1 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 18:08:45 ID:du6FDjhP
ここは、ヤンデレの小説を書いて投稿するためのスレッドです。

○小説以外にも、ヤンデレ系のネタなら大歓迎。(プロット投下、ニュースネタなど)
○ぶつ切りでの作品投下もアリ。

■ヤンデレとは?
・主人公が好きだが(デレ)、愛するあまりに心を病んでしまった(ヤン)状態、またその状態のヒロインの事をさします。
→(別名:黒化、黒姫化など)
・ヒロインは、ライバルがいてもいなくても主人公を思っていくうちに少しずつだが確実に病んでいく。
・トラウマ・精神の不安定さから覚醒することもある。

■関連サイト
ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫
http://yandere.web.fc2.com/
■前スレ
ヤンデレの小説を書こう!Part8
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1182914768/

■お約束
・sage進行でお願いします。
・荒らしはスルーしましょう。
削除対象ですが、もし反応した場合削除人に「荒らしにかまっている」と判断され、
削除されない場合があります。必ずスルーでお願いします。
・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください。
・作者さんへの意見は実になるものを。罵倒、バッシングはお門違いです。議論にならないよう、控えめに。

■投稿のお約束
・名前欄にはなるべく作品タイトルを。
・長編になる場合は見分けやすくするためトリップ使用推奨。
・投稿の前後には、「投稿します」「投稿終わりです」の一言をお願いします。(投稿への割り込み防止のため)
・苦手な人がいるかな、と思うような表現がある場合は、投稿のはじめに宣言してください。お願いします。
・作品はできるだけ完結させるようにしてください。


2 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 18:23:50 ID:hH0uY2t4
2get

3 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 18:34:38 ID:h+IXzE7Y
>>1乙!

4 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/07(火) 23:04:59 ID:YnoCnSSM
>>1乙

5 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 09:12:46 ID:Rh28Ktfn
>>1乙

そして、件の大全関係貼り。
ttp://crusherfactory.net/~pmoon/mt/001571.html


6 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 15:28:22 ID:TxBBfj/e
>>1乙

7 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 19:56:05 ID:N0q73xgb
あんまり話題に上がらないから心配になってきたんだが、
ジョジョ4部の山岸由花子ってヤンデレだよな?

8 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 20:19:09 ID:BpnCPs7O
>>1乙

9 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 20:46:20 ID:XSks2dAr
>>7
ただのヤンデレってレベルじゃねえぞ!
最後は想い人と結ばれたし、スタンドは強力だし最高だぜ


10 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 22:20:16 ID:dNVPHguz
コミケ行く人はこれの報告よろ。
ttp://nekomarudow.com/y/

11 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 23:07:28 ID:WH3emu5i
そういえばさ。
保管庫のBBSに「リンクにVIP発のヤンデレゲームを入れないのか」って書き込みがあ
るんだけれど、これってどうなん?
VIPがどういう所なのかはよう知らんのだけれど、人によってはえらい嫌悪の対象に
なるとか聞くし。



12 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 23:33:19 ID:JbHFGntF
>10
一応買いに行くけど、なんか勘違い臭がするんだよなぁ。
単に俺がこの絵柄嫌いなだけだろうけどw

13 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 23:41:55 ID:QkQ98/Oz
前スレ>>614のように言葉様を知らないって人が現れているぐらいだから。
良くも悪くもジャンルとして広がりだしているんだろうな。

14 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 23:56:19 ID:gpyZgAvT
やっぱりスクールデイズやったほうがいいのかな。
鋸と飛び降りと包丁はようつべで見たんだけど。
エンディング知ってると買う気がなくなるんだよな。

15 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 00:03:16 ID:/ZCC4tXO
そこに辿りつくまでがいいんじゃないか

16 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 00:41:14 ID:2HXuWWMA
>>11
2ちゃんねるの荒らしの9割はVIPの仕業

17 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 02:06:14 ID:UJPFoL5q
>>11
なんかVIPもそうなんだが、ただ最近のヤンデレブームに乗っかってるだけの感じがする
他にもヤンデレ同盟(笑)とか、ここの住人からしたらミーハーに見えるんじゃないかな?

18 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 02:19:12 ID:RJI7AEsp
まあ別に、このスレがヤンデレ総本山とかそういうわけでもないからそこらへん肝に銘じとこうな

19 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 02:21:52 ID:O7fPZZcP
そんな事、思ってる奴が居るのかww

20 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 02:46:53 ID:rebm2sMX
>>11
荒らししか能がないような糞野郎もいれば神みたいな奴もいる。無論普通の人間も。
人種の坩堝というかカオスというか……それがVIP。

21 名前:名無しさん@ピンキー[jtccy068@] 投稿日:2007/08/09(木) 02:53:16 ID:9e6YIyQ9
プロットを投下させていただきます。


―――プロットの主軸―――

公立高校の2年生に進級した主人公がクールな幼馴染みとツンデレ生徒会長に挟まれ、
主人公をどちらが独占できるかを争い、最終的にヤンデレ化し
BAD END(このスレ的にはHAPPY ENDか?)を迎えるという話。
最初のうちは二人を交えて修羅場を展開するが、途中からどちらかのルートに移動する
というところまで思いついたが俺には難易度が高すぎたため力尽きた……
一応ある程度の流れと登場人物達の設定、オチまでは考えついたので載せたいと思う。
できれば悪友が欲しかったなぁ……



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


主人公

・いつもニコニコしてのほほんとした態度の少年で周りからの評判は比較的良好。
できるだけ前向きに物事を考えようとするが実はネガティブ思考の持ち主。
・今年、皆(特にツンデレ生徒会長とおもしろがった友人達)にはめられ
生徒会副会長になってしまったが「…まぁ、いいか。」と本人は思っている。
・顔は決してイケメンではないが不細工でもない。勉強もスポーツもそこそこのでき。
・現在ボロアパートに一人暮らし中で仕送りはあるものの、かなり生活は苦しい。
家事全般は並みのできだが、たいてい金欠の危機にあっているため生活は乱れがち。
・恋愛に関してはかなり疎く、自分に対する好意にとても鈍感で
無意識に好意を自覚するのを恐れているふしがある。
しかし無自覚に女性に対して親切な行動を取るので実は意外とモテる。
そのせいでヒロイン達は日々イライラしている。
・小2の頃に両親が事故死し、祖父母に引き取られる。
そこで暖かい祖父母の対応や友達になってくれたクールな幼馴染みによって
一旦は立ち直るものの、中学の時告白した女の子にOKをもらった直後に彼女も事故死。
自分と親しくすぎる人は死んでしまうと思い、
高校入学をきっかけに祖父母宅を出て一人暮らしをするようになる。
それ以来周りの人間とは表面だけの付き合いに抑えているが、
クールな幼馴染みは例外で唯一の心許せる親友。
・ツンデレ生徒会長のことはきついけど結構いい人、ほっとけない人だと思っている。


22 名前:名無しさん@ピンキー[jtccy068@] 投稿日:2007/08/09(木) 02:57:33 ID:9e6YIyQ9
クールな幼馴染み

・性格はクールだが結構思いこんだら一直線なところがあり、実は照れ屋さん。
・元々あまり社交性がない上にズバズバと歯に衣着せぬ言い方をするため、
周りの多くは彼女を敬遠し、友達は少ない。
尤も本人は暁人以外はどうでもいいと思っているため気にしていない。
・家は結構裕福な方だが両親は仕事でいつも家を空けているため孤独。
・料理はほとんど家に一人の状態のため上手いが、
やる気が起きないので出前やコンビニですましてしまう。
・主人公とは同じクラスで席も隣同士。
自宅が主人公のアパートと近いのでよく一緒に帰ったりする。
周りに暁人とはよく彼氏彼女の関係なのでは邪推されたりする。
一応否定はするが彼女自身は内心まんざらでもないと思っている。
・頭脳明晰、スポーツ万能、容姿端麗、グラビアアイドル並の体型と
まさに天から二物も三物も与えられている天才肌タイプ。
・当然もてるのだが告白に成功した者は未だかつて存在しない。
そのため主人公によく『自分なんかに構ってないで早く彼氏を作って欲しい』と心配される。
・ヤンデレ化すると狂気を孕みながらも完璧に冷徹そのものの思考で
どうしたら主人公を自分の元に縛り付けておけるかを考えるようになり、
彼の良心さえもそのためには利用しするようになる。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ツンデレ生徒会長

・ツンデレでプライド高いけど根は優しいはずの超お嬢様で生徒会長。
かなり素直じゃなく人の感情を逆撫でするような発言と行動を取るが、
それは彼女自身の自尊心と生来の無器用さのせいである。
しかし可愛い動物や子供などには優しい一面を見せたり、
自分の無礼な発言や行動を後で悔やんだりと
本当は脆い一人の泣き虫で優しい少女である。
・勉強、スポーツも相当でき、もちろんスタイルもいい。
しかしそれは彼女の血の滲むような努力の賜であり、
彼女が影でものすごく努力していることを知るものは少ない。
・彼女の持つ高貴なオーラのせいか絶大なカリスマ性を誇り、
生徒はもちろん、教師までもが彼女にはうかつな態度を取ることはできない。
・去年も生徒会に入っていて、今年の生徒会長に賛成率100%で選ばれた。
ファンクラブが存在するほどの美人で、男子にも女子にもモテモテ。
尤も本人はかなり迷惑に思っている。
家の関係もあってかなり顔が広く、それなりの男女交際をしたことはあるらしいが、
皆自分に合う男じゃなかったと速攻で振っている。
恋愛に関して本人は否定しているが結構ロマンチストな面がある。
・ある財閥の一人娘で家はハンパじゃないほどのお金持ち。
そのため両親はほとんど外出中で広い家には使用人と自分だけという
かなり孤独な生活を送っているため、本当はかなり愛情に飢えている。。
そのために今のようなひねくれた性格になってしまったらしい。
・ヤンデレ化すると元のプライドが高かったところと実は孤独を恐れているところの両面がエスカレートしてしまい、
非常に傲慢で一度キレると相手がボロボロになっても暴力を容赦なく振るう凶暴な一面と
自分がしたことに恐れおののき、主人公に拒絶されたくない一心でひたすら泣き叫びながら
許しを請おうとする非常に人格が不安定な状態になってしまう。


23 名前:名無しさん@ピンキー[jtccy068@] 投稿日:2007/08/09(木) 03:00:12 ID:9e6YIyQ9
―――クールな幼馴染みサイドの話―――

・小2の時転校してきた主人公の暗い様子に共感を抱き、
何かと構ううちに仲良くなり無二の親友となる。
そのまま彼女が主人公に抱く気持ちは恋になる。
しかし主人公が中学の時ある女子に告白し、OKをもらったのを目撃。
怒り狂った彼女は女子の跡をつけ、道路に突き飛ばし彼女を殺害する。
前述で述べたとおり、次第に人を避け始める主人公に
『昔から仲がよかったけど自分は死んでいないし、これからも死なない。
自分だけは大丈夫だ、ずっと側にいてあげる』
と彼を慰め、主人公と親しい人物を自分だけにすることに成功した。
・昔から主人公宛のラブレター、チョコ等は即処分、仲介は全て断り、
直接告白しようとする女子には何らかの方法で全力を持って妨害と、
努力を欠かさなかったおかげで今まで彼には自分だけだった。
自分から告白するのは女が廃ると思っているので
後は主人公が告白するのを待つだけだと余裕な態度でいたが、
最近彼の周りに女の影(特にツンデレ生徒会長)がちらつくことに
クールな仮面の下でかなりの焦燥感を感じるようになる。
初めのうちは嫉妬に狂う自分の姿を見せまいと何もないような振りをしていたが、
主人公が他の女(特にツンデレ生徒会長)と楽しそうに喋る姿に耐えきれず、
取り乱したまま告白してしまう。
しかし主人公に
『幼馴染みを今更そんな目で見られないし、今のままの関係が心地よかった。
だから友達のままでいよう。』
と断られた瞬間に彼女の中の何かが壊れた。
いきなり主人公に拒絶されたのなら生きている意味など無いと
手首を持っていたカッターで切り裂く。
当然主人公は彼女を説得するため『好きだから落ち着いてくれ!』等、
その場逃れな事を言って彼女の家まで行って治療する。
そして彼女は『自分を殺させたくなかったら自分を愛せ』と
脅迫まがいなことを言って、断り切れない主人公を逆レイプする。
コトが済んだ後に彼女は自分が自傷しない代わりに
主人公を自分の元で管理、拘束するための条件を彼に突きつけ、
彼女の狂気を孕んだ完全なる冷徹な瞳を見た主人公は何も言えず、為す術もなく条件を呑む。
翌日で主人公は自分の腕にべったりとくっつき登校する彼女を見た周りから好奇の視線にさらされる。
学校に着いてからも彼女は主人公が側から離れようとしたり、他の女子と少し喋ったり、
触ったりしただけでも、彼だけに見える位置でポケットの中からカッターをちらつかせたり、
昨日までは着けていなかったリストバンドを外し、生々しいリストのカットの痕を
狂気を孕んだ微笑みを浮かべながら見せたりするようになった。
そして彼女は主人公に再度例の脅迫まがいのことを暁人の耳元に囁き、
彼が仕方なくそれに従うのを見るとクスリと暗く微笑み、主人公に体を擦りつけ、そっと口付ける。
彼女に全てを拘束されてしまった主人公は、この先も自分は彼女に縛られ続け、
生きていくという予感を感じながらも、黙って押し倒されるしかなかった。



24 名前:名無しさん@ピンキー[jtccy068@] 投稿日:2007/08/09(木) 03:07:29 ID:9e6YIyQ9
―――ツンデレ生徒会長サイドの話―――

・彼女は生まれ待った容姿やカリスマ性によって周囲からいつも高い評価を受けていた。
それは彼女にとって当然で誇りであるが、反面評価を下げるわけにはいかない、
周囲の期待に応えなければいけないという重荷でもあった。
しかし今年クラスのある男子が自分に対して全く好意を抱かないという
彼女にとってはあり得ない事態が起こった。
しかも自分の弱い一面を偶然主人公に見られ、取り乱し泣き出す彼女。
しかし自分がいつも周りのプレッシャーに苦しんでいることに気付いているのか、
それとなく優しくされ、彼女のプライドは深く傷つけられる。
主人公に対して強く興味を持った彼女は彼について調べ尽くすことを決意し、
皆を扇動して彼を生徒会副会長にまでしてしまう。
しかし今までの男とは全く違うタイプの彼と一緒にいると
なんだか胸の奥が暖かくなるということに彼女はまだ気付いていなかった。
・主人公のことを想うだけで胸が苦しくなり、彼が他の女といるだけでも女を殺してやりたくなるほどの嫉妬心に身悶えし、
持ち前のプライドの高さで何とか自分を保っているほどの状態になりながらも、自分が主人公のことが好きだと言うことを
プライドの高さと仮面の下の自分に対する自信のなさのせいで認められずに苦しみ続ける。
しかしその間にも主人公が他の女(特にクールな幼馴染み)と
仲良くしているところを見せられ続け(主人公にその気は全くないが彼女はそう感じた)、
次第に彼に対して
『なんで私がこんなに苦しまなきゃいけないのよ!?全部あんたのせいよ!責任取ってよ!』
と全て主人公に責任という名目で怒りを押しつける気持ちと
『このままじゃ主人公を他の女に取られちゃう…暁人に捨てられたくないよ!何とか、何とかしなくちゃ…!』
と異常なまでに主人公に捨てられるのを恐れる気持ちが生まれた結果、彼女は狂った。


25 名前:名無しさん@ピンキー[jtccy068@] 投稿日:2007/08/09(木) 03:09:41 ID:9e6YIyQ9
・主人公にちらつく女(特にクールな幼馴染み)の影に異常に怯え、
なりふり構っていられない彼女は無理矢理主人公を自宅に連れ込み、
『そうよ、私は別にあんたのことなんか好きでも何でもなくてあんたが私のこと好きなんでしょ?!
それをわざとごまかして他の女といちゃついてるんでしょ?!そうよ、そうに決まってるわ!
私への性的な欲求を抑えきれなくなったあんたが狼になって
他の女の子に被害を出すと夢見が悪いから仕方ないわね!
私が付き合ってあげてもいいわよ?さぁ、早く告白なり何なりしなさいよ!』
とかなり自意識過剰なことを突然言ってくる。
当然主人公は意味が分からず、しかもその傲慢な態度に少し腹の立ち、
『別に自分は君のことを恋人という意味では好きではないし、
そんなことを言う人のことを好きになれそうにもない。』
と本当のことを言って彼女の家から出て行こうとする。
すると逆上した彼女は突然スタンガンを主人公に押しつけ、身動きがとれなくなったところを血反吐を吐くまで暴行を加える。
主人公がもう声も出せないほどボロボロになったところで突然我に返った彼女が
自分が主人公を殺す一歩手前まで暴行を加えてしまったことにショックを受け泣き叫ぶ。
突然の彼女の変わり様に主人公が呆然としていると
彼女は泣きながら必死に謝罪を繰り返し、許して欲しい一心で自分を傷つけ始める。
主人公がありったけの力を振り絞って彼女の自傷を止めようとするが
彼女は『何でもするから捨てないでください!』と泣き叫びながら懇願してくる。
このままの状態では危険だと判断した主人公は
いったん彼女を落ち着かせるために仕方なく交際を申し込む。
すると途端に彼女は笑顔になり、主人公を強引に自室に運び、手当てをしている最中に欲情し、
ボロボロな上に先ほどの様子から拒否しきれない主人公は抵抗もできないまま彼女に犯され、気を失ってしまう。
そして目が覚めると彼女はいつもの意地張りだけど可愛い彼女に戻っていた。
安心した主人公に彼女は『付き合ってくれと言われたからしょうがない』等、
散々言い訳しながらもベタベタとくっつき、そのまま登校。
しかし彼女は主人公が側から離れようとしたり、他の女子と少し喋ったり、
触ったりしただけでも怒り狂い、人気のないところに連れて行くと容赦なく暴力を振るい、
我に返って自分がしでかしたことの現状に気付くと、
また泣き叫びながら許しを請うといった行動を繰り返すようになる。
彼女が作り出した暴力と贖罪のループに取り込まれてしまったことに主人公は気付き、そして悟った。
自分が死ぬまで決してこの無間地獄からは逃れられないと。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


