551 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/02(木) 01:07:36 ID:RGmejfhr
第18話、投下します。

552 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/02(木) 01:09:29 ID:RGmejfhr
第十八話~事の歯車~

菊川邸の地下にある、第448地下室。
俺は今、そこに向かっている。ナイフと、拳銃をポケットに入れたまま。
室田さんの誘導に従って、屋敷のロビーに向かい、二階へ向かう階段の裏にあるドアを開ける。
そこに、地下へ続く階段があった。
おそらく、十本松と香織とかなこさんがこの階段を下りた先にいる。
壁に手をつき、暗い階段を下っていく。明かりはない。運の悪いことに携帯電話の充電まで切れている。
下りていくにしたがって、1階から差し込んでくる光が弱くなる。
踏み出した足がちゃんと地面についているのか疑わしい。

第448地下室と十本松は言っていたが、実際は菊川邸の中には448も地下室はなく、2つしか存在しない。
448地下室というのは、ただ十本松がその地下室のことをそう呼んでいるからそんな名前になっているだけ。
俺が今から向かっている地下室は、十本松がこの屋敷に住み込んでから作られたものだという。
もう一つの地下室は、室田さんがこの屋敷に住み始める以前からあったそうだ。
当主の言いつけで、長年菊川家に仕えてきた室田さんも下りたことがない地下室。
何があるのかはわからない。そもそも地下室があるのかどうかすらよくわからない。
この屋敷の地下へ向かう階段の先は、謎に包まれている。

室田さんから教えてもらった情報は、十本松が448地下室に頻繁に通っていたという事実のみ。
十本松は屋敷に帰ってきたら、何をするよりも先に地下室へ下りる。
そして、毎日1時間地下室から出てこない。時には、翌朝になるまで1階に上がってこない。
何をやっていたのかを聞いた者はいない。聞こうとする者もいない。
十本松は屋敷の使用人を全て自分の息のかかった者にしたらしいから、当然だろう。

暗い視界の中、手探りでポケットからナイフを取り出し、鞘を掴む。
刃は抜かない。抜いたところで、振り回すくらいしか使い方が思い浮かばない。
脅しの道具に使うのが精一杯だ。
上着の内ポケットの中に入っている拳銃には手をかけない。 
さっきは銃口を華に向けてしまったが、あのとき、スライドは引いていなかった。
スライドを引かなければ、オートマチックの拳銃に弾丸はセットされない。
俺はそんなことすら忘れていた。
俺の手には余る武器だ。
この銃は俺には撃てない。
せいぜい、恐怖を少しだけ紛らわせるくらいの効果しかもたらさない。
それでも、持っていないよりはだいぶ気分が楽になる。
相手は、堂々とアパートの前で拳銃を発砲し、俺を気絶させたうえ、香織をさらっていくような女だ。
さらに、菊川家の当主まで爆死させたときている。
そんな奴が俺に襲い掛かってきたとして、俺が生き残れるかというと……正直、無理そうだ。
成す術もなく、殺されてしまうだろう。
だけど、引き返そうと思わないのはなぜなのか。
なんだか、現実感が無い、今置かれている状況が嘘っぽい、そんな感じがする。
自分がこれから殺されるかもしれないとは理解している。
極度の緊張感にみまわれると、人はこうなってしまうものなのだろうか。


553 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/02(木) 01:11:55 ID:RGmejfhr
黒そのものの視界の中に、わずかな光が差してきた。
長方形の四角い光が、階段の下の方から足元を照らしてきた。
わずかな光を頼りに、壁に手をつきながら階段を一歩一歩下りる。
階段を下りきったその先にあった光は、ドアのすき間から漏れてきていた。
ドアのすき間から漏れているのは、光だけではなく、匂いもそうだった。
砂糖を大量に鍋の中に注ぎ、さらにチョコレートを流し込み、思いっきり煮詰めて焦げ付かせて、
その上に蜂蜜を大量にかけてかき混ぜているような、そんな感じの想像が浮かぶ、甘ったるい匂いだった。
ドアのすき間からの匂いでここまで甘いのだから、中はどれほどひどい匂いがするのだろう。
思わず、ドアを開ける手を引っ込めてしまう。

そのときだった。
目の前で、がちゃり、という音がしたのは。
呼吸を止める。体の動きも止める。
ここにきたことを勘付かれたのか? いや、勘付いていなければドアの鍵を開けたりはしないだろう。
視界が悪く、隠れる場所のないドアの手前で、待つ。
あの忌々しい、男女の声が聞こえてくるまで。

「入ってきたまえ、雄志君」
待っていた相手の声が聞こえてきた。
ここ最近で聞きなれた声ではあるけど、やはり女声で、下手な演技をしたような低音だ。
ドアを蹴破って入ろうかと思った。が、無意味だということに気づいた。
冷たいドアノブを捻る。奥に押していくと、音も無くドアは開いた。

ドアを開けたその先にいたのは、十本松あすかだった。
部屋は薄暗くて、壁の辺りまではよく見えない。
部屋の真ん中に立つ十本松の上に小さな電球があって、その下だけが照らし出されている。
ここまでは予想していた光景の通り――だったのだが。
「お前……十本松か?」
そこにいたのは、俺が知る、スーツにオールバックのいでたちをした十本松あすかではなかった。
白いハイネックのセーターに、グレーのロングスカート。足元には黒いブーツ。
一言で言うと、女らしい。冬の街ならどこにでもいそうな感じだ。
普段ジャケットとシャツに押し込められていたのか、セーターの胸元が押し上げられ、双丘ができている。
オールバックにしていた髪を下ろしているせいで、さらに女らしく見える。
おまけに化粧までしているのか、アイラインがはっきりとしていて、肌は白くてまっさらだった。
明らかに、俺の知っている十本松あすかとは違っていた。
感想を述べるなら――可愛い。
不愉快にもそう思った。

「呆然としているね。そんなに魅力的かな? 私のこの姿は」
「…………そんなわけないだろ」
「今、返事するまで一回深呼吸をするほどの間があったね。
なるほど。異性から見て、やはり私は魅力的な容姿をしているということが証明されたな」
十本松は両手を広げ、くるりとターンした。短い髪とロングスカートがふわりと浮かぶ。
カツン、という音が地下室に静かに響く。
「ふふふ……あはは……ああ、嬉しい。嬉しいよ、雄志君」
「俺に褒められたら、嬉しいってのか?」
「君に褒められるのが嬉しいわけじゃないよ。君という異性が私のことを可愛いと思ったということは、
父も、私を可愛いと思っている可能性があるわけだ」


554 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/02(木) 01:12:55 ID:RGmejfhr
父親だと? 十本松の親父さんは、死んだはずだろ?
まさか、生きているってのか?
「――聞こえる? お父さん。私、可愛いんだって」
薄く笑いながら、十本松は天井を見上げた。
天井は暗い。なにかしみのようなものは見えるが、詳しくはわからない。
「お父さんも、今の私を見たら可愛いって言ってくれる? 言ってくれるよ、絶対そうだよ。
それとも――綺麗だって、言う? 抱きたいって、言う?」

十本松の様子がおかしい。
普段のおかしさとはまるっきり違う。
喋り方が違うとか、服装が違っているとか、そんな違和感ではこの感覚は説明できない。
俺の感覚で例えるなら、十本松は空中に浮かんでいるようだった。
暗い部屋の中でくるくる回り、倒れるとみせかけて軽く踏み出した足で跳ね、また回る。
ふらふら、ひらひら、という感じで流れるように踊りまわる。
「お父さん、お父さん、お父さん――義也さん、だぁい好き」
くるくると回って、部屋の真ん中、電球の真下に戻る。
そして、十本松は右手を頭上に高く上げた。

パチン。
十本松の指が、小気味いい音を立てた。
途端、パッと部屋中が明るくなる。
明かりは隅々まで地下室の中を照らし出した。さまざまな方角から照明が光を放ち、影を消滅させる。
眩しさに閉じたまぶたを薄く開き、部屋の中を確認する。
――そこには、大量の男の顔があった。

天井、奥の壁、左右の壁、振り返って見た後ろの壁、天井、唯一の例外である床以外の全てに男の顔が浮かんでいた。
壁中貼りつき、びっしりと隙間を作ることなく、男は俺と十本松を取り囲んでいた。
男は、肖像画や引き伸ばされた写真の中で、さまざまな表情を見せていた。
あまりに種類が多すぎて、数えることができそうにない。
気持ち悪い。落ち着かない。透視されている気分だ。
「義也さん。今日も、とっても素敵……そんなに、見つめないで」
よく見ると、部屋の壁を取り囲んでいる男は、一点をじっと見ていた。
写真の目が動いているわけではない。男の視線が、部屋の一箇所に集中しているのだ。
恥ずかしそうに、部屋の中央で身をよじる十本松に向けて。

「恥ずかしいです。そんなに見られたら、私、また……体が熱くなって……」
十本松は肩を抱いて、首を伏せた。
顔が赤くなっている。この分だと、言ったとおりに体も熱くなっているのかもしれない。
「義也さん。早く、会いたい。――うん、待ってて。もうすぐ、会いに行くから」
十本松は以前、父親に欲情していた、と言っていた。その言葉は嘘ではなかった。
今の十本松は、惚れた男の前で恥らう女そのものだ。

だが、どうしようもなく、異常ではある。
人前で、死んでしまっている人間に向けて、生きているように話しかけ、恥じらいを見せる。
死んでしまった家族の位牌や形見に話しかけるものとは、明らかに種類が違う。
十本松は、父親の写真だらけの部屋の中にいることで、満たされなかった父親のぬくもりを満たしているのか?
それとも――父親がまだ生きていると、本気で思っているのか?


555 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/02(木) 01:14:27 ID:RGmejfhr
「さて、雄志君」
普段どおりの喋りになった十本松が、声をかけてきた。
「なんだよ」
「羨ましかったかな?」
俺は目をしばたたかせた。
「何に?」
「私の父に」
「なぜ、俺がお前の親父さんを羨ましく思わなければいかん」
「死んだ父に話しかける私を見て、君が父のことを羨ましがるのではないかと」
「それはない。俺はお前に好かれてもちっとも嬉しくないからな」
できれば、接点すら持ちたくなかった。
こいつと出会っていいことなんか一つもなかったんだ。

「それは残念。昔の君はあんなに、私に好かれようと必死だったのに」
「いつの昔だ。俺はお前に好かれる努力をしたことはないぞ」
「わからないのかい? さっきも電話であれだけのヒントをあげたのに」
「なんについてのヒントだよ」
「わからないのか? それとも、わざととぼけているのか? 前世の君についてのヒントをたっぷりあげただろ」
また前世かよ。
こいつといい、かなこさんといい、どうしてこうも電波系の台詞ばかり口にする。
「前世なんかあるわけないだろ、馬鹿馬鹿しい」
「まだそんなことを言っていられるとは……もしかして、と思っていたが、本当に何も覚えていないらしいね」
「お生憎様。生活に必要じゃない知識は端から削除していってるんだ」
「やれやれ。かなこが処女を捨ててまで説得に臨んだ夜は、無駄だったというわけか」

なんでここでかなこさんの名前が――いや、処女? 説得? 夜?
処女と夜の2つからすぐに連想できるキーワードというと、セックスだ。
確かに、この屋敷で爆発事件が起こる前夜、俺はかなこさんに縛り付けられて、犯された。
俺とかなこさんが一緒にいた夜のことを言っているんだとしたら、もしかして。
「……知っているのか?」
「いい声で啼くんだね、2人とも。特にかなこの達した瞬間の声は、素晴らしかった。
背筋にぞくぞくとしたものが突き抜けるのを感じたよ」
「盗聴かよ。この変態が」
「普段は盗聴器などしかけていないよ。あのパーティの夜だけだ。
あの時、君とかなこを2人きりにしたのは、ああするためだった。
雄志君を部屋に連れ込めば、必ずかなこは君をレイプするだろうと、わかっていたからね」
こいつ、かなこさんが俺のことを好きだとわかっていて、どう動くかもわかっていて、行動していたのか。
十本松は、全てを計算している。その上で動いている。
ということは、無意味なことはしないはずだ。
俺とかなこさんを接触させたのも、香織とかなこさんを誘拐したのも、何か理由がある。

