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367 :1 [sage] :2007/02/06(火) 22:30:49 ID:nNWoFujZ ムダに長い奴だけど、呼んでいただければ光栄です。 「ああ、またあってる」  そう佐藤育は微笑んだ。その目線は、同年代と思われる女性と話している彼女の弟へと向けられている。  朝、私の手料理を食べた弟は、いつものそっけない顔を少し微笑ませて出かけていった。  その姿が妙にしこり、家事を放棄して来て見ればコレだった。  弟と話している女性は、確か弟の会社の同僚だったはずだ。いつか書類関係を片付けるために家に来ていたのを覚えている。  人当たりのよさそうな娘で、なかなかよい子のようだった。頻繁に弟と会うと言うことを抜かせば。  育と弟の伸は、姉が大学に入る頃父親を無くし、その2年後、伸が高校を卒業すると同時に、母親も他界した。  姉は大学を中退し、弟も高校を卒業後、すぐに就職した。  二人は親の持ち家であったマンションに二人で生活し始めた。  姉は家事が可能であったし、弟は健達で二人は仲睦まじい姉弟として、近所の評判もまぁまぁだった。  姉は弟の事がそれなりに好きで、小さい頃から面倒を見ていた。勉強もよく見たことがあり、そのおかげで成績も上々で、それなりの大学に入る事も可能だった。就職ではなく進学した方 がいいと先生にいわれたらしいが、弟はすんなり断ったそうだ。 「僕には姉しかいませんから。姉が居れば他にほしい物もありませんし」  可愛いことを言う。そう思って育はほほを染めた。  伸は、姉の育はキライではなかった。いや、グラフにすれば好きの値域に入るだろう。  父親が死んで、母親が少々無理をし、高校卒業を目前として他界。父親が死んだとき、人は簡単に死ぬし、いつかは死ぬのだからとわかり、母親が死んだことにもそれほど驚きや悲しみは 無かった。  大学進学も視野に捕らえた人生設計をと教師にいわれていたが、彼にははじめから進学などと言う言葉は無かった。 「ほら、内は姉しかいないし、姉を圧迫するのもあれですから。それに、進学よりも、やりたいことありますしね」  そう、笑いながら答えた。 369 :2 [sage] :2007/02/06(火) 22:31:39 ID:nNWoFujZ ちょっとタイミング悪いみたいですけど、そのまま投下させて頂きます。  事件が起きたのはその一年後だった。  弟は自動車整備工場でエンジンをきっちり組む程度になり、稼ぎも安定してきた。 「姉さんはボクが養うから、姉さんは働かなくていいよ」  まるで夫婦宣言のようなその言葉に、育は喜んだ。だがあまり弟に甘えるのはよくないと、彼女はパートの時間をすくなする程度に抑えた。  育は開いた時間を弟の部屋で過ごすことが多くなった。部屋に溜まっている埃を掃除し、エンジンチューニング科学をいう専門書を本棚に片付けた後は、弟の汗の臭いが染み付いたベット にもぐりこみ、体を撫で回し、絶頂を迎えた。体が浮くなどと言う生易しい感覚ではなく、その場で存在が溶けだし、自身が無くなってしまうような強烈な感覚。  優しい弟、カッコイイ弟。私の育てた、可愛い弟。  出来ることなら、その弟の腕で力いっぱい抱きしめられたいと、育は思った。  その晩のことだ、育は弟に力いっぱい壁に押し付けられ、初めての唇を奪われ、処女を奪われた。はじめは姉弟なのにという倫理観が彼女を悩ませたが、伸の熱い思いをたくさん受け止め ると、そんなことはどうでもよくなった。 「好きだよ。姉さん」  そんな甘い言葉をささやかれ、仲に出される。汗の臭いを全身に塗りこまれるように抱かれると、これ以上の幸せは無いと、育は思った。  近頃、少々姉が変わってきたと伸は思った。どこへ行くにも付いてこようとする様になった。それらはべつにいい。それほどのことでもないし、付いてこられてもやましいことはない。だ が、女性の話題になるとかなり気性が荒くなる。たとえば、テレビに映る女優などをみると「そんな女見ることはないでしょ! お姉ちゃんが居るんだから!」とヒステリックに騒ぎ立てる 。  疲れているのかもしれない。稼ぎが上がってきたといっても、姉の助けが必要であることは変わりは無いのがつらい所ではあるが、体調の方が大切だということで、姉にパートの時間を少 なくするように言った。姉は素直に従った。  それとはべつに、ある女性と知り合った。同僚となった女性で、姉の大学時代の後輩ということだった。  姉から自分のことを話されていたらしく、名前と雰囲気ですぐにわかったそうだ。姉が変なうわさを流して無いことを祈るばかりではある。  姉に会いたいというし、伸はおとなしく彼女を家へと連れて行った。  料理していたらしく、姉はエプロン姿で出迎えた。いつもどおりの満面の笑顔で綺麗な黒髪をポニーテールにしている。 「育さん、おひさしぶりでーす」  自分の後ろから顔を出し、そう同僚が声をかけた。  