以上で投下終了です。
長々と5レスも使って申し訳ありませんでした。



26 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 04:01:46 ID:f8/BqFnw
ああ、かわいいなあなんて思ってしまった自分は
人として何か致命的にやばい気がする。
自分的に好みはクール幼馴染かなあ。
黒さはもとより、冷徹な分、アクションにも対応してくれそうだ。
ヤンデレの一番の醍醐味はあの鋸とナイフのバトルだと思うんだ。



ああ、あと前スレの>>614氏。
言葉様はオーバーフローのスクールデイズのヒロインで
SHUFFLEの楓様とならび、ヤンデレブームの火付け役となられた方だと
思うのだがいかがだろうか?
鋸をご利用なされ怨敵を抹殺された素晴らしいお方であられる。
ちなみに言葉様はFDともいえる次作サマーデイズにも出演なされ、
そちらでは確かに本当やゴルフクラブをお使いになっていたはずだ。


27 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 08:01:28 ID:JLqFsbCv
保守用に短編で書いてみました。

私のお婆ちゃんは呪い師だった。
お婆ちゃんは言っていた。女はミステリアスじゃなくちゃいけないと。
馬鹿馬鹿しい。私が望むのはそんなのじゃない。
お婆ちゃんは私に人を呪う方法を教えてくれた。
相手の腕を破壊する呪い。相手を不幸にする呪い。そして惚れさせる呪い。
そしてお婆ちゃんは言っていた。
人を呪う時はじわじわとゆっくり呪えと。
馬鹿馬鹿しい。私は誰も恨むつもりは無い。

高校に入った時、私は文芸部に入った。
そこで出会った憧れの先輩。でも……先輩には恋人がいた。
胸も体もその先輩が優れてたし、私はそっと身を引く事にした。

でも私は見てしまった。あの先輩の恋人が浮気をしていた事に。
「でもアイツ馬鹿だよねー。私があんな奴に引かれると思ったのかしらー」
許せない………許せない………。
思いっきり掴んだ拳から血が流れ落ち、その血が呪いを受けて立ち上がる。

「シネ」

次の日、先輩の恋人は学校に来なくなった。なんでも見知らぬ男と駆け落ちした……。
という事にしておいた。だって、先輩が彼女の事を考えると私が付け入る隙がなくなるし……。
「お弁当なんてラブラブじゃん」
「ううん……別にそんなのじゃ……」

ニタリ(計画通り)

28 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 09:04:13 ID:SSojZFno
ちょwwwwwww月オチwwwwww
GJ

29 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 10:33:35 ID:PE9VewkI
>>25
乱暴な言い方になるけど
そこまで出来てるなら自分でやれ、主人公の名前も決まってるようだしな
それと、目欄にはsageだ

30 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 10:42:05 ID:Tn8UOx7q
ここまで書いときながら後を自分で書かないやつはいないだろwww
他人に丸投げするには要らん情報ばかりだぜwwww

31 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 12:45:50 ID:Zn8YyRNC
誰かに書いてもらおう、そう思ってシナリオみたいなのを書いて投稿した>>25
しかしそのあと返って来たレスはお前がやれ^^見たいなレスだった。
そして>>25は自分のシナリオを自分で書く羽目になった。

>>25は中学2年生で早くも大人の世界を知ってしまった夏休みの日だった。

32 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 12:48:32 ID:/PW8D9Pi
「ねえねえ、名無し君」
「ん、なんだ」
「今日も、おうちに居てくれるの?」
「ああ」
俺の答えを聞くと、女は蕩けたような笑顔を浮かべ抱きついてきた。
この女は、俺のストーカーだ。
いや――ストーカーだった、というのが事実としては正しいだろう。
今では俺の恋人、もっと変わった言い方をすれば内縁の妻だ。
同じ屋根の下で暮らして、同じ釜の飯を食って、同じベッドで抱き合いながら眠る。
夫婦の実態など知らないから断言できないが、夫婦生活というのはこんなものだろう。

俺は今年の1月後半から、望んで女に監禁された。
監禁される前日まで、この女はずっと俺をストーキングしていた。
俺が住んでいた家に女がやってきた時点で、すでに俺はかなりおかしくなっていた。
それまでも大量の手紙、帰宅したとき勝手に用意されている夕食、携帯電話へのモーニングコールなど、
それ以外にもいろいろされてきた。
しかし俺は、それらに参って監禁されたわけではない。

俺はSSを書くのが好きだった。
仕事に行っている間も、ずっとSSのことばかり考えていた。
仕事に行かずにずっとパソコンの画面と向き合い、キーボードを叩き続けていたかった。
ある時、俺はその望みを叶える方法に気付いた。
――この女に監禁されてしまえばいいのだ、と。

それ以来俺は家から一歩も外に出ず、SSを書くか、女と寝るか、ご飯を食べるか、という単純な生活を送っている。
最初は社会や友人への未練もあったが、今ではもう全て吹っ切れた。
SSを書いて居られれば、俺はそれで良かった。そのことに、気付いたから。

擦り寄ってきた女の体を抱き締める。
とても柔らかい。安らぐ。そして――暖かい。
「名無し君……」
「今から、いいか?」
「うん……いっぱい、して」
「ああ……」

ずっと、こうやって暮らしたい。



こんな妄想が浮かんだ俺はもう駄目かもわからんね。



33 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 12:56:36 ID:kLSf/QTT
残念ながら手遅れです。
早く妄想を書き起こす作業に戻って下さい。

34 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 13:36:50 ID:WDDO1uxc
残念ながらておくれです
むしろこちらとしてはありがたいwww

35 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 13:48:48 ID:T70IeYgw
>>32
つまりこの先SSに嫉妬して書くのをやめさせようとする女とスレ住人との修羅場が(ry

36 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 14:44:51 ID:zlyI91+F
何故ヤンデレに出てくるヒロインが総じて武装してしまうのか
たまには敵女を精神崩壊させて廃人にしてしまうのもいいんじゃないかと思う

ヒロイン1
高校生
主人公と付き合っている
清楚なお嬢様タイプ
黒髪ロング
綺麗というより可愛い
大きすぎず小さすぎない胸、美乳
主人公は清楚なところに惚れた
しかし、彼女は激しい性衝動に悩まされており主人公を襲いたくなるが嫌われたくないため我慢している

ヒロイン2
主人公の妹
兄を異性として愛しており、兄と付き合いだしたヒロイン1を憎んでいる
二人を別れさせるため暗躍する

37 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 14:51:04 ID:SSojZFno
>>36
理論武装してんじゃん

38 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 14:51:26 ID:zlyI91+F
妹はヒロイン1の内に秘める性衝動を見抜きそれを利用する

ヒロイン1、凌辱、調教される
理性では拒否しながら体は受け入れてしまう
精神の崩壊を防ぐため、次第に凌辱、調教を受け入れるようになる
凌辱されることて自分の性衝動が満たされることに気付く
ヒロイン1淫乱化

主人公、ヒロイン1が乱交している場面に遭遇
ヒロイン1は主人公を見てもセックスをやめない
「君も私を気持ち良くしてくれるの~?」
と言われる
主人公、変わり果てたヒロイン1に絶望する
ネトラレ発生

39 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 14:53:18 ID:PE9VewkI
NTRはちょっとあれだなあ・・・

40 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 15:15:43 ID:QKqHVZKj
ヒロイン陵辱系はヒロイン同士の殺し合い以上に拒否反応の出る人が多いから
気をつけたほうがいいな。注意書き推奨。

まあ殺し合いは許容(あるいはむしろ望む所」ってのは
ヤンデレというジャンルの愛好者の中でだけしか通用しないけどwww

41 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 18:06:17 ID:lbEKnMoy
保管庫のトップページの更新履歴が新しくなっている!
管理人さん、おつかれさま!

42 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 18:53:33 ID:zhjaQg+4
>>40
俺はNTRでも歓迎だけどね。
展開にもよるんじゃないか?

泥棒猫ヒロインBの罠で幼なじみヒロインAが陵辱される。
ヒロインA淫乱化、でもやっぱり主人公が好き。
なんだかんだで主人公とヒロインAがセクロス
血が出ない、ヒロインAが処女だと思ってた主人公はショックを受ける。
ヒロインAは「ち・・・、ちがうの!初めてでも血が出ない人もいるのっ!
私、他の男の人となんてこんなことしないよ・・・」
などと嘘をつく。
最悪な雰囲気のところに颯爽とヒロインBが登場、主人公に全てを話す。
「だってねぇ、その女は他の男と
” ~ ~ ”して” ~ ~ ”なんだものっ!アハハハハ」
ヒロインA崩壊、
「いや・・・ぁ・・・ち、違う!違うよっ!
○○さんは嘘をついてる!○○さんは嘘をついてるよっ!!」
みたいなのならどうだろう。
つーか、書いてて変な気分になってきた。

43 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 19:11:25 ID:RJI7AEsp
('A`)ヴェロア

44 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 19:16:22 ID:Zn8YyRNC
>>32
けど本当にお前が大量の手紙を送られたりしたらさぞかし嫌がるんだろうなwwwww

45 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 19:38:17 ID:Lk6Td3z0
>>42
それ魂響のかすみと紅そのまんまじゃねーか!陵辱じゃなくて和姦だったからさらに鬱

46 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 19:58:58 ID:zlyI91+F
>>45
詳しく聞こうか

47 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 20:26:05 ID:Lk6Td3z0
>>46
主人公と両想いな妹(かすみ)が主人公にベタボレなヤンデレフタナリ(紅)の罠にはまり
紅の部下のイケメン男(こいつは実はナイスガイ)と和姦。ちなみに処女。
終盤に主人公とセクロスするんだけどそのときまさに>>42そのまんまの状況になります。
最後はショックを受けすぎた主人公が紅を受け入れて二人で去っていく。残されたかすみは絶望してEND
イケメン男はかすみの友達とできててかすみとの関係が見られてその子に刺されて死亡。
ついでにその友達の姉も主人公に惚れてるんだけど紅の罠にはまって陵辱されます。
他にもENDあるけどどれも紅が勝つENDでかすみは絶望。

48 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 20:37:41 ID:zlyI91+F
主人公にベタ惚れなのにイケメンと和姦?凌辱じゃなくて?
何故…あぁ罠か
罠にしろ和姦にもっていくのは無理がなくないか

さっき感想サイト見てきたんだけどアンチ冬馬が多いね

49 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 20:58:49 ID:Lk6Td3z0
>>48
主人公はへたれっていうかダメ人間すぎるからね・・
罠っていうか精神的に追い詰められちゃって(陵辱されかかったり主人公と友達の姉の和姦現場みたりその他諸々)
紅に無理やり命令されたイケメンに口説かれて兄さんのせいなんだから・・ってなって和姦。みたいな流れ。
イケメンは紅に薬つかってかすみを輪姦させちゃうぞって脅迫されてそれなら・・ってかんじ。
今考えると紅は相当なヤンデレだったな。スレ違いでごめん。

50 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 21:18:18 ID:RJI7AEsp
>>49
>主人公と友達の姉の和姦現場みたり
ちょ、お互いさまじゃねえかwww

俺はバハラグのトラウマのせいでどうしてもNTRは駄目だ……('A`)

51 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 21:55:44 ID:3jVxKJf9
沙羅曼蛇ーより……はやーい!

52 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 23:15:01 ID:g0JYvsBM
いや、そこは逆に考えるんだ。
「あんなド腐れ糞女、こっちからお断りに決まってんだろうが!」と思うんだ。

それにビュウはまだ良いよ。フレデリカやメロディア(それとセンダック)にも好かれてるし、これから幸せになる事だって十分可能なんだから。
本当に不幸な奴って言うのは、オルステッドみたいな奴の事を言うんだよ……。

53 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/10(金) 00:40:12 ID:ygQsKTfe
愛してるって言葉だけでは、信じてるって思いだけでは、人の心を捉えておくことなんて出来ないのよ

54 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/10(金) 00:57:46 ID:MHlURQeR
愛してるってのは言葉にしなければ伝わらないのに
愛してないってのは言葉にしないでも伝わってしまうんだ
そう、あいつがあんな事になってしまったのも…

55 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/10(金) 00:59:53 ID:ZC9BzT8U
ならば愛などいらぬ!

56 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/10(金) 02:10:46 ID:X0ipuJOe
お兄ちゃん、お兄ちゃんはお父さんとお母さんと、学校の先生に怒られちゃったの?
わたしはお父さんとお母さんと、あと友達とかにまでいろいろ言われたよ。
もうあんなやつら友達なんかじゃない。
お父さんもお母さんもひどいよ。
でも、だれもわたしとお兄ちゃんを知らないところに行けば問題ないはず。
名字が同じなんだから、夫婦で通るよね。
ご近所に初々しいご夫婦ねとか言われちゃって…
それでもし知ってる人が来たら×しちゃえばいいよね。
だから一緒に行こう?
ほら、旅支度して、えへへ 
大丈夫、ちゃんと出発前の「お掃除」はしといたから。
さ、お兄ちゃん?

57 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/10(金) 04:47:22 ID:T3u2U/DN
>>56最高だ。ぜひSSにしてくれ。
ヤンデレ喫茶で全裸で待ってるから。

58 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/10(金) 09:08:08 ID:CVisOHdf
>>57
無謀すぎるぞw
そういえばヤンデレ喫茶の発端となった人、未だに連絡がないな。今頃どうなっているんだろう?

59 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/10(金) 12:30:52 ID:DZ/Jpqrn
おそらく10回目に行ったんだろう

60 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/10(金) 16:28:47 ID:po6vV3lt
http://mup.vip2ch.com/dl?f=17193
保管庫見た限り絵でもいいみたいだから投下

61 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/10(金) 16:30:12 ID:S2YDE8KX
>>60
よくやった!

62 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/10(金) 16:43:27 ID:JtQNUzuc
>>60
(・∀・)イイ!
でもこれ、どのSSの絵?

63 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/10(金) 18:19:52 ID:XiGo3Ehp
SSの絵とは限らんだろ

64 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/10(金) 18:43:18 ID:JtQNUzuc
となるとさすがに板違いではあるまいか。

でも逆にこの絵に合うSSを考えてみるという方法もあるか?

65 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/10(金) 20:02:55 ID:ifK0gDAa
>>64
空気ぶっ壊すようなレスしないで><
>>60
GJ乙

66 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/10(金) 20:03:00 ID:po6vV3lt
http://mup.vip2ch.com/dl?f=17199
大河内さん

>>60
板違いなことしてごめん

67 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/10(金) 20:31:32 ID:aGrF5+Bw
>>65
( ^ω^) ……。

>>66
大河内さんのイラストGJ。

68 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/10(金) 20:38:51 ID:ajGkr/+J
半角二次元ならばオリジナルおk、
っていうか大歓迎何だぜ。

69 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/10(金) 20:54:33 ID:Sl9mxWwF
ま、ここは昔からヤンデレ系のネタなら何でも歓迎だったし
気にする事はないんジャマイカ

>>66
久しぶりの大河内さんktkr!
何かもう必死な所がカワユス

70 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/10(金) 21:18:46 ID:aGrF5+Bw
あれ?
保管庫の中の人、ご乱心??

71 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/10(金) 21:20:19 ID:Sl9mxWwF
ん?
なにかあった?

72 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/10(金) 21:24:11 ID:aGrF5+Bw
何か、リンク集がめちゃくちゃになってるキガス。

73 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/10(金) 21:25:48 ID:Sl9mxWwF
久々に見たらリンクがずいぶん充実してるな

単にリンクが増えたから編集方法変えただけなんジャマイカ?

74 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/10(金) 21:37:48 ID:aGrF5+Bw
ああそうだったのか。
無駄に騒いでスマソかった。

75 名前:素敵な顔が見たいから ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/11(土) 06:02:57 ID:ikuyr0LK
短い話を投下します。

76 名前:素敵な顔が見たいから ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/11(土) 06:05:03 ID:ikuyr0LK
携帯電話を取り出して時刻を確認します。AM5:55。
のんちゃんが起きる5分前です。
あと5分、そう、あと5分待つだけで朝イチの、のんちゃんの顔を拝めます。

のんちゃんはいっつも早起きさん。
私が朝お家に入って朝食の準備や制服のアイロンがけや部屋の掃除をするようになってから、
どんどん早く起きるようになっています。
最初の頃は嬉しかったです。
だって、私のおかげでのんちゃんの生活リズムが整って、健康になっていくんですから。
でも、さすがに最近は早過ぎです。
前は早くてAM7:40、遅くてAM8:10に起きていたのに、昨日は6時起き。
このペースでいくともしかしたら5時には起きちゃっているかもしれない。
さすがにそれはやめてほしいです。
いくら私でも5時までにのんちゃんを迎えにいく準備は終えられません。
え、何の準備か? それはもちろん、血と愛液の準備ですよ。
朝食とお弁当に混ぜるだけの量をとるためにはせめて30分は欲しいです。
のんちゃんが朝早起きするせいで、今でも40分くらいしか時間がとれてないんです。
楽しむためには、一時間あっても足りないのに。

ポケットから合鍵を取り出して、玄関の鍵を開けます。
この合鍵は一ヶ月前、のんちゃんが渡してくれたものです。
あの頃ののんちゃんは照れ屋さんでした。
私に合鍵を渡すために、わざわざペットののりちゃんの小屋の中に入れていったんです。
そんなに恥ずかしがらなくても、のんちゃんがくれるものなら私、なんだってもらっちゃうのに……。
一番欲しいのはもちろん、初めてと白い精液とムスコさんですけど。
ほかには、のんちゃんの愛情も肉体も心も視線も優しさも――全部、ぜーんぶ欲しい。
少しでも取り残しがあったら、他の女の子に取られちゃいますから。

家の中に入ったら、のんちゃんを起こさないよう、這うようにゆっくりと廊下を進みます。
廊下の突き当たりを右に曲がって、その先にある部屋へと、ひたり、ひたり。
このときの私は、自身の呼吸で空気を震わせてのんちゃんを起こしてしまうんじゃないかと思うほど、荒く息をついています。
だって、もう少しであのはにかんだ笑顔が――!