「雄志君とかなこをセックスさせれば、君の記憶が全て戻るかも、と思っていたのだけど。
ひと欠片も戻っていないとなると、事は簡単に運びそうにないな。さて、どうしようか」
十本松は腕を組み、右手で顎に手を添えるポーズをとった。
久しぶりに見る気がする、十本松のホームポジション。
女装をしていてもやはり中身は変わっていないらしい。


556 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/02(木) 01:15:50 ID:RGmejfhr
十本松はなにやら考えている。
飛び掛って取り押さえるなら、今がチャンスだ。
しかし、問題は距離だ。一足飛びにたどり着けるほど近くに十本松は立っていない。
ナイフを投げて、ひるんだ隙に飛び掛るか?
それとも、拳銃で足を撃つか?
どっちにしても、成功率は低い。少し間違えば返り討ちだ。
せめて、もう少し近ければ。
「ああ、そうだ」
閃いたように、十本松が顔を上げた。そして、俺の方へ向かって歩いてくる。
俺は一歩後ろに下がる。
「なにも逃げなくても。私は君の答えを聞きにきただけだよ」
「答えだと……さっきのクイズの答えか?」
「うむ。答えは見つかったかな?私が武士、私の父が姫だとしたら、雄志君の役とかなこの役はなにか?
かなこの役はなんとかわかったとしても、君の役はちょっと難しいから、まだわかっていないかな?」
どっちもわかっちゃいねえよ、くそったれ。

考えろ、俺。
性別は無視しろ。十本松親子でそれはひっくり返っているんだ。
姫、つまり十本松の父親。
彼を殺したのは、室田さんの話によると、香織の父親とかなこさんの父親。
父親2人が、一冊目の本でいうところの刺客の2人。今2人とも、死亡している。
殺された父親。その父親の仇をとる娘。殺された父親2人の娘というと――――あ!
「かなこさんの役は、最終的に武士を殺してしまう、刺客の娘だ」
これが正解だとすれば、香織もその役になってしまうけど。
「どうだ?」
十本松に問いかける。

問いかけた途端、十本松が両手を叩いて、拍手をした。
「ほうほう! 本当に冴えているね雄志君! もしかして君は地下室では頭脳が冴えるタイプかな?」
「ボケ。俺は普段からこうだ」
「いやははは。君が私の期待を裏切らない程度の脳みそを持ち合わせていると知れて嬉しいよ。
今日は嬉しいことがいろいろ起こるな。明日はハットトリックかな?」

十本松はしばらく拍手を続け、少しずつ音を小さくしていき、最後は拍手を止めた。
「さあて。残るは一つ、雄志君の役だけだ。果たして君にわかるかな?」
わかんねえよ。
俺は香織とは付き合いをしているが、かなこさんと十本松とは付き合いが浅い。
3人の父親となると、まったく付き合いがないんだ。
あの本に登場していて、今のところまだ割り当てられていない役は――武士の、元恋人しかいない。 
物語で語られない部分、最後の最後で刺客の娘を殺す役しかもう残っていない。
「おや、わかったかな?」
いやいやいやいや、待て。
そうだとすると、俺は武士の恋人、イコール十本松の恋人ってことになるぞ?
ありえない。そんな事実はない。俺の恋人は香織だけだ。
けど、余っている役は元恋人の役しかない。
俺が武士の元恋人役になるなら、全ての役が埋まってしまう。
まさか、本当に、そうなのか――?


557 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/02(木) 01:17:42 ID:RGmejfhr
答えてもいいのか?
現実と照らし合わせても、俺が十本松と恋人であった事実などないのに。
待てよ、これはもしや。
「わかったよ、十本松」
「して、答えは?」
「これは引っ掛け問題だ」
「……ほう」
「本当は俺の役なんかない。残されているのは、武士の元恋人だけ。
俺とお前が恋人だった事実なんか、過去を探ってもでてこない。
ということは、これは引っ掛け問題としか、考えられない」
この推理に破綻はない。
極めて慎重に選んだ結果が、この答えだ。

十本松からの反応を待つ。
こいつは、俺の答えが正解だと言うしかない。
俺が、十本松が殺されたことに怒ることなど、ありえない。
俺の役はあの本の筋書きの中には無い。

「まさか、そう答えてくるとは……予想通りと言えば、そうではあったけど」
「さっきの答えであってるんだろ? どうなんだ?」
次の瞬間、地下室に笑い声が反響した。
十本松が、口を大きく開けて、両手を広げて天を仰ぎながら、笑っていた。
この笑いはどういう意味だ。
正解を当てられて笑っているのか?
それとも、間違っているという意味か?

「――っははは! 残念、ざーんねーん! 間違っていて、おまけにとてもつまらない回答だ!」
なんだと!?
そんな、馬鹿な!
「君が否定した答え、それこそが正解だ! 君の役は、私が殺されて逆上し、刺客の娘を殺してしまう役だよ!」
「嘘をつけ! 俺がお前の恋人だったことなんかない!」
「君の無知が、無理解が! 君にそう思わせているだけだ!」
「こんのっ……」
「ははははっ、君と私が無関係? 関係をもたなかった? よく思い出したまえよ、前世のことを」
「前世なんざどうでもいい! わかるように説明しろ!」

「雄志君はかなこから聞いているだろう。君の前世が一体、なんだったかを」
俺の前世は、かなこさんが言うには――武士の役だ。
「君は姫、かなこを殺されて復讐を誓った。かなこを殺した刺客の男――私の父を殺そうと思った」
かなこさんは姫様の役。
そして姫様を殺した刺客は、十本松の父親だった?
本の筋書きでは、武士は仇を討つために刺客の娘に近づいていた。
じゃあ、刺客の娘は。
「そのために、父に近づいた。父に気に入られるために、娘である私を惚れさせてね!」
俺は、前世で十本松を恋人にしていた……?
嘘だろ。ということは。

「昔、といっても大昔ではあるけど。君は私の恋人だった。君が前世を思い出していれば、わかったのにね」


558 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/02(木) 01:19:36 ID:RGmejfhr
十本松は、落胆したように肩を落とした。かぶりを振って、ため息を吐き出した。
「残念だったね。最後の最後で、クイズに不正解。これでは、香織とかなこを無事に帰すわけにはいかないな」
やっぱりそうなるのか。
このままじゃ、香織とかなこさんが。
「どうしようかな? 2人とも顔のつくりがいいから、高く売れるだろうな。ふふふふ」
女としての尊厳を失うような目に遭う、っていうのはそういう意味か。
どうすればいいんだ。2人を解放させるためには、どうすれば。
「やはり殺すべきかな。天野も菊川も、私の父の仇だから」
もう――これしか、手が無い。

「十本松」
「ん?」
「頼む、この通りだ。2人を解放してくれ」
十本松に向かって土下座をする。
土下座をするのは、香織に向けてして以来、人生で二度目だ。
額が床にくっついていて、床以外のものは見えない。
十本松の声が背中で感じられる。
「不可解だな。どうして君がそこまでする? 香織はともかく、かなこは君にとって赤の他人だろう」
「わからない」
「理由もわかっていないのに、土下座までするのかい?」
「そうだ」
「ふうん。底抜けのお人よしか、正義感に酔っているのか。どちらにせよ、世間知らずであることには代わりないがね」

頭を踏みつけられた。額が固い床に押し付けられた。
十本松のドスを利かせた低い声が聞こえてくる。
「少しだけ、私の話をしてあげるよ。父が亡くなったところからね。
12歳の頃、私の父は香織の父とかなこの父に殺された。父が私に残したものは何もなかった。
服、家、食料、金、安全、ありとあらゆるものは私の前から消えうせた。
それでも私は生きたかった。生きて、父を殺した人間を殺してやりたかった。
そのために、私は働いた。具体的に言えば、売春をした。成長しきっていない小学生の体を売ったんだ。
公園に住んでいるホームレス、酔っ払いのサラリーマン、集団でたむろっているチーマー、トラックの中で眠る運転手。
金を払ってくれそうな相手なら、誰でも相手にした。時には、強引に犯されることもあった。
今の雄志君のように、土下座を何度もしてきたよ。けれど、私は土下座をして許してもらったことが一度もない」

後頭部から、足をどけられた。今度は襟首を掴まれて無理矢理立たされた。
十本松の顔がすぐ目の前にある。
「土下座なんて、許すつもりのない人間にとっては面白い見世物でしかない。
それを知ったのは、15歳になった頃だった。商売相手の、ある組の若頭に気に入られたんだ。
その人は私の話を聞いて同情してくれてね。私が動くための手助けを色々してくれた。
そこからはトントン拍子に事が進んだ。金づるがいると、世渡りが楽になるとよくわかった。
菊川家に侵入できたのは、17歳の頃。菊川桂造の助手として、雇われた。
菊川の当主は悠々自適な生活を送っている、というのは嘘っぱち。
裏では武器密輸、麻薬取引、人身売買、汚いことばかりやっているような人間だった。
殺されて当然の男だよ」


559 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/02(木) 01:22:00 ID:RGmejfhr
「お前が香織の父親を殺したのはその頃か」
「天野基彦は私の父を殺した片棒を担いでいたくせに、いいやつだった。
殺すときも楽だったよ。酔っていたから軽く突き飛ばすだけで窓から落ちて行ってくれた。
しかし菊川桂造を殺すのはなかなか難しかった。
私が十本松義也の娘だと知っているから警戒していたし、知恵は働くし。
今となっては、私の仕掛けた爆弾で体中をバラバラにされて、腐った肉塊になってしまったがね。
結果的に、私は復讐を果たせた。悪党は報いを受けた。
陵辱と屈辱と泥と地にまみれた数年間は報われたんだ。もう、望むことはない。
あの本の筋書きの通り、姫役を負わされた父は2人の男に殺され、私は父の仇をとった。
あとは残された役で、物語の続きを回していくだけだ」

十本松は、俺の襟を右手で掴んだまま、左手で指を鳴らした。
壁に貼られていた一際大きな顔写真が剥がれた。
隠されていた壁は、奥深くに向かって四角にへこんでいた。
中にはベッドが置かれている。そのベッドの上に横になっているのは。
「香織! かなこさん!」
「まだ薬で寝ているよ。じきに起きるだろう。かすり傷ひとつつけていないから安心したまえ」
「お前、あの2人を殺すつもりじゃ……?」
「逆だよ。あの2人のどちらか――おそらく、かなこだな。どちらでもいいが、どちらかに私を殺させるためにああしたんだ」
十本松が自分を殺させるために、香織とかなこさんをさらった?
なぜ十本松がそんなことをする。なんの意味があるんだ。

「武士は、姫様を殺した2人の刺客を殺し、仇を討ちました。
次は、武士が刺客の娘に殺される番です」
え?
「その後は、君が動く番だよ。――筋書き通りに回ってくれ」
十本松の顔が近づいてくる。右手が襟を、左手が後頭部を掴んでいる。
俺は動けない。このままでいたら、どうなるかわかっていても。

遠くから、声が聞こえてくる。
「んん……雄志、くぅん……たすけてよ……」
これは、香織の声だ。
「お父様……雄志様……」
今度は別の声。かなこさんの声だ。
小さな声だったが、静寂に包まれた地下室ではその声まで大きく響く。

2人の声を聞き終わると同時に、俺は十本松からキスをされた。
十本松は、目を閉じていた。
唇を舐められ、口内に舌を入れられ、舌を絡ませられた。
不思議なことに、キスを拒む気にはなれなかった。
それどころか、どんどん気持ちが昂ぶっていく。

どうしてだ?
この女に、色気を感じたり、愛情を抱いたりしたことなど一瞬たりともないのに。
なぜ、俺は――十本松のことを、愛しく思っている?


560 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/02(木) 01:25:30 ID:RGmejfhr
次回へ続きます。
ややこしい話は今回で終わりです。……たぶん。



561 名前:ことのはぐるま訂正 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/02(木) 01:27:35 ID:RGmejfhr
>>559
> 陵辱と屈辱と泥と地にまみれた数年間は報われたんだ。もう、望むことはない。
陵辱と屈辱と泥と血にまみれた数年間は報われたんだ。もう、望むことはない。

『地』は『血』でした。誤変換してすみません。



562 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/02(木) 01:57:29 ID:XDuyoX+v
GJ!
どうなることやら。

563 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/02(木) 07:45:53 ID:kGlSOS7K
つまり雄二は前世ではやっぱり武士だったのか? これだと配役がぴったり合うし。
十本松は前世の因縁すら捻じ曲げようとしているって事なのかな。
まあとにかく

十本松カッコヨス。

564 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/02(木) 14:11:34 ID:sbiQX3BM
十本松の生い立ちに泣いた・・・
次回は修羅場かな?

