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1 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02:47:19 ID:xOLeMoxE
ここは、ヤンデレの小説を書いて投稿するためのスレッドです。

○小説以外にも、ヤンデレ系のネタなら大歓迎。(プロット投下、ニュースネタなど)
○ぶつ切りでの作品投下もアリ。

■ヤンデレとは?
・主人公が好きだが(デレ)、愛するあまりに心を病んでしまった(ヤン)状態、またその状態のヒロインの事をさします。
→(別名:黒化、黒姫化など)
・転じて、病ん(ヤン)だ愛情表現(デレ)、またそれを行うヒロイン全般も含みます。

■関連サイト
ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫(本保管庫)
http://yandere.web.fc2.com/

ヤンデレ臨時保管庫 @ ウィキ(臨時保管庫)
http://www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/

■前スレ
ヤンデレの小説を書こう!Part16
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1212553842/

■お約束
・sage進行でお願いします。
・荒らしはスルーしましょう。
削除対象ですが、もし反応した場合削除人に「荒らしにかまっている」と判断され、
削除されない場合があります。必ずスルーでお願いします。
・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください。
・作者さんへの意見は実になるものを。罵倒、バッシングはお門違いです。議論にならないよう、控えめに。

■投稿のお約束
・名前欄にはなるべく作品タイトルを。
・長編になる場合は見分けやすくするためトリップ使用推奨。
・投稿の前後には、「投稿します」「投稿終わりです」の一言をお願いします。(投稿への割り込み防止のため)
・苦手な人がいるかな、と思うような表現がある場合は、投稿のはじめに宣言してください。お願いします。
・作品はできるだけ完結させるようにしてください。
・版権モノは専用スレでお願いします。
・男のヤンデレは基本的にNGです。

2 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/07/14(月) 03:11:33 ID:k5CxXlZi
>>1乙 
病んでる彼女募集中!

3 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 05:30:24 ID:hGDo2iUH
はえーよw
前スレまだ容量430KBだし、レスも70以上残ってるじゃねーか
テンプレの保管庫も訂正してないし、もうちょっと落ち着けw

4 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 05:41:54 ID:xOLeMoxE
450くらいになったら新スレじゃないか
しかも70なんて埋めネタきたらすぐだしな・・・

5 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 06:34:15 ID:/4bEl4kw
>>4
ムチャ言うなよ、これはどう考えても早すぎだろ
まあ、次ガンバレ

6 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/07/14(月) 08:33:08 ID:EAZtaxK8
"!(σ゚∀゚)σ 小倉優子 おっぱい丸出しでプールで遊んでる!
http://photo.1pa2.info/upload-file-idd0713161.jpg
http://photo.1pa2.info/upload-file-idd0713162.jpg
http://photo.1pa2.info/upload-file-idd0713163.jpg"

7 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 13:31:43 ID:pezSeAtB
最初に気付いたのは西園寺世界だった
愛する誠の命により、二階からの円を禁じられていた
世界は正門に移動し、人民の動向を監視していたが
上空を見上げる、嫌な予感がしていた。

その嫌な予感が確信に変わる



上空から降りてくるモノが
ただならぬ戦闘能力を讃えていることと
世界の直感が通常より
冴えていた事は無関係ではないだろう





鋸に目を奪われていたのは一瞬
真に見るべきものはその背にいた

世界の円に鋸が触れた瞬間

互いの力量を察知する

と同時に世界は円を解いた

完全な臨戦体勢に入るために

だが

鋸は分裂、

無数の光る鋸となって
宮殿全体に降り注いだ


あのお姉ちゃんの強さの秘密?
まぁ…いくつかあるが
まず肌がおそろしく純白じゃ
奴の潜伏スキルの流れから次の展開を読むのは誰にも出来んな
伊達に長くストーカーしてない訳よ
精神的にはもうヤンデレ廃人の域じゃろ
なにしろあのお姉ちゃん ワシが赤子の頃からお姉ちゃんじゃ
西園寺世界とケンカして生存しておる唯一の人間じゃし
お姉ちゃんには違いない……ウム…ま持ちつ持たれつ銭と金

アホッ 対等なわけあるか!
いつもこっちが泣かされとるわい!!

ん?ああ 強さの秘密だったな
あとは……そうさな
戦闘の方でいえば
〝言葉様信者召喚〟これが最も厄介じゃろ




8 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 20:48:42 ID:2mLoccaZ
わけがわからん

9 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 20:54:35 ID:DHge51Uc
これハンターハンターの結構前のやつがジャンプでのったときにどこかのスレででたやつのコピペだろ
今頃なんでだしたんだか・・・

10 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/16(水) 01:13:53 ID:pmI/LGGF
むしろ、ヤンデレSSスレで張られた奴だな
懐かしい


11 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 22:27:58 ID:uNXjBulq
ヤンデレこそが史上のヤンデレブームを引き起こした

12 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/18(金) 08:09:37 ID:DLA4AaCU
ヤンデレはわしが育てた

13 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/18(金) 08:10:18 ID:pEGg4euZ
その分にわかも増えたけどな

14 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/18(金) 08:44:03 ID:YV5gUPJX
こんなジャンルでもテンプレ古参気取りとかいるのにワロタ

15 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/18(金) 10:21:12 ID:FZyYDter
こういう奴がレナはヤンデレといいだすんだよな

16 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/18(金) 10:52:16 ID:oySKEL2p
>>13-15
これで一つのコピペになってます

17 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/18(金) 12:15:07 ID:S2Rh39ka
言葉様こそが真のヤンデレ

18 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/18(金) 17:37:35 ID:iEOt7Jhw
test

19 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/18(金) 17:41:27 ID:iEOt7Jhw
ようやく……ようやく規制が解除された……
実家のtokaiとこっちのaichi.ocn合わせてずっと規制されてて
煽りもフォローも感想も保管庫の閉鎖報告も全くできなくて精神的にすごい辛かった……

20 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/18(金) 21:29:55 ID:vZRrp/9T
>>19
前の保管庫の人か、長い間ご苦労様。ありがちな事情だし、問題なしです。

21 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/18(金) 23:11:25 ID:HkIkWdQV
>>19
できれば、過去ログをうpしてくれたら助かるんだけど
新しいまとめの方には収録されていない作品もあるし


22 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/19(土) 10:41:40 ID:BEw+dpu1
>>20-21
紛らわしい書き方してごめん
「保管庫の閉鎖報告」ってのは、閉鎖に早いうちに気がついたのに
「閉鎖してるZE! 」っていう書き込みができなかったって事なんだ

>>21
ttp://yandere.web.fc2.com/list3.html
ttp://yandere.web.fc2.com/illust.html

CSSと縮小画像が再アップロードされてないからちょっと見づらいけれど
一応読める程度には生きてるぜ

23 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:54:11 ID:zHYMwNz0
こんばんは。
投下します。入院編その二です。


24 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:55:00 ID:Jz7sde4q
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!

25 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:56:07 ID:zHYMwNz0
***

洗濯機の蓋を開けて、中を見る。
そこにあるのは、たった今洗い終わったばかりの、私とお兄ちゃんのそれぞれの下着と服。
他の人の衣類は入っていない。
私が、あえて選り分けてそういうふうにした。
使うお水と洗剤の量が増えちゃうけど、仕方がない。
私とお兄ちゃんは何もかも、全部一緒でなくちゃいけない。
洗濯ものなんかはもちろん、住む家も、部屋も。
ベッドは別。まだそういうことをするにはちょっと早い。
それ以外のものは、家族と一緒に住んでいる以上、どうしても共同になってしまう。
お母さんの手伝いを建前にして家事のほとんどを取り仕切っているけど、
バレずにできるのはせいぜいこうやって洗い物を一緒に洗うぐらいしかない。

脱水が終わって、まだ湿っぽいお兄ちゃんのトランクスをひとつ取り出す。
一瞬だけ躊躇。
でも結局は耐えきれず、トランクスを鼻に押しつけてしまった。
お兄ちゃんの匂いはしない。
私の腰をくだく汗の匂いと体臭は完全に消え去っていた。洗濯したばかりだから当たり前。
だけどそれじゃいけない。こんなものをお兄ちゃんが身につけてはいけない。
お兄ちゃんに近づく邪魔者達――――そう、私以外の女の群れ。
そいつらを遠ざけるためには、私の匂いをお兄ちゃんにつけるのが一番だ。

真っ白いシャツを手に取る。
水に浸され、洗剤で汚れを落とされ、脱水され、シワだらけになったお兄ちゃんのシャツ。
今家にいるのは私だけ。何をしても咎められない。
「お兄ちゃん…………」
だから私は我慢することなく、私の体よりずっと大きいお兄ちゃんのシャツを、ぎゅっと抱きしめる。
こうしていると、幸せがじわじわ胸の奥に染みこんでくるから好き。
現実でお兄ちゃんを抱きしめる機会なんてそうそうやってこない。
たまにアクシデントを装ったり、人混みの中で抱きつくぐらいがせいぜい。
感触を思い出して、妄想の中のお兄ちゃんの現実感を補完して、寂しさを紛らわせている。
寝ても覚めても、という言葉の通りに私はお兄ちゃんのことを考えている。
夜に寝ている時はもちろんだけど、たまに学校で授業中に眠くなり出したときもそうだ。
それをやっちゃうとたまに先生から注意されてしまう。だけどやめられない。
お兄ちゃんへの想いを止めるなんて、まず無理だ。
家族に説得されても、こればかりは譲れない。

特に、お兄ちゃんを狙う馬鹿姉には、絶対に。


26 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:56:47 ID:zHYMwNz0
***

過保護、と聞くと俺はまず両親に甘やかされて育った子供を思い浮かべる。
そこからすると、俺は過保護な育て方をされてはいないと思う。
俺だけでなく、弟や妹もそうかもしれない。
というのも、両親がそういうタイプではないからだ。
二人ともが、子供の自主性に任せて育てる方だ。
何の口出しをしないわけでも、何かやろうとするたびにダメだと言ったりするわけでもない。
よほど無茶を言わない限りは、進路相談にも応じてくれるし、お金も出してくれる。
母が匂いを嗅いだだけで吐き気を催すほど苦手なシンナーを使用するプラモデル作りなどは猛烈な勢いで反対されるが、
それ以外に関してはある程度話が通じる。
許可をもらった後は、他人に迷惑をかけないようにと釘を刺されるだけで、その後は放置だ。
この両親の教育方針を、俺は放任主義レベルワンと名付けよう。
ここから、あまり使わないから立ち絵を準備する必要もないだろうという制作サイドの事情で
ゲームに登場しない主人公の親みたいに、家を年中留守にしていればレベルツー。
うちの場合は割と頻繁に帰ってくるからそこには達していない。
自分の食い扶持は自分で稼げとだけ言って、わざわざ子供と別居するような親であれば、
それはさすがにどうだろうという感じだが、戸籍上で親子であれば一応親として認められる。よってレベルスリー。
思いつきで例を挙げてみたが、要はうちの両親の育て方は良い方だと言いたかったのだ。
父と母の関係が兄妹であるところはこの上なく異常だが、それ以外は親としてちゃんとしている。
だから別に、退院一日前になって見舞いにやってきても何もおかしくないと言える。
たまたま祖母と一緒に病室にやってきても、何が不思議があるだろうか。いや、無い。
しかし、さすがにこのタイミングでやってこなくてもいいだろう……と口にしたくなってしまう。
タイムリーすぎる。普段は開け放っている窓を掃除のために閉じたところに燕が突っ込んできたみたいな感じ。
せめてあと五秒でも来るのが遅れていれば良かったのだ。
病室を開けて最初に見えたものが、俺が病院のベッドの上で葉月さんに覆い被さっている姿だったりしたら、
両親だけでなく祖母まで誤解する。絶対に。
端的に説明すればそれだけで誤解されてしまう。
お前はシロでもグレーでもない、クロだ! なんて言われてもおかしくない。
違うのだ。否だ。
こうなったのには経緯があるのだ。
密室状態で葉月さんと二人きりになっているという状況に興奮して、俺から押し倒したわけじゃない。
むしろその逆なんだ。逆転してようやくこの体勢になったんだ。
なんなら俺の右腕に懸けてもいい。今は折れてる、正しくは動かないんだけど、二ヶ月後には直ってるから。
医者から、あくまでその怪我で無茶しなければだけど、とは言われているけど。
落ち着け。自分の置かれた状況を整理しろ。
控えめに見ても葉月さんを押し倒しているとしかとられない体勢になった経緯、俺ならば余すところ無く記憶しているはず。
あれは――――そう、つい四半刻ほど前のことだった。


27 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:58:04 ID:zHYMwNz0

その頃の俺は折り紙で鶴を折ることで退屈を紛らわせていた。
左腕一本では鶴を折ることなどできない。
仕方なく右腕の代わりとして買い置きの缶コーヒーを活用していた。
紙の端に重し代わりのコーヒーを置き、左手の指を駆使して作業する。
やってみて初めてわかったが、片手で折り紙工作するのはなかなか難しい。
指先をフルに使わなければ望んだとおりの折り目を付けられない。
しかし、今日の午前十一時に終わったリハビリの後から開始した折り鶴作りにも、
午後四時近くまで続けていれば慣れる。
傍から見ていればよく飽きずにやっていられるな、と口を出したくなるような光景だったろう。
買いかぶらないで欲しい。同じものばかり作っていたら飽きるに決まっている。
十羽ほど作った時点で、折り鶴とはすでに完成されたものだとわかってしまった。
言うなれば、紙を折って動物や乗り物を作る行為そのものがそれ以上手を加えられないものなのだ。
折り紙の楽しみとは、一枚の紙から何を創造するかを選ぶ段階にある。
何色で、どれぐらいの大きさの紙で、何を作るか。
鶴を折ると決めてかかった時点で、俺は自分で自分の楽しみを潰してしまっていた。
折り紙を子供の遊びと甘く見ていたのは、俺だった。
気付いた時にはもう遅く、ビニール入りのカラフルな色紙たちは全滅していた。
他に暇潰しできるものも浮かばず、仕方なく病院のどこかにでも売っていないだろうかと立ち上がり、
病室のドアに指をかけた途端、自動ドアよろしくドアが勝手に開いた。
病室にやってくる人間というと看護士か見舞いに来た知り合いのどちらかがほとんどだ。
そしてこのケースにおいては後者であった。
制服の上のコートを羽織った装いの葉月さんが、見舞いに来てくれた。

「あ、どこかに行くつもりだった?」
「違うよ。ちょっと買い…………じゃなくて、暇だったから散歩にでも行こうとしてたところ」
ドアから離れて、ベッドの方に引き返す。
シーツの上に腰掛けると、葉月さんはコート脱ぎ、手近にあったパイプ椅子に座った。
「昨日は結局来られなくって、ごめんね。家に親戚が来たから、どうしても外せなくって。
怪我の具合はどう? 良くなった? 悪くなったりしてない?」
「悪くはなっていないと思う。良くなっていると信じたいって感じかな。
一週間ぐらいは痛みがしたり腫れたりするって先生が言ってて、実際その通りだから、今はなんとも」
「そっか、そうだよね……じゃあ、肩が凝ったりしてない?」
「ん、肩?」
右肩を意識してみる。そういえばギプスしているからあまり肩を動かしてない。
肩の骨を動かすと、少しではあるけど筋肉が凝っているような…………気もする。
「肩、凝ってるよね?」
「まあ、ちょっとだけ。でもこれぐらいなら放っておいてもなんてことないし」
「肩が凝ってたらすぐにほぐさないといけないよね? なんせ病人だもん!」
正確には怪我人なんだけど、というツッコミも反射的に出てこない。
なんだ、葉月さんのこの必死な様は。
この強引さ、まるで俺の肩の凝りをほぐすまでは家に帰れないみたいじゃないか。
「知ってる? 机の上で仕事したりする人って、肩が凝りやすいんだって。
それは、ずっと同じ姿勢でいるからなの。
骨と筋肉の位置はそのままで長時間過ごしたり、筋肉に力を込めると凝りやすいの。
だからあなたみたいにプラモデルを趣味にする人は、時々肩の関節を動かしたりしないと、
今はまだ良くても、年月を重ねていく毎に肩こりが慢性化しちゃう」
「へえ……そうなんだ」
「解消法としては、腕を内旋もしくは外旋させながら腕全体を大きく回したりとか、
両手を組んで八の字を描いたりとか……そういうのがあるけど。
実は、一番即効性があって効き目抜群なやつがあるんだよ」
「ふむ。それは一体?」
「肩たたきアンドマッサージ! これしかない!」


28 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/07/20(日) 21:58:59 ID:zHYMwNz0
ぐっ、と親指をサムズアップする葉月さん。おまけにウインクまでされた。
ラジオ体操のお姉さん、もしくはテレフォンショッピングの外国人の店員みたいな爽やかさ。
葉月さんのこの一連の動きから察するに――――俺の肩の凝りをとりたいとか?
ここまで言われて他の答えだったりしたら、俺と葉月さんの間に意思疎通はまったく成されていない。
「どう、どう? 誰かにして欲しかったりしない?」
うむ、どうやら外れではないらしい。
肩が凝っていなくても肩を揉まれるのは気持ちいいもの。お願いしたいところだ。
――が、しかし。
いくら俺が入院しているからといって、肩こりがひどいわけでもないのに女の子に肩を揉ませるというのは、
なんとなく――いや、ものすごく悪い気がする。抵抗感がある。
肘を固定しているとはいえ、それ以外はほとんど健康体なのであまり気を遣わないで欲しい。
せめてこちらからも何かお返しをしたいところだが……ジュースを奢るか折り鶴の大群を贈るぐらいしかできるものがない。
同じクラスのイケメン西田君みたいにトークで女子の心を虜、じゃなく、トリコロールにできればなあ。
…………上手くも面白くねえよ、俺。失笑を買うだけだ。
「葉月さん、せっかくだけど、俺の肩は本調子だからやってくれなくても――」
いいよ、と言おうとして、俺の口は止まった。
すごい見られてる。
どれぐらいすごいかって言うと、俺の目から一切目を逸らさずまばたきもしないぐらい。
ただ見ているならまだしも、トゲみたいなものでチクチク突かれているような気がして、なんとも落ち着かない。
「……肩を揉まれるの、嫌?」
「嫌ってわけじゃ……肩たたきされるの嫌いなやつっていないだろうし」
「じゃあ、どうしてさせてくれないの? させてくれても、いいじゃない…………」
葉月さんの目から力が抜け、弱々しくなる。
このまましばらく待っていたら涙を浮かべそう。
もうこうなったら、仕方ない。
「じゃあ、今更だけど。やってもらってもいいかな?」
「本当に! 本当の本当に!?」
「う、うん」
「やったやったやった! きゃっほーーーっ! じゃあさっそ、く………………」
失敗した、みたいな顔で葉月さんが動きを止める。
見事な一時停止であった。
どうしたというのだろう。病院の中で騒ぎすぎたことを後悔しているのか、なんなのか。
口に手を当て、咳を一発し、葉月さんが言う。
「えと……じゃあ、そこに座ったまま動かないでね。まず後ろからやるから」