もうだめです! のんちゃん、今すぐ行きます!
ドアを乱暴に開けて、ベッドの上で布団の中に籠もって待つのんちゃんに、ダイビング!
掛け布団の上から覆い被さって、私はのんちゃんの体を抱きしめて……って、あれ?
「のんちゃん、どこ行っちゃったんですか~?」
布団はぺしゃんこにつぶれました。
別に私が重い訳じゃないですよ?のんちゃんが布団の中にいなかっただけです。
「のんちゃーん! 愛しのハニーが来たっていうのに、どこに行ったんですかー!」
「……ここです、先輩」
のんちゃんの声です!振り返るとのんちゃんのまるでテディベアみたいに愛らしい顔が、顔が!
ああ、その寝ぼけた顔なんかまるで女の子みたい!
私の服、着せてあげたい!ううん、着せてあげます!


77 名前:素敵な顔が見たいから ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/11(土) 06:07:46 ID:ikuyr0LK
「のんちゃん、ミニスカートとブラウスの組み合わせって好きですか?」
「え……まあ、その格好が似合う人が着てるんなら何でも好きですけど。
――じゃない! もう来ないでくださいって行ったじゃないですか! 今の先輩、ストーカーそのものですよ!」
「え~、違いますよ。私は、のんちゃんの恋人ですよ?」
「なっ……、本気で言ってるんです、か……?」
のんちゃんの顔が青ざめました。
もちろん本当に青いわけじゃないですけど、言葉にするとそんな感じです。
でも、本当に顔が青くなってものんちゃんはのんちゃんだから、私の愛は変わりませんよ。

「のんちゃん、青が好きでしたよね?」
「え? はい、結構好きですけど……」
「じゃあ、私がのんちゃんを青くしてあげます!」
顔と、髪の毛と、体と、爪と……あと、目にもカラコン入れたほうがいいかな。
青いのんちゃん、楽しみです。
「青く、って……もしかして、赤マントとか……青って答えたら、血を抜かれるとか、そういう……意味で……?」
のんちゃんが腕をさすってます。あ、鳥肌びっしり。
風邪かな?おなか出して寝るとそうなっちゃうんですよ。
やっぱり、早くのんちゃんを説得して一緒に寝てあげないと。
「青いマントでも赤いマントでもいいから、とにかく横になっているときは着とかないといけませんよ?」
「……っ! やっぱり……そういう、ことか……先輩は、血をどうするんですか」
「血? 血は……」
あれ、昨日のお弁当のケチャップにたっくさん血を混ぜてたのに気づいてたんですか。
何事もないように食べてたから気づいてないと思ってました。
私もまだまだです。もっとのんちゃんをよく見とかないと。

「実は、私……」
「……はい」
「ご飯作るときに、よく使うんです
「――っ! ……う、く……」
のんちゃんが息を呑んで私の言葉を聞いてます。まじめな顔も、好きです。
「今日もいっぱい、いっぱい使ってあげるから、楽しみに――」
「う、あああ、うわあああああああああああ!」
のんちゃんが突然駆け出しました!
部屋の外に出て、ドアを音を立てて勢いよく閉めたら、また声を張り上げました。
「もう、許してください! 僕は、なにも悪いことをやってないじゃないですか!」
どたどた、という足音が遠ざかっていきました。
続いて、玄関が閉まる音が聞こえました。

何がしたかったんでしょう、のんちゃんは。私をこの部屋に閉じこめて……。
あ、もしかして私を監禁するつもりだったんじゃ?!
え、でも私はどちらかというとのんちゃんを監禁したい方で……でも。
「のんちゃんにしつけてもらえるなら、監禁されてもいいかも。――うふ」
あのテディベアみたいな顔が、残虐な顔になったら、また可愛いかもなあ。
見たいなあ。よし、来月の目標はそれにしましょう。
でもその前に、一度めちゃくちゃにしてもらいたいですけど、ね。


78 名前:素敵な顔が見たいから ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/11(土) 06:10:29 ID:ikuyr0LK
今日の通学路では、のんちゃんと一緒に歩けませんでした。
私がお弁当を作っている間、外で待ってくれているかと思っていたら、先に行っているんですもん。
つまらないです。のんちゃんの無防備な眠そうな顔も、ふらふらとしながら歩く姿も見られない。
あの、ため息を気だるそうに吐くときの横顔が見られないなんて。
今日は他のところでいいことがあれば嬉しいです。

お昼になりました。
私の席は教室の廊下側の一番前。チャイムが鳴ったら先生より早く、誰よりも早く教室を後にします。
もちろん、のんちゃんの元へ向かうためです。
きっとのんちゃん、朝ご飯を食べてこなかったからお腹を空かせてます。
コンマ一秒でも予断は許されない状況です。だから急いでいるんです。

生徒や先生を蹴散らしながら、ようやくのんちゃんのクラスへたどり着きました。
「あ、先輩。今日も来たんですか?」
声をかけてきたのはのんちゃんではなく、ついさっきまでのんちゃんと同じ時間を共有していた忌々しい女子生徒でした。
今日のように急いでいなかったら無視するんですが、今日は状況が違います。
「ええ。のん――野村君はいる?」
「えっと……あれ? いないな、どこ行ったんだろ。さっきまでテーブルに突っ伏してたのに」
のんちゃんが、いない?
そんな、どうして!どこに行ったの?
こうしては居られません。教室にいないとわかった以上、ここには用なしです。
教室を背にして、すぐに探しに向かいます。
今日のお弁当の酢のもの、自信作なんですから――絶対に、食べてもらわないと。

のんちゃんは屋上にいました。もちろん一人です。
よかった。誰か他の女と一緒に昼食をとっていたら朝の苦労が無駄になるところでした。
今まで他の女に向ける憎悪を抑えつけてきた努力も無駄になるところでした。
のんちゃんはフェンスの金網を掴みながら中庭を眺めていました。
「のんちゃん、ど、う、し、た、の」
「うわっ、うわわわあああ! せ、先輩っ!」
声をかけた瞬間にのんちゃんが振り向いて、あとずさりました。
後ろは金網ですよ?その先にはただ空があるだけですよ?
さらにその先には――死が待っていますよ?
もう、そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに。

「うふ。はい、これ」
「なんですか、これ……いや、聞くまでもない、か……いつもの……」
「はい。私の愛情入りのお弁当。今日のメニューはね……」
「あの、作ってきてくれて、ありがとうございます、とは思いますよ。けど……もう、こういうのやめてもらえませんか」
「え?」
やめる、ってお弁当を作ってくることを?
「馬鹿いっちゃだめですよ。これからもずっと、私がのんちゃんのお弁当を作ってきてあげますから。
いっぱい食べて、栄養つけて。じゃないと、今日の夜、体がもちませんよ?」
「また、やるんですか……アレ」
「うん」
アレっていうのは、いかがわしいことじゃないですよ?私とのんちゃんの鬼ごっこのことです。
ずっと昔、私とのんちゃんが小学生のころから毎週欠かさずやってきたイベント。
日付が変わるまでずっとのんちゃんが逃げ回って、私がのんちゃんを追う。どこまで逃げてもOK。
それだけの他愛のない遊びです。
けど、私にとっては大事な一週間のしめくくりなんです。


79 名前:素敵な顔が見たいから ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/11(土) 06:13:05 ID:ikuyr0LK
「もうやめましょうよ。二人とも高校生になったんだし、それに幼なじみなんて言っても、もう……」
「幼なじみなんかじゃないですよ~。こ、い、び、と」
そう。恋人。のんちゃんを独り占めにしてしまえる唯一の存在。
その席にいるのは私だけ。もうきっと――誰もそこに座ろうとはしません。
他の女は私の愛の前にひれ伏して、みんなのんちゃんの前から立ち去りました。
もし誰か近づいてきても、私は絶対に負けたりなんかしませんけどね。

のんちゃんがまた怯える表情を見せました。
「もう、やめてくださいよ」
「やめる? なにを?」
「そんな……ストーカーまがいのことなんてっ! 迷惑でしかないんですよ!」
「違うってばあ。怒りますよ、のんちゃん。私はのんちゃんの、たった一人しかいない恋人、なんです」
「そういうところがストーカーっぽいんです! さようなら!」
のんちゃんは私を突き放すと、すぐに屋上から立ち去りました。
うふ。照れてる照れてる。もう、本当にかわいいったらありゃしない。

いじめたいなあ。手と、足を縛って、公園の木にくくりつけて、アソコを扱いてあげますよ。
出そうになったら一回止めて、言葉責めにして、収まってきたらまた……って。
でも、やっぱり気持ちよくさせてあげたいな。
――そうだ、お尻。お尻の穴に挿れられると男の人も感じるって聞いたことがありました。
じゃあ、私の方からのんちゃんのお尻を犯してあげればいいんですね。
のんちゃんの喘ぐ声、可愛いんですよ。
先輩、許して。ごめん、好き、好きですから……もう、やめて……。

あ……想像しただけで、アソコがとろけそう。
駄目だなあ。のんちゃんのことを考えるだけで、どんどん愛が深くなってく。
今はまだ平気だけど、この調子だといつか愛情のダムが決壊しちゃう。
そしたら、本当になりふり構わなくなって、のんちゃんを犯しちゃうかも。
でもそれじゃダメ。やっぱりのんちゃんからしてもらいたい。
いっぱいいっぱい中出ししてもらって、いっぱいいっぱい撫でてもらいたい。
子供もいっぱい欲しいなあ。みんな男の子がいい。
小さいのんちゃんがいっぱいいるなんて、夢みたい。

「えへ」
顔が勝手に緩みます。
「えへへへへ」
唇が横に広がるのを抑えきれません。
「えへへへっ……私、すっごい幸せ者だあ……」
約束された未来。その時がくるまでずっと待っているのは辛いけど、待ちます。
私の人生は、のんちゃんのためにあるんですから。
のんちゃんを手に入れるためにあるんですから。


80 名前:素敵な顔が見たいから ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/11(土) 06:15:07 ID:ikuyr0LK
走る、走る、走る。
のんちゃんが逃げる、逃げる、逃げる。
ああ、楽しい。まだ今は夜の8時。これから4時間ものんちゃんと遊べます。
最近はのんちゃんどんどん足が速くなってきてて、少しでも油断するとすぐに逃げられちゃう。
隠れながら逃げるのも上手だし、人ごみの中を突き進むのも手馴れてる。
でも――まだまだ甘いですよ。

「のーん、ちゃーん!」
「ヒッ……!」
のんちゃんを捕捉しました。現在5メートル前方を疾走中。
私、足には自信があるんですから。
もちろん足の長さにも自信がありますけど、走りにも自信があります。
「ほらほら、早く逃げないと、捕まえちゃいますよぉ?!」
「……はっ、はっ……も、やめて……くださいよぉっ……」
ああっ、いいです、その声!
勝手に頬が吊り上ってきますよ!
のんちゃんを追い詰めてくこの気持ち、最高です。
逃げ場を失って、絶望するのんちゃんの顔も見たい。
誰にも頼れなくて、迷子の子供みたいな顔でさまようのんちゃんの顔も見たい。
今からスピードを上げてのんちゃんを捕まえたら、凄くいい顔が見られるかも……。
でも、まだしません。私には計画があるんです。
のんちゃんとの結婚式当日、式場に来ない私。
当然のんちゃんは私を探しにでかけます。もちろん花婿姿で。できたら和服がいいですね。
今にも泣きそうな顔で、私を探して奔走するんです。
私はのんちゃんと初めて出会った公園で待っています。
そこへのんちゃんがやってきます。
このときののんちゃんの顔、きっと凄く輝いてます。
私を見つけられた喜びと、いまだ残り続ける不安と涙でぐしゃぐしゃです。
のんちゃんが私を抱きしめます。そして涙声でこう言うんです。
僕、君がいないとだめなんだ!僕の前から居なくならないでくれ!なんでもするから!
これが、私にとって本当に嬉しいプロポーズの言葉になるんです。
私は焦らしながら、のんちゃんを少しずつ許していきます。
結婚式の前に愛を確かめるのは当然のことですよ。
ねえ、のんちゃん?

「く………………かす、み……」
「霞ちゃん? 今度はその子?」
「あっ……!」
えへへ……口が滑っちゃいましたね、のんちゃん。
あの眼鏡かけてる小さい女の子のことですね。いいこと聞いちゃいました。
「先輩、霞に、は…………近づかないで……」
「ど、う、し、よ、う、か、な」
あの子をいじめたら、またのんちゃんの泣きそうな顔が見られますね。
今度はどれぐらい持つかな?せめて一週間はもってほしいです。
「お願いです。せんぱい……」
えへへ。逃げ切ったら、考えてあげますよ、のんちゃん。
簡単に捕まっちゃだめですよ?
私は、ずっとのんちゃんの怖がる顔が見たいんですから。
絶望のその先にある、誰も見たことのないのんちゃんの顔を引き出したいんですから。

「愛してますよ、のんちゃん」


おしまい

81 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 06:18:34 ID:ikuyr0LK
>>66
あなたにとても感謝しています。昨日はもだえ死にそうになりました。
自分で思っている大河内の1000倍は可愛かったです。しかも絶対領域装備。
じっと見ていると、なんだか紙から出てきそうな気さえしました。

描いてくださって、本当にありがとうございました。GJでした。


82 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2007/08/11(土) 08:03:48 ID:79UZaX18
>>81koeeeeeeeeeeee!!!!

悪寒が走った。GJ!

83 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 08:17:26 ID:DKssVyJa
このぐらいの短編もさらっと読めてイイ
先輩可愛いよ先輩

84 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 08:37:53 ID:IUHSesRp
これは良い病みっぷり

85 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/08/11(土) 10:19:57 ID:f39bCfLr
遅くなりましたが新スレ&保管庫更新乙です

86 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 11:40:10 ID:VSc9Q6o5
面白かったけど、主人公は鍵をとりかえろとw

87 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 12:46:42 ID:WjGyOkCV
>>86
ヤンデレに開けられない鍵は無い

88 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 14:06:40 ID:Pj9z1oJc
>>87
鍵職人かよ。

89 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 15:08:49 ID:AltSWpRB
>>86
鍵を変える→窓から侵入
防犯ガラスにする→電話がくる
全てシャットアウト→外に出たところをヤられる

回避不可能です。諦めて下さい。

90 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 16:23:20 ID:qK5ppGc2
俺の心の鍵だけは、開けさせないぜ!

91 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 16:37:18 ID:mJK9qYpo
ガイシャの死因は胸部を刃物で・・・だそうです
検死の結果、心臓が無かったそうです


どうやら彼女は鍵ごと盗んだようですよ

92 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 17:54:39 ID:YeQ6rTD3
この事件は猟奇殺人事件ではありません、強盗殺人事件です。
え?心臓がえぐられただけで金銭は盗られていない?
いいえ、彼女は大切な物を盗んでいきました。
被害者の「ハート」ですよ

93 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 18:23:03 ID:Pj9z1oJc
>>89
やられるって殺されるのか・・・

94 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 18:24:40 ID:Pj9z1oJc
どうでもいいけど1980年代の映画ってよくこの女ヤンデレじゃね?って言う映画あるよね。

95 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 19:13:12 ID:6km7k7AE
恋愛至上主義のあの頃は好きな男のためなら待ち伏せや付きまとい、
泥棒猫を絞め殺すのも許されたんだぜ。

96 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 20:29:17 ID:vW8nGX+q
とりあえず、好きな相手の後をつけてしまう行為が
秘めた一途な愛だと思われてた時期は確かに存在した

97 名前:緋口宗一[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 20:32:34 ID:taAnTlBK
殺し屋1の垣原はヤンデレだと思うんだ。
というかあれがラブコメであることに映画作った人は気づいてない
気がしたんだ…マー君は「うおっ、アブねー、当たったらどーすんだよwww」
とか言わないよう…

ところで、「えっちシーンよりも暴力シーンでハァハァしてしまいます」
とこゆってる米倉けんご先生はヤンデレに入りますか?

98 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 21:42:08 ID:PVzS/T5h
>>97
(;^ω^)……

99 名前:緋口宗一[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 23:00:34 ID:taAnTlBK
引かれてもこりずに逝きますよ!
いい長門を見つけたので。
ttp://codechaos.blog104.fc2.com/blog-entry-183.html

100 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/12(日) 00:18:11 ID:eb7F4FqQ
荒らしだったのか、こいつ……。

101 名前:緋口宗一[sage] 投稿日:2007/08/12(日) 00:41:00 ID:UtyKZcDX
ち、違う…
わりと真面目にヤンデレ好きで前にSS書こうとしたけど
速攻で詰まって3,4か月放置してる酔っ払いです……!

>>99に挙げたやつの関連として
「愛しの彼が殺せない_朝倉涼子VER_」
もまあまあかと思ったのですがいかがでしょう。
ニコニコ動画でみれます。

102 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/12(日) 00:48:06 ID:k3RwQWsl
>>101
短編SSでも良い。お前の妄想、俺達に分けてくれ

103 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/12(日) 01:05:40 ID:gSlJSsbC
鬱陶しい自己顕示野郎だな

104 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/12(日) 10:28:14 ID:OYdhnwg0
まあ酔っ払ってるからなんだろう

それしてもスレの流れが速いな

105 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 00:56:24 ID:EArCiYNm
そうかあ?

106 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 02:03:31 ID:cdP6PCyt
「……というわけで、魔法使いは自分の家にいる、髪長姫と王子様が逢引していることを快く思っていなかった事が最大の原因でした。髪長姫は…」
妹の理沙が延々と、しかし当の本人は飽きることなく、寧ろその時間一刻一刻を楽しみとしながら、僕をその膝の上にのせながら、本を読み聞かせている。
最初は妹の行為に対していささかばかりの抵抗をしていたが、すぐに妹の気性からその抵抗の無意味さを悟り、彼女の話す物語を聞いていることにした。しかし、時計の長針が一回り半する頃になると、病人であるが故に睡魔が襲ってくるようになった。
いつもなら、理沙はそんな僕から眼鏡をはずし、そのまま眠りにつかせてくれるのであったが、今日はそうではなく目を醒ましていることを強要してくる。
北方さんから貰ったしおりを一片の仮借なく破り捨てたり、無理なことを強要したり、言動においてもやや常軌を逸していたりと、理由なく強引な手段を取らないはずの理沙であったにも関わらず、今日はその性格を異にしているようだ。

ただ、その理由に全く心当たりがないわけでもなかった。
近頃の僕は理沙を軽んじすぎていたのだ。北方さんと話をする機会が増えた分だけ、妹である理沙と過ごす時間が減少したのだ。だから、理沙は寂しく思ったに違いない。
寂しいなどという品格のない形容では名状しがたい感情が苦しめていたのだろう。
それゆえ、このような行動を取っているのだと取れば、納得がいくというものだ。
だから、罪滅ぼしになるとは重いもしないが、敢えて僕は北方さんのくれたしおりを破り捨てた際も決して怒らず、
突発的に湧き上がった恐怖心から軽薄な抵抗はわずかばかりしたが、それもすぐにやめ、こうして理沙の話す物語に眠らないように必死になって耳を傾けている。

107 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 02:04:42 ID:cdP6PCyt
それから十数分間の間、理沙は話を読み進めていたが、何を思ったのか、真紅の本を棚に置いた。
「お兄ちゃん。」
そう、今までになく甘えるような声で僕を呼び、覆いかぶさるようにして上からその焦点を僕の瞳にあわせてきた。
僕は理沙を下から仰ぐようにして目と目が合った状況で、僕は先程感じた謂れのない妙な恐怖心を再び感じた。
冷や汗が背筋を伝うのと、電流のように恐怖心が体中に伝播していったこととで思わず、僕は肩をすくめてしまった。
「あはは、お兄ちゃん、どうしたの?そんな怖がっちゃ駄目だよ~。」
理沙は僕の恐怖を少しでも和らげようとしている為か、優しげな微笑を口元に浮かべてから、ゆっくりと安心するように静かな声でそう言った。
しかし、そうした行為の間も理沙の目は僕の目から離さずにいた。
そして、何よりも特筆すべきことは、彼女の目は笑っていなかったことだ。
そう、顔は笑っていても目は笑っていないのだ。
そのギャップから生じる不協和音が僕に一層の恐怖感を与え、後ずさる場所もここがベットの上であることからないため、殻に篭るようにさらに強張った身体を収斂させる。
そして空調の稼動する音、秒針の規律正しく時を刻む音、医療機器からわずかにもれ聞こえる音、それらのいつもは気を払わないわずかな音一つ一つが僕の心を揺さぶり、針のように突き刺した。

自分の妹に対して何故、これほどまでに恐れる必要があるのかわからなかった。
自分が病人で、彼女に逆らえない状態であることに加えて、今日は理沙が強引な行動を取っているからだろうか?
それもあるかもしれないが、それ以上に何か危険が自分に迫っている事を本能的に感受していたような気がする。
だから、相手が妹といえども強い恐怖心を抱いたのだろう。



そして、その予想は当たっていたと言わざるを得なかった。

108 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 02:06:27 ID:cdP6PCyt
「どうして、怖がるの?お兄ちゃん?」
「……。」
無言の答えを返す僕に対して、毛ほどの慈悲も与えることなく続けて言った。
「お兄ちゃんが怖がっている理由、私は知っているよ。私ね、お兄ちゃんのことならなーんでも、知っているんだから、当たり前だよね。」
次の瞬間、取り繕われていたわずかばかりの微笑みすら消えてしまっていた。
「お兄ちゃんはあの忌まわしい雌猫に汚されたことだって!」
激昂した理沙の目には既に狂気が宿っていた。その怒気迫る表情に恐れをなすあまり、彼女が言っている汚された、という語句に注意が行き届かなかった。
「ごめんね、お兄ちゃん。思い出したくもない事を話して。でもね、私はお兄ちゃんが私を怖がっている理由、北方さん、いや雌猫にあると思うの!」
そうではない、僕自身も彼女の事を愛しているのだ、と弁明しようとしたが、崖を加速しながら進む岩のように語気をより強めながら話している理沙の発言に対して、
割って入ることが火に油を注ぐことになるのはわかっていたので、できなかった。
「雌猫はお兄ちゃんの心をコントロールしているの!だから、お兄ちゃんはお兄ちゃんの為を思って行動しているのに、私が悪だと思うの!」
僕のためかどうかは、彼女にとっては正直なところ、北方さんに僕が奪われるよりはまともだと考えた結果、軽視したのだろうか。
「理沙、僕は理沙を悪だと決め付けてなどいない。それから、北方さんを悪く言うのはやめなさい。」
理沙が北方さんを対して並々ならぬ嫌悪を抱いているのは既に解っていた。そして、自分に少なからず、その責任があることも。
そこまで知っておきながら、兄としての立場を理解していながら、怪我をしても何もしなかった自分は愚かなのかもしれない。
しかし、ここまで大切な北方さんを誤解、否、悪意にとっているならば、とにかくその誤解を解きたいという気持ちが先走った。
これ以上、無意味な対立を原因としてこの前のようなことが起こるのは耐え難いのだ。

109 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 02:08:06 ID:cdP6PCyt
理沙をたしなめようとしたその時、理沙は身軽に僕に覆いかぶさり僕の発言を妨げるように、唇を塞がれた。
唇を重ねているだけでなく、理沙は舌を僕の口に潜り込ませ、あまつさえ僕の舌に絡めてきた。
次第に頭がぼんやりとしてき出して、真っ白なもやがかかったようになっていった。
今、強引に身体を重ねてきている相手が自分の実の妹であることは、当然把握できていた。
しかし、それに対して抵抗することができなかった。明晰な意識状態にあり、十人並みな倫理観があるならば、そうしていただろうか?
しかし、今の僕には前者が欠けていたのだろう。
理沙は病弱な体とは思えないほどの力で覆いかぶさって、僕を動けないようにすると、あらかじめ用意していたのか、
几帳面に整えられている制服のポケットから短めの縄を数本か取り出した。
「お兄ちゃん、少し痛いかもしれないけど我慢しててね。」
そう言う声はいつも僕に昼食を作ってくれたり、僕の制服のボタンを付け直してくれたりした、優しい妹そのものであったことに、
背筋の凍りつくような恐ろしさを感じた。

110 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 02:10:16 ID:cdP6PCyt
気がつくと、もう既に背中には噴き出した気持ちの悪い汗がつたっている。
そんな中、僕の体の上に乗っている妹は手を動かしている。
「や、やめなさい!」
そんな発言など問題ないかのように、手際よく両手と両足をそれぞれ縛ると、一旦僕から離れて、
通学用鞄から長めの縄を取り出して、ベットと僕の体を縛り合わせた。
その作業の間、僕は抵抗し続けたが、両手両足の自由を奪われている以上、そんなものは蟷螂の斧でしかなかった。

「さて、と。準備はできたね。」
妹はこれ以上、が無い程の満面の笑みを浮かべている。これほどまでに妹が喜んでいる姿をいまだかつて僕は見たことが無かった。
そう、僕が理沙を映画や買い物に連れて行ったときも、理沙がよく私服につけているブローチをあげたときも、
こんなにうれしそうな顔をしていなかった。
それがただただ悲しい。

「お兄ちゃん、これから何をするかわかっているよね?」
あはは、と笑いながら僕に尋ねた。

「………。」
「今から、あの雌猫の毒を抜いてあげるんだよ、お兄ちゃん?それにね、お兄ちゃん、私ね、お互いの事をもっとよく知るべきだと思うんだよ。」
拘束された僕の眼前でおもむろに、制服を脱ぎ始めた。
悠々たる態度で一糸纏わぬ、生まれたばかりの姿になった。
そして、理沙は手早く脱衣した制服をたたんだ。
理沙は抵抗しようが無い僕から夜着の下衣に手を掛け、下着ごと脱がして僕のソレをあらわにする。

111 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 02:11:34 ID:cdP6PCyt
「本当にやめなさい。こんなことして、何の意味があるんだ!実の妹じゃないか!」
「大丈夫だよ、何もお兄ちゃんは怖がる必要は無いんだからね。すぐに楽になるよ。」
「僕の話を聞きなさい!」
そういう僕を尻目に夜着の上衣のボタンを一つ一つ丹念にはずしていき、それらをたたんで棚に置いた。
そうしてから、彼女は再び動けない僕の体を覆い、唇を重ね合わせた。
「んちゅ………ぴちゃ……」
理沙はそのごく小さな舌の動きを止めずに先程以上に執拗に、ねじ込むようにして絶えず僕の口内を舐め回し、舌に絡めてきた。
「はぁ……くぅぅ……り、理沙……」
そうしながらも、空いている手は僕のソレへとのばされており、どこで覚えたのか解らないほどの技術で強烈な刺激を与えた。
「ちゅ……んっんー……」
それが如何に罪深いことであるか解っていたが、理沙がとめどなく与え続ける二つの刺激にただただ壊れてしまった人形のように、
身体を震えさせることだけしかできなかった。
当然、こみ上げてくる快感を押しとどめることはできず、抵抗するどころか、あまつさえもっとそうして欲しいとすら思ってしまう。

112 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 02:13:19 ID:cdP6PCyt
抵抗がとまったことに満足したのか、僕にかける理沙の力が幾分か減り、一層気持ちよく感じられてくるのだった。
軽い電流が流れ続けて頭が灼かれるような、そんな感覚が僕を狂わせていく。
抵抗せずこのままなされるがままでいるのも悪くない、寧ろ今のこのひと時を楽しんでもいいんじゃないかとすら、感じた。
先程抱いていた背徳感なぞ陽炎のようなもの。
夕方だというにも熱い外気によって生み出された陽炎のようなものに違いないのだ。

そう思い出した頃から、理沙は僕のソレへと伸ばされている手の動きをより早く、過激なものにしていた。
その心地よさに僕は麻薬か覚醒剤でも投与されたかのように痙攣した。
気づけば、理沙も心なしか震えている。
拘束の補助として使われていた片手が理沙のソレへと伸びているのに気がついた。
距離というべき距離が無くなって、僕の目を見つめていた理沙には、僕の心境の変化を見通していたのかもしれない。

「お兄ちゃん、ダメだよ~正直にならなくちゃ。お兄ちゃんは私の事をじらしているんだよね、だってそのほうが私だって楽しめるからだよね、あはは。」
うれしそうな声がはかなく霧と消え去ってしまいそうな意識の中で聞こえ、それは天啓か何かのように聞こえた。
そうだ。お兄ちゃん、と慕ってくれる妹と愛し合うのが何がいけないのか?

113 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 02:15:29 ID:cdP6PCyt
「あ、あ、あ、あああ……」
理沙が切ないあえぎ声をあげている。
そして、緩やかだった僕のソレに添えられていた手の動きも既にかなりの速度になり、当然のように絡みつく舌と舌。
「んん……ちゅぅぅぅ……ちゅぷぅぅ……」
そう、それはもはやキスと呼べるようなものではなく、唇と唇が重なり乱れあうだけの貪りあいに相違なかった。
僕の中で何か熱いものが体中を速い速度で駆け巡り、ソレにだんだんと集まっていき、臨界点へと達しようと少しずつ限界を告げる。

「お兄ちゃん……お兄ちゃん……はぁぁぁ……」
「ううっ……あああっ……理沙、僕は…」
「お兄ちゃん……はあぁぁ………私も…もうちょっとで……はぁはぁ……お兄ちゃん…気持ちよくなって!」
すぐ目の前に見えた限界を前に、ここぞとばかりに理沙の手が早くなった。

「理沙、理沙、もう………駄目…だ……!」
「お兄ちゃん!…わ、私も……!」
そういうと再び、離されていた唇をそれまでに無く強く重ね合わせる。
「理沙、理沙ぁぁぁ!」
「あああっ! あああああっ……!」
その瞬間に、僕の周辺の世界がすべて真っ白になり、それはディスクが新しくフォーマットされていくような感じだった。
ただ、下半身から熱い塊が放出されていく感覚だけがあり、
それがややぐったりとした理沙のきめ細かな肌にかかるのをどこか現実味の無い世界の事のように眺めていた。


114 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 02:17:48 ID:cdP6PCyt
それから、長いことぐったりとしていた理沙は、自分の体と僕の体をティッシュで綺麗にしてから、落ち着いた表情で僕を見つめてきた。
ブロンドの髪に相対する黒曜石のような透き通った瞳に僕は吸い寄せられそうになっていた。

「お兄ちゃん、もう、我慢しなくてもいいんだよ。私だって、お兄ちゃんと無理やりしたくないし、
私もお兄ちゃんを……もっと…もっと……感じたい、から。……その…もっと……して。」
拘束し四肢の自由を奪う、という異常な選択をしていながら、いまさらのように恥らいつつそう言っていたが、
そういいながらも先程まで手の動きの心地よさと絶頂が反芻されて思考を停止させる。
何も考えたくない。
ただ快楽を貪りたい。そう感じた。
それから、理沙は僕の両の腕と胴体そして両足を拘束する縄をベットの近くにある鞄から取り出したナイフで順々に切り落とし、
拘束から僕を解き放った。

115 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 02:19:32 ID:cdP6PCyt
「ねぇ、お兄ちゃん……来て。」
頬を赤らめていつもする照れ隠しのような色合いを見せている。
すぐに理沙のすぐ傍まで来なかったことが、少しじれったかったのか、伸ばしてきた手が僕の腕を掴み、胸に抱き寄せる。
顔のすぐ傍まで小柄な妹にはやや不似合いの双丘が迫り、すぐに暖かい温もりを感じる。
「お兄ちゃん、ギュッと私を抱きしめて。」
そういいながら僕をより強く抱擁する。
理沙の体の暖かさが僕を眠りへと誘う。
優しい温もりと心地よさが先程まで荒ぶっていた僕の心を落ち着かせる。
ずっと、ずっと、こうしていたい、そう思う。このぬくもりはどんな凍てついた心さえも温め、
苦しみをも和らげてくれそうな気がする。

「お兄ちゃん、気持ちいい?今度は……お兄ちゃん…」


116 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 02:21:41 ID:cdP6PCyt
しかし、この理沙の温もりを強く感じていながら、今頃になって、このどんな苦しみをもやわらげてくれる温もりが、
傍にいるべき人の温もりが理沙のものであるはずがない、とふと本能的な何かが僕にそう告げている。
そう思ってか、無意識のうちに理沙の体から離れる。

すると、急に理沙への身を溶かさんばかりの幻想が泡沫のように消えていく。
なぜか、胸騒ぎがするのだ。
彼女の父の約束によって、北方さんが僕のいるこの病室に一度もこなくなってからの事について―。
当然、彼女の事だからいつもの能面で過ごしているとは思う。
しかし、これは僕のうぬぼれかもしれないが、きっと心の中では寂しさを感じているに違いない。
むしろ、うぬぼれであって欲しい。
約束を理沙が一方的に破っている事も、釈然としなかった。
落ち着いて考えてみれば、理沙が言うような北方さんが理沙に対して攻撃したことはほぼ無いといっていい。
あるとすれば、あの自衛の為にスタンガンを向けた程度の事であっただろうか。
僕だって、スタンガンを押し当てられそうになったとしたら、北方さんと同じ行動を取っていたのかもしれない。
「……どうしたの?」
それに対して、理沙は北方さんの自転車の細工をしたり、屋上に呼び出して北方さんを襲っている。
そう考えると、どちらが正しいことを言いそうなものかすぐにわかるものだろう。


117 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 02:22:59 ID:cdP6PCyt
北方さん………。
自分の暗い過去を背負いながらも健気に、一人で生きてくることを強いられていた彼女。
そんな彼女が僕が悲しみの淵に立たされているときに、優しく抱擁してくれた。
傍にいる事さえできれば、他には何も望まない、と言った彼女―。
本当は触れたら脆くも壊れてしまう、ガラス細工と変わらないような儚い存在なのに、
僕だけしか守ってあげられる人がいないのに、ただ一人で歩んでいこう、強くあろうとする彼女―。
そして、いままでの思い出一つ一つが紡ぎ出されていく。
僕も彼女の事を愛しているのだ。それはおそらく、今も変わらない。
最も守るべき彼女をないがしろにするわけにはいかない。
僕が守らなくてはならないのはあくまでも北方さんなのだ。
彼女を守らなくてはならない僕が、彼女が望むように一番、傍にいてあげなければならない僕は、
彼女を裏切るような真似は絶対にできない。
どうして、さっき、僕はこんな単純な事に気づかなかったのかと思う。
それで、僕が気づいたときには妹と過ちを犯す一歩寸前まで来てしまっていたのだ。
さっきの自分の考えこそが陽炎であったのだ。その陽炎はもう跡形も無く消えてしまった。
だから、今からでも遅くない―。

118 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 02:25:25 ID:cdP6PCyt
「お兄ちゃん、どうしたの?大丈夫?」
急に黙りこくってしまった僕を本当に心配するように理沙が尋ねる。
今ならば、まだ、やり直せる。いや、やり直さなければならないのだ。
このまま、理沙と体を重ね、交わることで何かが終わってしまう、そしてそれからは破滅が始まるのだ、とそう何かが強く警鐘を鳴らしている。

「…お兄ちゃん……お兄ちゃん、私のこと、嫌い?」
理沙が僕の名を呼び続け、自然な微笑みを浮かべながら僕にそう尋ねる。
それでも、僕はやはり理沙に拒絶の意を示さなければならない。
「理沙の事は好きだ。しかし、僕は北方さんを愛している。その上に理沙、僕はお前の兄だ。だからこれ以上は……できない。」
そう、理沙の黒曜石の瞳から目を放さずに自らの決断をかみ締めるように言った。
その深刻そうな表情に理沙は狼狽の色を隠せない。
「……、ど、どうして。私はお兄ちゃんのことが好きなんだよ!」
狼狽していることがその震えた口調になって現れる。
「理沙、お前が嫌いだと言っていないよ。でも、僕は気づいたんだよ、自分のすべきことに。」
「やはり僕は北方さんを裏切ることはできない。」

119 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 02:26:56 ID:cdP6PCyt
続けざまに発せられた僕の発言は、肩を体全体を震わせながら、泣くことをぎりぎりのところで止めていた堤防を破った。
「どうして!あんな、あんな雌猫なんか!お兄ちゃんは操られているんだよ!どうして、どうして、お兄ちゃんは私の言うことを聞いてくれないの……お兄ちゃんは私だけのもの…なのに……。」
「………。」
それは、病弱な妹が今まで見せたことが無いほどの取り乱した姿だった。
興奮したためか、理沙はぜいぜい、という荒い息を肩でしていた。
おそらく、喘息の発作が出たのであろう。
ここで生半可な優しさを見せることは逆効果だとは思いつつも、
自分の身勝手とも言える行動のせいでこうして発作が出てしまっているのだと考えると、
発作のときにいつもそうしていたように、手を力いっぱい握ってやりたいという気持ちがして、手を伸ばしかけた。
が、妹はその手に手を伸ばそうとはせずに、喘息の発作で苦しそうな表情のまま、制服を静かにそして手早く着ている。
「………。」
うつむき加減の妹が苦しげな表情に混ざって悲しそうな表情をしているのがわかって、また罪悪を感じたが、自分が罪を犯していたことの罪悪を考えて、何とか我慢しようとした。
やがて、服を着た理沙は恐ろしいほど物音一つ立てないほど静かに、ナイフでちぎれた縄の残骸を拾い、広げられたいくつかの道具と荷物を鞄にしまって帰る仕度をした。
それを僕は無言で見送っているだけだった。
それに対して、妹の理沙も何も言わずにただ背を向けて、この部屋を出て行ってしまった。


120 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 02:28:04 ID:cdP6PCyt
年のわりに白髪が多く、ごま塩頭のようになっている男が、泊まり先のホテルの一室で、手の中のCMで宣伝されている機種の携帯電話を耳に当て続けている。
しかし、その男は一度も電話の相手と話していないのだ。
着ているスーツの趣味のよさと身のこなしからそれなりの身分の人間であることを匂わせるその男はこの数日間、同じ相手に電話をかけ続けていた。
しかし、その相手は出ないのだ。その相手の母親が電話に出ることがあっても、相手に取り次ぐことは一度としてなかった。実際にその相手の家に向かっても、取次ぎはしない。
なぜかは解らない。
しかし、いずれにせよ言える事は彼は焦っていた、ということだ。
この賭け、そして彼自身に残されている時間がもうわずかしか無いのだから―。
彼は自分と同じ悲劇を他の誰かが味わうことを望んでいなかったから―。

121 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 02:28:54 ID:cdP6PCyt
彼は当事者同士を会わせないようにして、各個分断することにしたのもそのためだ。
しかし、各個分断して秘密裏に解決しようとした本命の相手に何度電話をかけても相手は出ようとしない。
電話が八十ほど鳴った頃、彼は諦めて携帯の通話を切った。
そして、再び今度の商談についての書類が置かれている机の上へと視線をやった。
そこには、無機質な数字と文字の羅列された商談についての書類が広がっていたが、
机の端に診断書と大病院の院長へ宛てられた推薦状が入った紙袋がさりげなく、商談の書類に隠れるように存在していた。
自分と同じ思いをさせたくない、そういう気持ちと度重なる厳しい仕事がその病院へ向かう機会を一回、また一回と潰していった。

もう、治らない、そういう諦念が彼に少なからずあったことも原因であった。
それだけに、彼は娘とその愛する人、そしてその妹、三人のうち誰一人として、悲劇に見舞われないようにしたいと逸り、
気ばかりが急いてしまうのだった。


122 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 02:30:28 ID:cdP6PCyt
13話でした。
では、また。

123 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 02:54:58 ID:wBRw5ZnH
GJ!!!!!!!!

124 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 03:22:00 ID:AaUZ52oK
ぐっじょ!早起きは三文の得と言うが、本当だな

125 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 07:25:36 ID:biuWRhh3
途中までヘタレ全開の松本君
が、誘惑に耐えてよくがんばった! 感動した!

126 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/08/13(月) 18:53:05 ID:DnG/MSwT
投稿します、以下長文乱文誤字脱字はご容赦ください。

キ道戦士ヤンダム~狂戦士

それから三日後、パプアニューギニア沖における極東アジア軍と北イタリア及び欧州連合軍との戦いは熾烈を極め、
両軍のロボットの残骸と兵士の死骸で南方の海は覆い尽くされていた。
しかしそんな中でもくじける慶介ではなかった。慶介は沙紀とともに覇洋で前線を戦い抜き、ようやくヤンダム搭載船
の確保に成功した。
「これで…ようやく沙紀が救われるのか」
手にはさっそくコンテナから取り出したヤンダムのアンプルを握って呟く慶介…しかし残念なことに
船を確保するまでに覇洋は装備と燃料を使いきり、その自慢の右手は完全に破壊されていた。このまま追っ手が迫れば、機体で
逃げ切ることのできない二人はただではすまないだろう。
「…すまない沙紀、こんなところで…後一歩ってところで俺と心中することになるなんて…」
「…ううん!希望を捨てないで慶介少尉!ほら、あれを使えば!」
彼女の指差す先には、カーゴトラックに載せられたロボットが一台あった。
「…いや、あれは調べてみたんだが…どうやら、ヤンダム常用者専用の機体らしくてな…お前や俺が
飲んでいるような強化薬での反応スピードじゃあ…」
「…なら、私が飲んでみる!」
「そんな…使用分量もきちんと量ってないってのに…第一拒否反応が出たら最悪お前が廃人になっちまうぞ!」
「いいの、それに私…いつも慶介に守られてばかりだったから…」
そういうと沙紀は慶介の手からアンプルを奪い取って一気飲みし、そのままロボットのコックピットに乗り込んだ。
「…沙紀…」
慶介は複雑な気持ちを抑えつつもロボット…後に慶介によってヤンダムと名づけられた白銀の機体…に乗り込んで
操縦用コンピューターを起動させた。
「…あはははは、こんなシステムで動くのこれ?はっきり言って覇洋のシステム性能がゴミに思えてくるよ!これなら
敵機の百や二百…ははははははは!!!」
あははあはは…と、テンションの高い沙紀のオペレート操作に不安を感じながらも慶介は必死に追っ手の敵ロボットと
交戦した。結果、敵側の新型機体であるペスカトーレMRB≠003五機は自軍の極秘開発された最強兵器であるヤンダムのビーム
チェーンソーによって海の藻屑にされてしまった。
後に海中世紀戦争での極東アジア軍の完全優位を決定させる事件…ヴァリアント攻防戦である。



127 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/08/13(月) 18:56:27 ID:DnG/MSwT
「ねぇねぇ慶介、こうしてお買い物するのって久々だよね~」
それから数日後、シンガポールに寄航したヴァリアント号のメンバー
は久々の休日を楽しんでいた。
「うん、俺もすごく嬉しいよ…でも、さぁ…」
「へ?どうしたの慶介?…何か…まさか何か不満でもあるのかなあ?」
ほえほえとした声で答える沙紀、しかしその眼差しはどこか光を失ったような、とろんとした目に
なっていた。
「手をつなぐなんて…その…恥ずかしいって言うか…」
「嫌なの!?」
「嫌違う!嫌じゃない!俺はこのままがいい!」
すばやい沙紀の反応に慶介は即答した、それを聞いて、よかったよ~と沙紀は表情を綻ばせた。
…おかしい、この反応は異常だ…慶介はここ数日の間…ヤンダムを服用してからの沙紀の異常
行動に恐怖を感じていた。
服用薬をヤンダムにしてから、確かに彼女は以前のように発作を起こすことはなくなった…
しかし、普段は災害にあった当時のことを思い出すからやめてほしいといって握らなくなった自分
の手を、彼女は四六時中握り始めるようになったのだ、戦闘場面ではさすがに控えてくれと言って
はいるが、それもなかなか聞き入れないくらいに…彼女は自分をもとめ始めた。
更にそうなると隊内にもからかいのうわさが流れ始める、…そのことを訂正させようかとたまたま声を
かけてきた女性仕官達に話しかけたところ…。
「なんで…そんな女と話してるの!!!」
沙紀は一気に慶介に詰め寄った、もちろん普通には詰め寄らない、軍服の襟部分
をつかんで軽がると慶介を持ち上げたのだ…そして自分の目を見つめること数秒後。
「…そうだよね、慶介少尉は私しか見てないものね、あの女たちが勝手に少尉に
迫ってきたんだよね…なら、そんなビッチは粛清したほうがいいよね…あは☆」
そういうなり沙紀は腰元の拳銃を士官達に向けようとした、あわや大惨事になる
ところだったが、慶介の必死の説得でその場は事なきを得たのだ…そして、その後
自室にてある程度落ち着いたところで彼女は…一気に慶介の唇を奪ってこういったのだ…。
「慶介…もうずーっと私から離れないでね…」
隣にいる沙紀の笑顔を見るたびに、彼の頭の中にはその記憶が浮かんだ…自分は彼女以外
の人間とは最初から付き合う気はなかったのだが、こうも日々疑われてはたまらない。
「なあ沙紀…言っておきたいことがあるんだ…俺はお前をー…!?」
沙紀を見つめようとして振り向いた慶介…その視線の先には信じられないものがあった。
商店街のショウインドーに…今はこの世にいないはずのあの人物が写っていたからだ。
「沙紀!こ…こっち来い!!」「うわあ!!何なのいきなり!!」
「今…あそこに妹が…七海がいたんだ!!」
「…ナナミチャンガ…ナナミチャン…」
ぶつぶつとそう繰り返す沙紀を尻目に慶介はショーウィンドーに駆け寄った、災害に
巻き込まれてもう死んだ妹が街中に立っていたのだ…たとえそれが他人の空似であった
としても興奮するのは無理もない。慶介花は妹らしき人物に急いで駆け寄ってこう叫んだ。
「おいアンタ…ひょっとして…七海じゃあないのか?」
「…お兄ちゃん?」
ショーウインドーで物欲しげに服を物色する少女…、彼女のお兄ちゃんと呼ぶその言葉の
先にいるのは間違いなく慶介だった。
「生きてたのか七海…心配してたんだぞ」

128 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/08/13(月) 19:00:12 ID:DnG/MSwT
「生きてたのか…七海…七海!!兄ちゃん、ずっとお前を心配してたんだぞ!そうだ、
母さんは!?」
妹に会えた嬉しさなのか、それとも気が緩んでいたのか…とにかく慶介は気づいて
いなかった、最愛の妹の目が…ヤンダム常用者特有の…死んだ魚のようなとろんとした
目になっていることに…。
「じゃあ行こう、お母さんも待ってるよ」
ドゴッ!!…慶介に近寄ってきた七海は…慶介に抱きつくと見せかけて一気に鳩尾に拳を打ち込んだ。
「かはっ!!…なな…み…!?」
「ゴメンねお兄ちゃん、でも大丈夫だから、基地でお薬をもらえばお兄ちゃんも楽になれるよ…」
「う…おがぁ…」
声を上げれずにのた打ち回る慶介…おかしい…こいつはおかしい…何があったんだ七海
…しかも基地って…。
ぱあん!!「きゃあ!!」
七海の悲鳴が聞こえる、のた打ち回る慶介の背後に拳銃を持った沙紀が仁王立ちしていた。 
「…何してるの慶介…何でそんな妹なんか相手に何してるの!?」
恐ろしく低い声で沙紀が静かにしゃべりかけた。 
「沙紀…お姉ちゃん…ふうん、そうなんだ…」
「や…やめ…」ごん!!、と。
両者に抵抗の意思を示そうとした慶介の頭部は沙紀の強力な蹴りを食らい、軍人としての
鉄壁の意思はブラックアウトした。 

「おお、お目覚めか少尉…」
気がつけば慶介はヴァリアントの医務室のベッドの上にいた、松高に聞いてみるとどうやら
ぼろぼろの沙紀が自分をここまで運んでくれたらしく、彼女もここにたどり着いてすぐにダウンしたそうだ。
「そうですか…しかし一体何が…」
慶介は混乱する頭を何とか落ち着かせようと松高に一部始終を話してみた、もちろん沙紀の無断発砲
のことは伏せておいたのだが。
「やはりか…ヤンダムの副作用がそこまで迫っていたとは…」
「副作用?なんですかそれ…だってヤンダムは!?」
「あれは普通の人間にはそれほど影響はないんですよ
…普通の精神状態を保った人間が使用すればね…しかし依存心の強い人間が使用した場合…」
「何だよそれ!それじゃ沙紀はもう…一生あのままだってのか?じゃあ俺は何のためにあんな
大量のヤンダムを…何のために…」
「戦争に勝つための任務でしょう?それ以外の何者でもない」
「あんた!!…っつ!!」
激情に任せてつかみかかる慶介の腕を押さえて、松高医師は続けた。
「…退役を進めますよ、もうこれ以上貴方がたはここにいるべきじゃあない…
これ以上服用を続けたらあなたまで…いや」
松高は慶介の腕を振り解くと、医務室のドアを開けた。
「もう貴方は自分の心の深い穴に飲まれている…それからもうひとつ、多分貴方の妹は
敵国の兵士…スパイかなんかだ…もうこれ以上ここでは戦わないほうがいいかもしれない、それじゃあお大事に…」
ガチャリと医務室のドアが閉じた…考えをまとめるはずが余計に混乱した慶介は、意味もなく頭を掻き毟り始めた。
「何だよ俺…俺は沙紀が救いたいだけだったってのに…くそおおお!!」 
「…うん…慶介」
慶介が叫んだ声でおきたのか、傍らのベッドで横たわっていた沙紀はむっくりと起き上がり…。
ドグシャア!!…右ストレートで一撃で慶介をノックアウトさせた、沙紀はそのまま混乱している慶介に
馬乗りになった状態で次々に鉄拳を食らわせた。
「あははははは!なんで妹なんか見てるの?どうして私を見てくれないのあはははは!!やっぱりお仕置きだよね!!
だっテ慶介悪い子だもん!!あはははははは!!妹だいすきなんてゆるさないもんあははははははは!!!」
その後、慶介は意識が吹き飛ぶまで沙紀に殴られ続けた、ヤンダムによって強化された筋力での打撃は凄まじいものだった。



129 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/08/13(月) 19:01:54 ID:DnG/MSwT
「うぐ…ひぐ…ごめん…なさい…」
「いや、お前に悪気があってやったことじゃあないんだ、気にするな…」
ひとしきり慶介を攻撃した後、薬が切れたのか沙紀は急におとなしくなった
…そして冷静になった沙紀の思考は一気にパニックになり…こうなってしまったのだ。
「ぐず…でも…慶介が誰かにとられちゃうって考えたら私…」
「いや、もう何も言うな沙紀…」
そういって慶介は沙紀を押し倒した。
「俺がお前を守る、傷ついても、お前に傷つけられてもだ、もう俺はお前
を裏切らない…妹のことは…いざとなれば俺が始末をつける…だから…俺を信じてくれ…沙紀」
「うん…はあ…」
沙紀は全てを悟ったように目をつぶり、慶介の唇と、舌を受け入れた。

「大好きだよ、慶介」

数日後、慶介たちはパプアニューギニアからオーストラリア沿岸に攻め入るべく、ヴァリアント号
での上陸作戦を刊行していた…。
「うおおおお!!これで十機!」
相変わらず絶好調の慶介と沙紀のヤンダムコンビは、新兵器であるヤンダムのビームチェーンソーで
次々に敵を撃破していった。
「いけるぞ沙紀!あと少しであの艦隊を!!…」
「待って慶介!!後ろに敵が!!」
ザシュ!!…ビームチェーンソーを構えなおそうとしたヤンダの右腕は一気に切り落とされた。
「くそ!ブースタージャンプだ!!沙紀、ほかに武器は?」
「待って!今右手にビームクッキングナイフを装着させるから!」
ジャンプで一気に距離をとったヤンダム、しかし背後の機体はそれを構わずに脚部からミサイル
を連射した。
「何だあれは…赤い機体、新型か?」
敵と正対したヤンダムがメインカメラでその姿を確認する、敵機体は赤く、その姿はまるで
鎧武者のような無骨なものだった。
「くそ!多弾数型の機体に勝てるかよ」
「慶介!敵が…無線を出してる…っ!!」
敵の無線回路をキャッチしたラジオシステムが、メインディスプレイに敵の姿を映し出す。
「お前は…」「うそ…そんな」
敵パイロットの顔は紛れもない…慶介の妹である南 七海だった。
「お兄ちゃん…また会えたね、それじゃあまずは…悪い虫を駆除しなきゃ」
ドゴゴゴゴゴゴーン!!!七海の乗る機体は、次々にミサイルを放った。
「大好きだよ、お兄ちゃん…だから私のために…怪我して降伏してね」
慶介は自分の顔から血が引いていくのを感じた、そして沙紀の…顔を見ることすらできずに
操作ハンドルを動かした。

130 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/08/13(月) 19:02:51 ID:DnG/MSwT
以上です、取り合えずまだ続きます、長文失礼しました。

131 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 21:13:49 ID:YonNNA9T
solaの蒼乃さんはヤンデレか??
ただ少しおかしいだけか?

132 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/14(火) 00:54:04 ID:2eB85pXZ
病んでる上にキモ姉という高スペックぶりです。

133 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/14(火) 01:46:48 ID:fnnoyqLU
病んでる部分言いたいが言えば完全なネタバレ
御新規さんさよーならーになるなw

134 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/14(火) 02:57:13 ID:dfewTpoc
sola、つまんなかったから序盤で切ったんだけど
ヤンデレあるならみときゃよかった。
ちょっと後悔。

135 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/14(火) 22:06:13 ID:XydL8BOW
約束だよ・・・ずぅぅっと一緒にいてね。どんな事があっても私、あなたの側にいるから・・・ね?だから・・・約束して。







な ん で は な れ ち ゃ う の?

や く そ く し た よ ね?

136 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/15(水) 00:20:00 ID:mX38doh6
ごめんなさい

137 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2007/08/15(水) 03:36:22 ID:thLtn+NQ
保守

138 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/15(水) 06:41:35 ID:jgb9sudi
>>135
落ち着いて聞いてくれ。
俺は君も大事だが君の姉妹も大切にしたいんだ。
だからまたには修羅場スレやキモ姉スレに行くことを許して欲しい。
だからその手に持ってる包丁を下ろしt(ry

139 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/15(水) 08:51:52 ID:/jbeJCDx
>>138

ふーん・・・あの娘の所行っちゃうんだ~







あ の ド ロ ボ ウ 猫がッッッッッッ!!!

返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ私の大切な>>138を返せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッ!!!!!!!!!!!!




ヤンデレの道は長く険しいぜorz

140 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/15(水) 10:11:58 ID:mX38doh6
ヤンデレってちゃんと嫉妬もするんだな。

141 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/15(水) 11:03:27 ID:ffyW8e9T
>>140
というか起承転結がないと話に読み手を引き込めなくね?
起 へぇ~○○さんと仲いいんだね。私、そういうのって面白くないなぁ。
承 どうしていつも○○さんなの・・・?どうしてかなぁ、なんでかなぁ。
転 あせdrふじこlp;@
結 達磨

これぞヤンデレ倫理の黄金律

142 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/15(水) 13:58:53 ID:U0gImoH3
最後に達磨とか書くと、なんか男が悟りの境地に入ってしまったみたいだ。
達磨(達観的な意味で)
ニア 達磨(物理的な意味で)
達磨(輪廻転生的な意味で)

143 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/08/15(水) 15:33:03 ID:Pb+pi7en
暑い中ですが取り合えず実験ヤンデレ作品を投下します、乱文長文失礼します。

化け物屋敷と僕
ジジジジジ…音だけで蒸し暑さを象徴させるセミの声が響く中、僕は愛車であるトヨタの古い
クーペのドアを開け、車を降りた。
「暑いなあ…」
大学二年生の夏、せっかく尋ねた自分の故郷…T県南部の奥地にある八幡村は、田舎ののどかな村
というかつての面影すら残らないくらいに荒れ果てていた。
見渡す限り山ばかりの平地に聳え立つ茅葺の集落は今にも崩れそうな状態になり、かっての農道は
歩く余裕さえないような獣道と化していた。
「こんなことで研究なんかできるのかなあ…」
もちろん僕がかつての故郷とはいえ、こんな田舎の廃村に来たのには訳がある。僕は大学で民俗学を 専攻しているのだが、その研究の上でどうしてもこの村に来なくてはいけない理由があったのだ…。
八幡村…かつてここは関東随一の「化け物ミイラ職人の里」として栄えていた村だった、わかりやす
く言うとこの村は偽者の人魚のミイラなんかを製造して都会で売り払い生計を立てていたらしいのだ。
…なぜ「らしい」と描いたのかというと、実は僕はこの村に両親と住んでいたころの記憶が全くない
のだ…十二歳のときに僕の両親はこの村で火事にあい、僕は遠縁の叔父に引き取られたのだが…どうし
てもこの村での事と…最後の化け物職人だった両親の事を思い出せないのだ…。
大学での研究のためと、自分の過去を探るため…取り合えず僕は叔父にもらった村の地図を手に、廃
村してから一回も手を付けていないという父の仕事場に向かおうとした…。
「おう、あんちゃん、どこ行くんでや?こんなとこでよ?」
いきなり背後から声をかけられた、ここ特有の方言がきついようだが、声は明らかに子供のものだ。
「うわあ!!…って、君こそなんでこんな所に?」 
僕の背後にいたのは、ひどい訛りにもかかわらず見た目の可愛らしいおかっぱの少女だった、服装は白いキャミソールにサンダルと麦藁帽子…夏らしく日焼けした表情は実に可愛らしくて…。
「あれ…君どこかで…?」
「へ?兄ちゃんどっかであったっけ?」
「いや…たぶん気のせいだろう」
彼女の顔はどこかで見たことがある…僕の記憶がそう訴えていた。

144 名前:リッサ ◆TKvIZfGFpk [sage ] 投稿日:2007/08/15(水) 15:35:20 ID:Pb+pi7en
化け物屋敷と僕 ②
「へえ、君もこの村の生まれなんだ」
それから数時間後、僕は勝手に父の仕事場まで着いてきた彼女…名前は海晴というらしい…と、父の
仕事場である廃墟で色々な資料などをあさっていた…廃墟とはいえ村人たちは定期的に村に戻って管理
を行っているらしく、小屋が荒らされた様子はなかった。
「まあそう言ってもちっちぇえころのことだからよく覚えてねえけどよ、兄ちゃんはどんぐらいまで
ここにいたんでや?」
「まあ、十二歳くらいまでだけど…どうもよくは覚えてないんだけどね…おっと、これは凄い」
うっすらと積もった埃をどけて僕は文机に乗っていた資料を手に取った。本の様子からいって年代も
のの本だ…内容はどうやら剥製の作り方らしい。
「そうけ…なーんにも覚えてねえんけ…お、こりゃあ良さげなもんだな」
彼女は悲しそうにそう言うと、近くに落ちていた執刀用の刃物を手に取った…鋭利かつ複雑な形をし
たそれは、なぜか錆びひとつついていなかった…。
「これでミイラとかの材料を切ってたんかなあ…どんな気持ちだったんかなあ…」
ぞくり…と、背中に悪寒が走った。刃物を持った彼女の視線はあまりにも鋭い…。
「と、ところで海晴ちゃんは何でこんな所に?」
「ん?爺ちゃんがここの守役なんだけどよぉ、どおも最近足腰弱ってるらしくって、おらっちさが代
わりにきてんさぁ」
「へえ、偉いねえ」
「へ?そうかい?…いやあ照れんなあ」
そんな感じで彼女の視線を刃物からそらしつつ、僕は彼女と他愛のない話をしつつも小屋の整理と資料あさりに没頭していった。

「本当にいいんけ?家に泊まってってもいいんだぜ?」
夕方、彼女にそろそろ家に帰るようにと進めると、彼女はそういった、僕がテントでここに泊まると言い出したので心配してのことらしい。
「大丈夫、君の家には迷惑かけられないし、それに僕は未だやることもあるからね。」
「遠慮しなくてもいいんだぜ、どうせこの村のモンはみいんな家族みてえなモンなんだしよぉ…」
「そう言うなって、じゃあここで」
僕は彼女の家だというふもとの家の前に車を止めた…しかし彼女は車から降りようとせずにこう呟い
た。
「…明日もまた遊びに行ってもいいけ?」
「うん、別に構わないよ?」
「ありがとうねお兄ちゃん…じゃ!!」
そう言うと彼女は元気よく僕の車から降りていった…。
「うーん…」僕の頭の中で今朝のデジャビュ感覚が蘇る…一体あの子は誰なんだろうか?もしかした
ら遊んでいるうちに思い出すかもしれない…よし、なら明日から彼女に少しづつこの村のことを聞いて
みよう。そう考えて僕はまた村まで車を走らせた。

夕暮れ時、家の前にたたずんでいた海晴は…突然その場で笑い出した。
「あはははははははは!みいつけた!みいつけた!あはははははははは!」
ひとしきり笑った後、彼女はこう呟いた。
「愛してっかんね…お兄ちゃん…」
そしてまた笑い出す、それに釣られるかのように夕暮れ時のセミの大合唱が始まった。


145 名前:リッサ ◆TKvIZfGFpk [sage ] 投稿日:2007/08/15(水) 15:37:49 ID:Pb+pi7en
化け物屋敷と僕 ③
それから一週間が過ぎた、もともと夏休みを利用しての研究だったこともあって、僕は半分遊び気分
でこの村での資料あさりと研究をしていた。レポートをまとめ終わり、資料の整理が終わるころには彼
女…毎日やってくるようになった美晴ちゃんとも遊びすぎて肌が真っ黒になっているくらいだった。

そんなある日の夕暮れ時、彼女は僕にこんなことを聞いてきた。
「あんちゃんってさあ、彼女とかいるんけ?」
「ん?…いないけどそれがどうしたの?」
僕は彼女の持ってきてくれたスイカをほおばりつつ、そう答えた。
「オラっちさ…兄ちゃんのこと大好きだよ…もちろんラブのほうでな」
ぶっ!!とあわてるあまりに僕はスイカをはいてしまった…おいおいおい、何だか毎日来ていて妹みたいに感じていたけど…ん…妹…。
「お兄ちゃん、愛してっかんね…」
思い出せないはずの記憶がいきなり蘇る…確かマエにもこんなことを…僕は…このことよく似たあの
子に…。
「ん…むう!!」
いきなり僕は彼女に唇を奪われた、もちろんただの唇だけではない、彼女は一気に自分の舌を僕の口腔にねじ込むと、僕の舌と自分の舌を絡ませた。
「んちゅ…んむ…はあ…」「ん…むう」
いきなりこうされてはかなわない、僕は彼女から唇を離すと、興奮を抑えきれずに、そのまま彼女を
押し倒した。
「こうして…いいのかい?」
「うん、お兄ちゃんと…ずっとこうしたかったから…」
そういって目を閉じる彼女の髪をなでると、僕は彼女のワンピースを脱がした。

「はぁぁ…お兄ちゃん…大好き…」
行為の後、そういって眠る彼女を置いて僕は、嫌な予感を抑えつつも父の作業小屋に戻った。間違いない、彼女を僕は知っている…どうも自分の記憶が戻りそうなのだ。
多分彼女は…そう考えながら急いで作業小屋の扉を開けて、父の仮眠部屋である地下室に向かった…そしてそこに置かれた本棚の…昨日偶然発見した本の間に挟まった一枚の写真…それを取り出した。
「やっぱり…そうだったのか…」 
その写真には幼い僕らしき人物と、それを囲む家族らしき人物と…海晴ちゃんが写っていた。
「あーらーらー、やっぱり思い出しちったんけ…お兄ちゃん」
その後ろには、空ろな笑顔を浮かべた海晴ちゃんが立っていた。

146 名前:リッサ ◆TKvIZfGFpk [sage ] 投稿日:2007/08/15(水) 15:39:41 ID:Pb+pi7en
「ああ…思い出したよ海晴…僕はあの日、火事の当日に…君を犯して両親に殺されかけたんだ。」
八年前のあの夏の日、僕は妹を犯してしまったんだ。理由?…もちろん妹を愛していたからさ、それこそ狂おしいくらいに…彼女が生理が
始まってから色ずいて、隣町の男の子の家によく遊びに行き始めたのに嫉妬したのが原因だったと思う…でも妹はこういったんだ。
「お兄ちゃん嬉しいよ…私も大好きだよ、って…」
相思相愛ならと当然僕らは駆け落ちしようとしたが両親に捕まり、このことが村にばれるのを恐れた親父は僕を殺そうとしてバットで
僕の頭を…。
「そう、だから家に火をつけてお父さんとお母さんを殺したんだよ、お兄ちゃん。」こうすればもう一緒にいられるでしょ…あははは
はははははは」
家に灯油をまいて、自殺しようとしたにもかかわらず奇跡的に助かった妹は、病院に入院していた僕に会いにきてくれたが…その心は
完全に壊れていた。もちろんこのことを知った親戚連中はこのことが世間にばれるのを恐れて証拠品を破壊、そして僕と妹を引き離し…
僕は記憶を薬か何かによって奪われていた…。
「でも、なんでお前は…成長してないんだ…それにあの、行為のときの血は…」
「…未だきずかねーんけや…パパ」
…僕は全てを悟った、そうか、そういうことだったのか…。
「ママはおらっちが生まれたころに体壊して死んじまったよ…でもよお、パパを恨まないでって、
ずっと言い聞かせておらっちを育ててくれたんさ」
「…僕を、恨むかい?」
「いんやぁ、パパとママは状況が悪すぎたし、恨むことはねえょお…むしろ…」
そういって間を空けると、彼女はこういった。
「もうどこにも返したくねえぐれえ、パパのことが大好きだからよぉ…あははははは!」
彼女はがちゃり、と地下室のドアの鍵を閉めた。それと同時に僕の目は回り始め、呼吸
が寝息に近くなり始めた。
「愛してっかんね…もうどこにもかえさねえよ…だから」
遅効性の眠り薬でも盛られたのか、僕の体はだんだん動かなくなり始めた。
彼女は…僕の娘の手にはのこぎりが握られていた。
「手足は切らせてもらって…ここで二人でくらすべね…あははははは…あ
はははは…」
彼女の笑い声が、大きく大きく地下室に響いていた。
FIN

147 名前:リッサ ◆TKvIZfGFpk [sage ] 投稿日:2007/08/15(水) 15:41:27 ID:Pb+pi7en
以上で終わります、実験用の田舎(?)風味ヤンデレ作品でした、長文乱文
失礼しました。
あと最後に言うのもなんですが、一応炉利注意です。


148 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/15(水) 16:11:27 ID:1e/UROVM
>>147達磨(GJ的な意味で)

149 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/15(水) 16:15:50 ID:dYCl7/8q
>>147
GJ!!暑いはずなのに読んでる間は何故かすぅすぅしたぜ…

150 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/15(水) 16:17:56 ID:NTMO2mqS
おうっ、キモムスメ!ぐっじょぶ!
どこの方言か知らないけど、そのおかげでなんか田舎っぽい感じがする。
しかしキスされたぐらいでヤっちまうとは。主人公はロリコンだなあ……


あと、SSとは関係ないけど、
>長文乱文失礼しました。
これは入れなくてもいいと思いますぜ。そういうあとがきとか嫌いな人もいるし。
長文は望むところだし、話の展開もわかるから乱文ってほどではないし。


151 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/15(水) 18:27:56 ID:/jbeJCDx
GJ!これ読んでから何故かセミの鳴き声がうるさくなってビックリしたぜ。

152 名前:狂人は愛を嘯く.Case2 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/08/16(木) 01:39:26 ID:wmy+g0B6
短編投下します





これから話すのは、少しばかり奇妙な体験談だ。といっても、私の身に起きた
ことじゃない。お話の中に私は登場しないし、したとしても物語の本筋に関係の
ない脇役、語り手、通行人、そういった役くらいのものだ。あくまでも主人公は、
私の友人である『彼』で――これは彼の物語で、彼の体験談だ。
他人の体験談を、私が語ることぉお許して欲しい。こればっかりは仕方のないこ
となのだ。なにせ、彼はあまり語ることを好まなかったし、そもそも彼の言葉は嘘だ
らけで語り手としてはあまり良くはなかったのだから。
当事者は、もう、此処にはいない。
だからこれは、嘘吐きのお話だ。体験談で、昔話で、法螺話だ。
どこか遠くでおきた、いつかちかくでおきた、ほとんどが嘘で、わずかばかりに真実を
含んだ、愛情の話だ。
だから、語りだしは、自然とこうなる。
すべての御伽噺は、こうして始まるのだから。



昔々、あるところに――――――





■ 狂人は愛を嘯く.Case2





153 名前:狂人は愛を嘯く.Case2 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/08/16(木) 01:49:13 ID:wmy+g0B6

「君は好きな人がいるのかい」
コーヒーカップを机の上に置いて、《彼》は唐突にそう話を切り出した。しばらくの間話が途切れていた
だけに、私はいきなりの彼の言葉に面食らってしまう。何を言うのだ、と言い換えそうと思ったが、途中で
馬鹿馬鹿しくなってやめた。
同じように、自分の前にあるカップをすする。
美味くもなく、
不味くもなく。
苦いだけのコーヒーだった。
「藪から棒に」
唇を離し、突き放すように私は言う。まさか彼が、そんなことを言ってくるとは思わなかった。
似合わない。
正直にそう思った。その反面で――彼が真顔で愛を語る姿がありありと想像できた。彼は心に微塵
も思ってない愛を、さらりとすらりと、まるで言葉のように愛を口にするだろう。
私に向かってでなければ、それもまた構わないのだが。
「蛇が出てきたらどうする気だい」
「それはそれで――」彼は言葉を切って、ゆっくりと、膝の上で手を組んだ。微かに膝を組みなおそうと
して、すぐにとりやめた動作が見えた。足が悪いのかもしれない。指を一本一本組み合わせながら、彼は
どこか穏やかな口調で言う。「――面白いと思うよ」
「……ふぅん」
もう一度、彼の姿を上から下までゆっくりと見る。半袖のポロシャツにスラックス――ただしその色は
八月の炎天下に似合わない黒一色。髪も瞳もまた黒く、外を歩けば熱中症にでもなりそうな格好だった。
もっとも、まあ。
それは私とて、他人のことを言えないので黙っておく。少なくともコーヒーショップの中はクーラーが
きいていて、熱射病になる心配はない。僅かな奇異の目が気になるだけだ。
「……君はどうなんだい?」
僅かに興味をひかれて、私は問い返した。
彼――名前も知らない彼に、好きな人がいるのか、気になったのだ。
「僕?」
彼は子供のように首を傾げて、それから、しばらくの間考え込んだ。考え込まなければ
出てこないようならば、間違いなくいはしないだろう。彼が考えているのは人名ではなく、
言い訳の言葉なのだろうから。
私は興味を失い、視線を彼から窓の外へと映す。日中の気温は三十度をこえ、コンクリート
からは湯気が立ち昇っているように見えた。
真夏日。
どうして私は此処にいるのだろう――そんなことを、今更ながらに、ふと考えてしまう。


154 名前:狂人は愛を嘯く.Case2 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/08/16(木) 01:58:56 ID:wmy+g0B6

