351 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/12(火) 01:45:33 ID:SUmfrC5f
>>345
いいなそれw
それなりに仲のいい兄弟がヤンデレ夫婦とヤンデレ彼女に振り回されるドタバタヤンデレコメディwww

352 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/12(火) 04:57:56 ID:VDSJtzvB
久しぶりに来て空気の読めない発言をするのだが、
お茶会の人はもう長く来てないのか?
まとめサイトでも最近名前が上がってないような気がするのだが…。

353 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/12(火) 05:59:42 ID:uaf7q/BS
>>352
しばらく来てない。
ただ、リアルで忙しいみたいだ。
ここでの連載以外にも色々と創作活動があるようで
まあ、マターリ待つのがよろし
俺も更紗に会える日を楽しみにしてる

354 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/12(火) 11:30:58 ID:VDSJtzvB
>>353
そうか。それを聞いて安心した。
俺も気長に待とう。

355 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/12(火) 16:11:35 ID:U2dKdLKM
ヤンデレも ヒロイン次第で サイコホラー
字余り

356 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/13(水) 13:50:23 ID:04iyQtYX
保守

357 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/13(水) 21:38:32 ID:bgTt/XfC
>>337
もはやここまで来るとヤンデレ云々というよりサイコホラーだな・・・

なにはともあれGJ

358 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 00:50:31 ID:cniGQlpt
質問。此処ってゲームパロとかファンタジー、SFなど
オリジナル現代モノ以外の二次創作系のヤンデレとかってOKなんでしょうか?


359 名前:すりこみ [sage] 投稿日:2007/06/14(木) 01:04:12 ID:1SfiEejc
>>357
私もそー思うっす。
とゆーか、ヤンデレって実はバランスとプロセスが重要なのかと
思ったり。
と、その教訓を生かせるのか悩み中。
確かにヤンデレはカレー味だな。


360 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 01:04:13 ID:F32KLZ4B
大丈夫だとは思う……けど、期待したとおりの反応がもらえるかは微妙だよ。
元ネタ知らなきゃ楽しめないわけだし。
元ネタ知らなくても大丈夫って触れ込みの作品も多いけど、二次創作は残念ながら読み飛ばされる傾向にある。他のオリジナル系スレでは。
元ネタのスレ尋ねて、作品内容軽く紹介して投下してもいいといってもらえたらそっちに投下した方が良いと思う。

361 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 01:04:36 ID:kCLzGowt
その作品のスレでやれ

362 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 01:27:47 ID:tLl0PRBQ
やっちゃ駄目ってことはないだろうが、その作品のスレのほうが選択としては無難。

363 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 01:40:12 ID:MM+Q0LPi
でも、あんまり元のキャラとイメージが違ったり酷い扱いにすると、それはそれで叩かれるからなぁ
ヤンデレなんて元からヤンデレキャラでもなければ厳しくね?

364 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2007/06/14(木) 02:30:46 ID:lEGCV46G
age

365 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 09:14:49 ID:1SfiEejc
投下します

366 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 09:16:39 ID:1SfiEejc
「やっぱり、こういうのが好きなの?」
にっこり微笑む彼女の目はどうして…こう…笑っていないんだろう。
「いやいや、別に好きってわけじゃぁ…」
「もう、なんでそこで隠すの?どうして好きって言わないの?それとも嫌いなものを買っているって言うの?」
「…いや、そういう訳じゃないけど…」
彼女の手にあるのは『涼宮ハルヒの憂鬱、5。孤島症候群・前編・後編』のDVDだった。
ジャケットイラストは雨に濡れて胸元で腕を組んでいるハルヒの絵。
わっちゃぁ……しまったなぁ…昨日の夜、見たままテレビのとこに置いたままだった。
いつもなら彼女の目が届かない保管場所に持っていくのに…しくじった。
俺が彼女からそういう類のものを隠すのには理由がある。
といっても、そんなに複雑な理由じゃない。

事の発端というか、まぁ、僕がそうなってしまった理由というのは単純な話。
彼女に『涼宮ハルヒの憂鬱、1~3』のDVDを見せたのが発端になる。
なんでそんなことをしたのかは今となっては思い出せないのだが、単純に面白いと思ったことと、
自分の趣味の一端を彼女に知って欲しかった…そんな程度の動機だったと思う。
彼女は笑うでもなく、退屈そうにするでもなくじっとテレビ画面を凝視していた。
時間にして約2時間が経過し、何事もなく鑑賞終了。
期待…僕は一体どんな回答を彼女がすることを期待していたのだろう。
「このハルヒって子…なんかむかつく。」
…えっと、第一声がそれですか。しかし、会話を繋ぐべく必死でその打球を拾い上げる。
「あの…どのあたりがむかついた?」
「ん~…全部かな?」
全部かよ!でも、ここで「あ、そうなんだ。」と言おうものなら会話終了。さらになんとか打ち返してみる。
「えっと…例えば?」
「自分勝手で我が侭で、世界の中心は自分だって思っていそうなところ。」
…それはお前のことじゃないのか?…そう思った俺は思わず口がすべり
「…同属嫌悪?」
などと暴言を吐いてしまう。しまったぁぁぁ!今のなし。カットォォ!
しかしというか、当然と言うか時間は戻らなかった…のだが、案外というか、意外なことに彼女はなにやら考え込み
「…ん~…そうかもね…でも、私はここまでエキセントリックじゃないけどね。」
怒るかと思いきや、それほど怒っていない様子に安堵したのも、つかの間。
「で?この話のどこが面白いの?要するに変な女の子が神様で、
宇宙人とか未来人とか超能力者が実は傍に居て、
それが全員可愛い女の子でナイフを持った可愛い女の子とかと戦ったりする話でしょ?
これってあれ?ツンデレって奴?」
…そういっちゃうと、見も蓋もないんだが。
「で、あなたはどれが好きなの?胸の大きいの?あの無口な子?それともナイフ?」
…いや、強いて言えばナイフと無口とハルヒだが、やっぱりそっちに話がいきますか。
「やっぱり、こういうのが好きなのね?」
「こういうのって?」
「女子高生とかロリっぽいのとか」
「いや、誤解がある!そうじゃないって!」
「じゃぁ、巨乳が好きなの?」
「…えっと、なんと言っていいんでしょうか…」
「別にいいよ?こういうのが好きでも。」
そういって彼女は手元のPSPを取り出すと電源を入れ、MHP2を始めたのであった。

367 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 09:18:03 ID:1SfiEejc
まぁ、要するにそういうことがあってから大っぴらに彼女の前でオタク系のDVDや漫画、小説、エロゲなんかは
控えるようにしているというわけだ。いや、別に見られてまずいというわけじゃない。
そもそも、そういう物品を所持しているということは彼女だって知っている。
ただ、それを俺が鑑賞している時の彼女の冷ややかな視線とか電波がそうさせるのだ。
例えばある時…『Fate』をプレイ中に突如背後に現れ
「ふ~ん…やっぱりこういうのが好きなの?」
…画面にはセイバーとイリアの姿が…って、いや、敢えて言えばアーチャーなんだが…
また、ある時は『マブラブ・あんりみてっど』をプレイ中…
「やっぱり…胸の大きいのが好きなの?」
と、気がつけば背後から画面 ― 御剣冥夜の立ち姿 ― を覗き込んでいる彼女の姿が…
別にオナニーをしていたわけじゃないのだが、
あの冷ややかな視線&セリフの後に継続できるほど俺は漢(おとこ)ではなかった。
そりゃ開き直って
「そうだよ?俺はこういうのが好きなんですよ…」
と、高倉の健さんみたく渋く言い放ってみたい!
…だが、そんなことはできない。
え?…なんでかって?
そんなのは決まってるじゃないか。
怖いからだ。

彼女だってゲームはするのだが、好きなゲームはバイオハザードにサイレントヒル。
彼女の家に遊びに行って、どんなゲームをしているのかな?と思って覗いてみると、
『それ系』しかなかった。その理由を聞くと
「ロケットランチャーとか、マシンガンでゾンビとか殺すと楽しいじゃない?」
との完結明瞭な回答。
…まぁ、ゲームの話しだしね…と思うことにし、そのことは気にしないようにしていた。
俺が勧めたゲームで受容してくれたのはMH2くらいで、今ではMHP2を一緒にプレイするほどになっていた。
…わかりやすい傾向だなぁ…というか、要するにオタクっぽいのは駄目らしかった。
いや、別にこのエピソードは彼女を怖いと思う理由とはあんまり関係ない。
要するに、趣味関係で彼女と出会ったわけじゃないんだよ?と、いうことを強調したいだけなのだ。
じゃぁ、どんな関係なんだ?と問われれば友達関係と答えるしかない。
友達の友達は皆友達だ♪…その言葉どおりにお互いを知っている程度の関係。
それが当初の俺と彼女の関係だったはずだ。
なのに、俺は何故か彼女と付き合うことになったのだ。

368 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 09:19:31 ID:1SfiEejc
そのエピソードを人に話せば
「それなんてエロゲ?」
と茶化されるのだが、事実なんだからしょうがない。
ここで俺のスペックを簡単に箇条書きすると。
身長:183センチ 体重105キロ 体型はプロレスラー体型。
学生時代は日本拳法部に所属し段位は3段。
職業は普通のリーマン。
趣味はドライブと中途半端なオタク
外見的特長はアメリカ系チャイニーズマフィアのボディーガードっぽい…らしい(彼女談)
で、肝心の彼女のスペックは
身長:152センチ 体重:不明だが確か40キロ程度。 体型はスレンダー系。
スリーサイズはシラネ。が、貧乳属性や巨乳属性ではない…のだが、傾向としては前者。
学生時代に剣道部に所属し段位は3段。
職業は看護婦。
趣味は…俺?とか言っているが…おそらく手芸関係。意外と言うかなんというか、よくマフラーやセーターを作ってくれる。
外見イメージを敢えて言えば
『鬼になった柏木千鶴(Leaf)が髪を肩の辺りまでの長さに切った感じ。』
…判りにくいことこの上ないのだが、要するにそんな感じだ。
そんな二人なのだが、付き合い始めたきっかけを率直に言えば意見が分かれる。
…ここから俺のことを仮に『P』、彼女のことを『千鶴』としよう。
彼女…千鶴が言うには
「きっかけ?ん…Pから『好きですオーラ』が出てたからかな?」
…好きですオーラってなんだよ…と突っ込むと『好きですビーム?』
いや、どっちでも一緒だ。
で、俺が主張する彼女と付き合い始めたきっかけ…といえば…
そこに至るまでの二人の関係といえば先述の通り、俺は彼女を知っている。彼女も俺を知っている…そんな程度の関係だったのだ。
まぁ、なんと言うか俺自身、彼女のことをどう思っていたか?と聞かれれば『高嶺の花』という表現がしっくりくる。それぐらいに
「あ、無理だな。これは」
と戦う前から付き合うなんて目標どころか「どうすれば友達になれるんだ?」と言うレベルで悩んでいたわけだ。
だから俺自身から怪しげな『好きですオーラ』或いは『好きですビーム』が出ていたと言われれば、それを否定することはできなかった。
いや、色々な意味で。
…だからこそ、もし本当に怪しげなオーラやビームがきっかけだとすれば俺は無自覚の内に超能力にでも目覚めたんじゃないだろうな?と錯覚しそうになる。
もっとも、それが超能力だとすれば随分と効果範囲の限定されている超能力だな、おい…と言いたいのだが。
で、平たく結論を言おう。
「きっかけですか?…彼女に押し倒されて…そのまま…食べられちゃったんです。(プライバシー保護のため、音声は変えております)」
…なんか突き刺さるような視線が痛いのだが、彼女の視線に比べればまるでハワイの日差しなので気にもならない。
まぁ、実際のところ俺自身『なんで、俺?』って部分が全くわかっていない。
自分で言うのもなんなんだが、決して美形とかイケメンなんかではない。
さらにはっきりいえば人生26年生きてきて初めての彼女が彼女なのだ。
さすがに童貞ってわけではなかったが、それでも女性に押し倒されるのは人生で二度目だ。
一度目は中学生のときに家庭教師のお姉さん(大学生)に部屋に連れ込まれ、上に跨られ…
って、この話は本編には関係ないので割愛するのだが…その時の様子をダイジェスト版で説明するとこんな感じになる。

369 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 09:23:53 ID:1SfiEejc
その当時の俺は彼女に憧れていた有象無象の一人だった。
付き合う?そんな贅沢というか夢を見るほど子供でもなく「当たって砕けろ!」と、告白できるほど勇気もなかった。
まぁ、そんな俺と彼女が携帯電話の番号を交換する機会を得たのはまさに偶然だった。
ご近所に住む『コードギアス・反逆のルルーシュ』に登場する『コーネリア』にそっくりなお姉さん(以下、こーねりあさん)
とは近所ということもあり、ほどほどには親しかった。まぁ、近所だしね。
そのときの俺は迷惑メールにうんざりしており、偶々メールのアクセス制限をしていたのだ。
にもかかわらず、俺はそのことをすっかり忘れてこーねりあさんにメルアドを教えていたのだった。
ぶっちゃければこーねりあさんも高嶺の華だったのだが語学関係の話題で盛り上がり、それがきっかけで…と言うわけなのだ。
「ねぇ、こーねりあさんがPさんにメール送っているんだけど届かないみたいって言ってるんだけど?」
そんな風に話しかけてきたのは千鶴さんだった。すぐさまメールの設定を確認すると思いっきりアクセス制限。
うわぁっちゃぁ~…やってもぉた…と焦りながら制限を解除する。
「ねぇ、ついでに私にもPさんのアドレス教えてよ。私のアドレスも教えるしさ。」
そんな突拍子もない提案が突如真後ろから聞こえる。え?なんで?と思いながらも快諾し、彼女のメルアドをゲット。
「これで、もし、こーねりあさんに連絡がつかなくても私経由で連絡できるでしょ?」
とは彼女の言だが、よく考えなくても制限を解除した今となってはその必要ないんじゃぁ…などと思いはしたものの、
『断る理由?はて南蛮渡来の飛び道具でござるか?』
と素直に友達への道を一歩前進したことを喜んでいたわけだ。
で、まぁそこからは別段『今、どこで何してるの?』とか『どうしてメールくれないの?どうして?どうして?どうして?』
と、ヤンデレ的な展開があるわけでもなく、まぁ、適当に日常的などうでもいい内容でメールのやり取りをしていた。
内容は『こんど飯でも食べにいかね?』とかそういう類のものだったと思う。もちろんこーねりあさんを交えて…のつもりだった。
が、ある日のメールのやり取りのどこにそういう要素があったのかは皆目見当がつかない。だが、結果的にとんでもないことになった。
会社も終わって家に帰る途中、何気なく、彼女宛にメールを打ったのだが、その内容は
『今日は寒いね~♪こんな寒い日は鍋なんかいいよなぁ。最近は一人鍋とかあるしジャスコで買い物して鍋でも食べて温まるに限るね。』
こんな程度の他愛もないメールだったと思う。
『鍋いいねぇ♪そーいや、私も最近鍋なんて食べてないかも…こんな話をしていたらおなかすいたかも…』
と、結構迅速に返信メールが届く。別段深く考えず
『じゃぁ、一緒に鍋食う?』
と短いメールを送信。はっきりと断言できるが期待なんてしていなかった。むしろ
『あはは、また今度。みんなで一緒に鍋でも食べようね♪』
これが俺の予想した最上級の返信だったはずだった。しかし、実際の返信メールは俺の予想の斜め上を行っていた。

370 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 09:24:38 ID:1SfiEejc
『食う、食う(゜ワ゜)ノはらぺこり~にょだから鍋食べるよ~♪』
……え~!…っていや、まて。これは策略だよ。『げぇっ、関羽!』と驚いては負けだ…
ごしごしと目を擦り、もう一度画面をみるとそこには間違いなく、
『食う、食う(゜ワ゜)ノはらぺこり~にょだから鍋食べるよ~♪』
の文字が見える。冷静に考えれば『はらぺこり~にょってなんだ?』
と突っ込みを入れたいところだが、まぁその当時の俺にはそんな余裕はなかったわけだ。
…どうする?どーするよ!とりあえず、鍋は鍋でも居酒屋か『さと(和食レストラン)』あたりで鍋でも突くか?
家に呼ぶ?ちょっとまて、そんな選択肢は常識的に考えてないだろう…
と、ここまでの思考に費やした所要時間はおおよそ5秒。神速の速さで返信だ!
『えっと、どこか居酒屋か「さと」あたりでいい?それとも別の店でも行く?』
…我ながら微妙な返信だが、まぁこのあたりが無難な線だろうと思っていた。
ぴろ~ん♪ 
をっ、もう返信か。
『外で食べるのは嫌だなぁ~。君の家で食べよ?』
えっと…この人は男の家に一人で乗り込んで鍋を食うと仰っているのですか?
ってマジで?いや、冷静に考えるんだ。be cool…be cool…
ふむ、読めたわ…もし万が一俺が千鶴さんに手を出すとする。
…するってぇと間違いなくこーねりあさんに通報される
…俺死亡(byこーねりあさん)の図式が読めておられるから安心しておられるのだな?
ふむふむ、しかし、これは友達になる千載一遇のチャンス!逃す手はない!と、喜び勇んで返信する俺。
『おっけぇ、じゃぁどうしよ?俺の家知ってたっけ?』
『んっと、メールめんどくさいから後は電話で話しよ?』
って電話番号ですか!早速メールに添付されていた電話番号を『ぴぽぱ』と押せば聞きなれた千鶴さんの声。
まぁ、ちょいと端折ると千鶴さんの家の近所に迎えに行き、
一緒にジャスコでお買い物♪
その時点で鍋の具材&鍋&コンロ&器を購入…
いや、一人身の家に大きい土鍋はないんだってば。

