501 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 03:30:41 ID:4AVSTPuo
>>499GJ。ツンヤンデレ幼なじみイイヨイイヨー。

502 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 05:06:10 ID:5gTHookF
>>499
GJだよ
ツンデレ系のヤンデレもいいよーいいよー
テンション上がったからヤンデレンジャーのSSを
書いてみた


レッド「出たな怪人アンパン●ン」
アン「ぐははっ!顔が濡れて力が出ない!!」
イエロー「ブルー!レッドの隣変わりなさいよ!」
ブルー「嫌・・・」
ピンク(ふふっこの隙に私がレッド君の右隣に行っちゃうもんね~)
ブラック「そこは私の定位置だ遠慮してくれないかピンク」
ピンク「たまにはいいじゃないですか~」
ブラック「駄目だ」
ピンク「むぅ~(こいつ近い内に始末してやる)」
イエロー「ブルー!いいからかわりなさいよ!!」
ブルー「嫌・・」
イエロー「なら力ずくでどかせてあげるわ!!」
ブラック(レッドカッコイイよ・・ハァハァ)
ピンク(こいつ私のレッド君見て興奮してる!絶対許せない・・・)
アン「羨ましくなんかないんだからね><」
レッド(はぁ~そろそろ仮●ライダー辺りに転職するか・・)
これヤンじゃないな
しかし勢いで書いてみた凄い後悔してる
>>499さん
すみませんでした

503 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 05:17:03 ID:LYU8YY72
つまんね。スレを汚すな

504 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 06:31:34 ID:cBDrw0/N
また、主人公の思考が一番病んでるパターンか……
このパターンじゃないとヤンデレものって書きにくいのか?

505 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 06:34:41 ID:BAFF7U/V
>>504
レッテル貼り乙

506 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 08:03:00 ID:QkpaHj0W
>>498
乙~
正義が戻って来て、心底嬉しそうな佳奈美に激しく萌えたw

507 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 08:45:20 ID:V6tyD+eR
>>499
いいよいいよー
GJだよー


しかしヒーローきどりって見て某主人公が浮かんだのは俺だけじゃないはず

508 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 08:52:29 ID:pn3c0+yr
>>499
GJ!
ツンヤンも中々おもしろいな

509 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 09:06:41 ID:k3fUcFFP
>>507
佳奈美は女の子だから(ry

510 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 10:03:08 ID:MkuqJMbO
最近投下数増えてしかも良作ばかりときた。
依存といいツンヤン幼馴染みといい好みばかりでにやけてしまう。
GJです。

511 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 15:36:23 ID:1MVPi2iM
>>499
GJ

>>508
俺と一緒にダメ主スレに帰るぞ

512 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 17:41:38 ID:tYkN2a6U
>>498
gj
正義の父親は小山力也ボイスですね、わかります

513 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 20:00:40 ID:qPRlzb3D
GJ!!!

514 名前:もう何も信じない 第8話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/27(土) 22:17:02 ID:YnfkDxZ1
第8話投下します。
病み要素少ないですが、嵐の前の静けさとでも思ってくださいorz

515 名前:もう何も信じない 第8話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/27(土) 22:18:05 ID:YnfkDxZ1
「相談があるんだ。」

そう、右京に言われた。
思えば、これが全ての元凶だったんだ。

「なんだ?」
「ここじゃちょっと…放課後、図書室に来てくれ。あそこならその時間人はいな
い。」
「構わないが…光も一緒でいいか?」

そう、光を独りにするわけにはいかない。あんなことがあったんだし。

「それは…まずい。お前にだけ話したいそうな…いや、なんでもない。」
「?気になるだろうが。」
「気にしないでくれ。」

まあ…仕方ないか。右京は以前俺の悩み相談にも乗ってくれたんだし………
光は…どうしようか?

「てわけで光。終わるまでどっかで待っててくれないか?」
「……なに、僕がいちゃまずいの?」

頼むからそんな風に笑わないでくれ。怖い。

「右京がそう言ってるんだ。男同士でしか話せないこととかあるんだろ。」
「…………よくわかんないよ。」

放課後―――――

ガラッ

「おい右京。話って―――あれ?」
おかしい。なんで右京がいない。そして―――

「こんにちは。佐橋くん。」
なんで左京先輩が??
「ごめんなさいね。右京の友達の貴方と、どうしてもお話がしたかったの。」
「は、はあ。」

―――まずい。非常にまずい。光には「右京と会う」って言ってあるんだ。
しかも、「左京先輩とは会わない」って約束もある。
とにかく、早く終わらせよう。

「で、用ってなんです。」
「実は、私ね…………」

516 名前:もう何も信じない 第8話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/27(土) 22:19:13 ID:YnfkDxZ1
がちゃり


「ふう。ただいま~。」
「ただいま。」

俺は、なんとか自宅にたどり着いた。はっきり言って今の俺の精神はかなりすり減ってる。
光のこともさることながら…
左京先輩のお悩み相談もかなりぶっ飛んだものだった。
まさか、「実の弟を愛してる」なんて言われるとは思わなかった。
今世紀最大のびっくりだな。まだ100分の9世紀?しか経ってないが。
つまり俺は、右京の情報を聞き出すために呼び出されたんだ。
あのバカ野郎……明日会ったらただじゃおかねえ…

「はあ。なんか今日は疲れた。もう寝ないか?」
「そうだね、寝よっか♪」
飯は二人で外で済ませてしまった。風呂も明日の朝でいいだろう。

「ふぁ…おやすみ…光。」
「……おやすみ、歩…。」

なぜ俺はこのとき気付かなかったんだろう。この時の光の表情に。

「ふ…ふふ……歩…許さないよ………明日、たっぷり"おしおき"してあげるからね…?」

ほんと、後悔してるよ。



「……ん、朝か。おはよう、こ……う……?」

なんだ?手が上がらない。あれ、なにかが手首についてる。
あれは…極限まで実用性を重視した、無骨だがシンプルな美しさをも醸し出す、銀の……………

「おはよう、歩。ごはんできたよ?」

――人はそれを、手錠と呼ぶ――
じゃなくて!なんだこの状況!なぜ俺は四肢を手錠で固定されている!?

「おい光!なんのつもりだ!」
「それは僕の台詞だよ…?言ったよね、歩。右京くんと会うって。」
「あ…ああ…」
「じゃあなんで、他の女の匂いが歩からするのかなぁ!?」
「違うんだ光!左京先輩は「ふ―――ん。あの女と会ってたんだ。…嘘つき。」
「俺の話を聞いてくれ!昨日は――」
「歩……君はわかってないね。僕は、悲しいんだよ……。言ったよね………嘘ついたら、許さないって………。」
「……光っ!」
「ふ……ふふ………。たっぷり"お仕置き"してあげる………」



お仕置き!?お仕置きってなんだよ?俺死ぬのか!?
―――いやそれはない。それなら、回避可能なギリのタイミングで"視える"はず――
って冷静に分析してる場合じゃない!誰か、なんとかしてくれぇぇぇぇぇ!!


517 名前:もう何も信じない 第8話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/27(土) 22:20:15 ID:YnfkDxZ1
「はい歩。あ―んして。あ―――ん。」

歩は今、僕の愛情たっぷりの手料理を食べている。

「ほら、こぼしちゃだめだよ。」
「…っ光、もうやめろよ…」
「なにいってるの?これはお仕置きなんだよ?歩は今日1日、このままで過ごすんだ
よ?」
「そんな…。」

か、かわいぃぃぃ
ちょっと涙目な歩って、こんなにかわいいんだぁぁぁ
そんな目されたら僕…もっと虐めたくなっちゃう。

―――こほん。危ない危ない。本来の目的を忘れるところだったよ。

「さあ歩?ちゃんと残さず食べようね?ああ大丈夫。ちゃんと全部口移しであげる
から。あははっ…」

くちゃ………もぐ………ごくん……


――――情けない。こんな目に逢うなんて。泣きたくなる。
俺は今朝の食事をすべて光に"食べさせて"もらった。あいつは、
「おいしい?」
なんて聞いてくるが、正直、味なんか分かるか。おいしいけど。

それより、体が熱い。どうやら、食事に一服盛られたようだ。まさか光にそれをやられるなんてな…。
まあ、命には関わらなそうだ。今回は多目に見よう。

数時間後――――

前言撤回。俺死ぬかも。
くそぅ、一体何盛ったんだ!?なんで俺の―――
その―――
………頼む。どうか察してくれ。このままだと、幼稚園児すらお菓子金ないんだよ。
だめだ、思考が働かない――――



ふふ…おくすりはよく効いてるみたいだね。
シテほしいんだよね?苦しそうだもん。
でも、まだだめだよ。まだお昼ご飯があるんだから。もちろん晩ごはんもあるよ?

「さあ…お昼の時間だよ?」
「っあ…こう…もうやめてくれ……おれ…もう…」
「ふふ。どうしちゃったのかな歩。そんなに僕の裸えぷろんが気に入ったのかな?

「こ…ぉっ…!」

ぬちゃ…ちゅ…ちゅぱっ…
「ぷはぁ…そんなに舌絡ませちゃって…そんなに僕のおくちおいしいのかい?」
「…あ……ぅ……こぉ…」
「…仕方ないなあ。晩ごはん食べたら、ご褒美あげるから、ね?」
「うっ…あぁぁっ…まっ……まってくれぇぇ…もぉっ…がまん……」

518 名前:もう何も信じない 第8話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/27(土) 22:21:26 ID:YnfkDxZ1
―――最悪だ。
どのくらい最悪かって?
例えば、とあるエロゲでヒロインを換金…じゃなくて監禁して媚薬を与えたあと
何時間も放置してじらされた表情におっきしたことないか?ない?それはすまん。
だがまさにそれだ。おれは今、薬でじらされ放置されてる。だが不思議だ。頭は
こうクリアなままなのに、あいつの事を思うと……うあぁぁぁぁぁぁぁ!!

…はぁはぁ。もう…我慢できない…。
光とシタイ。おれの頭の中はそれだけだ。
こうなったら………



「歩?晩ごはんだよ?」
最後は、おくすりをたっぷり使ったごはん。ふふ…いっぱいじらしてじらして…何度も寸止めして……
涙目で屈服させて………僕の事以外考えられなくしてあげるよ…?
そうしたら、二度と僕から離れなくなるよね?ふふ……あははははははははははははっ!!

「ほぉら、おくち開けて?」
「光…光っ!」

どったんっ

「そんな!なんで手錠から抜け出て……」
「こお…もうがまん…できないっ……」
「ちょっ、あゆ、あぁぁっ!」


おれは今光と…その…シテる。
もう何回だろうか?部屋中、光の匂いでいっぱいだ。
だめだ。この匂いをかいでると、もう何も考えられなくなる―――


「はあ……はあ…こ…う……す…きだ…」
「あゆむっ!もお、むりだよお!はやく、いってよおっ!あたま、やけちゃうよおぉ!
っああぁ!また、いくっ!」

光のからだか小刻みに震える。手は頭を必死に抱えて、よだれと涙を流し、嬌声
をあげている。もう3回も…その…ご粗相…してる。

さっきから「もうやめて」と懇願している。それでも、止められない。
おれだって、頭が焼き切れそうだ。でも体が勝手に光を求めている。

「…っ!まだっ…いっ…たばかりなの、にっ!ああっ!あたまが!おかしくなっちゃ
うぅぅ!!あゆむぅ!ぼく……しんじゃうよぉぉ……!」
「こぉっ!すきだ…っ!!おれ、もっ!」

俺は、光のなかで、ようやく果てることができた。
―――やっと、やっと解放された―――

519 名前:もう何も信じない 第8話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/27(土) 22:22:54 ID:YnfkDxZ1
「歩ってば…ひどいよ…こんなになるまでするなんて…ぼく、腰抜けちゃって、立てないんだよ!?」
「すまん。」
「それに…僕が何十回もいったってのに、歩ったら、まったくいく気配なかったよね!?
いったいどういう体の構造してるんだい!!?」
「…それは、その…たまたま、だ。でも、よかったろ?」
「よかったけど…本当に頭おかしくなりそうだったんだよ!?
もし僕がぷっつんしたらどうする気だったんだい!?」
「そしたら、光が俺にしたことを、そのままやってやるさ。」
「僕を殺す気!!?それと……どうやって手錠から抜けたんだい?」
「それは、だな…」
「(ごくり…)」

「企業秘密、だ。」
「むき―――――っ!!」



言えるわけない。まさか、光とシタくて……手首の間接はずしたなんて。
ああ。俺も、相当の馬鹿だ。
でも、光といつまでもこうしていられたら…きっと幸せなんだろうな。もちろん薬抜きでだが。

だからこそ…俺は光を守らなくちゃいけない。
もう怖い思いなんかさせないさ。だから―――
ずっと俺のそばで、笑っていてくれ。



もう…歩ったら信じられない。本気でお花畑が見えたんだからね!?しゃれにならないよ!
でも…ああして歩に愛されるのって…好き。
だって、そうしてれば怖い思いしないもの。
あのひとときだけは、歩の愛をはっきりと感じられるんだから。

お願い、歩…もっと僕を愛して…歩にだったらどんなに狂わされてもいいから…
ううん、君のためならいくらでも狂ってあげるから。
もういっそ、一生…君のもとで縛りつけてほしいくらいだよ…

520 名前:もう何も信じない 第8話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/27(土) 22:24:36 ID:YnfkDxZ1
第8話終了です。
エロい描写って難しいなorz

521 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 22:29:50 ID:NKcUSi9a
お互い素晴らしく狂っててイイ! 

>病み要素少ないですが、嵐の前の静けさとでも思ってくださいorz

これで少ないってこの先どうなるんだw

522 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 22:32:18 ID:qPRlzb3D
それはもう風林火山の火のごとく、だろ

523 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 22:33:08 ID:DBIbEvN8
GJ…って全然少なくねえよwww
しかし、ヤンデレヒロインて主人公側から攻勢に出れば意外と脆いっぽいな
それはそれで向こうの思惑通りな気もするが

524 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/09/27(土) 22:55:20 ID:bKGltezu
お菓子金ないんだよくそ吹いたww


525 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 01:48:33 ID:RbAo4D1f
ヤンデレというのは

内気で暗くて引っ込み思案で疑心暗鬼になりやすいけど
根っこは純粋で好きな人だけは一途なヒロインのことを言うんだろうか

ひぐらしのレナみたいなヤンデレよりも、
純粋な想いが届かずにどんどんとヤンデレ化するような女の子のSSを書きたいが

ヤンデレ度が薄い作品になりそうだw


526 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 02:52:00 ID:WGJxaU6C
>>525の解釈でいいと思うな

ってかレナはヤンデレか否か評価が別れるキャラだから

527 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 03:12:39 ID:8xstJsxd
まーた定義の話か

528 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 03:42:33 ID:ciYQJjnn
だからあるぇは妄想だt(ry

529 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 03:43:01 ID:UV8m4dH2
まぁこのスレ的にはレナは非ヤンデレで決まってるから蒸し返さなくていいだろ

530 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/09/28(日) 05:36:39 ID:ToXuBOEp
決まった事にしたがる定義厨ウザい。

531 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 06:36:15 ID:UV8m4dH2
いちいちあげるバカもな

532 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 06:41:58 ID:bMCWLcz8
おまいら不毛な争い事は早く止めて、FF5のレナがヤンデレになる展開を今すぐ妄想するんだ

533 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 09:05:14 ID:RIU4+Dqm
FF5かよwww
あさっぱからか笑っちまったじゃねーかww

534 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 09:57:48 ID:rZHrshiR
ここのスレ住民は昔からひぐらし(ryはヤンデレじゃないヤンデレじゃない言ってきてるんだよ
荒れる元になるからひぐらしを出すのは控えて欲しい

ヤンデレの定義なんて人それぞれだとは思うけどさ

535 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 10:00:14 ID:ciYQJjnn
FF5だけではなく初代辺りの名前決めでもレナはいた希ガス

536 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 13:30:45 ID:QEgX7qBC
最近、裸が寒い時期になってきたけど投下待ってるときの防寒対策どうしてる?

537 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 14:02:53 ID:+s1nynBR
俺のネクタイマフラーになってるから大丈夫

538 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 14:08:53 ID:6Q/Kb+Qo
毛布は服にカウントされないから大丈夫

539 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 14:22:55 ID:vkTi5un+
妹の人肌で温まっている

540 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 14:42:03 ID:wC0TMwPT
>>525
そうなるとスクールデイズの桂言葉みたいなヒロインになってしまうから
そういう定義になるとスクールデイズの二番煎じみたいになるから
俺はいろんなヤンデレがあった方がいいと思うな

541 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 14:50:43 ID:6Zm+uS6L
主人公を病的に愛している。
それだけでいいだろ

542 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 15:25:04 ID:NXxS8N7Z
でも主人公傷つけるのは自己満だとおもうんだな

543 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 15:39:34 ID:gfF3bG+w
>>541
だな。それぐらいがそんなに肝も冷えなくて良い
主人公が大好き→主人公君に近寄る人間は皆八つ裂きだよ☆までいくと、
ヤンデレの思考が進化し過ぎて逆に接触しづらい

544 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 18:20:59 ID:EV9Z2XVX
ヤンデレって一方的な愛の完成系みたいで好きだ、双方がヤンデレってのも面白そうだけど

545 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 19:52:49 ID:6Zm+uS6L
ハッピーエンドのヤンデレも大好きだ

546 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 20:04:15 ID:v2dTVBXH
ハッピーエンドといっても色々あるぜ

・主人公とヤンデレにも世間一般的にもハッピーエンド
・主人公とヤンデレ的にはハッピーエンド
・ヤンデレ的にはハッピーエンド

547 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 20:15:32 ID:WxtCZLQ/
・泥棒猫的にハッピーエンド

548 名前:もう何も信じない 第9話[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 20:29:30 ID:JyzWe4pG
投下します。
一応、最終章に入ります

549 名前:もう何も信じない 第9話[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 20:30:45 ID:JyzWe4pG
それは、青天の霹靂だった―――――

ピンポ―――ン

「ふぁぁ…ん?誰だよ。」
「ぁゆむぅ?だれぇ?」

――っかわいい………この舌足らずな感じが…じゃなくて…

ピンポ―――――ン

「はいはい、今行きますよっと。」

俺はシャツを羽織り、ズボンを履き、玄関に行く。その…昨夜いたしてしまったわけで…
まあ、なんだ。気にするな。

「誰に喋ってるんだい?」
「―っ な、なんでもない。」

がちゃり

ばたん

ドンドンドンドンドンドン


「あゆ君!開けなさい!」

「ったく…なんてタイミングで…おい光!急いで服着ろ!」
「誰なんだい?」
「俺の…伯母さんだ!」
「……って、ええ!?待ってよ!」

がちゃん

「うわあぁぁ!?」

どったん

「まったく…失礼しちゃうわね。人の顔見ていきなり締め出すなんて…あら…?」

くそぅ…なんて怪力だ。ん?

―――あ。

「……っ…た…立てないよぉ……(涙目)」

しまった。ヤりすぎた―――――

550 名前:もう何も信じない 第9話[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 20:31:35 ID:JyzWe4pG
「あ―ゆ―く―ん―?彼女さんができたら教えなさいって言ったでしょう?」
「ひぃっ!?ご、ごめんなさぁい!」
「伯母さん!光は――――」
「 あ ゆ く ん ?その呼び方やめてって言ったでしょう?」
「…ハイ…スマセン……礼ねぇさん」


「相変わらず若いですねぇおば「ん?(般若オーラ)」…お、お姉さま!」
「そんな…もう30よ?」
「全然見えないですよ!?」
「で、何しに来たんだ?」
「あらいやだ、愛する義息子に会いに来て何がいけないの?」
「何が"愛する義息子"だ。よくもぬけぬけとそんなことが言えたな。」
「歩!そんな言い方は―――」
「いいのよ…あゆ君はいつもこんな感じだから。いえ、以前なら口なんか聞いてくれなかったわ。」
「歩!君はこんな美人さんにそんなひどいことを!?」
「光の方がかわいい。」
「えっ…もう…歩ったら////じゃなくて!!」

ったく――どうして俺がこんな目に…
そもそも俺は礼ねぇさんには会いたくないんだ。そりゃ、伯父さんが死んでからも、礼ねぇさんは俺を養ってくれた。
でも3年間で俺がねえさんに放った単語は
「オハヨウゴザイマス」「イッテキマス」「イタダキマスゴチソウサマ」「タダイマ」「オヤスミナサイ」だけだ。
はっきり言って、信じられなかったんだ。必死に俺に取り入ろうと顔色ばかり伺う礼ねえさんを、
俺は好きになれなかった。

「ああでも、あゆ君って、私のお姉ちゃんの若い頃そっくりよ?」
「ほんとですか!?」
「ええ、女の子の服を着せれば、もっとそっくりになるんじゃないかしら?」
「僕の服ならありますよ!!?」

「なっ――――落ち着け二人とも!なんでそんな目が血走って――――」
「ハァハァ……歩きゅんの女装姿…………」
「ふふ…おねえちゃあん♪」
「ひぃっ――――!?」

551 名前:もう何も信じない 第9話[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 20:32:28 ID:JyzWe4pG
「ちょっとこれは…シャレにならないわね……。」
「ええ………これはやばいですよ…じゅる」

最悪だ。もうお婿にイケナイ。
鏡の中の俺は………完璧女だった。認めたくないが、だれがどう見ても美少女だ。
男の娘ってレベルじゃない。ちなみにこのロン毛はカツラだ。つうか、だれお前。
俺? あ、そう。
ちくしょぉぉぉっ

「ほんとにおねえちゃんそっくり………ううん、もっときれい……っ…」
「礼ねぇさん?」
「…っく…なんでもないわ。ちょっと目にゴミが………」

光が肘でこづき、目配せしてくる。
――――わぁったよ。ったく―――

覚悟を決め、俺は礼ねぇさんを抱きしめる。

「ほら…泣くな。」
「あ…っ。お姉ちゃん!おねぇちゃあぁぁん!わあぁぁぁぁっ!!!」

意外だった。こんな弱々しい礼ねぇさんは始めて見た。
きっとねえさんは、俺に母さんの面影を見ていたんだな。
でも、何でだろう。以前より少しだけ………

「ねえさん、いや………礼。ほら、笑って。」
「ぁ……っ…ふぁぁぁぁん………おねえ…ちゃん……」

少しだけ、このひとを好きになれそうだ。



数時間後――――
さすがにあのままでは色々まずいので女装は解いた。そして………

「…で、本当に何しに来たんだ?」
「だから言ったじゃない。愛する義息子の顔を見に来たって♪」
「嘘つけ。もっとましな理由を考えろ。」
「あゆ君…その、人を疑う癖、良くないわよ?」
「誰のせいでこうなったと思ってる!」

っ―――――地雷踏んだ。

「あのひとのせい、よね…。今でも、申し訳なく思ってるわ。」
「………悪い。つまらないことを思い出させた。」
「いいえ。あゆ君が気にする必要はないわ。わたしも、あのままだったらどうなってたか…。
それよりあゆ君。おとうさんのお墓参りは行かなくていいの?」

―――?
あのクソ親父、死んでたのか?

