※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

401 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 16:39:25 ID:EOKPgj40
>>399
世界が自己完結してるヤンデレがそれじゃないかね
自己完結してるヤンデレとしてないヤンデレってなんだよってことになるが

ちなみに俺は両方好きです

402 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 17:17:14 ID:NagY7J3v
ヤンデレは自分さえ幸せならいいって思考のことだと思うんだ
想う相手はあくまで自分が幸せになるための手段なんだよ。

403 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 17:21:22 ID:LpcOAw1A
>>402
それはヤンデレってよりメンヘラじゃね?
ヤンデレはあくまで相手本位だと思うぜ?

404 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 17:26:38 ID:StDaKrYX
自分は相手本位だと思い込んでる自分本位というのもあり?
そのズレっぷりが悲劇に転じるところもまた良いと思うのだが。

405 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 17:29:06 ID:hFVXOicj
よし書けすぐ書け

406 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 17:29:50 ID:My4xHj1C
>>402>>404
それは嫉妬深いだけ
スクイズでいうと、世界と言葉様の違いみたいなもん

407 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 17:42:08 ID:cgk1mK/W
>>368 その程度じゃ、まだヤンデレじゃないよ。それが、監禁へと移るとヤンデレじゃない?
ま、ヤンデレのボーダーラインは人それぞれだから、なんとも言えないけど。

408 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 18:26:48 ID:2XDMBNaZ
あああ、なんか定義の話になるとわけわかんなくなるわ
とりあえずヨッピーはヤンデレかメンヘルかを教えてくれ

409 名前:ヤンデレの扉 ◆ZUUeTAYj76 [sage] 投稿日:2008/03/21(金) 18:32:49 ID:uy+ZxvCh
この病院には「暗黙の了解」があった
『404号室に入る患者とは関ってはならない』
けれど私は、その4階の端にぽつりとある個室が気になっていた
まるで他の患者から隔離されているその病室
入るのは毎回女性で、大体1ヶ月周期で入れ替わる患者
なぜ気になるのか自分でよく分からない
だからこそ、会いたかった、あって話をしてみたかった

――チャンスは意外と早く訪れた

その日、私は夜勤だった
突然の搬送、近くで大規模な玉突き事故があったようだ
スタッフは皆その対処におわれ、私もそうするハズだった
私が向かったのは404号室
ダレも居ない4階、きっとチャンスは今しかない
鍵を空け、私は404号室に入った

「いらっしゃい、なにも無いけれど、ゆっくりしていって」

直後、暗闇の中から声をかけられた
儚げな少女の声、暗くて姿は見えない
でも間違いない、この病室の主だ

410 名前:ヤンデレの扉 ◆ZUUeTAYj76 [sage] 投稿日:2008/03/21(金) 18:33:34 ID:uy+ZxvCh
「私に、会いに来たのでしょ? 違う?」
「あなたと、一度でいいからお話したくて」
「だったら、そんな所に立ってないで、座ってください」

私は暗闇にぼんやり浮かぶパイプ椅子に座った

「なにか悩みがあるのね、たとえば、恋……とか」

……!

「うふふ、図星ね。彼と上手く言ってないみたいね」
「そうだけど、どうして、どうして分かるの?」
「だってあなた、そっくりなんですもの、私に」

そして私は話した、自分のこと、彼のこと、二人の関係
彼との付き合いが上手くいっていないこと
どうすればいいのか分からなくなっていることを
彼女はそれを全て聴いてくれた
そして私に語りかける、当然のことを言うように

「好きにすればいいのよ
彼の幸せのために貴女の幸せのために
二人の幸せのためなら彼だって喜んでくれるわ
だって貴女達は愛し合っているのでしょう?
愛し合う二人が幸せになるのは当然のことじゃない、ねぇ? 
幸せになるために思い浮かぶことの全てをしてあげるの
少し手荒な手段をとっても彼なら許してくれるわ、
だって貴女を愛しているから。貴女も、彼を愛しているから。
今は拒絶していても、きっと将来感謝されるわ
貴女に愛されてよかったって、幸せだって
うふふ、私の彼もよく泣きながら……あ、惚気てごめんなさいね」

411 名前:ヤンデレの扉 ◆ZUUeTAYj76 [sage] 投稿日:2008/03/21(金) 18:35:49 ID:uy+ZxvCh
すぅっ、と心のモヤが晴れていくのを感じた
きっと私は迷っていたのだ、
今ならきっと何だって出来る、彼のために
それを感じたのか、彼女は満足そうに頷き言った

「さあ、早く行動に移したほうがいいわよ、邪魔が入る前に、ね
そうそう、お礼を言うの、忘れていたわ」

お礼を言わなければならないのは私のほうなのに

「開けてくれて、ありがとう」
「……あ」

気づいたとき、彼女は病室から消えていた


彼女がどうなったのかは分からない、きっと恋人と幸せにしているのだろう
あれから、私は病院を辞めて彼に会いに行った
彼は酷く驚いていたけれど会いにきてくれたのを喜んでいたんだと思う

「これからはずっと一緒に居られるからね」

そういうと、彼は泣きながら何度も謝った
ああそっか、自分のせいで仕事をやめたと勘違いしているんだ
自分を責めないで、私は自分の意思で仕事を辞めたんだから

さあ、一緒に幸せになりましょう

412 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 18:52:42 ID:K9GmB92b
>>411
うわぁ病みが感染した……!
GJ!

413 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 18:57:09 ID:K9GmB92b
連レスになるが、
>>408
よっぴーは
・重度の依存
・私が彼を一番幸せにできる
・レオの幸せ第一(=自分のそばにいなくちゃ駄目
……だったよな。
俺はヤンデレだと思うんだが……

414 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 19:20:55 ID:DLZ3gaPY
>>411
普通に( ;∀;)イイハナシダナー
と思ったけど、やっぱりどこか怖いなw

415 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 19:38:53 ID:xLEVKPVk
>>411
GJ!
次はこの女が404号室の患者になるのか

416 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 19:39:05 ID:2XDMBNaZ
>>411
GJ、こうして素敵な女性が増えていくんですね!!
>>413
だけど惚れる前の段階でトラウマで病んでるから
そこらへんの解釈がわけわかんなくなった

417 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 20:09:21 ID:EOKPgj40
>>411
ヤンデレっ娘世にはばかる!
GJっした!
>>416
ヤンでからデレるのか、デレてからヤむのかってことじゃなくて
飛びっきり強烈なヤンとデレが同時進行するのがヤンデレだと思う俺
なのでよっぴーはヤンデレだと思います


418 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 20:21:10 ID:PFWXziNM
病みの扉~叩~い~て~
ここから今飛び出そう

419 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 20:44:35 ID:aOtlMoFe
>>413
よっぴーwwww

楽しいゲームだと思って楽しんでた俺を最後に突き落としてくれたやつか。
あれから俺はおかしくなった。

420 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 20:47:14 ID:PN9mLsIE
>>384
>日本書紀にヤンデレ
前スレ以前の亊はよく知らないけど、百襲姫の事かな?
荻原規子著 白鳥異伝に出て来る百襲姫がスゲー病んでる。


421 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 21:11:39 ID:Qbljri6A
ギリシア神話とか日本書紀の話題が出てて気になってググったら、北欧神話、ギルガメッシュ叙事詩なんかにもヤンデレがいたw

422 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 22:47:33 ID:7PH7kIAE
甘えん坊なヤンデレが見てみたいです

423 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 23:16:08 ID:0TKOBkKj
>>422
「えへへ~監禁しちゃうのであります~」
「浮気したらお尻ペンペンだよ~…剣山で~」
「必殺カレーで幸せになろうね~…あの世で~」


異論反論は覚悟の上だ。
ただ後悔はしてる。

424 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 23:22:07 ID:CpX9mH9E
あれ?あのキャラの声で聞こえてくるのは俺だけだろうか

425 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 23:27:23 ID:EH6HI3oB
りゅうおうたん保管庫を見てた俺には
自然とあのキャラの声で聞こえてきたよ。


426 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 23:29:26 ID:YMWzdsoS
>>423
何か違うwww

427 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 23:41:02 ID:iRUUH8T1
>>423
甘え……てんのかコレ?

428 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 00:20:58 ID:cuknJhSh
台本形式で悪いがこんな感じじゃね?
女:えへへ~(すりすり
男:あー……女。離せ。
女:やだよぅ、離したらどこかに行っちゃうでしょ?(すりすり
男:戻ってくるって。な? だからせめて手錠を外せ。

429 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 00:21:05 ID:LrNpDTcP
お茶会の人が降臨されなくてとても寂しい。
更紗タソの続きが気になるよ…。

430 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 00:42:07 ID:PLgZfThC
俺はヤンデレ家族の人とかちかち山の人が待ち遠しい

431 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 01:40:43 ID:LH1OM7WJ
俺はことのはぐるまをずっと待ってる
華ルートが気になって仕方ない

432 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 01:58:15 ID:wVGM9x27
>>423
To Heart2のこのみ?

>>422
俺に彼女ができてから急に学校を休んでいた美弥が突然飯を作るから家に来ないか、とメールを送ってきた。
幼馴染のコイツは小さい頃からいつも俺に甘えてきて、よく彼女ではないのかと周囲から言われ続けていたが、実は違う。
俺はコイツのことを妹くらいにしか思ってないし、どうしてもそうとしか認識できない。
たぶん、俺はコイツに慣れすぎたんだと思う。
「てへへ、こうして二人っきりでご飯食べるの久しぶりだよね♪」
そう言って俺にすり寄って来る美弥。
ほんの一瞬、俺は躊躇ったが、俺は美弥を振りほどく。
「……なあ、美弥。俺も彼女がいる身分になったわけなんだが……その、もっと自重してくれないか?」
「…………え?」
男が操をたてるっていうのもアレだと思うが、ケジメはつけないといけない。
俺に依存しっぱなしの美弥とも、そろそろケリをつけようと思う。
このまま、コイツが俺に甘え続けるわけにもいかないのだから。
「俺さ、お前の気持ちに応えてやりたくて、お前を女として見ようとした時もあったんだ。
でもな、やっぱり俺はお前の事が友人以上には想えないんだ……だから、」
「もう、いいよ」
俺が言い終えるのを待たずに、美弥は言葉を遮った。
「………シュウ君。ボクもね、もう決心はついているんだ」
悲しみを覆い隠すように、美弥は笑っている。
それが痛々しくて、申し訳なかった。
「学校を休んでいたのもね、心の整理のためだったんだ。あははは、ボクでも乙女らしいところってあったんだね」
「……美弥」
「さ、ご飯食べようよ♪今日は腕によりをかけたんだから!」
この時、美弥の目が虚ろだったことに、俺はもっと早く気づけば良かった。



「ねえねえ、シュウ君。ボクの料理どうだった?」
「ああ、美味かったよ。でも、妙に味が濃かったかな」
「えへへ、分かる?実は今日作ったの、特別な料理なんだ♪」
「特別?それってどういう……………っ!?」
「あは、薬が効いてきたみたいだね♪」
一瞬、コイツが何を言っているのか分からなかった。
否、信じられなかったんだ。いつも俺の後ろで能天気に笑っていたコイツがこんな事をするなんて……。
「お、前……どういう、つもり、だっ!?」
満足に動かない体で俺は這い蹲るように、美弥を睨みつける。
「だって、シュウ君が悪いんだよ?ボクがこんなに、シュウ君のことが好きって昔からアピールしてるのに、あの女と付き合うなんてさ」
そう言って美弥は俺の服を脱がし始めた。
「どうしたら良いか分からなかったよ。誰に相談しても諦めろって言うし……」
ズボンにまで手を掛けて来た美弥に、俺は必死で抵抗する。
だが、俺の抵抗も虚しく、ズボンは徐々に脱がされていく。
「でもね、ボクはどうしてもシュウ君のことが好きなんだ。
好きで好きで、もうシュウ君無しじゃ生きていけないんじゃないかってくらい」
ついにトランクス姿になった俺を美弥はうっとりと眺めている。
俺の意識は段々と朦朧としていき、い識することさえ、鈍ってきた。
「だからね、ボクがシュウ君にいっっっっぱい甘えて、もっと好きだって教え込んであげるよ」
もう、ミヤがなにをいっているのかも、わからなくなってきた。
「時間はたっぷりあるよ。だから―――――――ずっと、甘えさせてね?」


自分も微妙か……orz

433 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/03/22(土) 02:13:18 ID:NHBOf4UT
うんこw






















」うんこおおっっっっっw

434 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 02:19:36 ID:DrWuKc+V
>>428
>>432
どちらも結構萌えるんだが

435 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 06:13:53 ID:zfdUJPCP
>>432そこまで書けたなら、全部書いてくれって。
こんな甘いヤンデレ見せられたら、堪らんのですよ。

436 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 06:29:58 ID:G8fkVcW7
今度発売されるコードギアスのゲームの学園編に恋愛ギアス(だっけ?)を使う主人公が登場する。
使用した相手に好意を持たせるギアスなのだが、どうやらギアスを使いすぎるとBADに直行ぽい……
もしや黒化するのでは?と予想してみる。

437 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 06:57:19 ID:YqHCsKx7
まあ、二次のヤンデレはよく見かけるよな。
あれはあれで面白い

438 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 07:35:01 ID:me5llFN+
君の知っている全部の二次創作のヤンデレをkwsk教えてもらおうか

439 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 09:24:30 ID:YqHCsKx7
>>438 ハルヒ 長門 らきすた D.C GIFT SHFFLE! ゼロの使い魔 火魅子伝 CLANNAD かな。
まあ、コアなのもあるが

440 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 10:01:10 ID:mSCqw5ZC
ハルヒのヤンデレは見たことあるな
二次創作も悪くないなと思ったよ

441 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 11:13:42 ID:Z62TI4Jk
>>428
あんた最高

442 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 11:26:19 ID:7vI8MAFK
人気な作品はSSの数が多すぎて読む気、探す気が起きないんだよな
よろしければ作品名をplz

443 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 11:58:49 ID:YqHCsKx7
>>442 そうしたいが作者じゃないのでここでやっちゃまずいだろ。
たぶん、それぞれの作品に『ヤンデレ』ってつければいけるんじゃないか?