565 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2007/08/03(金) 03:54:57 ID:sgWGPtda
これから私たちで殺し合いを始めてもらいます。

566 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/03(金) 10:06:22 ID:WcOm84bA
>>565
私たち「で」?
私たち=武器→凶器→狂気
よって「私たちは狂気である」
とか考えちまったゼイ

567 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/04(土) 01:52:05 ID:NoY8yvdV
wktk

568 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2007/08/05(日) 05:10:04 ID:batCgCXW
これから私をめぐって殺し合いをしてもらいます。

569 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/05(日) 08:33:38 ID:rYGVuCLQ
だがことわる!

570 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/05(日) 15:03:38 ID:o5I+4Jbt
>>568
金をめぐってなら殺し合いしたいです。

571 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/05(日) 21:33:50 ID:z7dxyoU9
>>570
将軍様?

572 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/06(月) 00:16:58 ID:vFMbIiL1
投下します。19話です。

573 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/06(月) 00:17:57 ID:vFMbIiL1
第十九話~復讐者が滅ぶ~

柔らかい。
十本松の唇も、密着させている体も、後頭部にまわされている手も。
十本松の存在の全てが、愛しく感じられる。
わけがわからない。
さっきまで俺は十本松に敵意を抱いていた。
俺と華を気絶させて香織をさらい、かなこさんと一緒に地下室に閉じ込めた。
こんな犯罪者を俺が好きになるはずがない。

そのはずなのに、俺が今抱いている感情は一体なんだ。
十本松が欲しい。
俺の舌で、口内を貪りたい。
抱きしめて押し倒して、俺のものにしたい。
いきなりこんな愛情を抱くなんて、どういうわけだ?
催眠術か?
それとも、この部屋に立ち込める甘い匂いに媚薬作用でもあるのか?
わからない。
全てが甘くて、心地いい。
このまま、この感情に溺れたい。

「……はぅ……ちゅ……」
口の中に、十本松の唾液が入り込んでいる。
唇の裏、舌の裏側、いや、口の中の全体に俺のものではない唾液が塗りつけられている。
――飲み込みたい。
馬鹿か、俺。何を考えている。
こんな気持ち悪いものが飲み込めるわけがあるか。
今すぐ十本松を突き放して、拘束してしまうのが正しいんだ。
わかっている。わかっているのに。
なぜ俺の手は、十本松の体を抱きしめたくて、うずうずしているんだ。

やめろ。
今、こいつのキスに応えても、体を抱きしめても、その先はない。
俺には香織がいる。恋人がいるのにそんなことはできない。
(どうでもいいだろう、そんなこと)
変なことを言うな。俺は香織が好きなんだ。
(本当にそうか? そこにいる十本松あすかよりも)
こんなやつ、香織に比べたら……。
(比べたら?)
比べたら……なんだ?
なんで、どっちがいいのかわからないんだ。
俺は、香織のことが好きなんだろ。
十本松のことなんて、どうでもいいと思っているだろ。
じゃあ、どうしてすぐにその結論が出てこない。


574 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/06(月) 00:18:42 ID:vFMbIiL1
(それは、お前が)
俺が?
(十本松あすかを愛しているから。天野香織より、現大園華より、菊川かなこより、愛しているから)
十本松を愛している、から?
(そうだ)
嘘だ。そんなことはありえない。
ありえない、はずなんだ。

背中全体に衝撃が走った。体中に感覚が復活する。
ぼやけていた視界が復活し、俺の体の上に座る人物を認識する。
「十本松……」
「ふふふ、間抜けな顔」
「何?」
「顔の力が抜けている。目に敵意がこもっていない。体に拒絶反応が無い。
それほどに気持ちよかったかな、私のキスは」
「……馬鹿を言って!」
胸の上に座る十本松をひきずりおろそうと、腕を動かそうとした。
だが、自由が利かない。両腕の手首が合わさったまま、体の前で固定されている。

「なすがままになっていたから、つい手首を縛ってしまったよ。それにも気づいていなかった?
おかしいねえ。君は、私のことなんか、嫌いだろう?」
「ああ。中学校の部活動で知り合いだった先輩とか、頭が固くて理解のない俺の親父より嫌いだね」
「そのはずだよね。それなのに……」
首筋に、冷たい手が触れた。
「こんなに心臓が激しく脈を打っているのは、どういうわけかな。どきどきしているみたいだ」
「手を離せ! この変人が!」
「言葉ではそう言っていても、体では拒否していない。素直になれないタイプなんだね、雄志君は」

胸の上にかかっていた重量感が喪失した。代わりに、腰の上に重さを感じる。
十本松が、腰の上に乗っていた。
「私も同じ。素直になれないタイプなんだ。だから」
そして、俺と体を重ねてくる。
お互いの体の同じ部位が、正面から服越しに触れ合っている。
「今も、こんなにドキドキしている」
紅い顔が目の前に来て、俺を見ている。
垂れた髪が、俺の額に落ちてくる。
鼓動の波を感じる。俺の鼓動と、十本松の鼓動。
ペースは異なるが、どちらの鼓動も忙しく動いていた。

目を逸らす。今、目を見られたらやばい。そんな気がする。
もしかしたら、俺の目はその先を期待するような目になっているかもしれない。
話の流れを変える。
「こんなことして何になるんだ。お前が俺をどうにかしても、俺の気持ちは変わらない」
「変わる、変わらないは君の意思によってどうにかなるものではない。
いずれにせよ、私の思うままに事が進めば、君は私を好きになる。いや、もう好きになっているかな?」
「反吐が出る。お断りだ。寝言は寝てから言え」
「結構。君の反応はそれで正解だ。君は私のことが嫌いなままなのに、体の反応は意思に反する。
それこそが君にとっての苦しみになる。私はそうなるのを望んでいる」
俺が十本松を嫌いなままでいたら、こいつの思い通り。
俺が十本松をもし好きにでもなったら、胸糞悪い。
どっちにしろ、俺にとって不愉快なことになるのは変わりないじゃねえか。


575 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/06(月) 00:19:39 ID:vFMbIiL1
「ではそろそろ、雄志君をいただこうかな」
「……は?」
この女、今何を言った?
十本松の目、いや、顔全体が笑っている。
この笑顔に似た顔を見たことがある。あの夜の、かなこさんの顔にそっくりだ。
もしかして。
「そんなに不愉快な顔をしないでくれよ。……滅茶苦茶にしたくなるじゃないか」
「やっぱりそういう意味か! やめろ、この……っ!」
また唇をふさがれた。
十本松の腕で頭を正面に固定されている。唇を外せない。
唇を繋げられたまま、また体位を変えられた。今度は胸の上。
唇を一度舐められて、ようやく唇が解放された。

「ところで、雄志君は足フェチかな? それとも胸フェチ? 両方?」
答えは返さない。沈黙で拒否をする。
「答えてくれないと困るじゃないか。……仕方ない」
十本松は、一度ため息を吐き出した。
そして、着ているセーターに手を添えて、脱ぎだした。
細いウエストがあらわになり、次いでライトイエローのブラジャーに包まれた胸が見えた。
「答えないなら、両方でいくしかないな」
「やめろ、そんなもん見たくなんかねえ!」
「とは言いつつも、雄志君は目を逸らさない、と。スケベだね、男というものは」
そう言われて、十本松が脱いでいくのをじっくり見ていたことにようやく気づいた。
慌てて目を背ける。なんですぐに目を逸らさなかった。なんでこいつの体に釘付けになった。
「しかし、それが男として正常な反応だ。目の前で服を脱いでいく女を見ていたい。
その誘惑に勝てなくても、誰も責めたりしないよ」
俺が許せないんだよ。くそったれ。
衣擦れの音が続く。耳がその音を余すことなく聞き続け、目の動きをそそのかす。
見るな。俺は見たいなんて思ってない。

「――よし、終わった。こっちを見ていいよ」
誰が見るか。
「遠慮せず、じっくり見たまえよ。ほら」
首を強制的に動かされた。
目を開けてはいけない。開けたら、きっと目の前に……。
「強情な。なら、無理矢理にでも」
両のまぶたに、指を添えられた。まぶたをこじ開けようとしてくる。
きつく目を閉じても指の力には対抗できない。
薄く開いたまぶたのすき間から見えたのは、上半身をさらした十本松の姿。
白い肌、鎖骨、こぼれ落ちそうな胸、薄紅色の乳輪と乳首の先端、全てが見える。
さっきから激しくなっていた鼓動が、また強くなった気がする。
下半身に勝手に血が集まっていく。


576 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/06(月) 00:20:56 ID:vFMbIiL1
まぶたに添えた指をそのままに、十本松が耳打ちしてきた。
「見ても、いいんだよ。今だけは、今このときだけは私の体は君のものだ。
両腕が動かない分、その目に存分に焼き付けるといい」
「やめろ……その邪魔そうな乳をしまえ」
「それはできない。かなこか香織が起きるまではね。
私と雄志君の交わっている姿をあの2人に見せないと、思い通りにいかなさそうだから」
「香織とかなこさんに今の姿を見せて、どうするつもりだ」
「まだわからない? さっきも言っただろう、あの2人のうちのどちらかに私を殺させるためだと。
どちらかがこの姿を見て、逆上して私を殺す。それこそが私の狙いだ」
「だから! なんで自分を殺させるためにこんなことをするんだよ!」
「そうしなければいけないんだ。配役が変わろうと、物語は進めなければ」
「お前は、毎度毎度……わけわからんことばかり、言ってんじゃねえ!」
叫ぶ。顔を近づけていた十本松が体を起こした。
また裸の上半身が見えたが、構っていられない。

「わけわかんねえよ! 自分を殺してもらうためとか、前世とか、台本だとか!
そんなもんは自分の妄想の中でやってろ! 周りの人間を巻き込むな!」
「妄想じゃない。現実にそう行動しなければ――」
「運命がどうとか言うのか。そうなるのが運命だって。かなこさんにも言ったけどな、俺はそんなの信じてないんだ。
無視しちまえばいいだろうが、そんなもの! 自分の命までかけるな!
お前が死んじまっても、死んだ親父さんに会えたりなんかできないんだぞ!」
「――いいや」
否定の動作。
首を振り、そしてまっすぐに俺の目を見下ろしてくる。
その目に、怒りはこもっていない。
「会える。あの世ではなく来世で。生まれ変わっても、必ず出会える。あの本があれば、それができるんだ」
「あんなうすっぺらい二冊の本ごときで、そんなことが起こるか!」
「実際にこうして出会えているんだから、信じるほかないだろう? あの本にはその力がある。
あの本が『適当』に振り分けた配役を、演じさえすればいい。
そうすれば、何度生まれ変わっても出会い、また父を愛することができるんだ。
だが……あの本に無理矢理でも逆らった行動をすれば、輪廻の輪を超えても、二度と出会えなくなる。
そんなことはさせない。また父と会うためにも――私は今ここで殺されなければならない」

十本松は本気で言っている。本気で運命を信じている。
何がこいつをここまで必死にさせる? 父親への執着心か?
命が惜しいとか、そんなことは思わないのか?
「君は私をおかしいと思うだろう。狂っていると思うだろう。
だが、私には父しかいないんだ。どうしても、あの凛々しい父のことが忘れられない」
「なんでお前は、そこまで自分の父親のことを……」
「なんで? それを雄志君が言うのか? あの時に私を裏切った君が?
あの時、君が私を裏切らなければ、君を恨み父を求め続ける、こんな歪んだことを繰り返さなくて済んだ。
私を虜にさせておいて、その後で父に近づいて殺したりしなければ!
君が裏切らなければ……ずっと、私を心から好きでいてくれたのなら、私は君と父に囲まれて、幸福でいられたのに。
あの本は、君と私が出会うために書いたのに。……あの後で、書き足さなければよかった」
前世の俺が十本松の父親を殺したから、こんなことになった。
じゃあ、十本松の父親が死んだのも、俺が今こうしているのも、全部俺のせい?
嘘だ。俺は悪くない。
(いや、お前が悪い。お前が復讐心に駆られていなければ、こんなことにはならなかった)
違う。俺はただ、姫様の仇を討とうとしただけで。
(それが全ての歪みの元。死んだ女のことなど忘れていればよかったのだ)
俺には姫様しかいなかったんだ。だからこの女を利用した。
(そのせいで、この娘が巻き込まれた。全て、お前のせいだ)
知らない。姫様以外の女なんか、どうなったっていい。


577 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/06(月) 00:21:56 ID:vFMbIiL1
――姫様?
何を言っている。前世が姫だって言い張っているのは、十本松とかなこさんだけで。
あれ?
十本松って、誰だっけ。かなこさんって、どんな人だった?