29 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:00:02 ID:zHYMwNz0
葉月さんは靴を脱いで、ベッドの上に乗る。
肩に手を添えられ、優しく揉まれる。
指先が、肩の筋肉を弛緩させる。
気持ちいい。もう、あまりに良すぎてこのまま眠ってしまいそう。
イメージ的には、肩の筋肉から脳細胞の活動を抑制する物質が流れ込んでくるよう。
いいなこれ。眠る前にやってもらったら絶対に良い夢見られる。
「なんだかね、こうしてると、お母さんのこと思い出すんだ」
「ん……お母さん?」
「そう。私、お母さんによく肩たたきしてたから。
疲れた顔してる時とか、私の方から頼んでやらせてもらったぐらい。
だから、これにはちょっとだけ自信があるの」
そういえば葉月さん、お父さんよりお母さんが好きそうだな。
直接聞いたことはないけど、お父さんのことをあまりいい風に言わないから、勝手にそう思ってしまう。
それはともかく。
葉月さんの台詞には少しばかり無視しがたい部分がある。
男の肩を揉んで、お母さんのことを思い出すって、なんだか自分が男じゃないと言われたみたいだ。
気にしすぎだろうし、葉月さんも深い意味もなしに言ったんだろうけど。
「あとね……あなたを見てると、なんだかお母さんのことを思い出しちゃうんだ。どうしてか分からないけど」
……これは、あなたは女っぽいねという葉月さんからのメッセージなんだろうか。
とりあえず俺は、父が居ないうちに部屋を探索して怪しいものがないか調べるところから始めるべき?
それとも父が一番風呂に入った後で、空のペットボトルを持って入浴すべきか?
母の真似は男がやるにはハードルが高いからやりたくないなあ。
「あ、勘違いしないで。今のはあなたが女っぽいとか、そんなつもりで言ったんじゃないの。
私がお母さんと一緒の時に感じた幸せな感じが、あなたと過ごしていてもあるから言っただけ」
「そうなんだ。俺が葉月さんの癒しになっているなら嬉しいよ」
「癒しっていうより…………幸せを与えてくれるんだよ、あなたは。
あなたを想うと、毎日が楽しくなってくる。
今日も学校に行ってあなたに会いに行こう、とか。
綺麗にしたら、私のこと惚れ直してくれるかな、とか。
ひとつひとつの行動に意味を見いだせる。前はそんなことなかったのに。
全部、あなたのおかげだよ」
「そ、そう…………」
まずいことになってきた……主に心臓付近が。
葉月さんには一度告白されているものの、不意打ちのようなかたちで言われた今の台詞は、かつてなく俺の心を暴れさせる。
加えて、肩を揉んでくる葉月さんの手つき。
内側から外側から、俺の理性を突いてきやがる。
この心の昂ぶりが、もしも別方向に行ってしまったら。
…………俺は病院のベッドを治療以外の方面の用途に活かしてしまうかもしれない。


30 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:01:10 ID:zHYMwNz0
深呼吸。体の中にある流れを意識する。
まだ、心臓が危険の一歩手前ぐらいに高鳴っているだけで、そこから延焼などしていない。
よし、そのまま堰き止めろ。へそのあたりが湖だと想像しろ。
そうでなくては、俺はご先祖様に二度と顔向けできないことをしてしまう。
「……よっと、これでとりあえず後ろは終わり」
と言って、葉月さんが肩もみをやめてくれた。
少し惜しい気もするが、これ以上触れられていたら本当に危険だ。
病院の次に見知らぬ施設に入れられて、家に帰れなくなるかもしれない。
「ありがとう葉月さん。おかげでちょっと肩が軽くなったよ」
「そう? でもまだ終わりじゃないよ。全然やりたりないもの」
……何が、いや何を?
というか何か変だ。
今の発言、単に葉月さんの気がすまないみたいにもとれる。
じゃあ、俺は葉月さんが満足するまで肩を揉まれ、理性を保ち続けなければいけないのか?
冗談ではない、耐えられるわけがない!
今もなんか、さっきのもっとやってくれるんだ、みたいに心のどこかが喜んでいるし!
「葉月さん、ごめん。俺はそろそろ眠くなってきたから、これ以上は……」
「そうなの? でも安心して。今度のは、寝ながらやるから。
途中で眠っちゃってもオッケーだよ」
葉月さんは俺の足をベッドの上に乗せると、体をベッドの真ん中まで移動させた。
なんだ……一体何が始まるんだ……?
「ねえ、肘って動かしたら痛い?」
「え……あ、うん。肘自体を曲げなければ、平気だけど」
「腕を浮かせても?」
「まあ、それぐらいなら」
「じゃあ大丈夫だね。ちょっと、失礼するね……」
右腕の下から葉月さんの手が入り込み、脇の下を通過して背中に到達。
左からも同様に腕を差し込まれる。
眼前には、微笑む葉月さんの顔がある。
「ふふー…………えいっ」
抱、き、つ、か、れ、た、……!
ぎゅっと、ぴたっと、がっちりと!
上半身が葉月さんにホールドされている。
左耳から、葉月さんの穏やかな息づかいが聞こえてくる。
しかし、最大のインパクトは、胸から。
……ふにっとふにふにしている!
いや、わけわからん。
だがそもそも、今俺の胸に接触し、内側にあるハートまで貫くこれを言い表すものなどないのだ。
胸が、制服の向こうにある葉月さんの胸が今、俺の体に当たって形を変えている。
今まで特に意識することはなかったけど、葉月さんの胸は、決して小さくない。
むしろこれは、制服越しでも弾力が伝わってくるということは…………それなりのサイズがある、と?
やめろ、やめるんだ、俺!
何センチぐらいあるんだろうとか、カップはいくつだろうとか考えるんじゃない!
女性の価値は胸か?
違う、それは……バストとアンダーの差だ!
――――違う! じゃなくて、大事なのは思いやりの心だ!
葉月さんが背中に回した腕に力を込め、より強く抱きついてくる。
やめてやめて、それ以上動かないで!
は、反応してしまう…………下半身が!


31 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:02:29 ID:zHYMwNz0
抱きつかれたまま、押し倒された。
背中にはまだ葉月さんの腕がある。なにやら、肩の筋肉をぐにぐにと動かしている。
なるほど、これもマッサージの一環か。
マッサージ…………やばい、こんな単語に卑猥なイメージを浮かべるぐらい心が乱れてる!
肩に当てる指の位置を動かすたびに葉月さんの体が動く。
腕がベッドと俺の背中に阻害されているせいで、動くたびに吐息の音が漏れる。耳へダイレクトに届く。
葉月さんの小さな動きが、俺の心をいじくり回す。かき乱す。
くそう、どうしてこの病院は入院患者に薄い生地の服を着させるんだ。
これじゃ、アレが大人しく寝ていないことが、バレてしまう。
「ねえ、聞いて……」
葉月さんの声が、とてつもなく色っぽく聞こえる。
「さっき、お母さんとあなたが似ているって言ったのはね……共通しているところがあるから。
二人とも、私の好きな人なの。もちろんお母さんに対しては恋愛感情抜きだったけど。
でも…………あなたは別。前に告白したとき以上に、思う。
私はあなたに恋してる。……………………好き」
――――叫びたい!
喜びの雄叫びでも、嫌悪による悲鳴でもなく!
堪えきれない! なんという猛攻! 俺の理性はボロボロだ!
くそう、レフェリーは居ないのか。ロープはどこだ?
こ、これ以上は……これ以上は!
ナースコールを…………駄目だ、右側にあるから手が届かない!
「気付いたんだ。あなたは返事することに迷ってるだけなんだって。
あれから何ヶ月も過ぎているから今更言うのも……なんて思って。私はずっと待ち続けてるのにね。
それならもう、いっそのこと、こっちから、強引に…………」
左耳に吐息が当たる。口から情けない声が漏れた。
エロ過ぎる。この色気、これまでの葉月さんとは全くの別人だ。
「痛いのはやめて、リードしてね。私は、そういうのしたこと一度もないから。
あなたもしたことないかもしれないけ…………ど……………………」

…………ん? 
あれ、葉月さんの動きが止まった? 呼吸まで止まった?
さっきまで密着していた胸の感触までなくなっている。
葉月さんは俺の体から数十センチ離れていた。
ならチャンスだ。今のうちに股間を鎮めてしまおう。
股間へと至る血液の流れを食い止めようと格闘している、まさにその時だった。
物理的に、俺の首の血流が阻害された。
俺が自分で自分の首を絞めたわけではない。
葉月さんが、俺の首に手をかけていた。
「…………ねえ、私の質問に、正直に答えてるって、誓って」
ノーとは言えない空気である。
自分の置かれた状況に戸惑う素振りすら見せられない。
今の俺は葉月さんに支配されている。
ゆっくりと頷きを返すと、葉月さんは言った。
「あなた、私の前に誰か他の女からこんなことされた経験、ある?」
首を絞められた経験?
妹からテンプルにいい蹴りを貰ったり、後輩の手によって光の届かない地下に監禁されたり、
幼なじみからずたずたと色々なものを喰らわされたが、首絞めをされたことはない。
言いたくないけど、正直に答えないと首の辺りをきゅっとされそうだ。
「えっと……さすがにこんな状況に置かれたことは……」
「本当に?」
「う…………でも、似たようなことは何度か、ある」
「な! …………っく、やっぱり、そうなんだ…………」
やっぱりて。そんなに俺はトラブルに巻き込まれるタイプに見えるのか。
そりゃちょっとばかしおかしい両親のもとに生まれたけど、育ち方はいたって普通のはずなのに。
女の子にのし掛かられて首を絞められる経験なんて、格闘技経験者か男女の修羅場経験者ぐらいのもんだぞ。


32 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:03:31 ID:zHYMwNz0
「相手は誰? 経験人数は?」
「ええっと…………花火に、去年の文化祭で一発……あ、この間も結構きついのを」
「あの女……弟君が好きだって言ってたくせに!」
「去年のクリスマスには妹からも。あれは、倒れるぐらいきつかった」
「い、妹さんまで?! じゃあもしかして……き、木之内澄子からも……」
「うん、実はそうなんだ」
これまでに攻撃を加えてきた女性の経験人数を述べる俺。
女性と取っ替え引っ替えしているんだな。やるかやられるかの違いはあるけど。
「葵紋花火、木之内澄子、そして…………妹さんまで。
どうして……どうして、私はその中に含まれていないの! 答えて! 説明して!」
「ぐ……ぅえ……」
葉月さんの指が喉を締め付ける。
左手で抵抗するも、止められるのは葉月さんの右腕だけ。しかも止め切れていない。
じわじわと追い詰められていくのを実感する。
「どうして、何も言ってくれないの…………不安なんだよ、好きとも嫌いとも言ってくれないのって。
何も言わないって、何とも思ってくれてないみたいじゃない。
言わないとわからないよ。どうしたらいいのか、どこを居場所にすればいいか、何にも…………」
葉月さんがうつむき、漆黒の髪が肩の上に落ちてきた。
首を絞める力がゼロになった。
その隙を逃さず、葉月さんの下から脱出する。

「…………待って」
しかし、ベッドから出る寸前になって襟を掴まれ、葉月さんに引き寄せられた。
今度は葉月さんの上。数秒前とは正反対のポジション。
「聞かせて。私のこと、あなたはどう思っているの?」
短いけど、それだけで俺と葉月さんの関係を明らかにさせるようという、重要な問いかけだった。
俺がこれまで伝えられなかった答え。
葉月さんがずっと聞きたかった俺の答え。
告白の返事を気に懸けていたのは、俺だけではなかった。
葉月さんも――――いや葉月さんは、俺以上に気にしていたのだ。
それなのにずっと俺は何も言わなくて、不安にさせ続けていた。
もう、いいだろう。
これ以上葉月さんを悲しい気持ちにさせるなんて、俺にはできない。
今更言っても遅いけど、だけど、言わなくちゃいけない。
「葉月さん――――君のこと、俺は友達として好きだ。
好きだけど、それは友達以上の、恋人としてのものじゃない。
それが俺の気持ちだ」
そして、手紙で屋上に呼び出されたあの日の返事を言う。
「ごめん。やっぱり俺……君とは付き合えない」
二回目だ。
葉月さんを振るのはこれで二回目になる。
以前は過去のことを気にして、勝手に葉月さんの気持ちを決めつけて、断った。
今回は、真剣に自分がどうしたいのか考えて結論を出し、断った。
葉月さんには悪いことをしてしまった。
自分の優柔不断で何ヶ月も待たせて、葉月さんをここまで追い詰めてしまったことを申し訳なく思う。
だけどこれでいい。
もう葉月さんは俺を嫌って、話しかけてくることもないだろう。
葉月さんはクラスの中心で、俺はクラスの片隅で、お互いに交わることなく過ごしていく。
それが正しい姿なんだ。
これまで葉月さんと仲良くしていた日々が、まさか病室で終わりを告げるとは。
全く思いも寄らなかった。

――――そして、続けざまに思いも寄らない出来事が起こった。
ノックの音が聞こえ、続けて祖母の声が聞こえた。
どうして祖母がここに、なんて考えていて、俺は葉月さんを組み敷いていることを忘れていた。
おそらくは、祖母と一緒にやって来ていた両親にとっても思いも寄らない光景だっただろう。
ちょっと待ってて、と言えばいいのだと判断した瞬間に病室のドアが開き、もはや取り繕う暇さえなくなった。


33 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:04:38 ID:zHYMwNz0

…………と、このような経緯を経て、見知らぬ美少女を押し倒す十七歳の子供を目撃する祖母と両親、という絵が完成したわけだ。
誰も口を開かない。
祖母はすまなそうな目で俺を見てから明後日の方向を向いた。
父は口を半開きにしていた。あーあ、とでも言いたかったのかもしれない。
母はというと、無表情で俺を見ているだけだった。いわゆるノーリアクション。
俺が上手い説明を考えているうちに、母が父の手を引き病室の前から姿を消した。
「ええと、ごめんなさいね、お兄ちゃん。その…………あまり騒がないようにね」
と言い残し、祖母が退場。
後に残されたのは病院の壁と廊下、と……………………なんでか知らないが俺の妹。
着ているのは制服ではなく私服だから、祖母たちと一緒にやって来たのだろう。
しかし、わけがわからん。どうしてお前がここにいるんだ。
俺の見舞いにお前が来るなんて、お兄さん想像もしていなかったぞ。
「…………何をやってるの、お兄さん?」
「一言で説明するのは実に難しいのだが、なんか、こう…………」
混乱した頭で出した返事は、これだった。
「自分の気持ちに正直になったんだ」

何も言わず、妹が勢いよくドアを閉めた。
またしても葉月さんと二人きりになってしまった。
俺が体を離すと、葉月さんはベッドから降りた。
背中を向けながらコートを纏う姿に、喪失感を覚えた。
もうこれからは、今までみたいに話すこともできなくなってしまうのだ。
傷つけてしまったのだから。
覚悟していたつもりだったのに、喉が締め付けられる。
これでいいのだと自分に言い聞かせなければ、耐えられそうになかった。

葉月さんは出口へ向かう。ドアを引き、そこで立ち止まった。
肩越しに振り向いたその顔は見えない。
泣いているのだろうかと心配した。
でも、慰めるべきではない。
謝ったところで、葉月さんを癒すことなどできないのだ。
「葉月さん。また……学校で」
「うん、さよなら。……私が馬鹿だったみたい、今までごめんね……」
葉月さんが廊下に出た。
ドアが少しずつ動き、彼女の姿を隠していく。
そして、スローモーションになることもなく、事務的にドアが閉じた。。


34 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:06:20 ID:zHYMwNz0
今回はここで終了です。それではまた。


35 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:15:12 ID:49by9Pd1
GJええええええええ!?
兄貴てめeeeeeeeee

36 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:17:18 ID:00SAH5fd
GJ!
兄が気持ち良いぐらい地雷踏みすぎw

37 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:24:48 ID:fuRsTL1I
ああああああああああああああああああ!気になるうううううううううううううううううううう!

38 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/07/20(日) 22:27:50 ID:Ucl0Fqjg
ヤンデレ家族の展開の焦らしプレーになんかイラつく。
・・ヤンデレスレだからこれで正しいのか。

39 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:27:51 ID:oaWaYpcm
うわああああああああああああああああああああああああ!!!!!
これで兄貴を守ってくれる人と想ってくれる人が0にいいいいいいい!!!!!!

40 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:28:55 ID:RD4UsOfR
GJ!!
ちょw 会話の的が面白いくらいにww
にやけがとまらんw
すばらしすぎです!

41 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:42:31 ID:cfX5qh6M
あああ兄貴崖っぷちぃぃぁぁあ!?
会話の趣旨を確認することは大事だよそこ怠っちゃダメだよ兄貴ぃ。
…マッサージ気持ち良さそうだなぁ。

42 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 22:45:11 ID:2DOENR2q
GJ!
兄貴はわざとやってんのか?、と思ってしまう

43 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 23:02:02 ID:wkjNL0Vn
>>25の一連の伏線がスッゲエ気になる。
誰だよ姉って!この文章は誰の独白だよ!?
お兄ちゃんって弟と腕ポッキリ兄貴どっちのこと!?それとも誰か別のお兄ちゃん!?
謎が解決されるどころかどんどん山積みになっていくんですけど!?
ちょっといい加減解決編に入れよ!?