私は彼の名を知らない。否、それ以外の何もかも知りはしない。
私が此処にいるのも、
彼が其処にいるのも、
ただの偶然だ。
私の待ち合わせの相手が《不幸な事故》――これもまた、話すと長くなることなので
割愛させていただく。機会があれば、また別の時に――にあって来られなくなり、独りで
暇を持て余していなければ。
あるいは《彼》が、滑稽にも迷子になっていなければ、こうして向かい合って茶を飲むこと
はなかっただろう。あくまでも、ただの偶然だ。私も彼も暇を持て余していたから、とりとめ
のない会話を交わして――その挙句に、今のような質問が出たのだ。
この街の人間ではない、と彼は言った。
その言葉に嘘はないだろう。彼には街のにおいがない。この街の臭いが、という
意味ではなく、どこかに居住する人間の、ある種の生活感のようなものが存在しない。
旅をしてきたのか、
あるいは、旅をし続けている最中なのか。
どちらにせよ彼は余所者で、別れてしまえば二度と出会うこともないだろう。彼が幾つか
もわからないが、見た目からすればまだ学生で通じる顔立ちだった。夏休みを利用しての旅行――
そう考えるのが、適切なのだろう。
そう考えることができないのは、
彼の持つ――雰囲気のせいなのかもしれない。
「好きな人、か」
彼は繰り返すように言って、それから一度、大きく嘆息した。
疲れを吐き出すような、
哀れみさえ満ちた、
深い深い――ため息だった。
そして息が途絶えた頃に、彼は平然と、当たり前のように言った。
「好きになってくれる人ならいたんだけどね」
「……ふぅん」
伊達男のような、取り様によっては酷く気障ったらしい言葉。
けれど――その言葉は。
酷く疲れて、
惨く感想した、
乾いて砕け散りそうな、声だった。


155 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/08/16(木) 02:00:43 ID:LOxMyIYk
出だしどっかで見たな

156 名前:狂人は愛を嘯く.Case2 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/08/16(木) 02:07:41 ID:wmy+g0B6

「恋人に死なれでもしたのかい」
「そんなところかな」
私が嘯くと、彼は飄々と返した。嘘にしか聞こえなかった。嘘だと思う信憑性すらなかった。
嘘でも真実でもなく、ただ言葉を吐いているような――無意味な声だった。
空っぽだ。
言葉が反響している。
経験上――自慢ではないし、全く自慢にならないが、七月の例を出すまでもなく私は『厄介な人種』と
めぐり合うことが多い。決して当事者にはならないのだが――こういった種類の人間は、総じてろくでもない。
ろくでもない、ひとでなしだ。
・・・・・・・・・・
私がそうであるように。
「……ふぅん。傷心旅行?」
「さぁね」
彼は肩を竦めた。仰々しく、演技ぶった態度が心地良く感じられるのは、私だけなのだろうか。
「傷ついたかどうかも、よくわからないから」
「そういうものかい」
「そういうものだよ」
それは嘘なんだね、と言おうと思ったが、やめた。言うまでもないことだった。私が言わなくても
彼は自分が嘘を吐いていることを知っているだろうし、指摘せずとも彼は認めているだろう。
心は傷つかない。
そんなものは、ありはしないのだから。
「いい子だったのかい」
「もう忘れてしまったよ」
「そうだろうと思ったよ」
私は嘯いて、それからコーヒーを空にした。ほどなく給仕が代わりを注ぎにくる。その間中、彼は黙って
私を見ていた。私もまた、黙って彼の黒い瞳を見ていた。
忘れたよ、と彼は言った。
それは果たして、本当なのか、嘘なのか。
そもそも――そんな恋人がいたのかどうか。
私にはわからなかったし、詮索するつもりもなかった。ただ静かに、代わりが注がれたコーヒーカップを
傾けるだけだった。美味くもなく、不味くもなく、苦く、熱い。
紅茶のほうがよかったかもしれないと、私は今更後悔する。
後悔するのは、いつだって後になってからだ。
終わってからでしか、気付けない。



157 名前:狂人は愛を嘯く.Case2 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/08/16(木) 02:23:46 ID:wmy+g0B6

「ふぅん……それで、君」
「うん?」
「今はいるのかい?」
恋人がかい? と彼は問い返し、私は片思いでも結構だよ、と答えた。他人の色恋沙汰に興味はないが、
《彼》の色恋沙汰には、少しばかり興味があった。初対面の相手にしては珍しいが――逆に、初対面で、
これきりの出逢いだからこそ興味が沸いたのかもしれない。
あとくされがないというのは、良いことだ。
クーラーの中で呑むコーヒーと同じくらいには。
彼は私の質問に、間をもたせるかのようにコーヒーをすすり、ゆっくりとカップを元に戻して、
かちん、と皿とカップが触れる音がして。
その音に被せるようにして、彼は言う。
「好きになってくれる人なら、いるけれどね」
冗談のように、そういった。
それが先の言葉を踏まえての韜晦なのか、それとも真実なのか――まったく関係のない嘘なのか。
真実のように、聞こえた。
なぜなら彼は、自身がその相手をどう思っているかとは、言わなかったのだから。初めの質問である
「好きな人がいるのか」という問いに、彼は微塵たりとも答えていない。はぐらかすような
嘘の返事は――ただの事実でしかないのだろう。
となると、彼はその相手と旅行にきたのかもしれない。
はぐれて迷子になっていたと言っていたから――そのはぐれた誰かが。
彼を好きになった人間なのかもしれない。 
興味はあった。けれどその興味は、《彼》に対しての興味よりは薄いものだった。わざわざ
それを確めようとも思わなかった。余計なことに巻き込まれるくらいならば、早々に立ち去る
つもりだった。
「そうかい……結局、君は誰のことも好きではないないというわけか」
肩をすくめ、ため息混じりに私は言った。話はこれで終わり。そろそろ立ち去るべきか、私はそう思い、
けれど、彼は。
私を見たままに。
薄い微笑みを浮かべ。
「――君のことを今好きになったといったら?」
嘘か本当かわからない言葉を、口にした。
私は驚く。
突拍子のない彼の言葉に、ではない。
真剣みのない、彼の言葉に答えるようにして。

「もしそうなら――兄さん。私はこの人を殺します」

蕩けるような声が後ろからかかると共に、私の首筋に添えられたナイフの光に――私は漸く、驚愕したのだった。




158 名前:狂人は愛を嘯く.Case2 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/08/16(木) 02:39:52 ID:wmy+g0B6

言葉と同時に、重く重く重く体がのしかかってくる。全身を預けるようにして――椅子ごしに
誰かが後ろから抱き付いてきたのだと、すぐに気付く。その誰かが声の主であることも、ナイフ
をつきつけた相手であることにも。
わかっていても、動くわけはいかなかった。抱きついてきた誰かは悔しくなる程に手際がよく、
ナイフの刃先を一瞬たりともはなさなかったのだから。それどころか、抱きつきながら逆手に持ち
直すようにし、腕で隠すようにして私にナイフを当てた――傍から見れば、無邪気に後ろから抱き
つかれているようにしか見えない事だろう。
言葉も、
行為を挟む暇もない。
流れるように――完璧な。
恐ろしい程に、手馴れた動作。
「ああ」
けれど《彼》は、その行為をすべて眼前にしていたにもかかわらず、眉一つ動かすことなく。
「いたのか」
日常のように――そう言った。
日常の続きであるように。
「探しましたよ、兄さん。何処でお茶を飲んでいたのですか」
「此処で飲んでいたんだよ」
少女のように幼い声も、彼と変わりなかった。私に凶器を突きつけながら、淡々とした
口調で会話を続けている。突きつけられているナイフさえなければ、私はこの二人の会話を、
仲の良い兄妹の会話としか思えなかっただろう。
否。
そうではないのかもしれない。
彼が異質であるように、
彼女もまた、歪なのだと――私は気付いている。
「……はじめまして」
言いながら、私は唯一動かせる瞳だけで彼女を観察する。私に抱きついている腕は少女のそれで――
ただしセーラー服の袖口から覗く左腕は、作り物だった。肩口から、彼女の黒い髪が垂れてくる。
抱きつかれているせいで、少女の香りがする。
甘い、香りが。
腐り落ちる――果実のような。
「はじめまして――」
返事は期待していなかったのに、少女は、律儀にも答えた。
動作と共に。
「――さようなら、誰だかわからないあなた」
ちり、と。
僅かに――肌が避ける感触が、胸元からした。シャツの隙間、隠すようにあてられているナイフが、
わずかに体側にめり込んできている。刃先が皮一枚を破り、肌の上に薄く血が流れる。
彼女は、本気だった。
どこまでも――日常のように。
言葉の通りに、理由もなく意味もなく、一瞬の後には私へとナイフをつきいれるのだろう。
そうならなかったのは。


159 名前:狂人は愛を嘯く.Case2 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/08/16(木) 02:57:55 ID:wmy+g0B6

「おいで」
一言だった。
それだけだった。それ以上でもなく、それ以下でもなく。たったの一言だけ、《彼》は言った。
私にではなく、今にも私を殺そうとしている、彼女の妹に向かって。
効果は絶大で、即効性だった。
私の肉を抉ろうとしていたナイフが止まり――抱きつく彼女が、顔をあげて彼を見る
気配があった。彼女の中で、私という存在の重要性が、瞬く間に塗り替えられていくのを感じる。
彼女の世界では、
兄こそが全てなのだろう。
そう、感じた。
「……でも、兄さん。私は兄さんにすりよる女を、殺さないといけないんです」
「おいで」
「……兄さん……ですから……」
「おいで」
物騒なことをあっさりと言う彼女に対し、彼は同じことを三度繰り返した。そして、三度までが
限度だとでもいうように――彼はコーヒーを空にして、口をつぐんだ。
真上で、気配が惑っているのを感じた。
彼女は私と、彼を交互に見て。
「……もう、兄さんは、卑怯です」
どこか拗ねたような、可愛らしい声でそういった。
同時に――すっと、ナイフが遠ざかる。体にかかっていた圧力が瞬く間に消える。するすると、彼女の手が、
体が離れていく。あとには一筋、胸から血が流れるだけだった。
自由になってようやく――私は顔を動かして、初めて彼女を見た。そのときにはもう、彼女は机を杖がわりにして
反対側へと移動している最中だった。黒いプリーツ・スカートがひるがえる。ナイフはいつのまにか姿を消していて、
彼女はつい先まで私にそうしていたように、《彼》に後ろから抱きつく。
私の傍には、折りたたみ式の車椅子。左手だけでなく、彼女は、両の脚も作り物だった。
まるで、
作り物の人形のように。
現実味のない――兄妹だった。ともすれば、作り物を身につけた妹よりも。生身にしか見えない
兄のほうが、作り物めいているというのは皮肉な話だが。
そんな私の視線を気にすることなく、彼女は彼に抱きつき、後ろからキスをした。《彼》は拒むことなく
それを受け入れる。兄妹、という言葉が頭に浮かんだが、それこそ意味のない言葉だろう。
二、三度ついばむようなキスを交わして――ようやく、《妹》は唇を離した。そうして、陶器のように白い頬
をわずかに赤く染めて、
「兄さん、私心配したんですよ」
恋をする少女のように、そういった。
彼の言った『好いてくれる相手』とは、彼女のことなのだろう――私は確信を持つが、それ以上詮索する気にはなれなかった。
否。
これ以上、此処にいる気にはなれなかった。
ここは――異界だ。
私の世界ではない。
彼の世界だ。
彼らの世界だ。
彼はともかく、
彼らは、語り手を必要としていない。
一つの世界で――完結している。閉じきった環に、語り手は必要ない。
暇潰しも、これで終いだ。


160 名前:狂人は愛を嘯く.Case2 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/08/16(木) 03:17:36 ID:wmy+g0B6
それは彼もまた同じことだったのだろう。妹を抱きつかせたままに、彼は椅子から立ち上がった。
後ろから抱き付いていた彼女が、吊るされるようにして地から脚を浮かす。その彼女の脚が再びつく
よりも早く――彼はまるで王子様のように、《妹》を抱きかかえた。
御姫様抱っこ。
不思議と、似合っていた。
彼は妹を抱きかかえたままに、私の横を通り過ぎ、

「――ばいばい」

それが、別れの言葉だった。彼は妹を車椅子へとおろし、車椅子を押して、去っていく。
あっけないほどに、あっさりと。
私は。
私は――
一つだけ、彼に聞いておかなければならないことがあった。
私は座ったままに振り返り、今にも立ち去ろうとしている《彼》の背に向かって、質問を投げた。
「どうして――私を助けた?」
そう――
もし彼が言葉で妹を止めなければ。
ここが人前であるとか、ここが喫茶店の中であるとか、そういったことにまるで関係なく、彼女は
私を刺し殺していただろう。《兄》を奪いかねないという、それだけの理由で。
狂的な愛。
病むほどに一途で、儚い愛情。
妹は、それを持っている。けれど――彼がそれを持っているとは、思えなかった。
だから、訊ねた。
私の質問に、彼は脚を止め。
けれど、振り返ることなく――今までと何一つ変わらない口調で、言い切った。

「退屈しのぎになったから。それだけだよ」

それは。
それはきっと――彼が初めて口にした、嘘以外の言葉だったのだろう。
韜晦でも、
比喩でも、
皮肉でもなく。
彼の本心、だったのだろう。
「……そうかい」
私はそれだけを言う。それ以外に、言うべき言葉はなかった。彼も、彼女も、何を言おうともしなかった。
止めた脚を、再び動かしながら。
彼は、歌う。

「雨に――唄えば――」

退屈しのぎのように唄いながら、古ぼけた唄のサビの部分だけを繰り返しながら、名前も知らない彼と、
名前も知らない彼女は、私のもとから去っていく。

「雨に――唄えば――」

そうして、
彼らは、
恐らくは二度と会うことはない、近くて遠い世界にいきる彼らは――去っていった。
その歌声だけが、彼らの姿が見えなくなっても、私の耳から離れることはなかった。
「……雨に……唄えば……」
彼が口ずさんでいた歌詞を口の中で弄びながら、私は。
遅まきながら、気付く。
「ひょっとして……彼の代金は、私が払うのかい?」
答えるものは、誰もいなかった。



161 名前:狂人は愛を嘯く.Case2 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/08/16(木) 03:20:34 ID:wmy+g0B6
以上投下終了です
書きながらの投下でしたので時間がかかってごめんなさい

162 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/16(木) 03:26:21 ID:AExe0Yt8
>>161
GJ!
すばらしい!

というか書きながら!?
その速度が心底羨ましい。

163 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/16(木) 04:44:31 ID:WXc4V4QR
>>161
この二人ってもしかして…

164 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/16(木) 07:03:27 ID:RdaBNi5k
>>161
久しぶりにヤンデレ須藤兄妹ktkr!
やっぱりカッコヨス。

165 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/16(木) 11:57:17 ID:N3TeYklL
いや、相変わらずとても面白いです。
あちらの方にも期待させてもらってよろしいでしょうか?

166 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/16(木) 13:31:19 ID:ejVFDsTl
GJ!!
お茶会シリーズの中で須藤幹也が一番好きだったから久しぶりに彼が見れて良かった。
ヤンデレってる冬華もカワユス。

167 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/16(木) 20:42:33 ID:toTCstmq
GJ
キモウトは人類の至宝だとつくづく思った

168 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/17(金) 00:54:05 ID:gvBPpnl5
さて、戦に行く仕度を整えるか
ヤンデレ!ヤンデレ!
よし

169 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/17(金) 03:29:33 ID:x23Inc8p
ゼロ魔のルイズ?は主人公にフラれそうになったらヤンデレ化しないかな

170 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/17(金) 06:04:07 ID:BYY7AGdY
>>169
どっかにそんなSSあったな

171 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/17(金) 09:08:12 ID:AkPoR096
sola見たけど殆どの女がヤンデて笑った

172 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/17(金) 12:24:07 ID:x23Inc8p
>>170
教えていただきたい

173 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/17(金) 14:47:42 ID:gvBPpnl5
ネコマル行くの忘れてたぁぁぁあぁあああぁぁぁ!!!

174 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/17(金) 18:26:01 ID:SZ5VzSqK
>>172
羨ましいIDだ・・・

175 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/17(金) 20:16:41 ID:XdWr5G0E
やんデレおもすれーwwwww
小説とは違うリアルな雰囲気がたまらんwwww

176 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/08/17(金) 20:20:42 ID:k7txHbLf
>>175
それはちょっと違うだろ・・・

177 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/17(金) 20:24:55 ID:XdWr5G0E
>>176
いやだって、きれいなお姉さんがインターホンを何度も鳴らしながら俺を見つめてくれるんだぜwwwww

178 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/17(金) 20:26:15 ID:xn/qNQdj
角煮に行けよ。

179 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/17(金) 20:55:14 ID:c4sprJJn
VIPから出てくるなよ

180 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/17(金) 21:38:10 ID:GH4Kvdaz
こう…妄想はよく沸き立つんだが
何故か途中で銃器やら鈍器やら刃物やらでドンパチ始めちゃう俺の脳も
ヤンデレヒロイン達に負けず劣らず病んでるんだろうな

181 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/17(金) 21:46:28 ID:nm6cuKGO
ほととぎすまだかな

182 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/17(金) 21:48:46 ID:Sw57hH4h
いやいや、俺も妄想膨らましてSS書こうとしたが
膨らましすぎて最後とか「いくぞゾファー!!」になったw

183 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/18(土) 00:29:11 ID:FSEIve1I
メイス持ちのヤンデレヒロインだれかいない?
刃物なんかより魅力的だとおもうのだが

184 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/08/18(土) 00:43:35 ID:f52nVz4/
主人公が事故かなんかで死んだ後のヤンデレヒロイン達(もともとヤンデレでも
事故後にヤンデレ化でも)を見てみたいなと思うのは俺だけか
たいがいのエロゲは主人公死亡で終わってしまうから困る
精神的支柱を失った女の子がぶっ壊れていく様ほど悲しく美しいものはないのになぁ

185 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/18(土) 01:00:05 ID:JucljkAL
俺もよく漫画とかゲームの主人公が死んだらヒロインがどう壊れていくかを妄想するが
ヤンデレとはちょっと違う気がする。それとsageろ

186 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/18(土) 08:11:21 ID:/UVQQRd5
コミケに行った人は>>10をやったのかな?