371 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 09:26:09 ID:1SfiEejc
買い物を済ませ一路自宅へ。走らせる車はマツダのデミオ君。道中の会話は
「今日は寒いね」「そだねぇ」「鍋なんて久しぶりだから楽しみ」「そだねぇ」
緊張しすぎだ…俺。それもそのはず、助手席の千鶴さんはやっぱりというか可愛い。その上、二人だけの空間。
まるで外から見たら所謂(いわゆる)「かっぽぉ」って奴ですか?
な状態なわけだ。緊張しないほうがどうかしていると言うものだ。
ほどなく自宅に到着し千鶴さんをエスコートし、自宅に招きいれる。
ああ、日頃からこういうこともあろうかと部屋を掃除していてよかったなぁ…と思う瞬間だった。

こつ…こつ…こつ…
時計の針の音だけが静かに部屋の中に響いている。時刻は既に12時を5分程回っている。
楽しい鍋タイムは3時間前に終了し、コーヒー片手に雑談タイムに突入して既に2時間が経過していた。
俺と千鶴さんはその居場所をテーブルからシットアップベンチ(俺)と、椅子(千鶴さん)に移し、向かい合って座っていた。
正直にそのときの俺の心境を表現するなら。
「えっと…いつになったら『そろそろ帰るね。送ってくれるかな?』と言い出してくれるんだろう?…いや、ここは
『もう、遅い時間だから、そろそろ送るよ』
とでも言えばいいのだろうか?いや、千鶴さんと過ごす時間が嫌とか言うわけじゃない。むしろ、嬉しいし楽しい…のだが、
なんで俺は理由もわからずに緊張しているんだろうか…」
こんな感じだった。イメージで言えば蛇に睨まれた蛙。要するに『唐突過ぎて何がなんだかさっぱりわからん。』という状況なのだ。
なんで?Why?と言った単語が頭の中で踊りだす。思わず、『もしかして千鶴さんも俺のことが?…』とあり得ないことを想像してしまいそうになる。
落ち着け…落ち着け…それは妄想だ。俺が千鶴さんをいいなと思うのは当然だとして、千鶴さんが俺に興味を抱く要素がどこにあった?ないだろ?ないはずだ。
ということで、その可能性は却下。あり得ない。
そんな出口のない問題が頭の中で無限回廊を形成し始めたとき、突然目の前の彼女は立ち上がり


「あなた…私のことが好きなんでしょ?」


千鶴さんは深く静かだが力ある落ち着いた声で俺を見下ろしていた。

372 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 09:28:58 ID:1SfiEejc
えっと…え?…あ、まぁ、そうなんですけど…え?なんでそんなこと聞くんですか?
…パニックと言うのはこういう状況を指すんだろうなぁと思うのだが、
そのときの俺にできた行動は彼女から目を逸らし「え…」と呟くことだけだった。


「私にはわかるのよ。あなた私のことが好きなんでしょ?」


曇りのない目でじっと見つめられる。


「目を逸らさないで…」


駄目だ…目を逸らしてはいけない。嘘を言ってもいけない。
嘘…なぜ嘘をつく必要がある?彼女のことが嫌いなのか?そんなわけはない。
だが心の準備ができていないだけだ。
誰だってそう思うだろ?この場で『うん。君のことが好きだったんだ』と言ってその後どうなる?
『私もあなたのことが…』そんな展開があると思うのか?
『じゃぁ、なぜ彼女はそんなことを俺に聞くんだ?』
『もう、二度と誘わないで。迷惑だから』か?
いや、今はそういう話じゃないはずだ。先ほどまでの和やかな時間はなんだったんだ…
ああ、もう、訳がわからない!
人間パニックになったり、追い詰められたりすると、開き直るか、或いは更に閉じこもるしかないのだが、
私のこの時にとった行動は後者だった。
少しでも彼女から好意を感じていれば多少の自惚れをもって希望的な観測に身を委ねられたのかもしれないが、
残念ながら、そういう予兆も前兆もなかったのだ。


「あなた…私のことが好きなんでしょ?」


もう一度、同じ口調で彼女が尋ねる。
なんというか、こういうシーンには見覚えがある。
イメージするのは、

『耕一さん…あなたを、殺します』

と告げる柏木さんちの千鶴さんの姿。
夜とはいえ、電気はちゃんと点灯しているはずなのに、どうしてこんなに部屋の中が暗いんだろう…
いや、別に殺すもなにも言っていないのにそういう風に感じるってどうよ?
いや、違う。これは最後通牒?振り絞るんだ…勇気を…
逃げちゃ駄目だ…逃げちゃ駄目だ…逃げちゃ駄目だ…逃げちゃ駄目だっ!

「…うん」

…これの何処に振り絞られた勇気っていうのが存在しているのか夜通し聞かせてもらいたいもんだ。
しかし奇跡が起きたのか、想像していた千鶴さんによるファイナルヘブンの発動はなんとか避けることができたようだった。

373 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 09:31:41 ID:1SfiEejc
千鶴さんはその言葉を聞くと私に歩み寄り、ネクタイをぐいっと引っ張り、
「そっか…じゃぁ…私としたいの?」
にやっと邪悪な(そう見えたんだから仕方がない)笑みを浮かべると、再び私の瞳の奥を覗き込んでいた。
…死体?…いや、したい?何を?えっと、
ここってば回答を間違うと一気に死亡フラグ発生のヘブンズフィール?いや、まて。彼女はなんていった?
『私としたいの?』…これは間号ことなく、『あれ?』いや『それか?』…いや…もしかして…

A キス B 肌に触れる。 C えっち D ゲーム

さてどれを選ぶ?間違えれば包丁で『超究武神覇斬』が飛んでくるかもしれない…そんな恐怖に負けた俺は勝手に答えていた。
「えっと…なにを?」
…やってしまった…タイムオーバーにこそならなかったもののこれ最悪の回答じゃないか!
思わずドラえもんがいれば過去の俺を抹殺して欲しいと真剣に思ったものだ。
「なにって…えっち、セックス、メイクラブ、性交…要するにそういうことがしたいの?…って聞いたんだけど?」
…ど真ん中直球ストライクですか!
…いや、千鶴さんはそういう意味での恥じらいと言う部分ではちょっと感覚がほかの人とずれているなぁと感じることは多々あったけど、
ここまで直球に言われたのは初めてだった。
したいか?したくないか?決まっている!
したいに決まってるじゃないですか。しかし、これが何かの罠だとしたら?
『Pさんは私の身体が目当てなんですか?』
いえいえ、そんなわけはないです。
千鶴さんのキャラクターというか性格と外面全部がいいなぁ…と想い憧れていたのです
…なんてこっぱずかしいことを言えるわけもなく、かといって「したくないです」なんて言えるわけがない。
「…うん…」
「うんって…どういうことなの?したいの?したくないの?」
「…それは…したい…です。」
「じゃぁ、しよっか?」
えっと…どういう話の展開があればそういう結論に達するんですか?
…え?あ…戸惑う俺を無視し、押し倒し、ネクタイを剥ぎ取り、手首を縛り、ワイシャツのボタンを外し……

…気がつけば朝の5時。
いや、悪いのだがエロシーンは皆の心の中で想像してくれ。
そしてその想像はきっとそう間違っていないはずだ。

…夢か?と一瞬思ったのだが、俺の隣で可愛い寝息を立てて眠っている千鶴さんの姿に
「夢じゃなかったんだ…」
これまた陳腐な台詞を吐き、さらに陳腐なことだが自分の頬をつねる。
…痛い…やっぱり夢じゃねぇ!えっと…えっと…どうする?もうすぐ俺は会社に行かなきゃならない。
えっと…えっと…えっとぉ!と俺が相変わらず混乱していると、
「あ…おはよ♪」
可愛くシーツから顔を出している彼女の姿。
「おはよ」と挨拶を返す俺。うっわぁ、顔はおそらく真っ赤だ。
「会社…行くの?」
「ああ」と、ぎこちない返事をし、「君はどうするの?」と、尋ねる。
「今日は仕事お休みだから…このまま寝てていい?」
くわぁっ!可愛い…とゆーか、いいのか?俺。こんな幸せで…まさかこれって死亡フラグじゃないだろうな?
…いや、まぁ、まて。まずは彼女に返事をせねば!
「うん、どうする?鍵…渡そうか?」
「え?…鍵…もらっていいの?」
…え?それってもしかして「一緒に住まないか?って意味でのいいの?」
いや、俺的にはおっけぇ過ぎる位におっけぇなんだが、なんか話が早くない?と、思うものの。
「…うん」
と短く返事をする俺。嬉しそうに微笑む千鶴さん。千鶴さんは身体にシーツを巻きつけベッドから降りると、
「行ってらっしゃい…お仕事頑張ってね?」
そういうと唇に『ちゅっ♪』と可愛いキスをしてくれたのだった。
…えっと、このまま押し倒したい!そう思った俺を誰が責められようか…
「じゃぁ、行ってきます」
軽く手を振り、千鶴さんに見送られながら家を後にする。
世界が変わって見えるとはこういうことか!…そんな人生最良の朝を俺は迎えたのだった。


374 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 09:32:41 ID:1SfiEejc
以上、回想終了…その後は冒頭に書いてあるように、彼女は仕事の時間以外は
家に遊びに来たり、
ご飯を作ったり、
掃除をしたり、
一緒に寝たり、
えっちしたり
…半同棲のような関係になったわけなんだが…
『本当に俺でいいのか?』
そう聞くたびに
『嫌だったらとっくに傍にいないし、こういうこともしないと思わない?』
千鶴さんはそう笑って答えるのだが、しっくりこない。
『ねぇ…俺なんかのどこがいいの?』
『どこって言われると困るかも…全部?』
そんな風に言われて嬉しくないわけはないのだが、心の中の疑問符はなかなか消えてくれないのだ。
そんな千鶴さんとの関係なのだが、基本的には良好だといっていいと思う。
「そっか」と笑って受け流せばそんな疑問符なんて気にならないと思っていた。

375 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 09:34:27 ID:1SfiEejc
さて、話を戻そう。
例のDVD(涼宮ハルヒ)の件は
「ま、いいんだけどね」
絶対にどうでもよくなさそうな雰囲気を漂わしながら千鶴さんがそのDVDを俺に渡すと、何事もなかったように掃除機をかけ始めるのだった。
どういうわけだか、千鶴さんは妙にオタク系の物品に対する嫌悪感というか、忌避感が強かった。
「浮気?できるのならしてもいいし、できれば私にわからないようにしてね?」
とか
「別にオナニーをしちゃ駄目なんて言わないわよ?おしっこするのと一緒で生理現象でしょ?」
…いや、まぁ…なんというか浮気に関しては甲斐性もその気もないので出来ないしする気もないのだが、オナニーに関しても「理解のある彼女でよかった」と安直に喜べなかった。
俺は性癖的に見られて悦ぶ属性っていうのは皆無な性質(たち)で、要するに一人せっせと自家発電をしたい!と主張するわけです。
で、ある日、TUTAYAでAVを借りたわけですよ。及川奈央の『裏・及川奈央』だったと思う。まぁ、若者なら誰でも経験のある行動だと思うのだが、急いで家に帰りレッツ・セットアップ! 
そして画面上で繰り広げられる痴態。ズボンをずらす俺。速度を上げるピストン。…ぅっ…行きそうだ…


『へぇ…いきそうなんだ…手伝ってあげよっか?』


…ぇぇぇぇぇ!心臓がどっきゅんと奇妙な音を立てて跳ね上がる。椅子から飛び上がり振り替えると、見慣れた千鶴さんの姿が…
「え…え…ぁ…」
浮気の現場を押さえられた間男の気持ちってどんなんだろ…いやいや、まずは言い訳だ…
ってここまで決定的な証拠(現行犯逮捕)があってなんの言い訳ができるっていうんだ…

「別に?…P君の射精までコントロールしようとは思ってないし…いいよ?続けて」
…いやいや、続けてってそんな千鶴さんに見られながらオナニーできるわけないだろ!…
とは言えずに、あうあう言っている俺の隣にちょこんと座り、
「あれ?ちっちゃくなっちゃった…・・・えぃ!えい」
って、千鶴さん!何やってるんですか!指先でつんつんと俺の愚息を突き、指先でつつぃとなぞる。
すると愚息は正直にまたむくむくと大きくなって…って、駄目ですよ!
「うふふ…大きくなってきちゃったね?ねぇ…P君…どうして欲しい?」
…どうしてって…え?…どうして?…え…
「このまま指でして欲しい?それとも口?それとも足?…それとも…私に入れたい?」
…えっと…大変嬉しい申し出なのですが、こう、なんというかそういう問題なんでしょうか?

とまぁ、このように色々な意味で理解ある彼女なのだが、何故だか二次元系に関しては冷たい視線と、僅かな殺意を感じる。
それとは対照的に、及川奈央であろうと笠木忍であろうが三次元エロDVDに関しては別に怒ったりしないのだ。

なんでなんだろ…

本人に恐る恐る尋ねても
「別に?」
どう見ても不機嫌そうな顔でぴこぴことMHP2をプレイするばかりだった。

376 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 09:37:12 ID:1SfiEejc
とりあえず、序章の投稿完了。
実験的な作品なので気長にお付き合い下さいませ。
これってヤンデレ?って思われると思いますが、
そこは大目に見てやってください。

377 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 10:25:52 ID:kjoSucYO
>>376
乙です
今のところはヤンデレというより不思議系の彼女か?
この先の展開に期待。
しかし

>…え?あ…戸惑う俺を無視し、押し倒し、ネクタイを剥ぎ取り、手首を縛り、ワイシャツのボタンを外し……

サラっと流されたが縛られていた件w

378 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 10:35:36 ID:wn4DqmYL
>>376
GJ!
続きも期待してます。
ここと、嫉妬、キモウト、お姉さん、姉御、いもうと、無口、盲目、ほのぼの純愛スレを
巡回してるオレとしては、SSが面白ければ各スレの趣旨などかざ(ry

379 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 13:49:29 ID:mXGaqXin
>>376
あたり前のように現実にあるアニメやらゲームの名前出されると読みにくくて困る
そこら辺はぼかしてその作品がどんな内容なのかを簡潔に文中で説明したほうがいいと思う

380 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/06/14(木) 19:45:29 ID:71tiwQZt
>>378
お前は俺かwwwww

381 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 20:22:17 ID:D3GWoeJh
>>379
同意。
現実にあるアニメやゲームの名前をだす必要性がない以上ださなくてもいいんじゃないかな。
適当にぼかしてこんな風なアニメみたいな感じでは駄目なの?

382 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 21:26:38 ID:TUxILTap
コードギアスとバイオハザード以外、分からなかった……orz

383 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 21:29:48 ID:MIMqpQqZ
それも含めて実験的な作品って事なのかな

384 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 22:14:03 ID:C33FfnwF
例えをゲームとかのキャラにされると知ってる人はそれでいいかもしれないけど、
知らない人は全く分からないからやめた方がいいような。
そのゲームの二次創作スレなら説明省くのにそれでもいいかもしれんけど、ここはそうではないし。

385 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 23:47:31 ID:zWfzZWsn
つまり知ってる人は犠牲にしろと。

386 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 00:25:42 ID:wBHGm35e
知ってる人は別に犠牲にならないだろ。

387 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 01:03:11 ID:EkOe2Lpa
この場合は知らん人は犠牲にしろだろ

388 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 01:17:47 ID:FZ3V9paR
>>1

389 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/06/15(金) 07:09:39 ID:CcLCSFIe
でも現実の事件やものを組み込むとリアリティーがでない?

