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259 :病的な彼女ら ◆C7LP2J9VzI [sage] :2009/02/23(月) 03:21:09 ID:gi1dyhpF
「頭、イテェ・・・・」
休み前だからといって友人らと深酒したのがいけなかった
酒飲む自体も久しぶりだったし

やれやれとベッドから起き上がり部屋を見渡すと片付いてる
自分は片付けが得意なほうじゃないし片付けた覚えもない
自分の記憶では友人を見送って缶やビンも、そのままで寝たはずだ

はて・・・・・
部屋の真ん中で頭で考えていると後ろからいきなり・・・

「おはよう、カケル君!」と明るい声
振り返ると黒髪の美女が立っている
こっちが驚いているのを不思議そうに見てくる
「どうしたの?」
「・・・・なんでいるんですか?」
「休みだから?」
「全くもって答えになっていません・・・」
夜久さんだ・・・
おかげで完全に目が覚めた、頭は更に痛くなったけど
部屋の片付けも、この人がしたのだろう・・・

俺は夜久さんとの付き合いは浅い、出会って半年もたっていないし
ましてや勝手に部屋に上がりこんで家事をしてくれたりの彼氏彼女な関係でもないのだ

まぁ、実際は掃除をしているんだけど・・・
夜久さんが引っ越してきたのは一ヶ月前に上の階に引っ越してきたばかりだ、
一番最初は偶然だと思っていたが、今では陰謀ではないかと思い始めている

「もうお昼過ぎだけど何か食べる?」
「結構です・・・・」
なぜか当たり前のように聞いてくる

男性陣から見れば夢のような状況だろう
しかし、様々な段階を踏んでならわかる
引っ越してくる更に数ヶ月前に出会ってはいるのだが
出会い方も夢溢れる出会い方じゃなかったし
友人としての付き合いも特に無い


260 :病的な彼女ら ◆C7LP2J9VzI [sage] :2009/02/23(月) 03:22:13 ID:gi1dyhpF
引っ越してきて最初の週は、作り過ぎたからおすそ分けだと料理を持ってきた
美味しく頂いた
次の週には、アパート前で会った際に掃除してるか聞かれ散らかってると答えると掃除をしにきた
断ったが断りきれなかった
更に次の週は、朝起きると朝食を用意してるようになった
怒った・・・・・泣かれた・・・何故か謝ってしまった・・・
戸締りしない自分も悪いがヤバイと思って

「鍵はしててあったはずですよ?」
あの日から俺は寝る前に必ず戸締りをするようになった、昨日もちゃんと締めた
「へっへ~♪」
チャラ・・・・
「へ?」
鍵掛をみるとぶら下がっているはずの部屋の合鍵が無い
そして今週、合鍵で部屋に入ってきた
「なっ!?」
「・・・・怒った?」

泣きそうな目で見てくる・・
「いえ・・飽きれました・・・」
怒れない俺が情けない
「私が来るの迷惑かな・・・・」
寂しそうに言う
「いえ、迷惑ではないですけど理解はしかねます」
「恩返しがしたいんだよ?」
「今日の掃除で十分です、ありがとうございました」
「だめ!!命の恩人なんだから!一生かけて返す♪」
「迷惑です」
「ひどいっ!!」
どっちがだ・・・

「とりあえず、僕は出かけますから帰ってください」
「私も一緒に行く?」
「勘弁してください怒りますよ?」
俺が静かに言うと彼女は目を潤ませた
「泣いてもだめです」
「わかった・・じゃあ、またね!!」
といって部屋を出て行った、てか鍵返せよ

シャワーを浴び頭をスッキリさせて部屋を出る


261 :病的な彼女ら ◆C7LP2J9VzI [sage] :2009/02/23(月) 03:27:08 ID:gi1dyhpF
向かうのは駅前の喫茶店だ2~3ヶ月に一度、この店で待ち合わせをする

チャラン・・・・
店に入り奥の席で本を読んでいる女性に話しかける
「よう」
「遅かったわね」
本を読んだまま答える女性
「そうか?」
「15分遅れたわ」
時計を見ると、そのとおりだった
「悪い明日香、昨日飲みすぎてな」
こいつは駿河明日香、元彼女ってヤツだ
定期的に、この店で会っている
「珍しいわね、カケルがお酒飲むなんて」
「真一達とな」
「なるほどね、最近はどう?」
「平和だよ、仕事も暇だしなぁ」
「毎日、ゲームとアニメ三昧?」
「まぁな」
否定できない・・・・俺は世間一般的に見ればオタクになるのだろう
本当のオタクから見たら一般人に近いらしいがなんとも中途半端な存在だ

