「もう何も信じない第9話」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

もう何も信じない第9話」(2008/09/29 (月) 16:40:53) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

549 :もう何も信じない 第9話 [sage] :2008/09/28(日) 20:30:45 ID:JyzWe4pG それは、青天の霹靂だった――――― ピンポ―――ン 「ふぁぁ…ん?誰だよ。」 「ぁゆむぅ?だれぇ?」 ――っかわいい………この舌足らずな感じが…じゃなくて… ピンポ―――――ン 「はいはい、今行きますよっと。」 俺はシャツを羽織り、ズボンを履き、玄関に行く。その…昨夜いたしてしまったわけで… まあ、なんだ。気にするな。 「誰に喋ってるんだい?」 「―っ な、なんでもない。」 がちゃり ばたん ドンドンドンドンドンドン 「あゆ君!開けなさい!」 「ったく…なんてタイミングで…おい光!急いで服着ろ!」 「誰なんだい?」 「俺の…伯母さんだ!」 「……って、ええ!?待ってよ!」 がちゃん 「うわあぁぁ!?」 どったん 「まったく…失礼しちゃうわね。人の顔見ていきなり締め出すなんて…あら…?」 くそぅ…なんて怪力だ。ん? ―――あ。 「……っ…た…立てないよぉ……(涙目)」 しまった。ヤりすぎた――――― 550 :もう何も信じない 第9話 [sage] :2008/09/28(日) 20:31:35 ID:JyzWe4pG 「あ―ゆ―く―ん―?彼女さんができたら教えなさいって言ったでしょう?」 「ひぃっ!?ご、ごめんなさぁい!」 「伯母さん!光は――――」 「 あ ゆ く ん ?その呼び方やめてって言ったでしょう?」 「…ハイ…スマセン……礼ねぇさん」 「相変わらず若いですねぇおば「ん?(般若オーラ)」…お、お姉さま!」 「そんな…もう30よ?」 「全然見えないですよ!?」 「で、何しに来たんだ?」 「あらいやだ、愛する義息子に会いに来て何がいけないの?」 「何が"愛する義息子"だ。よくもぬけぬけとそんなことが言えたな。」 「歩!そんな言い方は―――」 「いいのよ…あゆ君はいつもこんな感じだから。いえ、以前なら口なんか聞いてくれなかったわ。」 「歩!君はこんな美人さんにそんなひどいことを!?」 「光の方がかわいい。」 「えっ…もう…歩ったら////じゃなくて!!」 ったく――どうして俺がこんな目に… そもそも俺は礼ねぇさんには会いたくないんだ。そりゃ、伯父さんが死んでからも、礼ねぇさんは俺を養ってくれた。 でも3年間で俺がねえさんに放った単語は 「オハヨウゴザイマス」「イッテキマス」「イタダキマスゴチソウサマ」「タダイマ」「オヤスミナサイ」だけだ。 はっきり言って、信じられなかったんだ。必死に俺に取り入ろうと顔色ばかり伺う礼ねえさんを、 俺は好きになれなかった。 「ああでも、あゆ君って、私のお姉ちゃんの若い頃そっくりよ?」 「ほんとですか!?」 「ええ、女の子の服を着せれば、もっとそっくりになるんじゃないかしら?」 「僕の服ならありますよ!!?」 「なっ――――落ち着け二人とも!なんでそんな目が血走って――――」 「ハァハァ……歩きゅんの女装姿…………」 「ふふ…おねえちゃあん♪」 「ひぃっ――――!?」 551 :もう何も信じない 第9話 [sage] :2008/09/28(日) 20:32:28 ID:JyzWe4pG 「ちょっとこれは…シャレにならないわね……。」 「ええ………これはやばいですよ…じゅる」 最悪だ。もうお婿にイケナイ。 鏡の中の俺は………完璧女だった。認めたくないが、だれがどう見ても美少女だ。 男の娘ってレベルじゃない。ちなみにこのロン毛はカツラだ。つうか、だれお前。 俺? あ、そう。 ちくしょぉぉぉっ 「ほんとにおねえちゃんそっくり………ううん、もっときれい……っ…」 「礼ねぇさん?」 「…っく…なんでもないわ。ちょっと目にゴミが………」 光が肘でこづき、目配せしてくる。 ――――わぁったよ。ったく――― 覚悟を決め、俺は礼ねぇさんを抱きしめる。 「ほら…泣くな。」 「あ…っ。お姉ちゃん!おねぇちゃあぁぁん!