390 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 10:21:09 ID:VopxyW8L
※スルー推奨


391 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 20:05:03 ID:WMTXN3Wm
投下しまッス。

392 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 20:07:46 ID:WMTXN3Wm
「なんでだと思う?」
「死ね!」
…相談する相手を間違えたのだろうか…
目の前には高校時代からの悪友、上杉達也が烏龍茶を片手に睨みつけている。
まぁ、そうだろう。本人は気づかれていないつもりなのだが、上杉も千鶴さんに憧れていた口なのだ。
「そもそも、千鶴さんがいるのにオナニー?
お前が千鶴さんと付き合っているっていうだけで万死に値するってのに……お前、やっぱり死ね。」
「いや、違うだろ。それ(えっち)とこれ(おなにー)とは別だ。」
「つーかさ、そもそもお前が2次元から卒業すればいいだけの話だろ?」
「う…そこまでしないと駄目か?」
「はっはぁん…俺にはわかったね。今のセリフを千鶴さんの前で言えるか?
千鶴さんと2次元どっちを取る?と聞かれて一瞬でも躊躇するお前の姿を千鶴さんに見せられるのか?」
「いや…それは…」
…想像するだに恐ろしい。
『別にいいよ?』
なんて千鶴さんに氷の微笑で言われる場面なんて想像したくないね。
まぁ、とは言うものの、俺だって上杉の意見は当然考えた。
千鶴さんと2次元…なら迷わず千鶴さんを選ぶ…のだが、なんとか両立できないものかと考えてしまう…
もしかすると俺のそんな心を千鶴さんは見抜いているんじゃないだろうか?
…そう考えれば、何となく理解できる部分はあるのだ。
3次元のエロDVDと千鶴さんなら俺は迷わず一片の後悔もなく千鶴さんを選ぶ…
「でも、なんか違うんだよなぁ…千鶴さんのはそーゆーんじゃない気がする。」
「…その根拠は?」
「……ん~…何となくだ。」
「やっぱり、お前は死ね。」

『ねぇねぇ、なんの話をしているの?』

背後から音もなく忍び寄り、話しかけてくるのはやはりというか…千鶴さん!
って…ちょいまった!千鶴さん30分くらい遅れてくるって言ってなかったっけ?
今、待ち合わせの時間から5分しか経過してないんですけど…
『あはは、予定より早く用事が済んじゃってさ…それともなに?私が居るとできない話でもしてたの?』
「えっとだなぁ…」
「P君は黙っててね?」
…うぅ…釘を刺された!まずい!ピンチだ
…どうする?<コマンド >逃げる! …しかし回り込まれてしまった!
こうなったらアイコンタクトだ!届け!俺の電波っ!
(…上杉…とりあえず黙っておいてくれ!)
(いくら出す?)
(ここは俺が奢る!)
(…戦う変身ヒロインがやられちゃうADVと新感覚寝取系アドベンチャーゲーム…もう、お前いらないよな?)
(ちっ…この野郎っ…だが、仕方ない…貸すだけだぞ?)
(まあいい………それで手を打とう!)
…この間、約3秒。伊達に高校時代からの付き合いじゃない!
「いやぁ、こいつ千鶴さんと漫画やゲーム…どっちを取る?って聞いたら一瞬迷いやがるんですよぉ。」
…上杉…お前…さっきのアイコンタクトはなんだったんだぁぁぁぁ!
おそるおそる千鶴さんの顔色を窺う…と、口元でふふんと笑っていた。
「そっかぁ…でも、一瞬でしょ?それに…P君にとって漫画とかゲームは趣味だから…仕方がないんじゃない?」
…あらら…って、まぁ確かに漫画やゲームを止めろ…なんて言われたことはないしなぁ…
気がつけば千鶴さんはビールを注文し、メニューを熱心に眺めていた。
しかし、千鶴さんは『へぇ…で、どっちを選ぶの?』なんて聞かないんだなぁ…
「やっぱ…お前は一回死んで来い」
上杉は呆れ顔でぐぃっとビールを飲み干していた。

393 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 20:08:41 ID:WMTXN3Wm
じょぼぼぼぼぼ…じょぼぼぼぼぼ…
便所に響き渡る和音。
「おう『P』よ、おぬしも傾くか!おお、何と立派なイチモツだ!隆々と…」
「お前はそっちのけもあるのかよ!」
「わはははは、だがいいのか?俺にそんな口を聞いて…」
「なんだ?…妙に勿体つけやがって…っと…ぅぅ…ぶるぶる」
「ふっふ~ん…まぁ、聞け。実は千鶴さんから相談を受けたんだわ…と、もちろん千鶴さんには内緒だ…いいか?っと…ぅぅ…」
うんうん、と首を縦に振る。なんだ?千鶴さんがこいつに相談だなんて…うわっ!雫を飛ばすな!
「千鶴さんがな?『Pってどんな女の子が好きなの?』って聞いてきたんだよ。」
「それで…お前はなんて答えたんだ?」
千鶴さんが?…一体何故だ?
「まぁ、むかつくが…『千鶴さんが一番好きなんだと思いますよ?』って答えておいてやったよ…大いに感謝しやがれ」
「それは…素直に感謝だが…それでどうしたんだ?」
「まぁ、焦るな…話にはまだ続きがあるんだ。
『そうじゃなくて…その…漫画とかゲームとかのどんな女の子が好きなのかなって思ってさ…上杉君知ってる?』
…だってさ」
「…お前が千鶴さんの声色を真似るな!気持ち悪いわ!…で?お前はなんて答えたんだ!」
…くそぉ…心臓がばくばくする…まさか…ただの人間には興味がない団長様とか、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェイス?
或いは、おしるこドリンクを愛飲している運動音痴な潜水艦の艦長?それとも…
「いや?『じゃぁ、今度Pが好きな奴を選んで貸しますよ』って言っておいたから…希望の物品があれば早めに渡しておけよ?」
…上杉…お前…いい奴だな…
「あ、そうそう…報酬はスイス銀行の例の口座に振り込んでおいてくれ…でないと…
ついうっかり、BL(べーこんれたす)系とか、女子色少年のススメ系とかを渡しちまうかもな、」

…全言撤回…お前はやっぱり鬼だ…

394 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 20:11:50 ID:WMTXN3Wm
それから数日後、俺は千鶴さんがいないときを見計らって上杉に手渡す物の吟味に余念がなかった。
…いくらなんでもエロゲはまずいよなぁ……ちょいと古いが最近パチンコにもなった…あれあたりは無難か?
うぅむ、とはいえ最近見てもいないしなぁ…となれば、とりあえず、ツンデレ系を入れておくか…?
いやまて、だが注釈を入れずに渡すとなると俺がどれを好きなのか伝わらずに千鶴さんに致命的な誤解を与えてしまうかもしれない。
魔法少年がでてくる、焼き鳥みたいな名前のあれも同じ理由で却下…そう考えると難しいな。いや、深く考えずに渡したほうがいいのか?
そもそも、それを渡したからといって何かが変わるのか?
「いっぺん…死んでみる?」
…それは洒落になってないな…寧ろ
「あ、あんたの為に練習したんじゃないからね!」
これは嬉しいかも…だがそんなことを千鶴さんが言うのか?
「月に代わってお仕置きよ!!」
「えっちなのはいけないと思います!」
「バカばっか」
…ぇぇい!俺は馬鹿か!一体なにを考えているんだ…素直に好きなものを渡せばいいんだ…えっと…えっと…

「で…その結果がこれか?」
…俺が最終的に上杉に渡したのは
『伝記活劇ヴィジュアルノベル』
『携帯からはじまるLoveStories…』
『至上最弱の男が格好いい地域制圧型SLG』
の3本だった。
「…無難な線だと思うんだけどなぁ…駄目か?」
「まぁ…エロゲの中ではエロスはほどほどな部類だからなぁ…
アニメ化されたり、今度されたりだしな。まぁ、お前がいいならいいけどな…」
そういって、上杉は俺の手からその3本が入った紙袋を引ったくり、手を振って横断歩道の向こう側に消えていった…
…言い忘れてたがちゃんと返せよ…

それからというものの、俺は期待と不安に包まれた毎日を送っていたわけだ。
なんでかって?そりゃ彼女が何かに感化されて、俺の写真が携帯の待ち受けになっていたり、
『……駄犬の分際で主人に逆らうなんて。去勢するところだわ、この早漏』
とか言い出したりするのか?と期待したり。或いは我が家にあるその手の物品を
『汚物は消毒よっ~!』
と燃えるゴミの日に捨てられてしまうのではと怯えていたわけだ。
そう…人呼んで、【至上最低の男】とは俺のこと?…
いや、まぁ、要するに審判の日を待っていたわけだ。
しかし、一向に彼女の様子に変化は見られない…
「ん…どうしたの?」
…ベッドに寝転がっておせんべいを齧りながらぴこぴこゲームをする千鶴さん。
千鶴さんは上杉に借りた(正確には俺が貸した)ゲームをプレイしてるのかな…
それでやっぱりえっちなシーンで興奮して、気がつけば千鶴さんの手は下腹部に伸び…
『P君…こんなにえっちなのを見て…おなにーしてるのかなぁ…』
千鶴さんの頬は上気し、指先が秘芯に触れ…

『P?…どしたの?』

うわぁぁぁぁ!べっくりしただぁぁ…。気がつけば目の前で千鶴さんが俺の顔を覗き込んでいた。
…やばい!俺のエクスカリバーがっ…って千鶴さん、気づくの早いです!

395 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 20:12:46 ID:WMTXN3Wm
『なんで…大きくなってるのかな?』
…うわぁ…千鶴さん。悪戯っ子モードですか。
うう…もしかして、君が主で執事が俺ですか?いえ、それは望むところなんですけど…
しかし、俺の期待を裏切るかのように千鶴さんは一瞬何かを思い出したかのように、

『…P君がしたいようにしていいよ?』

上目遣いで小首をかしげてそんな可愛いことを言う千鶴さんッ!!?
…えっと…あの、それはどういうことでしょうか?
俺は至上最弱のへタレ野郎の流法(モード)を余すところなく用いていた。
…したいように…俺のしたいようにする…といわれましても、
『わぁい、じゃぁお言葉に甘えてあんなことや、こんなことを…』
なんてできるわけがない。寧ろ、
『そう…そのまま飲み込んで。僕のエクスカリバー…』
とでも、言うほうが男らしいとさえ思うほどのへタレなんだ。
う…うろたえるんじゃないッ!ドイツ軍人はうろたえないッ!いや、俺日本人だし。
そもそも、千鶴さんはどちらかといえば攻撃型奉仕系。そして俺はマグロ系(最低)。
千鶴さんの巧みなリードによってなんとか無事にパイルダーオンできているわけで…
そんな俺がしたいように?…できるわけがない!断言するがAVやエロゲで得た特殊知識は実戦では役に立たない!
だが、まて。まぁ、まて。一体千鶴さんは何故突然こんなことを言い出したのだ?
まさか例のエロゲ?…いや、でも、そんなセリフあったっけ?
いや、ないはずだ。というか、千鶴さんがそんなセリフを覚えるか?
なら、無難に『メイド服を着て「お帰りなさいませ。ご主人様」と言ってもらうか?』駄目だ、メイド服がない!
ならば、ナース服で『お注射してください…』って言ってもらうか?…無理!絶対無理!
そんなことが言えるなら最初に言っている!第一ナース服は千鶴さんの仕事着。
それを持ってきて貰ってご奉仕だなんて…だが、落ちつけ。万が一それが千鶴さんのNGだったら?
流石にそれは変態?第一、エロゲのシチュエーションでえっちしたいだなんて言えるか?
無理。それが原因で別れるなんてなったら目も当てられない!

…ふと、気がつけばベッドに戻り、またぴこぴことゲームに忙しそうな千鶴さんの姿。
あら?…投影した俺のエクスカリバーが消えている…夢?
いやいや、えっと…千鶴さぁん…
「?…なに?」
…いえ…なんでもないです。

396 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 20:32:28 ID:WMTXN3Wm
投下完了。病み成分はまだ少なめ(あるのか?)ですけど、
大目に見てくださいませ。
ご指摘のあった部分を修正するなら下記の通りでよろしいですか?
わかりにくい文章なのは1000ほど承知しておりますので、ご承知の程を。

1.『涼宮ハルヒの憂鬱、5。孤島症候群・前編・後編』
変更 「非日常的学園ストーリー」
2.ハルヒ
変更 自己中心的で傍若無人、猪突猛進かつ変人な女の子
3.PSP
変更 携帯ゲーム機
4.MHP2
変更 ハンティングアクションゲーム
5.Fate
変更 伝記活劇ヴィジュアルノベル
6.セイバー
変更 アーサー王
7.イリア
変更 聖杯
8.アーチャー
変更 エミヤ
9.まぶらぶ・あんりみてっど
変更 あいとゆうきのおとぎばなし
10.バイオハザード サイレントヒル
変更 生物災害 静岡
11.MH2
変更 TNKSN
12.鬼になった柏木千鶴(LEAF)
変更 料理が下手な鬼姉さん
13.『コードギアス・反逆のルルーシュ』に登場する『コーネリア』
変更 女王様っぽい人
14.ジャスコ
変更 GMS
15.ファイナルヘブン 超究武神覇斬
変更 FF7 ティファ、クラウドのリミットブレイク(必殺技)
16.ヘブンズフィール
変更 黒桜ルート
17.及川奈央 笠木忍
変更 AV女優


397 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 22:01:33 ID:U9bv7ad8
>>396賛否両論ありそうだが、俺はもうちょっと読んでみたい。

398 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 22:12:34 ID:INjqdEz1
アニメゲームネタ以前にヤンデレじゃないじゃん

399 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 22:21:47 ID:VopxyW8L
いや、これから病むんだろ。


……ああ、また釣られた?

400 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 22:24:09 ID:xYmShxy/
壮大な釣りSSですな。

401 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 22:33:42 ID:EAqL7dYb
小ネタは適度に入れるからいいもので、過剰に入れられるとちょっと困る。
自分以外の他人が読んでいるということを少しは考えたほうがいいと思う。

402 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 22:46:33 ID:Uer6IyMl
もさもさもライアー戦に参戦か。

403 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 22:47:50 ID:Uer6IyMl
すみません、誤爆です・・・

404 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 22:51:55 ID:FZ3V9paR
>>401
合わないなら読まなければいいじゃん

405 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 23:01:36 ID:SULyg8KC
おいおい、読んでからじゃないと合う合わないの判断はできないだろ
次からは読まないさ

406 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 23:15:31 ID:Wb+nPep8
>>404
すぐ噛みつく信者キモイです

407 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 23:25:38 ID:SULyg8KC
おめえもすぐ噛み付いてるじゃねえかと

408 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/16(土) 00:02:55 ID:uKJ/4B1X
ttp://www.youtube.com/watch?v=hUJagb7hL0E
これでも見て落ち着きなさい。

409 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/16(土) 00:22:36 ID:57OdOpVL
ウヒヒヒヒヒ・・・・我が手札には言葉・楓・詩音が揃っている。
いでよ!ヤンデレフォースEX・ザ・ライトルーラー!!

410 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/16(土) 01:32:42 ID:DNum0rDs
読み手を意識しなくなったら書き手はおしまいだよね
上手い下手以前の姿勢の問題

411 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/16(土) 02:07:11 ID:aksQfE+P
まだ続けるんすか?

412 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/06/16(土) 02:13:43 ID:lc/rXywl
なんだかなぁ・・・・

413 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/16(土) 02:44:40 ID:YHiXUNZd
小ネタの内容がさっぱり分からないからしっくり来ないんだよなぁ
頑張ってはいるが、基礎情報0からの脳内補完じゃどうしても限界があるし


まあこれから病んでくれればそれでいいやw

414 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/16(土) 08:40:45 ID:Jb1ZsiKQ
『そう…そのまま飲み込んで。僕のエクスカリバー…』 に吹いたw

さて、千鶴さんはどんなエロゲに影響されるのか。
そこからディープに病む可能性もあるので期待大。

415 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/16(土) 09:07:15 ID:usoBQbIB
投下します

416 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/16(土) 09:08:48 ID:usoBQbIB
かち…かち…かち…

ただひたすらマウスをクリックする。
流れていく文字と画面のイラスト。
耳からはBGMや女の声が延々と聞こえ続ける。

かち…かち…かち…

内容を吟味する。
殺し合い、魔法、幻想、呪い、三角関係、精神異常、
壊れた人間、嫉妬、怨嗟、裸、血、セックス、暴力、
傷害、殺人、抗争、犯罪、理不尽、後悔、死亡、妊娠、涙、自殺。
平和な日常とは程遠い異常な世界。
これが…彼が好きな世界?
かち…かち…かち…
彼も同じようにこの画面を見ながらどんなことを思ったのだろうか。
この世界をどう思うのだろうか。
こういう世界に憧れを感じるのだろうか?
こんな異常な世界だからこそ惹かれるのだろうか?

ふと、指を休め以前、彼が見せてくれたDVDの内容を思い出す。
内容はSF。エキセントリックな女の子、宇宙人、未来人、超能力者が登場する。
エキセントリックな女の子の妄言が、実は事実であることを語り手の少年が理解していく。
しかしエキセントリックな女の子はそのことに気がつかない。
そのことを不満に思ったのか語り手の少年を連れて無意識に世界を再構築しようとするが、
少年の説得によってあきらめる…そんな内容だったと思う。
もう一度、じっくりと彼があの作品をどうして私に見せようと思ったのか考えてみる。
あのエキセントリックな女の子が私に似ていると言いたいのだろうか?
確かに、初めての夜に私は劇中の女の子と同じように彼のネクタイを掴んだりした。
しかし、私は幽霊や、宇宙人、超能力の存在を否定はしないが、自分が信じていると公言することはない。
我が侭なところが似ているといわれればそうかもしれないが、それでもあそこまで理不尽ではないと思う。
それとも、幼い顔立ちで胸が大きく男に媚びているような女の子や、
無口で何を考えているのかわからないような女の子に囲まれたいと思うのだろうか。
それとも、彼の青春時代を思い出すような何かがそこにはあるのだろうか。
それとも、彼はあんな奇妙な世界が好きなのだろうか…

417 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/16(土) 09:10:01 ID:usoBQbIB
かち…かち…かち…

目の前で自殺する女。
嫉妬に狂い女の喉を刃物で切りつけ殺害する女。
妊娠した挙句、男の身体に刃物をつきたてる女。
浮気、優柔不断、そしてその結果の刃傷沙汰。
繰り返される嫉妬と浮気。
まるで昼ドラのようなどろどろとした内容。
上杉君…これが本当に彼の好きなものなの?