姉はきれいな笑みを浮かべて答えた。 370 :3 [sage] :2007/02/06(火) 22:32:16 ID:nNWoFujZ 「ダレ?そのオンナ」  伸は状況が一変したことを感じた。半身がゾクリとうごめき、なんとも言えない独特の感覚が脳を直撃した。 「やだなぁ 大学時代にお世話になったモンっスよ」 「出てって」  彼女の言葉を聞く気も無いさめた口調と台詞。  その雰囲気に、彼女も異様なものを感じだ。 「出ってって」育は、低い声で言った。「出てけ・・・さっさと出てけ!」  ヒステリックな叫びだった。その叫びにおびえ、彼女は小さくな挨拶と謝罪をして、家を飛び出して言った。  それを聞きながら、伸は目線を姉から動かせなかった。そして、体が妙に熱くなる。だが、脳は限りなくクールだった。  同僚が出て行くのを確認すると、姉は普通の状態に戻った様で、「ご飯食べよう」と、いつもより少し甘い声で言った。  靴を脱ぎ、居間へ入るときも、ゾクリとしたものを感じていた。  いやな予感を感じ、いつもは履くスリッパを履かずに、伸は居間に入った。 373 :4 [sage] :2007/02/06(火) 22:33:23 ID:nNWoFujZ  夕御飯を並べたテーブルの横、姉が少し冷たいような、上気した顔で静かに立っていた。 包丁を持って。 「前からいってたよね。伸にはお姉ちゃんがいるって」  包丁はキッチンにあるものだった。 「お姉ちゃんには伸がいるから、伸もお姉ちゃんが居ればいいよね」  刃渡りは約20cm。調理用出刃包丁。純手で持っている。  姉が虚ろな表情で歩き出した。距離約1,5m。間合い内に入った。背中がさらにゾクリとうずく。 「お姉ちゃん、伸のこと大好きだから、なんでもしてあげるよ」  腰溜めから包丁を突きさしてくる。可能性大。 「脱げって言えば脱ぐし、セックスだってしてあげるよ」  切り上げの可能性は低い。後方確認。約2mほど空がある。一歩下がることが可能。 「お口でなめてあげるし、おしっこも飲んであげるよ。お尻でもさせてあげるし、いくらでも中出ししても大丈夫だよ」  すぐ動けるよう、足の指が力をため、足の裏の接地比を前へと動かす。 「お姉ちゃんは、伸の子供なら何人でも生んであげる。うん。生ませて欲しいな。伸のこと本当に愛してるから」  体が小さくなる感覚。違う。筋肉が緊張し、体に芯を通したような感覚を覚える。日常ではない非日常。体が異様に興奮する。 「でも、私が愛してるのに、伸が女の子を連れてくるのはがっかりだな。いけない子だよね」  次の動きはなんだ? どうした!速くやってくれ・・・! 「いけない子には、お仕置きしなきゃいけないよね?」  包丁を持った右腕が、高く上がった。上から振り下ろす。  伸の右足が地面を蹴り、左手が包丁を持った右腕を上手くつかむ。よし! そのまま姉を壁に押し付け、包丁を持った右腕を壁に叩きつける。包丁が落ち床に刺さった。  同時に、壁に押さえつけた腕に、さらに荷重が掛かる。見ると、姉が気を失っていた。  姉をそっと床に座らせる。まるで人形のような、力の無い姿だった。  まだ心臓が高い回転数で鳴っている。指先が震えている。だが、この充実感。新しいエンジンを組み、アイドリングを確認した以上の興奮。感動ではない、違う胸の高鳴り。  落ちた包丁で、姉が怪我をしていないのを確認し、姉を彼女のベットへと運んだ。  そういえば、姉の部屋に入るのはしばらくぶりだ。中学だか、高校だかの時に入って以来だと、扉を開け、ベットへ寝かせた。エプロンを解き、ロングスカートのボタンを少し外し、タオ ルケットを書け、部屋をあとにした。 375 :5 [sage] :2007/02/06(火) 22:33:55 ID:nNWoFujZ  育が目を覚ましたのは午前1時ごろだった。だが、意識はまだしっかりしていなかった。夢遊病患者のような、虚ろな目でベットから這い出し、歩きづらそうな歩調で、部屋をあとにした 。途中、踏んだスカートがずれ落ち、大人のランジェリーがあらわとなった。  そのまま弟の部屋に静かに入った。弟は綺麗な姿勢で寝ていた。  育は、彼に掛かっていた布団をどかし、寝巻きのズボンを、パンツと共に下ろした。大人の形となった弟のモノを見て、育は虚ろな顔で顔を赤らめ、自分のパンツを落とした。  そこはすでに想像できないほどの液で濡れていた。  弟のモノを舐め、大きくなったのを確認して、自分の中へ入れた。驚くほどすんなりと入り、育は体を振るわせた。育は処女ではなかった。彼女の処女は、以前の弟を思った自慰で、失っ ていた。  伸は異変に気づき飛び起きようとしたが、姉が恐ろしいほどの力で彼を押さえつけた。 「お姉ちゃんの処女、伸にあげてられてうれしいよぉ。伸が、私の処女貰ってくれたの・・うれしいよぉ」  虚ろな目で興奮した顔。その不可解な姿んまま彼女は腰を揺らし、自分の中に彼のモノを押し付けた。