「女つくって逃げたやつがどうなろうと知るか。」

「…え? まさか…覚えてないの…?」
「何を。」
「あなたの父さん、浮気なんかしてないわ。その前に亡くなったじゃない。」

552 名前:もう何も信じない 第9話[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 20:33:33 ID:JyzWe4pG
――――今度こそ意味が分からなかった。

「その前って…いつだよ。」
「あゆ君がまだ小さいころ、小学校に上がったばかりのときよ?」


馬鹿な。だって親父は、女がいるっていって……

まて。

確かに親父はそういったのか?
なんだか、頭にもやがかかったみたいだ……。

「その話、詳しく聞かせてくれないか。」

「…あゆ君、覚えてないならその方がいいかもしれないわよ?」
「頼む。俺は…知らなきゃならない。そんな気がするんだ。」


信じられなかった。
親父は逃げたんじゃない。殺されたんだ。そして妹も。
俺はそれを目の前で見ていたらしい。
そして俺は今まで、いや、今でも忘れている。

「歩……リラックスしなよ。なんだか、思い詰めた顔してるよ?」

ぎゅっ、と俺に抱きつく光。

「大丈夫。大丈夫だ。」

いったいなぜだ?
なぜ親父は殺された?
それから、誰に?
そして、なぜ今まで忘れてた?

まさか、――――?
「まさ、か…な。」
「…あゆ君?」
「なんでもないよ。それより、腹減ったろ。今飯作ってやるから、食ってけよ。」
「あゆ君の手料理なんて………食べたいに決まってるじゃないっ♪」

今日のメニューは、礼ねぇさんの好物のぶり大根にした。
ったく………まさかご飯5杯もおかわりするなんて………どこに行くんだ、その栄養は。

「じゃ、またくるわねー。」
「突然来るのはやめろよな。」


今は夜8時。……まだ起きてるな。

プルルルル…ピッ

「どうした、佐橋?」
「右京か。頼みたいことがあるんだ。」
「なんだ?」
「それは――――」

553 名前:もう何も信じない 第9話[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 20:34:24 ID:JyzWe4pG
「ねえ…歩。」
「どうした?」
「もし思い出したとしても…歩は変わらないよね……?」
「?」
「歩は歩のままだよね?僕を愛してくれるよね!?」
「光…なにそんなに震えてるんだ…。」
「だって僕…歩しかいないんだ……。もし…歩に見放されたら……ぁ…」

ちゅ…くちゅ………

「……っぷは。安心しろ。お前には俺。俺には光がいる。それで充分だろ?」
「うん…でも………」
「心配するな………光。」
そう言って俺は、光を愛撫する。

「…ふぁ!あっ!あゆむぅ………」


なあ光…不安なのはお前だけじゃないんだ。
知らなくちゃいけない。なぜかそんな気がする。
でも、知って。その先に何があるのか、不安なんだよ。
何でだろうな…こうしてお前を抱いていても、真実を知るのが怖いんだ。

でも、今だけはお前とこうしていたい。お前といる幸せに、溺れていたい。

愛してる、光。


「そういえば、亡くなった妹さん。なんて名前なんだい?」
「…急にどうした?まあいいか。妹の名前は……


あきら。 佐橋 晶っていうんだ。」

554 名前:もう何も信じない 第9話[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 20:35:16 ID:JyzWe4pG
第9話終了です。

555 名前:もう何も信じない 第9話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/28(日) 20:36:27 ID:JyzWe4pG
またトリップ忘れてました・・・。すいません


556 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 20:48:22 ID:RIU4+Dqm
GJなんだぜ!
過去が段々暴かれてきたねぇ……
続きが楽しみすぎてちょっと小躍りしちゃったよwww

557 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/28(日) 20:48:39 ID:vGA5Y5w4


558 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 01:53:42 ID:2aSWD7uL
ぽけもん9月号マダー?

559 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/09/29(月) 05:44:30 ID:v6eRf8bE
ヤンデレ家族は?いつもの時間に全裸ネクタイで待ってたのに。

560 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 06:08:37 ID:leTsW0J/
今日はちょっと彼女の監視から抜け出せなかったんだろ
だからいつも日曜の深夜帯という微妙な時間に投下してたんだろ

561 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 07:25:51 ID:33HeGfZu
>>560
あれって実体験だったのか
事実は小説よりも奇なりとはよく言ったもんだね

562 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 07:47:52 ID:ga+xK2cf
毎週毎週ヤンデレ家族は?って言う奴死ね。氏ねじゃなくて死ね。
他スレにも言って一週間やらないだけで毎回レスつくし、邪魔。

563 名前:閉ざされた兄と妹 ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/09/29(月) 10:05:42 ID:pet5HP1C
「ねえお兄ちゃん、あったかい?」
背後から甘い匂いとともに、甘い口調で問いかけられる。
しかし俺はそれを無視する。今俺はただ彼女達の甘い記録を待つだけの生物となっているからだ。
「お兄ちゃん……投下が来るまででいいから、あたしを見てよ……」
妹は寂しげにそう漏らす。だがそれでも俺はただ全裸に靴下、それにネクタイのみで物言わず待機しなくてはならない。なぜならそれが紳士としての礼節だからだ。

この状況を客観的に見るもの――便宜的に彼と呼ぶことにする――がいるとしたらどう思うだろうか。
六畳のいまいち片づけが行き届いていない、ゴミゴミした部屋。正座してノートパソコンを凝視しているほぼ全裸に等しい格好の男と、彼を後ろから抱くようにして寄り添っている完全に全裸の少女。しかもその男はその少女の兄で、その少女はその男の妹である。
そんなものを見てしまった彼がとることの出来る行動はたった一つだけ、つまり、通報することだけだ。
では、なぜ彼らがその通報物の状況に身を置いているのか。そのすべての原因は妹の狂気にあった。
兄はある一時期までは極々まっとうな人間であった。
学校は始業の三十分には着いているという遅刻知らず、部活は運動部に所属していて、学業にもよく励み成績は優秀、品行も方正。
だがしかし、女にもてなかった。それはもうもてなかった。吃驚するほどもてなかった。
何がいけないのか分からない。だが、何か、がいけなかったのだろう。
それが男を狂気へと走らせた。
ただ普通に道を歩いていただけなのに、前を歩いていた女性がこちらを振り向き、ギョッとした表情をして逃げていった日。それが男の死んだ日であり、今の男が生まれた日である。
尤も、男の死亡と誕生について気づいたものは極僅かであった。彼の妹と彼の最も親しい親友の二人だけだ。
親友がいつものように教室に入ると、そこに男の姿はなかった。
風邪でもひいたか、と思っていると、始業寸前に男は入ってきた。
親友はその男の普段とはかけ離れた行動を訝しんで、こんな時間に登校してきた理由を聞くと、男はただ一言「楽園を見つけた」とだけ返してきた。
男の奇行はそれだけではなかった。
昼休み、親友は男が好きだったタレントの話をしたが、男はそれに対してなんの反応も示さない。ためしに、とエロ本も見せてみたが、いつものような青少年が示してしかるべき反応をまるで示さない。
ただ、うつろな表情でそれを見るのみである。
また、放課後、部活で女子マネージャーから汗を拭くタオルを受け取るとき、男はいつもなら普通の人間に対する反応を示していたが、今はそのマネージャーに失礼だというくらい何の反応も示さない。まるでマネキンか何かを相手にしているようだ。
そして男は人間関係を失調していった。
ある日、部長からその態度について諌められると、彼はあっさりと部活をやめた。もともと、全国を目指せるほど才能のある選手ではなかったが、それでも男は熱心に部活に励んでいた。それが信じられないくらいあっさりと、である。
程なくして、学校にも来なくなった。あれほど勤勉であった男が、信じられないくらいあっさりと。
親友は、いよいよもって危機感を覚えた。そして、原因を突き止める必要がある、とも。
そうして、彼は男の家に乗り込んだ。
そして話は冒頭に戻る。




564 名前:閉ざされた兄と妹 ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/09/29(月) 10:07:42 ID:pet5HP1C
「ねえお兄ちゃん、あったかい?」
男の背後から、少女が甘い口調で問いかける。
しかし男はそれを無視する。今、男はただパソコンのディスプレイを眺めるだけの生物となっているかのようだ。
「お兄ちゃん……投下が来るまででいいから、あたしを見てよ……」
少女は寂しげにそう漏らす。だがそれでも男はただ全裸に靴下、それにネクタイのみで物言わず待機している。それが一体何の意味を持つのかは、彼にはわからなかった。

親友――彼は思案を巡らせた。男には妹が一人いることは知っている。会ったこともある。だがそれが目の前で妖艶に男に絡み付いているモノと同一だとは信じたくはなかった。
そして、あの奇妙な格好をしてディスプレイの前に正座しているモノが、あの勤勉で品行方正だった男だと同一とも信じたくはなかった。
彼はポケットに入れられた携帯電話をすばやく取り出すと、すぐにダイヤルを押した。一を二回に零を一回。すなわち警察である。
警察に通報したからといって、この事態に対して何の解決になろうか。彼はそれを考える力すらも失っていた。
しかし彼が電波を発信する前に、それは電波を発信する機能を失った。同時に彼は携帯電話を喪った。
「あなたは誰? 何をしているの?」
携帯電話を片手で握りつぶした少女が、彼にそう問いかける。
彼は少女と、そして万力でつぶされたかのように原型を留めていない彼の携帯電話を交互に眺めた。
少女の白い肢体が、薄暗い部屋によく映える。彼女の顔はとても端整で、体も優美であった。だが、彼はそれを美しいとは思わなかった。それどころか、それを恐ろしいとすら思った。
「お……お前こそ誰だ? お前はアイツの妹だろ? お前らは一体何をしているんだ!?」
「そうよ、あたしはお兄ちゃんの妹。たった一人の妹。お兄ちゃんに一番近い人間。お兄ちゃんと結ばれる資格のある唯一の人間」
少女は詠うように滑らかに答えた。だが、それによって彼は一層錯乱することになる。
「お兄ちゃんは投下を待っているの」
「“トウカ”? 何だそれは? お前は一体何を言っているんだ?」
彼の混乱は深まるのみである。少女の言っていることを何一つ理解することができない。
「おい! 一体何してんだよ! お前も!」
彼は男に呼びかける。すると先ほどまで虚ろな表情でディスプレイを眺めていた男の口が不気味に歪み、何も見ていなかった双眸に光を宿して叫んだ。
「キターーーーーーーーーーー!!」
彼は男の様子に恐怖し、数歩後ずさる。
「お、おい……」
「投下キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
男は歓声のような、絶叫のような雄たけびを上げ、顔をディスプレイに向けたまま一心不乱に視線を左右に泳がせる。先ほどまで死人のようだった彼の顔は、みずみずしい精気にあふれている。
彼は後ずさろうとし、壁にその進行を阻まれた。
“トウカ”、“全裸にネクタイと靴下”、“絡みつく妹”。
彼の頭の中で、それらがグルグルと渦巻く。
しかしそれらは渦巻けども渦巻けども、何の形にも結実せず、彼の頭を埋めるのみである。
「よかったね、お兄ちゃん」
妹はそういいながらそっと男に寄り添った。まるで種を包む綿花のように。慈しむように、愛しむように。しかし男はただ破顔してディスプレイを眺めているのみである。
彼は恐怖した。心のそこから。
彼らは違う。俺の見ているものは、俺とは違う。人とは違う。
彼はそう思った。そして逃げ出した。
壁にぶつかり、ドアにぶつかり、地面にぶつかり。
彼は何かの追跡を恐れるように視線を左右に振りながら走った。
彼が正気を取り戻したとき、彼は駅前の通りにいた。
ショーウィンドウに映る自分の姿を見て始めて自分の顔が涙と鼻水と涎にまみれ、さらに自分が失禁していることを知った。

それから彼は男に会っていない。

565 名前: ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/09/29(月) 10:08:20 ID:pet5HP1C
上のほうを見てつい(ry
そして続かない

566 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 12:17:32 ID:W717Skkd
電車の中でニヤニヤしちまったじゃねーかw
GJ

567 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 13:20:38 ID:WrYTvq9t
GJ!


568 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 14:49:15 ID:iMSf5QUm
投下キターーーーーーーーーーーーーーー!!

569 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 16:27:38 ID:EqCAqTGI
これはくだらなく素晴らしいw

570 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 16:35:02 ID:ga+xK2cf
なにこの才能の無駄使いは

571 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 17:02:52 ID:HDQ+XRDj
GJ!
奇才現るだなwwww

572 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 17:19:09 ID:vsVjlaJu
投下キターwwwww
すごく楽しくなりました、ありがとう

573 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 17:43:58 ID:O8v/0xbG
ヤンデレの行動のまとめとか
どこかにない?

参考にしたいんだけど

574 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 17:58:17 ID:rofUVWEs
>>565

GJッ!

何か涙が出て来たじゃねぇか!www

575 名前:もう何も信じない 第9.5話[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 22:14:24 ID:yK5+LjJN
投下します。
友人の環 右京視点です

576 名前:もう何も信じない 第9.5話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/29(月) 22:15:14 ID:yK5+LjJN
珍しく、あいつから電話があった。
なんでも、調べてほしいことがあるそうだ。

あいつは…佐橋は何か思い詰めたような声色をしていた。
でも、なんでだ?

佐橋は、自分の父親と、妹のことを知りたいだけだろう?何をそんなに恐れる?


俺は、環 右京。
実家は資産家で、しかし俺たちはそれを隠して暮らしている。
"俺たち"というのは、俺と、姉さんのことだ。

佐橋は、俺の初めての友人だった。中学でも、実家のことを隠していたが、
あることがきっかけでそれを知られて以降、まわりのやつらの俺を見る目が変わった。
そのせいで、俺は誰にも気を許せなかった。ただ唯一、姉さんだけが俺をかばってくれた。

実家を出て、必要最低限の仕送りを受け、二人だけで暮らそうと言ってくれた。
姉さんは、俺のためならなんでも捨てる覚悟だった。
せめて、大好きなバイクだけは持っていこう、と言うのが精一杯だったよ。


俺の身の上話はここらへんでやめにしよう。

要するになにが言いたいかっていうと、俺は唯一の友人のためなら何も惜しまないということ。
かつて忌み嫌った環家の財力を以てしても、調べてやろうじゃないか、我が友よ。

プルルルルル………ピッ

「……父さん?お願いがあるんだ。」

577 名前:もう何も信じない 第9.5話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/29(月) 22:16:38 ID:yK5+LjJN
朝になった―――
俺はあらゆる手段をもって、可能な限り調べ尽くした。
環家御用達の情報屋も当たったし、警察内部のデータもその筋のやつに調べさせた。
たかだか一般人のデータだ。そこまで調べるのは難しくはなかったらしい。
急ぎでやってもらったため、割り増し料金は取られたが構いはしない。

結果、俺は知ることができた。とんでもない事実を。

………これを、佐橋に告げていいんだろうか?
もし知れば、あいつは間違いなく終わる。いや、全てを終わらせてしまいかねない。
だが、いずれ知ってしまうかもしれない。

―――だめだ、言えない…。俺には、無理だ。あの二人の幸せをぶち壊す権利は俺にはない。

どうすればいい?

――――電話だ。
……っ、三神……?

「……頼みたいことがあるんだ。会ってくれないかい?」

察しはつく。きっと三神も、佐橋と同じことを俺に頼むつもりだろう。

でも、俺はどうすればいい? 誰か、教えてくれよ…。

言えるわけない……"三神 光"は死んでいた、なんて…。

578 名前:もう何も信じない 第9.5話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/29(月) 22:17:51 ID:yK5+LjJN
第9.5話終了です。

579 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 23:05:27 ID:EqCAqTGI
何かとんでもないことになって……きたのか?
先を知りたいw

580 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/09/29(月) 23:52:09 ID:i0QoQxXQ
これは・・・?
ともかくGJ!

581 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/30(火) 00:52:19 ID:mksJH3Xk
GJ!!!
しかし…これはまさか…

582 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/30(火) 00:57:14 ID:+rIaS8ln
GJ!
これは……やべぇw おら、わくわくしてきたぞ!
投下きたーーーーーーーーーーー!!

583 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/30(火) 02:23:15 ID:sD800b8j
自演乙

584 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/30(火) 09:14:54 ID:n1/CpyCu
>>583
氏ね

585 名前:もう何も信じない 第10話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/30(火) 14:54:06 ID:UNxrftNU
第10話投下します。
今家のpc使えないので近所のセンターのpcからです

586 名前:もう何も信じない 第10話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/30(火) 14:55:21 ID:UNxrftNU
佐橋 晶。

そう、それが君の妹さんの名前なんだね。

――――あれ?おかしいな。なんで僕、こんなに震えてるの?
わからない。わからないけど……
こわい。

どうして?僕は何に怯えてるの?

……怖いよ。




早朝―――

僕は、結局一晩中眠れなかった。隣には歩がいるけど、きっと寝たふりだ。
僕を心配してくれたんだね?……ありがとう。

「おはよう、歩。」
「……ああ。飯にしようか。」
「うん。」

僕は、歩に僕の不安が気取られないよう、努めていつもどおりの態度をとる。

―――歩が頭を撫でてきた。

「……どうしたの?」
「………おまじない、かな。」

だめだ。きっとばれてる。……歩に隠し事はできないんだよね。


朝食を終え、僕は歩に切り出す。

「今日、調べたいことがあるんだ。出かけていいかな?」
「…構わないが……1人で平気なのか?」

本当は、怖い。できるなら、歩と一分一秒も離れたくない。
でも、いつまでも逃げるわけには行かないんだよね?

「大丈夫だよ。」

587 名前:もう何も信じない 第10話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/30(火) 14:56:37 ID:UNxrftNU
僕は、右京君と喫茶店で待ち合わせた。頼みたいことがあったんだ。

「……で、三神は佐橋の死んだ妹、晶について知りたいわけだな?」
「うん……歩は、妹さんのことは覚えていないから……」
「そのことなんだが……実は、佐橋にも同じことを頼まれてたんだ。」
「…え?」
「なんでも、『自分の過去に何があったかを知りたい。』って。」
「……で、調べられたのかい?」
「ああ。俺の知り合いには、そういうのを得意とする奴が何人かいるからな。」
「……君が何者なのか、はあえて聞かないでおくよ…。」

そういうのをって……ほんと、何者なんだろう?


