180 名前:天使のような悪魔たち 第2話 ◆UDPETPayJA [sage] 投稿日:2008/10/17(金) 23:25:14 ID:69OvmC0n
―――――あれ。どうしたんだ結意のやつ。なぜ立ち上がろうとしない?

「あ…あしに、ちからはいんないよぉ…ふぇぇぇん…」

―――ああはい、そうですか。

「なんで…なんでよお…ぐすっ…立てないよぉ…飛鳥くんに……また置いてかれちゃうよぉ…」

ほんっと、しょうがないな。俺は、結意に背中を差し出した。

「ほら、乗れ。」
「…ごめんね。飛鳥くん…ごめんね。」
「謝るな。その…俺のせいなんだし。」

―――数十分後。早くも後悔していた。
結意のやつ…さっきから人の背中ですーはーくんかくんかしやがって…恥ずかしいったらありゃしない。おかげで、人目につかないよう道を選ばざるをえなくなったじゃない
か。すれ違う人はみんな怪しそうに俺たちを見ているし。……置いてこうかなぁ。

そんなこんなでようやく結意の家にたどり着いた俺。つうか、俺んちの近くじゃん。だからいつもいつも家の前までストーキングできたのか。

「ありがとね、飛鳥くん。」
「ああ、じゃあな。」

さて、今日は帰って寝よう。体力使いすぎた。その……まあ、聞くな。
………が、結意が俺にしがみついて離れない。

「…だめ。」
「おい結意?なんなんだ。」
「こんな夜遅くに一人でいたらごーかん魔に襲われちゃうよ…。せっかく目を覚まさせたのに、また道を踏み外しちゃうよ…。飛鳥くんの処女…奪われちゃうよ…。」

こいつ………まだ根に持ってやがる! しかも、がっちりホールドして腕はなさねえし。
「私の家に泊まってきなよ。ね?ごはんごちそうするから。」

天使のような笑顔でそう告げる結意。いや、まさに天使のようだ。つまり、それだけかわいいってこと。

「…わかった。じゃあ、そうさせてもらうよ。」
「わーい!じゃあじゃあ、はやく上がって―――♪」


このときに気づいていればよかったのかもしれない。が、日ごろの結意の行いのせいでマナーモードの振動を感知できなくなった俺はまったく気づかなかったんだ。自宅から
の着信が30件、おそらく表示しきれないほどにかかっていたことに。

181 名前:天使のような悪魔たち 第2話 ◆UDPETPayJA [sage] 投稿日:2008/10/17(金) 23:27:39 ID:69OvmC0n
終了です。

182 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/17(金) 23:29:10 ID:Z49gLh8U
GJ 乙です

183 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/17(金) 23:32:47 ID:FPIAWl3n
リアルタイムGJ!
エロからちょっとワイヤード臭がしたw
けど主人公がヒロインを早い段階で受け入れる作者氏のスタイルは好きだ。
期待してます

184 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/18(土) 00:23:14 ID:dcdLjjhT
おお!!やっと来たか!GJ!!!

185 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/18(土) 09:33:02 ID:pRAF7xae
GJ!
妹に次回の妹に期待!

186 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/18(土) 10:15:53 ID:Pz56XLW4
次回も期待!

187 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/18(土) 15:33:37 ID:UbHuOyAI
ツンデレ…憤怒、嫉妬
巨乳…色欲
大食い…暴食
素直クール…傲慢
スイーツ…強欲
依存っ子…怠惰

ヤンデレ「あんな人たちと一緒にいたら、男くんが腐っちゃう」


188 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/18(土) 16:08:06 ID:CnavF6lm
>>187
11の眼…いや、なんでもない

189 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/18(土) 16:27:33 ID:0Y82snVS
嫉妬のポジションをヤンデレにあげたらどうだ

190 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/18(土) 18:16:19 ID:7FeVn5m6
つーかそれでハーレムスレの悪魔のやつを思いだしたぜ

191 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/18(土) 19:32:56 ID:5CaYngk7
おまえもか…

やべえ…どこか歪な方々が集まってる感じがマジやべえ…

192 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/18(土) 19:36:08 ID:7FeVn5m6
俺的にはリヴァイアサン一択だった
ハーレムスレはたまにおいしいものがあるから困る

193 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/18(土) 19:58:40 ID:5CaYngk7
さて、荒れる前に別スレの話題はここまでにしといて、件のネタに戻るか…


戦うのか?聖●戦争みたいな感じで…

194 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/18(土) 20:09:35 ID:flquowyj
聖槍?