「彼女もいないし、健康的な趣味もなければ酒飲み癖もないギャンブルもしない
いいだろう?ゲームくらい」
「あとアニメもね、駄目とは言ってないわ、未来の旦那の近況を知りたいだけよ」
「ソレ、まだ言ってるのかよ・・・」
「あら、彼女できたの?」
「まだ出来てないよ、出来たら速攻で教えるって約束だろ?」
本当は作る気もなければ出会いも無い・・・・・一人を除いては

「じゃあ服から、ほんのり女性の良い匂いがするのは?」
え!?
あわてて腕の匂いを嗅ぐ・・・・しない?
「嘘よ」
「なんだ、びっくりさせるなよ~」
ひやっとした、バレたらどうなっていたか・・・

コイツは、いわゆるクールビューティーってやつだ
学生時代、一緒にいると落ち着くって感じで気が付けば付き合っていた
いつも俺の隣にいたが、悪い気はしなかった
決して明るくない性格、澄んで綺麗な瞳で釣り目で睨むと結構怖い
しかし、コイツは異常だった俺と仲良く話した女子が暫くしてには俺を見ると怯えるようになった
そして放課後、倉庫裏に行くのを見かけて追うと
コイツが女子に刃物を押し当てて、こう言っていた


『これ以上、私のカケルに近づくと消すわよ?』


飛び出て明日香を止めた聞くと何人か脅して遠ざけていたらしい
刃物について聞くと、先祖代々の家業で使い慣れているときたもんだ

その場で別れ話をした・・・・・家業については聞かなかったし聞きたくなかった

そして別れたが・・・・・定期的に会っているコイツの出した条件の一つだった



262 :病的な彼女ら ◆C7LP2J9VzI [sage] :2009/02/23(月) 03:31:46 ID:gi1dyhpF
酷い動揺ね?」
「へ?」
殺気がする・・・・
すごい睨んでくる俺単体というより、俺のいる空間を睨んでいるようだ
百獣の王に睨まれたウサギな気分だ

「いや待て!!違う!!」
「なにが?なんで教えなかったの?」
バッグを持って、立ち上がろうとする明日香
たぶん、あの中に色々入ってるんだろう・・・ズチャって音もしてるし

「付き合ってないし、彼女じゃない!!触ってもなければ×××もしていない!!」
店で俺を何を叫んでいるんだ俺は・・・・愛でもなければ正義でもない・・・見苦しい弁明だった

渾身の叫びが届いたか、殺気が治まり
「じゃあ、どうして?」
明日香は再び腰を下ろし聞く体制になった

危なかったテーブルごと消されるかと思った・・・・

俺は、この一ヶ月の事を正直に話した
「馬鹿ね、最初から偶然ではないわ」
「そうか?友達でもないし軽い知り合い程度だったから」
「生死を共にした仲でしょう?」
「あれは完全な事故だ、共にしたってより一緒に巻き込まれただけで・・・」
「その女は、そう思っていないわ」
「はぁ~」
情けない溜息が出る、夜久さんとはビジネスホテルの火災の時に出会って一緒に脱出した仲だ
今考えれば、おとなしく救助を待っていれば良かったのかもしれないが当時は出るのに必死だった

お互い同じ病院に入院して、そのときに連絡先を交換した
退院後は時折メールのやり取りをするぐらいだったが、それが先月引っ越してきたのだ

「次、会った時にキッパリ拒絶しておきなさい優しさを見せると付け上がるわよ」
「わかったよ、じゃあな」
もう手遅れかもしれないが・・・・
余計なことは言わないようにして別れを告げる

部屋に帰る、綺麗に掃除され洗濯もされていたようだ

「スペックは高いんだよなぁ~」
アプローチのされ方が違えば惚れていただろうが
この、やり方は明日香を思わせて恐怖する

明日は早いから、さっさと寝てしまおう
取引先の挨拶もあるしな・・・・・・・

忘れずに鍵をしめてチェーンもして布団に潜った


これで大丈夫だろう・・・・おやすみ・・・俺



                                            つづくかな?