「ありがとう…上杉君。これ返すね。」
「いえいえ…あの…それで…どうでした?」
駅の傍のファーストフード店で上杉君から預かった袋を渡すと、
上杉君はなんだか落ち着かない様子でそういった。
「どう…って?」
「いや…まぁ、その…内容とか…どうだったかなぁと思いまして。」
なんだろう…妙に歯切れが悪い。
「ねぇ、上杉君。あれって…本当に彼が好きそうなものなの?」
「え…ええ、たぶん。間違いないと思うんだけど…」
「だけど…?」
「えっと…Pには言わないで欲しいんですけど、それPが選んだんですよ…
ただ、そのチョイスに問題があると…俺なんかは思ったりするわけで…」
「Pが?…」
「あ、違うんです。もし、千鶴さんに勧めるなら…って風に聞いたんですよ。
でも、なんていうかPの奴…格好付けようとして、
たぶんあんなのを選んだんじゃないかなって俺は思うんです。」
「…そうなの?」
「だから、俺からみたら…本当はこっちなんじゃないかなと…」
そういってテーブルの上に上杉君が置いたのは以前と同じような紙袋だった。

418 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/16(土) 09:11:54 ID:usoBQbIB

かち…かち…かち…

ただひたすらマウスをクリックする。
内容自体はよく理解できなかった。
ただ、シンプルに女の子がひたすら嬲られる内容。
学生やサラリーマン、浮浪者、触手、虫、獣に精液をかけられ、犯される女の子。
扇情的なコスチュームを身に纏い、ただひたすらにレイプされる女の子。
妙に説明的な口調で自分がされている行為について語る女の子。
異常なシチュエーション。
屋外、屋内、学内、公園、衆人観衆、見知らぬ場所、水着、制服、レオタード…
様々なシチュエーション。
でも、嬲られる女の子も嫌がる様子ではなく快楽を享受して…
いや、寧ろ積極的に快楽を求めているようにさえ見える。
一方的な性欲処理。
都合のいい女。
都合のいい状況。
でも、理解できる。
支配欲。独占欲。性欲。愛欲。
セックスの時は私がいつも主導権を握っているから…
だから、P君が主導権を握り、まるで物のように
私を蹂躙し、
監禁し、
組み伏せ、
嬲り、
陵辱し、
汚し、
見下し、
貶め、
犯したいという願望はわかる。
だって私自身がそうしたいと思っていることなんだから。
これを見てP君が性欲を処理しているの?
私をこんな想像の中で汚して、その先端から精液を吐き出しているの?

でも、これは上杉君の主観…
でも、これがP君の好みであって欲しい。
理解できる。受け止められる。ううん…寧ろ嬉しいかもしれない。
彼の欲望を吐き出して欲しい
彼には正直になって欲しい
彼には隠して欲しくない
でも、もしこれがP君の好みじゃなかったら…
私はP君を受け止められる?
私はP君を理解できる?

…理解しよう。どんなことがあっても私だけは理解しよう。
例え心の奥底にどんな暗い部分があっても私は理解してみせる。
離れない。
私は近づいてみせる。
理想の女になってみせる。
彼が望むことは叶えてあげたい。
こんな妄想に浸らなくてもいいように。
彼が私だけを見てくれるように。
彼の欲望を私にだけ打ち明けられるように。
彼の欲求を私が処理できるように。

でも、私はまだ期待していた。
上杉君の主観こそが真実であることを。


419 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/16(土) 09:20:23 ID:usoBQbIB
とりあえず投下完了。
賛否両論(多分、否8割)はあるとは思うので、
不快に思われる方は読み飛ばしちゃってください。
ただ、否の意見は大変参考になっています。
わからないオタク系小ネタはできる限りわかりやすそうな
ポピュラーなものを選んでいるつもりだったのですが…orz反省
まぁ、漠然と「そういうのがあるんだな」程度で読み飛ばしてもらうと
ストレスはないかと思います。
残念ながら、もうちょこっと続くのでお付き合いくださいませ。

420 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/16(土) 15:32:24 ID:wiVa3gld
滑ったネタをいちいち説明せんでいい。SSよりお前さんが痛々しい

421 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/16(土) 16:54:42 ID:qpw8XNfl
>>419
千鶴さんが病み始めてキター!!
エロゲ妄想からの病みになるのか?
wktkしてきたので彼女にはこのまま突き進んで欲しい。

422 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/16(土) 18:57:32 ID:xjrn61q9
てか、姉妹スレの嫉妬スレでパロネタを使う作家居たような気がするわけだが・・
誰だったけ? 

423 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/16(土) 21:16:50 ID:9RS5gkL9
>>419
エロパロじゃ卑屈過ぎる態度は荒らし並に嫌われる
覚えておいたほうがいい
それと、そんな否が8割もあると自分で思うなら投下すんな
お前が作り上げたものだろう?そんな弱気でどうするよ

424 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/16(土) 21:26:19 ID:lHodD6HO
あとがきをダラダラ書かなければいいと思う

425 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/16(土) 21:42:50 ID:C7CYgHui
>>419
ともかくGJ!と言っておく


426 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/17(日) 01:54:26 ID:0Dtnfr8G
>>419
まあ、これからですよ

427 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/17(日) 07:12:30 ID:k8wSPNks
>>419死ね

428 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/18(月) 00:35:32 ID:6y2vRCXh
>>419
もしかしたら、主人公に無理矢理レイプさせるというシーンが見られるかもしれない。どぎついエロに期待wktk

429 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/18(月) 02:01:49 ID:4tbqGcJG
まあ>>427、それは受け狙いか?それとも本気か?

430 名前:しまっちゃうメイドさん ◆HrLD.UhKwA [sage] 投稿日:2007/06/18(月) 02:38:25 ID:IQ1RRCip
悲鳴を上げる同年代の女学生を見ながら、凛は必死にこの状況を誤魔化す言い訳を考
えていた。別に否命に押し倒されている状況は言いつくろうと思えばなんとでも云える。
しかし、この血まみれのシャツについては、なんて言えばいいのだろうか?
(いやぁー、ちょっと本職の方から財布を掏ったら、バレて路地裏で囲まれちゃって…、
いえ、別にもめたわけじゃないッスよ?ただ、ナイフを出されちゃったたものッスから、
そうする気はなかった………とも言い切れないッスけど、ついというか、うっかりという
か、つまりノリでこちらもナイフで切りかかちゃってHAHAHAHA!)
「とは、絶対に言えないわね…」
そう、凛が呟いた瞬間であった。
「お嬢様!」
沙紀はハッと息を呑むと、凛を押し倒している否命にパッと駆け寄り、そのまま抱きか
かえるようにして凛から距離を取り、凛をキッと睨みつける。
その沙紀の文字通りの必死な表情を見て、思わず凛は苦笑した。知らない人間が血まみ
れのTシャツを着て、自分の家で同居人に押し倒されていたら、そりゃあ誰だって警戒す
るだろう。しかし沙紀のこの反応はあまりにも…。
「お嬢様、大丈夫ですか!?」
「うん…、大丈夫だよ」
沙紀は安堵の溜息を吐くと、それから直ぐに凛に視線を戻し
「それで…、貴方は何ですか?」
そう問いかけた。
「何って言われても…、デーヴィッド・カパーフィールド式に答えればいいのかしら?」
「…………」
「…………」
「…………」
そうして言葉に詰まる二人の間から、否命がおずおずと声を発した。
「えっと、沙紀さん、凛ちゃんは…」
「この方を知っておられのですか?」
驚いたように目を見開く沙紀に、うんと頷くと否命は言葉を続ける。
「凛ちゃんはね、悪い人では…」
そう言って、否命も言葉に詰まってしまった。凛は掏りであり、尚且つ傷害犯であり、
更に見方によってはこの家に不法侵入し、あげくに自分を恐喝しているのだ。
どう考えても悪い人であった。
「お嬢様?」
「あの、えっと…」
困惑する否命の目に、親指と一指し指で輪を作り、その輪の中に舌を入れレロレロと動
かしている凛の姿が映る。

431 名前:しまっちゃうメイドさん ◆HrLD.UhKwA [sage] 投稿日:2007/06/18(月) 02:39:23 ID:IQ1RRCip
書き忘れましたが、投下します それとフタナリ注意です

(凛ちゃん…、急にどうしたのかな?って、私を見てるの?だけど、なんで?)
凛は舌を動かしながら否命の呆けた顔を横目でチラチラ見、そして表情を硬くしていった。
段々と凛の顔に苛立ちが浮かんでいく。
(気付かないのかしら?この子は…。ならこれならどう?)
凛は一旦、舌を口に引っ込めると今度は右手を浅く縦に握り、それと口を近づけチュパ
チャパと音を立てた。
「あの…凛様?一体、何をなさっておいでなのですか?」
沙紀がおずおずと「奇行」を始めた凛に声を掛ける。
「もちろん、ナニを………いえ、聞かないで頂戴」
「????」
凛にとってこの行為は屈辱的な行いであったが、表情は晴れていた。これならばいくら
なんでも、否命は自分の気持に気付いてくれるだろう…、そう確信していた。
しかし、否命は凛のこの行為を見てもただオロオロと呆けた顔をしているだけであった。
白けた空気の中に、凛の発するチャパ音だけがリビングに響く。なんとも哀しい光景であ
った。自信満々な顔をしていた事が、更にそれに拍車をかける。
(クズがっ・・・・・・・・・・!
何故気付かんのだ・・・・・
わしの・・・・・わしの気持ちに・・・・・!)
凛は込上げてくる憤怒をカロウジテ抑え、左手をプルプル震わせながらゴミ箱とパソコ
ンを交互に指差した。
「凛ちゃん?」
「~~~~~~!」
否命のこの疑問の言葉に凛は声にならない叫びを上げた。
(って、まだ気付かないの?この子は私の髪の毛とはいわず、ケツ毛まで抜くつもりに違
いないわね)
凛はまるで、夢遊病者のようにひたすらパソコンとゴミ箱を交互に指し続ける。それで
も首を傾げる否命を凛は恨めしそうに睨むと、ゴミ箱を指しながらヒステリックに腕をブ
ンブンと振り回し初めた。
しかし凛の努力も虚しく、否命はただ首を更に傾げただけであった。完全に凛が何をし
たいのか分からないと…といった風である。窒息しそうな沈黙だけが後に続いた。
「お嬢様…、この方は果たして、その……正常なのでしょうか?」
そうして、ポツリと漏らした沙紀の言葉と、自分を哀れむような視線に凛はとうとう限
界に達した。
「貴方とゴミ箱の関係!!」
凛がそう叫んでからしばらくたって、ようやく否命は自分が何を求められているか理解
した。


432 名前:しまっちゃうメイドさん ◆HrLD.UhKwA [sage] 投稿日:2007/06/18(月) 02:40:12 ID:IQ1RRCip



「そうすると…凛様は裏路地で喀血していた方を、同じく裏路地にいられたお嬢様と共に
病院に運んだというわけですね?」
「ええ。その時に血がシャツにかかってしまって…、病院で洗濯しても良かったのだけど
やっぱり知らない人の服と一緒に洗濯するのは抵抗があって…、それで秋月さんの家で洗
濯させて貰うことになったのよ」
「すると……」
「う、うん、そ、そうなの!わっ私がりっ、凛ちゃんをい、家に誘ったの!」
「はい…」
沙紀の疑問の声を遮るように否命は凛の言葉を肯定する。さっきからずっと、こんな調
子であった。凛が立て板に水を流すように喋る話に、完全にテンパッテいる否命が間髪い
れずに合いの手をいれ、そうしてまた凛が話す……。
落ち着いて喋る凛に、何か鬼気迫る程に言葉に力を込める否命。
結果、沙紀は凛の話しに所々オカシナトコロを感じつつも、それを問いただせずにいた。
否命の様子があまりに必死なことも沙紀に疑念を抱かせたが、それが余計に沙紀の口を重
くしていた。
「そうですか…。そんな事とは露知らず、先ほどは凛様を不快な気分にさせてしまって申
し訳ありませんでした」
雰囲気に呑まれる形で一応、沙紀は凛の説明に納得する。
「いいのよ。あんな状況だったもの…」
「それで、病院はどちらの方ですか?」
沙紀の問いに凛と否命は
「き、北!」
「南よ」
っと、同時に答えた。
「?????」
「つまり北南(ホクナン)ってことよ」
「????????????」
「うん、びょ病院は、ホッ、北南だったの」
「????????????????」
この二人の勢いの中で異論を唱えることは不可能であった。否命と凛の間にはある種の
確固とした連帯館が出来ていた。
こうして沙紀への説明が終わると凛はシャツを脱ぎ、それを洗濯機に入れた。秋月家に
は乾燥機があるが、それでも洗濯が終了するまで一時間半ぐらいは時間がかかるので凛は
夕食のカレーをご馳走してもらうことになった。
「悪いわね、シャツまで借りちゃって」
そういって否命のシャツを着た凛は穏やかな微笑を浮かべた。そこには見事に(?)難
局を乗り切った心の安堵があった。
「ううん、元々、私が提案したことだから…」
若干、前かがみになりながら否命は言う。凛が着替える際、不覚にも否命のマラは反応
してしまったのだ。
「お似合いですよ」
何か釈然としないものを感じつつも、この状況を受け入れた沙紀が言う。
「有難う。ただ欲を言えば、胸がちっちゃくて少し苦しいわ」
「ウエストはどうですか?」
「緩いわね」
「はぅぅ…」
否命のマラは萎えた。そして、それを見つめる凛は自分でも気付かない程、微かな笑み
が漏れていた。

投下終わります

433 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/18(月) 17:37:14 ID:u1FTt9Vl
つヤンデレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1181929370/

434 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/18(月) 18:09:00 ID:eukk+n+P
>>433
宣伝乙

435 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/18(月) 18:16:21 ID:BsXnScjY
>>433
ってか、ホントにそのスレ見てる?
割と最初のほうで「もうヤンデレじゃなくても良くね?」って雰囲気になってたと思うんだが。

436 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/18(月) 20:10:05 ID:SV3zZ8/2
投下します

437 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/18(月) 20:10:54 ID:SV3zZ8/2
職員室に呼ばれて教師にお説教されるなんて何年ぶりだろう?
長い沈黙に思わずそんなことを考えていた。
目の前には無言でコーヒーを啜るコーネリアさん。
「ええと…今日はいい天気ですね。」
「…ああ、そうだな。」
うわっ…むっちゃ機嫌悪っ!俺なんかしたか?
と、言っても、まぁ、99%千鶴さん関係の話で間違いないだろう。
千鶴さんとコーネリアさんは同じ職場の同僚でもあるわけだから自然と会話を交わすこともあるだろうし、その中で千鶴さんがコーネリアさんに何か俺に関する悩み事や愚痴…しかも、直接俺に言いにくい類の相談をしたとしても不思議ではないだろう。
その上、コーネリアさんは見た目こそどこかの国のお姫様や女王様の類なのだが、中身は案外というか意外と乙女ちっくな女の子なのだ。普段のつんとした少しお高く見える仮面の裏側には甲斐甲斐しい可愛い女の子の内面に
「コーネリアさんって犬気質よね。ほら番犬みたいに外に向かっては吼えるけど、ご主人様には忠義を尽くすって感じの…P君にわかりやすく言えばツンデレ?」
…いや、それはなんとなくツンデレじゃない気もしないでもないこともないのだが…
まぁ、そんなコーネリアさんは面倒見もよく千鶴さんの世話や、俺なんかの相談相手にもなってくれるみんなのお姉さん的存在だった。
その少し怖いお姉さんからの呼び出し。おまけに隣に千鶴さんがいないとくれば、もう、これは高確率でお説教。そこは凄みのあるお方。黙っていると、どこぞのウォーマニアックな大尉みたいな迫力がある。
「Pさん…千鶴とは上手くいってるの?」
「え…!?ぇ…ええ…」
突然の質問に脊髄反射的に答える。思わず、『サー!イェス サー!』と立ち上がり、此処がホテルの喫茶店であることを忘れて返事しそうになるのを押さえ、辛うじて肯定の意を促す。うわぁ…既に心臓がばくばくと鳴っている…
「セックスは週に何回?」
「え…ぇえええ?」
『何でコーネリアさんにそんなことを言わなくちゃいけないんですかっ!!!』
喉の奥まで出掛かったそれをごくんと嚥下する。
「何回?」
「…今は…3回くらいです。」
「ほぉぉ…」
少し意外そうな表情を浮かべながらタバコを咥え、それを上下に動かしながら
「思ったよりはしてるのね。それに今はってことは、以前はもう少ししていたわけだし…
若いっていいわねぇ。」

438 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/18(月) 20:15:57 ID:SV3zZ8/2
…いや、コーネリアさん俺たちと同い年じゃないですか…などと突っ込みは恐ろしくて言えない。
コーネリアさんはどうも、男運が悪いのか寄って来るのは「女王様~もっと罵ってください」というような類か、
渋い叔父様(家庭持ち)である場合が多い。
その内、付き合うことになるのは後者らしいのだが、どうも、と言うか、やっぱりというか長続きはしないらしい。
千鶴さんに言わせれば「コーネリアさんは理想が高すぎるのよ」…らしいのだが。
まぁ、そのあたりは俺にはよくわからない話だ。
「まぁ、率直に言えばどうも千鶴の様子がおかしい、というか落ち込んでいる、というか悩んでるような感じなのよね。
本人に聞いてもなんでもないって笑って言うだけだしね。それでPさんに何か心当たりがあるかなって思ったんだけど?」
そりゃそうだろ。千鶴さんは案外頑固であまり人には弱みを見せたがらないタイプだ。
作業や段取りなど自分が知らないことについては率直に聞いてくるのだが、自分の考えていることなどはあまり人に話したがらない。
逆に言えば千鶴さんがそれだけ物事をそつなくこなしているってことなのだが。
まぁ、要するにコーネリアさんはそういった千鶴さんの異変をいち早く察知し、俺にその事実を伝えてくれた。
さらにあわよくば千鶴さんの悩みを解決してあげたい…と、そういうことなんだろうなぁ…。
自分の胸に手を当てて考えてみる…なんだろう…そう、考えると思い当たる節があった。
「…違うかもしれないですけど…」
「ふむ、心当たりはあるようね。」
「はい…」
確かにコーネリアさんも心配をしてくれているのはわかる。
しかし、二人の話をそこまで赤裸々に話してもいいものだろうか。
とはいえ、親切心で千鶴さんが何か悩みを抱えていることを教えてくれたんだし…
「たぶん、ですけど。この間、そのえっちできなくって…」
「あら…勃たなかったの?」
「いえ、寧ろ勃っていたんですけど…その、千鶴さんが『したいようにしていいよ』って言ってくれて…
それでなんていうか…パニックになっちゃって…それで…」
「へぇぇ…千鶴が?したいようにしていいって?」
「はい…」
「それでPさんがあまりにも変態的なことを要求したの?」
「そんなことしませんよ!…あ…すみません。いえ、そうじゃなくて…頭のなかが真っ白になっちゃって、
それで何もできなくって。」
「はぁぁぁぁ…な・る・ほ・ど・ねぇ…」
コーネリアさんは咥えたタバコを灰皿に置くと、なんと言うか犯人がわかったベルギーのちょび髭探偵のように俺の顔を見ると。
「そりゃぁ…千鶴もへこむわぁ…でも、あの千鶴がねぇ…くくっ…」
俺の頭の上には『?』マークが天使の輪のようにくるくると回っていた。え…なんで千鶴さんがへこむ?…Why?…
「え?…それって…なんでなんですか?」
訳のわからない俺の様子に、コーネリアさんはまるで教師のような見下ろすような視線を投げかけてきた。