195 名前: ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/18(土) 20:13:07 ID:jpNcDmls
>>187 ヤンデレってそれ全部備えている感もありますけどねw

ワイヤード十話 投下します。

196 名前:ワイヤード 第十話 ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/18(土) 20:13:39 ID:jpNcDmls
第十話『ロストマイセルフ・喪失』

信じていたものが崩れる瞬間、人はなにをするのだろうか。
悲しむのだろうか。怒りにとらわれてしまうのだろうか。心を失ってしまうのだろうか。
愛が憎しみに変わるのだろうか。
それは、それぞれが決めて、進んでいくこと。乗り越えること。
鷹野百歌は、愛にしがみつくことを選択した。
「誰だ……近づくな、近づくな……」
がたがたと震える男に、百歌は手を伸ばす。
――百歌だよ……私は、百歌だよ。
「知らない……! 私はそんなやつ、知らない!」
男は、化け物でも見るような目つきで百歌を睨み、その手を払いのけた。
「亡霊め……『あの女』の形をとって、私をまだ……まだ、縛りつけようと……!」
男は、ぶつぶつと呪いの言葉を口にする。
――私は、『あの女』じゃない……百歌なのに……。
百歌はおびえ、抵抗する男に蹴られ、殴られ、突き飛ばされながらも、ただひたすら男を求め、近づく。
「くるな……くるな……」
百歌は信じた。
男が自分のことを思い出してくれることを。自分が生きている証拠をくれることを。
だから、傷ついても倒れなかった。前を向いて、目をそらさず、手を伸ばした。
未来を求めた。幸せを求めた。
――お父さん、私はお母さんの亡霊じゃない……。私は、百歌だよ。お父さんの、娘だよ……。
存在する確信を失った少女は、壊れゆくその心を護るために、ただ、求め続けていた。
――だから、名前を呼んで……。


197 名前:ワイヤード 第十話 ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/18(土) 20:14:10 ID:jpNcDmls
「百歌ちゃん、百歌ちゃん」
「――っ!?」
がばっと身体を起こし、きょろきょろと周囲を見る。
家の中ではない。自分が今通っている中学の、教室の中。しかも授業の真っ最中であった。
右隣を見ると、おっとりとした笑顔を浮かべた少女が座っていた。
――ああ、またこの夢か。
理解した。割り切ることにして、百歌は嫌悪の感情を感情のみに押さえつけた。決して、態度には出さない。
「ありがとっ、ちょっと疲れてて」
ぺろりと舌を出し、隣の少女に笑い返す。
少女は本当に幸せそうに百歌を見つめ、小声で「悪かったかな?」と、イタズラっぽく言う。
――うん、悪いよ。
この悪夢の象徴である少女に対し、百歌は心のなかで精いっぱいの恨みをぶつけた。
あの幸せを途切れさせ、いつも悪夢に引きずり込むナイトメア。百歌はこの少女が本当に嫌いだった。
ああ、憎らしい憎らしい。そうは思うが、そんな化け物でもこの悪夢の中では格段のリアルだった。だから、しがみつく。くらいつく。
教師のつまらない講義を無視しながら、百歌はナイトメアを観察する。
名前は、『メア・N・アーデルハイド』。外国人だ。いや、外国人ですらない。――たぶん、人間じゃない。
真っ白い。
メアは、燃え尽きた灰のように、何もかもが真っ白かった。
ツーサイドアップの長髪、肌、なにもかも。
その瞳だけが、少しだけ青が混じってかろうじて生物としての存在を主張していた。
それがなければ、本当にただ着色していない人形だった。
美しい。あまりに美しい。


198 名前:ワイヤード 第十話 ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/18(土) 20:14:41 ID:jpNcDmls
正直、人形にたとえることすらできない。人形ですら、メアに対しては比較対象にならない。
恐らく、百歌の短い人生での観測史上最大の美女だろう。
百歌は、『クラスか学年で何本かの指に入る可愛い子』という程度の見た目だと、そう自己認識している。
実はその中でも相当な上位であるということまでは知らないし、そこまで自分の容姿には興味も無かったが――ひとつだけ、わかる。
メアは、そういう風に当たり前の世界の中に生きていていい存在じゃない。
それはまるで、夢の中に生きるもののように。
モノクロの夢の中から現実を侵食してくるように。
百歌の心を、悪夢の中に突き落とす。
全てを奪ったこの怪物が、百歌には憎らしくて仕方が無かった。憎くて、憎くて――
「メア……。大好きだよ」
メアにだけギリギリ聞こえる、本当に小さな声で言った。いや、聞こえることすらそもそも聞こえていない。ほぼ独り言だ。
しかししっかりとメアには伝わっていたようで、メアは「もうっ、百歌ちゃんったら……」と白い頬を赤く染めた。
「ボクも好きだよ」
メアが微笑む。
憎い。
その美しい笑顔を、めちゃくちゃに壊してしまいたい。
壊して、壊して、この悪夢から抜け出したい。
だからその笑顔が――何よりも欲しい。愛おしい。
百歌の心と身体は、悪夢の中に堕ちていた。この現実そのものが、百歌にとっては幻想だった。
自分の存在すら保証してくれない、こんな世界が、百歌は大嫌いだった。この中にいたら、いつか壊れてしまいそうだった。
どうしようもない不安のなかで、薄っぺらい幻想――それを人は未来と呼ぶ――を抱いて生きる人間が嫌いだった。
本当の人間じゃない。信じられるものじゃない。
だれもかれも、何も不安が無くて、幸せの意味も知らなくて。こんな現実を何も考えず、生きるだけ。
生きているという気になっていて、ただここに立っているだけ。
それが嘘であることも知らずに。
生きているという証拠も無いのに。次の瞬間には消えてしまっているかもしれないのに。
この世界に生きる人間は、皆偽りに思えた。だれも存在を認め合おうとしない。ふわふわと、クラゲのように漂っているだけだ。
それはもう、人間なんかじゃない。