わあぁぁぁぁっ!!!」 意外だった。こんな弱々しい礼ねぇさんは始めて見た。 きっとねえさんは、俺に母さんの面影を見ていたんだな。 でも、何でだろう。以前より少しだけ……… 「ねえさん、いや………礼。ほら、笑って。」 「ぁ……っ…ふぁぁぁぁん………おねえ…ちゃん……」 少しだけ、このひとを好きになれそうだ。 数時間後―――― さすがにあのままでは色々まずいので女装は解いた。そして……… 「…で、本当に何しに来たんだ?」 「だから言ったじゃない。愛する義息子の顔を見に来たって♪」 「嘘つけ。もっとましな理由を考えろ。」 「あゆ君…その、人を疑う癖、良くないわよ?」 「誰のせいでこうなったと思ってる!」 っ―――――地雷踏んだ。 「あのひとのせい、よね…。今でも、申し訳なく思ってるわ。」 「………悪い。つまらないことを思い出させた。」 「いいえ。あゆ君が気にする必要はないわ。わたしも、あのままだったらどうなってたか…。 それよりあゆ君。おとうさんのお墓参りは行かなくていいの?」 ―――? あのクソ親父、死んでたのか? 「女つくって逃げたやつがどうなろうと知るか。」 「…え? まさか…覚えてないの…?」 「何を。」 「あなたの父さん、浮気なんかしてないわ。その前に亡くなったじゃない。」 552 :もう何も信じない 第9話 [sage] :2008/09/28(日) 20:33:33 ID:JyzWe4pG ――――今度こそ意味が分からなかった。 「その前って…いつだよ。」 「あゆ君がまだ小さいころ、小学校に上がったばかりのときよ?」 馬鹿な。だって親父は、女がいるっていって…… まて。 確かに親父はそういったのか? なんだか、頭にもやがかかったみたいだ……。 「その話、詳しく聞かせてくれないか。」 「…あゆ君、覚えてないならその方がいいかもしれないわよ?」 「頼む。俺は…知らなきゃならない。そんな気がするんだ。」 信じられなかった。 親父は逃げたんじゃない。殺されたんだ。そして妹も。 俺はそれを目の前で見ていたらしい。 そして俺は今まで、いや、今でも忘れている。 「歩……リラックスしなよ。なんだか、思い詰めた顔してるよ?」 ぎゅっ、と俺に抱きつく光。 「大丈夫。大丈夫だ。」 いったいなぜだ? なぜ親父は殺された? それから、誰に? そして、なぜ今まで忘れてた? まさか、――――? 「まさ、か…な。」 「…あゆ君?」 「なんでもないよ。それより、腹減ったろ。今飯作ってやるから、食ってけよ。」 「あゆ君の手料理なんて………食べたいに決まってるじゃないっ♪」 今日のメニューは、礼ねぇさんの好物のぶり大根にした。 ったく………まさかご飯5杯もおかわりするなんて………どこに行くんだ、その栄養は。 「じゃ、またくるわねー。」 「突然来るのはやめろよな。」 今は夜8時。……まだ起きてるな。 プルルルル…ピッ 「どうした、佐橋?」 「右京か。頼みたいことがあるんだ。」 「なんだ?」 「それは――――」 553 :もう何も信じない 第9話 [sage] :2008/09/28(日) 20:34:24 ID:JyzWe4pG 「ねえ…歩。」 「どうした?」 「もし思い出したとしても…歩は変わらないよね……?」 「?」 「歩は歩のままだよね?僕を愛してくれるよね!?」 「光…なにそんなに震えてるんだ…。」 「だって僕…歩しかいないんだ……。もし…歩に見放されたら……ぁ…」 ちゅ…くちゅ……… 「……っぷは。安心しろ。お前には俺。俺には光がいる。それで充分だろ?」 「うん…でも………」 「心配するな………光。」 そう言って俺は、光を愛撫する。 「…ふぁ!あっ!あゆむぅ………」 なあ光…不安なのはお前だけじゃないんだ。 知らなくちゃいけない。なぜかそんな気がする。 でも、知って。その先に何があるのか、不安なんだよ。 何でだろうな…こうしてお前を抱いていても、真実を知るのが怖いんだ。 でも、今だけはお前とこうしていたい。お前といる幸せに、溺れていたい。 愛してる、光。 「そういえば、亡くなった妹さん。なんて名前なんだい?」 「…急にどうした?まあいいか。妹の名前は……  あきら。 佐橋 晶っていうんだ。」

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: