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434 :もう何も信じない 第5話 [sage] :2008/09/24(水) 07:56:29 ID:g93LsK1U ―――歩。君はなんて思うかな? 僕を軽蔑する?怒る?それとも以前みたいに、僕を無視するのかな――― 僕は今自宅にいる。深夜2時。両親は寝静まっている。 僕はこれから罪を犯す。でも、これは僕らの未来のためなんだよ? ――――だって、父さんがこう言うんだ。 「もう歩に会うな」って。 母さんだって、 「歩くんだけはだめ」って言うんだ。 二人とも何言ってるの? 僕たちは愛し合ってるんだよ。 何で会っちゃいけないなんて言うのかなあ!? そんなの僕、耐えられないよ。母さんたちは僕が嫌いなんだね? …もういいよ。僕の、僕たちの未来を邪魔するやつなんて、いらない。 歩の伯母さま。見ていてくれてますか? 今度は僕の番です。 歩を傷つけるやつなんか………… 僕が殺しちゃうから。 そして僕は灯油とマッチを持って庭に向かう。どこに撒けばよく燃えるかな? ――――電話が鳴った。大丈夫。ちゃんとマナーモードにしておいたから。 「光!!今すぐ家を出るんだ!」 ああ、やっぱり君には"視えて"いたか。君自身、不思議に思ってるはずだよ? 今まで自分のことしか視れなかったのに、最近は僕の未来も視えるようになってること。 でも僕にはわかる。もう君は、僕なしじゃいられないんだね? 僕を失うことが君にとって一番の"危険"なんだよ。だから、僕のことが視えるんだ。 でも僕は、君に嘘をつく。 「こんな夜遅くにいったいどうしたんだい?」 「いいか、よく聞け!家が…放火される。視えたんだ。だから早く逃げるんだ! 消防車なら俺が呼んどくから!」 ごめんね、歩。僕は嘘をついた。僕は、知らないふりをする。 「そう…ありがとう、歩。また君に助けられたね。」 そう言いながら僕は、火を灯す。 「本当に、助かったよ。」 さようなら、父さん、母さん。 歩…騙してごめんね? でも、きっといつかわかってくれるよね? だって君には僕が必要で…… 僕には君がすべてなんだから。 435 :もう何も信じない 第5話 [sage] :2008/09/24(水) 07:57:27 ID:g93LsK1U ―――夢を見た。 それは、赤く染まった景色。炎か? どうやら、何かが燃え上がってるようだ。 よく目を凝らす。中には人がいた。 …光? まさか、あれは―――― 目を覚ます。時計を見る。 AM 01:58 夢か… しかし、なんて夢だ。光のやつ、夢の中で笑って…? パシッ―――――――― !? ……まさか!夢と同じ光景が視えるなんて…ってことは、光が危ない! まだ間に合うか? 俺は光の携帯に電話をかける。 1…2…3…4…5…6…7……出た。 「光!!今すぐ家を出るんだ!」 消防車を呼びながら俺は光の家に走る。 一度も行ったことはない。だけど、道はさっきの"予知"が教えてくれた。 こんなことは初めてだ。けど、予知は外れたことはない。きっと大丈夫だ。 それが、3日前のこと。 結果だけ言うと、光は無事だった。 が、光の両親は…亡くなった。 家は全壊。幸いと言ってはなんだが、近隣の住宅への飛び火はなかった、 ただそれだけだ。 光は今、俺の部屋にいる。 火事で住まいをなくした光を、俺が連れてきたんだ。 「もう、大丈夫だよ。」 とは言ってるが、顔色が悪い。 「いいよ、寝てろ。今メシ作ってやる。お粥なら食えそうか?」 「うん…ごめんね?」 「いいって、気にするな。困ったときはお互い様、だろ?」 俺はもう一度、あの夢を思い返す。 あの炎の中の、狂気に満ちた、しかし純粋な笑顔を。 ―――馬鹿な。それじゃ、まさか光が――― いや…よそう。光がそんなことするはずがない。 俺を暗闇から救い出してくれた光が、そんなことするわけないんだから。 「歩、愛してるよ。」 そう言った光の笑顔が、心なしか夢の中と同じように見えた、なんてことある訳ない んだ。 ああ、君は優しいね。なんだか申し訳ないよ。 もし今君に、僕が実の両親を殺したと知られたら・・・捨てられるのかな。 そうしたらどうすればいいんだろう。怖いよ。 お願いだよ、僕を・・・見捨てないでよ・・・ ―――イマサラ、ナニヲイッテルノ――― ・・・え? ―――オマエハムカシオナジコトヲシタジャナイ――― ・・・・誰? ―――タイセツナヒトノタメニ、アイツヲコロシタ――― 知らない!そんなの知らないよ!あなた誰! ―――ワスレタノ?ワタシハアナタ、アナタハ――― 違う!違う!そんなことあるわけない!イヤ・・・イヤ・・・ 「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

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