444 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 16:22:48 ID:UzjpbA2F
前ここで貼られてた東方のSSがいいヤミっぷりだった

445 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 20:02:06 ID:/JWGshb7
ヒロインが病むのはやっぱ主人公のせいかね?
誠みたいのは論外だが、これっぽっちも原因がない主人公ってのもいないよな

446 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 20:35:06 ID:FIPTFBYv
>>445
いきなり病む、なんてことはないだろうからねぇ。最初っからクライマックスはただのメンヘラと間違われそうだし。
原因としてなんらかの形で主人公(というか彼氏のほうか)が原因として関わる形が普通じゃないかな。



447 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 20:46:57 ID:PLgZfThC
>>445
未来日記のユッキーみたいに、まったく無関係といえるものが無いわけじゃない
でも大半は主人公のせいだけどな

448 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 21:15:13 ID:frT+J6Ji
主人公は普通に接していても
女のほうにヤンデレ因子みたいなのがあって
ほんの少しの勘違いからってのはありそうだが

だがそうなると主人公は本当に悲惨だ

449 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 21:23:32 ID:/JWGshb7
>>446
だよなぁ。ただ余りにも理不尽な理由でヒロインが病むと
「主人公悪くないだろw」と思ってしまうw


>>447
そうなのかw
未来日記読んだこと無いから興味出たw㌧クス

450 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 21:50:31 ID:PLgZfThC
>>448
悲惨じゃなくて幸運だろJK

451 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 22:22:36 ID:LH1OM7WJ
話題変えてすまんが、ヤンデレの恋人が轢き逃げで殺されたとして、次の内どれが一番病み度が高いと思う?
1、轢き逃げ犯を人間の精神では想像出来ないぐらい残酷に殺し尽くす
2、轢き逃げ犯の周りにいる人間一人一人を轢き逃げ犯の目の前で残酷に殺す
3、殺して下さいと懇願するほどに拷問しつくす
4、恋人の後を追い、来世で幸せになる
5、復讐する気力も死ぬ気力も失い、抜け殻のように壊れていく

452 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 22:31:02 ID:PLgZfThC
>>451
6、彼氏の幻覚を見て、その幻覚の彼氏と暮らす

453 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 22:33:18 ID:GizpjVrL
2→3→1→4
で、( ;∀;)イイハナシダナー

454 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 22:35:15 ID:eYZgFUu5
轢き逃げだからなあ・・・
過失であって故意でないのが難しいところだな

彼氏が強盗殺人や通り魔にあったのなら>>453と同じでFAなんだが

455 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 00:13:11 ID:sl7Uu8FJ
>>454
彼氏が強姦殺人~にみえた俺はある意味病んでるのかもしれない

456 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 00:31:12 ID:A1FWuYRH
俺は5かなぁ…または4

ヤンデレは、主人公さえ生きていれば無敵かもしれない。
他の女に寝取られたぐらいなら「彼の気の迷い」と断定して、いくらでも奪い返すことができる。でも、生死はなぁ…

復讐心を燃やすのにはエネルギーがいるし、支えを失ったヤンデレがそこまで強くなれるとは思えない
完全崩壊。こういう脆さもあるからこその、ヤンデレだと思うんだがいかに。

457 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 00:32:06 ID:XaENO2HJ
その辺は好みだろ

458 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 00:33:12 ID:ZE6PRlQg
>>275に触発されてポケモン擬人化でヤンデレss書いてるんだが……
長編になりそうな上に、しばらく病みそうにない
なんか書いてるうちにスレチな気がしてきたんだが、果たして投下していいものだろうか

459 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 01:09:21 ID:8skwDCGH
私は一向に構わん!
というかむしろお前の様な奴を待っていた!!

と言いたい所だが二時創作の上擬人化となると難しいわな そりゃ
俺としては是非とも投下して欲しいが
ちなみにポケモンは何?

460 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 01:13:21 ID:ZE6PRlQg
>>459
>>275のとおりにメインはチコリータで。まあアニメ見てないからアニメのとは性格が異なるでしょうが
舞台はポケモン金なのですが、やったのがかなり昔なので、攻略サイトを見ながら書いていますが曖昧だと思います

461 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 01:14:43 ID:XaENO2HJ
ポケモンは二次創作になるんじゃないのか?

462 名前:名無しさん@ピンキー[kyd2enj] 投稿日:2008/03/23(日) 01:37:23 ID:ZA9D1YWx
気にするな。
自らの魂の限り書き尽くすんだ……!

お願いします。

463 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 02:01:58 ID:8skwDCGH
二次創作といってもポケモンはストーリーあって無きが如しだから取っ付きやすいと思うんだがなぁ

464 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 02:05:09 ID:KucUlQAK
とりあえず投下してみるといいよ

465 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 02:13:01 ID:ZE6PRlQg
それではお言葉に甘えて
とりあえずプロローグ的部分だけ投下します
まだ一章の途中くらいまでしか書いてませんが

466 名前:ぽけもん 黒  旅立ちの朝 ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/03/23(日) 02:14:26 ID:ZE6PRlQg
ポケットには収まりきらないような怪物、縮めてポケモン――
僕達が住んでいるこの世界には、そう呼ばれる、人間とも、その他の動物とも一線を画した独自の生物群が存在している。
容姿は種族によって異なるのだが、人間と、植物や動物とのハイブリッドのような見た目をしているものが多い。
ポケモンは種によっては、動物や植物、はたまた人間と交わり種を残す、という特殊な芸当が出来るものもいる。
そしてそんな容姿どおり、彼らは、人間に使えないような特殊な能力と、植物や動物には無いような、人間に近い高等な頭脳を備えている。
我々人間は、そんな彼らと時に協力し、時に相愛し、そして時に対立しながら生きていた。

今日は十五の誕生日。
僕達の国には、ポケモンと人間の相互理解のために、十五になるとパートナーとなるポケモンをつれて、国内を旅する、ということが法律で定められている
この旅は、パートナーとの友好度や戦術、出会ったポケモンの数やパートナーとなる契約をしたポケモンの数、それらのポケモンの生態などの研究等々の個人の資質と、人間とポケモンの人格を測る、国による試験も兼ねている。
将来ポケモンの研究をしたい僕にとっては、研究員の資格を得るために、厳しい試練をクリアしてポケモンマスターを目指すというシビアな旅なのだった。
というわけで、夢の実現を果たすための第一歩、パートナー候補のポケモンとパートナー契約を結ぶべく、あのポケモン研究の権威である大木戸博士の助教授を勤めていたこともあった、宇津木博士の勤める上都ポケモン研究所に来ていた。

467 名前:ぽけもん 黒  旅立ちの朝 ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/03/23(日) 02:14:49 ID:ZE6PRlQg
「はあ……」
白を基調をした明るい色合いの研究所の前で、僕はため息をついた。
実は落ち着かなくて、ついつい説明会の三時間も前に来てしまったのだ。我ながら、度胸がない自分が恥ずかしい。
「はあ……」
さすがに三時間前じゃ研究所内に入ることも出来ない。もう一つため息をつくと、その辺で暇を潰そうと、研究所をあとにしようとする。
「はあ……」
と、研究所に背を向けた僕の耳に、僕のものではないため息と思われる声が聞こえてきた。
右を見れば、大きな赤い目を持つ、女の子がいた。
髪は萌黄のような黄緑色をしていて、深緑の玉で縁取られた黄緑のワンピースを着ている。
そしてこれまた黄緑のポシェットを脇に提げていた。
ここまでなら、ちょっと変わった可愛い子だなー、で通っただろう。
しかし、彼女の頭頂部からは、深緑のような深い緑色をした大きな葉っぱが生えていた。
ポケモンだ。
見た目から考えて、おそらく草タイプに分類されるであろうポケモンの美少女が、悩ましげな表情を浮かべて、研究所を見ていたのだ。
もしかして、彼女も旅の参加者なのだろうか。
若干幼い印象を受けなくも無いものの、十五に見えないことも無い。
しかし参加者ならば普通まだ集まってもいないだろう。なにせ三時間も前だし。
まあ、ここで出会ったのも何かの縁だ、どうせこれから暇だし、話しかけてみるか。
「あのー、もしかして参加者の方ですか?」
「ひゃ! あ、あの、どちらさまですか?」
驚かれてしまった。僕はそんなに怪しい風貌をしているのだろうか。ここ数日、緊張のあまり満足に寝れなかったからかなり血色は悪いだろうけど。
「い、いやー、こんなところにいるから、もしかして参加者の仲間かなーと思ってさ。僕は参加者のゴールド。人間だよ」
「まだ説明会まで三時間もありますよ? 一体何を考えているんですか?」
と、少女から冷たい口調で厳しい台詞と、アホを見るような視線を受けた。
まったくの正論なんだけどさ……。
「は、ははは、落ち着かなくてさ。じゃあ君は個人的用事なのかな?」
僕は苛立ちが表面にでるのをなんとか押さえ、苦笑いをしながら、彼女に尋ねた。
「いえ、私も参加者なので」
彼女は平然とそう答えた。

468 名前:ぽけもん 黒  旅立ちの朝 ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/03/23(日) 02:15:17 ID:ZE6PRlQg
……おい。
人を馬鹿にしといて、自分も参加者かよ。
「じゃあ、どうして三時間も前に来たのさ?」
「そんなの、私の勝手です。いちいちうるさい人ですね」
彼女は顔をしかめ、煩わしそうに答えた。
……あれぇ? 僕うるさかったかなあ。うーん、そんなにうるさくした覚えはないんだけれども。
「もしかして、緊張のあまり早く来すぎた、なんてことはないよね?」
「そ、そんな訳ないです! どこかのバカと一緒にしないで下さい!」
まさかと思いつつもカマをかけて見たら、ものすごく分かりやすいリアクションをしてくれた。
「ぷ、くくく」
僕はそんな彼女の様子がおかしくなって、思わず笑い出してしまった。
「な、そんなにおかしいですか! あなただって同じなくせに!」
「いやあ、僕のほかにこんな人がいるなんて思っても見なかったからさ」
「一緒にしないで下さい!」
同じだと言ったり、一緒にするなと言ったり忙しい子だ。
しかし、こうしてみると、彼女のふくれっつらも、厳しい言葉も可愛らしく思えるから不思議だ。
彼女はしばらく僕を睨んでいたが――もしかしてこれがにらみつける? 僕の防御力を下げているのか?――、突然プイっとそっぽを向き、そのままズンズンと大股で歩き出した。
「どこに行くのさ」
「ついてこないで下さい! 警察に訴えますよ!」
う……随分と嫌われたものだなあ。もしかして僕はポケモンが不快になるような何かを出しているのだろうか――いやいやそんなはずは無い。ポケモンの友人も結構いるし。
となると、やはり寝不足のせいかな。
原因をそうと決め付けた僕は――け、決して現実と向き合うことを逃げたわけじゃない――、ちょうど研究所の傍にある公園にベンチがあるのを見つけ、時間までそこで横になることにした。
ポカポカとした朝の日差しとさわやかな春の風が気持ちいい。
寝不足の僕がそんなコンボを喰らって無事でいられるわけがなかった。
僕はそのまま眠りに落ちていってしまった。


「う、うーん……」
眩い日差しに照らされて僕は眼を覚ました。
目を開けると、太陽がかなり高く見える。
上体を起こし、寝ぼけ眼をこすりながらポケギアを開く。
表示されていた時間は、説明会の開始時間を三十分も過ぎていた。
頭の中にかかっていた霞が、一瞬で蹴散らされた。
ベンチから飛び降り、ダッシュで研究所に向かう。
入り口には研究員と思しき、白衣を着た男が一人立っていた。
「す、すいません! 説明会って」
「ああ、もう始まってるよ。早くポケギア出して」
研究員は参加する予定だった人数がそろってないことから、僕が遅刻していることを分かっていて立っていたのだろう、呆れたような視線を僕に向ける。研究員は態度だけでも「余計な手間増やさせやがって」という言葉が聞こえてきそうな様子だ。