44 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/07/20(日) 23:06:47 ID:RDVSsurR
これから葉月さんがどう変わっちゃうか楽しみ

45 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 23:12:53 ID:VsUhvsyZ
兄貴って被害者に回ることが多いから勘違いしがちだけど最低だよね
花火にもむかついたし何かしら罰はあって欲しいけど、兄貴にもちゃんと罰を与えて欲しいわ

46 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 23:20:14 ID:oaWaYpcm
兄貴への罰は葉月さんによる逆レイプね(*´Д`)

47 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 23:45:32 ID:pmc+0Do0
>>45
これ以上兄貴に罰与えるってお前どんだけ鬼畜なんだよ

48 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 00:11:45 ID:GEQM9+lY
そろそろ兄が死にそうな気がしてならない

49 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 00:15:19 ID:yuJuLVr9
でもなんか、タダでは終わらない気がするんだよなぁ…
愛を超越し憎しみになって兄貴を襲ったりとか…

50 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 00:48:30 ID:cbsvNlfT
>むかついたからなにかしらの罰
オーコレハナイスゴーマニズムデスネー

51 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/07/21(月) 01:20:12 ID:sGJ45j5D
いい加減完結編に入って欲しいっす
葉月さんの今後と兄貴の生死が気になるうううううううぅ

52 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 01:22:14 ID:aI8/GZeO
片腕で折り鶴って攻殻機動隊のクゼ思い出した。

今の葉月さんはヤンデレ度を仮面ライダーで表すとblackぐらいだから早くバイオライダーならないかなと期待してる。

53 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 01:45:15 ID:yuIeky3B
GJ
これで葉月さんが弟に鞍替えするなんて展開が来そうで気分が落ちそうなる




54 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 01:47:59 ID:6sumNsDD
伏線貼りすぎというか誤解させすぎじゃ・・・ちょっと冷めちゃったな

55 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 01:55:22 ID:bfei7DeI
もちろんGJなんだけど、ちょっと置いてきぼりにされつつあるオレ。
以前の話も含めて何度か読み直したほうがいいかな。

とにかく、葉月さんはこれから順調に病んでいってくれるんだねっと勝手に期待してる。

56 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/07/21(月) 02:38:15 ID:1p04acgb
>>43
普通に考えれば主人公の父母の話だろ。おそらく姉は今は亡き、といったところか

というか、そういう推理は作者がやりにくくなるからできるだけ言うなよ
黙って考えろ、そして全裸で待機するだけだ

57 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 03:10:52 ID:dG7fIRwK
作者も忘れてしまって伏線回収できませんでした ってのは無しの方向で

こんだけ伏線を放置するってことは完結させようと思えば
すぐにでも完結できるような中身ってことなんじゃ……

まあ邪推ですよね

58 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 03:13:26 ID:2eqOkamT
はいはい邪推とおもってるなら自重しような

59 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 03:24:06 ID:fKtINTPc
俺の考えだよ
みたいなコメントしてる奴
作者に対する遠回しな嫌がらせだといい加減に理解したら?
うざいんだが


>>34
GJ!
毎回投下早い上にこの量
本当に感服です
これからも頑張って下さい

60 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 03:24:57 ID:Ypk+3bW1
_ _ _
,.r''´      ; ヽ、
,ri'  、r-‐ー―'ー-、'ヽ、
r;:   r'´        ヽ ヽ
(,;_ 、  l          ::::i 'i、
r'´    i'   _,   _,.:_:::i  il!
ヾ ,r  -';! '''r,.,=,、" ::rrrテ; ::lr ))
! ;、 .:::;!    `´'  :::.   ' .::i: ,i'
`-r,.ィ::i.      :' _ :::;:. .::::!´
.l:i.     .__`´__,::i:::::l
r-i.     、_,.: .::/
!:::;::! ::.、     .:::r,!
l::::::::ト __` 二..-',r'::::-、
l;::i' l:     ̄,.rt':::::::/   ` -、
,r' ´  ヽr'ヽr'i::::::::;!'´
r '´    rミl:::::::::;!'` く:」
i'  `ー'


スルーシ・ロー [Please disregard]
(1672~1733 フランス、中国)

61 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 03:40:11 ID:Y0a96+1n
そういうAAが1番うざい

62 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 08:12:58 ID:2eqOkamT
新参が多くなったせいかいちいち展開を口だしするやつがおおくてこまるな・・・
ヤンデレがメジャーになったせいか

63 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 08:56:08 ID:Ypk+3bW1
有名になると困るよねー(・∀・)

64 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 09:48:57 ID:M6rMjIjt
現役でお茶会投下されてた頃は一部粘着以外は紳士だけだったからな。

65 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 10:47:09 ID:HxiLA7zH
落ち着きたまえ
この程度で声を荒げる様ではヤンデレ紳士失格ですよ

66 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 11:40:42 ID:Y0a96+1n
マナー違反を注意せずに何が紳士か

67 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 12:19:45 ID:HjDuru7x
敢えて言おう…
『変態』であると!
私達が愛していたヤンデレはメジャーになった
何故だ!

68 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 13:22:49 ID:tg8/F2JU
やっぱ例の大全か


69 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 13:40:54 ID:H3M7UhdR
何で兄貴はここまでいろいろひどい目にあってるのに成長しないんだろ?
自分が言葉足らずで誤解されてるとか気づくと思うんだけどな

70 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 14:40:03 ID:RBVkWul/
>>69
あなたが落としたのは、この鈍感、勘違い、死亡フラグ立てまくりの主人公ですか?
それとも、文武両道、話題豊富、ひたすら女の子に一途で後腐れを残さない主人公ですか?

あなたは、どちらを望みますか?


71 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 14:57:43 ID:2eqOkamT
いいえ誰にでも甘い顔をし、気配り上手でもてまくりな女の子の思いも気づいてるけどスルーしまくりなせいで
幼なじみや妹がヤンデレになりそうな主人公です

72 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 15:06:18 ID:9+2r3zlc
>>70
文武両道ではないな、兄貴に勉強見てもらってるぐらいだし


73 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 17:53:34 ID:1p04acgb
>>69
俺達がヤンデレっ娘に監禁されるようなことになっても、興奮するばかりで何も学ばないのと同じ理屈さ

74 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 18:08:41 ID:2nHFpaM/
いい人だけど鈍感な兄貴は可愛いです

75 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/07/21(月) 18:15:28 ID:1anAetPR
ヤンデレ家族は先週お休みだった分、連休スペシャルとして連続投下される夢を見た。


76 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 18:41:18 ID:M6rMjIjt
s a g e進行だちくしょう。
ああ、今年も夏厨の季節か•••

77 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/07/21(月) 19:49:33 ID:1anAetPR
自治厨ウザい。楽しくみんなで語ろう。

78 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 19:58:55 ID:1pVJKHdR
夏、真っ盛り

79 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 20:47:33 ID:rwyJUwA5
うわー・・・・
これはひどいなー・・・・

80 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 21:22:17 ID:8tGko+Oe
>>69
勘違いと誤解はラブコメの定番です。

81 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 21:35:46 ID:WhK6sDwn
暑いと思ったら夏だったのか(´・ω・`)
年中全裸だと季節感がなくなる

82 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 22:07:36 ID:2eqOkamT
sageてすらいないやつが自治厨とか
やっぱ新参はひどいよな

83 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/07/21(月) 22:10:36 ID:1anAetPR
小煩い連中は放っておいて自由に盛り上がろう!!

84 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 22:13:01 ID:XuBYsyta
もしかして83は1anAetPRか?透明で見れん。

85 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 22:37:41 ID:acmXDBNM
まともに会話が成り立ってないな
さすが夏厨

新参はお帰りください

86 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 22:40:34 ID:giPEpQ76
今、新規が投稿しても普通に荒れそうだよな

87 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 22:41:18 ID:v4qFQ+cs
テンプレすら読めない馬鹿は氏ねとまでは言わないけどくたばればいいと思うよ

88 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 23:05:09 ID:/3BXi9fq
>>86
厨房がいなくなる9月まで我慢だな
下手に投稿して叩かれるだけだし

89 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 23:39:00 ID:CdwqGkva
ここも修羅場スレと同じ道を辿るのか( ・ω・`)

90 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 23:53:16 ID:WhK6sDwn
また、夏風邪を引く季節がやってきたお(´・ω・`)
>>89お互い頑張るお

91 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 23:56:47 ID:sGJ45j5D
みんなで全裸になろう!

92 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 00:24:40 ID:tY+qCTcp
修羅場スレはこんなもんじゃなかったぞ。
今ぐらいの流れでダメになるようならそれまでのスレだったということだ。

93 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 00:41:05 ID:WjxExatn
書き込む前に冷静になって頭冷やすんだぜ

94 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 00:59:37 ID:V2+RCR7+
ヘタレプログラマーは,今日も仕事で疲れきって,遅くなって家に帰ってきた。すると,彼の5歳になる娘がドアのところで待っていたのである。彼は驚いて言った。
「まだ起きていたのか。もう遅いから早く寝なさい」
「パパ。寝る前に聞きたいことがあるんだけど」
「なんだ?」
「パパは,1時間にいくらお金をかせぐの?」
「お前には関係ないことだ」
ヘタレプログラマーである父親はイライラして言った。
「なんだって,そんなこと聞くんだ?」
「どうしても知りたいだけなの。1時間にいくらなの?」
女の子は嘆願した。
「あまり給料は良くないさ・・・20ドルくらいだな。ただし残業代はタダだ」
「わあ」
女の子は言った。
「ねえ。パパ。私に10ドル貸してくれない?」
「なんだって!」
疲れていた父親は激昂した。
「お前が何不自由なく暮らせるためにオレは働いているんだ。それが金が欲しいだなんて。だめだ!早く部屋に行って寝なさい!」
女の子は,黙って自分の部屋に行った。
しばらくして,父親は後悔し始めた。少し厳しく叱りすぎたかもしれない...。たぶん、娘はどうしても買わなくちゃならないものがあったのだろう。
それに、今まで娘はそんなに何かをねだるってことはしない方だった・・・。
男は娘の部屋に行くとそっとドアを開けた。
「もう,寝ちゃったかい?」
彼は小さな声で言った。
「ううん。パパ」
女の子の声がした。少し泣いているようだ。
「今日は長いこと働いていたし,ちょっとイライラしてたんだ・・・ほら。お前の10ドルだよ」
女の子はベットから起きあがって,顔を輝かせた。
「ありがとう。パパ!」
そして,小さな手を枕の下に入れると,数枚の硬貨を取り出した。
父親はちょっとびっくりして言った。
「おいおい。もういくらか持ってるじゃないか」
「だって足りなかったんだもん。でももう足りたよ」
女の子は答えた。そして,10ドル札と硬貨を父親に差しのべて...
「パパ。私,20ドル持ってるの。これでパパの1時間を買えるよね?」

俺、この泣けるコピペってやつを見ると何故かヤンデレをイメージするんだよな。
将来的にはこうなりそうだ。

95 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 01:00:42 ID:V2+RCR7+
「昔はお前にもこんな可愛い時があったもんだな・・・・・」
「いやだわパパったら、今でも貴方の可愛い愛娘でしょうが。コーヒーでも飲む?」
「ふふふ。それじゃあ一杯おいしいのを貰おうか愛娘さん」
男は幸せに満ちていた。
妻を早く亡くし、男手一つで娘を育てることになった時はどうしようかと悩んだものだが、
聞き分けの良い娘はそれ程男の手を煩わせることもなくスクスクと育ち、立派な大人へと成長していった。
「しかも頭が良くて、スタイル抜群ときたもんだ」
「何か言ったパパ~?」
「いや、なんでもない」
その娘がどこの馬の骨ともしらない男に嫁いで行き、娘の着たウェディングドレスを見て涙する日が来るのだろうか。
そう考えるとなんとも言えない心地がして、ふぅ、と溜息がこぼれた。
「はい、パパ」
「おぉ、ありがとう。うぅん、いい香りだし味も最高だ。流石愛m」
「・・・・・あのねパパ」
「ぅん?」
いつもよりトーンの低い声に男は若干緊張した。
「この前買い物していた時、一緒にいた女の人、・・・・・・誰?」
「なんだ、お前もそこにいたのか。声をかけないなんて人が悪いじゃな・・・・」
「誰って聞いてるの。パパ」
男は今、自分の目の前にいるのが本当に自分の娘なのかと一瞬疑ってしまった。
長年、それこそ人一倍愛情をかけてきた娘を疑ってしまう程、今の俯いた状態の娘から聞こえる声は無機質で腹の底から恐怖を感じるものだったからだ。
「サ、サラさんだ。近所に住んでる人でね、たまにお店で会うんだよ」
「いつから?」
「四ヶ月位前じゃないかな?」
「ふ~ん、・・・・・そうなんだ」
「どうしたんだ、さっきから様子がおかしいぞお前」
「まだ、質問は終わってないよパパ」
「え?」
「パパはそのサラさんって人好き?」
「何でお前に言わなければ・・・・ッ」
「いいから答えてッ!!」
大きな声が家中に響きわたる。
男はその代わりといっては何だがこくりと頷いてみせた。
「ふうん、そうなんだ」
俯いて目元はこちらからは見えないが娘のニタリと歪んだ口元は彼にも確認できた。
「だからなんだって言うんだ。これはお前の関わる話ではないだろう」
「ねぇパパ。さっき言ってたけど、昔私がパパと一緒にいたくて20ドルでパパの一時間買ったことがあったでしょ?」
「あ、ああ。そうだったな」
「私ね、あの日からずっと考えてたんだ。もっとパパと一緒にいられるためにはあといくら必要なのかなってね。
だってたった一時間じゃ足りるわけないじゃない。私はずっとずっと寂しかったんだもの。もっともっとパパと一緒にいたかったんだもの。
だからね、パパの給料とか他にも色んなことぜ~んぶ合わせて計算してみたの。
そしたら・・・・・・・」
娘は顔を上げつつゆっくりとした動作で一枚の紙を見せた。
「この金額がパパの一生分のお金だってことがわかったんだ」
「っ!?」
男が驚いたのは娘が出した金額だけではない。娘の顔が形作る表情を見て男は息を飲んだ。
「以外と少ないって思った?そんなことないよ、そこんじょそこらの家族よりは稼いでるよ」
「・・・・・・・」
「それでね、私、実はこの金額ならすでに持ってるんだぁ」
「・・・・・・・・・」
「ふふふ、どうしてって聞かないいんだ。それともクはははは、さっきえへへ、コーヒーに入れた薬がアハハ効いてきたのかなぁぁあああ?」
娘、いや娘の皮を被った一人の女は壊れた笑みを浮かべて言った。
「さぁパパ。貴方の稼げる一生分のお金なら既に準備できたわ。だから買えるわよね?

パ パ の 一 生 を                」


96 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 01:02:57 ID:V2+RCR7+
あぁ、いい感じに腐ってるなぁ俺の頭・・・・。

97 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 01:15:43 ID:jwKmRiGm
ああ、だが腐敗ではなく醗酵だ。卑下することはない。GJ!

98 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/07/22(火) 01:24:37 ID:I4JSD2iF
グッジョブ!
いい話で終わっておけばいいところをそこからひっくり返すとは
頭の具合を心配してしまうぜ


99 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 01:30:51 ID:YWyoU1QO
肉や果物も腐る寸前が旨いらしいぞ!!
GJ!!

100 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 02:21:48 ID:lElMc/VP
人間の創造力ってすげぇ

101 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 04:01:43 ID:3OpBx/nU
( ;∀;)イイハナシダナー

102 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 11:05:36 ID:wl3KEM3i
GJ

103 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 12:10:57 ID:h5r7kU+0
こういう風に短いながらも想像をかき立て、魅せることのできるssっていいよな

104 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 16:15:18 ID:JNDdm42F
>>96
良い熟し具合だ。

105 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 16:53:32 ID:8ertv3J0
>>96
ウン、ウマイ!

106 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/07/22(火) 17:29:59 ID:lIk2KGAB
さあ盛り上がってきました!!

107 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 18:19:55 ID:EY83tirl
>>96
これは面白い
この調子で新規が頑張ってくれればいいんだがな
暑い時期に沸く奴に関してはもう俺は何も言わないが

108 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 18:50:02 ID:RPBPvF1O
>>96のような男になりたい

109 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 18:56:28 ID:E8bRzliF
>>96
映画化決定!

110 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 21:33:03 ID:yiHV5EgD
むしろ子供の時の話のパパの一時間を買うという単語に
一時間でパパとの子供をこさえてやる、と脳内変換された俺って……


111 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 00:29:35 ID:VVSZnajJ
>96
泣いた。 正直すばらしすぎる。 GJっす!

112 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 02:20:21 ID:F6QzPAtj
あ~テステス

113 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 03:22:16 ID:PhuK/Ldd
>>112
テストしたんだから書けよ。
いや、書いて下さい

114 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 04:16:44 ID:F6QzPAtj
朝、女の子が死んでいた。

人だかりを蟹スタイルで割って進み見た女の子はマンションから落ちたらしく見事にトマトだった。向いの寮から出て数分、僕はそれを眺め続けていた。
入学当初から良くしてくれてた女の子だった。一か月もたってないけど。愛着もあんまり湧いてないけど。

「南無南無……」

両手を胸の前で合し力を込めて豊胸……では無く黙祷を捧げる。
しばらくそうしたら時間を見てそそくさと学校へ、いちおうほかに野次馬となっていた同学の子達にも「学校に遅れるよ」と忠告して置いた。

「■■~。○○ちゃん自殺したらしいぜい~」

学校について席に着席するとすぐに一人の女の子が歩み寄ってきた。というか、走り……いや、瞬間移動?