439 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/18(月) 20:18:28 ID:SV3zZ8/2
「Pさん…あなたは千鶴のこと…どんな女だと思ってるの?」
千鶴さん…綺麗で可愛くて気が強くて優しくて…料理も上手で掃除とか細かいところも気がついて、
少し変わったところもあるけど、ちょっとえっちな女の子…
「千鶴はさぁ…どっちかといえば猫気質?…というか虎気質なの。気位は高いし、我がままで気分屋…
それにいざとなったらがぶぅって噛み付く牙や爪だってある。なんていうか…
手負いの虎って表現がぴったり合うような気がするかな?」
…そういうあなただって、千鶴さんは犬気質って言ってましたけど…どっちかといえばドーベルマン…
いや…狼とかヘルハウンド、或いはケルベロスみたいな人間には変えない類の犬気質っぽいんですけど…
などと思っていることは言えずにコーネリアさんの言葉に耳を傾ける。
「その…千鶴が甲斐甲斐しく尽くしているっていうだけでも驚きなんだけど、えっちの時に相手にしたいようにしていい…
そんなことを言った事自体が驚きなんだけど?」
そう言われれば千鶴さんはえっちがしたくなったら、俺の意思とは関係なく自分から誘う…というか始めることが多かったなぁ。
いや、マグロな俺から誘ったことってもしかして一回も無いんじゃぁ…
「な・の・に……あの千鶴が勇気を振り絞って赤面しながら誘ったのに…何もしないんじゃぁ…そりゃ怒るし拗ねるし落ち込むって。」
…そうなのか?千鶴さんはあのときに何もできなかった俺を責めているのか?って、別に変わった様子もなかったけど…
でも、コーネリアさんがそういうなら間違いないだろうなぁ…えぇぇぇ…どうしよう、どうしよう…
「どうしたらいいんでしょうか…」
思わず、口をついて出る本音。
「ん…とりあえず謝ってみるとか?まぁ、あとは何を想像して固まったか知らないけど、
『したいようにしていい』って言ってくれているんだからしたいことを考えておいたら?
緊縛の仕方とか、そういう特殊プレイで使う道具とかが必要だったら安く分けてあげるけど?」
「え…ぁ、それはまた改めて…」
ふぅ…と安心したのか全身から力が抜ける。それにしても…千鶴さんがそんなことで悩んでいたなんて気がつかなかったなぁ…
でも、俺のしたいこと?…したいことってなんだろう…第一していいって言われたからって…言えないことだってあるよなぁ…
とりあえず、今日会ったら…謝るか…

その時はまだ、俺はそんな風に安易に考えていた。

440 名前:実験的作品[sage] 投稿日:2007/06/18(月) 20:20:17 ID:SV3zZ8/2
投下終わります。

441 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/18(月) 20:47:19 ID:/vy+5jDe
>>432
まってました!!GJ!!
>>440
続きを希望!!

442 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/18(月) 21:22:26 ID:nqS7BOhA
「…」の乱用のせいでやけに文章が諄く見える。
まあひとまずはGJ!


443 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/18(月) 23:23:59 ID:wu09FU/S
三点リーダは二つセットで。

444 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/06/19(火) 00:50:10 ID:XIqcMfzc
日はもうかなり前に沈み、窓からは深い漆黒の海の中で瞬く星と静かに佇む弓張り月が見える。
この病室の電気は既に消灯時刻を過ぎているために、消されている。
今の時刻というのは病院に入院する人々の生活サイクルの上ではかなり遅い時刻であるのだ。
現に、枕もとで蛍光塗料独特の薄ぼんやりとした優しい光を放っている時計の針は夜の十二時を過ぎていることを告げている。

部屋の中も外もまっくらなので、瀬戸黒の海で物静かに落ち着いて光り輝く月や星は一層美しく見えた。
今まで私はこの暗闇の中で孤独を感じ、心細さと悲しさで心が締め付けられそうになったことが何回あっただろう。
伝えたくても伝えられなかった想い、悪夢のような幼少期の記憶、自分の存在理由、そのときによって様々なことを考えたり、
回顧したりしたものだったが、最後はただただ侘しさと悲しみだけが残っているという点において共通していた。
しかし、その寂寥感あふれる、負の記憶しか生み出さなかった暗闇でさえ、気分が昂揚している現在の私ならば好きになれると思う。
周りにあるどんな些細なことさえも、私を祝福してくれているように感じられた。

445 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/06/19(火) 00:52:37 ID:XIqcMfzc
今までは私は彼に対しては、写真を毎晩眺めるか、彼に時々、料理を作ってあげるか、ないし家に招く程度のアプローチしか取ってこなかった。
まして、触れ合うことなど今までにはあろうはずもなかった。
しかし、私にはその程度が分相応だと思っていたので、それで十分だとすら思っていた。
私はもともと、ずっとずっと、彼の傍にいたいという願望があったので、私は彼に尽くし傍に居ることが満たされれば、満足だと思っていた。
当然、彼と結ばれたいという願望もなかったわけではなかったが。
だから、自分の想いを伝えたところで、それをあれほど真剣に受け取ってもらえ、回答をもらえるとは思わなかった。

そして、先程まで続けられていた情事に思いを馳せる。
彼とこれまでになく愛し合い、何かの誓いであるかのように、何度となく交わった。
当然のことながら、これが初めての事なので、苦痛がなかったかと言えばそれは嘘になるかもしれない。
けれど、その苦痛は自分の生きる目的となってくれた、何物にも勝る松本君と結ばれた事を雄弁に証明していた。
ただ、結果的に重病の彼に無理をさせてしまったことが少し残念だった。
でも、そんな無理をしてまで私を求め、愛してくれたのだと思うと自然に嬉しくなってくる。


北方さん、と私を呼ぶ声がしたので隣で静かな寝息を立てて眠っていた松本君を見たが、寝言だったようだ。
寝ながらも私の事を呼び続けてくれるなんて、本当に嬉しいことだ。

私はあなただけを愛している。
他には誰も要らないし、誰にも干渉させない。たとえあなたが愛してくれなくとも、私はあなたを愛している。
あなたの痛みは私の痛み、あなたの願いは私にとっても望むところ―。
彼に想いを伝えた時に言った言葉を彼の優しい顔を見つめながら、反芻する。
咄嗟(とっさ)に机の上にこっそりと置いておいた小箱の存在を思い出し、拾い上げる。
それは、もし叶うならば―、と一抹の期待から用意しておいたペアのプラチナのリング。
想いが通じた今、彼の指と私の指にはめるべきだ。
彼のよくクラスメイトに文化部の手と揶揄されている華奢な指にリングをはめる。
そして、私も松本君と同じ指に月明かりを反射するリングをはめる。

それから私は眠っている彼の唇に静かに口づけた。
願わくば、あなたの傍で過ごす、この良き日々が永遠に続きますように―。


446 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/06/19(火) 00:53:48 ID:XIqcMfzc
松本理沙はつい先程まで大きく震わせていた肩をとめて、恍惚とした表情で、やおら立ち上がると薄暗い部屋の一角にある、
背もたれのある椅子におぼつかない足取りで腰掛けた。

私が今まで経験した苦痛は常に外からやってきた。
もっと私が小さかったとき、今よりもはるかに持病の喘息の症状がひどかったときからそう。
家の中で静かにすごしている分には生活には影響を与えなかったのに、外に出て遊ぼうとすると、
いつも決まって苦しい思いをする。
お兄ちゃんはいつもそんな病弱な私を精一杯助けてくれたのを幼心に覚えている。
でも、当たり前の話だけどお兄ちゃんは私と家の中で一緒に居られるわけじゃないし、お兄ちゃんだってまだ子供の頃だから、
外で仲間と遊んでいることだってあった。
そのお兄ちゃんについていこうと外に出ると、すぐにぜいぜいと息が切れ、歩くのがきつくなってきて、そのうち立っていられなくなり、
ひどいときはそのまま病院に搬送されてしまった。
お兄ちゃんはそんな病弱な私のことを、見捨てずに少しずつでいいから治していこうね、と常に励ましてくれた。

447 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/06/19(火) 00:56:31 ID:XIqcMfzc
私のお母さんは何度となく、発作が起こるたびにため息をつき、困った厄介者だとでも言いたげに見てくることも何回かあった。
お母さんは当時、専業主婦ではなく仕事をしながら家事を両立させなければならなかったから、そんな風に感じるのも仕方ない、と思うけど、
やはり薄情なものだ。
お父さんは今もそうだけれども仕事が大変で、しょっちゅう出張で家をはずすことが多く、発作の知らせを受けるたびに、
心配していると言う言葉を発していたらしいが、本当はそんなこと気にしていられるほど余裕はなかっただろう。
両親でさえ、こんなぞんざいな対応をとるのにお兄ちゃんは見捨てることがなかった。

私の成長と共に喘息の発作の回数は少なくなり、そのひどさも弱まってきた。
そういえば、この頃だったっけか、お兄ちゃんと初めてデートしたのは。
お兄ちゃんは始終私のことを妹、としてだけしか見てくれなかったのが少し残念だったけど、今まで外に出ることが危険と隣りあわせだった、
幼い頃の私から考えれば、大きく状況が好転したと思うし、とてもお兄ちゃんも楽しんでくれたからおおむね満足だったかな。

そんなこんなで、ようやくお兄ちゃんと絵本の中に出てきそうな幸せな兄妹だけの生活ができると思ったのに―


448 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/06/19(火) 00:58:22 ID:XIqcMfzc
再び外界から忌むべき苦痛が訪れた。
その苦痛は人に由来するものでなく雌猫なのだが、抜け目なくお兄ちゃんを惑わしていった。
だから、処分する前にご丁寧にも警告してあげたのに、逆に雌猫は私だけのお兄ちゃんに、
怪我を負わせて手術しなきゃいけないほどの半死半生の目に遭わせた。

その事実を知ったとき、とっても、悲しかった。胸が張り裂けるくらいの悲しみがこみ上げてきた。
もしかしたら、お兄ちゃんが、私の唯一のお兄ちゃんが、世界で一番大切な人が死んでしまったら、
と考えると夜も眠れなかった。
手術のあった日はずっと涙で湿ってしまった折り紙でずっと、折鶴を折っていた。
幸いなことにお兄ちゃんは手術が成功したので本当に良かったよ。

けれど、あの時、お兄ちゃんに万が一のことがあったら、あの警告を受け止めず、
無罪のお兄ちゃんに必要ない苦痛を与えて、行動を束縛する大怪我を負わせる原因を作ったあの雌猫を即座に殺していたと思う。
もともと、警告に応じても応じなくても殺すのと同じくらいの苦痛を与えてやるつもりだったしね。
だから、現に私はさっきもそうだったが、人を殺すに十分な量の毒を生成している。

449 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/06/19(火) 01:00:19 ID:XIqcMfzc
じゃあ、今の私はあれに対して殺意を持っていないかといえば、当然、否。
あの猫は、私の悪口をあることないこと吹き込んで、小難しい理屈や御託を並べ立てて、さも自分が世界の法の権化でもあるかのように尊大に振舞った。
それから私は猫ゆえに傲慢な態度を取るのか、と怒りを抱きつつ、どういう手法で殺してやろうかと考え、調薬の作業をしていた。

が、それは大きな仇となってしまった。
お兄ちゃんが自分に逆らえない事を知っていながら、お兄ちゃんがお人よしなのを知っていながら、あの猫はお兄ちゃんを襲った。
しかも、完全な計画的な確信犯で、周到に強姦するまでに自分の論理を押し通すことによって、
お兄ちゃんをマインドコントロールしているあたり、いやらしさを感じる。
いや、誰が見てもいやらしいなんてレベルじゃない。
前に、何かの事件でストックホルム・シンドロームとかいう、被害者が加害者に親近感を覚えることが起こる、
とお兄ちゃんから教わったけれども、お兄ちゃんはそれとは明らかに違うと思う。
それは、あの雌猫がお兄ちゃんが私と帰ろうとしたのを邪魔した際にもお兄ちゃんはあの雌猫におびえに近い態度を取っていたことからも明白だと思う。

450 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/06/19(火) 01:01:26 ID:XIqcMfzc
自分の欲望が正攻法では達せられないことを知っていながら、お兄ちゃんの心を支配したいという自分の醜いわがままを通すためにあんなことをするなんて、
心を操作されているお兄ちゃんがかわいそうだ。
あの手のエゴばかり強い人間は、お兄ちゃんに飽きたら、ぼろくずのように、あっさりと冷たく捨ててしまうのは既に見えている。
そんなことは許さない。
私が"警告"に失敗したこともお兄ちゃんが穢されてしまったことの原因かもしれないが、あの雌猫が一番悪いのは当たり前の話だよね。

それに、私のお兄ちゃんが妹である私を裏切るはずなんてないんだから―。
優しすぎるお兄ちゃんだから、成り行きでこんな悪夢みたいな事が起こっているだけだよね。
でもね、お兄ちゃん。終わりの来ない悪夢なんて絶対にないんだよ?
その終わり、は私がお兄ちゃんを受ける謂れのない束縛から解放したときにやって来るんだよ。
そうしたら、お兄ちゃんは私のもので、私はお兄ちゃんのものになる。


451 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/06/19(火) 01:02:53 ID:XIqcMfzc
あはは、そのためにどうしたらお兄ちゃんが一番喜んでくれる方法であの雌猫を殺せるのかな。
お兄ちゃんは自分を苦しめた元凶はどんな方法で殺されるのが見たいのかな。
あ、そうか。あんな奴が死ぬ無様な光景なんか見たくないに決まってるよね。
それに、あのいかれた雌猫なら、最後までお兄ちゃんと一緒に居られる、とか言って逆に喜ばせしまうかも。
それなら、逆に身の回りの人が一人ずつ雌猫の前から離れていってしまって、最後にひとり残された状態で心細く、
誰にも見取られずに冷酷に殺せばいいのかもしれない。
あははは、お兄ちゃんが満面に笑みをたたえて喜んでくれる光景が今にも浮かんでくるよ。
あははははははははは、うれしいなあ。そんなにお兄ちゃんになでなでされたら恥ずかしくて困っちゃうよ。
でも、本当に私が…なでて欲しいのは頭だけじゃないんだよ………
それにしても、私がお兄ちゃんの心を読めればいいのに。
そうすれば、どうやってお兄ちゃんを解放すれば一番喜ぶか、どうすればお兄ちゃんの中の雌猫の記憶を消し去ってあげることができるのか、
それに…どうやったら、お兄ちゃんをあの雌猫以上に気持ちよくしてあげられるのか、今私が知りたいことがはっきりと解るのに……
お兄ちゃん、それでも私、がんばるからね。



452 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/06/19(火) 01:04:18 ID:XIqcMfzc
翌日、私は三日の間休んでいた学校へ久しぶりに行くことになった。
自転車は例の事故で使い物にならなかったが、新しい自転車を用意したのでその車輪を転がしながら学校に向かう。
不幸な事故だったけれど、自転車で学校に行く、という彼と私の共有の習慣になりつつあった自転車通学をやめようとは思わないし、
松本君がトラウマに感じることなく、再びそうすることを望むなら、また一緒に学校にいきたいとも思う。
松本君が昏睡状態を脱したことによって、こなす仕事の量は必然的に減ってしまったのだが、その手持ち無沙汰で学校に行くのではない。
それは松本君の居ない学校など行くことに意義があるなどと思わない私にとっては至極当たり前。
しかし、松本君は欠席することで私に迷惑をかける事と、早く日常生活に戻りたいという理由から、私には学校に行くように勧めてくれたため、
いったん彼の元を離れることにした。
松本君は自分のほうがよっぽどひどい状況にもかかわらず、私の心配をしてくれて、優しさが身にしみる反面、
逆に彼のことが心配になってくる。気を遣いすぎる事で治りが悪くなったりしないかと思ってしまう。


453 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/06/19(火) 01:05:52 ID:XIqcMfzc
学校まであまり距離がないので、いつも通りに松本君の家の前まで来てから、学校に向かうというルート選択をしたのだが、
いつも傍にいる松本君がいないだけで本当につまらなく寂寞(せきばく)としたものに感じられてしまう。
彼と話しながら学校に行く、という何気ないコミュニケーションからも、私が彼に助けられているということがわかる。
その寂しさを同じものを松本君にもはめた、光を反射して輝く、銀色のリングで紛らわしながら、足を動かした。