469 名前:ぽけもん 黒  旅立ちの朝 ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/03/23(日) 02:15:42 ID:ZE6PRlQg
僕はさっきから手に握り締めっぱなしのポケギアを研究員に渡すと、男はそのポケギアを機械にかざした。
ピッ、と電子音が鳴る。
「はい、これでOK。会場は壁に貼ってある順路図のとおりに進んでいけば分かるから、急いでね」
「はい! すいませんでした!」
僕は研究員から返してもらったポケギアを握り締め、研究所に入った。
壁には分かりやすいように矢印の印刷された紙が貼ってある。
僕が走ってその矢印のとおりに進むと、程なく会場の前の角についた。
角を曲がった先、つまり会場と思われる場所から人の話し声が漏れ聞こえてくる。
まずいな……。当然だけど完全に遅刻じゃないか……。
立ち止まって少し呼吸を整える。
「はあ……」
ため息を一つつき、覚悟を決める。
「はあ……」
と、僕のものじゃないため息がどこかから聞こえてきた。
冷静になって見てみれば、角の陰から黄緑の物体が覗いて見れる。
そして、深緑の葉っぱがピョコンと陰から飛び出した。
……見、見なかったことにしよう。
それだけで陰にいるのが誰だか分かってしまったけど、彼女と話している時間はない。それに遅刻しといて、その上廊下で話しているとかどれだけ非常識なんだ。
……こんな日に遅刻しただけで十分非常識であることはよく理解している。
こんな時間にこんなところにいるってことは、やはりなんらかの事情で遅刻してしまい、そしてそのことが後ろめたくて会場に入るに入れず途方にくれている、といったところだろう。
まるで僕みた――いや、こんなこと、知るだけで彼女は怒るだろうな。
僕は胸を張って大股に歩き、角を曲がり彼女の前を通り過ぎた。
横目に、目を見開き、口をポカーンと空けている彼女が見えたが、視線も向けずにスルーした。
目を合わせれば、確実に会話か口論が始まる、という確信があったからだ。
僕はそのまま一息に会場の扉の前まで来ると、ゆっくりと扉を引いた。
「すいません! 遅刻しました!」
人の頭を見なくていいように、深々と頭を下げる。
会場は一瞬間静寂に包まれ、そしてその後笑いが巻き起こった。
見えないが、痛いほどの視線が降り注がれているのがよく分かる。
「あー、いいから空いている席に座りなさい」
困惑したような声が僕に向けられた。
宇津木博士のものだろう。
顔を上げると、会場には五十人くらいの人間と、同数のポケモンがいた。
ほとんどはもう前に向き直っているが、中に数人、ニヤニヤしならがこちらを見ている者もいる。

470 名前:ぽけもん 黒  旅立ちの朝 ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/03/23(日) 02:16:19 ID:ZE6PRlQg
会場内を見回すと、空いている席は前のほうにしかない。
僕は小さくなりながら、人々の脇をとおり、その空いた席に着いた。
と、僕に続くように席に着いた者がもう一人。
見れば、例の彼女だった。
僕に便乗して、目立たないようにしたわけか。
僕は恨みがましい視線を向けてやるが、彼女は微妙に視線を正面から反らして、顔が見えないようにしている。
心の中でまたため息をつくと、机に置かれた資料を開いた。
宇津木博士の説明はその資料に準拠したものであり、その資料を見れば遅れてきても困るような点は無いようだった。
しばらく続けられた説明の後、宇津木博士は机の上に置かれた封筒の中を見るように指示した。
「これが、人間とポケモンとのパートナー契約書です。先ほど説明したとおり、必ずこの会場内で一人一人がパートナー契約を結ばなくてはなりません。
ご存知のとおり、整備された街道から僅かに外れただけでも野生のポケモンが出没します。もしそれが凶暴なものであったら、無力な人間だけではどうすることもできないからです。
逆に街では人間と共にいるということが警察の保護を受けられるということになり、ポケモン自身の身を守ることになります。というわけで、これから自由時間としますので、パートナーとなる人を決めてください」
その言葉で、静かだった会場内がワッと騒がしくなった。
……パートナー契約ってどうやったらいいんだ?
もしかしたら、いやもしかしなくても最初の方に説明があったのかもしれない。
資料の目次を見て、それと思しきページを見る。
えーと、役所が発行している人間とポケモンで契約書を交換して、その後その契約書を役所に届け出るらしい。……ここ研究所だよな。
と当惑していたら、早くも契約を結んだと思しきペアが宇津木博士に契約書を渡していた。なるほど、今回に限り、博士のほうで手続きしてくれるのか。
そうこうしているうちに、もう半分近い人たちが契約を済ませたか契約に入ったかしている。これはまずい。
とりあえず、序盤のジムの都合上、炎タイプか電気タイプ等の属性のポケモンと契約したい。一番まずいのが草だな。飛行にも虫にも弱点とかいいとこなしだ。序盤はまだ慣れないのに弱点続きは避けたい。それに草タイプは全体的に弱い、という研究報告もある。
となればうかうかしれられない。一人でいるポケモンを見つけると、早速話しかけてみる。
「あのー、契約まだですよね? 僕とけいや……」
「ごめん、こんな大事な日に遅刻してくるような非常識な奴とは契約できない」
冷ややかな視線を向けられ、一蹴されてしまった。
う……やはりかなり悪印象のようだ。
しかし気にしてもいられない。すぐに別のポケモンに声をかける。
「あのー」
「すいません……」
声をかけただけなのに、頭を下げられ、そしてそのまま歩き去られてしまった。
そりゃあポケモンにとってもパートナー選びは大切だ。人によって長さは異なるが、しばらく旅を共にすることになる相手だ。もし僕がポケモンだったとしても、こんな日に遅刻してくるような常識の欠如した奴とは契約したいだなんて思わない。
そうと分かっていてもこれは凹む。どうして寝過ごしてなんかしまったんだ、と悔やまずにはいられない。

471 名前:ぽけもん 黒  旅立ちの朝 ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/03/23(日) 02:17:01 ID:ZE6PRlQg
そうこうしているうちに、ほとんどの人が宇津木博士の前に出来た列に加わっているか、契約を終えて会場から出てるかしてしまっていた。
残っているのは……
と、会場内を見回したところで、あの彼女と目が会った。
彼女もコッソリ入ったとはいえ、大体の人が遅刻してきたことに気づいているだろうし、それに見るからに草ポケモンだから倦厭されているのだろう。
ジムリーダーは定期的に入れ替わるっていうけど、草にとって相性の悪いタイプが最初に二つ続くなんて、今年旅立つことになる草ポケモンはかなり理不尽な思いをしているに違いない。
しかし同情はしても彼女と組む気にはなれない。
彼女も考えていることは同じらしく、すぐに視線を逸らした。
しかし妙なことに、彼女は自分から人に声をかけている様子がない。
おかしいとは思ったものの、僕も視線を逸らして人を探す。が、もう全員が契約を結んでしまったようだ。
なんてこった……。じゃあ彼女と契約を結ぶほかないじゃないか。
しかし僕はそんなことはおくびにも出さず、彼女に歩み寄る。
「あ、あのさ、もうみんな契約しちゃったみたいだし、僕と契約しない?」
だが、僕の言葉を聞いた彼女は露骨に嫌そうな顔をして、会場内を見渡した後、多分誰も他に残りがいないことを確認したのだろう、大きくため息をついて、契約書を差し出してきた。
「早く出しなさいよ……」
彼女は苛立たしげに僕を睨む。
それで僕は慌ててその契約書を受け取ると、急いで契約書を取り出した。
「あ、朝も言ったけど、僕はゴールド。ポケモンマスターを目指してるんだ。よろしくね」
僕はなるべく明るい口調で言いながら契約書を差し出した。
彼女はそれをぞんざいに奪い取ると、ボソボソと話し出した。
「私はチコ……何その手?」
「あ、握手でもしようかと思って」
「止めてよ」
厳しい口調で言うと、彼女は僕の手をはらった。
さ、さすがの僕でもこれだけやられたら平常心ではいられない。……でも、ポケモンマスターを目指す旅となれば、かなり長い旅になることは必至。ならば旅に出る前から関係を悪化させるようなことは出来ない。
しかしこんなに失礼な態度をとり続けているってことは、彼女――チコは必須課題の“おつかい”だけで旅を終える気なのだろうか。
確かに、必修の課題はこれだけだ。これを終えれば、一応旅を終えることは出来る。……その代わり、ポケモンと人間の双方が関わるような仕事には絶対に就けないが。
彼女はもしかしてかなりの差別主義者で、最初から自分の出身のポケモンコミュニティー内で、人間とは関わらずに生きていくつもりなのかもしれない。となると、早々に野生のポケモンとパートナー契約しなくてはな。
僕は陰鬱な気持ちに包まれたが、だからといって仏頂面を向けてるなんて無礼だと思い――もっとも、チコはずっと無表情なのだが――、一応の笑みを作っておく。
チコは僕の顔を一瞥すると、目を伏せた。
か、顔も見たくないってことか!?
「じゃ、じゃあ宇津木博士のところ行こうよ」
僕はそれでもくじけず、顔に笑みを貼り付けたまま努めて明るい声で言った。
「……はい」
それに対して彼女は、もはやダウナーとも言える空気を出している。
く、くじけないぞ! くじけるもんか!
僕は心の中で自分を励ましながら、宇津木博士の前の列に並んだ。当然最後尾だ。
他のコンビはぎこちないながらも、互いに自己紹介をしたり、談笑したりしている。
それなのに、僕達ときたら……。
まったくの無言だ。しかも彼女はうつむいていて、表情すら伺えない。
……なんだか、少し泣きたくなってきた。
そんな地味な罰ゲームのような一時を耐え、ようやく僕達の番が回ってきた。

472 名前:ぽけもん 黒  旅立ちの朝 ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/03/23(日) 02:17:24 ID:ZE6PRlQg
僕達は博士に契約書を差し出す。
「君達で最後か……えーっと、若葉町在住の若葉ゴールド君と、若葉町在住の香草(かくさ)チコさんだね」
「はい」
「……はい」
宇津木博士は僕達の名前を読み上げると――香草さんっていうのか。しかしこの町に住んでいるのに一度も会ったこと無いなんて――契約書をスキャナーで取り込んだ。
「はい、これで登録されたよ。後はお互いに契約証明書にあるバーコードをポケギアで読み込んでね。後、これがおつかいで届けるものだから。それと、入り口にいる助手から傷薬を受け取ってね」
そう言って博士は二通の契約証明書とポケギアくらいの大きさの、茶色い紙で包装された小さな小包を差し出した。
僕はそれを受け取ると、僕のものだった契約書を香草さんに差し出した。道具類の管理は人間の仕事だから、この小包は当然僕が持つことになる。
彼女はポシェットからポケギアを取り出すと、契約証明書のバーコードをリードしていた。
僕もそれにならって、ポケットからポケギアを取り出すと、バーコードをリードした。
するとポケギアがピピッっと電子音を発し、写真を含む彼女のデータを表示した。
へー、タイプはやはり草、それも単色だ。特性は深緑。使える技は蔓の鞭に宿木の種、それに体当たりの三つか。……睨みつけるは使えないんだな。確かに僕の防御力が低下したように思ったんだけれども。
「じゃあ行こうか」
僕はまだポケギアを覗き込んでいる香草さんに声をかける。……人間のデータなんてほとんど見るところ無いんだけれどな。
彼女は答えることも無かったが、ポケギアをしまって歩き出した。
やれやれ、とため息をつきたいのをなんとかこらえながら彼女の後に続く。
そしてそのまま無言で研究所の入り口まで来た。
「はい、傷薬ね。これで仕事終わりだー」
入り口に立っていた白衣のお兄さんから傷薬を渡された。お兄さんは大きく伸びをしている。
「まだ日も高いし、早く行きましょ」
見れば彼女はもう研究所から数十メートル進んでいる。
「もう、遅いわね。何もたもたしてるのよ」
僕が走って追いつくと、彼女は苛立たしげに言ってきた。
「な、なんかさっきとテンション違わない?」
彼女の声質は先ほどのボソボソした陰気ものとはまったく異なり、大きく明るいものになっている。それに表情もどこか晴れやかだ。
「ああ、室内の蛍光灯の明かりじゃほとんど光合成出来ないんだもん。まあ鈍感な人間には十分みたいだけど」
なるほど、やはり草ポケモン、日差しが強いと活発になるらしい。
しかし、なんだか遠まわしに悪口を言われたような。
まあそんな些細なこと気にしていたら、これからのしばらくの彼女との二人旅を生きていけそうも無い。
「何ぼーっとしてるのよ、急いでよ」
「あ、歩くの早いよ」
僕は、短時間でかなり減少してしまった僅かな期待と、これからの莫大な不安を胸に、ポケモントレーナーとしての一歩を踏み出した。

473 名前:ぽけもん 黒  旅立ちの朝 ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/03/23(日) 02:18:26 ID:ZE6PRlQg
今回はここまでです

474 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 02:34:31 ID:yQWFOz2/
>>473
GJ!
意外とすんなり読めた、というか続きが気になる

475 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 02:48:30 ID:8skwDCGH
GJ!!
ぽけもんと人間の関係の設定とか上手く処理してあって感心しますた
自分も赤緑と同じ感覚で最初にチコリータ選んでエライ目にあったクチだから他人事におもえんわw
続き期待させていただきます
投下乙でした

476 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 08:30:32 ID:lbrHanJK
>>473GJ!
凄い斬新で上手な設定だな。不自然さも無いし、ここまで出来る力量と想像力が羨ましい。

俺も見た目の可愛さでチコリータ(♀)選んで散々苦労したなぁ。それでも最後まで彼女一匹で全て攻略しきった時は、最高のパートナーになってた気がする。
この二人もこんな関係になるのかね(これにヤンデレ追加したら凄そうだww)wktkして続き待ってる。

477 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 12:28:28 ID:LVRH+zlS
GJ!

しかし、作者さんは草ポケモンの恐ろしさを知ってるのか・・・?