「さて、本題に入る前に一つ確認したい。……三神、今回俺が知りえた情報は、
間違いなくお前たち2人の幸せを脅かすものだ。今なら、俺1人の胸の中にしまっておくことができる。
……お前は、佐橋との幸せと引き換えにしても、知りたいか?」

「……どういうこと?意味がわからないよ。歩の過去と、僕たちは関係ないはずだよ?」
「関係なくはないさ。お前だって、それがわかるから今こうして俺のところに来てるんだろう?
……実際は、おそらくお前が考えてるよりずっと深刻だけどな。」

――いったい、過去に何があったの?僕たちと関係があるって……わからないよ。

でも、僕は……

「……ごめん。やっぱり、いいよ。」
「……そうか、お前ならそう言うと思ってた。」
「僕は……ずるいのかな。」
「そんなことはないさ。大事なのは過去より今。いつだってそれは変わらない。」
「そう……だね。ありがとう。」

588 名前:もう何も信じない 第10話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/30(火) 14:57:29 ID:UNxrftNU
右京君と別れた僕は、歩の家へと向かった。

僕は、いつだって歩との未来を選ぶ。その思いは変わらないはずだよ。

「ただいま。」
「おかえり。用事は済んだか?」
「うん。もう平気だよ。」
「そうか。」

そして僕は眠りにつく。歩のぬくもりを隣に感じながら。



―――逃げるなんて、許さない。光、あなたは知らなくちゃいけないのよ。―――

―――自分が、どんなに罪深いのかを。今、教えてあげる―――


僕は、夢を見た。

夢の中で、僕は人を殺してた。

血塗られた手に、握られたナイフ。
眼前には、横たわる死体が二つ。大人と―――女の子。
そして、いつか見た、子供のころの歩。何かを言っている。

「―――して!どうして父さんと光を殺した!どうしてだ!」

……? 光は僕だよ? 何を言ってるの、歩?

「答えろよ!晶!」

あきら………僕が……晶?

―――思い出した?―――

そうだ……思い出した。僕は……


僕が、晶だったんだ。

589 名前:もう何も信じない 第10話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/30(火) 14:58:34 ID:UNxrftNU
第10話終了です。


590 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/30(火) 16:26:45 ID:H1Ixg4Ca
GJ!
真実が明らかになってきたぜぇぇぇ!

591 名前: ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/09/30(火) 19:26:09 ID:/cx0hQ2x
ぽけもん 黒 九月分投下します
ちなみに第七話です

592 名前: ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/09/30(火) 19:27:58 ID:/cx0hQ2x
太陽が昇って暫くした頃。僕達はポケモンセンターを出発した。
元々表面だけの浅い怪我だったのか、それとも昨日のデロデロが副作用を上回る素晴らしい効能を発揮したのかは分からないが、怪我は包帯を巻けば歩いても痛みを感じなくなったので、早々に出発することにしたからだ。
このおつかいの期限は一ヶ月なので時間的余裕はあるのだが、じっとしているということはそれだけ他のトレーナーから出遅れるということになるので、休んではいられない。
それに今日は町外れの家まで行って、荷物を受け取って戻ってくるだけなので、そこまで長距離を歩くことにもならないだろうし。
……しっかし、かなりの人数のトレーナーが旅に参加しているから、運ぶ荷物の量もかなりの量になるはずだ。もしかしてこのおつかいは長い旅の前のウォーミングアップとかじゃなくて、単なる運送費の節約なんじゃないだろうか。
そんな邪まな思いを抱きそうになる。
香草さんとポポは普通に接しているように見るが、やはりギクシャクしてしまっている。
しかし幸いにも僕と香草さん、僕とポポとの仲は悪化はしていないようなので、今までどおり旅を続けることは出来そうだ。
でも、なんで香草さんは昨日あんなことをしたのだろうか。性格からして僕を逆さ吊りにするのなら何の疑問もないけど――こんな思考をしてしまう時点でいろいろと問題あるな――、ポポに対してやった上、僕をベッドに運んで介抱までした。
彼女の意図がまったく分からない。でも、とりあえず目先のことじゃないことを考えてもしょうがない。そういう考えても分からないことはもっと余裕が出来てから考えてもいいんじゃないか。
「ゴールド、遅いわよ。やっぱり足、痛むの?」
そんなことを考えていたせいで、歩みが遅くなっていたらしい。香草さんから心配そうに声をかけられた。
「ごめん、ちょっとぼーっとしてた。足は大丈夫だって」
僕は笑いながら答える。いらぬ心配をかけるのも心苦しいし。
「ならいいけど……無理しないでよ。旅は長いんだから」
……おかしい。やっぱり香草さんの対応おかしいよ。数日前とは大違いだ。数日前なら、「遅い! これだから人間はダメなのよ!」なんてどやしつけられそうなもんなのに、なんだかいやに優しい。
昨日の僕の行いを考慮すると、いくら正気じゃなかったとはいえ、本部に通告して僕のパートナーの権利を失効させようとしてもおかしくないようなものなのに、むしろ以前より優しくなるなんて。
……もしかして僕は香草さんの心に人間に対する恐怖を植え付けてしまったりしたんじゃないだろうか。優しく見えるのは、単に僕に怯えているから……とか。
…………香草さんの性格からいって、それはないよね。
……そうでも思わないと気が重くなる。
僕がそんな悶々とした感情を抱えていても、香草さんとポポのペアは相変わらず優秀で、トレーナーも全て回避し、野生のポケモンとまともに戦うこともなく、日が天頂に上りきる前にはその町外れの家につくことが出来た。
ちなみに、トレーナーを回避するのは余計なロスを食いたくないからだ。お互いまだ出発してからいくらもたってない者同士だ、戦っても得るものは少ないだろうし、それなのに怪我でもしてしまったら割に合わない。これは純然たる合理的思考だ。
僕が臆病だとかそういうんじゃないぞ、うん。
程なくして、一軒の家が見えてきた。家の脇には丁寧に『ポケモン爺さんの家』なんていう看板が立てられている。家のドアは既に開けられていた。かなりの数のトレーナーが来るからいちいち扉を開閉するのも億劫なのだろうか。

593 名前: ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/09/30(火) 19:29:47 ID:/cx0hQ2x
「失礼しまーす」
そう言いながら家に入ると、奥のほうに一人の老人が椅子に座っていた。他には誰もいないようだ。ポケモン爺さんの家、とありながらいるのは老人一人だけ、ポケモンは一人もいないとは。これは皮肉とかそういう類のものだろうか。
「ポケギアをそこの装置にかざして、そっちの山から荷物を一つ持っていってね。はい、それと木の実。昼食にでもしてね」
老人は手際よく手順を説明すると、数個の木の実を差し出してきた。半ば流れ作業のようだ。わざわざ老人をここに据える意味はあるのだろうか。
僕は老人から木の実を受け取ると、ポケギアを中央部がくぼんだ箱のような機械にかざし、茶色の粗悪な紙で包装された荷物の山から、そのうちの一つを取り、足早にその家を後にした。
そして吉野町に向かう途中の草むらが開けたところで皆で受け取った木の実を食べると、まだ日が高いうちに吉野町のポケモンセンターまで戻った。
若葉町に戻るためにそのまま出発してもよかったけど、もう時間的に日が暮れるまでに大した距離を稼げないと思ったのと、香草さんが僕の足の具合を心配したのとで、今日はポケモンセンターに泊まることにした。
当然、以前のようにポポと一緒に寝ることはない。僕は一緒に寝てもかまわないんだけど、そんなことをしようとするだけでも香草さんの防御力どころか体力そのものが削られそうな『にらみつける』を喰らうからだ。
そりゃ、あんな形とはいえ、香草さんに手を出しそうになったんだから、ポポに対しても何か間違いが起きないと証明することはできない。僕自身は絶対にそんなことをするはずはないんだけど、一応前科がある僕の言葉に信憑性はない。
その晩は表面上は何もなく、普通に翌日を迎えた。
朝食を終えた僕たちは、当然若葉町目指して出発する。
ここからは一度通った道だ、大した障害はない。
ロケット団のせいで相変わらず遠回りとなる別ルートを使え、となっているが、途中にチェックポイントのようなものが設置できてるわけでもないし、その別ルートを監視している警察の人間もトレーナーとポケモン全員を把握できているはずもないから、
そのルートを使わなくてもどうせ分かりはしない。それに、行きであっさりロケット団を撃退してしまった僕達としてはそんなことは馬鹿馬鹿しくてする気にならない。
……実を言うと、あんな下っ端じゃなくてちゃんとした幹部クラスに出くわす可能性もゼロではないんだから、僕はできれば遠回りしたいんだけど、
香草さんの「遠回りなんてアンタの足によくないわ! それにロケット団なんて相手にもならないじゃない!」という言葉と気迫に簡単に押し負けてしまった。僕の気、というか意思が弱いんだか、彼女の押しが強いんだか。
行進自体は順調そのものだ。野生のポケモン相手でも、まともな戦闘にすらならない。おそらく半径十m以内に入れたポケモンすら皆無だろう。
ただ、それでも夜間は火を使わないことと皆で固まって寝ることだけは徹底した。ポポが僕の右側に寝、香草さんが僕の左側に寝る形で落ち着いた。
第三者が見れば両手に花だとか羨ましいだとか言って茶化すかもしれないが、実際には、気まずい空気が流れている二人に挟まれているというのはなんともいたたまれないものである。
香草さんもポポも昼行性ということが唯一の救いか。
でも、香草さんはともかく、ポポはそんな一つのことを引きずるような性格だっただろうか。また香草さんがあのような行動に出るかもしれない、と警戒してるのかもしれないが、一応僕がいるから身の安全は保障されているんだし。
……そういえば、ポケモンは野生よりも人間と行動をともにしていたほうがより早く成長する傾向がある、という現在主流となっている学説があるっけ。
この説があるから、知能の高い大人のポケモンはバトルの危険性を知っていながらも自分の子を積極的に旅に参加させるのだとか。
そうすると、ポポも僕とすごしたこの数日で成長し、知能も、疑うことを知らない純粋な子供から、人を疑い、利用する大人に成長しつつある、ということだろうか。
……香草さんというかなり性格に難のある存在をすでに抱えている僕としては、ポポにはいつまでも純粋な子供のままでいてほしいと思わなくも無い。
こういう思想抱いてしまう僕はもしかして危ない人間なのだろうか。

594 名前: ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/09/30(火) 19:31:26 ID:/cx0hQ2x


日が昇る頃になると、早々に出発することにした。浅い眠りしか取れなかったので正直眠り足りないが、彼女らの活動時間に合わせなくてはならないし、これ以上この空気の中にいるのがいたたまれなくなってきたからしょうがない。
木の実で適当に朝食を取り、昨日のようにさくさくと進む。
すると日が傾き始めた頃には若葉町に着くことが出来た。
行きにかかった時間が確か三日ぐらいだったから、およそ倍のペースで進んでいたということになる。一度通った道とはいえ、少し驚きだ。
行きだって決してのんびりしていたわけではなく、今僕自身は歩行に問題はないものの、一応怪我をしているというのに。これは二人が戦闘の経験をつみ、成長したということか。
そんなことをぼんやりと考えながら、若葉町の手前の最後の草むらを越えようとしたそのとき、異変は起こった。
空中を飛ぶポポの体が突然光り輝き始めたのだ。

595 名前: ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/09/30(火) 19:32:08 ID:/cx0hQ2x
ポポは発光体となり、そのままふらふらと地上に軟着陸した。
「ポポ!?」
僕は驚き、慌ててポポに駆け寄る。
光はすぐに収まり、僕が駆け寄ったときには光はもう消えていた。
光の落ちた場所には、ポポによく似たポケモンが倒れていた。
ポポは髪が茶だったのに対してこのポケモンは赤。翼の面積がかなり大きくなり、羽毛は減ったが羽根は増え、羽根自体もポポに比べてしっかりしている。
それ以外の見た目の差は無いといっていいだろう。もしかすると、これがうわさに聞く、“進化”という奴だろうか。
ポケモンは年齢に関係なく、ある一定の経験を積むと、劇的な変化を起こすことがあり、それを“進化”と呼ぶことになっている。
話としては知っていたが、実際に目の当たりにするのは初めてである。
「ポポ?」
ポポの服を着ているからほぼ間違いなくポポだろうが、一応、確認のために声をかけてみる。
僕の声に反応して、閉じられていたそのポケモンの目が開かれた。
「……ゴールド?」
ポポは自身の体を見て、目をぱちぱちさせている。
「あ、あのさ、ポポはどうやら進化したみたいなんだ」
「ポポ、進化するのは初めてだけど、なんとなく分かるです。前から、こうなることが分かっていたような気がするです」
そう答えるポポの口調はとても落ち着いたものだった。以前のポポなら平常時でももっと弾んだ声を出していたような気がする。進化すると能力が飛躍的に向上するという。その能力の向上が、ポポに落ち着きをもたらしたのだろうか。
前から分かっていた、か。本能とか、そういうものだろうか。
「ポポ、おめでとう」
僕はそういいながらポポの翼をとった。
「ありがとうです」
ポポは僕の手をとり、ニッコリと笑いながら立ち上がった。
そのまま、二人で向かい合う。
うーん、なんというか、どういう風に対応していいか困るな。以前のような対応でいいのだろうか。とりあえずおめでとうは言えたから、これからどうすればいいのだろうか。
「ゴールド、進化してもポポはポポです」
かけるべき言葉を捜しあぐねていた僕の気持ちを見透かすように、ポポはそう言った。はは、そこまで筒抜けとはね。恥ずかしい。「そうだね、ポポはポポだ」
そう言って、僕達はどちらともなくクスクスと笑いあった。何がおかしいのかも分からなかったけど。

「もういいかしら」
背後からかけられたその声で、僕は香草さんの存在を思い出した。このアクシデントですっかり脳の中から消えていた。僕の脳の並列処理能力の低さに呆れる。
「もういいかしら、って香草さん、ポポが進化したんだよ? おめでとうの一言くらいあってもいいんじゃないかな」
僕はたしなめるようにそう言った。香草さんの存在を忘れていたのだって、ポポの進化にまったく触れもせず、背後でじっと僕達を見ていたからじゃないか。いくら自分自身のことではないとはいえ、その対応はあんまりだ。
「……どうせ私はまだ進化してないわよっ!」
香草さんは感情的にそう怒鳴り、足早に一人で町に入っていってしまった。
僕の言葉を嫌味と思ってしまったのだろうか。まったくそんな気持ちは無かったのに。僕はそんなに嫌味ったらしいのかな。
ポポのほうに向き直ると、ポポも呆然といった顔をしていた。つまり僕は嫌味ったらしくないということだ。
嫌味ったらしいのなら香草さんがこういう行動を起こすのは当然なんだから、呆然となんてしないはずだ。……いや、単純にポポがそういうことを分からないだけかもな。
「行こうポポ、香草さんを追いかけないと」
「はいです!」
ポポは以前のように元気よく返事をした。

草むらを抜け、町に入ったが、香草さんの姿はどこにも見えない。ポポに飛んでもらって空中から見てもらったが、香草さんらしき人影は見えなかったらしい。このわずかな間にそこまで遠くに移動するなんて。
僕達の前から去るときは早足程度だったが、草むらを抜けたらそのまま全力疾走でもしたのだろうか。
僕達には当ても無いので、とりあえずおつかいを済ませるために宇津木博士の研究所に行くことにした。おつかいの報告には僕とパートナーである香草さんのポケギアが必要だったが、幸いにも荷物管理はパートナーの仕事なので僕が香草さんのポケギアも持っている。

596 名前: ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/09/30(火) 19:33:27 ID:/cx0hQ2x

……そのせいで香草さんと連絡を取るすべがないんだけどさ。
所内の案内にしたがって進むと、出発のときに集められた会場についた。場内には僕と同年代の人間とポケモンが数人、職員と思われる大人の男が二人いた。
男に荷物を渡しに男のところまで行くと、「パートナーは?」と尋ねられた。状況的にはポポを僕の最初のパートナーだと誤解しても何もおかしくない。つまり職員は一応すべてのトレーナーとポケモンを把握している、ということか。まいったな。
「ええっと、久々に帰ってきたんだから町を周りたいとか言ってどこかへ行きました。勝手に手続きを進めてもいいそうなので、ポケギアは預かってます」
この施設、多分夜間はやってないだろうから、下手するとここで抑留されてしまう。僕はポケモンマスターを目指す旅を楽しみにするあまり気がはやり、つい嘘を吐いてしまった。
「たとえ任されていたとしても、本人がいないのでは認められません。お引取りください」
僕の嘘も空しく、あっさりと追い返されてしまった。当然といえば当然なんだけどさ。
「どうするですか、ゴールド」
研究所の前で、ポポに不安げに尋ねられた。
どうするも……ねえ。
「香草さんを探すしかないよね。ポポ、空中から探してもらうの、頼める?」
「分かったです」
ポポは僕に向かって微笑むと、空へ飛翔した。
高度十メートルに達しようとしたときだろうか、ポポは上昇を止め、降りてきてしまった。
僕はどうしたのだろうと訝しんでいると、ポポが大声で、
「香草さんいたです!」
と言ってきた。
随分早い発見に僕は驚かされる。
どこに、と僕がポポに尋ねる前に、僕は視界に香草さんを捉えた。
ちょうど角を曲がってこちらに向かってきているところだった。香草さんもここを目指してきていたのか。そりゃ、合流するための手がかりなんてここか町の出入り口くらいしかないからね。
僕は香草さんに早足で歩み寄る。
「香草さん、一体どこ行ってたのさ」
「別に……どこだっていいでしょ」
彼女はぞんざいに返事をした。なんだろう、怒っているというよりは、駄々をこねる子供、というほうが近い気がする。でもどうしてそんな感じがするのだろうか。
「よくないよ。パートナーなんだから」
「パートナーだからって何よ! 私が何をしようと、私の勝手でしょ!」
この言葉にはさすがにカチンと来た。何だよ、この言い草は。僕は確かに未熟かもしれないけど、至らない点は香草さんにもあるのに。協力とか妥協とかそういうのは一切なく、ただ自分の我が侭だけだ。思えばこの旅の最中、香草さんはずっと不快を露にしてきたくせに。
「そんなに僕と一緒にいるのが嫌かよ!」
つい語気が荒くなってしまう。言いながら、僕は同時に後悔もしていた。香草さんの性格からして、こんなことを言ったら火に油を注ぐも同然だ。
不毛な口喧嘩が始まるのは目に見えてる。思えば、今までやってこれたのだって、僕が折れてきていたからなのに。彼女が自分から折れるとは思えない。
ところが、それに対する彼女の反応は、僕の思いもよらないものだった。
「ご、ごめんなさい……そういうつもりで言ったんじゃないの……」
香草さんはうつむいて、本当に申し訳なさそうに言ってきた。
これには驚かされた。先ほどまでの苛立ちが一遍に吹っ飛んでしまっただけでなく、僕はそのまま思考まで停止してしまった。

597 名前: ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/09/30(火) 19:34:46 ID:/cx0hQ2x

あの横柄だった彼女が、この短期間でここまで性格が変わるとは考えにくい。
つまり……やはり僕は彼女に人間に対するトラウマを植え付けてしまったのか。
何てことだろう。目の前が真っ暗になるようだ。
こうなってしまえば旅の続行は不可能だろう。香草さんが旅を諦めるだけならポポをメインのパートナーに設定しなおせば旅は続けられる。しかし香草さんが本部に詳しいことを話せば、僕は間違いなくトレーナーとしての資格を剥奪されるだろう。
あのポケモンセンターのせいで、僕は夢を諦めなければならなくなるなんて。糞、どうして僕が……いや、なんにせよ、僕がやったことだ。責任は僕にある。ならば相応の罰を受けよう。でなければ、僕はあのシルバーと変わらないことになってしまう。
「どうしたのゴールド? ……もしかして、怒ってる? 私が勝手なことばかり言ってるから……」
僕がぼーっとしていたことを不審に思ってか、香草さんが僕の顔を覗き込みながら尋ねてきた。まだ日没前だというのに、彼女にいつもの威勢はない。ああ、やっぱりか。
でも、ここで旅を止めることが、彼女にとっても、僕にとっても本当にベストな選択なのだろうか。彼女だって、ポケモンリーグを制覇して、草ポケモンの強さを証明するという夢を諦めることになってしまう。
それに、彼女にトラウマを与えておいて、後は知らない、じゃあんまりじゃないだろうか。僕が今後正気を失うようなことはまず無いだろう。アレを食べなきゃいいだけなんだから。
それならば、彼女の人間に対するトラウマを取り除いてあげることだってできるんじゃないだろうか。
ああ、でもこれは僕の勝手な考えだ。結局、僕は旅をリタイアしないための言い訳に彼女を利用しているだけに過ぎない。そうだ、罪は……認めなくちゃならないんだ。旅は……ここでおしまいだ。
「香草さん」
「な、何!?」
先ほどまで何のリアクションも返さなかった人間が突然反応したからだろうか、それとも僕におびえてだろうか、彼女は驚いた様子で僕の顔を見る。
「あ、あのさ……」
「うん」
「ここで……」
「ここで?」
何を言いよどんでいるんだ僕は。ええい、女々しいやつめ。そんなに自分が可愛いか。お前はシルバーと同類なのか! 言わなきゃ。言うんだ!