「さあ、続きをしよう)
目の前に裸の女がいる。胸の上に座って、スカートをめくりあげて、中身を見せている。
綺麗な足だ。さわったら気持ちいいだろうな。
かわいらしいショーツが顔を覗かせている。三角形だ。
「ちょっと、これを借りるよ」
女が俺の服のポケットから何か取り出した。
刃物だ。ナイフだ。たしか、――さんにもらったものだ。
女はナイフでショーツを切り裂いて、脱ぎ捨てた。
眼前に、数十センチ前に、ひくひくと動く秘裂がある。
「ここに今から、雄志君のものが入るんだよ」
雄志って誰だ。俺の名前は……なんだっけ?

ズボンのベルトが外され、ジッパーをおろされ、パンツを脱がされた。
押さえ込まれていた肉棒が立ち上がるのがわかった。
それを、冷たい感触が包み込んだ。女の手だろう、きっと。
「すっかり硬くなっている。ふふふ、女にのしかかられて興奮するなんて、変態そのもの」
一物を包み込む女の手が、上下に動き出した。
下がるたびに性欲が溜まっていく。上がるたびに精液を吐き出しそうになる。
手の動きに合わせて、女の豊満な胸も小さく震える。
片手はまだ、スカートを持ち上げている。女の入り口は見えたままだ。
早く挿れたい。この女がどんな味をしているのか知りたい。
「とうとう諦めたか? だけど、それでいい。正直になるのが一番だ」
いっそう激しく、肉棒を扱かれる。
荒っぽくも感じられる。だけど、今はこれぐらいのほうが気持ちがいい。
「膨らんできているよ。出したい? 吐き出したい?」
ああ。これ以上抑えられたら、どうにかなりそうだ。早くしてくれ。
「あっははは! 可愛い顔だ! ご主人様の餌を待つ犬みたいだ!
それじゃあ、ここで一度抜いておこうか……と思ったけど」
ぴたりと、止まった。渦巻く肉欲が、女が手を離すと同時に消えうせた。
なんでだ。気持ちいいうちに、そのままイかせてくれ。
「一回出したら、次に出すまで時間がかかるからね。そろそろ2人とも起きるころだし。
もうちょっと遊んでいたいけど、中に挿れさせてあげるよ」


578 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/06(月) 00:22:45 ID:vFMbIiL1
女がスカートから手を離した。そして体の上を這うように動き、腰のほうへ向かっていく。
肉棒を捉まれた。先端が湿った部分に触れている。
ぬるぬるとした女の秘部に、肉棒が飲み込まれていく。
根元まで飲み込まれると、強烈な締め付けが襲い掛かってきた。
俺のモノを締め出そうと、食いちぎろうとしているようにも感じられる。
腰を突き上げる。膣壁とカリが擦れるたび、頭が痺れる。
「ひぅ! 待って、急に……あっ!」
女の嬌声。さっきの上から見下ろす声と比べて、随分と音が高い。
腰を叩きつけるようにして、女の中を抉る。
ピストン運動で、女の乳房までが上下に暴れる。
縛られたままの手で、乳房を掴む。柔らかな肉が手の中で歪む。
「……っ、……ぅ…………はっ……、また……膨らんでいるよ。
……まだっ、数分も経っていない、のに……早漏だね、きみ……っは」
黙れ。挿れられて感じている女が言うな。
女の胸を握りつぶすつもりで力を込める。悲鳴があがる。
これ以上はこらえきれそうにない。もう、出そう。
少しでも多く精液を吐き出すため、全力で腰を打ち付ける。
忍耐の壁が決壊した。腰が痙攣する。
「……く、ぁ……ぁ、は……あつ、いぃ……」
女は背中を仰け反らせたあとで、脱力した。
伏せている顔から目を逸らす。スカートを捲りあげて、女との結合部分を見る。
白い精液が漏れ出して、秘所の周囲は濡れ、ふとももの裏側まで垂れている。
脱力。なぜか体に力が入らない。
女とセックスするたびにこんな状態になっているわけではないのに。
なぜこの女としただけで、一回出しただけでこうなる。
頭がぼんやりと、眠気を受け入れていく。

女の声が聞こえる。
「おやすみ。また、来世で会おう」
この台詞は、何度か聞いたことがある。
その後で、この女は俺の前から姿を消した。いや、俺がこの女の前から消えたのか?
どっちなのかわからない。けど――この台詞が別れの台詞だということは、なぜかわかる。
そしてまた、いつか出会うだろうということもわかる。
だから俺は、安心して目を閉じた。


579 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/06(月) 00:25:16 ID:vFMbIiL1
*****

「お時間をよろしいですか?」
と、後ろから声をかけてきたのは、姫だった。
ここは城内の庭を一望できる廊下。俺は今から姫のところへ向かうところだった。
「もちろんです。何か御用ですか?」
「これを読んでいただきたくて。わたくしが書いたのです」
姫が差し出してきたのは、数十枚の紙の束。
受け取って目を通してみると、全ての紙に文字が綴られていた。
「日記……ではありませんね」
「恋文でもありませんわ。それはさすがに、あなたももらい飽きているかもしれませんから」
姫がやわらかな、年相応の笑顔でほほえむ。

姫は3つのころから、俺と共に過ごしてきた。付き合いは13年になる。
出会ったとき俺は15を迎えていて、姫の護衛役の1人を任されていた。
初めて2人きりで話したのは、姫がかくれんぼで蔵に閉じ込められていて、それを助けに行ったときだったか。
それ以来姫は俺にべったりくっついてくる。務めのある時間の他は、片時も離れようとしない。
姫が俺に好意を向けているのがわかったのは、姫が言葉と文字を習い始めたころ。
文字の練習という題目で書かれる恋文を受け取ったときがそうだった。
それ以来ずっと恋文をもらいつづけてきたせいで、俺の部屋にある籠からあふれそうなほどにまでなっている。

「今日お持ちしたものは、少しばかり趣が異なります」
「と言いますと?」
「私が夢に見た、もっとも恐ろしくて現実に起こって欲しくないことを、その紙に綴りました」
見ると、一枚目から順に物語が始まっていた。
最初から中ほどまでは俺と姫の、現実に起こった日常を書いたもの。
その後に書かれていたものは、姫が殺されてしまうというものだった。
姫が不安そうな顔で覗き込んでくる。
「手が震えておりますが……そんなに、酷い文でしたか?」
「いいえ。ただ、このようなことは起こって欲しくないと思っただけです。
いえ、書かれているようには、絶対にさせません。私が」
「はい。もちろん、信じておりますわ」
「しかしなぜ、このような不吉なものをお書きになられたのです?」
「それは、その……恥ずかしいことですが、笑わないでいただけますか?」
「はい」
「紙に綴ることで、厄を避けようと思ったのです。
恐怖は形の無いもの。ならば、形にしてしまえばそれは恐ろしいものではなくなる。
こう教えてくださったのは、あなた様でしたから」
「まだ覚えておられたのですか。……お恥ずかしい」
確かに、暗闇に怯える姫を見て、耐えられなくなった俺が教えたことだ。
かくれんぼの一件以来、姫は暗闇を恐れていた。
夜も眠れなくて困っていた姫に、その場しのぎで『恐怖とは形の無いもの』と教えた。
それから眠れるようになったのだから、結果としては成功だったが。
俺が返した紙の束を抱いて、姫は言う。
「これがある限り、もう恐怖は訪れませんわ。ずっと、あなた様と引き裂かれることなく、共に居られます」
本当にそうであったらいいと、ずっと傍に居たいと、俺も思った。


580 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/06(月) 00:26:59 ID:vFMbIiL1

それから姫が殺され、数年が経った。
姫を殺した男の行方を捜し、ようやく突き止めた。
男には、溺愛しているらしい娘がいた。
その男の娘は、今俺に寄り添うようにして同じ布団の中にいる。
可愛らしい娘だった。それに正直で、器量もよかった。男が溺愛するのも無理は無い。
この娘を騙すのは、俺も気が乗らなかった。
だが、何度殺しても、臓物を撒き散らして粉々にしても気が済まないあの男を殺すために、自分を殺した。
娘は世間を知らずに育てられたせいか、俺の言葉で簡単に惚れさせることができた。
それどころか、どこにいくにもべったりとひっつくようになった。
その様子がまるで姫のように見えて、ますます俺の罪悪感は強くなった。

ふいに夜風を浴びたくなった。体を起こす。
すると、眠っていた娘がもぞもぞと動いた。
「……あ、れ…………どこに行くんですか?」
「すまない、起こしてしまったな」
「気にしないでください。ずっと起きていたんですから」
「ずっと?」
「はい。こうして、あなたの体に直に触れていられるのは、夜だけですから」
こういう恥ずかしいことを平気で言うのだ。
そのせいで何度か姫への気持ちを捨てそうになった。
その度に、こんな感情は無駄だと、何ももたらさない愛だと自分に言い聞かせた。
そう思えたのは、憎たらしいあの男、この娘の父親のせいだったかもしれない。
あの男に助けられたかもしれないと思うと虫唾が走るが。

娘を見ると、不安そうな顔をしていた。腕を掴む手も、震えている。
「怖い顔……怒っているんですか?」
「そうではないよ。君の父に、なんと言って挨拶をしようかと思ってね」
「ふふふ。大丈夫ですよ、父は私に甘いですから。私が強く言えば、結婚だって許してくれます」
「そうだといいがね」
そう。明日、あの男に会う。今まで内緒にしてきたこの娘との交際を明かすために。
決行は明日。奇襲をかけてあの男を殺す。それで、仇をとることができる。
そうなると、この娘ともお別れか。

なにを考えている。この娘はあの男に近づくための道具に過ぎない。
そして決行すれば、この娘とはもう一緒にいられない。
わかっている。だから今だけは、この娘を満足させよう。
娘の唇を奪い、布団の上に押し倒す。娘は無論のこと、拒絶をしない。
「また……愛してくれますか?」
「ああ。今夜は、君が壊れるまで、そうしよう」
「嬉しい。……また、日記に書くことが増えました」
「まだ日記をつけているのか? 飽きないな」
「だって、あなたとの日々は忘れたくないですから。そうだ……またあのお話を聞かせてくれますか?」
「もちろんいいよ」
「もう聞くのは、何度目かしら。忘れないよう、あのお話も日記に書かないといけませんね」
暗闇でも、この娘が笑うのは気配で知れる。 
この娘が好んで聞く話は、姫様を殺された武士が仇をとるために奮戦する話。
武士が仇役の男の娘に近づいて仇を討つという展開が、この娘は好きらしい。意外と悪趣味な娘だ。
もちろん話に登場する娘が自分自身であることなど、この娘は知らない。
もうすぐ自分が同じ目に会うとも知らず、娘は俺の話に耳を傾けた。


581 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/06(月) 00:29:32 ID:vFMbIiL1
*****

「――し様、雄志様」
俺の名前を呼ぶのは誰だ。
「もう、起きても大丈夫ですわ」
この喋り方は、かなこさんか。目が覚めたんだな。
それに無事だった。かなこさんが無事ということは、香織もたぶん無事だろう。
目を開けて、体を起こす。着衣は乱れていなかった。
壁中に男の写真が貼られている。場所はまだ地下室の中だった。
「ああ、よかった。もう二度と目を覚まされなかったら、どうしようかと思いました」
「かなこさん……ですよね?」
「はい。なんでございましょう」
あれ? なんだ、この違和感。
別にかなこさんがおかしいというわけじゃない。
お人形のようになめらかな髪も、真っ白な肌も、黒い瞳も、全てかなこさんだ。
だが、俺はどこかに違和感を覚えている。

