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889 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/01/10(土) 03:17:30 ID:SGFAjOh/
723にささぐ
 朝、憂鬱な気分から僕の朝は始まる。
あぁ~起きてしまった、ずっとずっと冬休みだったら良かったのにと、温かい毛布の中、僕は体を丸くしていた。
行きたくない行きたくない行きたくない、
頭を駆け巡るのは学校への拒絶の言葉。
僅かな希望を胸に、携帯のディスプレイを開いてみた。
『6時55分、現在大雨、大雪注意報はありません。』
神は我を見捨てたか!
僕はため息をつきながら携帯を収め、そこで妙案を思い付く。
インフルエンザって嘘吐いちゃえばいいんじゃないか?
そこで再び携帯を開き電話かけようとした、その時。
「チェーストー!」
毛布の上、丁度脇腹辺りに重たい一撃、この感触は!遅かったか!「おれ~!七条(ナナシ)起きれ~!」
ソプラノの声と共に揺さぶられる毛布と体、そしてずっしりと重いこの感じは。
「睦美(ムツミ)、どいてよ」
「七条が起きればどいてあげるよ?」
まるで悪戯をする子供の様に楽しげに言うこいつは本当に同じ17歳なのか?と本気で考えることがある。
「ってか、重い。太ったろ?睦美」
 
この一言により僕の固有決壊は完全に剥がされ、ニーソックスによる顔への攻撃を受けるはめにあう。
僕、七書七条(ナナフミ


890 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/01/10(土) 03:22:16 ID:SGFAjOh/
僕、七書七条(ナナフミ ナナシ)の朝はこの騒がしい隣人、杉野睦美(スギノ ムツミ)によって毛布をひっぺがされる所からはじまるのである。
 
僕らは子供の頃からこのマンションで一緒に過ごしてきた。
僕と睦美は幼稚園、小学校、中学、今までずっと一緒、言わば幼馴染み。
家族構成も同じ、三人家族。ただ家は父さんが海外出張、睦美の両親は共働きで朝から晩まで家を空けているのが殆どだった。だから何時も僕と睦美、母さんの三人で家の部屋で過ごしてきた。
その頃の睦美は人見知りが激しくて僕の後ろで袖をずっと握って隠れているくらいで、僕の後ろをずっとくっ付いていて。
その頃の僕は今よりも活発で、元気があって、明るくて、何より毎日が楽しかったはずだったんだ。



891 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/01/10(土) 03:27:43 ID:SGFAjOh/
 僕らが高校の受験を終えた日。何時も道理睦美と僕の部屋で母さんの料理を食べようと帰った時には母さんがいなくて。代わりに留守番電話のメッセージが点滅していた。メッセージは警察からで交通事故で病院に搬送されたと。
気づいた時には制服のまま走ってて、足は血だらけで。
「七条!七条!」
後ろから睦美が肩を掴むまで俺は気付かなかった。
睦美は自転車の篭に靴を入れ僕を追いかけて来てくれた。
「七条足!靴履いて!この自転車使って!」
これが僕の初めて見る睦美の大声だった。
 
「悪い睦美!借りるわ!」
それから自転車に飛び乗っ病院に向かっていった。
でもその時にはもう遅くて、病院で血だらけの母さんが待ってたんだ。
葬儀の時の事は全く覚えてない、ずっとずっと母さんの遺影を見ていて、気付いたら睦美が泣きながら抱き締めてて。
「絶対絶対私が守るから!お母さんの代わりに私がずっとずっと一緒にいるから!」
気付いたら二人して、大の大人が二人してワンワン泣いてたんだわ。ぎゅっとお互い痛いくらい抱き締め合って、誰もいない葬儀所で二人でワンワン泣いてた。