「ここで……旅を終わりにしよう」

言った。言えた。言ってしまった。これで、何もかも終わりだ。
静止した空間で、風だけが二人の間をさあっと駆け抜けた。
このときの香草さんの驚愕の表情は生涯忘れられないだろう。

思えばこれがすべての始まりの原因となる、人生最大であろう判断ミスだったことを、このときの僕はまだ知る由もなかった。

598 名前: ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/09/30(火) 19:36:18 ID:/cx0hQ2x
投下終了です
それと、今になってタイトル付け忘れていることに気がつきました……orzナニヤッテンダオレ
タイトルは「ぽけもん 黒  変化と誤解」です
保管庫の編集者さん、申し訳ないのですがよろしくお願いします

599 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/30(火) 19:46:30 ID:1E00xp43
リアルタイムGJ
いつもお疲れ様です。

600 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/30(火) 21:22:55 ID:h/tpw9AO
>>589
光人格カワイソスだけど晶人格の方が病みっぷりは凄そうなんだよなあ

>>598
これは盛大に地雷踏んじゃった悪寒がw
でもこれで香草さんがどう病んじゃうのかwktkが止まらないw

601 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/30(火) 22:02:22 ID:R55eKdNy
>>598
GJ!
しかしポポも確実に死亡フラグの数増やしているな、一体何本あるんだ
ポポをパートナーにするとか言った日には……

602 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/30(火) 22:20:32 ID:S9VO1siv
ぽけもんキター

603 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/30(火) 22:23:11 ID:itxdaSqm
GJ!
ポポが進化したか・・・ しかし核地雷踏んだな~

604 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/30(火) 22:28:55 ID:Y4LvKWIi
らめえええええええ!
ヤンデレに
「僕たち、もう終わりにしよう」
は死亡フラグー!

605 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/30(火) 23:01:45 ID:CyYHhf3D
ちゃんと1ヶ月に1回更新してくれるとか・・・
何というGJ
香草さんのヤンデレ進化も心待ちにしてますw

606 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/30(火) 23:24:10 ID:uL7njbhz
ポポは純粋なまま最後まで行くんだろうか
それともポポも途中から病むとか・・・まさか・・・

607 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 00:36:20 ID:2v3i0+Ww
ヤンデレの彼女がレジバイトしているのに
エロ本を買うようなものくらいに地雷だな・・・・

GJ!

608 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 00:56:10 ID:QLrLt4HT
それじゃ温いだろぉ~。ヤンデレの彼女がレジバイトしている目の前で、別の女とSEXするようなもんだな!

609 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 01:04:49 ID:lcu+urOF
ヤンデレに熱々おでんあーんしたい

610 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 01:49:46 ID:0/aEcTss
ダチョウ倶楽部ヤンデレときいて

611 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 01:52:53 ID:A2hXL6gw
ヤンデレ「押すなよ!!絶対に押すなよッ!!」

612 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 13:17:39 ID:XY6bFplM
クソワロタw

613 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 17:48:30 ID:fYSo8pU4
>>598
すげーw
ここまで盛大に核地雷踏んだ奴初めて見たww

これはもはやヤンデレの前で「俺、実はゲイなんだ」ていうようなもんだw
そしてポポ病めぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!

614 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 17:55:14 ID:+dVYFOZh
俺としては3匹目の加入も待ち遠しいところだ

615 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 18:59:51 ID:mVK18sF9
病んだ香草さんとの対比が見たいので
ポポにはこのままでいて欲しいかな

616 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 19:19:18 ID:E3RvGrjp
俺は死人がなければいいやw

617 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 20:02:28 ID:/VSdClcU
うぜえ

618 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/10/01(水) 20:41:18 ID:9kXiYaYw
ヤンデレSSって、一歩間違えばただのサイコホラーになっちゃうし難しいですね。


619 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 21:42:37 ID:QLrLt4HT
皆殺しの美学

620 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 22:24:41 ID:aauk3lBT
ヤンデレの美学は皆殺しなんかじゃない、主人公への純粋な愛なんだよ
愛って素晴らしい

621 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 22:48:06 ID:QOWjQPc5
その通りだ
まだ殺しなんかがヤンデレだと思ってる初心者がいるのか

622 名前: ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/10/01(水) 23:41:25 ID:QiulR6Y8
ぽけもん 黒 十月分投下します
ちなみに第八話です

623 名前:ぽけもん 黒  覚醒と何も知らぬ僕 ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/10/01(水) 23:42:28 ID:QiulR6Y8
「え……?」
香草さんは僕の言ったことがよほど意外だったのだろう、信じられないという表情で、両手を胸の前で組み合わせたまま静止している。
「ゴールド、それってどういうことですか?」
ポポが後ろから、僕の言ったことの意味が分からない、というように尋ねてきた。
「そのままの意味さ。ここで解散ってことだよ。ポポは新しいパートナーを探すなり、野生に帰るなり、吉野町に住むなり好きにすればいいよ」
少し無責任な気もするが、僕が変にかかわっても、彼女にとってよくないだろう。結局、すべてを決めるのは彼女の意志なんだし。
「ゴールドはどうするですか?」
「僕? どうするって……考えてなかったなあ。受験までは時間があるし……まあどうだっていいじゃないか」
どうせ僕の夢は潰えるんだ。もう、どうでもいい。
「ポポも一緒にいるです! ゴールドと一緒にいれないなんていやです!」
「そうよ、どうして旅を終わりにしようなんてそんなこと」
二人して、僕の決定に反対してくる。
やめてくれ。そんなことをされたら、決定を曲げたくなるじゃないか。
「もう、限界だよ。これ以上旅を続けるのは無理だ」
「限界って……そんな……どうして……もしかして私のせいなの?」
「違う、そんなつもりで言ったんじゃない。香草さんは何も悪くないよ。悪いのは……全部僕だ」
そうだ、これは僕の責任なのに、香草さんに負い目なんて負わせてはいけない。
すると、突然香草さんはニッコリと笑って言った。
「そう、全部あなたが悪いのなら……いいわよね?」
同時に、両の袖から数本の蔓が伸びだしてきた。
一体何を。そう考えるより前に、僕は両手両足を縛られ、宙吊りにされていた。
「な、何するんだ!」
「だって、私は悪くないんでしょ? なら、いいわよね?」
「い、意味が分からないよ香草さん!」
僕は大声で香草さんに呼びかけるが、香草さんの表情は笑顔で固定されたままだ。
そして、世界が逆さに――違う、逆さになったのは僕か――なったかと思うと、次の瞬間には、意識を失っていた。

そして、目を覚ますと、僕は闇の中にいた。
咄嗟に飛び起きようとして、体にガサガサと当たる感触で気づいた。ここは闇の中じゃない、草むらの中だ。
よく目を凝らすと、確かに草の輪郭が見えてくる。
となると、僕は香草さんに草むらに放り投げられたのか? でも、だったらどうしてこんなに暗いんだ?
とりあえず起き上がり座ってみたが、頭頂部が酷く痛む。一体何があったんだ?
痛む頭を左手で押さえ、右手を地面について立ち上がろうとしたら、地面がやたらやわらかく、暖かかった。まるで人間みたいに。
まさか、と思いつつも、ゆっくりと右を見ると、そこには横たわる人影があった。
……痛みとは違う意味で頭を抱えたくなった。
とりあえず明かりだ、と思いポケットに手を入れたが、そこにポケギアは無い。
おかしいな、ポケギアはいつもポケットに入れっぱなしなのに。

624 名前:ぽけもん 黒  覚醒と何も知らぬ僕 ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/10/01(水) 23:43:17 ID:QiulR6Y8
「はい」
ポケギアを手渡された。
「あ、ありがとう」
僕はそれを受け取り、電源を……って。
「だ、誰だ!?」
一体僕は誰にポケギアを手渡されたんだ!?
慌てて後ずさりながら僕にポケギアを渡してきたと思われる“誰か”に尋ねる。
「私よ」
そう答えたその声は、とても聞き覚えのあるものだった。
ポケギアの電源をいれ、ライト機能で照らすと、そこには僕と同い年くらいの少女が、上体だけを起こして座っていた。
とてもよく見覚えのある少女だが、頭にから生えている一枚の葉の大きさが以前の倍くらいになっているのと、首を飾るように葉が生えているところがその少女とは違う。
これはつまり。
「もしかして、香草さん?」
「そうよ。ひょっとして、見違えちゃった?」
香草さんはクスクスと笑いながら嬉しそうに答えた。
進化したのか。でも一体いつ?
「ゴールドを頭から地面に叩き落したら、体が急に光りだして。気がついたら進化してたの」
僕の頭が痛むのはそのせいか! なんてことするんだよ! しかも僕を倒して進化って……なんだかすごく複雑な気分だ。
「それで、ここはどこなんだ? 後、なんでそんなことしたんだ?」
「ここは草むらよ。見れば分かるでしょ。なんでそんなことをしたかって、だってゴールドが全部悪いんでしょ?」
「草むらってことは言われなくても分かってるよ。そんなことを聞いてるんじゃない、ここは地理的にどこなのか、って聞いてるんだ。それに、確かに僕が全部悪いって言ったけど、そういう意味じゃなくて……」
「ここは二十九番道路よ。つまり若葉町と吉野町の間」
……若葉町と吉野町の間だって?
「どうしてそんな場所にいるんだよ?」
「だって、全国を巡る旅なんだから、この道を通るのは当然でしょ?」
ええと…………意味が分からない。意味が分からないぞ。話がさっぱり伝わってこない。
「僕は旅は終わりにしようって言ったはずだろ?」
あれ? これってもしかして夢だったりするのかな? ポケモンマスターの夢を諦めきれない未練がましい僕の夢? いやいや、こんなリアルな夢が存在するはずがない
「だって、あなたが全部悪いんでしょ?」
……うん、いまいち会話がかみ合わないぞ。これは僕が頭を打った衝撃でおかしくなったわけじゃないよね? おかしいのは香草さんの方だよね?
多分このままそんなことを言い続けても埒が明かないだろうし、とりあえずそこは置いておいて、違うことを聞くことにした。
「ええと、全国を巡る旅にでるためにはおつかいを済ませないといけないはずなんだけど、僕が気絶してたんなら済んでないよね? だから旅には出れないよ」
「済んだわよ」
香草さんは平然とそう言った。
僕は、へっ? と情けない声が出そうになるのを既のところで堪えた。何だって? 一体何を言っているんだ?
「ザルよあんなの、所詮お役所仕事だから。気を失ったあなたをそのまま研究所の中に引っ張っていって、あなたを一番後ろの席に座らせて、所員にポケギアと荷物渡して、
書類もらって、筆跡変えて二人分書いて、提出して、またあなたを引っ張っていってここまで来たってわけよ」
香草さんはニコニコしながらそう答えた。その所業に反して悪意というものがまるで感じられない。まるで善悪の区別がついていない子供のようだ。

625 名前:ぽけもん 黒  覚醒と何も知らぬ僕 ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/10/01(水) 23:43:59 ID:QiulR6Y8
「来たってわけよ、じゃないよ! 職員も何やってんだよ! ぐったりしていて、しかもずるずると引きずられて移動しているんだから少しくらい不審に思えよ!」
「ポポが怪しまれないように隠れてゴールドを動かしたです」
背後からの声に驚いて振り向けば、いつの間にかそこにポポが立っていた。というか、共犯かお前ら!
「ポポまで一緒になって何やってんだよ! なんで止めなかったのさ!」
「だって、止める理由がないもの。私も旅を続けられるし、ポポはあなたと一緒にいられるし、あなただって旅を続けられるじゃない。それに、引きずったりなんてしてないわよ。ちゃんと地面につかないように浮かせたわ」
「論点はそこじゃないよ! 引きずったか浮かせたかなんてどうでもいいよ!」
「どうでもよくなんてないわ! もしあなたが怪我なんかしたらどうするのよ!」
ああもう、どうしてこう話が通じないんだ。だんだん逃げ出したくなってきたぞ。状況的には願ったり叶ったりなのに、どうしてこんなに逃げ出したく思うのだろうか。
「ポポも、何か言うことないの? こんな……僕の意思に反して、誘拐みたいな真似までしてさ」
香草さんとの対話を諦めた僕は、脱出口をポポに求めた。
ポポを説得すれば二対一、しかもポポは鳥タイプ。いくら香草さんが強くても、力で押し負けることはないだろう。押し負けたとしても、僕の逃走術をもってすれば、逃げられないはずがない。
「ゴールドと一緒にいれて嬉しいです!」
ポポは喜色満面といった様子でそう答えた。
「そうじゃないだろ!」
僕はつっこまざるをえない。
「じゃあ……分かんないです」
ポポは本当に困惑している様子だ。ダメだこりゃ。香草さんとは違った意味で話にならない。
「ええとさ、僕は旅はもう終わりにするって言ったよね?」
「嫌です!」
「いや、そうじゃなくてさ」
僕はあくまで事実の確認がしたいだけなんだけど。
「ポポはゴールドと一緒にいたいです! 離れたくないです!」
ポポはそのまま両翼を広げて僕に抱きつこうとしてきた。僕は咄嗟のことだったので退避行動も取れなかったが、ポポに抱きつかれることはなかった。
ポポが驚いた顔をして静止したからだ。僕も首筋に突き刺さりそのまま突き破られそうな強い視線を感じたので振り向くと、案の定、香草さんがこちらをまるで目からレーザーでも出てるんじゃないかと思いたくなるような強さで睨んでいた。
あれえ? 香草さんってチコリータだったから、一回進化した今はベイリーフのはずだよね? ベイリーフって黒い眼差し覚えたっけ?
あ、黒い眼差しは逃げられなくなるけど、僕は今一秒でも早く逃げたしたいからこれは黒い眼差しじゃないね。それなら納得だ。
恐怖からか、動転からか、やたらどうでもいいことに頭が回る。
とにかく、もう香草さんと目を合わせていたくなくて、視線をそらすためにポケギアを見た。ただ視線をそらすと、蔓でグルグル巻きにされて視線を逸らせなくさせられそうな気がしたからだ。
ポケギアの待ちうけに表示された時間は零時を回って少しした頃だった。ここで僕は一つ不思議に思った。
「そういえば二人とも、こんな時間なのに眠くないの?」
以前なら今よりはるかに早い時間に寝入っていたはずだ。それなのに、二人は以前では考えられないほど元気である。
「眠いわよ。でも進化したせいか、前より大分平気になったの」
「ポポもです」
へえ、進化にはそんな効能も。

626 名前:ぽけもん 黒  覚醒と何も知らぬ僕 ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/10/01(水) 23:44:48 ID:QiulR6Y8
というか、つまりこれは僕が夜間逃げ出すことも不可能になったということではないだろうか。
どうしよう。
ポポ懐柔作戦は本題に入ることすらなく失敗してしまった。僕一人で二人の目を盗んで逃げ出すのはかなり難しいだろう。
いろいろと思案を巡らせていた僕は、そこでピーンとひらめいた。
「ほ、ほら、僕親に何も言ってないし! 心配するだろうから、一度戻って伝えないと!」
「だめよ。そんなの時間の無駄だわ」
時間の無駄って。
確かにここから引き返すことも考えると事実だけど、そんな言い方はあんまりじゃないだろうか。
「でも、親が心配するだろうし」
「電話があるじゃない」
う、確かに、電話で事足りなくもないかもしれない。
というか、この路線で香草さんを説き伏せるのは無理か。
これで打つ手なしである。
……いや、そもそも手なんて打たなくてもいいんじゃないか?
確かに香草さんに恐怖を感じないこともないが、どうせ逃げられないのならもうおとなしく腹をくくって旅をすることにしたほうがいいじゃないか。
なんで香草さんがこんな凶行に出たのかは分からないが、旅を続けられるというのは彼女の言うとおり、僕にとっても喜ばしいことだし。
何より、彼女自身がいいと言っているのだから。根本の問題はクリアされている。
それに、僕に対して行ったことは人間に対するトラウマの裏返しと取れなくもないが、それならば今彼女にまったく怯えがないことの説明がつかない。つまり人間に対するトラウマなんてものは初めからなく、単なる僕の誤解だった可能性が大きい。
でもそうするとなんで彼女は急激に態度を軟化させたのか、ということの説明がつかなくなってしまうんだけど。
……まあいいじゃないか。僕は人の心を読めるわけじゃないんだし、分からなくても仕方がない。
家に帰って母に出発の報告を出来なかったことは残念だが、問題はそれくらいだし、別にいいじゃないか。
今は時間も遅いし、明日――正確には今日か――電話しよう。
……半ば無理やり自分を納得させている気がしなくもない。
「分かった。旅を続けることにするよ」
僕は二人に向かってそう言った。
ポポは「やったです!」といいながら飛び跳ね、嬉しさをあらわにしているが、香草さんはキョトンとしている。
「どうしたのさ香草さん?」
僕は腑に落ちず、香草さんに尋ねる。
「だって、旅を続けるなんて当然のことなのに、どうしてわざわざそんなこというのかなって」
どうやら彼女にとって旅を続けるというのはすでに決定事項だったようだ。
僕の意思は無視ですか。無いも同じですか。
このことに関してはもう話が通じないので僕は香草さんに何か言うことを諦めた。
代わりに僕のリュックはどこと香草さんに尋ねると、香草さんは体をひねって後ろを向き、「はい、あなた」と言いながら差し出してきた。なぜだろう、ただ自分のリュックを返してもらっただけなのに、やたら照れくさいのは。
なぜといいつつも理由は明白である。リュックを差し出す香草さんの所作がやたら可愛かったからだ。頬を軽く染め、微笑みながら差し出してくるなんて完璧な動作を見せられたら、誰だって可愛いと思わざるを得ない。
そもそも香草さんは見た目だけなら可愛いんだし。

627 名前:ぽけもん 黒  覚醒と何も知らぬ僕 ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/10/01(水) 23:46:08 ID:QiulR6Y8
……見た目だけ、なんて実際に香草さん言ったらどんな目に合わされるか分からないな。
僕はリュックを置くと、リュックのほうに頭を向けて横になった。
するとガサガサという音とともに僕の右に香草さんが、左にポポが移動してきた。二人とも、やけに僕に近いような。
「固まって寝ろって言ったのはゴールドでしょ?」
香草さんは非難するように言う。
確かにそうなんだけど、なんというか……。
なんだか緊張してしまう。
さっきまで気絶していて、しかもこの頭痛で寝れるのかと思ったが、香草さんの頭の葉っぱから漂ってくる甘い香りを嗅いでいるとすぐに眠りに落ちた。

翌朝。
僕が目を覚まし、左右を見ると二人ともすでに目を覚ましていた。ならどうして横になったまま動かないのだろう。二人とも横になったまま僕の顔を眺めている。
体を起こして大きく伸びをすると、ポケギアで時間を確認する。 時刻はまだ五時半だ。
ポポに木の実を取ってきてもらうように頼むと、僕は出発の準備を整えた。
ポポは今までよりかなり短時間で木の実を持って帰ってきた。進化したお陰で飛ぶのが速くなったのか、それともたまたま近くに木の実のなる木があったのか。何かやたら香草さんのほうを見ていた気がするが、気のせいだろうか。
木の実は特に体調に異常のでない、普通の木の実だった。
これも進化することで木の実を見分ける能力が上がったのだろうか。……いや、これはさすがに関係ないな。
木の実を食べ終えると、僕たちはすぐに出発した。
道中、香草さんがやけにちらちらこちらを見てきたが、香草さんの性格からいって、何か言いたい事があったら言ってくるだろうから、彼女は何がしたいのだろうかと気になった。
昨日自分が僕の頭を地面に叩き付けた後遺症を心配してくれているのならありがたい。幸い、もう触らなければ痛みもないがこれが彼女が自分の言行を反省する機会になってくれるとありがたい。
それと、道中でポケモンと遭遇する頻度が上がった気がする。香草さんの甘い香りにポケモンが惹かれてくるのだろうか。
相変わらず余裕なので多少の遭遇数の増加は経験を積むのにも好都合だからちょうどいい。
十一時頃に昼の休憩という形で休みを取ることにした。
僕が母に電話し、もう全国の旅に出発していることを告げると「一度家に帰ってくればよかったのに」と予想通り小言を言われた。それに対し僕は「パートナーがすごく急いでいてさ」と誤魔化した。あながち間違いでもない。
電話が終わると、僕は「香草さんは親に電話しなくてもいいの?」と尋ねた。何せ香草さんは女の子だ。親の心配は男の比じゃないだろう。
すると彼女は「私はもう済ませた」と答えた。

628 名前:ぽけもん 黒  覚醒と何も知らぬ僕 ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/10/01(水) 23:47:35 ID:QiulR6Y8
意外な答えだ。でも草むらから走り去った後や、僕を気絶させた後など時間は十分にあっただろうからおかしくはないか。

昼食をとった後も僕たちは進み続けた。同じ道を三度も通れば、さすがに今自分がどの辺にいるのか大体把握できるようになる。僕はこのペースで進めば今日中に吉野町に着けると踏んで急いでいた。以前の彼女らの活動時間では無理だったが、今の活動時間ならばいけるはずだ。
正直、野宿はあまりいいものではない。今は温暖な時期のため防寒の心配をしなくていいから大分マシとはいえ、敵に襲われる恐怖もあるし、なにより環境的に快適とは言いがたい。
本当は若葉町で一泊する予定だったのに、それが台無しになってしまったからここ数日野宿続きだ。出来れば早く暖かいご飯を食べて暖かい風呂に入ってやわらかいベッドの上で眠りたかった。
と、僕の思惑通り、日が暮れてから一時間もせずに若葉町着くことが出来た。今回はロケット団に会うこともなかった。
真っ先に向かったポケモンセンターの受付でさっさと手続きを済ませた僕は、割り当てられた部屋に一目散に向かった。
「はあー、やっと柔らかい布団で寝れるよー」
僕の口からため息が漏れる。かなり急いだからもうクタクタだ。もう風呂に入るどころか食事する気力すらない。一刻も早くベッドで横になりたかった。
「ごめんね、無理させちゃった?」
香草さんが心配気に言ってきた。思わぬ誤解をさせてしまったようだ。彼女も疲れているであろうに。
「とんでもない! むしろ僕が無理させちゃったんだから、僕が謝らなくちゃいけないくらいだよ。二人とも、お疲れ様」
と、僕は単純に二人にお礼を言いたかっただけだ。
それが何かが――多分二人ともというところだろう――まずかったのだろう、思わぬ問題に発展した。
「私のほうが役に立ったわよね!?」
「ポポのほうがゴールドのために頑張ったです!」
……どうしてそうなるかな君達は。
昨日僕を町から拉致したチームワークをずっと保てないものか。「ぼ、僕疲れたからもうねるね」
そういってリュックをベッドの脇に下ろすと、ベッドにダイブした。
この状況だとどちらを褒めても角が立つ。これが最善の対応だ……と思いたい。
しかしこの対応も、また思わぬ方向に発展した。……別に僕の想像力が貧困なわけじゃないぞ。
二人してベッドを覗き込んできたかと思うと、二人とも僕の両脇に滑り込んできたのだ。シングルベッドだから三人も寝るとかなり狭い。そのため、図らずも体が触れてしまう。
「な、何やってるのさ二人とも!」
「いや……ですか?」
「いや……なの?」
二人とも、甘い声でささやいてくる。
どちらを向いても対応に困る。何で二人ともこんなこと……ポポは親に対して甘えるようなものだろうから分からなくもないけど、香草さんまで。最近密着して寝てたから、それが癖になってしまったのか?