「知ってるよ。見てて気分悪くなった」

「おおそうかぁ、怖かったな」

可哀想なモノを見る目で頭を撫でてくる。ついでなんか抱きしめて来た。薄い胸に圧迫されて息が出来なくなる。
少しずつ強くなる圧力を危険視して痛かったら右手を上げる歯医者さんに反攻して左手を上げて事態の冷却を図る。

「おおぅ、すまんすまん。柴犬の様な可愛さに、ついいつもの調子で」

「いつもの調子で人を窒息死させるとは大した奴だ。まぁ慣れてるからいいけど」

ひとつ注意。窒息死に慣れてるんじゃなくて、この行為に慣れてるってこと。え? 分かってるって?

「女の子に抱きつかれるなんて思春期まっしぐらな■■には夢のような行為だろう? しかもこんな美少女に」

「可愛いのは認めるけど、自分で言うのは自信過剰って言うんだよ? ▼▼」

周りの男子からの羨望の視線を心の臓で受け止めて、こうゆう女運だけはいいなぁとか、通学途中に踏んだ僅かにフルーティーな匂いのガムを地面で無理やり剥がしながら思う。

「でも■■に関わる女の子皆死んでるけどな、死神さん。踏んだガムは梅ガムと見た」

115 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 04:17:22 ID:F6QzPAtj
「あら、口に出ちゃってた? こんな公衆の面前でそんなあだ名言っちゃう▼▼も殺しちゃいたい」

「はははっ、私は死なないぞ」

腰に手を当てて高らかに笑う▼▼。
うん。まぁ、たしかに死なないわな、妹も姉も母も死んだけど(皆投身自殺)小学生の頃からの腐れ縁のこいつだけは何故か死なない。女の子キラー(文字通り)の僕の汚点だぜ。
ついでに言うと僕と関わって死んだor行方不明になった人は両手と両足と両目と両耳の数を×2だ。つまり16人。皆女の子。

「……うん。周りの視線が痛い」

チクチクと突き刺さる。なんというか、クマとかトラを見るような目で見られてる感じ。
とりあえず僕は悪くない。多分。流し目で▼▼に助けてくれ舟を出す。当然ながら、そんな穴の開いてそうな船はたたき潰された。

「皆さん! 緊急の朝会が始まるよ!」

教室の行きがけに発見された担任に言われたことを思い出して、即座に言葉を下に乗せて押し出した。
同時に校内放送が流れる。内容は僕のセリフの反復。朝会のテーマはご理解いただけたようで、みんな無言でグラウンドに言ってくれた。

「校長先生の話は長かったので編集します」

「便利な機能ですな」

そして授業も終了。窓の外は若干オレンジになってきてる。
ちなみに僕が死神どうたらこうたらは▼▼の戯言として二時間目ぐらいには明後日の方面へ飛んで行ってた。
高校生活を満喫するべく僕は部活へ赴く。言うまでも無く帰宅部だ。

「ある~ひ~」

「もりのな~か~」

とか森のクマさんを歌いながら▼▼と帰宅する。迷子にならない様に手をつなぎながら。

「あ、そうだ」

歩みを止める。▼▼を何事かと首をかしげて寄ってくる。というか寄りすぎ、抱きつくな。
▼▼を引き剥がしてカバンを漁る。

「はい、これ」

「ラブレターか」

「言っとくけど僕からじゃない」

「チッ」

116 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 04:18:33 ID:F6QzPAtj
舌打ち……?
なぜか妙に女の子にモテる僕。そんな八方美人に振舞ってる気はないんだけどなぁ、天然の魅力とかフェロモンとかカリスマとかあるんだろうか。……どれも僕に似合わない。
再度抱きついてきた▼▼をおぶりながら、駅へと向かう。背の上では手紙を真剣なまなざしをしながら読む▼▼。

「いつも通り断っといて、僕が断ってじゃあお友達から! になんてことになって死んだら困るし」

「男からだぞぃ」

「そ、それは別の意味で困るなぁ」

「嘘だ。女だ」

「それはそれでやっぱり困るから困る」

「贅沢な奴だ。世の男性が敵になったな今」

「なんということだい。でもまぁ、僕は死んだほうがいいと思うよ」

後頭部に頭突きをされた。反動で▼▼が背から落ちる。

「いてて……」

「お前が死んだら私も死ぬぞ」

「え、なんでよ?」

振りかえると、お尻を擦りながらこっちの目を真剣に見てくる▼▼がいた。

「愛してるから」

117 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 04:19:39 ID:F6QzPAtj
それだけ言って▼▼は俯いて黙り込んでしまった。多分自分で言って死にそうになってるんだろう。過去に何回か言われてるけど、正直、毎回対応に困る。
50分経過。
このままでもしょうがないのでとりあえず手を握って再度駅へ進撃する。

「じゃーにー」

手をグッパと広げて別れの挨拶をしてホームへ降りる。が、ひっぱり戻される。襟を掴むな、「ぐぇ」とか変な声が出たぞ。

「今日は家に泊って行くといいぞ■■」

「ほほぉ、でもお泊りセットとマクラがないからまた今度な」

とか言ってる間に電車のドアが閉まった。せっかちな奴だぜ。

「初めてでもないでわないかい。ベッドはダブルだから私の心地いい腕枕で熟睡するがいい」

「腕枕は男の仕事だよ▼▼、僕はしないけど」

会話してる間も窓の外の景色は流れて行く。なし崩し的な感じで、今日はお泊り会である。
▼▼の家はけっこうデカイ、庭とかあるし、家というよりお屋敷だ使用人は居ない、なので使わないとこは汚い。あと、この屋敷は▼▼の『部屋』としてされてるから驚きだ。実家はどんくらいでかいわかったものじゃない。
いつかの時にそれを話題に出すと

「近いうちに■■も私の両親に挨拶に行くからその時見ればいい」

とか言われた。わけわからん。いや、まったくもってわからん。
なぜかファーストフードの夕食を済ませて、バカデカイ風呂に使って▼▼の部屋へ向かう。
扉を開けると▼▼が布団を広げて待っていた。壁には見事なナイフセットが飾ってある。一本欲しいな。

「――なぁ」

「ん」

「毎回思うんだけど、冷蔵庫に入ってる人誰?」

「秘密」



>>113これでいいかい?

118 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 05:07:22 ID:NWYmPMXp
なんだかハンバーグが食べたくなってきたぜ・・・

119 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 05:32:04 ID:MLpAG5Y4
ああそうだな
ハンバーグが食べたいな
しかし肉じゃがも捨てがたい

120 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 07:36:57 ID:rVXBW8Y7
つばめグリルにでも行くか…

121 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 18:28:42 ID:LzYY9wtK
なに…これ……

122 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 19:03:54 ID:5DNkqXPt
「もう卒業して4年になるのか。」ふと、深夜のファミレスで友人達と安いドリンクバーを飲みながら、他愛も無い話をしていた時、友人の一人が言った言葉に忘れていたはずの高校時代の事を思い出していた。


俺は大学3年。一浪をしてるから本当は4年の筈なのだけれど、もう就職は決定し後は卒業を迎えるだけ。高校時代から続けていたラグビーは大学に入ると同時に引退して、大学生活を満喫したんだ。
色々な地域からやってくる同級生達に色々な遊びを教えてもらった。髪も染めた。車の免許も取った。女の味を知った。
最近は合コンやコンパ、飲み会にアルバイト。遊んでばっかりの様な気がする。

俺は、見ての通り体格が、かなり大きい。ラグビーばかりしていたから、無駄にデカいんだ。
大学に入ってからは、俺みたいな体格の奴が珍しいのかやたらと女の子に声をかけられたけど、やれ最後まで体を持っていっても俺は達しはしなかった。
友人達からは「緊張しすぎだ」とからかわれた。
興奮はする、けどなぜだか、最後まで達しない。何かでガードされてるみたいで女を抱いても感覚がないというか・・・不思議な感じ。
高校時代からラグ日ーに打ち込んでた反動で、入学から今日までとにかく色々な事をした。

123 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 19:05:55 ID:5DNkqXPt
うわ、すいません!書く場所を間違えてしまいました(汗)
失礼致しました~!

124 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 20:04:24 ID:VrI+3V+U
>>117
GJ
主人公は気づいて黙ってるのか超が付く鈍感さんなのか

っていうか名前を考えるのって面倒だよね。そこに凄く共感できたよ

125 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 20:14:59 ID:ymBTZKXM
>>123
俺の知り合いにヤンデレが居るんだ。
もしそいつに殺されたくなければお前はここで一つヤンデレが出てくるSSを書くんだな。
フフフフフ(・∀・)

126 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 20:31:34 ID:5DNkqXPt
>>125
ひぃいい。・゚・(ノД`)・゚・。
実は上の作品は、かなりの長文でまだ完成していないのですが、ヤンデレが出る予定の作品なのです。
場所を間違えたのは本当なのですが、また続き完成したらお詫びにコッソリと投稿しておきます~

127 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 21:09:53 ID:rVXBW8Y7
みんな!ラグ日ーしようぜ!ラグ日ー!じゃなきゃSS書くんだ!

128 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 21:29:00 ID:NWYmPMXp
妙に新規がおおいきがするな・・

129 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 21:39:57 ID:Ea85ZGeK
夏休みだから。


130 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 22:10:51 ID:wXcNfxGA
いいじゃまいか。sage等最低限のマナーさえ守っていれば。
sage無い人はROMってて欲しいけど

131 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/07/24(木) 07:23:10 ID:T+6ofJvR
投下と感想以外の雑談をだらだら書き込む迷惑行為こそヤメロよ。

132 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 08:17:51 ID:fj4lU+k7
>>131みたいな奴を最近よく見かけるな

133 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 08:24:04 ID:HYPoqk9K
>>132
>>131はチンパンジーのあいちゃんによる訓練用の書き込みです。
ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。

134 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 09:30:04 ID:ZUxRJJv6
何で雑談が駄目なのか、ちゃんとした理由を書き込んでくれないか?

135 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 09:34:46 ID:27jmyhLu
あいちゃんもっと力抜けよw

136 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 10:11:17 ID:KaAZkMop
おいおい釣られるなよ
煽り目的としか考えられないじゃないか

137 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 10:14:44 ID:+OJRGMw9
あいちゃん喧嘩腰かよw

138 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 10:31:54 ID:DBgqi+p3
あいちゃんが飼育員さんを取られそうになって嫉妬しているようです

139 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 10:39:11 ID:HYPoqk9K
>>138
アザラシの話ならそう言うの聞いたことあるwww
女の飼育員さんと楽しそうに話をしたりなんかしたらすげー体当たりしてた。

140 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 11:44:34 ID:u3hzCGoz
擬人化・・・
ヤンデレ・・・

141 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 13:19:44 ID:zaYoX0ik
だがチンパンジーだから毛深い・・・

142 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 13:24:41 ID:nAwhXzFS
俺から5レス後にカキコした奴はヤンデレにストーカーされる

143 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 14:27:28 ID:KaAZkMop
夏って暑いよな
暑いから夏なのか

144 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 15:29:46 ID:aamMqx9H
チンパンジーで現首相をイメージしたのは俺だけじゃないはず

ヤンデレな女独裁者がいる国ねーのかよ……

145 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 15:56:51 ID:P62tgHV6
政治ネタは本気で荒れるからやめようぜ

146 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/24(木) 17:48:59 ID:rzDVq6FD
プロローグ

「もう卒業して4年になるのか。」
ふと、深夜のファミレスで大学の友人達と安いドリンクバーを飲みながら、他愛も無い話をしていた時、友人の一人が言った言葉に忘れていたはずの高校時代の事を思い出していた。

俺は大学3年。一浪をしてるから本当は4年の筈なのだけれど、もう就職は決定し後は卒業を迎えるだけ。
高校時代から続けていたラグビーは大学に入ると同時に引退して、大学生活を満喫していた。
色々な地域からやってくる同級生達に色々な遊びを教えてもらった。
最近は合コンやコンパ、飲み会にアルバイト。海とか山とか、とにかく遊んでばっかりの様な気がする。

147 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/24(木) 17:51:23 ID:rzDVq6FD
ん。あれ・・?そういえば、なんで高校時代にひたすらラグビーに明け暮れていたんだろう。
別にそこまで真剣に頑張ってはいなかったと思うんだけどな。特に3年の夏はあまり覚えていない、

いや、なんというか何かとても凄い事が起きた筈なのだけれど、それが何か思い出せない。時々思い出そうとすると頭が凄く痛くなる。風邪なのかそれとも病気なのか。
でも俺は、風邪なんか滅多にひかないし、健康そのものだ。
頭痛になるのが、嫌で直ぐに思い出すのを止める内に忘れてしまったのか。変なクセだよな。
そうこう頭の中で考えていると、高校時代の話をしていた友人達の話が聞こえてきた。

148 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 17:51:47 ID:wE+AhrQf
支援

149 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/24(木) 17:53:56 ID:rzDVq6FD
「ハハハ!そいつがバカでさ~授業は真面目に出るのにテストでいつもビリなんだよ~」
「懐かしいな~!お~!そういえばさ、高校の時に不思議な娘がいたよな~」
「おおお!いたなぁ!えっと名前は~・・・」
「ば、バカ!!」
「お・・・おい!お前その話は!」
「あ・・ごめ!は、話変えようぜ・・・」

高校時代からの馴染みの友人が何かの話をしていた。・・・あの娘?誰だろう。
女子は多い高校だったけど、そんな話題になる娘が誰かは特定出来なかった。
何で、友人の何人かはその話を止めさせたんだろう。
俺の顔を伺っている様にも見えた、いや伺っている、何で焦っているんだろう。
その時だった、友人の放った一言で場の空気は一変する。

「月咲美代子!月咲美代子だろ?お前らの桜花学園の話題の子。俺の高校でも噂で持ちきりだったんだぜ~」

大声で話をしていた、友人の声を聞いていたのかドリンクバーの飲み物を汲みに行っていた別の高校出身の友人の一人が席に戻りながら言い放ち笑いながら席に座った。、
その声に俺以外の桜花学園高校時代の友人達の顔に緊張が走る。

150 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/24(木) 17:58:01 ID:rzDVq6FD
「あ・・・ああ!そういえばさ!!桜花時代の先生なんだけどさ~!!!めちゃくちゃ面白い人がいたんだけどよー!!!」

「な、なんだよ、いきなり。それより月咲ってどうだったの?彼女、中退しちゃったんだろ?なあ~詳しく聞かせろよ!あ、昂四郎!お前月咲と仲良かったじゃん!いつも電車で一緒に帰ってたの見かけたんだぜ!おい教えろよ~!」

「お、おい!やめろって!」

月・・・咲・・美代子・・・?俺と仲が良かった・・・?いや、そんな女子知らない、一緒に帰った事なんて・・・・あれ、なんだろう。その名前を聞いた途端汗が滲みだす。
・・・頭が痛い。暑い、店内はエアコンが寒い程効いてるのに、なんで・・・震えてるんだ、俺。・・え、なんだこれ・・・!!

気付けば、俺の大きな体は掃除をしたばかりの、ファミレスの床へと握っていたドリンクバーのコップと共に震えながら崩れ落ちていた。
周りに居た友人達が慌てて駆け寄りながら俺の名前を呼ぶ。・・・恥ずかしいな、いい齢して・・・救急車でも呼ばれるのかよ・・。

そこで俺の記憶が途絶え、次に目を覚ますと一人暮らしの自分の部屋にベットだった。周りには友人達が床にいびきをかきながら寝ている。そうか、俺はあのまま。
駄目だ、風邪を引いたみたいにダルイ。起きれない。・・ああ、そうか・・・月咲美代子。少しだけ思い出した。あの娘か。

151 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/24(木) 18:07:31 ID:rzDVq6FD
第1話  瞬 夏

俺は、ラグビー部に通う高校生。
・・・暑い。もう受験の時期だけど、俺はそんなの気にしない。
まぁなんとかなるだろう、そんな軽い気持のまま迎えた夏だったと思う。
それにスポーツ推薦を使えば進学には困らないだろうし。高校から始めたラグビーは自然と自分に合っていて、苦にはならなかった。
きっと大学でもラグビーでやっていけるだろう。けど、俺は今ラグビーやってないよな。・・・まぁ、人の気持ちは変わるもんだしな。

高校はなかなか楽しかった、友人もいたし。
まぁ彼女はこの通りの大きな体格だから女子と友達になる事はあっても恋人。とまでは、いかない。
俺の高校時代のニックネームは「野獣」だし。
別に暴れるわけではないんだけれど、クラスの男子が命名して自然と広まった。
告白された事?まぁ、何回かは。けれど、俺の何処がいいんだろうな。・・・え?付き合ったのかって?ああ、もちろ・・・あれ、思い出せない。いやいや、嘘だろ?何でこういう大事な事を思い出せないんだよ。

152 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 18:11:33 ID:joSx3Xv4
書きながら投稿?