「雄志様?」
「ああ、ええと……なんでもないです」
「……しばらくぶりに会えましたのに、どうしてそんなに冷たいのです?」
「別にそんなつもりじゃ、ないです」
「雄志様は、わたくしに会えて嬉しくないのですか? 輪廻の輪をめぐってまた会えたというのに」
また、違和感。
以前はかなこさんの電波な台詞に危機感を覚えていたのに、今はそれがない。
それどころか、かなこさんに会えて嬉しいとまで思っている。
けれど、俺が一番会いたい人はこの人じゃないと、体が反応を示している。
誰だっけ。俺には恋人がいたはずだ。――そう、香織だ。
「ここには他に誰かいます?」
「ええ、昔お会いした……天野香織さんがベッドに。あと、現大園華も」
「華も来てるんですか?」
ここに華が来て、かなこさんは無事だったのか? あいつ、かなこさんを恨んでいたはずじゃ。
「最初はあの顔を見たとき腹がたちましたが、協力してくださったのですから、今日だけは許します。
あの女が戦ってくれたおかげで、とどめをさすのが簡単にいきました」
「……協力って、何の?」
「十本松あすかを殺す、その協力ですわ」

心臓が踊った。
何故だ。十本松の名前を聞いた途端に、胸が熱くなり、同時に不安が訪れた。
落ち着かない。あいつの、十本松の顔が見たい。
――いや、何を考えている。十本松だぞ? 変人で、犯罪者だぞ? 
「十本松は、今どこに……?」
「あちらにいます。正確には――かつて十本松あすかだった存在ですが」
かなこさんが指差した方向、その先に居たのは、寝転がっている2人の人間。
黒ずくめの服を着て倒れているのは、たぶん華だ。
あざを作った顔は、苦しげに歪んでいる。大丈夫だ、華は生きている。


582 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/06(月) 00:31:01 ID:vFMbIiL1
もう1人、壁にもたれて座っている女がいた。
ひどい有様だった。裸の上半身を血で濡らし、あちこちにみみず腫れがついている。
左胸にはナイフが突き立っていた。そこから、血が大量にあふれていた。
目は閉じていた。頭は床に向けて伏せられていた。両手はだらりと床に落ちていた。
額には、黒い穴。後ろの壁には、男の写真と、赤黒い血とピンク色の塊が一緒に貼りついていた。
――頭を銃で撃ちぬかれたんだ。
まさかと思い、ポケットの中を探ると、あるはずの拳銃がない。
「失礼かとは思いましたが、少々拝借いたしました。心臓に刃物を刺すだけでは、あの女のしたことは償えません」
じゃあ、あそこで、血に濡れて座っているのは。

「じゅっ、ぽん、まつ……?」
嘘だろ。だって、さっきまで、生きて……。
なんでだよ、なんでこんなに、気持ち悪い? 頭が割れそうに痛い?
この、吐き気を催す感情は一体なんだ?
「どうか、なさいましたか?」
この、呑気な声は、かなこさんか。
十本松が死んだのに、どうしてこの人は平気でいられるんだ。
腹がたつ。腹が立つな。――ああ、この人が殺したのか。
そうか、俺が抱いている感情は、怒りなのか。
怒りに悲しみが混じって、吐きそうになっているのか。
でも、なんで。十本松が死んで、俺が悲しいんだ。俺が怒っているんだ。
なんでだ。
(それは、さっきも言ったとおり、お前が十本松あすかを愛しているからだ)
そう、そうだ。俺は、十本松を好きなんだ。だから怒っているんだ。
じゃあ、これからどうしたらいい。
(それは自分でわかるだろう。お前のやりたいように、すればいい)
そうだな、そうするよ。
十本松が殺された。なら、俺がすることは――ひとつしかない。

復讐しよう。十本松を殺した奴を、殺してやる。
誰だったっけ? 
確か、あの本の通りに行くと、十本松は武士の役。
十本松の親父が姫様の役で、そいつを殺したのが天野基彦と菊川桂造。
その娘が天野香織と菊川かなこ。
武士を殺したのは、父親を殺された娘だ。
余った役は、武士の元恋人役。十本松が言うには、俺はその役らしい。
じゃあ俺は――香織と、かなこさんを殺せばいいのか。
その役をこなせばいいんだな。

ああ、目が回る。
気分が悪いな。やっぱり今はやめよう。
起きたら、殺そう。あの2人を、殺そう。
あれ、でも……香織は何もしてないよな。
それになんで俺、十本松のことなんか好きになったんだ?

いいや。考えるのは止めよう。寝よう。起きたらきっと、なにもかも上手くいくさ。
でも――目が覚めても、十本松は生き返ったりなんかしてないんだろうな。
生き返ってたら、嬉しいんだけどな。本当に。


583 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/06(月) 00:32:42 ID:vFMbIiL1
19話はこれで終わりです。

584 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 00:32:57 ID:1VyT+1BP
久しぶりに猫丸堂見にいったらグロCGがあってどうしようかと思った

585 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 01:18:28 ID:Ms3tChBJ
>>583
GJ!
十本松死亡な上に雄志も狂っちまって、どんな結末を迎えるのかwktk

586 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 01:21:36 ID:j+3L/Eoi
登場人物全員揃って振り回されっぱなし……
おそろしいわおそろしいわわたくしまったくおそろしいわ

587 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 04:01:37 ID:8HPRDuYq
>>583
やっと記憶が戻ってニブチン返上かと思ったら病んじゃうとは
雄志と十本松の悲恋が切なかった直後だけになおさら(((;゚д゚)))アワワワとなってしまった

588 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 05:59:37 ID:pDsiCnid
GJ!とんだ洗脳術だ。まさしく蜜柑鳥が木乃伊。


ところで、ヤンデレ大全が発売されるようだが、大丈夫かね?
ひぐらしのレナをヤンデレだと勘違いしてる内容だったら出版社に不買運動起こしちゃる。

レナや朝倉をヤンデレだと評したのならバッド
評せずに取り上げないのならトゥルー
あえて、ヤンデレじゃないとバッサリ斬ったのならハッピー

589 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 07:19:05 ID:j+3L/Eoi
デレないで病んでるのをヤンデレと評するのはおかしい
デレててもデレと病み部分が相互関係を起こしてなければヤンデレと評するには難しい
病むほどにデレデレ、それがヤンデレさ

590 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 09:09:54 ID:yR85JJCB
レナはともかく朝倉は長門を愛する余りの行動だと思ったんだが違うのか
レナはなぁ…ヤンデレじゃなくてヤンデルだもんな
スレ違いだろうか、すまん

591 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 10:00:27 ID:6EDIVrri
ツンデレ大全とかヤンデレ大全とかって
なんかずれている気がするんだよな

バジリクスの陽炎がヤンデレ大全載ってたら認める

592 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 10:25:25 ID:5nXfmg+T
そりゃそうだ
ブームに後乗りして来た人用に、適当に一儲けしようという程度の志で作るからだろ
ある程度普遍的なものならブームを超えるけど、元がニッチなものはブームで食い散らかされて消えていくものらしいから恐ろしい

593 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 11:13:22 ID:pDsiCnid
うーむ、志がまるでティファやかすみの同人誌を流行に乗って描こうとするプライドのない同人作家と同じだな。

594 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 12:12:26 ID:gqolcab2
>>583
GJ!
かなこさんがあれだけやっても全然駄目だったのに
十本松相手だとアッサリ前世の記憶が戻ったところに複雑な心情が垣間見えて
なんか泣けた。

595 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 12:17:55 ID:8m/qEswd
姉妹百合ヤンデレもの書こうと思うけど、ここでいいんかね?
キモ姉・キモウトスレとどっちに書くべきか悩む。

596 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 12:49:17 ID:Z7ZjLLIa
>>595
お好きな方を。というか住人は被ってると思うw

597 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 13:06:07 ID:gqolcab2
俺はあっち見てないぞ。
まあスレの雰囲気って違うから自分に合いそうな方でいいんじゃないかな。

598 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 16:26:36 ID:lNod9eeM
ヤンデレってどんな育て方したらなるんだろうな。

599 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 17:12:11 ID:6EDIVrri
俺は生まれつきだと思って書いてる

でもよっぴーみたいに育った環境も重要かも

600 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 18:38:49 ID:8m/qEswd
>>596-597
トン。
が、どうもキモ姉妹スレでは百合がスレ違いということで荒れたようなので
百合板やら百合スレ覗いて考え直してくる。

601 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 18:50:09 ID:j+3L/Eoi
まあ百合モノの扱いとしてその辺は慎重にお願いします、マジで

602 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 18:51:38 ID:k7re3yNf
いや、こことあそこで一部の潔癖症が騒いだだけなんだぜ……。

603 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 20:46:27 ID:lbvNWP05
しまっちゃうメイドさんは荒れたな…、まぁ一人が騒いでいただけだが
読み返して見ると、否命の序章での散々な言われっぷりに吹いたw
てか、凛のすることなすこと全て笑えるw中断されたのが惜しいんだぜ
投下に関しては、最終的にスレチでは無いという風に落ち着いたからwk
tkして待ってるぜ!

604 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 22:09:47 ID:tctHi/2h
保管庫が更新されている!!!……って気付くの遅いですか、そうですか……

605 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 22:19:55 ID:8HPRDuYq
いつの話をしてるんだおまいは

_, ,_  パーン
( ‘д‘)
⊂彡☆))Д´)←>>604

606 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 22:41:02 ID:Ua7BuPci
>>598
挫折を感じたことのない人間や、恋愛至上主義、相手に全力で尽くすタイプがヤンデレになりやすいらしいよ。
言葉様もお嬢様だから欲しいものは何でも手には入ったけど、誠にふられてから『あれ、おかしいな?こんなはずじゃなかったのに』ってふられたことを認められずに病んでいったんじゃないかな。

607 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 22:42:55 ID:k7re3yNf
>>605
いや中身のほうは更新されてるんだぜ。
なぜか、トップページは更新されてないけれど……。

608 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/06(月) 22:54:03 ID:8HPRDuYq
本当だ!
>>607正直スマンかった<(_ _)>

管理人さん乙!

609 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 00:28:45 ID:2Inr1COt
>>598
ろくに構ってもらえず、愛情に飢えてたりするとヤンデレっ娘になるような気がする

610 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/08/07(火) 01:46:25 ID:jLVPQr5r
ss投下します、前回はご迷惑をおかけしてすいませんでした、以下、長文乱文ご容赦ください
キ道戦士ヤンダム~狂気の鼓動は愛~

遠い未来、地球に巨大な隕石が海に落ちた。途轍もなく巨大な隕石によって打ち上げられた巨大
な波は地表面の三分の一を覆い、人々は…あるものは海上の上に浮島を作って粗末に暮らし、また
あるものは狭い陸地を求めて血で血を洗うような戦争を起こすという陰惨な生活を送ることを余儀
なくされた…この年より西暦は海中世紀と名を改める事になる…しかしこれは西暦を改めることに
より、この最大の危機を人類全体が協力して生きていくという崇高な思想による命名を…まるで
あざ笑うかのように、限られた陸地という椅子をかけた命がけの椅子取りゲームの開始…すなわち
全世界戦争の始まりの年でもあった…。
これはそんな世界での、少年少女たちの、純愛と狂気で彩られた物語。