629 名前:ぽけもん 黒  覚醒と何も知らぬ僕 ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/10/01(水) 23:48:54 ID:QiulR6Y8
「ほ、ほら、僕かなり汗臭いし!」
僕がかろうじて見出した弁明がこれである。我ながら、他に何かなかったものかと思う。
「ポポはそんなの気にしないです!」
「私のほうこそ汗臭いよね……。やっぱり嫌かな……?」
いいえ香草さん、あなたからはとても甘くていい匂いが、なんて口が裂けてもいえない。口が裂けそうになったけど。
僕が余計な弁明なんてするから、なおさら甘い雰囲気になってしまった。どうする? どうしよう? まったく、僕は眠いってのに、どうしてこんなに頭を使わなくちゃいけないんだ。というかこんな至近距離で香草さんの甘い香りを嗅いでいたらどんどん意識が落ちて……。

「ねえゴールド、柔らかい布団で寝れること喜んでたわよね? なら今度から……その……私を抱きながら寝ても…………ってゴールド? ……もう! 寝るのが早いのよバカ!」
香草さんはそう言って僕の脇腹を軽く殴った。
しかし僕はこの香草さんの葛藤も、僕が脇腹を殴られたとき、ぐえ、と声を漏らしたことも知る由がなかった。

630 名前: ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/10/01(水) 23:50:28 ID:QiulR6Y8
投下終了です
今月中にまた投下がないとは言い切れませんが、期待はしないでください

それと、保管庫の管理人さん、タイトルを補足しての補完、ありがとうございました

631 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 23:56:21 ID:wPcmbSz8
GJ!まだ1日目だというのに何という10月分www
期待はするなとは言うけども、2回目の10月分も勿論待ってます。
しかしツタパイルドライバーで進化とはw

632 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/02(木) 00:20:05 ID:OLx7eIgg
GJ
これで今月は頑張れる

633 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/02(木) 00:47:22 ID:SM42fPNx
GJ!
人間倒しても経験値もらえるのか
しかし、2匹でこれなら6匹揃ったらどうなるのやら

634 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/02(木) 03:19:54 ID:L9N1BtC1
GJ!
2日続けての投下にテンションが上がったわwww

635 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/02(木) 14:03:56 ID:8rgrWqvV
GJ!
もうそのまま11月分も先に投下しちゃいなYO!

636 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/02(木) 14:57:30 ID:MUU1QqG1
香草さん超デレだな、予想外w
>「はい、あなた」
さりげなく嫁宣言ですか、そうですかw

637 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/02(木) 15:06:07 ID:fXX0EQga
ポケ黒おもしろすwwww 
12月分も投下しちゃいなYO!

638 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/02(木) 17:33:42 ID:rUU4i4WK
セラブルって無理ゲー?

639 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/02(木) 23:10:44 ID:Z9wdD/jL
ポポは体の形状からして逆レイプに不利だな、その点香草さんは蔓があるからもってこい!
アナルも行っとく?

640 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/10/03(金) 00:13:36 ID:Dw68/vur
ポケ黒やっぱ最高だな
このまま1年分投下しちゃいなYO!

641 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/10/03(金) 00:18:45 ID:V0oXywpG
ヤンデレに甘えるとどうなるの?

642 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 00:30:51 ID:IM03+Zhh
ただのバカップルになります。でもヤンデレがさらに悪化します

643 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 00:35:41 ID:IM03+Zhh
で、連レスで悪いんだが他の住人が言う前に俺が言っておく
>>640と>>641
sageろやダボ。あんまチョーシこいてんじゃねーぞボケが
優しく言ってやりたいがそれだとわかんねーだろーからな。何度も言わせんなや

644 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 00:46:20 ID:60XTtzhD
>>643
お前さんの荒い口調のレスのほうがこのスレに悪影響を与えそうだ
>>640も別に本気で言ってるわけじゃなかろう
そんなに目くじらを立てるほどのことでもない

645 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 01:07:12 ID:tG9Sxrt6
きっと>>643は全裸で待機しすぎて少しイライラしていたんだよ。


646 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 01:44:15 ID:IM03+Zhh
>>644
不快に感じたら申し訳ない。>>1に書いてある内容も読まないで散々言われてることを
繰り返す馬鹿にはハッキリ言っておかないと駄目だと思ってな
だがこの程度の荒々しさで悪影響が出るスレでもあるまい。そしてsageるsageないに
本気も糞もないだろう。俺が怒ったのは書き込みの内容ではないんだよ

647 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 02:17:42 ID:SD9IZvfq
はっきり言ってageる奴よりお前みたいな奴の方が百万倍迷惑
キモい正義感を振りかざして癇癪起こすのは勝手だけれどわざわざそれを書き込まないでほしい
まあ言ったところで繰り返す馬鹿には無駄だろうけど

648 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 02:51:17 ID:IM03+Zhh
>>647
お前よく周りからキモイとかウザイとか言われてるだろ?
周りの迷惑だから早く死んだほうがいいよ?

649 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 03:06:43 ID:3FLE3CzZ
>>648
何でそう売り言葉に買い言葉で返すかなあ・・・
こういう言い合いはageることよりスレに悪影響与えるから自重してくれ
マッタリとヤンデレっ子を愛でようじゃないか

650 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 03:09:42 ID:BABeUzbf
争いのない平和な世界が訪れますように(-人-)

651 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 03:16:25 ID:S+W0MeH9
荒らしに反応するのも荒らし

652 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 04:07:49 ID:9C6C1LPu
まあ簡単にまとめるとsageないのはいけないことだけど、乱暴な言葉遣いはスレの住人を不快にさせることもあるから自重しようねって事だな
注意するのは良いことだけど言い方があるだろう、そんな物言いをされても素直に受け取る気にはなれないだろうと

653 名前:>>648←凄く馬鹿[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 05:03:40 ID:KpIwl6VD
=終了=
一人お子様がいたって事ですな
これ以上文句あるなら荒らしと同じ自分が大人だと思うなら消えてねあえて安価つけないけどね
=おしまい=

654 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 06:52:50 ID:mFVuqm/9
そんな事より真冬の全裸待機対策を語ろうぜ。
こないだ貼るホッカイロをどことは言わないけど貼ったら低温火傷した。まじでお勧め出来ない。

655 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 07:20:07 ID:AFAtVvDA
てかsage位常識だろ
そりゃ2回連続でageられてたら>>643みたいな言い方になってもおかしくない
ageると荒らしの標的になる可能性もあるわけだし


というわけで皆ageないように気をつけような?

656 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 07:29:06 ID:IMpoTfh5
サー!イェッサー!

657 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 08:03:31 ID:TEAQHfyE
あーどこかにロリdで巨乳でヤンデレの娘はいないかねぇ
そして俺を愛してくれないかねぇ?

658 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 08:31:55 ID:rcMDfV4D
香草さんとシルバー(ホモor実は女)のヤンデレバトルが楽しみだ

659 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 08:39:49 ID:A1Wrh396
>>658
その発想はなかったわ

660 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 08:57:19 ID:jBlFpu3u
そうか、そういうことなら…
少し応援したくなった

661 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 17:06:29 ID:82nktTWD
実はランが黒幕、シルバーはランに操られている。
婚約者がいてゴールドと結婚できないから両親を殺しシルバーに連れ去られたように見せかけ逃亡
本当はもう少し待ってからゴールドの前に姿を現すつもりだったが
パートナーを殺害すべくシルバーに操られているかのように見せかけて(ry


662 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 18:29:36 ID:4pvbp89K
>>661
予想はうざいからチラ裏にしとけよ・・・

663 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 21:21:52 ID:82nktTWD
すまんこ

664 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2008/10/03(金) 22:45:54 ID:chWVlsIq
暇潰しにage

665 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/04(土) 00:35:43 ID:a46Eny3X
喜多方ラーメン

666 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/04(土) 01:10:22 ID:oMEYwqw7
風邪に全裸は辛いぜ・・・
冷えてきたし皆も体調管理には注意しような

667 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/04(土) 03:53:29 ID:Nb01umPk
ヤンデレなねえさまに思いっきり甘えたい
そしてらぶらぶ共依存へ

668 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/04(土) 11:15:59 ID:phoUyoZK
あぁ、>>667がこんなに僕に甘えてくれるなんて!!
いいよ>>667!もっと、もっとお姉ちゃんに甘えてっ!ぐちゃぐちゃにしてぇぇええええ!!!
はぁ、はぁ、ふふふふ。ゆ、夢みたいだ。だってありえないもん。いつもはキモイとか言って顔すら見てくれないのに・・・・・。
そうか・・・・、これは夢なんだ。あまりにも弟が好き過ぎて僕の頭が作り出した幻想なんだ。
チクショウ・・・。いいよ、夢なら、どうせ夢なら。せめて夢の中の>>667だけでも!
僕だけのモノにしてやるぅぅぅうううう!!!!

サクッ



何てことになりかねんぞ>>667?



669 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/04(土) 12:01:11 ID:ZOCiqYbE
監禁やったらあかんのですかー?

670 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/04(土) 12:32:19 ID:HFFa9J3s
つねに否定から入る日本人的気質・農民的発想

671 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/04(土) 15:35:21 ID:2JgbPPca
ヤンデレの神よ

プロットの作り方とか教えてください


672 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/04(土) 22:01:56 ID:kqRfROcd
ヤンデレとは
1%の行動力と99%の愛である

という此処で見た言葉が今も俺を動かす

673 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 00:01:47 ID:TIGmpoqf
>>668
ずっとねえさまのものになれるなら何を惜しもうか


なんか創作意欲が沸いてきたりこなかったり

674 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 00:02:50 ID:6FTPhyuc
ヤンデレ二人に自分をめぐって取り合いされたい

675 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 00:09:29 ID:0lNMqyqT
最終的に胴体ぶった切られて”こっちは私が貰うね♪””じゃあ私はこっちを貰おうかしら”
ってなるかも知れんぞ?


676 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 00:10:44 ID:nWS1DS+n
それはヤンデレじゃなくてサイコじゃね?

677 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 00:12:27 ID:8SMi/5uo
そもそも半分けなんてしないと思うんだが

678 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 00:41:38 ID:qnRh/em9
未だにキチガイとヤンデレを勘違いしてる奴がいたとは

嘆かわしい・・!

679 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 00:52:17 ID:BrLO+Nwn
ヤンデレは献身

680 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 00:54:00 ID:/UUCrilx
>>679
でも>>674の状況だと>>674が引きちぎれるまで引っ張り合いしそうだがな

681 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 01:01:29 ID:z7kv5eT7
ヤンデレ陵辱→ヤンデレがデレる

これこそがヤンデレを攻略する方法だ

682 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 01:20:16 ID:FdAyjcJP
うぜえ流れ

683 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 01:56:54 ID:vklPgp+6
>>682
なら見るなよ粕

684 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 08:43:27 ID:A2VpTBO1
大岡「主人公の両手を引っ張り合って勝った方の物とする」

685 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 09:05:56 ID:VZ5pjDHl
両肩を脱臼して気絶する男を見て自分の大岡裁きが間違いであったと震える大岡越前であった

686 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 10:48:21 ID:tZ1jWFcI
ちょwww名奉行www

687 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 12:51:39 ID:2GjrbCU3
大岡「娘よ…そちの助言通りにしたら、男の肩が外れてしまったぞ」
娘「あらまぁ…」
大岡「幸いにもそれで騒ぎが収まったから、善しとするか」


娘『うふふ…これであの泥棒猫どもは男様から嫌われるわ。でも、念には念を…』


娘「行って参ります」
大岡「おや?何処へ」
娘「うふふ…」


ヤンデレ時代劇ってあるのかね?

688 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 12:53:59 ID:UA1tCLGl
ここで言うのもなんだけど、お茶会の人何かあったのかな……。
一月以上更新されてなくて心配だ


689 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 12:56:16 ID:XdhzWxp5
>>688
サイトとかあるの?あるなら教えてほしいんだが

690 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 13:00:42 ID:BpslhV9A
最終更新日8月29日か・・・
いろいろとリアルで忙しいのかもね
>>689
終わらないお茶会でググればすぐ出てくるよ

691 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 13:02:38 ID:ilbzDyVW
>>688-689
いい加減、見え透いた1人芝居はよせ。堂々と宣伝しろや(`´)。

692 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 13:05:54 ID:XdhzWxp5
>>691
くだらない決めつけは自分の日記帳にでも書いてくださいね

693 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 13:07:25 ID:XdhzWxp5
>>690
thx!

694 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 13:12:41 ID:nTn76Wmq
>>691
何その顔文字w

695 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/10/05(日) 16:16:40 ID:M8rQHOII
>>691
半笑いで怒るなよw

696 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 16:55:08 ID:XdhzWxp5
<`&#180;>

697 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 17:58:23 ID:h41G7kY9
ヤンデレxの献身 なんて電波が!
持てる技術をつぎ込み泥棒猫を消して、愛する教授に尽くす研究者が見えた。
「モンロー効果とノイマン効果を使って、メタルジェットを生成したら…」
「あの…陰茎しごきながら何言ってるの…」




698 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 19:39:08 ID:xccg/IFL
「大佐、今……彼は父さんと言いましたか?」
「ああ、前の妻とは死別……」
「そんなことは聞いていません!」

ソーマはセルゲイの襟を掴み家の中へ放り投げると、ドアの鍵を閉めた。
その鬼気迫る表情に、歴戦の勇士であるセルゲイが気押されていた。

「……どうした?」
「大佐、いえセルゲイ。 私はあなたの養子になることを拒否します。」
「そうか、仕方ない。 だが、アロウズに参加する事は承伏しかねる。 ……どうもキナ臭い。」

ソーマはセルゲイの上に馬乗りになり、2回、3回と頬を叩いた。

(プレッシャー!? 私が押されている?)
「私はセルゲイを夫とし、あの男も殺す。」
「何故だ?」
「セルゲイは私だけのもの。 あなたの遺伝子も私だけのもの。」

セルゲイは上着を脱ぐソーマから、目を離すことが出来なかった。

おわり

699 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 19:47:12 ID:xccg/IFL
スレ間違えた……すみません。

700 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 20:12:09 ID:g20k7TkA
才能は買った
さあ早くヤンデレを書く作業に戻るんだ

701 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 23:29:12 ID:arPv1cud
早く00スレに行って続きを書く作業に戻るんだ

702 名前:sage[] 投稿日:2008/10/05(日) 23:37:36 ID:qYKAm+J2
アレルヤ涙目だね。

703 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 23:43:02 ID:vklPgp+6
>>702
そのsageはわざとなのか?釣りなのか?

704 名前:sage[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 23:45:13 ID:qYKAm+J2
酔っぱらいの不注意です。ごめんなさい。

705 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 23:46:37 ID:x+YLbSmZ
釣られないクマAA略

706 名前:sage[sage] 投稿日:2008/10/05(日) 23:57:43 ID:qYKAm+J2
個人的にヤレルヤ・ハプティズムとソーマ・ピーリス(ヤンデレ)の掛け合いが見たいです。

707 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:08:49 ID:Wael68fN
たとえヤンデレだとしても二次創作モノは該当スレへGOだ、そうだろう?

708 名前:sage[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:11:45 ID:j5zJnISE
失礼しました。ただ、今日はこのまま正座して裸ネクタイで待機させていただきます。

709 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:25:06 ID:uUm7CUZ7
投下します。
第二十八話、まだ清算編です。

710 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:27:04 ID:UETegL9s
支援

711 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:27:20 ID:J1EoFD9V
支援

712 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:27:40 ID:uUm7CUZ7
***

弟と妹が家を出て行って、三日が過ぎた。
それは、私の願った理想の家族のかたちが、現実で崩壊した証拠。
両親と私の追求と説得にも応じず、その日の夜に二人は姿を消した。
行き先は聞かされていない。
昨日も一昨日も電話の前で待っていたのに、二人からの連絡はない。
警察に捜索願を出したけど、まだ連絡はない。
ないない尽くし。
でも一番堪えるのは、二度と二人に会えないかも知れないという恐怖。
乱れた感情に任せて今まで口にしたことのない汚い言葉で罵った。
私だけ。家族の中で私だけが取り乱した。
だからもう、弟と妹は私には会ってくれないんじゃないか。声も聞かせてくれないんじゃないか。
それが怖くて、不安で、眠れない。
ごめんって謝って、冷静になってもう一度話をしたい。
でも私は、どうしたらいいの?
弟と妹がセックスしてしまった。二人は兄妹。私の弟と妹なのに。
二人の関係を認めるなんて、絶対にしたくない。
じゃあ、別れさせる? 
それができたら一番だけど、そんなの、どうやればいいっていうのよ?