153 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/24(木) 18:13:47 ID:rzDVq6FD
それから、月咲美代子の事だっけ。ぼやけているけど俺の知ってるかぎりの事を話す。

月咲美代子。俺と同級生の女子生徒。170センチぐらいの身長に細身の体に大きな胸。
極めつけの大きな特徴は髪を金髪にしていてセミロング。校則的に問題は無いけど、金髪という感じだからやはり目立つ。
え?容姿を詳しく言え?ああ、一言で言うなら、フランス人形をそのままにした感じ。え?解りにくい?う~ん・・俺に容姿を聞くなよ、本当にそういう感じなんだ。
独特の雰囲気というか、控えめな子。
成績優秀で学年順位はいつも5番以内に入る。スポーツも堪能、リレーでは女子陸上部エースの野田を3秒の差で圧勝した。そんな万能な人間だ。

でも唯一の欠点というか、なんというかそんな感じの子なのに人とあまり関ろうとしない。
女子からも話かけようとするが、無視をしたりすぐに逃げる。まるで「貴女達には興味なんかない」と言わないばかりに、それは男子生徒にも同じで、告白をしてくる男子には、かなり冷たく興味が無さそうに断りを入れる。ラブレターを目の前で破られた奴もいたらしい。
そんな俺と月咲との接点はまるで無く、同じ高校にいながらも話す事は一度も無かった。
―――あの時を除いて。

154 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/24(木) 18:15:45 ID:rzDVq6FD
>>152
あ、一応1話は完成しているのですけれど、長文規制にひっかかっていて編集しながら投稿してます。
慣れてなくてしかも遅くて申し訳ないです。

155 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/24(木) 18:19:44 ID:rzDVq6FD
――――2年の夏、教室に向かう階段を登っている時、背後に足音が聞こえて何気なく後ろを見ると月咲が後ろから階段を登っている事に気付いた。
あれが、月咲美代子。成程、なかなか可愛いな。
男共が騒ぐのなんとなく理解出来る、白い肌に明るい程の金髪、スタイルの良い体つきに大きな胸。

・・・何言ってんだ俺は、そんな男が部屋で考えそうな事を思いながら階段を登りきる、すると再び月咲の顔を見る。
何か顔色が悪いな。
暑さで熱にやられたのか、軽く汗を滲ませ、息を少し粗く吐いている。階段をもう登りきる所なのに、どうしたんだろう?
俺が階段の頂上で気になり、見下ろしていると月咲が俺の方を気分が悪そうに見上げると少し驚いた様子で俺に向けて口を開いた。

156 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/24(木) 18:21:59 ID:rzDVq6FD
「・・・さん・・・?」

何かを呟いたが聞こえない、さん?何だ、何を言ったんだ?俺に向かって言ったんだよな。聞き返そうとした。

すると月咲が急に止まったかと思うと、フラフラと頭を触りながら膝がガクッ!と下がりそのまま後ろに倒れかかる。

――お、おいッ!?

後ろは階段、転べば確実に大怪我だ。俺は無我夢中で叫びながら、部活のバックを落としそのまま、月咲へ自分の方へ抱き寄せると勢いのまま階段を一緒に転げ落ちた。
階段から凄い音が響き渡る。階段の下落で俺は月咲を抱きしめながら蹲る。
無事だ・・月咲は、俺の上に乗る形で抱きしめられていた。俺は背中を少し強打したけれど、痛いと言えば痛いがラグビーのタックルに比べればまだ大丈夫だ。
こういう時に大きな体だったという事に感謝をした。

157 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 18:29:39 ID:rzDVq6FD
「いてぇ・・・あぶねぇ~・・・柔道の受身を習ってて正解だったな。痛ッ・・」
「あ・・あの・・」
「あ、わ、悪ぃ・・!!」
「すいま・・せん・・・」
月咲は、何が起きたのかを理解していたのか、御礼を告げるとそのまま俺の上で動かなくなった。
気絶している、俺は慌てて月咲を担ぎ、痛い背中に耐えながら保健室へと向かった。

「軽い日射病ね。今日は暑いから。君は~・・・軽い打撲ね。冷やしとけば治るわよ。階段から落ちたのに、それだけ動ければ大丈夫よ。もし、何か痛みだしたら念の為病院に行きなさい。彼女は、暫く休ませるといいわ。」

「どうもッス・・・。」
俺はやれやれと思いながら眠っている月咲を見た。頭に冷えピタを乗せたその姿は、本当にフランス人形みたいで、その、なんというか・・・うん可愛いんだ。
「こらこら、寝てるんだから邪魔しない!今日部活でしょう?行った行った!」
「す、すいません・・・」
俺は先生が届けてくれたバックを肩に乗せ、部活へ向けて大きな体を走らせた。

―――・・・・助けなかった方が良かったに決まってる、後にファミレスで倒れた俺を運んだ友人はそう俺に言った。

第1話 完 つづく

158 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/24(木) 18:30:51 ID:rzDVq6FD
名前入れ忘れ失礼しました。以上、第1話終了です。なかなか慣れなくてすいません。また投稿します。
連レス失礼致しました。

159 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 18:40:25 ID:Azj897Bf
GJ
続き待ってるから頑張って書いてね

160 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 18:44:49 ID:Wn4NnR8P
wktkして待ってる

161 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 18:58:50 ID:HYPoqk9K
matteruyo-

162 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 19:27:35 ID:K8ij7rcv
>>158
これはいい依存の兆し
続きを楽しみに待ってます

163 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 19:42:44 ID:RoLVtNq7
全裸で正座して続き待ってる!!

164 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 19:53:32 ID:nAwhXzFS
全裸で仰向けになりながらまってる

165 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 19:56:31 ID:HYPoqk9K
1時間待ったけどまだー?

166 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/24(木) 21:36:16 ID:rzDVq6FD
第2話 再 会
【大学時代/昂四郎のマンション】

「ん・・・んん?昂四郎、もう平気か?」
「お、おう・・・ちょっとだりぃけど。・・・俺、あのまま倒れた時の事までしか覚えてないんだけど、悪かったな、運んでくれたのか?」
「ったく・・「お、おう」じゃねーよ。
お前担いで帰るのどれだけ大変だったか知ってるのかぁ?時春とキヨちゃんで4人ががりで運んだんだぜ?救急車呼べ!って叫ばれるわ、店員は騒ぐわでもう大変だったぜ。
キヨちゃんが医学部だったから、直ぐ応急手当してもらってさ。
逃げる様に皆で出て行ったんだぜ?・・・・あ~あ、暫くあのファミレスに行けねーよ。
ま、途中まで車だったけどな。けど、お前ちょっと太ったんじゃねぇの~?疲れて家に帰る気なくしちまったよ。
今日は泊めさせて貰うぜ~?後で、他の連中にも侘びいれとけよ~?」

「ああ・・・ごめんな、ビールでも飲めよ、エイジ。冷蔵庫にあるから。」
「お、サンキュー♪お、黒ビールじゃん~!昂四郎、お前俺の趣味分かってるな!」

軽く早口で話すこいつは、桜花学園出身の友人の1人、名前はエイジだ。
中学からの腐れ縁で、バスケット部に所属していた。
同じく一浪して、同じ大学の工学部にいる。
農学部の俺とは違うけれど、大学になってからもいつもつるんでいる仲間だ。
なかなか面倒見が良い男でいつも行動している周りからは信頼を置かれている。

167 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/24(木) 21:39:58 ID:rzDVq6FD
エイジがビールを持って部屋の灯りをつける、暗闇に慣れていたせいて酷く眩しく感じ再び目を閉じる。
テレビをつけて、観客がわざとらしく笑う声が流れて静かだった部屋が少し騒がしくなった。

「ああ~!うめぇ!!最高だぜ、けどよ!もうそんな事忘れてさ、もうすぐ夏だし、みんなで北海道とか行こうぜ!どんどん遊びにいこ――――」
「エイジ・・俺、少し思い出したよ。・・・なんとなくだけど、月咲の事。」

エイジの相変わらずの口調を遮る様に俺の発した言葉に固まったかの様に見えた。
暫く、深夜放送の芸人の笑い声とエアコンの冷房の音だけが部屋に流れていた。
エイジはビールを飲んだ缶を持ったまま急に眉を潜め、険しい顔つきになりながら俺を見る。
けれど怒っている感じではない。
なんというか、俺を心配する様な・・・なんとも言えない表情だった。
そのまま何度が再びビールを飲み始め、飲み込むとゆっくりと顔を上げて俺に言った。
「そっか、そうだよな。思い出したのか・・・そうだな、もう4年になるんだ、忘れろって方が無理だよ。」

「俺と月咲に何があったのか知ってるのか、教えてくれよ!俺・・・・このままじゃ何かすげぇ気持ち悪いんだ。」

俺はこのもどがしい気持ちとなんとも言えないザラッとした感覚から抜け出したかった。
そして何故、月咲の事を忘れていたのか、ラグビーを大学で続けなかったのか、それには、大きな理由があるんじゃないのか。
恐らくそれを知っている高校時代のエイジ達に頼るしかないと感じた。
俺の言葉に暫く黙っていたエイジが口を開く。

168 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/24(木) 21:47:36 ID:rzDVq6FD
「後悔しねーか?知らない方が良いって事もあるんだぜ?」
『・・・ああ、知らない方が逆に後悔しちまいそうなんだ。エイジ・・頼む。』

俺の言葉にエイジは「はぁ・・」と軽くため息をつくと立ち上がり床で眠るキヨちゃん達をまたがって、俺のお気に入りのソファーに深くもたれかかりながら俺を見た。

「たくっ・・・世話のかかる奴だ。デカイのは気持ちだけじゃなくて体だけにしとけっての。
いいか昂四郎、何を聞いても受け止めろよ。直ぐには無理でもお前なら大丈夫だと思ってるけどな、後全てを知ったら二度とこの事に関して関るな、お前の為だぜ。・・・じゃあ話すぜ?いいか、昂四郎お前、高校3年の時に月咲にな―――」


―――エイジがゆっくりと最後まで言うとエイジの終盤の言葉に俺は、驚きを隠せず固まる、それと同時に体中に鳥肌が上ったのを感じた。
部屋の時計の針は12時を過ぎていた。

【高校時代2学年/桜花学園にて】
月咲を階段から助けてからかれこれ4日になろうとしている。
エイジ達からは、「へぇ~良い事したじゃん。もしかして御礼貰えるかもしれないぜ!昂四郎君やるぅ~」と言われたけれど、そんな気配は全く無い。
というか、月咲は特別進学クラスで校舎は別に別れている。会う確立すら低い。
どこかのインターネットのサイトでは、電車で女の人を救って凄い事になっているらしい。

もしかしたら月咲が御礼を言いに俺のところに高いティーカップを持ってくるのかもしれない・・・そんな空想をしつつボーッとしながらラグビーをしていたら、案の定顧問に怒られて、学園の周りを3週ランニングしてこい!と言い渡された。

その一部始終を見ていた陸上部とテニス部、更にサッカー部の連中にも笑われる始末だ。
・・ったくバカだ、空想なんて家でするもんだ、やれやれ、もう月咲の事は忘れてラグビーに集中しよう。

169 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/24(木) 21:54:11 ID:rzDVq6FD
―――そう汗だくて走りながらの時だった、誰かが俺を見ている気配を感じた。
どこの部活の奴だ?いや、制服に・・金髪・・・月咲?
大きな木の日陰に隠れた人気のある校庭のベンチに座り月咲が走る俺を見ていた。

まるで棚に置かれたフランス人形の様に、澄んだ瞳で俺に視線を向ける。大きな熊の様な俺が走るのがおかしいのか、こんな暑いのに何をしているんだと笑っているのかは知る余地は無いが、とにかく月咲は、ひたすら間違いなく俺を見続けていた。
階段の件が頭を過ぎり、不思議に思い気になりながらも3週走りきり、ラグビー部のメンバーにボーッとしていた事を茶化されながら練習に戻った。

―――部活が終わり、シャワーを浴びた後エイジ達と別れて家に急ぐ。

今日は、俺の好きなロックバンドがテレビで新曲を発表するんだ。部活の疲れなんかどこかにぶっ飛び軽い足取りで家に急ぐ。
携帯を手に電車を待つ、後10分後ぐらいか、早く帰りたいんだ急いでくれよ。
―――ふと、誰かに見られている気配がする。
またか、エイジ達やラグビー部の奴かな?後ろを振り返る、・・・・・月咲だ・・・今日学校で見たけどよく見るよな、今度は遠くからじゃなく、俺に用がある様な感じだった。
何か言えよ。近い、近いって。
真後ろに居た月咲は俺を見ていた。俺は少しキョトンとしながら月咲に視線を向け見下ろす。

170 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/24(木) 21:56:18 ID:rzDVq6FD
「・・・片桐昂四郎君・・ですよね・・?」
『あ・・そう・・だけど・・・?』
「あの、階段の時、助けてくれてありがとうございました。」
『あ・・ああ!いやいや!とんでもない!無事で良かったよ、ってか・・俺の名前どうして?』
「もう平気です。あ・・保健室の先生に聞きました。同級生って聞いたから御礼言いたくて・・」
『そ、そうだったんだ。ってか俺の名前・・・どうして』
「探したの!・・・あ、ごめんなさい。勝手な真似をしてしまって・・」
『い・・いやいや。とにかくさ、怪我とかなくて良かったよ。体調はどう?』
「・・・もう大丈夫ですよ。本当にありがとうございました。」
『おお~・・良かったなぁ~』

正直嬉しかった。
話す機会なんか無いとばかり思っていたし、御礼を言いにわざわざ来てくれるなんてあの時の階段から落ちた痛みは、報われたってものだ。
それから同じ方面の電車だった為電車に揺られながら、話をする。

「私、あの時睡眠不足で・・遅刻しそうになって朝ごはんを食べれなかったんです。」
『あ~そりゃあ体調悪くなるよな~朝飯は食わないと駄目だぜ!俺なんて朝どんぶり2杯ぐらいは食べるんだぜ?』
「そ・・そんなには無理です・・・昂四郎君すごいんですね」
『凄い・・ってかまぁ只の食いすぎなだけなんだけどさ』
「うふふ」

171 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/24(木) 22:00:08 ID:rzDVq6FD
・・・・おいおい、誰だよ。月咲を冷酷みたいに言ったのは。本当に良い子だった。俺は笑う月咲との会話でそんな噂は絶対に嘘だと確信し始めていた。
きっと振られた奴が月咲に逆恨みしてやったんだ、そう思い疑う事はなかった。

「昂四郎君、良かったら・・・その・・・携帯の番号を交換してくれませんか?」
『ん?携帯の?お、俺なんかで良いのか?』
「・・・昂四郎君のがいいんです」
『お、お、おう!勿論いいぜ!』

俺は慌てて携帯を取り出し赤外線機能を使って月咲の携帯に自分の番号とアドレスを送る。
そして、月咲は俺にアドレスと番号を送る。


月咲 美代子 をアドレスに登録しました。
090-XXXX-XXXX
Angrcom.k.rfk@XXXXX


嘘の様だった、俺の携帯アドレスに月咲のアドレスが・・俺は自然と笑みがこぼれて仕方がなかった。
同じく携帯の受信を完了する携帯の電子音が鳴ると淡い笑みを浮かべる月咲を見て胸が鼓動する音を聞きながら携帯を仕舞う。
「それじゃあ、私はここなので。本当にありがとうございました、昂四郎君」
『こっちこそ、ありがとう。またメールするよ!じゃあ学校で』
「はい・・学校で。お休みなさい」

172 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/24(木) 22:03:26 ID:rzDVq6FD
軽く手を振った月咲は電車を降りると電車が見えなくなるまで、手を振り続けていた。
何か嬉しくてたまらない俺は、携帯のアドレスに記載されている月咲美代子という名前を何をするわけでもなく見始めていた。

すると電車が、月咲を降ろした駅から3分もたっていないのに俺のメールのバイブが響く。
・・・月咲だ。早いな、もうメールをくれたのか。俺は少し興奮を覚えながら、なんら違和感を持つ事なく未開封のメールを開く。


From:月咲美代子
件名:今日はありがとう。

昂四郎君、今日はありがとう。
携帯アドレスを交換出来て本当に嬉しいです。本当ですよ。ラグビー頑張ってましたね。
今日は暑かったけど、応援しようと思って見ていました。水分を欠かさないでね。あ、私もですね。
また明日学校で待ってます。あ、それと、お弁当を作りたいんです。体力をつける様にスタミナのお弁当です。
迷惑じゃなかったら良いですか?

173 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/24(木) 22:07:53 ID:rzDVq6FD
携帯には画像の未開封のデータも添付されていた。
見てみると、駅近くにある24thのスーパーと思われる画像とスーパーの商品を手に持つ月咲の手が写っており2枚載せてあった。
女の子からのお弁当、まるで漫画みたいな話だ。俺は子どもの様に喜びながらOKの返事を返信する。

From:月咲美代子
件名;嬉しいです!

昂四郎君、ありがとう。
私頑張って作るね。楽しみにしてて下さい。
昂四郎君は、いっぱい食べるって言ってたから、工夫して作りますね。
頑張ります、楽しみにしていてねq(^^)p

174 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 22:12:08 ID:gQu5Vf6K
一回の投稿で60行・4096Bytes(全角で2048文字)までおkなんだぜ?

175 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/24(木) 22:20:11 ID:rzDVq6FD
その返事が届いた時には、自分の駅に到着し電車から降り立つ。

返信を忘れ、携帯をカバンに入れ自宅に戻ると、風呂に入って汗を流し、母親の飯を食いながらテレビのロックバンドの新曲を聞いていた。
ああ・・・今日はなんて良い日なんだろう。月咲の番号を聞かれたし、好きな音楽を聴きながら飯を食う。とても良い気持ちで音楽を聴いて新曲の鑑賞は大成功だった。

そうだ、明日エイジ達にこの話しよう。きっと羨ましがるだろうな。
そんな事を考えながら浮かれたまま、部屋に戻り学校の課題をしていると携帯の事を思い出した。
エイジやクラスの音楽が好きな友達からの新曲の感想が届いているに違いない。シャープペンシルを机に置き、カバンの携帯取出しを見ると、それまでの浮かれていた気持ちが一気に飛んで思わず呟いてしまった。

『・・・なんだこれ・・・・』
―――目を疑う様な事が起きていた。
メール件数が30件を超えていたのだ。
確かにエイジやクラスの友達からのメールは届いていたが、エイジ達からのメールは5件。残りの25件は月咲からだった。
こんなに大量のメールはなんなんだろう。
内容は、弁当の材料や、学校の話。ラグビー部の俺の事を細かく書かれていた。
風呂に入ったばかりなのに汗が軽く滲む、恐怖と不安が入り混じった感覚が全身を巡る。

『いや・・・何かのミスだろう。・・そうだ、何か間違えて送っちゃたんじゃねーかな。・・まぁ、明日は弁当作ってくれるみたいだし・・月咲は個性的なんだよ、きっとそうだ。・・・もう寝よ寝よ・・』

エイジ達に新曲の感想の返信するのを忘れて俺は、携帯の電源を切り充電器に差し込みそのままベット倒れこんだ。

―――今、思えばこの時もっと別の方法やエイジ達に相談していれば、考えていれば、これから先俺が経験をする事は、起きなかったのかもしれない。
けれど、当時の俺はそんな事など気にもせず明日の希望を抱きつつ深い眠りについていた。

第2話 完 つづく

176 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/24(木) 22:26:24 ID:rzDVq6FD
第3話 予告  憐 炎

月咲美代子と交流を深める昂四郎。
昂四郎の優しさに少しずつ加速度的に引かれていく美代子。
しかし、月咲の変わった行動に昂四郎は、少しずつ戸惑いを見せていく。
―――そして、昂四郎の周りに被害者が。 

次回第3話 憐 炎 お楽しみ下さい。


遅れてすいません、第2話投稿完了です。第3話は次回投稿致します。
暖かいレスを下さった人本当にありがとうございました。めちゃくちゃ嬉しいです。
未熟者ですが、少しでも楽しめる要に頑張ります。連レス失礼致しました。

177 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 22:27:50 ID:LK8PZuOY
>>176

イイヨイイヨー。これはwktkする展開。
月咲このままどんどんいって欲しいw

178 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/24(木) 22:36:41 ID:rzDVq6FD
>>174
すいません!今気付きました!他の板だと混合していました!(汗)
もうちょっとコンパクトにしますね!アドバイスありがとうございます、申し訳ない!
>>177
ありがとうです。もう加速度的にヤンデレ化していくので舞っていてください、
もう少しコンパクトにしますね。本当ありがとうございます。

では、また次回書きます。(明日?)
頑張ります。コンパクトを目指して頑張ります。失礼しました。連レス失礼しました。

179 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/24(木) 22:40:39 ID:DBgqi+p3
投稿はやっ!w
でもGJ
次も全裸で待機してます

180 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 01:08:32 ID:g7GpyuOz
主人公がイケメンとかじゃないのが良いね。
惹きつけられる。
wktkが止まらない!!速く全裸で待ってるから続きを速く!