パプアニューギニア沖、10時18分

ドガガガガガアアアン!!…普段は波音しか響かないようなだだっ広い洋上に
巨大な爆音が鳴り響いた、爆音の正体はロボットと呼ばれる巨大人型兵器同士
による戦闘の副産物だ。海中戦争が始まると同時に開発されたこの兵器は、両
足に装着されたホバーシステムによって高速で自在に洋上を駆け巡ることのでき
るという特性を生かして各地で戦況を好転させ、いつしか型遅れの戦艦や空母艦
よりも戦争を左右するというような存在にまで祭り上げられていった。
ドゴオオン…!!すさまじい爆音を上げて一機のロボットが海中で爆発した。
それにつられる様に破壊されたロボットの左右後部に構えていたロボット達も
次々に爆破四散していく。
「うおっしゃあ!!沙紀!!次は!?」
一度に三機ものロボットを撃破したことで、極東アジア軍第十八天国舞台所属
南慶介少尉待遇の声は普段の覇気のないものと違って、かなり気合の入ったものになっていた。 
「アイアイ!前方より二時と四時の方向より敵影二十機を確認、さら駆逐艦が一機近づいてる!」
それに釣られるかのように副座の操縦席に座った 倉内 沙紀少尉待遇の声も、普段ののんびり
したものとは格段に違った、やる気の満ち溢れた声になっていた。 
「アイアイ!それじゃあ…一気に砕いてやるか!ミサイルランチャー!オープン!」
…ドガガガガガァン!!!海上にて左右より挟み撃ちをかけようとしていた敵…北イタリア及び欧州
連合軍の量産型ロボットであるMRB≠002 スクアーロの編隊は慶介と沙紀の操るロボット…JRB≠055
覇洋の50発に及ぶ連続マイクロミサイルの攻撃を受けて次々に爆破四散していった。
「すごいよ慶介…少尉殿!全ミサイルが敵に命中ですよ!」
喜ぶ沙紀、しかしこれはある意味当然のことだった、何せこの機体…覇洋はスクアーロに比べれる
のが失礼なくらいに高コストな機体だったからだ。
全長は18mのスクアーロをはるかに上回る30m、機体を覆う装甲は通常の三倍を超える硬質金属で形成
され、巨大な機体に見合うように武器も過剰なまでに火力過多に搭載されているのだ。
「慶介…少尉!敵を前方に確認!指揮官用スクアーロです!」
「沙紀少尉!クローアームを!」
通常の三倍の速さで迫る指揮官用スクアーロが接近戦用のスピアで特攻を駆ける!しかしそんなものに
負ける覇洋ではない、スピアが近づくぎりぎりの距離でも後退せずに、左手に装着された有線式のクローアーム
をスクアーロの胸部にめがけて打ち出した。
…ドオン!クローアームに挟まれるような形で攻撃を食らった指揮慣用スクアーロは一気に後方に吹っ飛んだ
その先には後退しようとした駆逐艦があった。
「地獄に落ちろ!もちろん死ね!!」
慶介はそう叫ぶとコントロールスイッチのパネルを押した、強力なクローアームはボタンひとつで暴導索に早代わりするのだ。
ドガガガガガアアアン!!!…数珠繋ぎの有線とクローアームは一気に爆破した、そして指揮官用スクアーロと、それに巻き込ま
れた駆逐艦も次々に爆破されていった。
「…ふー…今日も…生き残れたね」
生気のない顔で沙紀がつぶやく、どうやら無線で帰還命令が下ったようだ。
「ふー…ふー…ああ…今日も助かったな…」
先ほどの威勢と打って変わって、つかれきった顔で慶介は穏やかに、かつ沙紀
のそれに合わせるかのように慶介も呟いた。
常に死と隣り合わせの恐怖と終わりの見えない戦争は、十代の少年少女の心には
かなりの負担となっているようだった。

611 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/08/07(火) 01:49:37 ID:jLVPQr5r
慶介と沙紀は疲れきったまま、戦闘領域から母艦であるヴァリアント号に帰還した。昇降用エレベーターで覇洋のコクピットから地面に降りたとき
二人は初めて全身から力が抜けるのを感じた。
今日も生き残れた、この感覚が二人の体から力を奪っていった。まあ無理もないのだろう、子供のころに大津波を体験し、やっとの思いで生き残
ってみれば災害の混乱で家族と引き離されてこの戦争に送り込まれてしまったのだ…もはや生きていることは彼らにとって異常だった、ありえない
事態に巻き込まれていつ死んでもおかしくない状況下で、こうして二人でいられることが異常だった。
「なあ沙紀…」
格納庫を後にして、狭い通路で慶介がそう呼びかけた瞬間、沙紀は膝をついた…その体は小刻みに震え、可愛らしい口元からは嗚咽がこぼれる…
先ほどまでの名オペレータ振りとは打って変わって、彼女の体は今にも崩れ落ちてしまいそうなほどに弱弱しさを感じさせた。
「う…う、うああああああ」目元に涙を浮かべて叫ぶ沙紀、彼女は完全にパニック状態になっているようだった。
「くそ!時間切れか…大丈夫だ沙紀、今すぐ医務室に…!!」「あ、あああああああああ!!」
慶介は沙紀を両手で抱えると医務室に向かって走り出した、赤ん坊のように泣き声をあげる沙紀を、慶介は力強く抱える…。
「いやだ!いやだ!死にたくない!うああああああああ!!」「もう大丈夫だ、お前は俺が守る…」
戦争に借り出された多くの子供たちはたいていの場合、津波の大災害による心的外傷を抑え、更に優秀な兵士やパイロットに
なるために、精神強化薬と呼ばれる薬を服用していた…倉内沙紀も例外ではない…前述のとおりその効果は絶大であったが、彼
女の場合はその副作用が強すぎた。
沙紀は薬が切れると一気に当時の記憶を脳内でフラッシュバックさせて混乱してしまうのだ、パニックになるくらいならいい
が、最悪は手がつけられないほどに暴れまわることもあった…。
「よし、これで大丈夫。あと数時間もすれば落ち着くでしょう」
ヴァリアント内部の医務室-先ほどの混乱から処置を受けてようやく落ち着いた沙紀は、ベッドの上で空空と寝息を立てていた。
「…彼女はこのままでは任務の遂行も難しいかもしれません…南少尉、申し上げにくいですが…」
「この子を止めるのは無理です、多分もし俺からこの子を…倉内少尉を離せば…この子は自殺するかもしれません」
慶介は陰鬱な表情でそう答えた、その目には涙を浮かべていた。
「この子…もともと幼馴染だったんですけどね…あの災害で家族全員を目の前で失って…それ以来施設でも…軍に入ってからもずっと
一緒に生きてきたんです、そうしなければ…俺がいなければ必ずパニックを起こして…」
「…典型的なタイプですね、戦争の傷を癒そうとするうちに、その心の支えに依存していくっていう…」軍医はそう言った、その顔は
今まで異常に事務的な顔だった。
「…取り合えず少尉の薬の量は当分の間増やしましょう、後は貴方が支えてあげるといい、緊急時のパニックに対する処置方法も教えます…でもね」
「何が言いたいのですかな?軍医殿」
「人の心に開いた穴ってモノは…埋めようとするもの全てを飲み込むこともあるんです、それをじっくりとお考えください」
「…覚悟は当にできてます、それに…埋めるものはもう手に入る直前だ…明日襲撃する船にはあれがたっぷり詰まっている」
「…欧州連合の…ヤンダムを狙っているのですか?」
ヤンダム…欧州連合の開発した新型の精神強化薬の名前だ、曰く、それを常飲すれば心的外傷によるフラッシュバックなどを
起こさずに、確実に今以上の能力を発揮できるという。
「…けいすけ…たすけて…」
ベッドでは沙紀が魘されていた、悪夢の内容は多分、あの大災害で両親を失った日の夢なのだろう…慶介は先の手をそっと握
った。
「大丈夫だ沙紀、俺が助けてやる」
慶介はあの日、そういって泣きじゃくる沙紀の手を握った時と同じように、その言葉を口にした。
…自分だってあの災害で母と妹を失ったのだ、もう残っている心の支えは沙紀しかいない…なら、それを救おうとするのは当然
のことだ。
慶介に手を握られた沙紀の顔は、どことなく幸せそうだった。

医務室の外で松高軍医は苦々しくつぶやいた。
「ヤンダムでは人の心は救われない…待っているのは破滅だけだ…」
ヤンダムを多量に載積した欧州軍の輸送船がこのルートを通るまで、
それほど日はかからなかった。


612 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/08/07(火) 01:50:41 ID:jLVPQr5r
取り合えず前編を実験的に投下です、長文乱文失礼しました。

613 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 02:21:04 ID:Z90EzwUs
>>612
ヤンダム、ロボットの名前じゃ無いのかよ!!

614 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 12:20:50 ID:4mlhNzdr
>>599
やっぱ生まれつきってのが一番多いのかな。
>>606
言葉様って誰だか知らないけど情報㌧。相手に尽くす人は嫉妬のときもすごそうだな。
>>609
今そんな家庭が多いから気をつけないと・・・(((;゚д゚)))ヒー

615 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 12:30:39 ID:BsHGLql8
ヤンデレの資質は生まれ持つものじゃなくて
誰もが持っていて、それに気付くか否かってFESTA!の翔様が言ってた

616 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 15:25:56 ID:sixAO1vW
もうそろそろ次スレ?480Kで立てるの?

617 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 17:51:44 ID:mMSihG08
ヤンデレヒロインはやっぱり純粋な女の子がなるんじゃないか。
あまりに純粋すぎて、恐いほど純粋すぎて、病んでしまう。
ヤンデレは恐いけどどこか純粋な美しさを感じる。

新井素子の「おしまいの日」を文学最恐ヤンデレヒロインに推薦。

618 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 18:04:07 ID:du6FDjhP
>>616
今までは450KBで次スレを立ててきた。

せっかくなので俺が今から立ててくる。

619 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 18:09:49 ID:du6FDjhP
立ててきた。

ヤンデレの小説を書こう!Part9
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1186477725/


620 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 20:18:12 ID:Oqn518gr
>>619


621 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 21:06:35 ID:4mlhNzdr
>>619


622 名前:うめネタ[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 23:43:39 ID:du6FDjhP
最近姉がべとべと近づいてきて困っている。
以前から姉は俺に対してスキンシップ過剰だったが、今はそれがより酷くなっている。

姉がよりおかしくなった、と俺が気づいたのは、ある朝のことだ。
朝起きたら、姉がベッドの前でナニをしていた。
しかし、自分の手を使っていたり、道具を使っていたわけではなかった。
眠っていた俺の右手を使ってナニをしていたのだ。

俺は高校3年生、18歳。
姉はニートというかフリーターというか家事手伝いというか、そんな感じの社会的地位にいる19歳。
学校の友人たちはすでに性の初体験を済ませている奴がいるが、俺はまだ経験していない。
それ以前に、彼女すらできたことがない。
仲のいい女友達は何人もいる。さりげなくいい感じの雰囲気に持っていかれたこともある。
だというのに、未だ未経験だ。
何故か?
このブラコンの馬鹿姉のせいだ。

うちの姉は、家族である俺から見ても美人だと思う。色眼鏡を外した素の目で見ても、だ。
目はぱっちり、鼻筋まっすぐ、唇はつやつやぷるぷる。
背は俺と同じぐらいで、胸は見栄えがするほど大きい。そのくせウエストは細くて、ヒップのラインもいい感じ。
どこの美容院で切っているのか知らないが、髪は姉のイメージにぴったりのショートヘアをしている。
ジーンズを履けば股下の長さに驚くし、スカートを履けばとても可愛く見える。
モデルになれば結構な売れっ子になれることは間違いないだろう。
それなのに、モデルのスカウトを全て蹴り続けている。
理由は一つ。
さっきも言ったように、姉がブラコンだからだ。
この姉は俺から離れようとしないのだ。

なぜ俺が未だにセックスをしたことがないか、という話をしよう。
俺が今までに女友達と彼氏彼女の関係になろうとしたときに限って、この姉が邪魔をするのだ。
デートの日、俺が普段よりめかしこんでいると姉はすぐに事情を察する。
もちろん、姉は俺を家から出すまいとする。
時には包丁を持ち出したこともある。特に怖かったのは鉈だったが、それは置いておくとしよう。
そんな姉を振り切って俺は家を飛び出す。
待ち合わせ場所には、俺がかすかな好意を抱く女の子がいる。
女の子のところへ駆け寄ろうとした時、絶妙のタイミングで姉がやってくる。
そして腕を組み、胸を押し付けて、腰を摺り寄せてくる。
傍から見ればバカップルそのものだ。女の子からもそう見えたらしい。
待ち合わせ場所から無言で立ち去って行った。
それからその女の子とはよそよそしくなり、あまり会話もしなくなった。
こんなことが何度も繰り返されたため、俺は彼女いない歴18年という経歴を持っているのだ。

ではそろそろ、姉が眠っていた俺の手を使ってオナニーをしていたときの話をしよう。
聞きたくないだろうが聞いてくれ。俺だって本当は話したくない。
だけど話さずにはいられないんだ。気持ち悪くて、黙っているのが辛い。
誰かに話さなければどうしようもないんだ。


623 名前:うめネタ[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 23:45:42 ID:du6FDjhP
その朝の前夜、俺はナニをしている現場を、姉に目撃された。
すでにこの時点でアウトだ。男ならナニの現場を目撃された恐怖を想像できるだろう。
ちなみに、オカズは巨乳の女の子が輪姦されているCGだ。
この一枚絵のCGは俺の好みにジャストミート。夜はかなりお世話になっている。
誤解のなきよう言っておくが、俺はレイプ願望を持ち合わせていない。
CGと現実は別物だ。それぐらいの認識は当然持ち合わせている。

