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203 :恋人作り ◆5PfWpKIZI. [sage] :2007/06/06(水) 00:33:52 ID:bMSIxW9D ■■■■■■  祐人が首輪に繋がれて4日が過ぎた。時間は平穏極まりなく過ぎて行く。 「祐人」 「ああ真弓、愛してるよ」  姫野真弓がせがむような目をして見上げれば聖祐人は彼女の頭を撫でながら応じる。 それこそ機械的に、反射的に。だがあくまで手つきや声はやさしくまるで恋人のように。 真弓は満足そうに笑いながら甘えかかる。  真弓は、祐人がやっと素直になってくれたと思っている。  祐人は、助けが来るまで波風立てずに生きれば良いと思っている。  その2人を姫野亜弓は薄く笑いながら見ていた。 204 :恋人作り ◆5PfWpKIZI. [sage] :2007/06/06(水) 00:34:48 ID:bMSIxW9D 「仲が良いのね…」  そう呟くと亜弓は自室に下がろうと席を立った。  祐人はまだ気付いていない。彼はこの異常な状況が早くに終わると思っている。 彼がまだ芯から変わらないで居られるのはいつかこの状態が終わると思っている からだった。それまでは機械的に真弓に従う。終われば全て忘れて元に戻れば良い。 無駄に抵抗して痛い目に合うのは避けたい。  だが、彼はまだ気付いていない。真弓に好きだと告げるたびに上辺から少しずつ 変化していくことを。虚構だって何度も重ねれば少しは本物に見えてくることを。 祐人は理性の鈍い頭に自分自身で暗示をかけているようなものだった。真弓、愛してると。 時間をかけたり衝撃を与えれば上辺からの変化だって芯に届くことがある。もしそれに 気付いていれば名前を呼んで頭を撫でて好きだと告げて自分の中の何かを少しずつ 真弓に渡すことがどんなに危険かわかったろうに。  亜弓は少し憐れむような笑みを浮かべた。 「仲が良いのはいいことだと思うわ」  そのうち、何もかも普通になる。  今日も昨日と同じように寝て、明日も同じように起きるのだろう。  亜弓の読みではそろそろ真弓が焦れて次の手段に出る頃だ。  それと恐らく、外の世界も動くだろう。今日か明日か明後日か。 ■■■■■■ 205 :恋人作り ◆5PfWpKIZI. [sage] :2007/06/06(水) 00:37:15 ID:bMSIxW9D ■■■■■■  首輪に繋がれてから5日が過ぎた。真弓は今は学校だ。今日は亜弓まで外出していた。 おそらく彼女が外出するのはこの何日間かで初めてだろう。  祐人はぼんやりと考えた。彼は相変わらず真面目に食事をとっていたので テキパキと思考を組み立てることなど到底でくなかったのだが。  ああ、とふと思いつく。自分の今の姿勢が何かに似ていると記憶を転がしていたが あれだ。何かの映画で見た拷問具の椅子だ。あまりに簡単な連想なのに 思いつかなかった自分に苦笑する。  背もたれに首輪、両手首両足首をも拘束されてる姿勢なんてそうは無いだろう。 むしろそのものズバリと言うべき合致なのに。思考力が鈍っているどころの騒ぎではない。 まるっきり無いじゃないか。  5日目だ。もうすぐこの生活も終わるはずだ。朝起きて、日によっては椅子や ベッドに磔にされて真弓を送り出して亜弓と昼食をとって帰宅した真弓と会話して 時折頭を撫でて好きだと言う生活もあと少しで終わる。休日ですら登校という部分が 抜け落ちただけでほとんど変わらなかった。  早く時が過ぎて終わりが来るように祐人は祈った。 ■■■■■■ 206 :恋人作り ◆5PfWpKIZI. [sage] :2007/06/06(水) 00:38:30 ID:bMSIxW9D ■■■■■■ 「それでね、お姉ちゃん」 「真弓……学校の話はもういいから早く本題の相談を始めたら?」  祐人が家で椅子に繋がれている時、亜弓は真弓と向かいあって近所の喫茶店にいた。 「わざわざ私を外に呼び出したんだもの……学校の話がしたかったのでは無いでしょう?」 亜弓が微笑むと顔を赤らめてうつむいたまま真弓がポツリと言った。 「……祐人さ、なんで私に手を出さないんだろう。やっぱり私色気無いのかな?」 「真弓は体薄いから……腰も細いし。でも少女特有の色気みたいなものはあると  思うのだけど。手足が細い方が危うい感じがしてぐちゃぐちゃに犯したくなる  ものじゃない……?祐人くんがそういう好みかはわからないけれど……  でも胸もちゃんとあるし……」 「お姉ちゃん……よくそんなことためらいもせず言えるね」 「あらでもそうだと思うわ。肌も綺麗だし鎖骨の形綺麗だし……舐めたくなるもの」 「お願いですもうやめて下さい」  真弓は耳まで赤くなってうつむいて少し肩を震わせていた。 「真弓……可愛いわね」 「なんで久しぶりにたくさんしゃべると思ったらそんなことなのよ!」 「涙目になって……よくこれで祐人くんも耐えられるわね」 「褒めてどうするのよ」 「わからないわ。祐人くんだって手を出しかねてるだけかもしれないじゃない……」 「じゃあどうしたらいい?どうしたら先に進めるかな?」  顔を正面から見るのが恥ずかしいのか少し斜め下に視線を逸らしながら聞く。 「真弓から迫ってみたら?」 「女の子からなんて……出来ないよ」 「でもこのままだと真弓は我慢出来ないのでしょう……?  大切過ぎてかえって手が出せないのかもしれないわ」 「私から仕掛けるの……ありだと思う?」 「私は思うわ」  真弓は顔を赤くしたまま口の中で無理だよ、と呟いた。 ■■■■■■ ■■■■■■

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