181 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 01:28:57 ID:QJNTo0Nv
好きな人に嫌われると不安に思ったヒロインがヤンデレ化するのは萌えるな
特に彼氏が彼女を一方的に振って、彼女が必死に寄りを戻そうと彼氏の家に合鍵を作って
先に待っていたりと……

ヤンデレの需要は無限大!!


182 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 01:36:01 ID:EQZRmPfr
第二話のタイトル見た瞬間キタッッッ!!!って思ったぜ
GJ

>>181
自宅に潜伏系はマジキチ
だがそこがいい

183 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 02:32:22 ID:ijUfWiBw
作者自演乙
厨臭い上下手なSSに厨臭い感想とはお似合いだね

184 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 02:51:05 ID:QJNTo0Nv
>>183
面白いですよ。とっても
見る目がないんですね

185 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 03:10:16 ID:ijUfWiBw
184「俺は面白いと思ったんだけど、あいつは面白くないと思ったんだって。アイツ頭おかしいよな」

186 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 03:26:07 ID:kHj0j3lO
夏だからしょうがないな
うん

187 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 03:27:34 ID:CIBNpHW6
ここは建設的ではない批判を述べる場ではない
つまらんと思ったらスルーしろ。少しはヤンデレっ娘のスルースキルを見習え

188 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 03:40:00 ID:ijUfWiBw
お前が一番できてない

189 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 03:49:43 ID:7ocWmfgK
>>188
だからあいちゃんそんなにムキになるなよ

190 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 05:20:17 ID:mV+kou0x
>>184,187,189
一年ROMれ

そういうあからさまなマジレス止めろよ
削除依頼できなくなるだろうが

191 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 05:21:56 ID:2zMXrEhz
夏だなあ
9月までは我慢

192 名前:伊南屋 ◆WsILX6i4pM [sage] 投稿日:2008/07/25(金) 05:50:46 ID:Vqtv/Bm7
今更なのは重々承知
使い回しなのは言い訳不能
しかし敢えてこれを投下する自分をお許し下さい。

須藤冬華/リメイク
http://imepita.jp/20080725/206210

193 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 06:29:12 ID:krCOygab
>>190
少なくとも>>189はマジレスではないでしょw

どうでもいいけどあいちゃん>>183一人で頑張りすぎだろ。
飼育員どこよw

194 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 06:55:24 ID:gYDdjVQB
>>192
お久
そしてこれまた懐かしい&カワイイ冬華でつね

195 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 07:33:51 ID:V0wYf8GF
あれ?これってお茶会じゃね?なつかしいな

196 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 08:59:50 ID:EP5200FY
早く九月にならないかなぁ
そうすりゃこっちだけ休みだ

197 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 09:13:58 ID:op/Umvxd
荒らしだって嫉妬してるあいちゃんだと思えば
可愛いもんだな
飼育員さーん!!!!

198 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/07/25(金) 09:24:06 ID:6YcsWuPM
アイちゃんとかクダラねぇネタいらん、投下と感想だけにしろよ。伸びてるからwktkしてたのに。ったく。

199 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 09:44:53 ID:kHj0j3lO
もはや夏真っ盛り

200 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 10:30:04 ID:ECgoE7P6
お茶会か~懐かしいな
本当にあの頃が懐かしい・・・

201 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 10:32:53 ID:IChv+YP5
夏厨かどうかがコメントみれば一発でわかるな
職人にも夏厨がいるのは問題だが

202 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 10:47:12 ID:ofIHJtZh
>>198
sageろ屑

203 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 12:10:49 ID:6tL+0OA0
>>198
ここは18歳未満のお子様が来ていい所ではありません。
夏休みの宿題でもしてろクソガキ。

204 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/25(金) 12:43:37 ID:0Dg+H06n
第3話  憐 炎
【高校時代2学年/昂四郎自宅/AM7;00】

制服のネクタイを絞めながら、携帯の充電を完了した携帯を手に取り電源を入れる。
メールセンターに問い合わせをすると、メールが更に20件も着ていた。

『月咲・・・まとめて送るか、俺が返事送ってからすればいいのに。・・あ~・・新しい携帯とか・・んなバカな・・・』
呟くとあまりのメールの多さに月咲のミスや携帯電話の故障などでは無いと確信した。
寝起きの気だるさと電車通学の面倒さ、月咲の行動に疑問が重なって、朝から憂鬱になる。

とにかく、学校に行こう。今日は月咲が俺に弁当を作ってくれるんだから、良い日になるに違いないだろう。
メールの事はまた聞けばいいだろうし。
今日の朝食は、月咲の弁当に備えて、ベーコンエッグとパン1枚、牛乳だけにした。

『んじゃ、行ってきまーす』

食べかけのパンを口の中で噛みながら、部活のバックを肩に下げて家を出る。
6月後半だってのにもうセミが現れて声が五月蝿いくらいに鳴り響く道を歩いていく。
今年は猛暑で随分暑くなってきた。後一ヶ月ぐらいで夏休みだ。
それでも、夏休み中の午前は部活だし、場合によって受験対策をしなくちゃならない。
俺の高校はまがりなりにも、進学校だしあまり部活に力は入れてないのかもしれない。
けれど、ラグビーは好きだし、きっと大学に行っても続けているんだろうな。

そんな事を考えながら駅に着く、口の中で噛んでいたパンは気付けば飲み込んでいて、乗客が半分以上埋まっている電車に乗る、冷房がガンガンに効いていて爽快だった。。
俺の駅からは、乗る人は少ないけれど、次の駅からは凄い人が乗り込む。
そういえば、月咲はこの駅で降りたよな。そんな事を考えていると駅に止まり、大勢の乗客で電車内は溢れ直ぐに考えは消え去った。とにかく人の多さに流されない様に耐える。
『さて、相変わらずの人の多さだ・・・』

桜花学園周辺には、6つの高校があって電車はいつも生徒達で混雑する。
それに通勤する社会人を含めるとかなりの人数だ。
エイジも昔、電車通学をしていたのだけれど、この人混みが嫌で自転車に切り替えた。
それくらいの人の多さから、俺が朝から憂鬱になる原因の1つだ。
それでも大勢の人に押されながら、人混みに耐えていると後ろから誰かが背中にギュっと抱きかれる感触を感じる。
誰だ・・普通押されるのは分かるけど抱きつかれるのは初めてだ。

あまりの事に驚きつつ、後ろを向き抱きついている人物に目を向ける。

205 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/25(金) 12:48:25 ID:0Dg+H06n
『月咲・・・?』
金髪の明るい髪が目につき、顔を見上げ笑みを浮かべて「おはようございます」と小声で呟いた。
そう抱きついていたのは、月咲だった。

『あ・・ああ。ど、どうした・・・の?』
「電車人が多くて・・押されてしまって・・・気付いたら昂四郎君だったんです。」
『そ、そうなんだ・・』
「ごめんなさい・・人が多くて動けなくて・・・昂四郎君、こういうの嫌ですか?」
『いや、嫌とかじゃそういうのじゃないんだけど・・・』

俺は電車の中で偶然人に会うのはよくある事だったけれど、こうも背中と言えど抱きつかれる事に赤面しながらひたすら前を向く。
前を向かないと、心臓の鼓動の早さでどうにかなりそうだった。
それに電車の乗客も沢山いるし、これを桜花学園の生徒に見られたら説明のしようにも何と言えばいいのか分らない。
メールの事を聞きたかったけれど、そんな事はどこかに飛んでしまい、とにかく一刻も早く学校に着きたかった。
それに追い討ちをかける様に、月咲が俺の背中に耳を当てる。
おい、何だよ眠いのか、俺は枕じゃないんだぞ。

「昂四郎君、心臓がドキドキしてる・・・可愛いんですね」
『い、いや・・それは、その』
「昂四郎君?お弁当作ってきたんですよ。後で渡しますね?」
『・・・あ、ありがとう』
後ろから俺の背中に顔を休ませる月咲がそう告げると益々、心臓の鼓動が早くなるのが分った。

「昂四郎君、今日のお弁当は豪華なんですよ。楽しみにしていてくださいね。」
『お、おう。弁当の為に朝食軽く済ませてきたんだ』
「え・・・?」
『いや、残したらいけないと思ってさ~・・・昨日から楽しみだったよ。』
「・・・・嬉しい・・・・・・」
『ん?今なんか・・・言った?』
「いいえ・・・何も」

月咲が言った小声は電車の線路を走る音でかき消されて、聞こえなかった。
聞き返しても月咲は何も言わなかった。
すると電車が急にスピードが弱まり車内が揺れる。何かに掴まっていないと倒れそうだ。
それと同時に月咲の体が俺に密着する。
・・・苦しいくらいに強く抱きつかれる。
揺れが収まっても離れるどころか、逆に体を俺に近づけてくる。月咲の大きな胸が俺の背中に当たる。
―――俺は色々な意味で限界を感じていた。

206 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/25(金) 12:50:29 ID:0Dg+H06n
―――次は~桜花駅前~桜花駅前~左側のお客様、開く扉にご注意下さい―――

天の助けの駅員のアナウンスが車内に響く。
扉が開くと、直ぐに外に出て開放感に目を伏せた。
俺にとって流石にこれは拷問に近い。
ふと、降り立つ乗客の中に俺に視線を向ける子に気付く。

―――大沢明美・・・・?同じクラスの大沢だ。クラスの学級委員で剣道部。同じ運動部とあってか馬が合う。
何か不思議そうな表情で俺を見ている。
何だろう、俺は大沢を呼ぼうとするが大沢は、俺を見るなり何かに驚いた様にサッとその場から走って行った。

『何だありゃ。騒がしい奴だなぁ・・どうしたんだろう。』
「・・・・昂四郎君、行きましょう?」
『お、おう。行こうか』
後ろに居た月咲に促され共に学校へと向かう。

【桜花学園通学路】
桜花学園は、小高い山の頂上に建てられていて俺と歩く姿を見た桜花学園の生徒達は皆が皆驚いていた。中には立ち止まり凝視する者もいた。。
恐らく皆の気持ちは1つ―――なんで野獣のあいつと!?―――

・・・悪かったな、俺で。成り行きなんだよ成り行き。
そんな驚き騒ぐ生徒達をよそに俺と月咲は学園へ到着した。

「昂四郎君、じゃあ私はここですので、お弁当昼休みに届けに行きますね。」
『うお、それは月咲に悪いって。俺が弁当取りに行くから。月咲の教室まで』
「・・それじゃあ、昂四郎君に悪いです」
『ん~・・・それじゃあさ?屋上で待ち合わせしようか?』
「屋上?」
『うん、ついでに一緒に食べようぜ。昼飯』
「・あ・・・はい!」

やけに明るく月咲は、返事をした。
特に気にしなかったが、この時、大沢明美がこの光景を見ていたとは俺は知らなかった。

教室に着くと、早速クラスの男子達が俺に絡む。
「ようようよう~!見せ付けてくれるじゃないの~!!」
「おい、何で月咲と一緒に登校してくんだよ!何したんだ!どうしてなんだよ!俺あいつに話しかけても無視されたんだぜ!?」
「お前羨ましいってかムカつくな!!!」

『別に・・・なんもねーよ。おら、席に寄るな暑苦しいなぁ~!』


予想通りの反応に呆れながら席に着くと、エイジが話しかけてくる。エイジも月咲の事を聞くのかと、少し警戒しながらエイジに視線を向ける。

207 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/25(金) 12:54:47 ID:0Dg+H06n
エイジ
「オッス、昂四郎!いや~昨日のFUZの新曲最高だったよな~!ってかお前メール返せって~!」

『オッス。メール悪い・・・ってか・・・お前は驚かねーの?』
エイジのいつもと変わらない様子に『・・・月咲の事を聞かないのか?』と思いながら恐る恐る尋ねる。

エイジ
「あん?どうせ月咲の事だろ?昂四郎、お前うぬぼれてんじゃねぇええぞぉぉ~?おめ~天狗かぁ?鼻折るぞ鼻!いちいち騒いでたら疲れるだけだし、何で昂四郎の恋沙汰でいちいち、俺が一喜一憂しないといけねーんだぁ?
そんな事より、FUZだFUZ!お前のそっち方面の話は、もうちょっと進展してから聞いてやるよ、ほら、とにかくFUZの新曲どうよ!あのベース音最高だっただろ~!?」

エイジらしい答えだった。
そうだよな、偶然電車で会って、偶然通学路を歩いてた。どこでも聞く話だ。変に騒いで恥をかくのも嫌だ。
遠まわしにエイジが注意してくれたかの様に聞こえた。気持ちを切り替えて俺はエイジとFUZの新曲の話で盛り上がる。

そんなエイジと話をしている時、俺を呼びかける声がした。
―――大沢明美だ、何だ駅だとそのまま走って行ったのにどうしたんだろう、どこか怪訝そうな顔つきで俺に話しかける。

大沢明美
「昂四郎、悪いけどちょっといい?」

『おお、大沢・・・何だよ?生物のノートならさっき提出したぜ?』

大沢明美
「いや、そうじゃなくてさ・・・・あんた月咲とどういう関係なの?」

『どういうって・・・いや別に。ちょっと知り合いでな。それより、朝、駅で同じだったよな。どうしたんだよ無視して行くなんて大沢らしくもないな。』  


大沢明美
「いや、それは・・・その。昂四郎があの子と居たから気になってて・・・・・あ、あのね、昂四郎。実は私、あの時電車で見―――」

―――大沢の言葉を遮るかの様に、始業開始の鐘が鳴り響く。
教室との雑音と入り混じった中で大沢は言葉を途中で止めてしまった。

『電車で・・・な、なんだよ?』

大沢明美
「あ・・・ま、まぁいいわ!昂四郎ごめん、また話すよ。別に対した事じゃないし、本当ごめんね!」

大沢は、両手を俺に合わせ誤魔化す様に笑いながら自分の席へと戻って行った。
何かを俺に伝えようとしたのか、何かを知っている様な感じだった。席に座り髪を自分の髪を撫でる様子の大沢は、何かに怯えている様な顔つきだった。

エイジ
「大沢どうしたんだ~?」

『わかんねぇ・・・エイジ、大沢に何かやったか俺?』

エイジ
「昂四郎・・・!貴方、只でさえ夏なのに本当に暑苦しいのよっ!私がいる車両に近づかないで!というか電車にもう乗らないで頂戴っ! とかじゃねーの?」

『・・・うっせ!!』

大沢の声のトーンを真似て茶化す隣の席のエイジと冗談を混じりながら笑ってふざけ合い、大沢の真剣さはどこかへ飛んで行ってしまった。
本人が対した事じゃないって言ってるんだから対した事じゃないんだろう。
気にする事ではないし、また聞けばいい。
そうこうしている内に授業が始まる。
―――俺は後に、大沢の言葉をキチンと聞けば良かったと後悔する。

208 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/25(金) 12:58:30 ID:0Dg+H06n
【桜花学園屋上】
――――昼を知らせる鐘が鳴り響いて、大体18分弱。
屋上で待ち続けているけれど、月咲はまだ来ていない。
どうしたんだろう、ちょっと俺が早く来すぎだのか。
月咲は特別進学クラスだから、授業が長引く事もあるだろうし、別に弁当が逃げるわけでもない。
それに10時ぐらいか、月咲から少し遅れるとメールが着た。

俺はその時、メールの事を聞くのが段々億劫になってきていた電車で聞ければ良かったけれど、タイミングを逃してしまった。
確かに20件以上のメールを送るのは、アレだけれど、悪気はないよな。内容も普通だし気にしすぎなのかもしれない。
そうこう考えていると俺に向けて声がする。

月咲美代子
「・・・・昂四郎君、お待たせしました。遅れてしまってごめんなさい。授業が長引いてしまって」

『おお、月咲~・・・どうも。別に気にするなよ、特別進学クラスなんだからさ夏前だしそんな事ザラだろ?』

月咲美代子
「ありがとうございます。・・これお弁当です。」

『うお~ありがとうな月咲。じゃあ~・・・・あそこに座ろうぜ?』

月咲は俺の言葉を聞くと嬉しそうに微笑みながら、手さげ袋から弁当を取り出し近くにあったベンチまで移動し腰を降ろす。
隣に座り弁当を開ける準備をする月咲は、本当に品があって動作の1つ1つが綺麗だ。
弁当の袋もキチンと折り畳んで膝の上に乗せる。
弁当の蓋をゆっくり開けると色鮮やかな弁当を俺に差し出す。
そんな光景に思わず見とれてしまっていた。
月咲美代子
「・・・どうぞ、昂四郎君。」