時刻は二時。俺は、とっくに姉も寝静まったころだろうと思っていた。
だから部屋の鍵をかけなかった。
そして、それが終わりのはじまりだった。
し始めて何分か、何十分か経ったころ。
そろそろくるな、と思ってティッシュをとり、その中に全て吐き出した。
そして、ティッシュをくるみ、ポイッ、とゴミ箱に投げた。
ティッシュはゴミ箱の中に吸い込まれるように落ちて行った。
次の瞬間、突然部屋のドアが開いた。入り口にいたのは馬鹿姉。
「だめじゃない! もったいないおばけが出るわよ!」
とか言いながら、姉がゴミ箱を掴み、さっきのティッシュを取り出した。
そして何事も無かったかのように姉は部屋を去って行った。
あとに残された俺は、まず事態を理解し、次に頭を抱えて声にならない悲鳴をあげた。
そのままベッドに倒れ、俺は眠りについた。やけに枕が湿っぽかったことを覚えている。

で、朝起きてみれば姉が俺の手を使ってオナニーをしていたのだ。
俺はしばらくまどろみながら、姉の痴態を眺めることにした。
見たかったからではなく、昨晩のことで起きる気力さえ無かったから。
「あっ、あ……だめよ、そこ、だめぇっ……やぁぁん……」
AVにでも使えばそれだけで男を勃たせることができるような、艶声だった。
しかしながら俺は興奮など一切しない。
朝勃ちはしていたがそれは生理現象であり、姉との関係性は一切無い。
寝ぼけ眼で見つめていると、姉が俺の視線に気づいた。
姉は途端に頬を紅くして、身をよじった。
「だめっ、見ないで! おねえちゃんの恥ずかしいところ、見ないでぇ!」
なんだか芝居がかった声だな、と俺は思った。
そのままじっとしているうちに、姉が俺の腕を太腿で挟んだ。
柔らかくはあったが、べとべとしていて気持ち悪さしか感じなかった。
「いやぁ、そんな目で見ちゃ、いやぁっ! いく、イクよ、イっちゃうよぅ! 見ないでっ、みちゃ、やぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
一際大きく叫ぶと、姉は俺の手を離し、脱力して座りこんだ。
大声を聞いて不機嫌になった俺は、ベッドから這い出して顔を洗いにいくことにした。
馬鹿姉、ちゃんと床を掃除しとけよ、と言い残して。

姉がおかしくなりだしたのは、この朝からだった。
もしかしたらその後で何か起こったのかもしれないが、この姉の身に何が起ころうと知ったことではない。
だから俺の手を使ってナニをしていた朝からおかしくなったと考えることにする。
おかしかった、もとい変態的なブラコンだったのは元からだったが、それからより姉の行動は活発化した。
次に姉が狂気の片鱗を見せたのは、その数日後。
夕方俺が学校から帰宅するときだった。


624 名前:うめネタ[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 23:48:45 ID:du6FDjhP
数日前まで、俺は学校まで迎えにきた姉と一緒に帰っていた。
どこに隠れているのか知らないし、いつからいたのかも知らないが、姉は必ず正門を出た俺を捕まえる。
もちろんメールも電話もしていない。前もって帰る時間を告げたことなど一度も無い。
それでも正門を出た俺を捕まえるのは何故なのか。
一番可能性がありそうなのは、俺が学校にいる間ずっと正門の前で待っているというものだ。
まさかそんな、と俺も思う。が、そこまでしそうな気がするのだ、俺の姉は。

午後四時、帰りのHRが終わってから、俺は帰宅することにした。
この日は姉に会いたくなかったので、別の方法で帰ることにした。
仲のいい男友達に頼み、彼の自転車の後ろに座って、二人乗りで正門をでた。
例のごとく、姉は俺を迎えにきていた。
俺が自転車に乗っているのを見ると、止めようとしたのか駆け寄って来た。
だが止まるわけにはいかない。今日は家には帰らない。
運のいいことに今日は金曜日。俺の通う学校は週休二日制で、土曜日は休みなのだ。
土日は家に帰らず、友達の家に泊まる。
変態姉とは気まずくて会えないし、たまには友達と馬鹿をして遊びたい。
だから、姉を無視して自転車で走るよう友達に告げた。
二人乗りの自転車は、姉のすぐ目の前を横切り、帰路へ着いた。

異変に気づいたのは、その後すぐ。
激しい足音が耳に届いた。誰かが後ろから走ってきている、とわかった。
ちらりと後ろを見る。そして俺は息を呑んだ。
姉が自転車を追いかけている。いや、正確には俺を追いかけてきている。
俺は友達にハッパをかけた。今から時速30キロで走ったら晩飯を奢る、と言った。
彼は、時速20キロなら、と言って自転車のペダルをさらに激しくこぎ始めた。
が、突然がくん、となって失速した。
後ろから引っ張られている気がした。おそるおそる振り返る。後ろに追いかけている姉の姿はなかった。
いや、姉はいた。荷台を両手で掴み、引きずられていた。
俺は友達にさらにスピードを上げるよう伝えた。そしてその通り、スピードは上がった。
スピードを上げていけば姉はいずれ手を離す。と思っていた――が、甘かった。

姉は手を離さなかった。
スピードののった自転車の荷台を掴み、引きずられ続けていた。
なにが姉をそこまで駆り立てるのだろう。俺が姉の手を外そうとしてもびくともしない。
姉はジーンズを履いているようだったが、いくらなんでもダメージは感じているはず。
いつか手を離すだろう、と俺はタカをくくっていた。
後で考えてみると、このときにどうにかして姉を後方に置き去りにしていればよかったのだろう。
まさか次の瞬間、隠し持っていた警棒を後輪に突っ込み、強制的に止めてしまうとは思わなかった。
護身用の武器として警棒を携帯しているのはおかしくない。
だが、警棒を使って自転車を止めるなどか弱い女性はやってのけない。
イコール、この姉は警棒を持つにふさわしい女性ではないということになる。
まあ、そもそもどこにでもいるようなか弱い女性であれば俺がここまで警戒したりしないのだ。
むしろ俺が警棒を持つべきだろう。この姉という痴女対策として。


625 名前:うめネタ[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 23:51:03 ID:du6FDjhP
自転車が止まって呆けている友達に、俺はタクシー代の代わりに千円札を渡した。
すぐにその場からダッシュで逃げる。このままでは姉に捕まってしまうからだ。
後ろから悲鳴が聞こえてきた。やけに甲高い声だったが、姉ではないだろう。
すまん。我が友よ。お前を見捨てる俺を許してくれ。

普段から朝のジョギングをしてきた甲斐もあり、俺はどうにか姉から逃げ切った。
一分ほど立ち止まってみたが、姉が追ってきている気配は感じられなかった。
携帯電話を見ると、17:00。1時間近く逃げ回っていたことになる。
俺は行き先が決まらず途方に暮れていた。
約束をしていた友達はもう頼れない。家に帰るとあの姉と顔を会わせなければいけない。
こうなっては、駄目元で他の友人に頼むしかない。
友人にコンタクトをとるため、メールを打つ。
泊めてくれ、という意味を込めた本文を打ち、誰にメールを送ろうかと考えていると、携帯電話が振動した。
学校は携帯電話の持込を基本的に禁じている。
マナーモードの解除をいちいちするのが面倒なので、俺の携帯電話は着信音を鳴らさない仕様になっている。

着信していたのはメールだった。本文はない。
タイトルに一文字、『ま』と入力されているだけだ。
送り主は俺が一番会いたくない駄目姉。当然返信などしない。返信しようも無いし。
さて誰に送ろうか、とアドレス帳を開く。と、またメールが送られてきた。
またしてもタイトルだけ。今度は『つ』だ。
先ほどのメールと合わせると『まつ』となる。『まつ』とはどういう意味であろうか。
少し思案している間に、またメールが送られてきた。
『て』というタイトルのメール。メールを開いて確認するまでも無い。送り主は姉だ。
これだけ短い間隔で送ってきているということは、俺に携帯電話を操作させない策だろう。
確かに悪い策ではない。だが、あの変態姉は一つ見落としている。
俺にメールを送っている間は、他のことがおろそかになるということだ。
メールを打ちながら走って追いかけるなど不可能だろう。
対して俺はメールを無視し続けていればいい。その間に姉からさらに距離をとることができる。
携帯電話の電源を切る。こうしていればわずらわしい振動もない。

いや――待てよ。これをあの姉は狙っていたのか?
友達へ連絡を取らせないためにメールを送り続け、携帯電話の電源を切らせる。
こうなっては、友人へ連絡をとることができない。いちかばちかで家へ行き直に頼むしかない。
それで上手く泊めてもらえればいい。だが、必ずしも上手く行くとは限らない。
友人宅を転々としているうちに姉と遭遇してしまったら、その時点でアウト。
俺を捕捉した姉は、どんな行動に出るかわからない。
もしかしたら警棒以外の武器、例えば飛び道具を用いて俺を気絶させ、連れ帰ろうとするかもしれない。
まさか、ここまで頭が回るとは思わなかった。

これは、俺も慎重に動かざるを得ない。
今夜は家に帰るつもりはない。別の場所に宿をとる必要がある。
幸い、財布の中には一万円札が入っている。これだけあれば、どこかに泊まれる。
木を隠すには森だ。ホテルが立ち並ぶ場所へ行けばどうにかなる。
俺は繁華街へと足を向けた。


626 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 23:52:31 ID:c+rMPNJ4
>>619

もう9スレ目か…早いもんだな

627 名前:うめネタ[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 23:53:38 ID:du6FDjhP
建物に入り、黄色いビラビラを通り、鍵を受け取ってから一泊料金を機械に払う。
俺がやってきたのは繁華街の一角にある、ラブホテルだ。
他にもカプセルホテルやビジネスホテル、オールナイトの料金を払えばホテル代わりになるカラオケボックスなどが
繁華街には並んでいたが、俺はあえてラブホテルに1人で泊まることにした。
プレイボーイの友達いわく、最近のラブホテルは自動化されていて男1人でも泊まることができる。
また、旅行先で宿泊先に困って、金にも困っているときは自分も利用している、とも言っていた。
まさか今日ラブホテルを利用することになるとは夢にも思わなかった。
しかも、初のラブホテルが1人で一泊。あの姉のせいでろくでもない経験をすることになってしまった。
キーについていた部屋番号を頼りに、今夜泊まる部屋を探す。
見つけた。廊下の突き当りから二番目の部屋。
鍵を差しこみ捻ると、安っぽい音と共にドアが開いた。
オートロックにはなっていないらしい。まあ、1人で泊まるのだからこんなもんで充分だ。

ドアを閉めて、さらに鍵をかけるためツマミに手を伸ばす。
しかし、ツマミに指先が触れる前に、ドアが廊下側へ開いた。
ドアが勝手に動くということは、建物が傾いているのだろうか?ラブホテル業界は厳しい世界なんだな。
一歩踏み出してドアノブを掴む。が、引っ張っても動かない。
何か引っかかっているのだろうか。廊下へ出る。

そして俺は見た。何を見たかって?ものすごく嬉しそうに笑う姉をだよ。
「う、ふへへへへへへへへへへへへ」
姉が笑う。目がブーメランみたいになっている。漫画に出てくるスケベ親父を思いだした。
追い詰められた獲物というのは、まさしく今の俺のような気分をしているのだろう。
部屋の中へ後ずさる。望んでもいないのに震える足が勝手に動く。
姉が部屋に入ってきた。後ろ手でドアを閉め、鍵をかける。
カチン、という金属音が聞こえた。
死の宣告、詰め、チェックメイト、アンパンチ、戦争が終わったら俺結婚するんだ。
終末を意識させる言葉が次々と浮かぶ。その間にも体は後退していく。

姉の行動は素早かった。一歩、二歩と跳んだだけで距離を詰めてきた。
肩を掴まれ、押し倒された。背中を打った。胃に衝撃が走る。
なにをする、馬鹿姉。
「ききき、決まってるでしょ、そんなの。いまっから、お姉ちゃんが、気持ちいいこと教えてあげる、よよよよよ」
ろれつが回らないのか、はたまたろれつが回りすぎているのか知らないが、喋りがおかしい。
姉が俺を押し倒して何をしようとしているのか、知らないわけではない。
とぼけてみただけだ。姉が俺をどうしようとしているのか、確認したのだ。
その結果、姉は興奮している、俺を食べようとしている、ということがわかった。
姉が落ち着きを取り戻す確率は、0パーセント。それが覆ることはない。
だが、俺が大人しく犯されるかというと、ノーだ。
痴女、しかも姉に犯されるなど絶対に御免だ。近親相姦ダメ、絶対。

姉が頭を後ろへふりかぶった。
頭突きではない。おそらくベロチューでもかますつもりだろう。
しかし甘かったな、姉よ。
貴様の次の動きを読むなど、幼稚園児でも容易いわ!