ふと、遠くで音が鳴った。
電話機の呼び出し音だ。
机の上に置いてずっと向かい合っていたのに、何メートルも離れたところで鳴っているようだった。
腕を持ち上げるのが面倒なぐらい疲れてる。
精一杯の元気な声で電話に出る。電話の相手はお父さんだった。
傘を持って迎えに来てくれ、と言ってた。
場所は近所の居酒屋。今日は一人で飲んでいたらしく、一緒に帰る人がいないらしい。
窓の向こう側は闇に包まれていた。空全体が暗幕で隠されているみたいに黒かった。
雨雲だ。分厚い雨雲が天を覆い隠し、無数の雨を地上に落としている。
また今日も夜になった。今日という日が終わる。明日がやって来る。
弟と妹から何の連絡もないまま、一日が過ぎてゆく。
無駄な一日。無いも同然の一日。
お願いだから帰ってきて、二人とも。
こんな、立ち上がるだけでふらふらしてるなんて、本当の私じゃない。
私は、あなたたちの頼れるお姉ちゃんだから、もっと強いんだから。


713 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:28:30 ID:uUm7CUZ7
夜の闇の中でも迷わずたどり着ける、お父さんの行き付けの居酒屋。
今日みたいにお母さんが仕事で遅れる日なんかは、私がよく迎えに行っている。
でも、今日はいつもと違ってた。
お父さんがお店の外で待っていない。
いつもなら、未成年の私に気を遣ってお店の外で待っている。
迎えに来いと言っておいて待ちきれずに先に帰ることはないだろう。
とすると、お父さんはまだお店の中にいる。
居酒屋の扉を少し開けて、店内を覗き見る。
カウンター席に座り、突っ伏しているお父さんが見えた。
他のお客さんの姿は見えない。
居酒屋特有の雑多な声が聞こえない。雨の音の方がうるさいぐらい。
店内に足を踏み入れると、お客さんはお父さん以外居なかった。
その理由は、とっくにお店が閉店時間を迎えていたから。
今の時刻は十時を過ぎている。
それだったら、お父さんもお店をでなきゃいけないのに。
そう思ってお父さんに近づくと、目眩のしそうなお酒の匂いがした。寝息も聞こえてきた。
お父さんは私に電話した後で眠ってしまったらしい。
お勘定は済ませてもらったから連れて帰ってくれ、と店員さんに言われた。
お父さんの肩を強く揺り動かすと、とりあえず顔を上げてくれた。
手を握って強引に店の外へ連れて行く。
傘は二本持ってきているけど、この状態のお父さんじゃ傘を持つのは無理。まっすぐ歩くけるかも疑わしい。
仕方ない。肩を貸してお父さんを引っ張っていこう。
右手で傘を差し、お父さんを支えながら歩きだそうとしたところで、呟く声が聞こえた。


714 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:29:58 ID:uUm7CUZ7
――冴子はいい子だなあ。
――頭もいいし、器量もいいし。子作りして本当に良かった。
――でも、下の二人はダメだ。
――俺の言うことを聞かないだけだったらまだしも、兄妹であんなことして。

そっか。お父さんがこんなになるまで飲んでたのは、二人のことで落ち込んでたからなんだ。
私と気持ちは同じね。現実逃避したくなるもの。
でも、二人のことを悪く言うのはやめてほしい。
体を重ねてるところを私が見るまで、二人とも何の問題もないいい子たちだったんだから。

――作らなきゃよかった。

……え? お父さん今、なんて?
変なこと言わないでよ。
もし二人が居なかったら、私はお姉ちゃんじゃなくなっちゃう。

――子供は冴子だけでよかった。あの二人を作ったのは失敗だ。

やめて。聞きたくない。
それ以上言わないで。あの二人を見捨てないで。
お父さんとお母さん、私、弟と妹。五人揃って家族なのよ。
否定しないで。私の拠り所を壊さないで。

――帰りたくないなら帰らなきゃいい。
――二人とも、勝手にしろ。

「――――馬鹿っ!」
我慢の限界だった。
傘を二本とも放す。お父さんの手を放す。一際大きな水音が立った。
私は一人で雨の中を進む。お父さんを放ったまま。
どうして、お父さんがそんなこと言うの?
お父さんは家族が大事じゃないの?
もしも私が悪いことしたら、そうやって見捨てるの?
お父さんは――――そんな人じゃない。
雨に降られて反省すればいいんだわ。
自分が悪いって気付くまで、家に帰ってこないでよね。


その時の私はそう思ってた。心の底から、混じりっけなしに。
お父さん、私はいい子なんかじゃないんです。
あなたが帰ってこなければいいと考えました。
全てはそれが原因です。
あなたが、その日を境に家に帰ってこなくなってしまったのは、私のせいなんです。


715 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:31:49 ID:uUm7CUZ7
***

「あ……もしかして、ジミー?」
「……人違いです」
「嘘つくな! その腕は間違いなくジミーだよ!」
「人違い…………だったら、嬉しいのに」
現実は厳しい。あまり出会いたくない人間に限って、思いがけない出会いを果たしてしまう。
場所は自宅から最も近い、行きつけのおもちゃ屋のプラモデルコーナー。
小学生ぐらいの子たちの姿はほとんど見られないここで、珍しく小さい女の子がいるなと思って見ていたら、
俺の視線に反応したのかその子が振り向いた。
で、数秒の間を置いてから言われたのが先ほどの台詞だ。
地味な容姿をしているからジミーなどという短絡的な名前で俺を呼ぶのは一人しかいない。
俺の…………血縁にあたる少女、玲子ちゃん(九つ)だ。
ここのつってひらがなで書くとココナッツみたいだ――が、それはどうでもいい。
俺と玲子ちゃんは異母兄妹だ。
しかし父の妻になった人間は今のところ母一人だ。後にも先にも誰も居ない。
よって玲子ちゃんは父の不義の結果生まれた子供ということになる――のだが、
父と母は兄妹なのだから、俺だって不義の子にあたる。人のことは言えない。
またしてもとんでもない話であるが、玲子ちゃんを産んだ母親は父の姉だ。
身内で姉妹丼。しまいどんまん。
真相を知ってから何度も思ったが……なんてことをしでかしてんだあの男は。
「ほら、やっぱりジミーじゃん。ごまかそうたってそうはいかないよ。
そのあふれ出るしょーげききょーがく、しょーが……しょ、しょしょ、しょーがく的な地味地味オーラでバレバレだよ!」
「小学的か。だったらしょうがないな」
「そう。ジミーがいくらごまかそうったって無駄なんだよ」
噛み噛み玲子ちゃん。小学的ってなにさ。
話が展開しないからあえて受け流すけどさ。
「玲子ちゃんは何をやってるの、こんなところに一人で。
伯母……お母さんは一緒じゃないのか?」
「んー、最近お母さん調子がよくないから病院に来ちゃいけないって言うの。
ボクが来ても窓の外ばっかり見てて、あんまり話してくれないし。なんだかつまんない」
「ふうん。そういうことは前からあった?」
「んーん。最近の、ちょうどジミーに会った日からあんな感じ。
どうしちゃったんだろ、お母さん」
俺に会った日から、ね。
伯母の顔を確認した途端に俺は逃げるように立ち去ってしまったから、逆に印象づけてしまったのかもしれん。
伯母には過去のことを忘れたままでいてもらいたいのに。
思い出してもらいたくない。良いことなんか一つもない。
今更謝られても困るし、また昔みたいに絡まれたくもない。
十年ぐらい前――たぶん今の玲子ちゃんよりも幼い頃の俺と、今の俺。
一番の違いが見られるのはまず目つきだろう。
昔は目がでかかったがあの頃より少し細くなった。はっきり言えば目つきが悪くなった。
眼鏡をかけるほどじゃないが、視力が下がっているからな。
それ以外にも細々と変化しているから、おそらく俺だとは気付くまい。
本当は伯母と玲子ちゃんの親子とは二度と会うつもりはなかった。
そうすれば過去のことをなげっぱなしにしていられるから。
ここで玲子ちゃんに会ったのは、知り合いと偶然街で顔を合わせた程度のことだ。
これ以上一緒に居たらずるずると話し込んでしまう。
この子、反応がいちいち俺好みだったりするから困る。


716 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:32:55 ID:uUm7CUZ7
「じゃあ玲子ちゃん、俺はこのへんで」
「もしかして、ジミーがボクのお父さんになっちゃったりするのかな」
「……………………わけがわからない」
この気分は、えーと、あれだ。
かなり前の話になるが、弟と折半して買った、キャラが喋りまくるのが面白い新作アクションRPGを交互にやっていたら、
なんでか知らないが、いつのまにかヒロインが無口な女の子になっていたときの気分だ。
真相は、単に弟が俺のセーブデータを自分のものと勘違いしてプレイしていった結果だったりする。
それぐらい置いてきぼりにされた気分。
弟には仕返しとして間違った数学の知識を仕込んでやったが、このケースではどうするべきだろう。
ふうむ。とりあえず玲子ちゃんの口にガムテープでも貼って無口な少女にしてやるか。
「いや、場所を考えるならむしろマスキングテープか? あっちの方がいろいろ自由が効くし……」
「なにぶつぶつ言ってんの? ただのジョークなのに取り乱して。
そんなにうれしいの? ボクのお母さんと結婚するのが。
もしかしてジミー……年下より年上が好きだった?」
「ツッコミどころが三つある。
まず俺は年下が好きなわけじゃない。そして、年上が好きなわけでもない。
それに何より、俺が君のお母さんと結婚するわけがないだろ!」
「あれ、そうなの? ボクのクマさんパンツはじっくり見たくせに」
「ふん、白とグレーのストライプだっただろうが。嘘を吐くな、嘘を」
「あれ? ジミーと初めて会った日ってアレはいてた?
よく覚えてるね。や、やっぱりジミーはボクぐらいの子が、す……好きなんだ」
「! …………ファッキン俺!」
小学生のパンツごときに不覚をとるとは!
違う、俺は小学生の下着が好きな訳じゃない。
たとえばほら、葉月さんのだって思い出せ…………あれ、思い出せない?
いや、人命救助が目的とはいえマウストゥマウスされたこともある。
マッサージされたことも、押し倒されたこともある。
一度ぐらい葉月さんの下着を拝んだことがあるはず。
――――ちくしょう、弟の洗濯物に混じった妹の下着しか思い出せん。
見たことねえよ、葉月さんのは。
「ジミーのロリコン」
「違う!」
「もしくは女の子のパンツを思い出すことに必死なヘンタイさん」
「変態じゃない!」
「……仮にヘンタイだとしても」
「変態という名の――――変態じゃない! 断固たる否定の意志!」
玲子ちゃんが舌打ちをした。隠そうともしていない。
危なかった。乗ってしまうところだった。
どうなってるんだ最近の小学生は。
テレビか、DVDか、それともネットか?
インフラが整いすぎてる。世代の格差を感じるぞ。


717 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:34:06 ID:uUm7CUZ7
「じゃ、ジミーは年上好きかあ。
でもさ、十七才のジミーとボクのお母さんとじゃ差があり過ぎじゃない?」
「その通りだ。玲子ちゃんだってそう思うだろう。だから俺は違うんだって。
というか、いつのまに俺が君のお母さんを好きだっていう設定ができたんだ」
「年下が好きなわけじゃないっていうから年上好きなのかな、って」
「なんでその二者択一になる。俺は相手の年齢で好きになったり嫌いになったりしないよ」
「じゃあ、どんな人が好きなの?」
「……嫌いなタイプならいる。
相手のことを好きでもないのに好きと言う人。そういう人とは絶対にダメだ。受け付けない」
中学時代に俺を浮かれさせた後にどん底まで落ち込ませた女のことだ。
たぶん、あの経験があったから、中途半端な気持ちで葉月さんと付き合えないと思ったのだ。
「じゃあ、ジミーは相手が嘘つきじゃなければ付き合えるの?」
「まあ、そういうことかな……」
「じゃあ、ボクのお母さんでもいいんだ」
「いいや、それは無い」
さすがにまずいだろう。さすがっていうか……絶対。
だって、玲子ちゃんの母親は俺の母の姉だぜ? 
相手が自分の母親より年上。俺から見たら伯母。小学三年生の子持ち。ちなみに子供は腹違いの妹。
どれをとってもありえない。
そんな相手と付き合う胆力は俺には無い。
……それに、昔の件だってある。
俺にとって、伯母は最も会いたくない類の人間だ。
「そもそも、なんで俺が玲子ちゃんのお父さんになるのか説明してくれない?」
「だって、お母さんジミーと会った日から窓の外ばっかり見てるんだよ?
他にも、ときどき屋上に行ってため息ついたりしてる。病院のご飯も全部食べないし。
学校の先生に聞いたら教えてくれたもん。それはきっと恋をしているのよ、って」
「……いい先生だね。きっと先生は本気でそう思ってるよ」
相手が高校二年生と知れば違う答えを返すだろうけど。
真実はどうなんだろう。
伯母は何を考えている?
もしかして昔のことを思い出したとか? もしくは、思い出しつつある?
これが俺の杞憂だったらいいんだが。


718 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:34:18 ID:UETegL9s
ジミーに支援

719 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:35:13 ID:uUm7CUZ7
「ジミーはこのお店、よく来るの?」
「時々ね。趣味でプラモデル作るから。ここは家から一番近いしね」
「そうなんだ。へー……一日にいくつぐらい作れるの?」
「んー……中身確認して、中性洗剤で洗って乾かして、メッキパーツはメッキ落として、
仮組み、それからサフ吹いて……」
「カリグミ? サフってなあに?」
「あ」
そうか。玲子ちゃんぐらいの年だとそんなことしないのか。
接着剤不要のやつなら仮組みしない。
ランナーから切り取って組み立てるだけでサマになる。
つや消しスプレー吹くだけで終わらした方がいいキットとかあるもんな。
うーん、スケールモデルじゃまず味わえない楽ちんさだ。
俺みたいなやつは、あえて部品精度の悪いキットを買って、いかに自分流に作り上げるかにこだわったりする。
小学生っていったら組み上げたロボットを早く見たいから、ちゃっちゃと作る。
俺も昔はそうだった。
「ジミー?」
「あ、ごめん。えーとね、俺がよく作るのは……そう、とにかくでっかいんだ」
「でっかいの? どれぐらい?」
「バラバラなのに部屋がごちゃごちゃになるぐらい」
これは嘘じゃない。とにかくでっかいは嘘だが。
パーツの自作しつつ片手間に筆塗りしてエアブラシも使えば寝るスペースすら無くなる。
部屋が広くないのも原因の一つ。加えて色々物が多いんだ、俺の部屋は。
だがこう言えば、玲子ちゃんぐらいの子供なら。
「すっごーい! ジミーそんなおっきいの作るの?! もしかして高校生じゃなくて仕事人?」
「仕事人……? ああ、仕事じゃないよ。ただの趣味。
そんなわけだから、一つ作るのには……早くて一ヶ月ってところかな」
「……すごいや。どんな人にでもとりえはあるって先生が言ってたけど、本当だったんだ。
まさかボクがジミーに感心する日がくるなんて」
なんだか、玲子ちゃんが今初めて俺を年上として見てくれた気がする。
おかしい。これまでも年上の世界を見せてきたはずなのに。 
なぜ俺の言葉には感心せず、脚色したプラモデル作りの話に感心するんだ。
やっぱり、子供は自分でも理解できるものに興味を引かれるのか。


720 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:36:06 ID:uUm7CUZ7
「玲子ちゃんはここに一人で来たの? 家が近所なのか?」
「ううん。友達のお姉ちゃんといっしょ。
ドライブに誘ってくれたから、ついていったの。
今はちょっときゅうけい中。ボクの住んでる家、ちょっと離れてるんだ。
ジミーも来る? ボクの家」
「それは丁重にお断りする」
「むう。なんでさ。ジミー付き合い悪い」
それはもちろん、玲子ちゃんとこれ以上絡みたくないからだ。
傷つくから言わないけど。
このままずるずると話していたら、玲子ちゃんの家に遊びに行くことになってしまう。
早めにこちらの意志を示しておくのが正解だ。
「ちぇ。お姉ちゃんとジミー話し合いそうなのに」
「そりゃまた、なんで?」
「だってこのお店、お姉ちゃんも使ってるって言ってたもん。
ちょうどペーパーとえめらるどのよーざい? が切れてるから寄っていくとかなんとか」
「……それは、耐水ペーパーとエナメルの溶剤じゃないのか」
「あー、そうだったかも。時々お姉ちゃんよくわかんないこと言うんだ。
ジミーぐらいの仕事人ならやっぱりわかるんだね」
「まあ、ね……」
なんだ、この高揚感は。
初めて趣味の合いそうな人間に会えるからか?
……なんか、すっごく語り合いたい気分になってきた。
「どうする? お姉ちゃん呼んでこよっか?」
「あ、うん。いや、やっぱり女の人だから……でもやっぱり会いたいかも……」
「わかった。じゃあすぐに連れてくるからここで待ってて!」
「え、ちょっと! まだ心の準備が!」
玲子ちゃんが俺の静止を聞くはずもない。
小走りで外へと向かっていった。


721 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:37:10 ID:uUm7CUZ7
いったい玲子ちゃんの友達のお姉ちゃんとはどんな人だろう。
どんな人というか、どれぐらいのレベルの人なんだろう。
耐水ペーパーを使うってことは、下地づくりや鏡面塗装をやってそう。
エナメルの溶剤は筆洗いや色を薄める時使う。エナメルで塗りをしてる証拠だ。
「何派だろう。カーモデルか、ミリタリーか、艦船か」
「私の好みはスーパーロボットだ」
「ちなみに俺はどれでもイケる」
「ただし、原作を知っているものに限る」
「ああ、知ってるのと知らないのとじゃ完成イメージが違うもんな……」
…………ん?
いつのまにか、右側に知らない女の人が立っていた。一歩分距離をとっている。
プラモデルの箱の詰め込まれた棚の最上段にある、パッケージイラストが人型兵器の馬鹿でかい箱を仰ぎ見ている。
話しかけてきたのはこの人か。
俺にとってのオアシスであるここに現れる女性はこの人が初めてだ。
……ふうむ。なるほど。
なら、試してみるか。
「あれって、子供にはまだ早いってことを暗に示してるんだと思う?」
「いや、特別なものだという認識を与えるためにあの位置に置いているんじゃないか。
私が玲子ぐらいの背丈しかなかった頃は棚の上にある箱に憧れた。
親に頼み続けて、クリスマスになってようやく買ってもらえたよ」
「俺も。張り切ってラッカー塗料買って部屋で塗りたくってたら母親がヒステリー起こした」
「私はでかくて高いからって、物の出来が良いわけじゃないということを思い知らされたよ。
光の翼は再現できないわ、上半身と下半身のバランスが微妙だわ。分離機構はまあまあだったけど」
「だけど、今ならパテられる。あの時とは違う」
「まだ私は盛りつけなんだ……それに、いつまで経っても怖くて」
「誰だってそうだよ。俺がスクラッチして傷つけて、ダメにした奴らはたくさんいる。
型取りしても上手くいかなくて、つい積んでしまう」
「そうか。じゃあ、私と君は似たもの同士だな。
君と一緒なら複製できそうだ。今度一緒に取らないか?」
「いいのか、そんなこと言って。
俺はファーストの太腿でもバリをつくっちまうんだぜ」
「それでもいい。まだ私には二つしか得意なものがない……ヒートプレスとバキュームだ」
「あれができるのか。俺なんかまだ絞れない」
「なら私がコツを教えよう。ただし、冬ならいいが、夏はダメだぞ。
熱く、なりすぎてしまうからな……ふふふ。それもまたよし、かな」
そう言って彼女は手を伸ばす。四箇所しか可動しない白い奴のキットに。
俺は彼女の求める、四百から千番の耐水ペーパーセットとエナメルの溶剤を手に取る。
そして俺たちは視線を交わす。
ただそれだけで、俺たちの思いは一つになった。
「……あなたはどちら様?」
「……君は誰だ?」


722 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:39:00 ID:uUm7CUZ7
まあ、お互いに相手の素性に見当が付いているのだが、確認はせねばなるまい。
「あなたが、玲子ちゃんのお姉さん?」
「そうだ。実の姉じゃないぞ。マンションの同じ階に住んでいるだけだ。
で、君は? 玲子の知り合いみたいだが」
「あー、俺は……あなたと似たようなもんです。
この間右腕をやってしまって入院した時にたまたま知り合ったんです」
「ということは、君が例のジミー君か」
「いえ、俺の本名はジミーじゃなくって」
「君と玲子が話しているところをこっそり聞いていた。
玲子が君のことをジミーと呼んでいるのなら、私もそう呼ばざるを得ない」
「……そうですか、じゃあそれでいいです」
どいつもこいつも俺を本名で呼んでくれない。
兄さんとかお兄さんとか兄貴とか先輩とかジミーとか、代名詞ばっかりだ。
名前だってちゃんとあるんだぞ。呼ばれないだけだ。
でも代名詞だけで会話が成り立ってる以上、現状は変わらないんだろうなあ。
「ところで、ジミー君はどうして敬語で話しかけている?」
「え、なんとなくですけど」
「君は十七だったな。私の方が年上になるが……敬語はやめてくれ。
せっかく趣味の合う人間に会えたんだ。敬語は抜きで頼む」
「ああ、わかった。そうする。
それで、俺はあんたのことをなんて呼べばいい?」
「…………まあ、ジミー君は害が無さそうだから教えてもいいか。
藍川京子だ。好きなように呼んでくれ。オススメは京子ちゃんだ」
「じゃ、藍川で」
「京子ちゃんは駄目か?」
「いや、なんか知っている人と混同しそうだからやめとく」
「なら仕方ないな。だが、いつでも呼び方を変えたかったら変えてくれて構わないぞ」
「そうするよ、藍川」
年上にちゃん付けはどうしても違和感がある。
なにより、澄子ちゃんと名前が似てる。
澄子ちゃんと目の前の藍川とじゃ、容姿は似ても似つかないが。
澄子ちゃんが赤ずきんを被った少女だとすれば、藍川は魔法使いに会う前のシンデレラ、もしくはマッチ売りの少女。
背丈は俺と同じぐらいなのに体が細い。そのせいで、幸薄そうに見える。
でも、澄子ちゃんは見た目が愛らしくても中身は狼だった。
というか、俺の周りの女はみんな何かしら変なところがある。
藍川も見た目通りの女とは限らないから注意が必要かもしれない。