478 名前: ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/03/23(日) 12:33:47 ID:ZE6PRlQg
皆さん、GJありがとうございます。安心しました
続き頑張ります

>>477
今でこそ補助や状態異常、宿木の種の陰湿さなど理解できますが、当時も今もポケモンは火力だ! パワーこそ正義だ! とほざいているような単純バカゆえw
ゴールドもそういう路線で行かせたいと思います
全ては病みのための布石としてw

ポケモンの話題はそろそろスレチになりそうなので自重します

479 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 13:08:05 ID:cdP6otyC
知らず知らずアニメのチコリータに萌えていたあの頃・・・

いやー、続きが楽しみです。頑張ってください。

480 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 15:10:56 ID:2XHQvgPc
えーと、>>473はヤンデレ小説だよね?ぜんぜんそんな感じがしないのだが……。

481 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 15:14:01 ID:kpZjxA5G
>>480
>>458
しばらく病みそうにない

482 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 15:14:21 ID:Yq2eBpsn
ツンデレと思わせといて微妙にヤンデレの下地が見え隠れしてるな。
まさかポケモンに萌える日が来ようとはおもわなんだ。

483 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 15:31:01 ID:2XHQvgPc
>>481 あ、注意書きあったのね。ごめん。

484 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 15:41:49 ID:kpZjxA5G
>>483
気にしなさんな。
最初からヤンデレもいいけど、段々と病んでいくのも味がありますぜ…フヒヒ

485 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 22:15:10 ID:XGyL0owV
二次創作か…ドラクエⅤのビアンカが病んだ『ドラゴンクエストⅤ~ヤンデレの花嫁~』なら良く妄想したな。
文才ないのでSSにはできないが、金髪で勝気な女の子が病んで主人公を振り回すのはイイよ。

486 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 22:23:47 ID:SHNTP4CN
ビ病ンカさんか…
いいぞ!もっとやれ!

487 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 22:35:38 ID:zthSgpLc
二次創作でヤンデレといえば月姫や空の境界を忘れちゃいけない、と言ってみる・ω・`
鮮花なんて監禁願望ありありですよ?

488 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/24(月) 02:09:30 ID:6zpHIdD6
>>487
kwsk

489 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/24(月) 03:54:06 ID:Y7LSUZ8V
>>487
二次創作って?

490 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/24(月) 09:03:57 ID:1+6r89IL
二次も何も月姫は素でヤンデレでてくっだろーがよ

491 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/24(月) 10:16:01 ID:T2q5968/
二次創作はそっちでやったほうがいいと思う

492 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/24(月) 11:26:58 ID:C0DMGSxB
俺は
キャラ改変なし→二次
キャラ改変あり→ここ
でいいと思ってる

493 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/24(月) 11:51:21 ID:xRxpWfuW
ポケモンはここにしか投下できないな
他のはいくらでも

494 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/24(月) 16:54:28 ID:qM4+RjYB
この線引きが二次創作の難しいとこだなぁ

495 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/24(月) 17:27:40 ID:Kd82dR+1
ぱちモン?

496 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/24(月) 18:30:58 ID:GemILKQa
ミニリュウとヨーギラスを育てるときの苦労は計り知れないぜ・・・・。

497 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/24(月) 19:20:54 ID:zJg2Jgjn
スレチ

498 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/24(月) 20:06:55 ID:r+mcos5t
なんかこう人外のヤンデレっ娘に激しく萌えを感じる
特に人間を馬鹿にしてたり下にみる様な態度の人外娘が病むとヤバい

499 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/24(月) 20:27:13 ID:hXWoMypE
>>498
スキュラ娘さんとかラミア姐さんとか最高ッスよね

500 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/24(月) 21:31:26 ID:qM4+RjYB
>>498
他の泥棒猫共のことは人間の分際で!とか怒って
愛しい彼の場合は特別なんですね!

501 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/24(月) 21:55:54 ID:kTzvK7RU
>>497
誤爆したと察してください><
反映されないと思ったらこんなところに投下されれてた。

502 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/25(火) 00:13:42 ID:jSbzWyb9
とりあえず、ポケモン金買ってくる

503 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/25(火) 00:27:03 ID:JPrS6PFZ
もうやめて!内蔵電池の残量は0よ!!



ソースは俺、5百円無駄にしちまったぜorz

504 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/25(火) 01:11:07 ID:nIpgtuwu
>>503
電池が無いなら入れ替えれば良いじゃない。関係無いが金銀版が最高傑作だと思うんだ俺。
ところで人外ヤンデレってどんな娘がいたっけ?
なんか直ぐに思いつかない

505 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/25(火) 01:26:00 ID:QS0ZWvIf
>>504
……遊戯王のユベル?(一応人外でヤンデレ)

506 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/25(火) 03:00:05 ID:H8cxfP0l
>>504
沙耶(沙耶の唄)とか?
……あれは厳密にはヤンデレとは言わないのかも。数年前の記憶なんで曖昧だ。
つーか、ヤンデレはみんな人g(ry

507 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2008/03/25(火) 04:10:47 ID:7zKIr5Xq
人外ヤンデレか…
何かこう…そそるものがあるな。
スライム娘とかにヤンデレられたら、私をあなたの体の一部にしてとか言って飲まされたりするのかな…

508 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/25(火) 06:28:43 ID:fqJZ2CPc
ヤンデレは基本攻撃的&能動的で、対象の男より優位に立つ傾向がある
しかし、それを逆にしたらどうなるだろうか?

浮気をしたことを男に責められ、許してほしければ誠意を見せろといわれ
足の裏を舐めたり指を詰めたりなど許してもらえるなら何でもする
次第にそれが原因で病んでしまい、男の奴隷になってしまうって話はどうだろう
ヤンデレの魅力ってのは強烈な依存心なんだからさ

509 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/25(火) 07:40:58 ID:qU27LlRi
>>508
それはただの鬼畜陵辱物だろ

510 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/25(火) 08:34:26 ID:ZMb5cmj7
>>506
何言ってんだよ、アレは純愛だ

世界を犯す純愛だが

511 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/25(火) 09:35:17 ID:/TBxY3iy
ドラゴンが王女を浚って幽閉するシチュを逆に(別に王子じゃなくても可)してみれば、
監禁モノの人外ヤンデレのできあがりかと・ω・`

512 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/25(火) 09:52:46 ID:G+SCwoq0
>>511
憧れの人間様と結ばれたいと、
いつも心に思ってたドラゴンの少女が、
ちょっとしたきっかけで、とある小国の王子に恋をして、
日に日に想いを募らせていき、とうとう爆発。
王子を自分の根城に拉致監禁してしまう。
脱出を試みようとする王子だが、いつも失敗に終り、
その度にドラゴン娘は涙混じりに自分の王子への愛の深さを語る。
そんな日々に次第に王子の心もやられていく・・・。


・・・・・・うん、俺にできるのはここまでだ。

513 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/25(火) 10:45:10 ID:SYIUCLQi
>>512
早く続きを書くんだ

514 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/25(火) 11:03:32 ID:RO+J8ydT
いやあえてDQ1のさらわれた王女が実は竜王にヤンデレ状態だったということは・・・
生まれ持った容姿と力からコンプレックスありありな竜王
配下のモンスターたちに囲まれながらも1人さびしい毎日を過ごしていた

ある日竜王は自分の城から対岸を見渡すと、その先には人間の城がありそこにいる王女に一目ぼれしてしまう
そして竜王は悪いことだとしりつつも日に日につのる孤独に耐え切れず王女をさらってしまう
しかしさらってきた王女は竜王の行いに怒ると思っていたが
静かに竜王の行いを受け入れ優しく竜王を受け止める

そして王女は竜王の孤独に触れ合ううちに、自分も持って生まれた立場から孤独な境遇のために
だんだんと同情しつつも自分が竜王を守らなければみたいな状態になり
それがどんどん悪化し竜王は私のもの・・・!みたいな状態になtって
あまりに束縛がひどくなってきたので
困った竜王は王女を幽閉し、門番にドラゴンをたて、自分は城の奥深くに隠れるという電波が舞い降りた

515 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/25(火) 12:27:33 ID:Zhz1gjv9
>>512
ところがドラゴンの棲む洞窟の環境は、人間の身体にはあまりにも過酷だった。
ドラゴン娘に惹かれつつある王子だったが、遂には病に倒れてしまう
半狂乱になったヤンデレドラゴン娘は、根城の洞窟を飛び出した。
七の昼と七つの夜を駆け、はるか遠い東の島にある、神々の住む霊峰の頂へ。
そこに生える「仙草」――不老長寿を与える神秘の霊薬を手に入れるために。
しかし神々は悪しきドラゴンの飛来に槍を向ける。
こうして千の神々と一匹の女ドラゴンとの、激しい戦争が始まった。

一方、王子救出の命を受けた女勇者がいた。
しかしドラゴンは留守中で、ベッドでは王子様が苦しそうにうなされているだけだった。
美少年の苦しみ臥せる様は、ある意味エロティックだ。女勇者もコロッと参ってしまう。
そのままお姫さまだっこでお持ち帰りする。

やがてドラゴン娘がボロボロになって帰ってきた。
角は折れ、翼はもがれ、身に何十本もの神の矢が突き刺さっている。
けれども王子がいない。自分の留守中に何が起こったのかを悟ったドラゴンは、怒りの雄叫びを上げた。
流した血の涙は、竜の心を真っ赤に染め上げる。愛らしい少女の姿が、灼熱のドラゴンの身体へと変貌していく。
『ドラゴンは正体をあらわした!』
愛と狂気の竜は、荒れ狂う炎の嵐となって、王子が連れ去られた王城の方へと飛んでいく。

一方、女勇者は王子様をお城へ帰す気にはならず、町の宿屋にお泊りしようとしていた。
はぁはぁ苦しそうな王子さまにハァハァしながら、「昨夜はお楽しみでしたね」するためだ。
しかし王子のベルトに手をかけたところで、巨大なドラゴンが町を襲ってきた。
ドラゴンは女勇者から王子の匂いがすることに気が付いた。ラスボス戦である。

傍迷惑な女同士の最終決戦であった。多くの住民が巻き添えになって死んだ。
ピンチになるとベホマ唱えやがるせこい女勇者だったが、嫉妬に狂った竜の前にはMPもゼロになった。
渾身のドラゴンブレスが、不貞な女勇者を焼き尽くす。だがドラゴン娘の腹にも、ロト6の剣が突き刺さっていた。
神々との戦いの傷で、彼女は既に限界だったのだ。女勇者と戦える身体ではなかったのである。

ひゅうひゅうとか細い息を吐きながら、ドラゴンは王子の元へ這っていった。もう少女に化ける魔力もなく、醜い竜の本性のままだ。
ドラゴンは霊峰から取ってきた仙草を咥えている。これさえ飲み下せば、どんな致命傷もたちどころに治るだろう。
でも、目の前には苦しそうな王子の姿がある。だから、彼女はそっと王子の口に仙草を押し込んだ。
だって、ヤンデレだもん。愛してるんだもん。
もうドラゴン娘の目はかすみ、何も見えない。最後に王子の元気そうな笑顔を見たかったが、それが残念だった。
ふと頬に冷たい感触があった。ひょっとしたら王子が泣いてくれているのかもしれないし、ただの雨なのかもしれない。
それでもドラゴン娘は、幸せそうに、最期の息を吐いた。 ――Fin――

スタッフロールの後は、王城のテラスからドラゴンの死体を見下ろす女王(王子のキモ姉)のニヤリ笑いで〆
何が言いたいかというと、ヤンデレの魅力は依存心でも攻撃性でもない、「(見境なしの)愛」なんだということだ。

516 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/25(火) 13:22:12 ID:34nzP/kp
まさかドラゴンに萌える日がこようとは……

517 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/25(火) 13:27:12 ID:d+lo1JPh
誰でもいい、ライアンでヤンデレ書いてくれ

518 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/25(火) 13:30:53 ID:Zhz1gjv9
それはホイミンがヤンデレなのか
それともライアンがヤンデレなのかw

519 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/25(火) 13:44:08 ID:nthKglw7
>>515
さぁ一刻もはやくそれを文章にする作業に取りかかるんだ!

520 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/25(火) 18:42:11 ID:wkdCY2iL
俺は色々な小説やエロパロを書いているんだが……
このヤンデレというジャンルは書くよりも読む方が面白いのはなぜだろう?

521 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/25(火) 18:48:19 ID:wnhDzvOz

,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
/": : : : : : : : \
/-─-,,,_: : : : : : : : :\
/     '''-,,,: : : : : : : :i
/、      /: : : : : : : : i     ________
r-、 ,,,,,,,,,,、 /: : : : : : : : : :i    /
L_, ,   、 \: : : : : : : : :i   / 恋したら
/●) (●>   |: :__,=-、: / <   負けかなと思ってる
l イ  '-     |:/ tbノノ    \
l ,`-=-'\     `l ι';/      \  ニート(24・男性)
ヽトェ-ェェ-:)     -r'          ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヾ=-'     / /
____ヽ::::...   / ::::|
/ ̄ ::::::::::::::l `──''''   :::|


522 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/25(火) 18:54:04 ID:wkdCY2iL
確かに大した文章じゃないけど……悪いwまぁ、そういうことだよなww

523 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/03/25(火) 19:53:16 ID:TAMPPMk4
やべぇ>>515にかなり心がじーんときたwwwwというか、学生、ヤンデレ、逆レイプな小説ないかなぁ。

524 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/25(火) 20:44:24 ID:5Tr/haTI
>>523
書け、書くんだよ

525 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/26(水) 00:34:50 ID:4HDCUk8Y
>>523
書け、臆病者!