授業が始まると、無味乾燥とした英語の授業を淡々と聞き、指名された時は問題をそつのないようにこなしていった。
いつもならば、隣に座っている松本君が眠りそうになるのを注意してあげたり、苦手な問題でああでもないこうでもない、
などともがいている松本君を観察したり、微妙な表情の変化から考えていることを想像してみたりなどと、彼と話すようになる前からしていたことや、
直接に話をしたりすることで時間を有効に活用することができた。
でも、今はそうはいかないので、昨日の事をいろいろと思い出して、いまだ覚めやらぬ余韻に酔いしれながら時間を潰すことにした。



454 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/06/19(火) 01:06:53 ID:XIqcMfzc
時間が通常よりも数倍もはるかに長く感じられた午前中の授業を終え、食堂にやってきた。
自分で作ったサンドイッチを一つ、落ち着いた風合いのランチボックスから取り出し、少しずつ食べて始めた。
サンドイッチをゆっくりと咀嚼していると、松本君の事故について話をしている人たちがいたので、耳をそばだててそれを聞いた。
声から察するにどうやら、うちのクラスの男子の何人かが松本君の話をしているようだ。

「何でも、松本は土手から転がり落ちたらしいぜ。」
「ああ、確かに俺もそんな事を聞いた。しかも、自転車の破損が原因らしいが、バラバラになった自転車が直撃したらしい。」
「それがひどかったらしくて、内臓にダメージがかなりあったらしい。」
「それで、奴は緊急手術をする事になったんだな。」
「すぐに病院へ運ばれて、しかも手術を安全に受けたらしい。普通、あんな土手じゃ、誰も気づかないはずなのに、どれだけ運がいいんだよ、あいつ。」

「ああ、お前知らなかったのか?あれは一緒にデートしてたうちのクラスの北方さんが松本のために救急車を呼んだんだぜ。」
「ええ、デート?あの北方さんが松本と?信じられねぇな。非社交的な北方さんが松本と、か。」
「まあな、だが、うわさで聞いたから信憑性はないんだが、ただ北方さんが救急車呼んで、運が良かったな、だけではすまないようだぜ。というのも、
この事件には裏があるようで…」
「え…、事件の裏だって?細かく話してくれよ。」


455 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/06/19(火) 01:08:25 ID:XIqcMfzc
それから彼らは、情報をどこから仕入れてきたのか、事件の裏として、自転車の破損が不自然であることを話していた。
少しすると、私の聞き覚えのない、かすれ気味の声の女子が話に入ってきた。
彼女は小さい声で話したり、耳打ちしながら話したりとまるで私を憚っているような感じであった。
どこの誰だかはわずかながら聞こえた、話している内容からは特定できなかったが、彼女が私に何らかの悪意を持っていることは察することができた。

「…だから、自分の…に細工して……を………怪我さ……」
おそらく、松本君が乗っていた電気自転車は私のものだから、私が彼に意図的に怪我を負わせた、とかそんな意味のない事を言っているだけなのだろう。
そんなことを一々、気にしても詮無いことなので聞かなかったことにする。
しかし、それが不愉快なことには違いない。
サンドイッチとサラダを食べ終わり、私はあまり飲まないのだが、和食でないから、という理由で水筒に入れて持参した、
澄んだ紅色の紅茶をカップに静かに注ぐ。
この紅茶のかぐわしい香りには精神を安定させる効果がある、と何かの本で読んだことがある。
松本君について話している不穏な連中を横目で見ながら、紅茶に口をつける。
水筒に保温能力があるといっても、限界があるため、やや味は劣ってしまうのは仕方ない。
しかし、それが問題にならないくらい苦みが強い紅茶がそこにはあった。あまり味を見極められる方ではないが、今日は紅茶を淹れる時点でかなり失敗したようだ。
松本君の好きなケーキと一緒に振舞ってあげられるように、もう少し練習しなくては。


456 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/06/19(火) 01:09:52 ID:XIqcMfzc
松本君の話をしていた連中が食堂を出て行った後も、私はすこしのんびりと食堂で過ごしていたが、
突如トントンと、肩を指で二回ばかり軽く叩かれた。
私に好き好んで話してくるような人はそうそういないので少しびっくりしたが、すぐに振り返り、肩を叩いた人の方へと向き直る。
すると、そこには少しおびえているのか、緊張しているのか、どちらともつかない表情で肩を微動させている小さな女の子がいた。
背丈はかなり低く、小学生低学年であると聞いても驚かないほど。
相手が私を呼んだにもかかわらず、なかなか話を切り出さずにもじもじしたままだったので、もどかしく感じられた。
「あなた、私に何か用があるのよね?」
はっきりとそれと解る頷きは肯定の意と取ってよいのだろう。
「それなら、何かしら?」
「…あの、…いくつか…この前の事故について伺いたいのですが、……松本先輩の乗っていた自転車は北方先輩の物ですか?」
「ええ、そうよ。けれど、これを見てくれるかしら?」

457 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/06/19(火) 01:10:52 ID:XIqcMfzc
またしても事故の内容だったので、この前に松本君にも見せてあげた事故の調査資料を見せてあげた。
彼女を観察しながら、食べ終わったランチボックスや水筒を片付ける。
彼女は妙に神妙な手つきでそれを受け取ると、内容を恐る恐る確認し始めた。
内容を読んでいく内に彼女が目を白黒させているのが解った。
彼女は私に蚤取り眼で自分が観察されていることに気づいて、途中、大げさに肩が跳ね上がった。
「な、な、な、何ですか?」
「あなた、さっきから怯えているみたいだけど、どうしたのかしら?」
「い、いいえ。別に怯えてなんて…」
そう、否定したがその釈明の仕方そのものが、その釈明が正しくないことを雄弁に語っていた。
彼女のことがやはり不審に思えたので、指の動き一つまでも見逃さないくらいのつもりで、観察することにした。
彼女と目が何回か合ったが、すぐに彼女のほうから、隠すことなく怯えながら、目を背けた。
「あなた、失礼ね。私はその資料をあなたに提示している。そしてあなたはそれを見せてもらっている立場なのに、そんな怯えた態度を取るなんて。」
「…す、すみません。わ、私…この事件で松本先輩が怪我をしたって聞いて、本当にびっくりしました。
それから、北方先輩がその場に居合わせた、とお聞きしたので、いろいろと確認したかっただけです。
決して、失礼な態度を取ろうと思ったわけではありません。」

458 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/06/19(火) 01:12:17 ID:XIqcMfzc
気弱そうな印象を抱いたそれまでの態度からは不似合いに最後の部分を強調して言った。
「それなら、あまり時間ないけれども、何か確認したいことは?少しなら答えるわ。」
「…いえ、あらかた確認したいことは確認できたので。」
「そう。それなら、私は失礼させていただくわ。」
「…あ、あ、…待ってください。あの、お手紙を先輩に渡すように、って友達から言われているんです。」
そういいながら、まるで小学生が背負っているランドセルに近い感じにデザインされている、小ぶりのバックから何も書かれていない、封がされた茶封筒を取り出した。
「あの…、これ…です。」
「そう、誰からかしら?」
視線を手渡された茶封筒から元に戻し、そう尋ねるとさっきまでそこに居たはずの名前を知らないあの子はいなくなっていた。
バックの中に入っている文房具入れから、はさみを取り出し、中の手紙を切らないように封筒の端を切った。
その中に入っていたものは松本理沙からの手紙で、白無地の便箋には放課後に屋上に来るように、と小さく走り書きされた文字で記されていた。


459 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/19(火) 01:13:16 ID:XIqcMfzc
投下終了です。
では、また。

460 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/19(火) 01:20:07 ID:CERjnxHs
南斗水鳥乙拳

461 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/19(火) 10:51:26 ID:oBWhtsEF
投下乙です。
毎回面白く読ませてもらってます。

物語が進むごとに着々と北方さんに死亡フラグがたってますが、
どうか死なないでほしいなあとファンとして思いますが
このスレのファンとしては殺したほうが面白くなるかなとかよくわからない感情になってます。

462 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/19(火) 12:34:13 ID:yi4V9ukA
理沙がいい感じに壊れてきて北方さんピンチの予感。
北方さん派としては次回が怖いけどさらに北方さんが病んでくれるかもしれないと思うと(0゚・∀・)ワクワクテカテカ

463 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/19(火) 23:34:07 ID:yMuPOBi7
GJ!

464 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/20(水) 02:46:46 ID:qHDAYoD6
>>461
感想はいいが今後の展開について口出しするな。職人さまに要らん気遣いをさせてしまうだろうが

465 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/20(水) 09:25:26 ID:+Q+/GREo
また痛い人が来たね。

466 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/20(水) 09:49:53 ID:pBWAqGgw
普通に受け流しておけばいいのに
難癖つけじみてる過敏症

467 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/20(水) 14:14:09 ID:G/Rw66IX
指摘厨(笑)
批評厨(笑)

468 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/20(水) 14:22:12 ID:cWmP/BJI
(笑)厨

469 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/20(水) 18:17:26 ID:pBWAqGgw
厨々ロケット

470 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/20(水) 18:23:20 ID:Yg3zeibI
厨厨トレイン

471 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/20(水) 20:26:17 ID:VgjCoKDp
はじめての厨
きみと厨

472 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/20(水) 23:25:23 ID:Q37X2l61
何と言うカオスw

流石はヤンデレスレだぜ!

473 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/20(水) 23:53:13 ID:ShSe5ldB
厨学生日記

474 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/20(水) 23:54:36 ID:Q37X2l61
厨inガム

475 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/21(木) 11:17:58 ID:a4eEugT5
誰かこの流れをぶった切って投下してくれないかな?

476 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/21(木) 14:17:19 ID:/N0TxckE
じゃあどうでも良い話を。
こないだ友人に、今部屋に人が来てるからという理由で電話を一方的に切られたのでその直後に送りつけたメールの内容。

別にですね? 電話が切られて寂しいってわけじゃないんです。
いえ、本当に全く寂しくないかって言われたら寂しいっていうのが本心なんですけど大切なのはそこじゃなくて、私がそう想ってる事を貴方に気付かれて心配かけたくないんです。
だってそうじゃないですか。私は貴方のお荷物にはなりたくないですから。
……でもだからってこんなメールしてる時点で寂しいって貴方には分かるし心配かけてしまうんですよね?
だって貴方は優しいですから。
そんな貴方を好きになったんですから。
そうですよね。貴方に心配かけるくらいなら私なんか死ねば良いんです。
でもそうするとまた貴方に迷惑をかけてしまいます。
――まったく、ままなりませんね?
だからせめてお詫びがしたいんです。
好きにして良いんですよ?
詰っても、殴っても、踏みつけても、慰みものにしても。なんなら全部一緒にっていうのはどうでしょう?
あなたに言葉で責められて、その大きな手を叩きつけられて、家畜のように足蹴にされて、あなたの性奴隷になる。
……ああ、いけませんね? 少し興奮しちゃいました。
でも仕方ないですよ。きっと貴方になら何をされても私は喜ぶんです。
貴方がそばにいれば私は幸せなんです。
ああ――だから。
そばにいてください。はなれないでください。こえをきかせてむしをしないでわたしをみつめていてめをそらさないでこころをつないでこころをとざさないで。
どうして――
ソバニイルノガワタシジャナインデスカ?

当方男で相手方も男ですが何か?


477 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/21(木) 15:26:23 ID:CfHDMqSp
>>476
> 当方男で相手方も男ですが何か?


モッキモッキした俺のオニンニンに謝れ

478 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/06/21(木) 15:42:24 ID:Ok5I6wGg
>>476
ネタだよね?男の友人にこんな痛いメール送るわけないよね。

479 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/21(木) 15:58:18 ID:/N0TxckE
ネタとしてリアルに送りつけたよ。
あっちもヤンデレとか理解してるから大丈夫。勝手知ったる幼なじみだからな。

480 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/21(木) 16:04:59 ID:9v0Te5DR
なんかいろいろ惜しい話だな。

481 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/21(木) 17:36:22 ID:zzq+Yvhs
─┬─┬┬─┬─ ─┬─┬┬─┬─ ─┬─┬┬─┬─ ─┬─┬┬─┬─
└┐  ̄ ┌┘    └┐  ̄ ┌┘    └┐  ̄ ┌┘   .└┐  ̄ ┌┘
│ 女 │       │ た ,│      ..│ ら │      ,│ し .│
│   │       │   │       │   .│      ,│   │
└──┘       └──┘       └──┘     , └──┘




482 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/21(木) 20:41:30 ID:Ol53o0zj
麗鬼キター

483 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/21(木) 20:42:06 ID:VPN+xJZ0
ヤンデル
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1181929370/

484 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/22(金) 00:45:07 ID:GPEUrnCN
ヤンデレ女性キャラ人気投票
ttp://www.vote5.net/anime/htm/1182393478

485 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/06/22(金) 01:22:56 ID:azavkz3I
>>484
言葉様に投票してきました

486 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/22(金) 04:10:19 ID:x6rWgbWl
梓がノミネートされてることに驚いた。
意外と知られているのか?
インパクトは強いが、かなり昔のマンガなんだが。

487 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/22(金) 18:01:40 ID:UcoUuD+2
桜はヤンデレじゃねぇただの欝ビッチだ('A`)

488 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/22(金) 18:02:48 ID:UMrSslci
>>487
ビッチはやめてあげて・・・・

489 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/22(金) 18:13:57 ID:hXL3JXqI
じゃぁアバズレ

490 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/22(金) 18:46:22 ID:8iZhesbo
アレは生活環境とか周囲の外道からの抑圧のせいであって、
主人公を愛するあまりに心が病んだ、というわけではないからな。

でもいいんだ。唯一のきょぬーだから。

491 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/22(金) 20:26:08 ID:L4X12vn+
薬漬にされるようなモンだからなぁ

492 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/22(金) 21:24:17 ID:VSG/qn5K
>>490
依存度など、個々の性格にもよるが基本的に
外圧や環境変化での変化と後はライバルや相手への変化が殆ど
病むってのは当人だけのもんじゃないさ。

SEEDのフレイ・アルスターなんてただの我が侭御嬢様から
父親が死+キラの事情でビッチヤンデレにレベルアップしてるし

493 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/22(金) 21:26:21 ID:74s0rI+b
初心者が間違えやすいけど狂ってるのとヤンデレって違うんだよなぁ…

494 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/22(金) 21:29:45 ID:QoU5/bdl
いやいや。月厨の俺から言わせてもらえば、
桜は薬漬けや蟲責め、肉体改造、義兄からの陵辱その他でも心を閉ざすばかりで壊れなかった。

主人公の一途さや無謀さに惹かれ、そして通常あるべき『普通の生活』を教えられたからこそ病んでいった。
その心の闇につけ入れられて狂ったんだべ。

495 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/22(金) 21:37:08 ID:74s0rI+b
>>494
それって狂ってるとはいわねぇよ
むしろ正式なヤンデレさ

つかFateも月房にはいるのか…

496 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/22(金) 21:42:06 ID:O61sKi6Z
>>494
ていうか、姉と仲良くなってからおかしくなったと思うんだが

497 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/22(金) 21:46:04 ID:iFkhRksZ
主人公を思うあまりってよりは姉を妬むあまりって感じだよな

498 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/22(金) 22:38:36 ID:dvf80XdA
ttp://www.geocities.jp/usyhr/hakoniwa/
何気にヤンデレ。

499 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/22(金) 22:59:25 ID:LWlj9/e7
なんか10000のキリ番踏んだんだが
大丈夫なんだろうな・・・

500 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/22(金) 23:04:46 ID:Ed9ryvrv
最後の穴をクリックしたらビビッタ・・・

501 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/22(金) 23:05:05 ID:LWlj9/e7
違うブラウザで見たらまたキリ番だったからシカトする

502 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/06/22(金) 23:10:17 ID:3QLbj67n
>>498
昔見た時は「恐ぇ…」だけだったが、今見ると物凄く魅力的だな

503 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/22(金) 23:16:12 ID:3QLbj67n
sage忘れた……orz

吊ってくる…

504 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 02:02:02 ID:8tYbHSwu
箱庭とか懐かしいな

505 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 06:29:02 ID:w56GJ9Pm
箱庭?

506 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 07:27:50 ID:7e09/VAR
>>498のこと、あれ初めてみた時おもしろかったな

507 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 12:25:35 ID:WjPPrrjm
2、3年前に箱庭見たときはキリ番踏んじまったって大慌てした記憶がある

508 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 14:08:32 ID:dpQdukQI
天下餅マダー?