723 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:40:52 ID:uUm7CUZ7
藍川が買い物を済ませた後で店を出る。
出た途端、入り口近くの壁にもたれながらジュースを飲む玲子ちゃんと会った。
「探す手間が省けた。二人ともここで待っててくれ。すぐに車を回す」
そう言って立ち去る藍川。
藍川が居なくなると、玲子ちゃんは俺の顔を見て笑った。 
小学生は何か企んでいそうな笑顔を浮かべても似合うからいい。
これが中学二年、早ければ中学に上がった途端に変貌する。
余計な知恵をつけているから要らないことまで考えるようになるのだ。
小学生の考えることは楽に読める。素晴らしきかな純真な心。
「楽しかった? ジミー」
「楽しいか楽しくないかで言えば、楽しかったよ」
「うそばっかり。すっごい楽しそうだったよ。
言ってることは全然わからなかったけど」
「そう? あれぐらい普通……じゃないか」
普通の人は安物のプラモの関節を十個増やしたりなんかしないもんな。
「お姉ちゃん、今は恋人いないんだって。男の人と話すのが苦手って言ってた」
「そうなの? そんな風には見えなかったけど」
「うん、きっとあれだね。お姉ちゃんはジミーにほれちゃったんだよ。間違いない!」
「ふ、若いな。玲子ちゃん」
「む。その言い方何? たしかにボクはジミーより小さいけど、せいしんねんれいは同じぐらいなんだからね」
ああ、この子の頭の中は順調に成長しているなあ。
児童だけに許される無自覚の痛々しさがある。
自分より年上の人間と対等に渡り合えると本気で思っている。
父親が不在、母親が入院中という家庭環境に置かれながらよくぞここまで育ってくれた。
きっと、良識のある大人やいい友達に恵まれているんだろう。
「男と女の間にも友情は成立するんだよ。
それが趣味を通じてのものだったら、なおさら繋がりは強くなる」
「ふうん、そういうものなんだ」
「初めて出会えた、俺が専門用語をわかりやすく言い換えなくても会話できる相手に。
右腕が動かないのが惜しくてならないよ」
「そんなこと言って、お姉ちゃんのことを好きになっちゃっても知らないよ。
ラブストーリーは突然に始まるんだからね」
「……玲子ちゃんがどこから古い知識を仕入れているのか、時々俺は疑問に思う。
でも、その通りだろうね。
他人や何かを好きになるきっかけなんて、ちょっとした思いつきや何気ない言動によるものがほとんどだから」
「じゃあ、ジミーはきっかけさえあればお姉ちゃんやボクやお母さんのことを好きになるんだ」
「何気なくありえない選択肢を混ぜてくるところが憎いなこんちくしょう。
……でも、否定はしないよ。これから先のことは俺にも読めないからね」
玲子ちゃんや伯母を恋愛の対象として見ることは絶対にないけど。
他の女性陣だったらどうか。
妹という選択肢は無い。今朝はどこに出かけるのか細かく聞かれたけど、それ以外はいつも通りだった。
あんな素っ気ない女は、仮に妹じゃなかったとしても好きにならない。
澄子ちゃんは、無い。あの子は弟に惚れてるから。
俺と弟と澄子ちゃんで三角関係? あまりにも俺が惨め過ぎる。
同じ理由で花火も無い。あいつ自身は嫌いじゃない。
だけどあいつには負い目があるから、そもそも好きになれないだろう。
篤子女史、却下。理由は高橋も絡んでくるから。
残るは一人。葉月さん。
でも彼女を振った俺が、今更好きと言うなんて。
だから、俺は彼女に――――


724 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:43:09 ID:uUm7CUZ7
唐突に、思考を遮る携帯電話の着信音が鳴った。
「鳴ってるよ、ジミー」
「わかってるよ」
着信音の特撮ヒーローのオープニングテーマに反応してくれないことに一抹の寂しさを覚えつつ、
携帯電話のディスプレイを見る。
噂をすれば影が差す。噂ではなく黙考だが。
葉月さんが電話をかけてきた。
このタイミングでかけてきたことも驚きだが、葉月さんが電話してくることも驚きだ。
連絡は専らメールで取り合っていたからだ。
一応、何を言われても受け入れられるよう覚悟して、通話ボタンを押す。
「もしもし、葉月さん?」
「うん。私」
「何かあった? 電話してくるなんて」
「……どうして? 私が電話しちゃダメなの?」
「そういう意味じゃないよ。ただ珍しいなって思って」
「そう、かな? じゃあ……そう思わないように、今日からしょっちゅう電話かけようか?」
「ごめんなさい。勘弁してください」
着信履歴が葉月さんだらけ。軽く話しかけてくるぐらいの頻度でかかってきている。
さすがにそれはやめていただきたい。
とはいえ、現状で着信履歴とメールの送り主は葉月さんがほとんどだからちょっとしか変わってない。
俺の友人は顔を合わせた時しかコミュニケーションしてこないのだ。
「ねえ、あなたは今どこにいるの?」
「家から出てるよ。一人で買い物してる途中」
「……嘘、一つ。
じゃあ、今誰かと一緒にいる?」
「ああ、たまたま知り合いに会ったから」
「知り合い? 友達じゃなくって?」
「あー、友達って言っていいのかな、一応」
「……どう見たって友達以上じゃない。嘘、二つ」
さっきから葉月さんがぼそぼそ言ってるみたいだが、聞き取れない。
何か数えてるのか?
「あなた、私の名前知ってるよね? 忘れてないよね?」
「そりゃもちろん。忘れるはずがない」
携帯電話に『葉月さん』で登録しているのはなんとなくだ。
俺は相手をフルネームでなく呼び名で登録するタイプなのだ。
「じゃあ、好きなように私を呼んで? オススメは……葉月ちゃんだよ」
どっかで聞いた台詞だな。ちょうど数分ぐらい前に。
しかし『葉月ちゃん』は、どうだろう。
年下ならともかく、葉月さんにちゃん付けはできない。
葉月さんは同級生の女子と比べたら年上に見えるぐらいだ。
「……うん、やっぱり葉月さんのままがいいな。そっちの方がイメージに合ってる」
他意は無い。俺は本当にそう思ったのだ。


725 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:44:37 ID:uUm7CUZ7
「何よそれ! どういう意味なの!」
だから、鼓膜を突き破らんばかりの怒鳴り声が聞こえてきたときは、訳が分からなかった。
キンキンする。耳の穴から針を差し込まれたみたいだった。
電話機の声と肉声がステレオで聞こえてきた錯覚までする。
混乱と鼓膜の痛みで頭が回らない。
「いや、どういう意味って、そのまんまの意味なのに」
「嘘三つ! どうして嘘ばっかり! 仏の顔も三度までよ!」
「なんでそんなに怒ってるのか俺にはわからないよ。俺、何か悪いことした?」
「無自覚!? ど、どどど、どこまで鈍いのよあなたはあああっ!」
もはや葉月さんはヒステリック。
耳を塞ぎたいぐらいの声量で叫んでくる。
「そこはオススメとは別で呼ぶところでしょう?
なんでいつも通りなのよ! 変えて欲しいって言ってるのがわからないの!?」
「……葉月さん、好きなように呼んでって言ったじゃないか」
「私のせいにするの?! ちょっとは気を利かせてくれてもいいでしょ!
忘れてるみたいだから教えてあげる! たった今から私をこう呼んで!
いいえ、呼びなさい! 呼ばないと実力行使に出るわよ!
私の名前は、葉づ――――」
そこで唐突に音声が途切れた。
ディスプレイは表示されている。ツーツー、と音も出ている。
ということは、葉月さんが電話を切った? あのタイミングで?
弾みで電話を切ってしまうとは、葉月さんの興奮状態恐るべし。
「ジミー、今のだれ? 話全部聞こえてたよ」
「ああ、同じクラスの友達。今はね」
「女の人だよね。どうしてあんなに怒ってたの?
ジミーが何か悪いことしたんじゃない? たとえばパンツ見たとか」
「そういうのだったら納得いくんだけどね」
そういうのじゃなく、名前で呼んでくれないのが嫌で怒っているらしい。
ううむ。なぜあそこまで冷静さを失うのかがわからない。
「女心はフクザツだからね。ジミーには気配りが足りてないよ。女の子にはやさしくしなきゃ」
「簡単に言ってくれるね、まったく」
だから優しさって何なんだ。もうちょっと直接的に、わかりやすく言い換えてほしい。
何かして欲しいとか、こう言う時はこうするようにって前もって言っておくとか。
以前、妹が中学に上がった頃に口論になったことがある。
俺が妹より先に風呂に入った件について。
そんなこと考えなくてもわかるでしょ、と妹は言った。
対する俺の言い分はこう。今までそんなこと言わなかったくせに、だ。
その時は妹のすね蹴りで決着が着いたが、妹との関係にはしこりが残ってしまった。
こんな感じで女は突然心変わりするものだという認識がある。
以来、女に対して一歩引いて接するようになった俺を誰が責められようか。
俺は葉月さん以外の同じクラスの女子としばらく口を利いていないのだ。


726 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:48:41 ID:SR1kypBP
sienn

727 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:49:26 ID:uUm7CUZ7
「あ、お姉ちゃんの車。ジミーもお姉ちゃんに送ってもらうんでしょ。ほら、行くよ」
「ああ、はいはい」
対して、よく話す女性陣は一歩引いて接するとあっさり飲み込まれてしまうので油断ならない。
思いやりの心が介入する余地なし。そこまで頭が回らない。
しかし――いつか葉月さんは名前で呼んだ方がいいな。
またヒステリーを起こされても困る。実力行使に出る、って脅されたし。
やっぱり、ちゃん付けしないと怒られてしまうんだろうか。
それとも呼び捨てがいいのか?
……難易度高いなあ、もう。





投下終了です。
途中で専門用語が出てくるのは仕様です。
このスレの住人が「Nice Boat.」を書き込みに使うのと同じようなものだと思ってください。

728 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:51:21 ID:SR1kypBP
乙!!しかし、弟と花火が空気になってきたな

729 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:52:16 ID:5l0US11V
>>727
GJだよ
やっぱりレベル高いな……

730 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 00:56:12 ID:+loTBcu6
素晴らしいGJ

731 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 01:11:38 ID:iGfIRXJx
GJ!
葉月さんいいよ葉月さん
そしてジミーは畜生道(ロリコン)に堕ちたか

732 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 01:12:48 ID:wQiWMlTw
GJ!
ここでまさかの玲子ちゃんと京子ちゃん登場ですか


733 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 01:27:17 ID:rNZNJVhY
GJ!
ジミーはいつもながら綱渡りだな。何回か落ちてる気もする。良く生きてるな。

734 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 01:33:50 ID:M1k5AoQ5
GJ!
相変わらず面白い、そしてアニキに新たなフラグが!……何フラグなんだろう

735 名前:sage[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 02:05:20 ID:j5zJnISE
GJ作者!!!
アニキ、フラグが立ったか?

ねえ
皆さん、ヤンデレ×ヤンデレってどう思う?

736 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 02:07:48 ID:wPGE7Enn
ジミー、遂に葉月さんを怒らせてしまったか…
それにしても葉月さんの病み具合かなり加速してきたな

737 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 02:09:14 ID:YWr8FrdE
>735
お互いにヤンデレだったら、という話題はもう何度も何度も何度も何度も何度も出ているので「またか」としか。

738 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 02:39:54 ID:gKe6mJ2x
名前乱にsageって流行ってんの?

739 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 04:04:44 ID:Wael68fN
とりあえず葉月さんが抱えてるあの誤解をさっさと解くべきなんだがいつになるんだろうねぇ

740 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 05:16:59 ID:IELmHma5
例えば、急に身動きが取れなくなることがあるとする。
それを金縛りと呼ぶのは別段不動尊を信心せぬ私にも許されたことではあろうが、
その明白な原因があったならば、見えない明王の索などに思いを巡らすこともあるまい。
そしてその原因はと言えば横目にちらと見えるナイトテーブルの上の薔薇の一輪挿しや部屋の奥の金細工が麗麗しい大鏡でも、
背なに感じるシーツの柔らかさや天蓋から垂れる真紅の琥珀織の帳でも、ましてや仄かに漂う近東風の香水でもなく、
寝台の縁に腰掛けて紅玉の瞳で私を見つめる方にほかならない。
「お目覚めはいかがかしらぁ?愛しいひと」
薄い唇からの、甘い声が耳朶をくすぐる。
「どうしたの?まさかこうなってる理由が分からないのぉ?」
姉様が寝台に上がる。夜衣の裾が乱れ、あえかなふくらはぎが目に入った。目が会う。顔が近付き、姉様の銀髪が頬をくすぐる。呼気の薔薇の香りに軽い恍惚を覚える。
「そんなに情けない顔をして、ひょっとして分からないのかしら?お馬鹿さんは相変わらずねぇ」
切れ長の目が細められる。普段は月の光のように青白い姉様の肌には少し朱が差していた。言葉はなお続く。
「しょうがないから教えてあげるわぁ。あなたは私がいない間48回も他の女と口を利いて、6回も私以外のことを考えて自分を慰めたでしょう?
とっても悲しかったのよぉ」悔やんでいることを、引け目を感じる当人に責められるほど辛いことはない。
姉様の目にはうっすら涙さえ浮かんでいる。謝りたくても喋れすらしない状況が歯痒く、酷く自分を惨めに感じた。
「だから、今からその分のお仕置きと、二度とそんなことをしないようなちゃんとしたしつけをしてあげるわぁ。
これからは私と少し見つめあっただけで、身も心も切なくてたまらなくなって、可愛くおねだりしちゃうようにしてあげるぅ」



変な電波を受信して書いた。続くかもしれないがたぶん続かない

741 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 07:11:39 ID:AjXyy3qk
G・J!!
京子ちゃんかわいいよ京子ちゃん
所で葉月さんのフルネームってなんだっけ?


742 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 07:39:59 ID:wPGE7Enn
>>741
兄貴の通称がジミーの様に、葉月も葉月なんだよ

743 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 10:42:15 ID:/4CDe+A2
GJなんだぜ
ジミーはジミーだからな、変えようのない事実だなw
まったく……いろいろとフラグ立てが上手いなジミーはwww




744 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 11:16:03 ID:+MpwsT+4
京子ちゃんっていつ出てきたっけ?

745 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 12:28:42 ID:J11OXoqg
葉月さんヤベェwまじヤベェww

746 名前:もう何も信じない 第11話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 14:55:48 ID:4otcPJil
第11話投下します。

747 名前:もう何も信じない 第11話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 14:56:34 ID:4otcPJil
あの日、私は父さんを殺した。だって、お兄ちゃんを傷つけようとしたんだもの。当然の報いよ。
そして、お兄ちゃんを奪おうとした雌猫……三神 光も。
見られちゃったのもあったけど、もともと始末するつもりだったし、手間が省けたわ。

でも、お兄ちゃんに見られたのは失敗だったかな?ううん、かえって好都合だったかもしれない。
だって、実の妹じゃ愛してくれないでしょう?
私はずっと、もしかしたら一緒に生まれたときから好きになってたのに、お兄ちゃんにとって私は、ただの妹に過ぎなかった。
だったら、私が光に……他人になれば愛してくれる。だから、私は"三神 光"になった。
お兄ちゃんには「晶は死んだ」とふきこんだ。
親戚も、ずっと会ってなかったから、私たちの顔なんか分かりやしない。私は、三神光だと言い張った。

結果、私はショックで記憶が混乱しているんだと思われた。でも晶だとはばれなかった。お兄ちゃんが否定したからだ。
それからは、本物の三神夫妻に引き取られ、三神 光として育った。

今思い返してみればよくうまくいったものだと思う。三神夫妻は、私が晶だと気づいていたみたいだけど、私が殺したとは思っていなかったみたい。
お兄ちゃんは、事件のことはきれいに忘れていた。妹は死に、父親は女と逃げたと都合よく思い込んでいたみたいね。

でも、ひとつだけ誤算があった。まさか光が…私の作ったキャラクターが一人歩きするなんて。
おかげで私は心の奥底で眠りにつかざるを得なかった。

それでも、光はよくやってくれた。お兄ちゃんと、私の体を使って愛し合ってくれた。
もうお兄ちゃんは私なしではいられない。だから、もう用済み。

綺麗さっぱり、今度こそ消してあげるわ、光。




「…ぁ……歩…僕は……僕が……」

そうよ、あなたがお兄ちゃんの大事なものを奪ったの。

「もう……僕は……君のそばには…いられない……」

ええ、そうね。あなたはもう要らないの。
だから、心置きなく、消えちゃってね?今までご苦労様。ふふ……あははははははははっ!




目が覚めると、光の姿がなかった。家中探してみたが、どこにも見当たらない。

「お客様のお掛けになった電話は、電波が…………」

携帯にも出ない。
おかしい。今までこんなことはなかった。近場に出かけるなら、電源を切る必要なんてない。何があったんだ?

俺はコートを羽織り、光を探すべく外に向かう。と同時に、電話で右京にも協力を仰ぐ。

「右京か!?光が…光がいなくなったんだ!」
「落ち着け佐橋!…とにかく、俺も探すから、一旦どこかで落ち合おう。」
「すまない!」


俺たちは、近所の喫茶店の前で落ち合った。こんな朝早くにすまないな、右京。

「佐橋!三神はいったい!?」
「……わからない。こんなこと、初めてなんだ。いつもは俺に声をかけてから出かけてた…。最近に至っては、ずっと俺から離れなかったくらいなのに………!」
「とにかく、探そう……!」

748 名前:もう何も信じない 第11話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 14:57:24 ID:4otcPJil
学校、礼ねぇさんの家、駅、コンビニ……とにかく心当たりがあるところはすべて回ったが、結局光は見つからなかった。
もう日が沈む。こんなに長い間離れてるなんて……嫌な予感がする。まさか、何かの事件に巻き込まれでもしたのか…?
いやだ、光…頼むから無事でいてくれ。

自分でもここまで取り乱すとは思わなかった。
今まで、光には俺が必要で、俺がいなきゃだめだと思ってた。だがそうじゃなかった。

本当は、俺の方だったんだ。あまりに光といる時間が幸せすぎて。
今まで生きてきた中で一番幸せで、気付かなかったんだ。

お前を失ってしまったら、俺はもう生きていけない。そこまで溺れていたんだ。
依存していたのは、むしろ俺だったんだ。

「頼む……光。帰ってきてくれ……」


そのとき、俺の脳裏にあるひとつの光景が浮かび上がる。
そこは、海岸だった。人気のない砂浜、その真ん中に光はいた。その手にはナイフが握られている。

それだけで充分だった。俺は、光の元へ向けて全力で走り出す。

「おい佐橋!どうしたってんだ!」
「わかったんだ!光の居所が!」
「――まさか、視えたのか?だとしたら…三神が危ない!」
「ああ!急ぐぞ!」
「待て、佐橋!」
「?」

すると、佐橋は携帯を取りだし、電話をかけた。
「姉さん?実は……そうか、ありがとう。…佐橋!そこの大通りまで!」

749 名前:もう何も信じない 第11話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 14:58:09 ID:4otcPJil


大通りに着いてから3分が経った。右京…一体何を?

「ここでどうするんだ!?」
「いいから!そろそろ来るはずだ。」

すると、一台のバイクが轟音をたてて近づいてきた。何やら、見覚えのあるシルエットだな……

「右京、お待たせ!」

……左京先輩?

「ありがとう、姉さん。佐橋、後ろに乗っていけ!」
「どういうことだ!?これは……」
「あとで話す!今はとにかく三神の所へ!」

確かに、今はそれどころじゃない。

「…すまない、恩にきる!」
「行きましょう、佐橋くん!光ちゃんはどこに!?」
「海にいます!たぶん、隣町の。」
「……少し遠いわね。飛ばすわよ。」

―――あっという間に右京が見えなくなった。メーターは………見ないでおこう。

先輩の話によると、バイクは趣味のひとつで、18になったらすぐ大型二輪の免許を取得するつもりだとか。
相変わらずぶっとんだ人だ。
そもそもそんな短期間で免許とれるっけ、とかは言わないことにした。

だって、左京先輩のおかげでこうして大分早く目的の場所に着くことができたんだから。

「行って、佐橋くん!」
「先輩、ありがとう!」


俺はバイクから降り、そして光のもとへ駆け出す。


この時はまだ気づかなかったんだ。いや、この期に及んでなお気づかないふりをしていたのかもしれない。

これが、全ての終わりの、破滅の始まりだということに。

750 名前:もう何も信じない 第11話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 14:59:13 ID:4otcPJil
第11話終了です。
続けて第12話投下します。

751 名前:もう何も信じない 第11話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 15:00:16 ID:4otcPJil
「光っ!!」

俺は光のもとに走る。が、返事はない。
今にも、ナイフで首を掻っ切ろうとしていた。

「やめろぉ!!」

間一髪、俺は光の手からナイフをはたき落とし、思いきり光を抱きしめる。

「このばかやろう!どうしてこんなことを!なんで…なんでだよ……お前まで俺を裏切るのかよ!
一生離れないんじゃなかったのかよ!俺は、もうお前なしじゃいられないんだよ……!
好きだ…お前が好きなんだ…!だから、いなくならないでくれよ………」

俺は、光への思いを隠さずぶちまけた。でも、光の反応は……

「あ……お兄ちゃん…?」

――――えっ?

「光、お前…何をいってるんだ?」
「ずっと、会いたかったんだよ…お兄ちゃん……」
「まて、光!なんの事だ!?俺はお前の兄なんかじゃ…」
「お兄ちゃん、あたしの事忘れたの?あたしは―――――あきらだよ?」

―――どういうことだ!?訳がわからない!どうしてここで晶の名が!?
晶は死んだんだ。それに、今しゃべっているのはどう見ても光だ。
……でも、光はこんな目をしない。いったいなんなんだ?

「――っ!この雌猫、また邪魔をして―――」
「…?」
「―――歩…?どうしてここに…?」
「光!光なのか!?」

いつもの光だ。間違いない。じゃあ、さっきのは……?