628 名前:うめネタ[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 23:55:30 ID:du6FDjhP
姉が目を瞑って、顔を振り下ろしてくる。
対して俺は、首を前に倒した。ちょうど頭頂部を姉に向ける形になる。
顔と頭がぶつかったらどちらが勝つか。
勝敗は次の瞬間に決した。
もちろん、顔で俺の頭を攻撃してきた姉の負けだ。
「い、っつぅぅぅぅぅ?! 何すんのよ!」
首を床につけて、姉を見る。鼻をおさえている手のすき間から零れ落ちるのは、真っ赤な血。
かなりの勢いで頭を振り下ろしたのだろう。目から涙が溢れている。
俺の顔に、透明な液体と紅い液体が落下してくる。
口の中に一滴落ちてきた。しょっぱい。

「大人しくなさいよ! お姉ちゃんが全部搾り取ってあげるから!」
何を絞るつもりだ。
「あのティッシュについてた、真っ白でとろとろの精液よ。すっごく臭くて、おいしかったぁ。
ついティッシュまで飲み込んじゃった」
ヤギでもあるまいしそこまでするなよ。
「てへっ」
てへっ、じゃねえ!
いかん、あれだけの一撃を受けてもこの姉はひるまない。
どうすればいい。どうすれば俺の貞操を守れる。
「せーえきの代わりにぃ、お姉ちゃんのミルクを絞っていいよぉ。赤ちゃんみたいにちゅーちゅーって、飲んでいいよぅ。
えへ、その栄養でぇ、もっと白くって濃いせーえき出してねぇ。ぐるぐる循環して回るんだぁ、うひはへふふふふふふほ」
この顔はひどい。親父が見たら泣くぞ。おふくろが見たら実家に帰るぞ。
それに、子供産んでなくても母乳って出るのか?

俺がなんとかこの場を切り抜けるには、この姉を気絶させるしかない。
考えろ、俺に残された手数を駆使して逆転するんだ。
「朝の指よりぶっといの、ちょうだい。お姉ちゃんの、アソコに」
朝、指――そうか!
姉さん、聞いてくれ。
「なあに? やめてくれってのはなしだよ」
姉さんがジーンズを脱がないとできないだろう。もう俺も我慢できないんだ。(この吐き気に)。
「あ、そっかぁ。こんなにされたら、我慢できないよね。お姉ちゃんも同じ」
姉がベルトを外し、ジッパーをおろし、片足ずつジーンズを脱いでいく。
ショーツはぐしょぐしょになっていた。ふとももに透明な筋が垂れている。
「見て、ここ……もう、とろとろのどろどろどろ、だよ。大洪水に、なっちゃった。ね……早くぅ……ちょおだい?」
ああ、じゃあ目を瞑って……。
「うん……」


629 名前:うめネタ[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 23:58:02 ID:du6FDjhP
右手の人差し指と中指を重ねる。左手で姉の秘所を覆うショーツをずらす。
「ぁ……ほんと、に……やるんだぁ。うれしい……」
愛液を垂らしながらひくひくと動くそこに、重ねた指を突っ込む。
中で第一関節を曲げて、出し入れする。
「あ、ぁあ……おっきいい。朝より、ずっと大きいよ……すっごい……」
円を描くように動かす。姉の体も踊るように回りだす。面白い。
「や、やぁ……いじめ、ちゃやぁ」
じゃ、やめる?
「駄目。やめないで……欲しいの。お姉ちゃん、実の弟に犯されたいの!」
やっぱり変態だな。しかも淫乱。他の男にも同じこと言ってんじゃないの?
「なんでそんなこと、言うの……お姉ちゃんの、気持ちはずっとまっすぐなの、にぃ……あひゃぅっ!」
言葉と嬌声を交えて、姉がもだえる。
姉は自分の乳を掴んで揉んでいる。乳を手の形に歪ませている。
「も、だめ……あ、あ、ぁはっ、ああ! 出して、いっしょにぃ……イこ……?」
ああ、一緒にいこう。

そういえば、プレイボーイの友人が言っていた。絶頂の瞬間に淫核をつねると、女はより激しい快感を覚えると。
無修正の動画では、淫核はたしかここに――あ、やっぱりここか。
「い、く……もうイクっ! いい、いいよぉ! もっと、か、かき混ぜて! はぁ、は、あ、あっ!」
左手で淫核を軽くつねる。
「あ、ぅ、なっあ――――――――――――っは、あぁぁぁぁぁぁ、あっ!!!」
姉が背中を仰け反らせて、叫んだ。
脱力した体が前に倒れていく。ぶつかる寸前で肩を掴んで止める。
姉の顔に浮かんでいるのは笑顔。さっきの職務質問を受けること間違い無しのものとは明らかに種類が違う。
嬉しそうだ。小学生のころの姉はいつもこんな顔で笑っていた。

なんだか、悪い気もした。本当は指を入れただけなのに、姉は俺のモノが入っていたと勘違いしている。
でも、やっぱりこうするのが正解だろう。
変態とはいえ、俺の姉だ。俺と結ばれたとしても、幸せにはなれない。
まだ見識が狭いから、俺以外の男に目が向かないだけだ。
例えば――就職でもすれば、他の男を好きになる。そして結婚する。それが姉の幸せのためだ。
「あ、ぅ……発信機……忘れちゃだめよ、あなた。あと、――ちゃん。ママの子供……」
ここに来れたのは俺に発信機つけてたからかよ。やっぱ油断も隙も見せちゃいかんな。
「だめよ、浮気しちゃ……うめちゃうわよ、その女」
どんな夢を見ているのだろう。うなされてはいないようだが。

姉の股をタオルで拭き、大きいベッドの真ん中に寝かせる。
とりあえず俺はシャワーでも浴びよう。
あ、本当にラブホテルのガラスって透けてるんだな。
彼女を作ったら、ラブホテルに来よう。そんで部屋から彼女のシャワーシーンを見るんだ。
だが、姉とは絶対にこない。来てたまるか。姉のシャワーシーンなんか、絶対に見たくねえ。


「あー……いーい、お湯」


630 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 23:59:00 ID:du6FDjhP
投下終わり。

and

埋めぇぇぇ!!!

631 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 00:02:34 ID:c+rMPNJ4
>>630
GJ!!

632 名前:名無しさん@ピンキー[jtccy068@] 投稿日:2007/08/08(水) 03:50:01 ID:wgDJfwZW
>>630
ちょww生殺しwww
これ続きあんのー?

633 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 04:48:03 ID:3pXMPaFq
続きがてら気になる

634 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 10:34:11 ID:Q5nRBCch
埋めネタ。 ~おれらの本音~

昨日、近所の吉野家行ったんです。吉野家。
そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいで座れないんです。
で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて、竜宮レナ、とか書いてあるんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前らな、レナ如きで普段来てない吉野家に来てんじゃねーよ、ボケが。
レナだよ、レナ。
なんか親子連れとかもいるし。一家4人でひぐらしか。おめでてーな。
よーしパパお持ち帰りしちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、鉈やるからその席空けろと。
ヤンデレ好きってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
Uの字テーブルの向かいに座った奴といつ喧嘩が始まってもおかしくない、
刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。
で、やっと座れたかと思ったら、隣の奴が、Windのみなも!、とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、みなもなんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。
得意げな顔して何が、みなも、だ。
お前は本当にヤンデレ好きなのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、ヤンデレって言いたいだけちゃうんかと。
ヤンデレ通の俺から言わせてもらえば今、ヤンデレ通の間での最新流行はやっぱり、
未来日記の我妻由乃、これだね。
由乃ってのは雪輝への愛情が多めに入ってる。そん代わりストーカー。これ。
で、それに「ちょろいっ!」。これ最強。
しかしこれを頼むと次から店員にマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあお前らド素人は、らき☆すたでも見てなさいってこった。

635 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 10:42:23 ID:rFZoTrn0
とある掲示板で知り合った年上の女が突然、写メを送って来た、まあ2ちゃんみたいな掲示板だったので、メアド交換する様なことはほとんど無い…が、俺は怖いもの見たさと暇潰しで毎日晒していた(顔も)からほとんどのコテと一部の匿名とメル友だった。

特にその女のコテはほぼ毎日の様にメールを送って来ていた。
でも俺はメールも電話も嫌いで、時々返信する程度だった。

その時まで、明るくて面白そうな女の人だな~、とか思ってたいたのだが…

636 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 10:44:01 ID:rFZoTrn0
送られて来た写メは普通に肩から上をとったものだった。
俺は当たり障りなく、褒める様なメールを返しんだ。

その日から、『会いたい』という様な内容のメールが異常な程送られて来た。
まあ何時ものテンションではぐらかしてたんだが、5日くらいたっても続くので、
出会い系池粕
しねばいいのに
て送ったんだ。

リスカ画像送って来やがった。
どうしても会いたいの……ってさ。

もちろんコテとしてはこれ以上のネタはねぇと、掲示板で晒したさw

それからその女コテは掲示板に来ていない。
ただその後で
好きだったのに
て延々と書かれていて最後に、会いたい てメールが来た時はちょっとキュンとした。

637 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 11:55:53 ID:FXdU8tL1
ね、名無し。お姉ちゃんのこと、好き?
あは、やっぱり?
そんなに好きなんだ。
じゃ、これ飲んで。
これはね、天国に連れてってくれるクスリなんだよ。
大丈夫、怪しくなんかないって。
こうやって、ごくり、って飲むだけ。簡単でしょ?
お姉ちゃんは飲んだから、次は名無しの番だよ。
ほら……早くぅ。

うふふ、どう? 体が熱いでしょ?
アソコも、固くなってきて、――体が動かないでしょ?

そんな顔しなくても、乱暴なんかしないよ。
私は、名無しにずっとここに居てほしい、だけ。
あの子――九子ちゃんだっけ。
あんな乳ばかりでかい馬鹿な女には名無しは渡さない。
名無しは、私と、ずぅっとここで繋がったまま、●んでいくんだよ。

――大好きよ、名無し。

埋め!



638 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 20:54:31 ID:aFXNF5cD
うめ。

639 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 23:07:19 ID:aFXNF5cD
まだ埋まんないか…
∧∧
( ・ω・)
_| ⊃/(___
/ └-(____/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

<⌒/ヽ-、___
/<_/____/


640 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 23:09:46 ID:Rh28Ktfn
【埋】
_,,..,,,,_   _,,..,,,,_
_,,..,,,_/ 。ω゚ヽ/ ゚ω。ヽ,..,,,,_
./。ω゚ ヽ,,..,,,,_ l _,,..,,,,_/ ゚ω゚ヽ  
|   / 。ω。ヽ/ ゚ω。ヽ    l
`'ー--l      ll      l---‐´
`'ー---‐´`'ー---‐´


641 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 00:13:34 ID:RJI7AEsp
いや、無理に埋めなくていいから
そのうち誰かが埋めネタ投下してくれるのを待てよ

642 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 01:37:27 ID:fB9tzNxC
>>641
つ残りの容量
埋☆め

643 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 09:41:34 ID:Zn8YyRNC
>>640
(((; д ))) ゚ ゚

644 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 10:50:22 ID:Tn8UOx7q
>>641

1~2kbで何ができるというんだっ!!!

645 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 12:12:24 ID:T70IeYgw
, --Λ-- 、__
( > <    `ヽ、
,`= ====、_     )   新スレに移動ですよ~
/ イ  / | 、 ,   `ヽ_,ノ ヽ,
レ L_/-,_|」Vヽ-,_ヽi  ヽ, i _
(`,`(i ,i    i''''-,._ L__iノ i// ̄ ` ~ ´⌒/
イ.i"`´   .i、_ノ´ ,イ  //  病み   /
(人 i - , _ "" (Y. //─~ , __ ,─´                 , -- 、_
Yイヽ 、_ノ_,,, イノ .//| .|.                 , -- 、_   i・,、・ /
[>ノイ´ヽ人_, イ(イノ// | |           , -- 、._  i・,、・ /   ゝ____ノ
(イ/イ イ `-[=//」i_」.」  , -- 、._   i・,、・ /  ゝ____ノ   ::::'::::'::::
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最終更新:2009年01月13日 14:11