509 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/06/23(土) 14:27:34 ID:PZFnWyFu
投下します。
*******

第十五話~遠くに居た知り合い、遠くへ行った恋人~

階段を上がり、上りきったところで自分の部屋の扉を見る。
特に変わった様子は見られない。玄関前に荷物が届いていたり、動物の死骸が置かれたりはしていない。
ただ、俺の方をじっと見ながら無表情で立ち尽くす華がいるだけだ。
ぱっと見では怒っているように見えない。しかしここで安心してはいけないことを俺は知っている。

階段を上るとき以上の重い足取りで歩き、華の前に立つ。
「おにいさんおかえりなさい。――これはさっき言いましたね。
どこに行っていたんですか? 私に一言も告げずに外泊してくるなんて。
私がどれだけ心配していたかわかりますか? わかるわけないですよね。
不安だったんですよ、あの女の屋敷で起こった爆発事件は解決していない。犯人は捕まっていない。
もしかしたら町にでて無差別テロをしたりコンビニ強盗をしているかもしれない、
そうしたらおにいさんの身が危険にさらされる。早く帰ってきて欲しい。
そう思って送ったメールを、おにいさんは無視しましたね? 一体どういうつもりだったんですか」
予想通り、小言の絨毯爆撃を喰らわされた。
心配してくれるのはありがたいがそこまで心配しなくてもいい。……などと今の華に言うと逆効果だ。
だから、俺がしなくてはいけないのは華に謝罪の意思を伝えることだ。
「すまん。メールを返信しなくてもいいかと思っていたんだ。悪かった」
「では、なぜ早く帰ってこなかったんですか?」
「ああ、それは……」
香織と一緒に隣町まで行っていたからなのだが、正直に言わないほうがいいだろう。
多少の真実を含ませてごまかすことにする。

「友達と隣町まで行っていたんだ。帰りのバスに乗り遅れてしまってな。
金はあまり持っていないからタクシーでは帰れなかったんだ」
「なんで、私に連絡してくれないんですか?」
「連絡してどうするんだよ。迎えに来てくれるのか?」
「当たり前でしょう。おにいさんの無事のためなら往復のタクシー代くらい安いものです。
それに、後になって利子をつけて請求することもできますし」
嬉しいことを行ってくれるものだ。最後の一言がなければもっと良かった。

「それで、昨晩はどうしました?」
「ああ、ビジネスホテルに泊まったよ」
「1人で?」
「…………ああ」
つい嘘をついてしまったが、仕方がない。
香織と一晩同じ部屋で過ごしたということがばれたら恐ろしい目に合わされそうだ。
香織の身に危険が及ぶ可能性もある。

「……ちょっと、失礼します」
華は俺に近寄ってくると、左手を掴んだ。そして、鼻をよせると匂いを嗅ぎ始めた。
犬じゃあるまいし、と思ったが真剣な顔を見ているとつっこめない。
華は顔をしかめると、一度顔を離してからもう一度匂いを嗅いだ。
まるで、俺の手の匂いを再確認するように。


510 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/06/23(土) 14:28:29 ID:PZFnWyFu
華は俺の手を離すと、ぽつりと呟いた。
「……嘘を言いましたね、おにいさん」
「何?」
顔を上げた華の目が向けられた。目を吊り上げて俺を睨んでいる。
まさか華のやつ、気づいたのか?手の匂いを嗅いだだけで?
「女性の匂いがします。しかも、この匂いは……どこかで嗅いだことがあります」
冗談だろ?わかるはずがない。……ない、はずだ。
「この匂いは、天野香織さんですね」

華の言葉を聞いて一瞬体が固まった。
驚きの表情を作らないようにするだけで精一杯だった。
なぜ、手の匂いを嗅いだだけで相手までわかるんだ?香織は香水をつけたりしないのに。
「もしかして、さっきまで香織さんといたんじゃないですか?
本当のことを言ってください。今なら、まだ許せます」
いや、待て。いくらなんでも手についた匂いで人物まで判断できるか?
まさか、俺にカマをかけているんじゃないか?
「おにいさん、どうなんですか?」
どうする。もう一度嘘をつくか、本当のことを言うか。
華が俺にカマをかけているのか、そうでないのか、どちらだと思う?

「…………」
考えた結果、俺は。
「すまん、嘘をついた。昨晩は香織と一緒にホテルに泊まったんだ」
包み隠さず、本当のことを言うことにした。

華は俺の言葉を聞くと、目を瞑って息を吐き出した。
「やっぱりそうでしたか……それで、泊まったところはどんなホテルですか」
「普通の、ビジネスホテルだ」
「さっきまで香織さんと一緒にいましたね?」
「ああ」
「香織さんに昨晩、なにかしましたか?」
「……いいや」
これだけは真実だ。抱こうとしたのは事実だが、未遂に終わっている。
返事を聞いた華は、俺の目を覗き込んできた。
「……なるほど、それは嘘ではありませんね。
ですが、一度嘘をついたことは事実です。おにいさん、歯を食いしばってください」
言われるがまま、奥歯を噛み締める。

華の右手から放たれた張り手が、左頬を打った。
強制的に右を向かされて、振りぬかれた華の右手が見えた。
「これで許してあげます。でも、今度嘘をついたときはこれだけじゃ済ませませんからね」
華はそれだけ言うときびすを返し、自分の部屋へと入っていった。

鍵を開けて、自分の部屋に入って、洗面所の鏡を見る。
「うあ……手の形がついてやがる……」
とてもじゃないが、こんな顔を他人にさらすことなどできそうもない。
もしこんな顔でバイトに出ようものなら店長に失態を叱られた上、
レジにやってきた客に奇異の目で見られることは間違いない。
香織に見られたら……どうなるだろうな。
やりすぎだ、と華に怒りをぶつけるか。正直に話さなかった俺を怒るか。
考えても仕方がないか。もとより、見せるつもりもないし。

511 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/06/23(土) 14:29:22 ID:PZFnWyFu
洗面所で顔を洗うと、頬を張られた痛みも引いてきた。
畳の上に座って壁にもたれながらテレビの電源を入れる。
何度かチャンネルを変えてニュース番組を探す。
「……どこも、やってないか」
普通のニュースを報じているところはあったが、どこも目当てのニュースをやっていなかった。

菊川家で発生した爆発事件は一日経っても進展していないようだった。
もしかしたらマスコミに報道規制がしかれているのかもしれない。
というより、その線しか考えられない。
一日経って何ら進展がないのはよくある話だが、一切ニュースで報じないというのは明らかにおかしい。
もしかしたら予想以上にまずいことになっているのかもしれない。
となると、心配になるのがかなこさんのことだ。

彼女については……正直言うと、このまま会えなくなった方がいいと思う。
かなこさんは変わったところはあるけど、いいところのお嬢様だ。
俺みたいなやつに会ったせいで勘違いを起こして、将来をつぶすことはない。
前世のことは、きっとかなこさんの勘違いだ。
仮に前世の繋がりがあったとしても、必ず現世で結ばれなければいけないわけではない。
もちろん、かなこさんのことを俺は嫌っていない。
けれど、俺には香織がいる。俺は香織のことが好きだし、香織も俺のことが好きだと言っていた。
俺は、自分の気持ちに嘘をついていつまでも平気でいられる人間ではない。
だから、かなこさんの気持ちには応えられないんだ。

世の中には俺以上に凄い男はたくさんいる。むしろ、そのような男の方が多いだろう。
俺と付き合ってあまりのつまらなさに失望するより、話の合う男や身分の釣り合う男を
相手にした方がかなこさんは幸せになれる。
こんなことを聞いたらかなこさんは悲しむかもしれない。だが、失恋の悲しみはいつまでも続かないものだ。
きっとかなこさんは立ち直ってくれる。俺はそう確信している。

会うつもりはないにしても、かなこさんの安否はだけは気になる。その件だけは事実が知りたい。
偽善者と言われようがかまわない。気になるものは気になるのだ。
あの時、俺たちが立ち去るとき、かなこさんは床に放置されたままになっていた。
無防備な良家のお嬢様は、犯罪者にとって格好の餌食だろう。
誘拐されるか、もしくは恨みを持った人間であれば――
「……ふう……」
こうして気にしていても仕方がないとはわかっている。
俺が心配のあまり一日飯を食わなかっただけで事態が進展することはありえない。
それでもやはり、どうしても気になって仕方がない。
こんなときはどうすればいいのか。

そういえば、1人だけあてがあった。
あの屋敷に住んでいる人間の知り合いに、十本松がいる。
十本松に聞けば、何かがわかるかもしれない。
昨日連絡がなかったのはどういうわけかはわからないが、あいつは無事だろう。そんな気がする。
十本松は爆発事件があったというのにあっけらかんとしていた。
非常事態だというのに動じないのは変人たる証拠だろう。
あまりに普段と変わらなさ過ぎるのも妙ではあるが。


512 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/06/23(土) 14:30:57 ID:PZFnWyFu
挨拶抜きで、爆発事件についての質問メールを打つ。
事件の被害、犯人が判明したかどうか、かなこさんと十本松の無事。
他にも聞きたいことはあったが、3点に絞って、メールを送る。

寝転がり、天井を見ながらぼんやりしているとメールが着信した。
送信者は十本松。本文は2行程度のものだった。この時点で十本松の無事は確定したな。
「夜になったら雄志君の家に向かう。
そこでいろいろ話を聞かせたり、聞かせてもらったりするよ、ね」
夜か。今は昼の1時だから、まだ時間があるな。
華は今頃大学へ行っているだろう。
今日はすることもないし、ここ数日で変なことばかりあったから出かける気分でもない。
「……寝よ」
枕を頭の下に敷いて、目を閉じる。
昼間の明るさの中でも、頭の奥の睡魔は絶好調のようだった。

・ ・ ・

「――華ちゃん、どいて。ボクは雄志君に会いに来たんだから」
「おにいさんは寝ています。お引取りください」

女の声が目覚まし代わりになったのか、目がしっかり覚めた。
暗くなった部屋の電気を点けて、目を慣れさせてから時計を見る。
7時をとっくに回っていた。どうりで窓の外が暗くなっているわけだ。
「あれ、今電気がついたよね。起きたんじゃないの? おーい、雄志くーん!」
「香織さん、大声を出さないで! 他の住人の迷惑になります!」
2人の声が寝ぼけた脳の中に叩き込まれた。
言い争う声は玄関の向こうから聞こえているようだった。
どちらかと言えば、華の声のほうが耳に障る。贔屓無しで見ても。

玄関を開ける。最初に見えたのは華の後ろ姿。ドアに背を向けて立っている。
華の肩越しに視線を送ると、香織の姿が目に入った。
「よう、香織」
「うん、久しぶりだね、雄志君!」
笑顔全開。喜色満面。途端に上機嫌になる香織。ここまで幸せそうな人の顔はなかなか拝めない。
「久しぶりって、朝会ったばかりだろうに」
「ちょっとでも会えなかったら、それだけでも久しぶりなんだよ」
「そいつはどうも。そんなに会いたがってくれて嬉しいよ」
嫌味のないように言ってみたつもりだったが、香織はしかめっ面になった。


513 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/06/23(土) 14:31:46 ID:PZFnWyFu
「もしかして、ボクに会いたくなかったの……?」
「あー、落ち込むな。会いたかったに決まってるだろ」
「……ホント?」
「本当だとも」
「ホントにホント?」
「こんなくだらない嘘はつかないぞ。俺は」
「うん、そうだよね。雄志君は嘘つかないもん。昔の約束も守ってくれたし」
「……昔? 何か約束してたか?」
「ほら、雄志君がいたずらでボクにコインをぶつけたときのことだよ!」
「ああ、あれか」

この間思い出したのにすっかり忘れていた。
昔俺が香織の額に怪我をさせたあと、香織が「責任をとって」と言ったときのことか。
別にあれは約束でもなかった気がするが。俺は数日前まで覚えてすらいなかったわけだし。
けど、勘違いしているならそれでいいか。変に蒸し返す必要もない。

2月の冷えた空気の中で立ち話はよくない。香織と華を部屋にあげよう。
「2人とも、俺の部屋に――」
「おにいさん、ちょっといいですか」
「なんだ」
「今のやり取りから推測するに、お2人はもしかして……」
「!」
――しまった。

俺が言葉に詰まっていると、華が軽くうつむいた。
後ろに立っている俺からは、華の顔は見えない。
「やはり、そうでしたか。お2人は……」
「あ……ごめん。雄志君、喋っちゃった。あと……ごめんね、華ちゃん」
申し訳なさそうに香織は頭を下げた。
香織は、華の好意が俺に向けられていることに気づいていた。
自分が抜け駆けをしてしまった、と思っているのかもしれない。

華は頭を下げる香織をじっと見つめていたが、やがて口を開いた。
「いいんですよ、香織さん。おにいさんが貴方を選んだのなら、仕方のないことです」
華は頭を下げる香織に向けて、怒気を含まない穏やかな声で言った。
頭を上げた香織は、意外そうな顔をしていた。
俺にとっても、華が簡単に引き下がるということは意外だった。
「でも華ちゃんだって、昔から雄志君のことを」
「私はおにいさんが誰を選んでもいい、そう思っています」
「じゃあ、ボクが付き合ってもいいの?」
「はい」
「あ……ありがと」
香織は遠慮したような笑みを浮かべた。
俺は心の中のつかえがとれたような気がした。
香織と付き合うことになって、華が心を痛めるのではないかと危惧していた。
けれど、それは杞憂だった。華はそんなに弱いやつではなかった。 
思っていた通り、俺がいなくても生きていけるような強い人間になっていた。


514 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/06/23(土) 14:33:15 ID:PZFnWyFu
「では香織さん、どうぞ中へ」
「うん、お邪魔しまーす」
香織は言われるがまま、俺の部屋の玄関を通って中へ入っていった。
残された俺は、いつもの調子を保っている華に話しかけた。
「華、黙っていたことは……」
「お昼に話を聞いたとき、なんとなく気づいてましたから、そのことに関してはいいですよ」
華は俺の顔を見ずにそう言うと、部屋の中へ入っていった。
俺も部屋に入ろうとしたのだが、靴を脱いだ華が背中を向けて立ちはだかっていて入ることができなかった。
「私が許せないのはですね……」
華は振り返って、言葉を続ける。

「私からおにいさんをとったあの女だけですよ」

何か言う前に華に突き飛ばされて、玄関前に放り出された。
ドアが閉まり、鍵のかかる音がした。
ドアノブを回す。やはり開かない。
「いきなり何をする! ここを開けろ!」
白いペンキで塗られた鉄製のドアを手で叩く。
叩く度にうるさい音がしたが、そんなことを気にしている場合ではない。
「開けろ、華!」
「おにいさん、静かに」
声がした方を向く。華が台所の小窓から俺を見ていた。

「近所迷惑ですよ、夕方はみなさん仕事から帰ってきて疲れているはずです。
ゆっくりさせてあげてください」
「……お前、ドアに鍵をかけて何をしようっていうんだ」
「あの女に少しだけお灸をすえてあげます。もう二度と、おにいさんに近づけないように」
華の目が笑っていた。だが、声はものすごく暗かった。
いつまでも聞いていたら、自分が泥の中へ引きずり込まれてしまいそうな声。
笑っている目と暗い声のギャップが激しくて、今見ているものが何なのかわからなくなりそうだ。

「それじゃ、そこでしばらく待っていてくださいね」
華の声を聞いて、ようやく我にかえった。
この状況、そして今の華は、まずい。香織が危ない。
「香織、逃げろ! 華に近づいたら――」
「10分で済みますから、それまで大人しくしていてください」
華の顔が窓から離れる。続いて小窓が閉め切られた。
これで部屋の中の様子はまったくわからなくなってしまった。
華は一体、何をする気だ?お灸をすえる?
まさか、香織に危害を加えるつもりなのか?
冗談じゃない。ようやく自分の気持ちに気づいたのに、すぐトラブルに見舞われるなんて。
香織を傷つけさせるわけにはいかない。華にそんなことをさせるわけにもいかない。
絶対に止めなければ。


515 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/06/23(土) 14:34:40 ID:PZFnWyFu
だが、どうする。
部屋の中に鍵を置きっぱなしにしているから、玄関をあけることはできない。
ドアは頑丈にできているから壊せそうにない。
部屋の窓から入るのは不可能ではないが、時間がかかりすぎる。
こうなったら、1階の管理人のところに行くしかない。
管理人室へ向かうため、振り向いて一歩踏み出した。
その時だった。数メートル前から俺の方へ向かって歩いてくる十本松を目にしたのは。

「やあこんばんは、雄志君。健やかな夜を過ごしているかな?」
「悪い、今お前の相手をしている場合じゃないんだ」
十本松の脇を走って通り抜けようとしたら、腕を掴まれた。
「何を急いでいるんだい? そんなに生き急いでも寿命は変わらないよ。
死に急ぐというのなら寿命どころか命が磨り減るけれど」
「それどころじゃないんだよ! 早くドアを開けないと香織と華が……」
俺の言葉を聞くと、十本松は表情を変えた。
最初は軽い驚きの表情。その次は嬉しそうな笑顔。
何度か首を縦に振ると、呟いた。
「香織がいるのか、そうか……手間が省けたよ。ではさっそく、邂逅といこうか」

十本松は俺の手を離すと、部屋の玄関へ向かって歩き出した。
部屋の前で立ち止まると、ジャケットの内ポケットに手を入れた。
「雄志君、メールに書いてあった質問のうちのひとつに、今から答えるよ」
「なに?」
昼に送ったメールの答え?
事件の被害、犯人の正体、かなこさんの無事……どれについてだ?

十本松がジャケットから手を出した。
その手に握られているものを見て、俺は自分の口が間抜けに開くのを自覚した。
木製のグリップが十本松の手の中におさまっていた。
鈍い銀色をした砲身が、人差し指の先から、腕を延長するように伸びていた。
昔は似た形をしたものを何度か見たことがある。だが、モデルガンなど偽者にすぎない。
今十本松が握っている回転式拳銃に比べれば、玩具そのものだ。

十本松は、ドアを見つめたまま喋りだした。
「もう少し遊んでいたかったのだけどね……まあ、どんなものでも終わりはくるものさ。
人の関係も、人の命も、日常の平穏も。捲れば変わる。アイスクリームの蓋と同じだ」
十本松は右手に握った拳銃を、ドアノブに向けた。
途端、発砲音と金属音が響く。
1回、2回、3回、4回、5回。最後の6回目の音だけは耳に強く残った。
十本松はハンカチを取り出してドアノブに当て、引いた。
そして拳銃を内ポケットにしまうと、部屋の中へ入っていった。


516 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/06/23(土) 14:36:17 ID:PZFnWyFu
……なんだ、これ。
十本松が、今……拳銃でドアノブを撃って、こじ開けた。
十本松が拳銃を持っていた。なぜ、拳銃を持っているんだ?
拳銃を持ち歩いて撃つのは……まともな筋の人間ではない。
あいつはかなこさんと華の友達で、俺と香織の知り合いで……それだけじゃないのか?
十本松は一体、何者だ?

