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740 :名無しさん@ピンキー [sage] :2008/10/06(月) 05:16:59 ID:IELmHma5 例えば、急に身動きが取れなくなることがあるとする。 それを金縛りと呼ぶのは別段不動尊を信心せぬ私にも許されたことではあろうが、 その明白な原因があったならば、見えない明王の索などに思いを巡らすこともあるまい。 そしてその原因はと言えば横目にちらと見えるナイトテーブルの上の薔薇の一輪挿しや部屋の奥の金細工が麗麗しい大鏡でも、 背なに感じるシーツの柔らかさや天蓋から垂れる真紅の琥珀織の帳でも、ましてや仄かに漂う近東風の香水でもなく、 寝台の縁に腰掛けて紅玉の瞳で私を見つめる方にほかならない。 「お目覚めはいかがかしらぁ?愛しいひと」 薄い唇からの、甘い声が耳朶をくすぐる。 「どうしたの?まさかこうなってる理由が分からないのぉ?」 姉様が寝台に上がる。夜衣の裾が乱れ、あえかなふくらはぎが目に入った。目が会う。顔が近付き、姉様の銀髪が頬をくすぐる。呼気の薔薇の香りに軽い恍惚を覚える。 「そんなに情けない顔をして、ひょっとして分からないのかしら?お馬鹿さんは相変わらずねぇ」 切れ長の目が細められる。普段は月の光のように青白い姉様の肌には少し朱が差していた。言葉はなお続く。 「しょうがないから教えてあげるわぁ。あなたは私がいない間48回も他の女と口を利いて、6回も私以外のことを考えて自分を慰めたでしょう? とっても悲しかったのよぉ」悔やんでいることを、引け目を感じる当人に責められるほど辛いことはない。 姉様の目にはうっすら涙さえ浮かんでいる。謝りたくても喋れすらしない状況が歯痒く、酷く自分を惨めに感じた。 「だから、今からその分のお仕置きと、二度とそんなことをしないようなちゃんとしたしつけをしてあげるわぁ。 これからは私と少し見つめあっただけで、身も心も切なくてたまらなくなって、可愛くおねだりしちゃうようにしてあげるぅ」 変な電波を受信して書いた。続くかもしれないがたぶん続かない

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