526 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/26(水) 00:58:06 ID:RbSGD/2G
サイファー自重しろwwww

527 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/26(水) 00:59:43 ID:SQrJDxuu
ピクシーだろ?

528 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/26(水) 01:15:23 ID:znGUH1xQ
solo wing pixyさんだな

529 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/26(水) 01:17:11 ID:zD1lI3Ay
何の話してるのかワカンネ
そんなどうでもいいことより、ヤンデレを!

530 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/26(水) 05:21:26 ID:m74JuDyo
>>529エースコンバット
今思えばこういう戦争系のも、かなりいいヤンデレになるよな。

数多の死線をくぐり抜けてきた相棒(男&女)男に拾われ、育てたれてずっと一緒に生きてきた女には男が必要不可欠になっていた。

しかし男は幼馴染みと婚約した。しかし相棒の女は「私の方がずっと彼の事をわかってる。だって15年間ほとんど一緒に過ごしてきたんだから!」
そして…的な

531 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/26(水) 06:46:56 ID:qTAeE7zm
この中でいない君といる誰かを知っている人挙手

532 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/26(水) 07:38:13 ID:1fQ0OUCi
……知らない人がいるのか?

533 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/03/26(水) 07:47:07 ID:qTAeE7zm
あ、良かった。知っている人いたわ。

534 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/26(水) 08:08:15 ID:fd506/K4
他のルートを半裸で待ってる

535 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/26(水) 13:01:35 ID:0mZ8ECep
挙手とスレの無駄だから

536 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/26(水) 14:15:02 ID:GwBk2HqC
挙手厨死ね

537 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/26(水) 15:41:52 ID:wOESRvro
今、保管庫読んでいるのだが、未完の長編で続きが気になるのが本当に多い
いない君もそうだし、よづりとしまっちゃうメイドさんも凄い気になる

538 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/26(水) 20:43:07 ID:IOob4XI+
>>537
激しく同意だが仕方ないよな…
作者さんなりの事情があるんだろう

539 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 00:53:23 ID:5b+n33UR
ほととぎすまだかな

540 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 06:02:40 ID:6zFuHBd4
変に急いで出来の悪いのを公開されるのもなんだし、商業誌ならともかく義理はあっても義務はない世界だからなぁ。
俺にそんな未完の対策を忘れさせるだけの名作が書ければいいんだが、読書感想文もまともに書けぬ身だ。すまん。

話は変わるが、現在アパシーミッドナイトコレクションやってるんだが、これの送り犬編Cルートがかなり良い。
普通に良い話な展開もあるんだが、選択肢次第ではかなりヤンデレといういうか、女の情念を強調した展開にもなる。
個人的にお勧め

541 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 11:16:26 ID:1bSY2eTG
ナリカ可愛いよナリカ

542 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 11:28:50 ID:LhqqAoXS
>>540
そういうのよく肩透かし食らうから、よければkwsk

543 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 12:29:53 ID:0lXkI3hj
>>539
3月は忙しいみたいなこと別スレで言ってたから
今月中は難しいかもな

544 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 15:07:17 ID:qMo5fsyq
それにしても保管庫漁ってみると結構名作が揃っているね(そして未完の多いこと)
まだwikiしか見てない人も漁ってみる事をお勧めするよ
>>537
しまっちゃうメイドさん読み返してみたら腹筋崩壊したw

545 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 20:23:20 ID:9zbuzsVL
投稿ヤンデレSSってやっぱりこのスレ周辺の保管庫とかwiki
が一番多いのかな?

546 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 21:46:27 ID:PJggZNxE
妖精の本読んでたら、すっげーの見つけた


リャナン・シィー(アイルランド)
ゲール語で「妖精の恋人」という意味の名をもつ、泉や井戸の周りに現れる妖精。
美しい女性の姿をした妖精で、常に人間の男性からの愛を求めている。
リャナン・シィーは愛した男性以外には見向きもしなくなるので、
惚れられてしまった人間は生涯付きまとわれる。
その愛を拒んでも、対象の男性に一方的に奴隷の様に媚び、傅き、尽くす。
その愛を受け入れてしまうと、生命力を吸い取られていってしまう。
しかし、愛を受け入れた男性に芸術的な才能を授けるとされており、
詩人に夭折した人間が多いのは、このリャナン・シィーを受け入れた為と言われている。

547 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 21:52:51 ID:q1g0Q9VF
>>546
なんという修羅場トリガー

548 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 22:03:50 ID:9/th75xt
>>546
ちょっと井戸掘ってくる!

549 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 22:24:27 ID:9kX309Co
>>546
なんか皮肉な話だな
愛した男に好かれなければ長くその惚れた男と一緒にいれるが、好かれたら殺したくないのに自分のせいで死んでしまう

550 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 22:25:32 ID:T8VfrP0p
>>548
よせ。やたらめったに穴を掘っても、出てくるのは……

遅かったか。やはりヤンデレモグラ娘に……

551 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 22:28:35 ID:qShjnu3i
メガテンだと鬼女なんだぜ。
しかも回復魔法とアギ系の魔法を持っているので、天使や女神を作るための
合体材料に何度も何度も仲魔にしては合体を繰り返してた。

552 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 22:29:34 ID:PJggZNxE
>>549
本によると、モンスターとしては吸血鬼に分類されるらしいです
愛した男を我が身に取り込もうとしてるんでしょう

553 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2008/03/28(金) 00:09:07 ID:RF+iNqTl
投下します。かなこルート26話です。

554 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2008/03/28(金) 00:10:45 ID:RF+iNqTl
第二十六話~令嬢と地下室で~

「遠山様。どうぞ、中へお入りください」
室田さんの手によって、ドアが開いていく。
開ける前に自分の身分がそうするのにふさわしいのかと省みたくなるほど、重厚な扉だ。
今来ている場所はかなこさんの住む菊川邸。
三度目となる今回は望んでここにやってきた。俺がそうしてくれ、とかなこさんに頼んだのだ。
怪我をした華を助けるために。

バスの中で華を気絶させたのは、その後の会話を聞かせないため。
華も一緒に来たら邪魔になるから降ろして欲しい、と言って頼んだ。もし聞いたら、あいつは拒むに違いない。
それに、あのままにしておいたら、またかなこさんへ挑みにいっていただろう。
勝ち目のない戦いへ向かうのを放っておくわけにはいかなかった。
華が左肩を負傷しているから勝てないと思ったわけではない。
もし万全の状態であってもかなこさんには敵わないだろう、と踏んだのだ。
肩だけで済んで良かったと思う。現に今、華は生きているのだから。
今頃はバスを降ろされた運転手に連れられて病院に行っているはずだ。

扉が開ききった。ドアの傍で黙礼する室田さんの前を通り過ぎ、邸内へ足を踏み入れる。
しん、としていた。
踏み込んだ途端に外界からの音から隔絶された。空間の静寂に聴覚を支配された。
冗談みたいに広い屋敷なのに、他に人がいないのか? かなこさんと室田さん以外、誰も?

立ち尽くしたまま耳を澄ませていると、背後から声がかかった。室田さんだ。
「ただいま、屋敷の使用人は私一人しかおりません。他のものは皆出て行きました」
「出て行った? 全員が一度に?」
「はい。昨日の夜、遠山様と私が一緒に屋敷へ入ったときにはすでにそうなっておりました。
もっとも、そのことに気づいたのは今朝のことでしたが」
「十本松が居なくなったからですか」
「いいえ、どうやら十本松あすかがそうしたようです。
連絡の取れた元使用人に聞いたところ、十本松あすか自らが解雇を言い渡したということでした。
どうやら、純粋な契約で使用人を雇っていたようです」
そこで一旦言葉を切ると、一段階低い声音で続けた。
「菊川家では使用人を希望する人間に対して、私が面接を行っていました。
ですが、邪な考えを抱いていると見抜けていなかったようです。そして十本松あすかの企みにも気付けなかった。
災いをもたらす人間を招いたのは私です。全ての責任は私にあります」
そう言う室田さんの表情には悔恨が浮かんでいた。
見て分かるとおりに、室田さんは執事という職業に誇りを持っているのだろう。
だからこそ、俺には納得のゆかないことがある。


555 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2008/03/28(金) 00:12:13 ID:RF+iNqTl
「室田さんはどうしてかなこさんを……止めないんですか?
今のかなこさんが普通じゃないことぐらいわかっているんでしょう?」
「もちろんでございます」
「わかっているのに、止めないのはなんでです?」
「主が過ちを犯そうとしているなら、止めるのが執事の役目である、と思います。
ですから、今の私がこうして遠山様を屋敷にお連れしたのは執事としてではございません。ただの年寄りの妄動です。
図書館まで車で送ったのも、私がそうしたいと望んだから。バス会社へ連絡をしてバスを止めさせたのも私です。
遠山様を追い詰め、ご友人の方に傷を負わせたのも私の責任です。
私はただ、かなこ様に幸せになっていただきたいのです。それこそが私の幸せでございます」
「……かなこさんは死のうとしているんです。俺に殺されることを望んでます。
それでも幸せになれますか? かなこさん……と室田さんは」
「それがかなこ様の望むことであれば。どのような形でも、それが幸せと言えます。
遠山様はご存じないでしょう。かなこ様が以前、どんな方だったのか」
かなこさんの顔を脳裏に浮かべてから、頷く。
考えてみれば俺は、かなこさんのことをよく知らない。
今までは踏み込もうともしなかった。知ったところで無駄になるから。
俺が金持ちの家のお嬢様と接触する機会なんてないと考えていた。
「とても繊細なお方でした。普段は静かに物思いにふけり、夜が近づくといつも寂しそうにしておりました。
菊川家の長女であらせられますから、連日資産家や政治家の息子からお見合いの話はやってきます。
それら全て、かなこ様は受けませんでした。桂造様や私が説得しても無駄でした。
決まった相手がいるような話は耳にしません。それなのになぜお見合いを受けないのかわかりませんでした。
謎が解けたのは二週間ほど前のことです。かなこ様はその日、図書館へ行かれました。
屋敷で待っていた私は、帰ってこられたかなこ様の表情を見て、年甲斐もなく心を動かされました。
ついぞ見たことのない柔らかな微笑みを浮かべておられました。
もう、おわかりでしょう。その日はかなこ様と遠山様が初めて出会った日です。
あれから、かなこ様はずっと…………」


556 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2008/03/28(金) 00:13:55 ID:RF+iNqTl
「そこまでです、室田」
芯の通った強い声がその場に響いた。
声が聞こえてきた方向を向くと、階段を降りてきているかなこさんがいた。
「ほどほどになさい。雄志様をここへお呼びしたのは、あなたと長話をさせるためではないのですよ」
「申し訳ございません、かなこ様!」
「……もういいわ。下がりなさい。あなたはあなたのするべきことをなさい」
「かしこまりました。それでは……遠山さま、失礼いたします」

一礼して室田さんは立ち去った。
廊下の角を曲がって姿が見えなくなってから、俺はかなこさんに向き直った。
「いきなりですけど、はっきり言っておきます」
「なんでございましょう?」
「俺の気持ちは変わりません。かなこさんを殺したりしませんから。
ここに来たのは言うとおりにするためじゃなくて、二人きりで説得するためです」
「どうしても、でございますか?」
「……ええ。しないと言ったらしないんです」

断りを入れたことで、怒鳴られるか斬りつけられるかと予想していたのだが、かなこさんに動きはない。
バスの中で遭遇したときのような危ない感じもしない。
にこやかに微笑んでいるだけだ。
「雄志様がそうおっしゃること、予測していましたわ。ですが、わたくしは諦めません。
ここにお連れしたのは、雄志様のお気持ちを変えさせるためです」
「俺の話、聞いてました?」
「あなた様のお言葉は一字一句、聞き逃しませんわ。
見ていただきたいものがあるのです。それを見て下されば、お気持ちも変わるはずです」
自信たっぷりの淀みのない口調だった。
俺の気持ちを変えさせるほどのもの? これ以上、この屋敷の中に何があるっていうんだ?
「ご案内いたしますわ。わたくしの後についてきてくださいませ」


557 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2008/03/28(金) 00:15:57 ID:RF+iNqTl
五歩先を歩くかなこさんに導かれて向かう先は、屋敷の地下室だ。
といっても、昨日十本松が死んだ地下室ではない。もう一つの古い地下室だ。
昨日は向かう必要がなかったから行かなかったが、やはり何かがあるらしい。
壁のランプによって薄暗く照らされた螺旋階段をこうして下っていると、嫌な気配がひしひしと伝わってくる。
かなこさんが見せたいもの。それが何なのかは知らない。予想もつかない。
だが何を見せられようと俺は気を変えてはならないし、逃げてもいけない。
俺と香織と華、そしてかなこさん。
これ以上誰も死なせずに過ごすためには、俺が力を尽くすしかない。

黙ったまま階段を下り続けていると、扉に遭遇した。
扉の縁やノブの辺りに錆や苔が付いて変色している。ただし鍵穴までは錆び付いていない。
かなこさんの言う、見せたい物がとうに準備されているということだろう。
室田さんでさえ近寄ることの許されない地下室の向こう側。 
そこへいたる扉が、かなこさんの取り出した鍵によって重い音を立てて開かれた。