さっき、質問メールのうちのひとつに答えると十本松は言った。
回答方法は、ドアノブに向けて拳銃を発砲すること。
常軌を逸した、まともではない答え方。そこから導き出される答え。
俺は十本松の正体を察した。どこからともなく、答えがやってきた。
答えを追い払って、もう一度考えても、導き出される答えは変わらない。
信じたくない。俺の身の回りにいる人間が、そうであることなど。
だが、もうごまかすことはできない。
答えは、これだ。

十本松は犯罪者だ。
今の行動は、菊川邸を爆破した犯人を教えるためのもの。
つまりあいつは、自分が爆弾犯だと俺に教えたんだ。

――まずい。
部屋の中には香織と華がいる。さっき十本松は部屋の中に入っていった。
あいつは、もしかしたら2人を目的にしているのかもしれない。
だとしたら、すぐ助けに行かなければ。

左足を踏み出して、地面につく。足が震えて足元がおぼつかない。
おじけづいてるのか、俺は。十本松に怯えているのか。
今は怯えている場合じゃないんだ。
自分の好きな女と、自分にとって大事な幼馴染。
どちらも失うわけにはいかない。
ここで動けなくて、後悔するのは嫌だ。
とにかく守らなくては。どんな方法を用いてでも。
武の心得がなくとも、止め方すらわからなくとも、動かなくては。


517 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/06/23(土) 14:37:50 ID:PZFnWyFu
部屋に向かって駆け出し、中に飛び込む。
そこで見た光景を見て、一瞬思考が停止した。
うなだれた香織が、十本松の腕の中にいた。
華は床に手をついて苦しそうな咳を何度も繰り返していた。
十本松は香織を抱えたまま、俺に背中を向けていた。
まさか、もう――?
悪い考えを追い払うように、頭を振る。
まだだ。まだ全員生きているはずだ。諦めるな。

「十本松!」
自分が今出せる精一杯の声を絞りだして吼える。
ゆっくりと十本松が振り返った。
「……雄志君か。遅かったね。遅すぎるぐらいだよ。もっと早く来ないといけない。
私の目的がもし、2人の命を奪うことだったら……」
十本松が床で咳き込む華を見下ろした。

「2人とも、いくつ命があっても足りなかっただろうね」
「てめえ……」
「そんなに憤らなくてもいいじゃないか。2人とも、まだ息はあるんだから。
……まあ、もし私が命を奪うつもりだったら雄志君がいようといまいと同じことだがね」
「香織を放せ、十本松」
「おや、どうしてかな、それは? 君達はただの友達じゃないのかい?」
「お前には、関係ない」
「それはそうだね。私には関係ないことだ。……だけど」
十本松は気絶した香織の首を掴むと、片手で上に持ち上げた。
香織の表情が苦痛に歪む。

「雄志君のその態度は気に入らないな。
香織を生かすも殺すも、私の気分次第だということがわかっていないのかな?」
「くそったれが……」
「話す気になったかな? なぜ、香織をそこまで気にかけるんだい?」
「……香織は俺の恋人だ。手を出すな、十本松」
「ほう」
俺の答えを聞くと、十本松は香織の首から手を放した。
香織の腰を片手で抱えると、俺に話しかけてくる。
「憤るわけだ。大好きな恋人に暴力を振るわれて、平然としていられる男は変態だ。
つまり雄志君は変態ではないということが証明されたよ。おめでとう」
「……いい加減にしろ。香織を放す気はないのか」
「こういう場合に雄志君がすべき行動はね、私に向かって殴りかかることだよ」

十本松が香織を開放した。気絶していた香織は床に落ちても動かない。
十本松の行動がいちいち癪にさわる。言われるまでもない。殴ってやるさ。
拳を握り締めて十本松に近寄り、殴れる間合いで立ち止まる。
「ふむ……悪くない。感情を暴発させないよう、コントロールしている。まだまだ制御できていないけどね。
自分をコントロールできない人間に、明日はない。私が人生で学んだことの一片だ」
「逃げねえのかよ。鼻の骨が折れても知らねえぞ」
「できないことをいうものじゃないよ、雄志君」


518 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/06/23(土) 14:39:26 ID:PZFnWyFu
拳を固く握り締めて、力任せに右腕を振るう。
十本松の顎を狙った一撃は空を切った。
右足を蹴り上げる。つま先が十本松の胴体に突きささった。
腹を蹴られた勢いで、十本松は後ろに下がった。
「痛いな。さすが若い男。自堕落な生活を送っていようと力だけはあるものだ」
平然とした口調。全力で蹴りを放ったというのに、一度も咳き込まない。
「雄志君、君にとって残念なことを教えてあげるよ。
さっき私は華君の蹴りを受けたのだがね、それも何発も。
君の一撃は、華君の蹴り半分ほどの威力しかないよ」

十本松が近づいてくる。俺の手が届かない位置で止まった。
そして半身をずらすと、突然十本松が回った。
回ったように見えたのは、体を捻ったから。
体を捻ったのは、俺の頭に向けて回し蹴りを放ったからだった。
十本松の蹴りを受けて脳を揺さぶられると同時、えぐられるような痛みが走った。
頭を振りぬかれ、首を強制的に曲げられ、俺は倒れた。
畳が見える。十本松の姿は、俺の目には入っていない。

「今の一撃が、華君の蹴り一発分だよ。どうだったかな。君と、君の従妹の差を思い知ったかい?」
頭が割れる。鼻から下の感覚がなくなったみたいに、体が動かない。
十本松が何か言っていたのはわかったが、頭には入ってこなかった。

「まだ終わりじゃないんだろう? まさか、この程度だとは言わないよね?」
終わり……終わる。俺が終わるのか?
「……返事はなし、か。仕方がないか。
少しは期待していたんだけどね。大昔の君は、とても強かったから。
やはり昔は昔。今は今。前世は前世。その程度のものか」
前世?お前もそれか。かなこさんと同じことを言いやがって。

「関係も少しばかり変わっているしね……。以前は、君が私の父を殺したんだから」
体はまだ動かないくせに、思考だけはまともになってきた。
誰がお前の親父さんを殺したって?
お前が自分で自分の父親を殺してしまったんじゃないのかと疑わしく思えてきたぜ。
ああ、くそ。眠くなってきた。まだ寝るには早い時間だってのに。
今は寝ている場合じゃないっていうのに。
香織と華を逃がさないといけないのに。


519 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/06/23(土) 14:41:57 ID:PZFnWyFu
「それじゃ、さようならだ、雄志君。香織は頂いていくよ。
今日ここに来た目的は、香織をもらっていくためだったんだ」
「……待、て」
必死に声を絞り出したらかすれた声が出てきた。
息を吐くのと大差ない、呟きよりも小さな声だった。
「悪いけど、私は忙しいんだ。私も無職だけど、やることはそれなりにあってね。
まあ、今回の件が最後だからきっちりとやることにするよ」
「待て……香織を、置いてけ……」
かろうじて動くようになった右腕で体を浮き上がらせる。
すぐに背中を踏まれて、床に押し付けられた。

「香織、香織、香織か。想いが報われず、華君も可愛そうに」
華?そうだ、華は?無事なのか?なんで床に伏せていたんだ?
くそったれ、十本松がなにかやりやがったな。
「こん、ちきしょうが……」
呟いた途端、頭を後ろから踏まれた。
十本松の履いている靴が、ぐりぐりと後頭部をにじる。
口と鼻が畳にくっついているせいで、乾いた匂いの混じる空気を吸わされた。
固い靴の感触がなくなったら、今度は左耳を引っ張られた。
耳を頭ごと持ち上げられて、耳の付け根に引きちぎられそうな痛みが走る。

「最後に言っておくよ。
二度と私に近寄るな。近づいたり、目の前に現れたりしたら……殺すからな。遠山雄志」

耳を放されて顔が畳につくと同時に、横っ面に固いものがぶつかった。
次いで、わき腹を思い切り蹴られた。痛みで呼吸が詰まり、頭が朦朧とする。
そのまま自分がどこにいるのか、どうなっているのかもわからなくなり、俺の意識は途切れた。


******
次回へ続きます。

520 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 14:50:12 ID:nA+ApHLF
リアル更新ktkr!!

521 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 16:48:09 ID:Cg72tYWj
>>519
華がどんなお仕置きをするのかとwktkしていたら
まさか十本松が正体出してくるとは
予想外の急展開だ……! GJ!


それにしても雄志ナサケナスw

522 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 20:41:56 ID:w56GJ9Pm
>>519
香織の返り討ちかとwktkしてたら・・・。
GJだけど、寝取られ展開ならヤァダァァァ!!

523 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 21:00:31 ID:m6WcRHFr
雄志が理不尽な目にあいすぎで涙が止まりません(´;ω;`)

524 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 21:30:10 ID:oTgYCi81
>>521
逆に考えるんだ!
ずっと俺のターンで有名な羽蛾戦も最初は王様は情けなさの頂点だったが
最後には顔芸とともにドローモンスターカー(ry

525 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 23:18:43 ID:IWxWd81G
カテジナってこのスレ住人的にはヤンデレなの?
カテジナはかなり好きなキャラだけど、ヤンデレとは違う気がする

526 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 23:32:27 ID:743u6KVw
225 名前: 本当にあった怖い名無し 投稿日: 2007/05/04(金) 15:47:39 ID:O6X1pjZN0
異常に嫉妬深い彼女に別れ話を持ちかけた。
やさしい人だったが妙にネガティブでさびしがり屋だった。
本格的に付き合いだしてはじめて彼女の異常さに気付いた。
俺の携帯がなるたびに誰からなのか何の話だったか執拗に問い詰める。
休日には必ず自分と一緒にいるように強制。
やむをえない仕事などの理由で一緒にいられない特はそれこそ十分おきに連絡が来る。
とにかく俺の行動のすべてを管理したがった。
また自分以外の女性と俺が会話するのを一切認めない。近所の人に挨拶もさせない。
レストランとかでも店員が女性のときは必ず彼女が注文をとった。
仲のよかった姉が急に連絡してこなくなったのも彼女がさまざまな嫌がらせをしていたからだと知った。
さすがにやばいと思って彼女の実家に相談してみたが
「うちの子は前の男にふられてからだんだんおかしくなった。あなたと付き合うようになって(あれでも)だいぶ落ち着いた。
少々変なところもあるがかわいそうだから見逃してほしい」
言外にこれ以上娘がおかしくなるようなことをするな(分かれるな)といってきた。
警察にいる友人にも相談してみたが、警察は色恋沙汰には死人でも出ない限り関わろうとしないらしい。


527 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 23:34:46 ID:743u6KVw
しかしさすがにこれ以上面倒も見切れない。話し合うにも言葉が尽きた。
これ以上一緒にいると俺が狂う。
彼女のマンションに行きできる限り穏やかに遠回りに別れ話を持ち出してみた。
とたんに人とは思えぬ形相でめちゃくちゃに俺につかみかかる彼女。
必死で抑えつつ説得を試みるも執拗に俺の眼球を引っかこうとするさまに恐怖をおぼえ突き飛ばす。
思いっきり転んだ彼女は飛び起きながら台所に走りこむ。
今までに感じたこともない悪寒を覚え彼女が台所にいるうちに靴を残して彼女の部屋を飛び出した。
エレベーターをそわそわしながら待ってると彼女がドアをぶち破るように部屋から出てきた。
裸足で、手には包丁を持っている。それだけ確認して来ないエレベーターを見限り階段に走る。
マンションの階段を転がり落ちるようなスピードで駆け下りるが追いすがる彼女の声を引き離せない。


528 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 00:04:53 ID:UAoyZeYh
こええなぁ

529 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 00:10:55 ID:t3Ntcj0L
一階正面ゲートから駐車場に着くより早く彼女が追いついてくる。
必死で走っている耳に彼女の荒い息が聞こえてくる。
逃げ切れないと判断してぎりぎりまで彼女が追いすがってきたところで急にしゃがみこんで足を払った。
彼女は俺につまづく形で勢いよく顔面からアスファルトに突っ込む。包丁を落としたので柄を蹴って遠くに飛ばした。
彼女が起き上がるより早く自分の車に駆け寄りながらポケットを探りカギを取り出す。
カギを開けてドアを開け中に滑り込むのをほとんど同時にやってのけエンジンをかける。
バックして方向転換、駐車場の外に向かってアクセルを踏もうとしたとき運転席ががばっと開いた。


530 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 00:29:29 ID:ZLcGyOfz
え!?
これで終わり? ウソだろ!

531 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 00:39:36 ID:6mBmQ9sT
koeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!

532 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 00:56:06 ID:HUNWGLvT
ググれば出るよ


533 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 01:44:46 ID:LID4C3mQ
いや、普通に萌えてしまったんだが…

534 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 05:38:43 ID:Kn9CN5Es
その筋(ヤンデレ好き)には有名な話だな

535 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 11:16:20 ID:B76FImRk
>>525
う~ん・・・・
俺もカテジナはヤンデレとはなぁ・・・・・

536 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 14:18:15 ID:r8NneNSv
カテ公はヤンデレじゃないと思う。

537 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 16:12:21 ID:ZLcGyOfz
ヤンデレってないからな。
クロノクルにはデレてたみたいだけど、ウッソには悪感情ぶつけてただけだし。
ありゃただの病気女だ。

538 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 17:06:52 ID:HDnkVtvf
一昔前、ツンデレという言葉が流行りだしたころ、こんなレスがあったんだ

「芝村舞はツンデレだろうか?」
「何いってんだ、芝村は芝村だろう」

俺は感動でうちふるえたね

539 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 17:11:47 ID:hlknzTtj
芝村舞ってどなた?

540 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 18:22:43 ID:JRdTj80V
>>539
愛の伝道師で、刀を携えた袴姿のゴーグル常備、筋肉質で帽子をいつも目深に被り車椅子で移動、靴下を集めていてタライがしょっちゅう頭に当たるオカルトチックな外人ハーフの守銭奴、実は成長を止められている幼女で本名はブータ

541 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 19:00:34 ID:hlknzTtj
>>540
すごすぎてよくわからんw
ゲームのキャラ…だよな?

542 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 19:04:07 ID:VQbqwY4B
アニメ版Giftのアナザーはいろんな意味でヒロイン脇役3人組みが病んでいた・・
アレもヤンデレの一種だな

543 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 19:09:22 ID:Ia8wQIcu
>>541
つttp://www.google.co.jp/

544 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 19:19:53 ID:xMrcpwUA
>>538
ラフィール様のガチパクリじゃんか

545 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 19:50:07 ID:4UpFTY9Y
>>544
ラフィールとは全然違う
芝村は芝村を“やっている”んだ


546 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 21:08:42 ID:kJcG9Vpf
良く知らん者には全然解らないと思うが
「芝村」と言うのは一種の思想であり、主義であり、倫理観である。
「弱者救済」「滅私奉公」「自分達は芝村であると言う自意識」の宗教でもあり
それを政治や軍行動に持ち込んだりする集団の総称。

特徴はゲームなどのフィクションでは苗字に「芝村」を名乗るのと
「芝村的な行動と結果」を残す。誰も見て無くても記録に残らなくてもやる。
それぞれ個々の思想で千差万別だが、元は現実世界に「芝村」と言う思想の元を作った
同じ苗字のゲームプランナーがおり、それを共感したり自ら「芝村化」するファンも現実に数人居る。

普通に「芝村と言う規格」にカテゴリーで篩を落とすと自然と為ってる人間が多いので
基準は曖昧だし、「芝村」してる人が芝村ではないと言う事も多々ある。
芝村は「芝村」である事を強要しない、基本的に自己申告制と登録制みたいなもんで
朝鮮人認定とは違い、勝手に芝村にはしない。

ま、砕けて言えば、ドジっ子、高飛車、ツンデレ、天然、電波
コミュニズム、ナチズム、ファシズム、キリスト教、仏教、武士道、騎士道ってのと一緒で
「芝村」ってカ区分けがあるのよ。性格や人物の形容の一つ。
具体的に言うなら「傲慢に見られがちだが現実的な実力主義の元、弱者を救済する滅私奉公の不屈の思想」
って感じかね。

故に芝村舞は「ツンデレ」であり、「ファッショ」であり、「ポニテ」であり、「釣り目」であり、「芝村」である。

547 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 21:13:09 ID:DcN1WKEV
ああいう設定として万能の天才で美人っていうキャラはどうにも好かん

548 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 21:39:32 ID:LID4C3mQ
>>546
芝村が何かはわからんが、お前がキモいことは分かった

549 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 21:46:05 ID:PNBMpM4D
>>546
俺は変態
まで読んだ

550 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 21:54:14 ID:kJcG9Vpf
>>547
ああ、芝村は天才じゃないよ。
同じ世代は遺伝子操作で肉体強化してるが芝村舞は「素の努力」でああなってるから。
日常生活や一般常識を欠乏するほど、努力をした結果がアレであって
ある意味努力の天才(変人)ではあるけど、得意なことに関して
滅茶苦茶時間を掛けさせられただけ。
小説でその内容や裏話は出たが幽々白書やH×Hの修行訓練より酷いぞ。


>>548
言われてんでもレス打っててコレはキモイと思ってるよ。
俺自身も芝村ある種キモイし、それを説明してる俺もキモイなぁっとは実感しておる。
ただ、「芝村」と言う思想が「病的」であり「病んでる」と認識されると
自動的に芝村舞もヤンデレになるんだよなorz

まぁ、行動として相手に盗聴器を仕掛けたり恋敵を抹殺も辞さないし
「相手は自分と恋仲になるべきである」と思う節もあり、条件は満たしてるがなw

 

最終更新:2009年01月13日 13:58