何かを喋ろうとした弟の唇を強引にふさぎ、舌や唾液を一生懸命舐めながら、腰を揺 らした。 「すごいよ・・・中にいっぱい出てる・・・」  甘く、色の付いた声で、姉が言った。姉の中はコレは絶対渡さないと言った様に、動いていた。  姉が疲れ果て、ベットに倒れこむと、伸は姉がどうにか成ったのではないかと心配し、その体を改めた。脈拍や呼吸は先ほどの性交で高ぶったのを差し引いても普通だった。  昨晩からの一連の事件はなんだったのかと、伸は考えた。姉が錯乱し、そして逆レイプとも呼べる状態で、姉の中に大量に出した。それは倫理的に少々胸を痛めることではあるが、それよ りも伸は大きなことに気づいていた。  錯乱した姉を押さえつけるときの興奮度。包丁を見たとき、体がこわばると同時に脳が鮮明に働くあの感触。  しばらくそんなことを考えていると、育が目を覚ました。  自分の身を改め、状況を確認した後、姉は弟に抱きつき、泣き始めた。 「うれしいよぉ。お姉ちゃんうれしぃよぉ」  泣きじゃくり、体をこれ以上ないほど密着させて来た姉を無意識に抱き、伸はあの高揚感に付いて考えていた。 377 :6 [sage] :2007/02/06(火) 22:35:42 ID:nNWoFujZ  後日、伸は、カフェで同僚のあの娘と一緒に紅茶を飲んでいた。 「自分の後方、露店の近くの角。こちらを見ている人が居る」 「育・・・さん・・?」  答えを聞いて、伸はにやりと笑った。 「おかしいよ。包丁で切りかかってきたり襲われたり・・・。育さん、絶対に医者につれてったほうがいいよ」 「お断りだ」  なんで。そう同僚が返した。 「背中に感じるこのゾクリとした感覚。危険を感じ、こわばる体、明確な判断をしようと高回転する自分の思考。その興奮がたまらなく好きになってきている」伸は、軽くこぶしを握った。 「それは、あの姉でしか味わえない。自分をそこまで興奮させてくれる女性は、姉しか居ない」  伸は心底うれしそうに笑った。
151 :名無しさん@ピンキー [sage] :2007/02/15(木) 22:28:31 ID:2GB3l3et >>146 そのうちヤンデレカフェとか出来たらどうしようかなんて思った。メニュー想像したくねぇw よもや出ないとは思うが、それはツンデレの時もそうだったしなぁ…… 153 :名無しさん@ピンキー [sage] :2007/02/15(木) 22:52:33 ID:UZweTjAT >>151 「はい、これサービスです」  席を立ち上がろうとした瞬間、給仕のお姉さんが席に寄ってきてそう言った。 白と紺のメイド服。喫茶店の制服というよりは、本当にメイドのそれに近い。過剰な装飾の ない分だけ、逆にお姉さん本人の可愛さがよく映えていた。 「はあ、どうも……」  浮かしかけた腰を下ろす。サービス。この店にきたのは十回目だが、そんなものは一度としてなかった。  ――まさか、そういって金を取る気じゃ。  絵画の販売などで、サービスといって金を取るところがある――そんな話を思い出した。コーヒー一杯、ケーキ 一つとはいえ、法外な値段が吹っかけられないとも限らない。  そんな思いが、顔に出ていたのだろうか。  給仕のお姉さんは、心配を吹き消すようににっこりと笑い、 「今日、十回目のご来店ですよね? いつも来てるの、なんとなく目で追っちゃうんです。  私からの、個人的なサービスです」 「…………」  そういわれて、悪い気がするはずもない。  メイド服のお姉さんは可愛くて、そんな風に微笑まれたら、それだけで陥落してしまいそうになる。 いや、ここは陥落していいのだろう。目で追っていた、ということは、気にされていたというわけだし。 「じゃあ、お言葉に甘えて」  浮かしかけた腰を沈めて、ケーキとコーヒーに手をつける。コーヒーはともかく、ケーキは一度も店で 見たことがない。多分、このサービスのためだけに創られたものなんだろう。 「あ、分かります? それ、私の手作りなんです」  お姉さんが嬉しそうに笑う。店員としてではない、個人的な笑みに見えた。 「うん、美味しいよ」  答えて、ケーキを半分ほど食べ、コーヒーへと手を伸ばす。  伸ばした手が、コーヒーカップをつかめなかった。 「……?」  おかしい。  視界がゆれている。コーヒーカップへと伸ばした手が、斜めに傾いでいく。意識がはっきりしない。 揺り籠の中にいるように、体がふらふらと安定しない。  意識と視界が揺れる中で、笑ったお姉さんが言う。 「サービスで、色々と入れておきました」  ――色々?  そのことについて疑問に思うよりも早く、意識が薄らいで。 「駄目ですよ、かってに帰っちゃ。もっとずっと、ここにいてくださいね。  いっぱいいっぱい、料理作ってあげますから――」  それが、最後に聞いたお姉さんの言葉だった。

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