最初に目に飛び込んできたのはまばゆい光だった。
すっかり暗がりに慣れていた目が眩む。
十秒ほど待ち、まぶたの向こうにある光に慣れはじめてから、薄く目を開く。
かなこさんの足が見えた。床は石を繋ぎ合わせて作ってあるようだ。
視線を上げる。少しの段差が出来ていて、その先には畳が敷いてあった。
「…………たたみ?」
見間違い? いや、何度目を凝らしても同じだ。
床には畳が敷き詰められていた。地下室の入り口に石畳があり、木製の敷居の先に畳がずっと続いている。
地下室は和室だった。しかも、部屋と言うにはあまりにも広大な。
広さは、六畳間の俺の部屋の三四倍はある。
壁は無機質なコンクリートではなく障子で覆われている。左右の障子の向こうに白い光源が見える。
天井板にはプリントではない本物の木目が並んでいる。
部屋の奥、床柱で遮られた左には床の間が、右には天袋と違い棚がある。
余分な物など一切この和室には無かった。

「何なんですか、この部屋は」
「見てお分かりになりませんか? 雄志様は見覚えがあるはずです」
――無い。
実家の内装は和風だけどここまで広くもないし立派でもない。
これまで行ったことのあるどんな場所だってここの光景とは似ていない。
「ここは、前世のわたくしが過ごしていた部屋をそのまま模した部屋ですわ。
お忘れですか? ここで雄志様とわたくしは幾度も言葉を交わしあったというのに」
「……なるほど」
そりゃ見覚えがないはずだ。俺は前世の記憶なんて持ち合わせていないんだから。

「どうぞ、お上がりください」
かなこさんが靴を脱いで畳の上へ上がった。俺もそれに続く。
踏みしめた畳の感触は固く、冷たかった。
足下を警戒しながら歩き、部屋の中央辺りで立ち止まる。
障子の向こうから何かが飛んできたりしないか、と疑ったが、白い光以外のものが入り込んでくる気配はない。
静か過ぎる。かなこさんの足音さえ聞こえない。


558 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2008/03/28(金) 00:17:01 ID:RF+iNqTl
かなこさんは和室の奥にある天袋の前に立つと、振り返って俺を見た。
「雄志様。心はお決まりになりましたか?」
「心……ああ、かなこさんを手にかけるって意味ですか」
「はい」
この人は殺されることを望んでいるのに、どうして柔らかな笑みを浮かべて居られるんだろう。
かなこさんの考えが俺には分からない。
最上の愛情表現は相手を殺すことだと、かなこさんは言っている。
性的なカニバリズムに似たものなんだろうか。どちらにせよ、俺には理解できない思考だ。

「心は決まってますよ。自分がどうしたいのか、はっきり自覚しています。
――何度も言っているように、俺はかなこさんを殺したりしません」
「……そうでございますか」
悲しそうな、残念そうな声だった。
少しだけ心が痛むが、悪いことをしたとは思わない。
間違ったことをしているわけではないのだから。

「それともう一つ、言いたいことがあります。
かなこさん、もう俺につきまとわないでくれませんか?」
「雄志様……? 何をおっしゃっておられるのです?」
「聞いてください。俺は、本気なんです」
強く息を吸い込む。これから台詞を言う心構えを作るために。
「かなこさんは俺と前世で恋人同士だったから、という理由で俺に近づいていますよね。
でも、前世でそんなことがあったのだとしても、おかしいんですよ。
違う人間として生まれてきた二人がまた結ばれるなんて」
「いいえ。おかしくなどありません。何も間違っているところなどありません。
雄志様とわたくしは将来を約束しあった仲なのです。だからこそ、今こうして巡り会えたのです。
これを運命と言わずしてなんと言うのですか」
「かなこさんの勘違い、です」
自分でも驚くほど、はっきりと告げてしまった。
だけど、これぐらい強く言わないといけない。
信じられないような行動をとる人が相手なんだから、強気で行かなくては。


559 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2008/03/28(金) 00:18:35 ID:RF+iNqTl
「勘違い……? わたくしの……?」
「そうです。あなたは何かが原因で俺のことを好きになったのかもしれない。
その何かを前世からの縁だと勘違いして、自分で納得してしまっているだけです。
俺にはそう見えます。
だって、俺みたいなどこにでも転がっている男が、かなこさんみたいな高嶺の花の人と
少しでも関係があったり、するわけがないじゃないですか」
「そのような……現世での家柄など、わたくしにとっては何の価値もございません。
雄志様に愛されることのみが、わたくしの幸せなのです」

かなこさんが近づいてくる。部屋の向こうから、中央にいる俺の方へと。
悲しさをあらわすように伏せられた眉と目尻、涙を零しそうなほど潤んだ瞳。
小刻みに震える唇からは、嗚咽と共に呟きが漏れている。
「お願いでございます。どうか、どうか……」
とうとう、お互いが腕を伸ばせば触れ合える位置まで近づいてきた。
かなこさんは両手で顔を押さえ、項垂れている。

無意識のうちに俺の足が少しだけ前に出ていた。
――また出てきた。発作だ。
かなこさんと香織を前にした時だけ起こる、吐き出さずにはいられない暴力の衝動。
距離を空けていれば抑えることができるが、ここまで近づいてこられると勝手に表に出てくる。
かなこさんが顔を上げた。見えたのは、大粒の涙を流し続ける泣き顔。

突然、呼吸が楽になった。
衝動を抑える必要が無くなった。衝動が瞬間的にかき消えたのだ。
訳も分からず悲しくなった。そして、自分に対しての激しい怒りが湧いてきた。
女性を泣かせたからではない。もっと深い、心の奥の奥にある暗闇の中からこみ上げてきた。

――どうしてこの人を泣かせた!
――なぜ悲しませるようなことを言った!
――何が勘違いだ、ふざけるな!

そんな声が聞こえた気がした。


560 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2008/03/28(金) 00:20:21 ID:RF+iNqTl
悲しみと怒りと、予期しない心からの声に混乱していると、肩に手が触れた。
相手の顔しか見えない距離にまでかなこさんの顔は近づいていた。
静寂に包まれた地下の和室には、かなこさんの嗚咽しか音がない。
鳥の羽ばたきよりも小さい呟きもここまで近づけば全て耳に入ってくる。
「お願いでございます。……どうか、どうか、そのような悲しいことは言わないで。
思い出してくださいませ……本当のわたくしのことを…………寄り添って過ごしたあの日々を……」

不意に、朝に目を覚ましたときのような感覚が襲ってきた。
頭の中がクリアになり、軽くなった。
そこへ押し寄せたのは喜びや悲しみや怒りや後悔などの強い感情がない交ぜになった混沌。
偏頭痛、そして目眩。立っているのがやっとだ。
かなこさんの顔はすぐ近くにあるはずなのに、認識できない。
頭の中にある感情のうち、どれから片づけていけばいいのか分からない。
複雑に絡み合ったそれらと自分の意識が混ざり、さらに膨らんでいく。
痛い。頭の中でギリギリと音がする。意識もろとも吹き飛びそう。
首に冷たいものが触れた。感触が上へと上がっていく。
撫でられただけなのに、背筋に冷や水を浴びせられたように芯から震えた。
「一度だけ……一度だけでいいのです。わたくしに唇を許してくださいまし。
そうすればきっと、いえ、今度こそ思い出してくださるはずです」
首を軽く前へと引かれた。
倒れそうになったが、首に触れている冷たい感触と胸に当たるやわな体を支えにして耐えた。
歪んだ思考のまま目を開くと、そこには目を閉じて唇を薄く開けた女性の顔があった。
どんどん近づいてくる。だがこんな満身創痍の精神状態では何も出来ない。

唇に柔らかな感触。なんとなく、俺はキスされたんだと分かった。
頬に息がかかる。首の後ろを弱い力で押されている。だけど、唇を押しつけられている感じはしない。
安らぎがあった。ずっとこの場に留まって休んでいたくなる。
しかしその時、それを押しとどめる囁きが聞こえてきた。
体の感覚が全て耳に集中した。鮮明な声が、頭の中を深くえぐる。

――お前はそんなことをしてはいけない。
意識に浸透していく。 
――お前がするべきことはすぐにその女を振り解くことだ。
何よりも正しい忠告に聞こえる。
――お前が一番愛しているのはその女ではない。他の娘だ。
そうなのか? ……そうなのかもな。
――その女の唇は汚らわしい。すぐに離れるべきだ。
離れて、それから、どうする?
――拒絶しろ。憎み、恨め。そして、殺してしまえ!
そんなことはしたくない。
――ならば、嫌え。見つめられる、近づかれる、話しかけられる、たったそれだけのことさえ許してはいけない!
どうして?
――お前には好きな女がいるからだ。そんなことをしていて、好きな女に失礼だと思わないのか。
ああ、そうだった。
そうだったよ。俺には恋人が居る。だから、この人のことは嫌って――――――


561 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2008/03/28(金) 00:24:14 ID:RF+iNqTl
引きつるような息の音が聞こえた。
いつの間にかすっきりしていた視界の中には、顔を歪めたかなこさんの顔があった。
俺の首の後ろからはとっくに手を離して、距離を空けて立っていた。
「あ……あああ…………ああ、あああああ! う、ああああああああ!」
その場にくずおれ、かなこさんは慟哭した。
「また! ……また間に合わなかった! ここまで性急に動いたというのに、もう雄志様は毒されていた!
今度こそはと強く願ったというのにまだ、雄志様に取り憑くものがいる!」
「か、かなこさん?」
座り込んだかなこさんに右手を引かれて、抵抗する間もなく床に座らされた。
上着の襟を掴まれ、引き寄せられる。憎しみの籠もった眼差しに一直線に見つめられる。
「なぜ邪魔をする! 一体貴様はなんだ! なぜわたくしの雄志様を独占している! なぜ独占できる!
わたくしは……幾たび生まれ変わっても一緒にはいられないのに、どうして貴様は……」
胸の中にかなこさんが顔を埋めてきた。
すすり泣く声が耳に入り込んでくる。
俺はかける言葉も見つからず、ただ泣き崩れるかなこさんの肩に手を添えるだけしかできなかった。

そうしているうちに、かなこさんの嗚咽が鎮まってきた。
肩を掴んでかなこさんの体を起こす。俯いたままだから表情までは見えない。
「もう、大丈夫ですか」
「…………………………しなさい」
「え?」
「離しなさい。雄志様に取り憑いた悪霊めが、わたくしに触れるな」
充血して真っ赤になった目で睨み上げられた。反射的に手を離す。
かなこさんはふらつきながら立ち上がると、俺の後ろへと歩いていった。
放心したままその場に座り込んでいると、背後から重い鉄の音が聞こえてきた。
振り返ると、地下室の入り口に立つかなこさんの後ろ姿があった。
鉄製の扉の上に開いている小窓に指を入れている。
小さな音が耳に届いた。アパートの鍵を廊下に落とした時に立つような音。

かなこさんが近づいてくる。ずっと俺を恨めしげに睨んだまま。
畳から腰を浮かす。同じ目線から見つめ返したが、かなこさんは気にも留めずに歩き、通り過ぎた。
「何をしたんです、今」
「鍵をかけました。もう二度とこの部屋から出ることはできませぬ。わたくしも、あなたも」
素っ気ない声が俺の心を激しくかき乱した。
「……え? 出られないなんて、そんなの……嘘でしょう」
「あの扉は内からも外からも鍵をかけられます。鍵が無くなってしまえば二度と開けられませぬ」
「じゃあ、鍵は…………まさか、今のって!」
「扉の向こうに落としました。これでもう、あなたはここから逃げられない」
閉じこめられた。かなこさんと二人で、絶対に出られない密室に。
「は、はは……そんなの、嘘でしょう。どこかに出られる道があるはず」
「そのようなものはありませぬ。
この部屋は、雄志様が今のように取り返しの付かない状態になった時のことも考えて作らせました」
「そんなの……こんな! 取り返しのつかない状況にしたのはあなたじゃないか!」
「わたくしにとっては些細なこと。これからすることを考えるならばこの状況こそが望ましい」

背後からの戸を開ける音に振り返る。
天袋の戸を開けたかなこさんが布の袋に包まれた長物を取り出していた。
紫色の紐の結びが解かれていく。布が取り除かれ、中身が姿を見せる。
かなこさんの手に緩やかな弧を描いた白木が握られていた。
それがただの白木であって欲しいという間抜けなことを俺は願っていた。
だが、もちろんそんな願望が叶うことなどありはしない。
何の感情も映さないかなこさんの瞳が俺の目を見据える。穏やかな口調で告げる。
「雄志様、聞いておられますか? わたくし、これから取り憑かれ苦しむあなたさまをお助けいたします。
悪霊をこの刃で、二度と甦らぬよう、残滓も残さず、退治いたします。
ですから、聞いておられるのでしたら――どうか、力をお貸しくださいまし」
かなこさんが、白木の端を右手で握った。


562 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2008/03/28(金) 00:26:12 ID:RF+iNqTl
というところで、26話は終わりです。

かなこルートはあと2~3回の投下で終わる予定です。

563 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/28(金) 00:29:01 ID:MHQHZQkJ
リアルタイムGJ!

564 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/28(金) 01:02:15 ID:CKWHsc/O
ついにリアルタイムきた
主人公もパワーアップしているけど、どうなるかな?