『お、おう!美味そうだなぁ~・・・・じゃあ遠慮なく、いただきます。』

月咲美代子
「どうですか・・・?お口に合いますか?」

『美味い。すげぇ美味いよこれ!』

月咲美代子
「良かった・・・!」

俺の返答に月咲は、とても喜び笑みを零す。
月咲の弁当の料理は本当に美味かった。なんと表現したらいいんだろう、お腹がとても空いた時に食べるご飯の感覚。飯の美味さと空腹が満たされる感覚で俺は無我夢中で弁当を食べていた。
お互いの弁当を食べながら、勉強の話や部活の話、昨日の料理でうっかりして、卵を焦がしてしまった話などどこにでもある会話をしながら弁当を食べ終わる。

『ふう・・・美味かった。ご馳走様!』

月咲美代子
「綺麗に食べてくれたんですね、嬉しいです。」

『いや~やっぱ美味いよ月咲のご飯は。こんな料理なら昼と言わずずっと食べたいぜ~・・なんちゃってな、アハハハ』

月咲美代子
「・・・私頑張って作ります。」

『・・・ん?』

月咲が微笑みを浮かべながら小声で何かを呟いていたけれど、聞こえなかった。
その時は冗談で言ったつもりだった。まさか本気にしてないよな、まさかな、そんな筈はないだろう。
けれど、昼飯の満足感で俺の考えは消えていった。

209 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/25(金) 13:04:57 ID:0Dg+H06n
――――その時だった、校舎が騒がしい。
昼休みは確かに騒がしいものだけれど、いつもと違った騒がしさ・・なんというか耳につく様な騒がしさだった。
女子生徒の悲鳴や先生の大声が校舎に響く。おかしい、何か普通じゃない。俺は直ぐに立ち上がると月咲と共に外に視線を向ける。

同じ屋上にいた生徒達も、フェンスに近づきながら何が起きたのか確認しようとするが、よくわからない。
それと同時に救急車のサイレンが近づいてくる、遠くから段々と学園に、目的地は間違いなく学園だった。

校舎から入り口へ向け数人の男子生徒が、走り慌てて門の入り口を開く姿を確認する。

救急隊員が、担架を引きながら迅速に行動している、向かっている場所は西校舎。
さっきまで俺達のクラスが音楽の授業で使っていた音楽室がある校舎だった。
一体何が起きたのだろう、桜花学園は不良などが喧嘩をして大怪我をする様な雰囲気の学校ではない。
そんな事は先ず有り得ない。

―――すると、携帯電話のバイブの振動音が響く、携帯のディスプレイを見るとエイジからの着信だった。
俺は直ぐ様携帯に答え、携帯から伝わるエイジの第一声に衝撃を覚えた。

『もしもしエイジ?おい、救急車がいるけど何かあった―――』

エイジ
「もしもし!?昂四郎!おい、大変だ、大沢が・・・大沢が落ちた!」

俺の返答を待たずにエイジが慌てた口調で言い終える。
―――大沢が落ちた。ちょっと待てくれ。どういう事だ、・・・落ちた?どこから?なんで落ちた?何で大沢が?ってか落ちたってどういう意味だ。
俺の頭の中で様々な憶測が過り混乱していた。

エイジ
「凄い怪我で、さっき1年が倒れてる大沢を見つけて、ちょ・・また後でかけなおす、おい!大沢!大沢!大丈夫か、・・・―――」

現場の緊張感が肌に伝わり電話は切れた。外を見ると担架に運ばれる大沢がいた、近くに大声で大沢の名前を叫ぶエイジやキヨちゃん、クラスの女子生徒達。
担架で運ばれる大沢は顔から出血をし床に滴り落ちていた。
酷い怪我の様子だと誰が見てもそう思う姿だった。
回りには野次馬で溢れていたり、悲鳴を上げたり泣いている生徒も居た。先生達は生徒を近づけ無い様に教室に戻る様に声を張る。
屋上にいた生徒達も事の重大さに呆然としていた。


月咲美代子
「昂四郎君・・・!怖い・・」

フェンスから光景を見て着信が終わった携帯を握りながら唖然とする俺に、月咲がギュッと強く抱きしめてくる。
月咲は震えながら一連の流れを見ないように顔を俺の胸板に埋めていた。
暫くすると澄んだ瞳から大粒の涙を出しながら俺に抱きつく、涙で俺の制服のシャツは濡れるがそんな事も忘れて俺は月咲を見下ろしていた。

『だ、大丈夫、月咲大丈夫だぞ。大丈夫・・・』

月咲美代子
「昂四郎君・・・このまま・・・抱きしめて下さい。このまま」

俺はこんな光景を女子が見たら泣くに決まっていると思いながら、月咲を泣かない様促す。そして月咲を抱きしめる。

―――そうだ、こういう時に俺がしっかりしないと駄目なんだ、俺がしっかりしないと。
とにかくしっかりしよう、俺の中で気持ちは高まっていった。それがどういう未来に向かうのかそんな事も知らず、俺はひたすら月咲を、ただただ、抱きしめていた。





第3話 完 つづく

210 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/25(金) 13:06:11 ID:0Dg+H06n
第4話  次回予告 純 粋 

同じクラスの学級委員、大沢明美が校舎から落ちるというショッキングな事件に桜花学園は揺動く。
そんな中月咲と昂四郎は絆を深めていき月咲の行動はますますエスカレートし、月咲の行動に疑問を少しずつ蓄積していく昂四郎。
―――そして大沢の事件を調べるエイジ達が知った事実とは・・・

次回第4話 純 粋 お楽しみ下さい。



投稿完了です、また次回投稿します、連レス失礼しました。次回はもっとコンパクトにする様に頑張ります(汗)
失礼しました!

211 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 13:23:17 ID:V0wYf8GF
GJです。

昼飯がてらに読んでいたくど、なんか腹減りが治まった

212 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 14:01:03 ID:LTtk+voH
>>192
うぉぉおおぉおぉぉ伊南屋さん来てたのかっ!!!!久しいな!今更ながら超GJ!

213 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 14:03:39 ID:jeguDLO9
GJ
名前「」ってのはできたらやめてもらいたいんだがダメかな?
正直読みにくい
面白いだけにそこだけが残念

214 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 14:13:25 ID:6+lcC6d2
>>210
前半のデレの裏で月咲さんはなにやってたんだろうか、しかしこれは怖いw

215 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/07/25(金) 15:10:41 ID:6YcsWuPM
>>210
次回にも期待していますよー♪

216 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 15:30:23 ID:wWC2tYc6
>>210
ハイペースGJ

>>192
おひさです

217 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 17:12:09 ID:Q33/OgFh
いやいやgj!

218 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 19:13:08 ID:g7GpyuOz
もう3話キター!!!!GJGJGJGJ

大沢さん(´・ω・`)カワイソス

219 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 22:48:54 ID:L9vvQbsP
どうも、前回いい感じに頭が腐ってる文章を投下した者です。
今回はオリジナルを書いてみました。
題名は『歪ンダ家』です。

220 名前:『歪ンダ家』[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 22:49:32 ID:L9vvQbsP
数年前、母は父に見捨てられた。
家に残された母と別れる主旨がつづられた一枚の紙切れと共に父は家から出て行ってしまった。

中学一年だったその頃の俺はサッカー部に入っていて、いつも夜の八時まで練習に明け暮れていた。
そんなある日いつものように腹を空かせて家に帰ると俺は家の雰囲気がおかしいことにすぐに気がついた。
夜の八時という辺りが暗闇に包まれる時間にも関わらず全く電気のついていない我が家。
そして暗い玄関の入り口で体育座りで泣きじゃくる小学一年生の妹の姿。
「桜っ!?」
「・・・・お兄ちゃん?うわぁああああお兄ちゃぁぁああんん!!」
俺は泣き叫びながら抱きついてきた妹に一体どうしてしまったんだと聞いた。
嗚咽でなかなか声を聞き取れなかったが、何とか母親に何かが起きたという事だけは理解できた。
妹の頭を撫でながら俺は玄関を開ける。しんとした廊下が現れ、下には母の靴だけが綺麗に置かれていた。
「母さん、どこ?」
「えぐっ、う、うぅ、だ、台、どころぉ。」
「そうか。ありがとう」
妹の頭をくしゃりと撫で、俺は母がいる台所へ向かった。
「母さん?」
自分の呼びかけに返ってきたのはやはり静寂。照明スイッチを手で探し当てスイッチを押す。
辺りが明るくなり全体が見えてきた。
「っ!!」
母は冷蔵庫にもたれかかる様に座っていた。
「母さんなんで台所を暗くしてこんなところで座ってるんだよ!桜が怖がって泣いちゃってるじゃない・・・・うっ」
思わず言葉を止めてしまったのは母が異常な状態だったからだ。
「か、母さん?」
「ママ・・・・・・、さ、桜が帰ってから・・・・・・・ずっと・・・・・ひっく、このままなの・・・・・・」
背中にしがみついた状態で妹は説明した。
「ずっとこのまま!?」
思わず大きな声で聞き返してしまったせいで妹はびくりと身体を震わせた。
俺は後ろを振り向きごめんと謝罪し、再び母を見据えた。


221 名前:『歪ンダ家』[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 22:50:32 ID:L9vvQbsP
明らかにおかしかった。
まるで何時間も泣いていたかのように充血し、どこを見ているかわからない焦点の合わない瞳。
いつもにこにこと微笑み、自分や妹を暖かくさせた顔は人形のように固まっている。
ウェーブのかかったセミロングの綺麗な髪はぼさぼさ状態でまるで化け物みたいだった。
「うぅ・・・・・・」
知らない、自分の知らない誰かがそこにいた。
「かあさん、なあ母さんどうしちゃったんだよ!母さんってばあ!!」
数度、肩を揺らし続けやっと母に動く気配が感じられた。
「どうしたの?」
「・・・・・・・・・・」
まだ焦点の定まってない目で俺を見つめ母は一人ごとのように語った。
「あのね、お母さんね、パパに捨てられちゃったの。パパは他のオンナと一緒に家から出ていっちゃったの・・・・・・」
乾いた笑い声を上げて母はくしゃくしゃにした紙くずを俺に投げてきた。それがあの紙切れだった。
「うふ、捨てられたぁ。優治さんに・・・・・・、あはははは」
母が壊れていく。
多分その頃の俺は直感的にそれを感じたのだろう。きっとここで自分が何かをしなければ母は二度と帰ってこれなくなると。
そう感じてからは俺の身体は迅速に行動した。
母の両手を握り締め、こういった言った。
「大丈夫、だよ。僕が、僕がずっと母さんの側にいるから。ずっと、すっと側にいるから!
だから・・・・・・、安心してよ。ね?母さん」
「かずみ・・・・・・・」
その後母は桜よりも大きな声で泣くし、痛いくらいの力で抱きしめてくるし、次の朝まで離れてくれなかったしでそれは大変だった。
けど俺はきっとこれで母は元に戻ってくれると安心した。
母を捨てた父、優治が母を捨てる直前まで見せていた笑顔は嘘だったのかと思うと殺してやりたい位にむかついたが、
きっと母なら立ち直ってくれるとその頃の俺は信じていた。
信じていたんだ・・・・・・・。



222 名前:『歪ンダ家』[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 22:51:17 ID:L9vvQbsP
月日は流れ、俺は高校三年生、妹の桜は小学六年生になった。

「ただいま」
「お帰りなさい和実」
そう言って玄関を開けるといつものように母が廊下で俺の帰りを待っていた。
「今日も時間通りに帰ってきたわね。偉いわ和実」
うふふふと微笑みながら彼女は靴さえも脱いでない和実の胸に抱きついて背中をゆっくりと撫でた。
「今日の晩飯何?腹減った」
「今日はすき焼きよ」
「そうなんだ」
そんな他愛の無い会話をして和実は母の抱擁から抜け出て靴を脱ぐ。
そして台所に向かおうとすると母に手首を掴まれた。
「何母さん。俺腹減ってんだけど」
「もう、和実ったら何度言わせたら解るの?」
「・・・・・・わかったよ」
和実は無言で母の両肩を掴み、
キスをした。
「ん、くちゅ、んふ、んん!!」
強く唇を押し付け舌を口内に侵入させる。唾液を流し込む。
「んぐ、ごく、んちゅ、んん・・・・。ぁふぅ・・・・・。じゃあ・・・・、晩御飯に、・・・・しましょうか」
はぁはぁと息を切らす母は満足げに言った。
和実は恍惚としている母に見えないように口を拭った。
そう、母はあれから立ち直れなかったのだ。
あの時母の心はすでに壊れていて修復不可能の状態になっていたのだ。
あの日から母を何とかしようと少しずつ努力はしたがそれは空しい結果に終わった。
あの日から母は異常なまでに俺という存在を求めてきた。
先程のキスもそうだ。学校に行っている間の埋め合わせのように毎日家に帰れば同じことを求めて来る。
うんざりするが俺は断ったりはしない。断ればまたああなるのは目に見えるからだ。
「ご馳走さま。うまかったよすき焼き」
「よかった。母さん頑張ったかいがあったわ」
「夜食頂戴」
「はい。和実は中学生から勉強頑張るようになったわねぇ」
「みんなやってることだよ。じゃあ勉強してくるね」
「頑張ってね」
和実は母に作り笑いを見せ、手にしたおにぎり三個と少し残ったすき焼きを入れたタッパーと箸を持って二階の自室へ向かった。




223 名前:『歪ンダ家』[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 22:51:45 ID:L9vvQbsP
「ごめん、遅くなって。お腹減ったろ?」
部屋には妹、桜がベットに仰向けに寝転がっていた。
「ううん、全然大丈夫。気にしないで兄さん」
むくりと起き上がり瞼をこする桜。
「寝てたのか?まぁいい、今日はすき焼きだったんだ。うまかったぞ、ほら」
和実は妹の隣に座り、タッパーの中身を見せた。
「わぁ本当だ、美味しそう。ふふ、何だかこれ見てたらお腹減ってきちゃった」
「だろうな」
「 ね、だから早く食べさせてよ 」
「・・・・・わかった」
すき焼きの肉を二、三枚箸で摘み和実はそれを咀嚼する。その光景をみて桜はごくりと喉を鳴らした。
もぐもぐと噛む事十秒、和実は自分の口の中にあるどろどろになった肉を妹の口の中にキスをする形で流しこんだ。
「ん、んぐぅ、むぐむぐ・・・・・。ぷはぁ、美味しぃ。ねぇ、もっと頂戴?」
「わかった」
ぺろりと唇を舐める桜に和実は心が痛んだ。
あの日以降母が変わったのは俺を求めるようになっただけではない。
妹を完全に無視するようになったのだ。何故だかは知らない、ただその事実は小学校一年生の桜の心に深い傷を負わせた。
母は妹の世話を全くしなくなくなり代わりに俺がしなければならなくなった。
とにかく妹に食事をさせなければならないので俺はコンビニで買ってきたパンを妹に与えたが、一向に妹は食べようとしない。
最初は腹が空いてないのかと思っていた。しかし二日もそういうのが続くと流石に俺もおかしいと気づき始めた。
何度食べてくれと願っても自ら食べようとしない桜に俺は意を決してパンを自らの口に入れた。
そしてペースト状になるまで噛んだ後、妹の口の中に無理矢理ねじ込んだ。
桜の驚きに満ちた目が俺を見る。何て言われても構いはしない。
食べてくれなければ妹は、桜は死んでしまう。
そんな俺の思いに応えてくれたのか、桜はやっと食事を取ってくれるようになった。この方法でならばだ。
「んぷ、ちゅっちゅ、あはぁ、んぐぅ」
最近はやっと学校の給食を一人で食べれるようになったらしいが、家にいる間は断固して食べてくれなかった。
「えへへ、うんん」
頬を蒸気させた妹を見て、目的が自分の口にある食物を絡め取る以外のために舌を積極的に絡め、
そして淫らに長い髪を揺らす桜を見て、和実はしきりに痛む胸に俺は間違っちゃあいないと何度も言い聞かせた。


224 名前:『歪ンダ家』[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 22:52:19 ID:L9vvQbsP
母だってそうだ。
母は美しい、綺麗だ、美人だ。そんな母が昔のように微笑んでくれるのはとても嬉しいのだ。ほんの少し目を瞑っていれば母は昔の母でいてくれる。
自分は母を精神の崩壊から守っているのだ。
妹だって同じだ。
自分があのまま桜を放置していたら絶対桜は衰弱していく一方で死んでいたに違いない。純粋で俺の心を癒してくれる桜がいない生活なんて想像もしたくない。
自分は桜を生かしているのだ。
そうだ、俺は俺の世界を守ってるだけなんだ。
「んふぁあ・・・・・。美味しかったよ兄さん、ご馳走様」
「ああ・・・・・」
妹の食事が終わった。あとは妹は自分でやってくれる。
俺は妹に風呂に入ると告げ一階に降りた。
脱衣所につき、扉を開けると下には母の下着と曇りガラス越しに見える母の姿とシャワーの音が奥から聞こえた。
俺は素早く撤退しようと後ろを向いたが母は見逃さなかった。すでに、母の手がバスルームのドアを開けて俺の肩を捉えていた。
「どこ行くの和実、お風呂に入りに来たんでしょ?」
「いや、母さんが先に入ってたから俺は後で・・・・」
言い終わる前に母が肩を引っ張り、俺と母が正面を向かわせる形にした。
「そんなつれないこと言わないでよ。
嫌なの?       」
そこには母の顔が な か っ た 。
「あ、あぁ・・・・・・」
即座に和実の頭が警報を鳴らす。
まずい、やばい、いけない、と。母を守らなければ、己の世界を守らねければ・・・・・・、と。
「・・・・ち、違うよ、ちょっとした冗談だよ」
「なぁんだ、母さんびっくりしたじゃない。じゃあ早く入ってきてね?待ってるから」
「うん」
ニタリと昔とは違う、異質な微笑みを見せた母はとても四十を超えたものとは思えない一糸纏わぬ身体で和実を抱きしめてからバスルームに戻っていった。



和実は思った。



俺は間違っちゃぁいない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


225 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 22:56:09 ID:L9vvQbsP
異常です(  ゚ω。)ノうっほっほ


226 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 22:56:52 ID:3nxFYHsk
>>225
一番槍GJ
これは良いwww続きが楽しみ

227 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 23:02:27 ID:F+35Q1+Z
なんという腐り具合
だがそれがいい

228 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 23:09:03 ID:W3OX/nFO
>>225
いいぞ
もっとやれ

229 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 23:12:36 ID:gYDdjVQB
>>225
これは兄カワイソス
だがそれがいい

230 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 23:24:45 ID:LQdwtzN3
>>225
GJ!
これはいい病みっぷりですね。

231 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/25(金) 23:29:23 ID:lXI0LHnq
>>225
母も妹も良い感じにキモくて最高ですね

232 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/26(土) 00:01:01 ID:V0wYf8GF
キモ妹とキモ母か








けしからんもっとやれ


233 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/26(土) 00:02:23 ID:F+35Q1+Z
ヤンデレの幼なじみはどこいった

234 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/26(土) 00:18:16 ID:PJP2k+Ej
>>225
マインドフレイアに脳みそ吸われたんだな

おかげでいい感じにGJ!

