない。</div> <div>「朝じゃないから、朝ごはんはなしです。お腹すいたらなら、おやつに砂糖水がありますけど」</div> <div>「どんな貧乏人の子供だ」</div> <div>「とんだ貧乏人の子供ですね」</div> <div> うふ、と神無士乃は笑う。</div> <div> ……ジョークなのか今のは?</div> <div> まったく意味の通じないアメリカンジョークとどっこいどっこいのくだらなさだった。</div> <div>「まあ……すいてないさ」</div> <div> 言うほどにすいてなくんはなかった。神無士乃は地下室に都合六回食事を持ってきた。量は</div> <div>毎回少なめで、お世辞にも腹八分目にすらたどりつかない量だった。</div> <div> つまり。</div> <div> 一日三食、で考えると二日経っていることになるが――神無士乃は意図的に、一回あたりの</div> <div>量を減らし、回数を増やしていることになる。</div> <div> 何のために?</div> <div> 決まってる。時間感覚をずらすためだ。何日間ここにいるのか、把握できなくさせるためだ</div> <div>。食事の時間をずらし、不定期にすることによって、監禁されている時間を長く感じさせる。</div> <div>神無士乃がこなければ何もやることがないのだ、その間の時間はよけいに長く感じるから――</div> <div>通常よりも早く陥落させることができる。</div> <div> 監禁時の初歩的手段だ。</div> <div> そのくらいのことは知っている。</div> <div> 知っていても――抗えることではない。</div> <div> 神無士乃の策戦は、これ以上ないくらいに効果的だった。事実、僕はもう、正確な日付も、</div> <div>あれからどれくらい時間が経ったのかも知りえない。</div> <div> 神無士乃が訪れるのを心待ちにしている――そんな自分が、心の片隅にいるのも、確かだっ</div> <div>た。</div>

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