187 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/18(土) 09:48:49 ID:W/EPNtzL
その話題はこっちでな。
ttp://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1176207104/
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1176178896/

188 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/18(土) 18:06:53 ID:mMp4SPnW
>>184
つセンチメンタルグラフティ2

189 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/18(土) 18:08:23 ID:4YJiC9Uv
核地雷w

190 名前:伊南屋 ◆WsILX6i4pM [sage] 投稿日:2007/08/18(土) 20:33:27 ID:zgtsG9Ec
狂人は愛を嘯く/名も知れぬ少年
http://imepita.jp/20070818/738400
狂人は愛を嘯く/名も知れぬ少女
http://imepita.jp/20070818/737410

久しぶりに描いたなとか思ったり

191 名前:伊南屋 ◆WsILX6i4pM [sage] 投稿日:2007/08/18(土) 20:34:29 ID:zgtsG9Ec
>>190
タイトル逆でしたorz

192 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/18(土) 20:45:44 ID:1FL9JT6W
>>190
毎度GJ!
でも冬華たんに両腕があるのは(ry

193 名前:慎 ◆UPiD9oBh4o [sage] 投稿日:2007/08/18(土) 22:58:18 ID:N9Pvw1hJ
うわ…なんか久々にきたらもう9かorzみなさまお久しぶりです。
新しいのを書きました。投下します。

194 名前:慎 ◆UPiD9oBh4o [sage] 投稿日:2007/08/18(土) 22:59:59 ID:N9Pvw1hJ
「Versprechung」
序曲


さて皆さんの記憶にはまだ新しいと思うがとある市で市長候補が銃撃され、殺されてしまうというショッキングな事件が起こった。
市民は、犯人の野蛮なテロリズムを憎み、糾弾し、そして現職でもあった市長候補の死を悲しんだ。
悪いことにこの市においては、このような事件は初めてのことではなく、以前にも同じような事件が起こったことがあったため、市民のショックはさらに大きなものとなった。
何故ここの市だけにこんなことが?
繰り返された悲しみの歴史に、人々は翻弄された。
さてはて、すぐに犯人が取り押さえられたこの大事件の裏で一つのたわいもない出来事が起こっていた。
そうそのときはほとんどの人からたわいもないことだと思われていた。
少なくとも、なんらかの特異性、その他異常なことは散見できず、注目すべきことがないが故、人々の関心を引くことはその時はなかった。
しかし、その、一つの出来事は、水面に落ちた水滴のように、徐々に波紋を広げていき、最後には世間の人々の関心をすべて持っていくことになった。
その事件は、事件自体の特異性、また動機の異常性において、昨今の中では、もっとも理解しがたい事件のひとつとして記憶されることになる。
動機も、また目的達成のために起こした事件も、行動も…犯人のすべてが人々にとっては理解しがたいものだった。否理解したくないものでもあった。しかも、その不可解な動機の根底にあったのはは人々が普段何気なくしている…そう、なんんともない、ありふれたものだった。
このようなありふれたことでこの特異なる事件が起きるとはだれも、思ってはいなかったし、想像もついていなかった。それゆえか、事件の全容が明るみに出たときに人々が受けた衝撃は、ここ10年で個人が起こした事件の中では、最上級なものであった。
さてここまで長い前置きを置いたが、この事件における物語は、事件が起こる数ヶ月まえより始まる。しかし、より正確に言うならば、真に始まったのは、20数年前といえる。
そう、この事件はそのときに仕掛けられたタイマーが、息を潜め、ただひたすら時を刻み、そして時を経て発動したに過ぎない。
この事件は偶然に起きたのではなく必然に起きたものだったといえる。
否、偶然に起きる事件のほうが少ないのだろう。タイマーは常にどこにでも設置され、そして時間が設定され、誰に求められなかったそのうちのいくつかが発動するだけ…このような必然的に起きる事件のほうが多いのだろう。

さて前置きはこの変にしてこれから、この事件の顛末について述べていくことにしよう。

195 名前:慎 ◆UPiD9oBh4o [sage] 投稿日:2007/08/18(土) 23:01:46 ID:N9Pvw1hJ
宮田秀樹は、冷たい感覚とともに目を覚ました。
冷気に当てられた感覚。
頭が痛い。腹辺りにも痛みを感じる。
自分は今までなにをしていただろうか?
たしか、アパートの近くの外の自販機に飲み物を買いにいこうとして、アパートを出て、そして…アパートをでたところでタクシーが止まって道がふさがった。
誰か降りるのかなと思ったら、誰も降りてこない。不思議に思ってたら…
そこで記憶が途絶える。腹のほうに激しい痛みを覚えた記憶はある。しかしそれ以上は何も…まったく思い出せなかった。
そもそも今自分がいるこの場所はいったいどこなのか…?
とりあえず彼は、自分がおかれている今の状況を冷静なってに考えてみることにした。
しかし状況を把握すればするほど、彼は何がなんだかわからなくなってしまい、冷静さを失われそうになった。
まずここは…光が電灯ぐらいしかなく、外から入る自然光の類はなかった。
換気扇は何個か見受けられるが、窓がこの部屋には一つもない。
そして…今の自分の状態はというと、手を縛られている状態でベットの上に横たわっていた。
俗に言う監禁という状態である。いや、なんともわかりやすく状況把握もしやすい…ということはない。
しかし彼は監禁とわかるとすぐに頭をまわせるようになった。
想定外の事態ではなく…可能性としては低いと見ていたが想定内の範囲だったので、
軽い驚きを覚えた程度ですぐに切り替えることが出来たのだ。
彼は、自分には監禁される理由がそれなりにはあると思っていた。
彼は地元にあるそれなりに大きい会社の社長の息子であり、それでいて成績も優秀で、高校卒業後は現役で地元の大学の医学部に入った。
かといってがり勉というわけでもなく、何でもこなす、秀才といえる存在だった。
現在は、医学博士号を獲るために大学病院に勤務しながら、日夜勉強に、仕事に励んでいる。
まぁ俗に言うお坊ちゃまで、今まで自分の生活には無い一つ不自由を感じたことは無かった。
両親も同じ市に住んでいるが、勉強に集中するためと、もういい年であることを理由に、大学入学の頃から一人暮らしをはじめていた。
現在26歳。親の会社のほうは不況を乗り越えさぁこれからというところ。さてはて自分を誘拐したのはライバル企業か?それとも、まったく関係のない人物の単なる金目当てか?
いずれにしてもどうにかこの状況を打破出来ないかな…とまったく当てのないことを考えていると、部屋のドアの外から、階段を誰かが降りてくるような音がした。
階段の音だとすると、この部屋がある階より上の階が少なくともあるようだ。
「誰だ!?」
秀樹の叫び声による問いに答えはなかった。
音の主は無言で階段を降りきってきて、部屋の扉を開けて姿を現した。
どんな輩だと思って身構えていた秀樹は音の主の姿を見て絶句した。
「…お前…なんで…ここに…」

196 名前:慎 ◆UPiD9oBh4o [sage] 投稿日:2007/08/18(土) 23:03:20 ID:N9Pvw1hJ
彼はドアを開けた人物を見て大きく混乱した。
なぜその人物がここにいるのか、そして、自分の前に姿を現したのか…
彼には皆目見当がつかなかった。
そもそも、この人物がこのような誘拐、監禁のようなまねをするとは彼は夢にも思ってもなかった。
理由が思い当たらない…
秀樹の頭は混乱してパンク状態になっていた。情報が頭の中をまったくいきわたらない。
「ふふふふふふ、目、覚めたぁ?」
能天気に問いかける、階段を降りてきた者。
「ちょ、放してくれよ。何のいたずらだ、まったく」
幾分か冷静さを取り戻した秀樹はおどけるように言った。
実際何かの冗談だと思っていたからだ。だが、相手からの返事は
「あら、放すわけなんかないじゃない、まだ寝てるの?起きてるなら寝言は無しよ」
だった。彼の望み、要求はさらっと拒絶された。だが秀樹もあきらめない。ここであきらめてはどうしようもない。
彼はとにかくやってみようと、このような状況におかれながらも、少しやる気になっていた
「なぁもういいじゃないか。放してくれよ。もう少しお前のお遊びに付き合ってあげてもいいが、
ほら、俺もさぁ仕事とかあってさ…明日もあるし、な?」
彼はとりあえず穏やかに話してみることにした。まだ相手はふざけているんだ、と信じていたからだ。
おふざけで監禁する人間がどこにいるかともっと冷静に考えれば思いつくはずだが、
彼の思考はすでにこの状況からの脱出にしか向けられていなかったため、そのことにはまったく気付かなかった。
しかしというかやはりというか答えは無情にも
「あら、お遊びじゃなくってよ。何を勘違いなさって?まだ寝たりないの~困ったわね」
というものだった。
どうやらふざけているわけではないらしい。当たり前だが。
さて彼にとっては困ったことになったようだ。
相手は本気で、というと表現がおかしいかもしれないが、自分を監禁しているようだ。
少なくともお遊びではない。今更ではあるが。
そして放すつもりも無い。これも当たり前。
彼女と交わした交わした会話はまだ2回。だがその口調からは強い意志が感じられた。
というか感じられないとおかしい気もしなくもないが。
さてさてこれはどうしたことか。
監禁されるなんて―よもやこの人物に―彼にとってはまったく予想外―それこそ地球がいきなり爆発するぐらい―のことだった。
まったく理由が思いあたらない。何故俺はこいつに監禁されにゃならんのか。さらに頭を回してみる。だが思い当たる節はやはりない。
彼はこれはもう彼女に理由直接尋ねるしかないか、と心の中でため息を吐きながらつぶやいた。たずねてどうするかは、正直疑問ではあるが。
果たして彼女は素直に言ってくれるのやら…彼に確証は無かったがもうそれしか彼には方法が思いつかなかったので、
とりあえずだめもとで聞いてみることにした。

197 名前:慎 ◆UPiD9oBh4o [sage] 投稿日:2007/08/18(土) 23:04:56 ID:N9Pvw1hJ
「どうして…俺を…こんなことに?まったくこんなことされる理由が思い当たらないんだが」
彼はどんな理由であれ、今回のものは解決できないものではないだろうと思っていた。
そんなわけあるはずないのだが、常識的に考えれば。しかし、彼はいまだ思考がおかしかった。明らかに混乱している。行動がめちゃくちゃだ。
彼女から具体的な理由が聞ければ対処もできる。今は原因も何もわからない状態。
まずは原因だけでも探りを入れなければ何もできない…と彼は考えてた。
自分の頭はこの緊急事態にも、このように非常に冷静に回っている…と自画自賛。
さぁどんな答えが出てくるか…彼はいろいろな答えに合わせた自分のこれからの行動、言動パターンを瞬時にシュミレートした。
ところが彼に返ってきた答えは彼の期待に反し至極簡単なものだった。
だがこの答えにより彼はさらに混乱することになる。
「理由…そうね…約束を遂行してもらうためかしら」
相手の返答はこの一言だけだった。
「約束だと…っ」
彼はいよいよどうしようもなくなってきていた。
約束…監禁されるなんて約束は当然のごとくした覚えはない。
ほかにこういうことをされかねない約束を交わした覚えもない。
さてはて、理由を聞いたはいいがやはり約束云々以前に、この監禁に関しては彼にはやはりわからないことが多すぎた。
情報の明らかな不足。まずここはどこなのか。
彼女はなぜここにいて、そしてなぜ自分を監禁したのか。
これから彼女は自分をどうするつもりなのか?
そして、自分が彼女とした約束とは…?
まったくわからない。
彼は深い霧の中を歩いてるかのような感じを受けていた。
前も後ろも、左も、右も…何も見えてこない。
そんなとき、暗闇に差した一筋の光を見つけたかのごとく、ふと彼は突然思い当たった。
一つだけ、理由ではないかと思い当たるものがあった。そこで、彼女に思い当たったことをぶつけてみて探ることにした。
「ほう…ところでよ、俺をこれからどうする気だ?家にでも知らせて金でも取る気か?ん?」
自分の実家と何らかの金銭契約を彼女、もしくは彼女の親あたりが結んでいたのではないか。
しかし何らかの理由でその契約が履行されず、じゃあ強引にでも契約を果たしてもらうために…といった所だろうと彼は予想したのだ。少し発想の飛躍のしすぎな感もあるが、彼にはこれしか思いつかなかった。
さてはて、彼の中のストーリーではそのことを知られたく無いがため、つまり金銭が目的であることを知られないためにに約束という言葉を使ったんだろう、ということになっていた。
なんてくだらない理由だと一瞬思いもした。
だが彼女も職業が職業柄、こういったことも秘密裏にすることも可能なのかもしれないとも思っていたし何より彼の両親は面子を重んじる人物だ。少しぐらいの金なら警察に知らせず、さらっと払ってしまうだろう。
ならば非常に理想的な方法じゃないか…よくわかってるなこいつ…まぁそれも当然っちゃ当然か…と結局は一人で納得してしまった。

198 名前:慎 ◆UPiD9oBh4o [sage] 投稿日:2007/08/18(土) 23:07:49 ID:N9Pvw1hJ
納得したところで彼は勝手ながら自分が思いついたここまでのストーリーをまとめてみることにした。
だがその矢先、残念ながらそのストーリーはあっけなく崩れ去ることとなるもだが。彼女が
「あら、家には知らせないわよ」
と言った瞬間に。
彼は大いに疑問に思った。なんだって?何故?何故実家には知らせない?
彼は驚きというものを通り越えて呆れ果てた。
じゃあいったい何が目的なんだ。こうなってくると彼にはその約束とやらには思い当たりがまったくなくなってしまった。もともとないのだから、想像がはずれと確定した時点でお手上げだ。
「そうそう、警察にも知らせないわ…そうねぇ…捜索願扱いということで、まぁ普通の行方不明者として扱ってもらうことになると思うわ、私の予想では」
「ちょっと待て!じゃあ俺はいつ解放されるんだ!お前の気が済むまでか!え!?」
「そうね…交渉の状況しだいだわ」
「ちょっとまて。じゃあその交渉する相手は誰なんだよ!?どこにも連絡しないんだろ!?」
「あらまだわかってないの?」
「あぁ、まったくわからんね。」
「もちろん、あなたに決まってるじゃない。やっぱりまだ寝たりないの?」
交渉相手が自分だと聞かされ、彼はますます打つ手がなくなった。よくよく考えれば、むしろラッキーなはずなのだが、彼は交渉というものを特にやったことはなかったし、どうすればいいかわからなくなったという点では、打つ手がなくなったといえよう。
さてはてこれで彼のさっきの疑問の中に交渉内容はなんなのか?という疑問が追加されることとなった。
もしやその約束とやらと関係が?という確証に近い疑問は持っていた。
とは言っても肝心の約束の内容がわからない。わからないことには交渉のしようがない。
「さてお前と何の交渉をするんだ?そのお前が言う約束とやらに俺は思い当たる節がないのだが。」
彼は彼女に尋ねてみた。あくまで強気で。交渉というものがどんなものかはわからない。
でも足元を見られるとか言う状況だけにはなりたくないという思いがあった…どういう状況かはわかってはいなかったが。
「あら忘れちゃったの?そうねぇ…私が自分で言うのもいいけど、あなた自身でゆっくりでもいいから思い出してもらうほうが私はいいわ。
そう、あなたの自分の力でね」
「思い出せる自信はまったくもってないんだが?」
「安心して。思い出すまでここにいてもらうことになるから。言ったでしょう?私はゆっくり思い出してもらっても構わないから。
思い出してもらうまで私は待つわ。ここでね」

199 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/18(土) 23:08:22 ID:20wzF9he
短編投下
ここへの投下は初めてなんで、ヤンデレとは違うかも。その場合は教えてください。
あと、血とかいっぱいです。

200 名前:慎 ◆UPiD9oBh4o [sage] 投稿日:2007/08/18(土) 23:09:50 ID:N9Pvw1hJ
要するに帰してくれないと。こうなるとどうしようもない。本格的に詰み。ようやく彼は自分のおかれている立場というものを理解した。
遅きに失した感はかなり否めない。もはや手遅れである。
ここまでくると彼はしばらくはここにいないといけないであろうことを覚悟せざるをえなかったた。
だが、それもいつまでもは続かないだろうとこの期に及んで楽観もしていた。
何日かすれば、こんな馬鹿げたことに彼女自身が冷めてくれるだろうとも思っていた。
どうやら理由も深刻なものではないようだし。
「食事は持ってきてあげるから。まぁ殺しはしないわ、安心して。ここでまずはゆっくり思い出してもらうわ。約束のこと」
そういい残して、彼女は彼がいる部屋から立ち去った。
餓死の心配はないようだ。特に相手は自分に危害を加えるつもりはないこともわかった。
そこまでわかったからこそ彼は楽観的になれた。まったく無意味なことだが。警
察もさすがに騒いでくれることだろうとも考えていた。人一人急に理由もなく消えたのだから騒がなければおかしいだろうと。
親も恋人もさすがに不審に思うだろうし。そう彼はあくまで楽観的だった。
楽観的だったというよりは、考えることが出来なかったともいえなくはないが。
彼は多くの事実を忘れていた。いや、知らされることのない事実もある。
彼が拉致、監禁された日に、より大きな、この市すべてを揺るがす大事件が起きていたことを。
警察は当然そちらの事件のほうに全力を傾けていたし、
また、彼の親も、恋人も、友人も疑いもせず彼がふらっとどこかに出かけたのだろうとしか思ってなかったこと。
より正確に言うとそう思わされることになる。
このような状況が重なったこともあり結局彼が失踪したとわかるまで時間がそれなりにかかった。
また、このことが事件とわかったときでも、このことのために動ける刑事はたったの2人しかいなかった。
この通り、彼の希望はことごとく潰されていたのであった。
だが彼は当然ながらこのことにはまったく気付かず、救援はすぐ来ると思っていた。
すでに彼女の大きな策略の中に入ってることも知らず…

さて様々な宗教で、地獄というものの存在が言われている。罪人が落ちる場所、罪を償う場所。当然ながら、どんな場所かは、現世の人間には想像するのみで、実際のところはわかるはずもない。
そこで日本人は地獄の存在の一つを現世の温泉というものに見出した。
しかし、彼のこの先に待ち受けてるものこそまさに地獄といえるものではないだろうか?
事件の詳細が報道された後、人々は、地獄とは何かを知ることとなる。

最終更新:2009年01月13日 14:14