「……っ!だめだ、僕は……もう君とは一緒にいられない…。」
「どうして!?なんでそんなことを言うんだ!…俺が嫌いになったのか?」
「違う、君を嫌いになったりしないよ…。でもだめなんだ。全て思い出したんだ。歩…僕は……」
「何を…思い出したってんだ?」

「僕は…晶だったんだ。君の妹だったんだよ。」

―――なんの冗談だ?そんなばかなこと、あるわけが……まさか、さっきのは本当に……

「光…晶は死んでるんだぞ…そんなこと……」
「さっき見たよね……僕のなかに晶がいるんだ。いや…晶が僕を、三神 光という人格をつくったんだ。
そして、今まで眠ってた。だから、今まで知らなかったんだよ。」


「僕が…晶が自分の父親を殺し、そして、本物の三神 光を殺したことを……。」

752 名前:もう何も信じない 第11話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 15:02:08 ID:4otcPJil


…わからない。どういうことなんだ!?本物の光を殺したって…それに、父さんも……
本当なのか?本当に、光は…晶なのか?いや、そんなこと有り得ない!
だって、もしそうなら俺たちは……兄妹で………

「僕は…君を愛する資格なんてないんだ。ずっと君を騙してたんだ…。
きょうだいで愛し合うなんて、いけないことなんだよ……それに、僕は人を殺した…。だから、君とはいられない…………あっ…」

「……お兄ちゃん、だいすきだよ?」


嘘だ。
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だウソダウソダウソダウソダウソダウソダ――――

「嘘だぁぁぁぁ!!ちがう!お前は光だ!晶なんかじゃない!…うそだっ…!うそだって…いってくれよぉ……!」

「…ごめんね……お兄ちゃん。これは真実なの。あたしは、晶。光は、もう一人のあたし。」
「なら、なんで…そんなことをした?俺は光じゃなきゃだめなんだ!俺が憎いのか!?だったら、最初から殺せよ!父さんみたいに俺を殺せばよかったじゃないか!」
「そんなことしないよ…。あたし、お兄ちゃんの事、愛してるから…。そしてお兄ちゃんはあたしを愛してくれた。」
「違うっ…!俺が愛したのは……光だ…!」

「同じだよ。光は、もう一人のあたし。光を愛するということは…あたしを愛するってことなの。
……もうあんな雌猫のことなんか、忘れなよ。そして、あたしと一緒に――――っ…」

「―――だめだ…歩。」
「――光?」
「僕は……」

そういって、光はナイフを拾う。

「え…………?」

そして、こう言った。

「あゆむ…さようなら。


ずっと、愛してるよ。」

「光!やめろぉ――――――!!」

753 名前:もう何も信じない 第12話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 15:04:33 ID:4otcPJil
第12話終了です。
>>751-752
タイトルを11話のままにしっぱなしでした。すみません。


754 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 16:02:46 ID:i4uJW1WE
GJ!!!

755 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 16:14:52 ID:kkAtBiNQ
投下ラッシュktkrwww

GJ!

756 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 17:56:49 ID:v29LrWJj
ジミーの人はほんと鈍感を書かせたらうまいなぁ・・・ 
このままジミー君には鈍感勘違い道を走る抜けてほしい!

757 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 18:05:53 ID:NX+AAHeg
「志村!うしろぉ――――――!!」


Gj

758 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 18:54:36 ID:8znzMSDb
>>728
あの二人は空気でいいよ、もう。話の進行が遅れる。
>>744
死闘編にちょっと出てきたな。澄子ちゃんの友達だ。
昔、澄子ちゃんと同じ男に暴行を受けていたらしい。弟が自殺している。

759 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 20:28:58 ID:wPGE7Enn
>>758こらそこ!一々的確に答えるんじゃない!
そして12話投下乙です。かなり終盤にきたな…

760 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 21:12:06 ID:nkKUysud
>>756みたいなのがまだ居るんだな


761 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 21:24:43 ID:sYYIxwyg
葉月さんもジミーを名前で呼んでない件について。

762 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 21:49:06 ID:nIfVPU38
>>761が核心をついた!

763 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 21:51:26 ID:vz9uUAX3
>>759
勝手に終盤にしないでください
そういうの迷惑です

764 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 22:46:33 ID:wPGE7Enn
>>763
いや、あそこまでいくともう終わってしまうのかと思って…

765 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 22:49:28 ID:iGfIRXJx
>>761
書かれている部分がすべてではない
きっとかかれてない部分では一秒間に十回くらい言っているに違いない

766 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/06(月) 23:45:21 ID:Wael68fN
何らかの拍子で光の人格が晶の中に入ってきたと予想してたが外れたぜ
主人公からして未来予知が使えるからそういった選択肢も有りだと…

767 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/07(火) 07:44:02 ID:lYC81nPK
カチカチ山ってもう投下ないのかなぁ。 
続き気になってずっと待ってるんだが…。

768 名前:もう何も信じない 第13話A ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/10/07(火) 17:19:54 ID:EAh51zIu
第13話投下します。
いくつかあった最終話の構想の一つです。

769 名前:もう何も信じない 第13話A ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/10/07(火) 17:20:36 ID:EAh51zIu
ザクッ――――


「うそ…だろ…?おいっ、光!しっかりしろ!光っ!!」
「あ…あゆむ…ごめん……ね…?」
「光っ!待ってろ、今救急車を呼ぶから!」
「ごめん、ね……お兄ちゃん。」

「……晶?あきらっ!やめろ!光を…殺さないでくれ……!!」

―――救急車が通ります。道を開けてください。救急車が――――

「患者の血液型は!?」

血液型……光が晶なら、俺と同じはずだ。

「RHマイナスのA型です!俺と同じはずです!」
「よし…採血だ!すぐに確認を!」

血液型は、一致した。RHマイナスなんてそうそうある血液型じゃない。
これでほぼ証明されたわけだ。

光は、晶だった。

でもそんなことは今はいい。とにかく……助かってくれ。

病院に着いてすぐ、光は手術室に運ばれた。

「佐橋……きっと、三神は大丈夫だ。信じるんだ。」
「……すまない、右京。」
「ほら、飲め。」

右京は、コーヒーの缶を差し出した。でも…

「…悪い。吐き気がするんだ。今は飲めない。」
「そうか…。無理はするなよ。」

限界の、さらに限界まで血を抜いた俺の顔色は、きっと最悪だ。
看護師からもらったスポーツドリンクも、とうに吐いてしまった。

光が助かるなら、俺はなんでも差し出す。だから神様、どうか光を…つれていかないでくれ。


770 名前:もう何も信じない 第13話A ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/10/07(火) 17:21:15 ID:EAh51zIu


ガシャン!ウィィィ………ン

手術室の扉が開く。
「せんせいっ!!光は!」
頼む…頼むから…!


「手術は成功です。ただ、意識が戻るまでは、まだしばらく………」

そこまでで充分だった。
俺は安堵し……意識を手放した。



12時間後――――

目を覚ました俺は、光の病室に来ていた。
まだ光は、眠っていたが。

「光…どうしてだ…?何で死のうとした……?俺たちが兄妹だからか?俺は…それでも構わなかったんだ……
なあ…目を覚ませよ…いつもみたいに笑ってくれよ……」

俺は、光に優しくキスをし、部屋をあとにした。


それから4日間、俺は光の病室に通い続けていた。。
しかし、ただ眠り続ける光ともはや何も言う気力すらない俺しかいない部屋には、いつも外の雨音だけが響いていた。

771 名前:もう何も信じない 第13話A ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/10/07(火) 17:21:51 ID:EAh51zIu

一週間後、それは訪れた。

「………っ?」
「…光?目が覚めたのか!?」

「ん…おはよう。

お 兄 ち ゃ ん ? 」

―――背筋が凍りついた。

「……?おい光?なんの冗談だ…よせよ……。」

「ごめんね、お兄ちゃん。光は、もういないよ?」
「……うそだろ?」

「本当だよ。あんな雌猫、もう要らないもの。だから消しちゃった。」
「………!」

そんな…光が…消え…た……?

「だいじょうぶ。これからは私がいっぱい愛してあげるから…ね?あはははっ……」

バンッ!

たまらず、俺は病室を飛び出した。どこでもいい。どこか独りになれるところへ行きたかった。
だから俺は、その足で屋上に向かった。

それから、泣いた。ただひたすら、泣いた。胸から込み上げてくる悔しさと、喪失感と。
ありったけの殺意を抱いて。

………ふざけるな。その体は光のものだ。
その顔で微笑むな。
その声で喋りかけるな。
その手で触れるな。

それは、光のものだ。お前のものじゃない。お前が光のなかにいるなんて、絶対許さない。
だから―――

「光…待っててくれ。やることができたんだ…。終わったら、すぐに迎えに行くよ……」

俺は……晶を殺す。

772 名前:もう何も信じない 第13話A ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/10/07(火) 17:23:01 ID:EAh51zIu
ガラッ―――

「おかえり、お兄ちゃん。」
「…………あきら。」
「ふふっ…お兄ちゃん、大好きよ…。」
「………。」
「お兄ちゃんに抱かれたことを思い出すと…今でもどきどきするの……
私の大事なとこも、もうこんなにぐっしょりだよ?あ…退院までなんて待てないよ…はやくぅ…はやく抱いてよ…お兄ちゃん…」

「……ああ。」


俺は、丁寧に晶の服を脱がす。
唇からはじまり、徐々に全身を愛撫していく。

「あ、はっ…お兄ちゃん…きもちいいよ……はやく…きて……」

俺は、ただ黙って晶を貫く。

「あ…んっ!お兄ちゃん、お兄ちゃんっ!もっとぉ!すき…!すきぃ…!だいすきぃぃ!」
「………っ!」
俺は、つい口からこぼれそうになった言葉をこらえた。

「あぁぁぁっ!もう、だめ!いくっ!いっちゃうぅっ!お兄ちゃあんっ!」

―――今だ。

「愛してるよ、光。」

そして俺は、光を死に追いやった銀色のナイフで、晶の心臓を貫く。

「っ…ふぁっ……私は…あき、らだよ……?」

俺は、止めを刺す。

「好きだ…光。」

ナイフを回し、肉をえぐる。ぐりゅっ、と生々しい音がした。

「…ふふっ……お兄ちゃんった、らぁ……仕方ない…んだから……あはっ………ああははははははははっ………くはっ……」

「…もう邪魔はさせない……晶、お前は独りで逝け。」

ドサッ―――


晶は、事切れた。
そして俺は、"光"の骸に口づけを落とす。

「今度こそ…永遠に愛し合おう……だいじょうぶ、もう独りになんかさせないさ。
俺が…ずーっとそばにいるよ。たとえ…地獄だろうと……。」

そして俺は、自らの体にナイフを突き刺す。刹那、視界が赤に染まった――――

773 名前:もう何も信じない 第13話A ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/10/07(火) 17:23:58 ID:EAh51zIu
俺は、死にゆくなかで一筋の光をみた。暖かく、優しいひかりを。

もう俺にはその光しかみえない。
でも、それだけで充分だ。

光―――愛してるよ。ずっと一緒だ。



―――True end―――

774 名前:もう何も信じない 第13話A ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/10/07(火) 17:25:54 ID:EAh51zIu
第13話A終了です。

いままでお付き合いくださってありがとうございます。
13話Bも完成したらいずれ投下したいと思います。

では、また。


775 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/07(火) 17:51:19 ID:VZ6TFYoC
>>763がうz
GJです。次はハッピーエンドか。また良作が終わっていくなぁ。
気が少々早いですが、できれば次回作も楽しみにしています。

776 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/07(火) 18:58:03 ID:1HpMWAiv
>774
二人が可哀想です(´;ω;`)
でも一番病んでいた晶にも萌えてしまったw
初SSでしたっけ、乙でした
別ルートや次の作品も楽しみに待ってます

777 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/08(水) 02:00:21 ID:6SaJtiPz
>>774
GJすぐる……
ちょっと涙でた
ハッピーエンドが来てくれる事をネガウゼ!

778 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/10/08(水) 17:14:21 ID:eKypKMFZ
>>774
GJ!
なんか晶に一番萌えた!

779 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/08(水) 17:21:44 ID:8/VTxWi7
>>767
同意

780 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/08(水) 22:19:12 ID:UUdMuA5W
>>773
GJです

予知能力を以ってしても惨劇回避は出来なかったんだな・・・






ヤンデレと出会わず 血を見なくてメシがウマい
+        ____    +
+   /⌒  ⌒\ +
キタ━━━//・\ ./・\\━━━!!!!
+   /::::::⌒(__人__)⌒:::::\  +
|  ┬   トェェェイ     | 
+  \│   `ー'´     /    +
_|\∧∧∧MMMM∧∧∧/|_
<                       >
/  ─ /  /_ ──┐ヽ|  |ヽ  ム ヒ | |
Χ   ─ / / ̄ /   /  | ̄| ̄ 月 ヒ | |
ノ   __ノ   _ノ   \   / | ノ \ ノ L_い o o

781 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/08(水) 22:24:51 ID:cXgcUX8t
>>780
最後のAAは使い方違うぞw

782 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/10/09(木) 02:02:27 ID:qOdTjRqp
ヤンデレ家族と~の作品の登場人物が混乱してきた
俺の6ビットの脳じゃ処理できない…誰かまとめてくれ…
他力本願でスマソ

783 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/09(木) 02:23:11 ID:OwteJnzV
暗記する位
毎日ぶっ通しで読むんだ

784 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/09(木) 05:10:56 ID:9ARydoB8
ジミー←両想い→葉月さん
これで完璧

785 名前:もう何も信じない 第13話B ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/10/09(木) 07:53:34 ID:c48KZVjY
13話B投下します。

786 名前:もう何も信じない 第13話B ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/10/09(木) 07:56:30 ID:c48KZVjY
歩、僕は君に愛される資格なんかないんだよ……。
でもね、君とひとときでもつながりあえて、幸せだった。
……できれば、知りたくなかったよ。でももう遅い。僕は三神 光じゃない。
晶なんだ。君の妹なんだよ。
だけど、約束して? 今度生まれ変わったら…ううん、何度生まれ変わっても、僕をみつけてくれるって。
何度生まれ変わっても僕を愛してくれるって。
約束だよ……?

ザクッ―――――――

「………どうして?」
「光……」

刃は、僕ではなく歩に突き刺さっていた。

「どうして!?僕は君とは愛し合えないんだよ!?だったら…もう生きてい
たくないんだよ…!?」
「…ばかやろう。そんなの、俺だって同じだ。……お前がいなきゃ、だめなんだ。
好きだ、光…。誰より……愛して…る…」

ドサッ

「あ……歩?………お兄ちゃん……?お兄ちゃんっ!いや、いやぁ―――――!!」

「光ちゃんっ!いったい…歩くん!?」
「あ…せんぱい…?歩が…あゆむがぁっ……おにいちゃんがぁ…」
「光ちゃん!気をしっかり!」

―――ここは…どこだ?
…とうさん?
そこにいるのは……光か?
『…っ……!!』

なんで母さんの名前を呼ぶんだ?俺は歩だ。

『く…はっ……』

―――お兄ちゃん、大丈夫?―――

光…?お前、いったい何を…

―――お兄ちゃんをいじめるやつも、お兄ちゃんをゆーわくするやつも、
みーんなころしたよ?だから、もうだいじょうぶ―――

ちがう…。お前は……晶…。

―――お兄ちゃん、聞こえる?

晶?どうしたんだ?

―――あたし、嬉しかったよ。光を通してだけど、お兄ちゃんに愛されて。
だから、もういいの。光を、もう一人の私を…いっぱい愛してあげてね?

まてっ…晶、あきらっ…

「――――っ!」

787 名前:もう何も信じない 第13話B ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/10/09(木) 07:57:25 ID:c48KZVjY

目を開けると、まず白い天井が視界に入った。そして………

「あゆ…む…?あゆむっ!気が付いたんだねっ!?」
「…光?俺は…」
「っ…よかった…よかったぁぁ…あぁぁぁぁん……」

光が、泣きながら俺を抱きしめる。俺は、そっと抱きかえす。
どうやら、助かったみたいだな、俺は。

「光…俺、全部思い出したんだ。」
「えっ…?」

俺は、思い出したことを全て話した。

あの日父さんが俺のなかに母さんを見て、俺を求めてきたこと。
それを見た晶が父さんを止めようとしたこと。
俺にいつか愛されるために、兄妹でなくなるために、晶が"本物の三神 光"を殺し、すり変わったことを。

そして、晶はもう"いない"ことを。

「うん…そうだね。もう僕のなかに晶はいない。でもいいのかな…。僕はしょせん偽物なのに……。」

「…そんなことは関係ない。光、お前はお前でしかない。
晶も、"本物の三神 光"も、お前にはなれないんだ。…俺は、そんなお前を愛してるよ。」

「………っ!だめだよ!僕は、君の妹なんだよ!?そんなの、だめだよ……!」
「…大丈夫だよ。お前は、俺がただひとり愛した女。三神 光だ。…それで、いいじゃないか。」
「…いいの!?本当に、それでいいの?」

「ああ、誰になんと言われようと構わない。俺は………

もうお前しか愛さない。」

788 名前:もう何も信じない 第13話B ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/10/09(木) 07:59:46 ID:c48KZVjY
1ヶ月後、俺はなんとか退院できるまでに回復していた。そして、今日がその日。

「…本当に、これでいいんだな?佐橋。」
「当たり前だ。……右京、感謝してるよ。」
「気にするな。これくらい、友人のためならなんてことない。」
「いや…なんてことあると思うが…」

右京は、今回の事件をうまく揉み消してくれた。
病院にも金を渡し、俺と光は"たまたま"同じ血液型だってことにしてくれたらしい。
ほんと、ミステリアスなやつだよ。ただの高校生じゃないだろ、お前。あえて言わないが。

「それに……お前の気持ちもよく分かるよ。俺も…いや、俺の方がひどいかな。知ってて好きになったんだから……。」

最初、右京に打ち明けられたときは本当に驚いた。いや、ぶっとんだ。
右京は、実の姉の左京先輩に惚れてたんだそうだ。ちなみに、まだ本人には打ち明けてないとか。
―――まあ、そう遠くない未来、二人は結ばれるだろうな。

「それを言うなら俺だってそうさ。……俺は、実の妹を捨てたんだから…。」
「でも、後悔してないんだよな?」
「ああ。後悔なんかしてたら、あっち逝ったときに晶にぶっ飛ばされるよ。」

ふと見ると、出入り口に見慣れた人影が一つ。

「お―――い!あ―ゆ―む―!」
「噂をすれば、だ。じゃあ、俺はこれで……。」
「ありがとう、右京。」
「ああ、退院、おめでとう。」

789 名前:もう何も信じない 第13話B ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/10/09(木) 08:00:44 ID:c48KZVjY
ガチャ キィィ……

「「ただいま。」」

ああ、懐かしの我が家。生きててよかった―――
「えいっ!!」
「ぐわっ!?」

ドサッ

「光!?いきなりなんだ!?」
「…はぁはぁ。歩…あゆむぅ…もう、がまん…できないよ……。
1ヶ月なんて…長すぎるよ……せつないよ……はや、くぅ…んっ…」
「――――っ!」

こいつ、すでにヤル気満々か!?

がちゃっ☆

「お前っ…また手錠…」
「ふふ…にがさないよ……あゆむ…」
「…逃げやしないよ。ほら、おいで…。」

がばっ

「あゆむっ!だ―――いすきっ!!」


ああ――――俺は、幸せ者だな。
もう、こいつにに病みつきだ。

愛してるよ、光。


―――Happy end――――

790 名前:もう何も信じない 第13話B ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/10/09(木) 08:03:26 ID:c48KZVjY
第13話B終了です。

次回作を作るとしたら2人を脇役に使おうとか思ってます。
今までありがとうございました。

791 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/09(木) 08:08:19 ID:7xJ8i1k/
リアルタイムだよ。乙です。完結しちゃったな遂に。
YOU次回作書いちゃいなYO

792 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/09(木) 14:55:52 ID:SOf0GIuZ
>>790
完結乙。読みやすくて良かったよ。

…ところで、次回作の予定はあるかい?

793 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/09(木) 16:28:47 ID:w83qiRid
自演乙

794 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/09(木) 16:34:29 ID:Lno8bxvh
自演だなんてそんなことじぇんじぇんないですよー

795 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/09(木) 17:02:43 ID:OUX7rX1G
>>790
GJ

796 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/10/09(木) 17:54:35 ID:C37XgdHT
擬音多すぎw

797 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/09(木) 23:58:19 ID:FbT1K0af
ほす

798 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/10(金) 00:04:39 ID:+zHDqTCS
>>796
自分が知ってるたった一つの書き方をただ一つの正解だと思ってるから、いつまでたっても三流なんだ ってばっちゃが言ってた

799 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/10(金) 00:21:19 ID:lbp8Eees
こんな場所にいるにしては三流とは随分上等じゃないか

800 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/10(金) 00:25:21 ID:vDDCAQqR
いわれたことしかできない人間を三流。

いわれたことを上手にできる人間で、ようやく二流。

>>790はいつになったら一流になるんだ?

最終更新:2009年03月14日 07:10