565 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/28(金) 03:25:02 ID:kJAvi2Mn
おぉ!ことのはぐるまキテタwww
このままBAD ENDに直行か…?
ていうかまだ物語始まって二週間しか経ってないんだな

566 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/28(金) 09:02:27 ID:W9fs2vNq
523だがこんなところにあったわ、望みのものが。
しかも襲った方じゃなくて華の方がなんか好みだ。

567 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/03/29(土) 15:57:43 ID:nAKCBPIg


568 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/29(土) 19:51:27 ID:C4QRnsy+
最近投下されるSSの量が減ってきてる気がする。
まさか、このスレに書きこんだ奴はヤンデレ娘に狙われて
ある回数書きこむとそのヤンデレ娘にお持ち帰りされてしまうのか?!
とか考えていた俺はただの阿呆ですね。作者さんたち、頑張ってくれよ~

569 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/29(土) 20:09:25 ID:FmCYkgY4
>>568
そのネタで書いて投下すればいいんじゃね?

570 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/29(土) 20:28:39 ID:BlF/euAA
年度末はみんな忙しいのさ

571 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/29(土) 20:57:16 ID:C4QRnsy+
最近投下されるSSの量が減ってきてる気がする。
まさか、このスレに書きこんだ奴はヤンデレ娘に狙われて
ある回数書きこむとそのヤンデレ娘にお持ち帰りされてしまうのか?!
とか考えていた俺はただの阿呆ですね。作者さんたち、頑張ってくれよ~

572 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/29(土) 20:59:29 ID:C4QRnsy+
あれ?なんで二回書き込んでんだ?スマンかった

573 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/29(土) 21:56:35 ID:DgZ9uoqN
前そんな感じの「ヤンデレ喫茶」ってなかったっけ?あれは良かったな。

574 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/03/30(日) 07:55:28 ID:8g44rgIe


575 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/30(日) 23:41:02 ID:uv/QcFjK
>>569
ためしに書いてみてるが、gdgdすぎてなんだかもう・・・
明日頃投下できるかもね。

576 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/03/31(月) 00:31:18 ID:nuujFB3L
>>575
誘い受けうぜ

577 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 01:50:02 ID:oToJsXb/
過敏うっぜ

578 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 01:53:25 ID:mHzd0mal
はいはいワロスワロス

579 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 02:12:06 ID:ikjCDlIA
でも実際書いてる本人すら駄目だと思ってるのに、わざわざこんな風に書き込む意味が解らん?

投下した後おべんちゃらで「全然下手じゃない」「面白かった」って言って欲しいのか?
それなら黙って投下すりゃ良いのに。このスレでは反論、批判は荒らし認定で封じられてんだし。

580 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 02:16:25 ID:eKB/0asU
>>579
議論厨乙
そうやって釣り針に引っ掛けようったってそうはいかね……




っは!?

581 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 02:18:53 ID:KlmpPkm8
昨日、駅で突然見ず知らずの姉ちゃんに飴貰って会話が始まった
俺より一個年上だとか俺を年上だと思ったとか、仕事で他県に研修に行ってたとか
背が低くて学生に間違われるとか言ってきたんだがヤンデレフラグなのか?メンヘラか?ビッチか?
身長150センチくらいの可愛い子だったんだが、初対面の二十歳過ぎた野郎に飴は無いよな普通

582 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 02:25:38 ID:GDwyf222
逆に考えるんだ
それは本当にただの飴だったのか、と考えるんだ

583 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 02:26:59 ID:vlz3uXoh
天然なのか、ゆとりなのか……それともネタ?
世間知らずって恐いな

584 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 02:28:53 ID:vlz3uXohi
↑のは>>581のことね

585 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 02:32:54 ID:r/vqFgVk
つつもたs…いや、なんでもない

586 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 02:40:21 ID:KlmpPkm8
食ってから自分もそうとうアレだとは思ったが童貞が自分の好みの女の子に
話しかけられて頭がまともに動くはずないだろ?

587 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 02:42:35 ID:r/vqFgVk
それには同意せざるを得ない
壷とか普通に買ってしまいそうだ

588 名前:540[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 02:51:42 ID:4fz9kcFj
>>542
亀レスごめん。とりあえず概要を語ると
主人公は千葉の大学に通う女子大生。容姿は良いのだが流行に疎く、考え方もどことなく古風。恋愛の方も慣れておらず、まともに異性とつきあったことがない。差出人不明の手紙に悩まされている。
しかし数合わせで参加した合コンで出会ったサラリーマンと、出身地が同じという事もあり意気投合。恋をする。
今までにない気持ちに大いに浮かれる主人公だが、郵便受けに今まで一通しかこなかった手紙が山ほど送り込まれるようになり、不安にかられサラリーマンに相談する。
サラリーマンは大いに憤り、二人は良い雰囲気になりそのまま一夜を共に。
翌日目を覚ますとサラリーマンは既におらず、簡単な書置きが残されている。既に仕事先に向かっていた。
元々不安にかられており、縋る対象を求めていた主人公は相手に強く執着し、物陰から見つめるだけと仕事先にまで向かってしまう。
サラリーマンの仕事先であるビル出入り口付近にある喫茶店で待つこと数時間。昼頃に一人出てきたサラリーマンを見つける。
しかし、サラリーマンはその後なんと主人公を合コンに招いた友人と合流し、親しげに肩を抱きながら近くのレストランに入っていく。
呆然とした主人公はそのまま逃げるように走り去り、自宅に引き返す。
翌日友人を問い詰めるが、マトモに相手にしてくれず、一回寝ただけで恋人と考える純情な発想をからかわれる。
納得できずサラリーマンに直接問いただしてみると、友人はセフレで主人公とも遊びだったとあっさり開き直り、信じられず縋りつく主人公を今までとうって変わって冷たく突き放す。
それでも諦められない主人公は、もう一度話せばきっと優しい彼に戻ってくれると固く信じ何度も会おうとするが、もちろんそんな事が起きるわけもなく、どんどん邪険にされていく。
とうとう相手の会社前で待ち伏せまでするようになったところで、ストーカーとして警察に逮捕される。
しかし悪い話ばかりでもない。主人公はあの夜にサラリーマンの子供を妊娠していた。彼に会えないのならばせめてこの子は私の手で育てようと決意したところで場面が転換。
川原を主人公はベビーカーを押しながら歩いている。乗せているのは彼との子供、などではなく白い子犬である。しかし主人公はその子犬が自分とサラリーマンの子供である事を信じて疑っていない。
道行く人は主人公を奇異な目で見るが、主人公は気にしない。彼女は至福の幸せを手に入れたのだ。
とまぁ、こんな展開。
もっとも、このルートははっきり言って基本設定からは外れるパラレルワールドな展開なんだけどね。

589 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/03/31(月) 02:57:09 ID:KlmpPkm8
俺はそれの警備員さんの飴玉婆さんルートが好きだな、ヤンデレ娘も出てくるし

590 名前:無形 ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2008/03/31(月) 18:49:20 ID:EsE5f1aD
ぎりぎり3月間に合った・・・
投下します

591 名前:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2008/03/31(月) 18:51:23 ID:EsE5f1aD
楢柴文人から改めての謝罪があったのは、昨夜の事だった。
財閥の長のそれとは思えない丁重な謝意と、従妹との婚約の解消を正式に告げられた。
騒動の発端――綾緒は謹慎を申し付けられたらしい。
自分の罪を自覚できるようになったら、本人にも頭を下げさせる。
伯父はそう云って額を地面に擦り付けた。
楢柴文人は有言実行の人だ。
彼がそう云う以上、その言葉を信じない訳には往かない。
綾緒の件は一件落着と考えて良いのだろうか。僕の胸は少しだけ軽くなった。
従妹とはここ最近で色色あったけれど、以前のような関係に戻れたら良いな、とは思う。それが可能か
どうかは置いておいて。
だから。
「日ノ本くん」
今は。
「朝ご飯作りに来たわよ」
この人――“日ノ本創の恋人”、織倉由良こそが最大の問題になったと云える。
チェーン越しに覗く笑顔。
手にはスーパーの袋。
そして、包帯。
「開けて?日ノ本くん」
「・・・・」
綾緒には織倉由良は家に入れるなと云われたが、今はそれ以上の理由で入れるべきではない、と思う。
けれど。
「ね?」
どこか不気味な笑顔を浮かべるこの人を、拒む力が僕にはなかった。
チェーンを外す僕の顔は、一体どの様であったろうか。
すぐ傍の壁を見上げる。
そこには綾緒の設置した能面があり、面はじぃっと、僕を見つめている。
(綾緒に知れたらただじゃ済まないんだろうな・・・)
だけど、拒んでもただでは済まない。
痛痛しく巻かれた包帯が、拒むことを拒ませる。
「ふふ、おはよう、日ノ本くん」
「・・・おはようございます、織倉先輩」
彼女は上機嫌で靴を脱ぐ。心底嬉しいのだろう、雰囲気が明るい。
「ねえ、日ノ本くん」
「はい?」
「防犯のつもりだか何だか知らないけど、チェーン掛けるの止めてね?」
「え?」
「だって、そんなのがあると、私がこの家に入りにくくなるでしょう?窓ガラスを破ったり、鎖を切断
するのも面倒臭いし、すんなり入れるようにしてくれると嬉しいな?」
「・・・・・」
彼女は笑顔。
何て事の無い話しをするように、笑顔でそう云った。

「はい、めしあがれ」
暫く後。
テーブルにつく僕の前には、朝食とは思えぬ力の入った料理が並べられている。
僕はそれを力なく口に運ぶ。
「どう?美味しい?」
なんて先輩は微笑むが、僕には味がわからなかった。
今まで何度も先輩のご飯は御馳走になった。
だから、今咀嚼している『これ』も良い出来なのだろう。見るからに腕によりをかけたとわかる品品な
のだから。
先輩は重ねて「美味しい?」と問う。
味覚を機能させていないまま、僕は頷いた。これも嘘になるのだろうか。
「良かった。まだまだあるから、沢山食べてね?」
織倉由良は上機嫌に微笑んで、頬杖をつきながら僕を見つめている。
「ふふ、嬉しいなぁ。日ノ本くんが私のご飯、食べてくれてる」
「・・・・」
「・・・ねぇ、日ノ本くん」

592 名前:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2008/03/31(月) 18:53:50 ID:EsE5f1aD
「はい?」
「日ノ本くんには、イトコの女がいたわよね?」
一瞬動きが固まる。ここでその名前が出てくるとは思わなかった。
「綾緒の、ことですか」
「そう、その娘」
先輩は自身の作った料理に目を落とす。
「前にあの娘、自分が日ノ本くんのお世話をする、何て云ってたけど、その後どうなったの?」
「・・・・」
僕は手を止めた。
先輩と綾緒の相性は間違いなく悪い。
ただ、不幸中の幸いと云うべきか、接点があまりない。余計なことにならずにいる。
先輩を刺激するようなことは云わない方が良い。
それが僕の下した決断だった。
「綾緒は、そうそうここには来れませんよ。あいつ、雪見台(ゆきみだい)に住んでるんで。習い事も
多いし、家の付き合いもありますから」
本来の綾緒はそうだ。
ここ最近が特別だっただけで、それは、嘘ではない。
「ふぅん」
先輩は指で皿を弾く。
「まあ、中学の時から日ノ本くんが私のお誘いを断ったのって6回だけだったから、それはその通りな
んだろうね。――それにしても、雪見台かぁ、遠いねぇ。じゃあ、“後回し”かな」
「え?」
「ううん、こっちの話。それよりも日ノ本くん」
織倉由良は笑顔で僕を見る。
「私達、恋人同士よね?」
「――」
「どうしたの?どうして答えてくれないの?」
「いえ・・・」
僕は首を振る。
包帯ばかりが目に入る。
「先輩、手、痛くないんですか?」
「ん?これ?」
織倉由良は自らの腕に目を落とし、それからくすくすと笑った。
「ふふふ。これはね、日ノ本くんに安心して貰うために付けた傷だもの。日ノ本くんが私のことを好き
だって云えるようにした代価なの。だから、平気。ジンジンと疼くけど、日ノ本くんのことを考えると
この痛みも心地良いのよ?私は何度でも命を掛けられる。貴方が望むなら、今この瞬間にだって」
どこか夢見るような表情で彼女は包丁に目をやった。
「や、止めて下さい」
「でも」
「お願いですから、怪我するようなことはしないで下さい」
「・・・・・」
僕がそう云うと、彼女は口を止め、動きを止めた。
織倉由良は頬を染めている。
頬を染めて、僕の掌を両手で包む。
「嬉しいなぁ。やっぱり日ノ本くんは私を愛してるのね?私のことを気遣ってくれているのね?」
掌を引き寄せ、その甲に頬を擦り付ける。
陶酔とはこういう状況をさすのだろうか。いずれにしても、『僕』と『彼女の中の僕』には大きな乖離
があるようだ。
「私、日ノ本くんがいれば、他は何もいらない・・・。日ノ本くんもそうでしょう?だからね、お願い
があるの」
「・・・・」
僕は答えない。
何を云われるか判らないのだから、返事など出来るはずも無い。
けれど彼女は沈黙を肯定と受け取ったらしい。そのまま言葉を紡ぎ、『お願い』を口にした。
「あのね、私以外の女の子とは、口を利かないで欲しいの」
「――え」
「誰とも。何とも。どこでも。女と云う女とは、口を利かないで?そのかわり、私も日ノ本くん以外の
男の子とは、口を利かないから」
「そんなの」