235 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/26(土) 01:25:54 ID:ge+PWwM8
>>225
果物は腐りかけが一番甘いという
GJ

236 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/26(土) 03:40:02 ID:miMOVaJR
>>225俺も腐ってるから安心しろ

237 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/26(土) 06:00:06 ID:E+sOBD/x
>>225
また、逢うたな

238 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/26(土) 08:30:23 ID:GGudx1V7
>>225
あ、腐ってる人だー!(ほめ言葉)

239 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/26(土) 12:06:03 ID:P0Rh6nix
次の敵は病んだ従姉妹や幼馴染とかですね!

240 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/26(土) 13:44:42 ID:4rhSOgRS
>>225
神ktkr

241 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/26(土) 14:23:25 ID:4rhSOgRS
ところで続きはまだかね? ( ・∀・ )

242 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/26(土) 15:22:15 ID:dMMwxQ9z
第4話 純 粋

【大学生時代/昂四郎マンション】

『そうだ・・・大沢が落ちたんだっけな・・・』

「別に・・昂四郎は悪くねーよ。忘れてたのは、そのなんだ・・・まぁ~後で言うわ。」

体が少しずつだけれど、軽くなってきた俺はベットに座りながら自分の足の親指に特に、意味もなく視線を向け、ソファーに座るエイジの話を聞いていた。
そうだ、大沢明美が校舎から転落した事件。
当時、新聞やテレビで特集されるほど大変な騒ぎだったと思う。自殺未遂か、はたまた事故か、学校側の安全面の配慮はどうなっているんだとか、テレビの評論家達が偉そうに批判していたのを思い出す。
それよりもエイジが言った俺が月咲に起こった事、その言葉がいまだに顔面を殴られたかの様な衝撃を覚えて深夜の眠さに重なって気持ちは沈みがちだった。
月咲が、俺に・・・。そんな事ありえるのかよ。完璧に記憶から消えている。とにかく、エイジの話を引き続き聞いた。


「・・・今、大沢は北海道の大学に行ってて元気にやってるけどな。まぁ、それはいい。昂四郎。お前は高校2年の夏休みから冬までの事覚えてるか?」

『正直、部分部分を覚えたり覚えてなかったりだ・・・俺は、そうラグビーしてたっけ。そんくらいしか・・・けれどさ、そんな鮮明に覚えてる奴なんて滅多にいねぇぞ?俺みたいなの、普通だと思うんだけれどな・・・』

「・・まあな。簡単に言えば、今「小学校に通っていた時の事を毎日、鮮明に何が起きたか覚えてるか?」ってのを聞かれてる様なもんだし。けどな、昂四郎?お前は覚えていなくちゃいけねーんだよ。あの後起きた、月咲との事を。」

『月咲との・・・事・・・?』

エイジはそう言うと、煙草を歯で噛みライターで火をつけ、白紫煙を吐き出しながら、そう告げた。
その後起こった事をゆっくりと落ち着いた口調で話をしてくれた。
あれから起きた事。
―――そうだ、転落事件以降、俺達の周りに色々な事が起きたんだ。



【高校生時代/桜花学園】
大沢が校舎から転落してから3週間が経とうとしていた。校門の前には、いまだにチラホラとテレビ局のリポーターやマスコミが取材をしている。
学校に行くたびに取材を受けていい迷惑だった。
緊急保護者会が開かれ、職員室は対応で大忙しの様子で授業が自習になる事も珍しく無かった。
転落をした大沢を見た何人かの生徒が、精神的なショックで学校を休むという報告もあり、桜花学園は今までにない混乱に包まれていた。

幸いにも大沢の症状は、命に別状はなく落ちた場所が花壇であった為に土がクッションになり難を逃れたそうだ。
事件から一週間、まだ落ち着き取り戻さない学園では、急遽放課後、クラス毎でHRを開始し話し合いが始められた。

「学級委員の大沢が校舎から転落した件は、皆も知っていると思う。今、色々な情報が錯綜していて、先生達も正直、把握出来ていない部分が多くある。
大沢が転落したのは、西校舎の花壇だ。恐らく音楽室か上の図書室から転落したんじゃないかと、警察の方からのお話だ。
皆は大沢が最近元気が無かったとか、何か悩みを抱えていた様子だったっていうのはないか?
何でもいいから教えて欲しい。ご両親の方も心配なさっている、一刻も早くみんなが学業やスポーツに打ち込める様に先生達も努力する、力を貸してくれ。」

担任教師の話が終わると、大沢が欠けたまま、学級委員が1人、教壇に立つと意見を求めた。
教室が生徒達の声でざわつく。
ふざけているざわつきではなく、何かを相談しているざわつきだった。
隣の席のエイジが、怪訝そうに俺に話す。

「昂四郎、お前どう思う?」
『どうって・・・何が?』
「大沢の事だよ、お前はどう思ってるかなって。」
『おう・・・・俺は事故じゃないかなって漠然だけど思ってる、本人に聞くのが一番早いんだけれど・・・今はそれは難しいし、自殺とかそっち方面じゃないだろ、あいつもうすぐ剣道の大会だったし。けど正直わからねぇな。』
「そうだよな。・・・・うし、昂四郎!俺さちょっと大沢の事調べてみるわ。あいつが、何で落ちたのかさ」
『エイジ、そういうのは警察に任せとけよ。俺達じゃ足手まといになるだけだぞ?』

「大丈夫だって、危ない場所に行くわけじゃあるまいし。それに何か気になるんだよね。心配しすぎだ熊さんは。」
『・・たくっ、俺は知らねぇかんな?』

243 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/26(土) 15:26:34 ID:dMMwxQ9z
エイジと会話をしている中、俺も色々と考えていた。
大沢があの時俺に言おうとした事は何なのか、電車で何を見ていたのか、それが今回の転落の事と何か関係でもあるのか。そんな事を考えていると懐に仕舞っている携帯がバイブの振動を鳴らしていた。

―――月咲だ、最近は前にもまして頻繁にメールが来る。こっちが返信すればする程、月咲もそれに答える様に返事を出す。
最近は、メールを返せない事も多くなってきた。話題は月咲が振ってくれるが、部活から帰ってきてメールがきても返せない事が多い。
流石に疲れてしまうからだ。俺の携帯には見開封のメールさえある程だった。
最近は画像も多く添付されている、月咲の写真が殆どだ、今帰り道です。とか、今からお風呂です。明日一緒に帰りましょう。とか正直返信には困るけど、女の子ってこんなものなのか?
そんな事を考えている内に、HRは終わった。暫くは部活動や文化部の活動は一週間程、自粛になってしまった。
部活を終えた生徒達にしつこくマスコミなどが取材をし、苦情が学校側に殺到したのが理由らしい。

「・・・昂四郎君!」
部活が中止になった為に俺も帰宅しようと校門を抜けた時、誰かに声をかけられる。
月咲だった、校門のところで後ろに手を組みながら微笑んでいた。
最近は月咲とよく帰る。昨日、初めて俺から手を繋いだ。
何かお互い仲が良くなっていく感じになってきたし、まぁほんの数秒間だけれど、月咲も嫌な顔はしていなかった。
不思議に思うのは何で、俺の下校時間が解ったんだろう。部活ならある程度の下校時間が解るけれど、誰かから聞いてるんだろうか。
月咲は俺以外の人にはあまり話さない筈だ。

「・・・一緒に帰りませんか?」
『お、おう。いいぜ』
特に断る理由も無かったし、直ぐに了解し帰る。駅までの続く道、ゆっくり歩いてだいたい10分かそれくらいか。
近道の公園の並木道を通りながら月咲は俺の腕に両手を握り軽くもたれ、何を言うわけでもなく微笑みを浮かべていた。
俺も、月咲に特別な想いが芽生え始めていた、俺の腕によりかかるのも最初は緊張していたが、慣れなのか、「月咲はこういう奴なんだ」という、先入観で俺の中では決めつけていた。
付き合うのも告白するだけの感じだった。俺もそれでもいいかなっという気持ちで溢れていたし、きっと月咲も同じ気持ちなんだろう。
俺は暑い日差しに目を伏せながらそんな事を考えていた。
―――暫く歩いていると月咲が俺に言う。

「大変な騒ぎですね・・・」
『・・・ああ、流石に大怪我だったしな。とにかく、大沢が無事で良かったよ』
「あの時私、嬉しかったんです・・・」
『・・・え?』
「だって・・・昂四郎君が私を抱きしめてくれたんですもの」
突然の月咲の言葉に俺は、少し困惑した。大沢の事は、知り合いではないかもしれないけど、まるで「大沢の事はどうでもいい」と言われた気がした。俺は不愉快になった。

『・・・月咲。その言い方はちょっと酷いと思うぞ?大沢と知り合いじゃないかもしれないけど、大沢だって今は怪我で大変なんだ。もうちょっとさ―――』

軽く注意するつもりで言ったつもりだった。もうちょっと言い方ってもんがある。月咲は俺を見上げながら聞いていると突然哀しそうな目をして俺に言う。

「昂四郎君・・・何でムキになるんですか・・・?」
『え、別にムキになってるわけじゃ・・』
「なってます・・・昂四郎君、何で最近、私のメールの返事くれないんですか?前は、返信しても直ぐに送ってくれたのに!!」
『いや、それとこれとは・・・』
「・・・昨日のお弁当のオカズちょっと残ってました。何で食べてくれないんですか?せっかく作ったのに・・・・・・」
『そ、その、別に残すつもりじゃなくて食べきれなくてさ、・・・・ごめん。』
「大沢さんの事ばっかりじゃないですか・・・なんで友達のあに人の話ばっかりなんですか!?」

俺の言葉を遮って月咲が俺に言葉を交える。
段々と口調が荒くなる月咲に俺は固まってつい謝ってしまった。すると、突然月咲が抱きつき俺の胸板に顔を埋める。
俺は突然の事に動けない。

244 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/26(土) 15:31:04 ID:dMMwxQ9z
「昂四郎君、私の事だけ見ていて下さい。私だけ感じていて下さい。大沢さんの事なんて心配しないで、私だけ心配してください!!昂四郎君は、私を見ていればいいんです!昂四郎君・・・!昂四郎君・・・・!」
『・・・つ、月咲・・・どうしたんだよ、何か・・あったのか?』
「あ・・・ご、ごめんなさい、あの私、不安で・・・どうしたんだろう、いきなり。本当にごめんなさい・・・でも昂四郎君は・・・私の・・・」

月咲の予想外の行動に驚くばかりだった。
いつもは大人しく控えめな月咲が突然、口調を変え道の真ん中で俺に詰め寄り、見上げ涙を浮かべながら俺に想いをぶつけ、俺が動揺しているのを見ると素に戻ったかの様に自分の涙を手で拭い謝罪をする。
まるで今まで我慢していた感情を一気に出された様な感じだった。

俺に好意を持ってくれているのは、解るが月咲のあまりの異常さに不信感が募る。
『・・・おう、月咲悪い。ちょっと今日寄るところがあるから先、・・・行くわ。』
「・・・・・・・」
『本当ごめんな、んじゃあ、・・・またな』
『・・・・・・はい・・・』

悲しそうな表情で黙って俺を見上げる月咲にたまらなくなり俺は、寄るところも無いのに嘘を言って公園の並木道を早々と駆け出し、俺は月咲と別れた。嘘なんてつきたくはなかった。
けれど、月咲が怖かった、あの目、あの顔。
月咲との仲がもっと悪化するんじゃないかと心配になった俺は、そのまま家へと帰った。


「昂四郎君・・・・どうしてなんですか・・・昂四郎君・・・私以外の人に優しくしないで下さい・・・」
並木道に残って俺が見えなくなるまで視線を向けた月咲が、そう呟き公園のセミの音がうるさく泣いていた。

【桜花学園/図書室】
「怖ッ!・・・こんなところから普通落ちるか~?俺は絶対、無理。無理。何かてがかりないか、時春、何か見つけた」
「だ~か~らぁ、何もねーよぉ。証拠とかあっても素人の俺達じゃ無理ぃ。キヨちゃんも予備校で帰るしぃ、俺もバンドの練習あんだけどぉ~」

図書室の棚を眺めながら、時春がけだるそうにエイジに大きな声で言った。

―――滝本時春。高校時代からの友人。バンドを結成していて歌は上手い。
どうやら、下校の時にエイジに無理矢理誘われていたらしい。時春は、面倒くさそうに辺りを見渡して欠伸をしていた。

その頃、エイジと時春は図書館から大沢が落ちたという、花壇を窓から眺めていた。
音楽室は鍵がかかっており、入れはしなかったが運よく図書室の鍵は開いていた。
もう学園には、殆どの生徒が帰宅していたけれど、エイジはそれを狙って誰もいない図書室を見て回ったが特に変わった形式はなかった。

「はぁ~やっぱ警察とかじゃないと証拠探すのとか無理か。昂四郎の言ってた通りになるとは情けないぜ。・・・・帰るか」
「もう俺はぁ~帰るぜぇ~エイジまたなぁ~」
「お、おいおい!時春!俺、一人にすんなよ~・・・」
時春が痺れを切らして図書室の扉を開けて時春は帰って行った。
時春が帰った事に溜息を吐きながら、椅子に座り静かな図書室を見渡す。
―――その時、誰かが図書室の扉を再び開く。

目に写ったのは、女子生徒だった。
雰囲気から見て図書委員の様だった、大量の本を台車に乗せ中へ運ぶと、エイジを不思議そうに見つめている。

245 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/26(土) 15:34:52 ID:dMMwxQ9z
「なんだよ驚かせるなって!あん、一年か。お~い、さっさと帰えらねーと先生に怒られんぞ~」

「あの、ごめんなさい。でも、あなたも早く帰らないと!」

「お、俺はいいんだよ!ったく、俺は今大切な仕事の最中なんだよ!

「大切な仕事?」

「おう、転落した女子の事。事故にしてはおかしいだろ?だから証拠探しだよ証拠探し、誰にも言うなよ~?」

「・・・・・・・」

「あん・・?な、何黙ってんだよ・・?おかしいかよ」

「あの、私・・事件の時、大沢さんが図書室に入るところ、見たんです。」

「はぁ!?マジで!!?お、おい詳しく聞かせろって!」

「は、はい。お昼ちょっと前に私、準備室の鍵を閉めを確かめに見に行ったんです。誰かと一緒に図書館に」

「おい!誰か、って誰だよ!誰と一緒に入ったんだよ!」

「よく見えなかったんですけど、あの、えっと、確か金髪の女の子と一緒に・・・」

「金髪の女の子・・・月咲・・?お、お前!!なんでそれ先生とかに言わなかったんだよ!!」

「で、でも大沢さん一度図書室から出て行ったし私、あんまり関係ないかなって・・その・・・」

「図書室から一回出て行った?・・・・どういう事だ、図書室から落ちたんじゃねーのか、何で月咲と・・ああああ!!わけわかんねぇ~!!!」

―――意外な場所でエイジが重要な証拠を掴んでいた時、俺は電車に揺られながら見開封の大量のメールを削除していた。
あの時の月咲の黒い目。表現できない嫉妬で一杯になった視線で俺を見つめた痺れる様な感覚。
月咲の事はどこかで気にはなっているし好いているのも嘘ではない。
けれど、とにかく月咲が怖い。
今までの行動が段々と違和感に感じる様になってきた、そんな感覚にとにかく逃げたい一身だった。


第4話 完 つづく

246 名前:野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak [sage] 投稿日:2008/07/26(土) 15:39:31 ID:dMMwxQ9z
第5話 次回予告 彼 岸

月咲の異常な愛情に引かれながらも困惑する昂四郎。
エイジの月咲に対する不信感に、昂四郎は月咲に尋ね。
―――昂四郎を熱愛する、月咲の行動は止まる事はなく、そして・・・・・

次回第5話 彼 岸 お楽しみ下さい。

>>213
アドバイス本当にありがとうございます、実験でやったつもりがやはり見えにくいですね(汗)
気をつけます。本当にありがとうございました!

皆さんレスありがとうございました、また次回投稿します、ありがとうございました。連レス失礼。

247 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/26(土) 15:40:40 ID:W7MEVQ3S
いい感じに黒いね。
楽しみに待たせていただきます。

248 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/26(土) 16:15:41 ID:VxL8Ksdz
>>246
乙乙
月咲さんが詰め寄る場面で思わずニヤニヤしてしまった

249 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/26(土) 17:24:25 ID:4rhSOgRS
GJ

250 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/07/26(土) 19:17:27 ID:mAFOnIuF
>>246
いいねいいね。次回も期待。