593 名前:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2008/03/31(月) 18:56:03 ID:EsE5f1aD
無理に決まっている。
第一部活をどうしろと云うのだろうか。茶道部は僕以外、皆女子なのだ。
「部活なら気にしなくて良いのよ?もうあんな所へ往く必要なんて無いの。あそこは元元、日ノ本くん
を保護するために拵えたのだから。これからの放課後は、ここか私の部屋ですごせば良いの。この世界
には2人だけで良い。他はいらないの」
そうでしょう?
先輩は当たり前のことを確認するかのように僕に微笑みかける。
けれど僕は首を振った。
「そんなこと出来る訳無いじゃないですか。先輩だって、そのくらい判るでしょう?」
「・・・・・」
織倉由良は笑顔を消して、悲しそうな顔をする。
「日ノ本くん、どうして判ってくれないの?私達は愛し合ってる。そうでしょう?」
「・・・・・」
「なら、お互いを大切にしたいじゃない。お互いだけにしたいじゃない。だから“他”は不要だし、そ
うなる様に努力すべきでしょう?」
違う。
この人は。
織倉由良の考えはどこかおかしい。
仮に僕が彼女の本当の恋人だったとしても、こんな考え方についていけはしないだろう。
いや、それ以前に。
(織倉先輩は、こんな人間ではなかったはずだ)
ここ最近の――そして、今の彼女の態度。
それは、明らかに常軌を逸している。
『彼女の中の僕』が先輩を愛しているとしても、ここまで歪な愛情になるものだろうか。俄には信じら
れない。
彼女が変わってしまう様な、そんな事があったのだろうか。それとも僕の目が節穴だっただけで、元か
らこういう人だったのだろうか。判断が付きかねる。
「ね?そうしてくれるわよね?」
「・・・・・」
彼女は僕の手をぎゅっと握る。
(何とかしないと)
僕は冷静でいるであろう後輩の姿を思い浮かべた。

「それは申し訳ありませんでした」
一ツ橋朝歌は深深と頭を垂れた。
申し訳ありませんと云っている割には、表情に変化は無い。
ここは学校の屋上。
時間は昼休み。
織倉先輩から逃れ、比較的発見され難いこの場所へ一ツ橋を連れて来た。勿論話を聞いて貰うためだ。
ここ最近の織倉先輩の行動と僕の立場。そして綾緒の境遇も説明した。
一ツ橋はいつも通りの無表情で黙って話を聞いていたが、聞き終えると前述のように頭を下げたのだ。
「何でお前が謝るんだ?」
「責任の一端が私にもあるようですから」
後輩は無表情に面を上げる。隣同士に座っているので、顔が近い。
「責任の一端?」
「部長がお兄ちゃんのことを好いている事は知っていました。お兄ちゃんは、知らなかったでしょうけ
ど」
「寝耳に水だった」
「部長には、想いが届いていないからお兄ちゃんは振り向かないと云いました。それでああしたのだと
思います。加えて云えば、お兄ちゃんの過去を話したのも私です。今思えば余計なことをしましたね」
「そうか。藤夢のこと話したの、お前だったか。確かに、一ツ橋なら、僕の過去を知っているか」
「すみません」
「いや、そのくらいなら別にお前のせいじゃない。謝らなくて良い」
僕が云うと、一ツ橋はもう一度、無言で頭を下げた。
「これをどうぞ」
ひと段落すると、一ツ橋は掌を差し出した。そこには何かが乗っている。
「これは?」
「御守りです。今回のものも効果が無かったようですから、交換します」
使い方は一緒です。

594 名前:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2008/03/31(月) 18:58:27 ID:EsE5f1aD
そう云って立ち上がる。以前貰った御守りは首からかけているので、架け替えるつもりなのだろう。
「お兄ちゃん」
「ん?」
「確認ですが、お兄ちゃんは、部長のことを愛してはいないんですよね」
「異性に対する愛情という意味ではね」
「そうですか」
ちいさな妹分は頷いて、じっと僕の顔を見つめる。凄く顔が近い。息が掛かりそうだ。彼女はそのまま
の姿勢で、身じろぎもしない。
「どうかしたか?」
「いえ何でもありません。終わりました」
後輩は以前の御守りを仕舞うと、そのまま僕の膝の上に座った。相変わらず、軽い。
「なあ一ツ橋、僕はどうしたら良いと思う?」
「朝歌です」
「・・・朝歌」
「お兄ちゃんは、どうしたいんですか?」
「僕か?」
目を閉じる。
想起するのは、少しだけ前の日常。
普通に暮らしていた毎日。
そんな光景。
「以前の境遇に戻ることは、不可能だと思います」
胸中を察したのか。一ツ橋は僕が答える前に云う。
「そうだろうな」
納得はしている。
それは理想、否、妄執だ。
どう纏めても、戻ることの無い日日なのだ。
「それでも僕は、先輩には昔の尊敬できる人に戻って欲しい。仲の良い、唯の後輩に戻りたいんだよ」
「具体策はあるんですか?」
「ない。だから相談してる」
「・・・・」
「まあ、当面の問題として、“恋人関係”を解消しないとな」
けれど、峻拒できない。
すれば、あの人は再び自身の身体に刃物を突き立てるかも知れない。
「なあ、朝歌、何か良いアイデアはないか?」
「時間切れです」
「え?」
後輩は僕の膝の上から降りた。
刹那、屋上の扉が開かれる音がする。
「日ノ本くんっ」
「織倉先輩・・・」
音のしたほうに目をやると、そこには息を切らした『恋人』の姿。
随分走り回っていたのだろうか、白い肌に珠の汗が浮かんでいる。
(時間切れ、か)
「探したのよ?どうして私とお昼を一緒してくれなかったの?」
「・・・・・」
怒ったような。
拗ねたような。
それでいて安堵したような。
そんな表情で、僕の傍へと遣って来る。
「朝も云ったでしょう?私達はもっと一緒にいる時間を作らないといけないの。1秒も無駄には出来な
いのに・・・」
云いかけて、先輩は動きを止める。
「・・・・・何、それ」
白く長い指が、華奢な矮躯を指差した。僕の傍に在る後輩の姿に気づいたらしい。
「どうして?どうして私じゃなくて、朝歌ちゃんと一緒にいるの?」
「あ、これは・・・」
「私、朝云ったわよね?私以外の女の子と、口を利かないでって。なのに、なのに、なのに!なのに!
なのに!!何で私以外の女といるのよ!?」
炎のような瞳だった。

595 名前:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2008/03/31(月) 19:00:40 ID:EsE5f1aD
怒りを燻らせ、揺れる双眸が僕を捉えた。
僕は一瞬、身を竦める。
刺激しない方が良い。
それは判っている。
判っているが、長い付き合いの後輩を無視の対象には出来ない。
「先輩、流石に一ツ橋とまで口を利かないなん、」
「黙って!!」
僕の言葉を遮って、織倉由良は一ツ橋を睨みつける。
「朝歌ちゃん。貴女が私の日ノ本くんをここへ連れて来たの?」
「・・・・・・」
一ツ橋は答えない。
澱みの無い瞳で、じっと年長者を観察している。
「私と日ノ本くんは付き合ってるの。愛し合ってるのよ?貴女が日ノ本くんと古い知り合いなのは知っ
ているけど、そんな理由で私達の間に入り込んじゃいけないの。どうなの?貴女が日ノ本くんをここに
攫ったの?」
「はい。私が先輩に無理を云ってお付き合い頂きました」
「なっ」
違う。
相談を持ちかけたのは僕なのに。
「そう。やっぱりそうなのね。――じゃあ」
ゴツッと。
鈍い音が屋上に響く。
それは織倉由良が一ツ橋朝歌を殴りつけた音だった。
一ツ橋は一瞬身体を揺らしたが、すぐに直立の姿勢に戻った。口を切ったのか、口端から血が滲んでい
る。
「と、朝歌!」
僕は思わず駆け寄ろうとする。
けれど、後輩は目でそれを制した。
「余計なことはしなくて良い」
そういう瞳だった。
「・・・・・・」
ここで本当のことを話せば、織倉先輩は逆上し、更に話が拗れる。それを知っているから、一ツ橋は嘘
云ったのだ。
(でも駄目だ)
それでも一ツ橋を悪者にするわけには往かない。
「織倉先輩、待って下さい!一ツ橋を誘ったのは僕のほうだ。悪いのはこいつじゃない」
「日ノ本、くん・・・・?」
織倉由良は信じられないものを見たかのような顔をする。
「どうして?どうしてこの娘を庇うの?悪いのは朝歌ちゃんなのに。私達の貴重な時間を奪った張本人
なのに・・・」
「そうじゃないんです。本当に僕が一ツ橋を誘ったんだ」
「・・・・」
先輩は呆ける。
次いで俯いて。
そして、怒りに歪んだ顔を上げた。
「このっ、浮気ものッッッ!!!!」
先輩は腕を振り上げる。拳ではなく、平手。
僕は目を閉じた。別に殴られるくらいは構わない。
けれど。
「うぁあっ!痛いッ・・・・!!!」
先程まで微動だにしなかった一ツ橋が、織倉由良の腕を捻り上げていた。余程に力が入っているのか、
指が腕に食い込んでいる。
「ひ、一ツ橋」
「朝歌ちゃん、な、何するのよ・・・!」
「それは私の科白です」
淡淡と。
いつものように抑揚の無い、無機質な喋り方だった。
「私を叩くのは構いません。ですが、兄に手を上げるなら話は別です」
「ぅ、ああああ!痛い、痛い、痛いぃぃ!!!」

596 名前:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2008/03/31(月) 19:02:54 ID:EsE5f1aD
「そうですか」
ぎりぎりと指が食い込み、白い手首が鬱血して往く。包帯を巻いていないその腕も、このままでは治療
が必要になってしまう。
「朝歌!止めろ!!!」
僕は叫ぶ。
「・・・・」
一ツ橋は僕の顔を見る。
本気でそう云っていると判ったからか、
「わかりました」
アッサリと手を離した。
「~~~~~!」
戒めを解かれた織倉由良は驚愕し、それから怒りが込み上げた様な顔をする。
「何するのよっ」
力任せに頬を張る。
一ツ橋は抵抗もしない。避けもしない。黙って叩かれている。
「織倉先輩、もう止めてください」
僕はたまらず腕を掴んだ。一ツ橋はどれほどの力を込めていたのだろう。彼女の腕は真っ赤になってい
た。
「日ノ本くん!まだこの女の肩を持つの!?」
「そうじゃありません。暴力は止めて下さい。悪いのは僕なんです」
「酷いよ、日ノ本くん、悪いのは朝歌ちゃんなのに・・・っ」
織倉由良は腕を振り解くと、涙を浮かべて走り去る。
「先輩・・・」
「今はそっとしておいたほうが良いです」
追いかけようとした僕を、後輩が制した。
「後で私が謝っておきます。多分、それで解決します」
「けど、それじゃ、お前が」
「構いません」
一ツ橋は織倉由良の消えた方角を見つめている。
「お兄ちゃんは、自分の問題を解決してください。それで良いんです」
「でも、」
「“これ”は見物料みたいなものです。気にしていません」
そう云って頬を撫でる。
痛痛しく腫れ上がっているが、何事も無いかのような表情だった。
「気にしないって、お前・・・」
「気にしてません。」
一ツ橋は涼やかな瞳で僕を見る。
「私、ただの傍観者ですから」


597 名前:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2008/03/31(月) 19:04:59 ID:EsE5f1aD
放課後になった。
先の宣言どおり、一ツ橋は織倉先輩に謝罪に往ったらしい。
元元の原因は僕にあり、更には先輩の狂行があり、その結果の出来事なのだから一ツ橋に非は無いはず
なのだ。
けれど、扱い次第で命に関わる話だからと泥を被った。
「あとで一ツ橋に謝っておかないとな」
勿論、お礼も。
そんなこんなで、帰路に着く。
先輩も後輩もいない。
珍しく、今日は一人の放課後になりそうだ。
酷い話だが、少し心が軽くなった。僕は自分で思っているよりも、性格が悪いのかもしれない。
校門まで来て、異変に気付く。
疎らにだが、人だかりが出来ていた。
「?」
何だろう。
僕もそちらに歩き出す。
「あれは・・・」
そこには、見覚えのある高級車が止まっていた。
僕の血。
それが交換になったときに乗った、あの車だった。
車の傍には使用人と思しき人物が立っている。
彼は僕に気付くと、人だかりを気にせずこちらへ来て、丁寧な礼をした。
「日ノ本様。お待ち申し上げておりました」
確かに見覚えのある人だ。楢柴の屋敷で、何度か合った事がある。
「あの、僕に何か・・・」
『どちら』の用事だろうか。
父か、子か。
それとも、別の誰かか。
彼はもう一度丁寧に礼をした。
「綾緒お嬢様の云い付けで参りました。どうか、御同行下さい」

598 名前:無形 ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2008/03/31(月) 19:07:37 ID:EsE5f1aD
投下終了です
次回は投下は未定になります、申し訳ありません
では、また

599 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 19:10:16 ID:EeU/Srfx
この作品の良さに脱帽

600 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 19:39:32 ID:XxW1dQPx
ほトトギすキター!作者マジでGJ!これからもよろしくお願いします!次回も楽しみにしています!