199 名前:ワイヤード 第十話 ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/18(土) 20:15:12 ID:jpNcDmls
「すみません先生、気分が悪いので少し出てもいいですか」
すっと立ち上がり、教師にそう告げる。
生徒が何をしようが無関心のその教師――偽りの人間は、百歌にも「ああ」とだけ言って、また黒板をかりかりと汚し始めた。
たぶん、百歌の名前なんて覚えてはいないだろう。
百歌はさっさとこの喧騒の中を離れたかった。
知能の低いクラスではない。誰も授業中に耳障りになるほどの大きな私語など発していない。
それどころか、私語をするのはメアと百歌のみだろう。
だが、そんな事実が百歌の耳の奥にまで響いて、切り裂いてしまう。
誰も、リアルな人間じゃない。
悪夢の中で、百歌だけがぽつんと立っていた。
誰もが、百歌の心を引き裂こうと、悪魔の囁きをしているかのようだった。悪魔の声は、百歌には聞こえない。
その中で百歌に話しかけるのは、メアだけだった。この悪夢の主である、メアだけ。
耐えられるわけが無い。
「(もう……いやだよ、お兄ちゃん……)」
おぼつかない足取りで、トイレに向かった。
メアはその後姿を見送りながら、顔を悲しみに歪ませた。
「(百歌ちゃん……。まだ、夢の中に……)」
そして、決心したようにメアが立ち上がった。
「先生、ボク……!」


200 名前:ワイヤード 第十話 ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/18(土) 20:15:43 ID:jpNcDmls
トイレに入り、すぐに奥の個室に駆け込む。鍵を閉め、壁を背にして崩れ落ちた。
力が抜ける。
「はぁ……はぁ……」
今にも胸を貫いて、『何か』が飛び出してきそうだった。おぞましい何かが。
百歌には、自分が本当に生きているのか、自身がなかった。
人間とは何かも、分かっていなかった。
ただ、ここにいる自分が『人間』と思い込んでいるだけの、何かなんじゃないだろうかという疑いが消えない。
「お兄ちゃん……助けて……」
ハンカチをポケットから出す。
鼻と口に押し当て、大きく吸い込む。『香り』が百歌の身体いっぱいに広がった。
周りの空気に溶け込んでしまいそうだった。麻薬のように侵食していく。
千歳の匂いだった。
昨晩口でして、ほとんど飲んでしまったが、兄の性器にも精液が残っていた。このハンカチはそれをふき取ったものだ。
「はぁ……お兄ちゃん……切ないよ……会いたいよぅ……」
この『発作』は、一日に一回は絶対に起こる。そのたびに鎮めることが必要になった。
イヤホンを取り出し、耳につける。コードが繋がっている先の機械のスイッチを押した。
――百歌。
「あぁ……お兄ちゃん、お兄ちゃん……!」
――百歌。
「そうだよ、名前を、名前を呼んで……!」
兄の、自分を呼ぶ声。あらゆる場面、パターンのものを録音していたそれを百歌は聴いていた。
兄だけが――千歳こそが、百歌にとっての現実だった。
唯一のリアルだった。

 

201 名前:ワイヤード 第十話 ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/18(土) 20:16:14 ID:jpNcDmls
過去は嘘をつかない。それは知っている。
そして、千歳はその過去の景色の中から、何も変わらずに存在している。百歌の名前を呼んでくれる。
それは、嘘じゃない。本当のことだ。
兄だけが、百歌を本当だといってくれる。必要だといってくれる。
存在に確証をくれる。
消えてしまいそうな百歌に、手を差し伸べる唯一の存在だった。
兄の声が何度も自分を呼ぶ。百歌の興奮がどんどん高まってくる。
――生きてる。私、いま生きてる……!
百歌は高まった興奮のまま、下着に手をかけた。
「お兄ちゃん……さわって……」
――百歌。
兄の声に包まれながら、百歌は下着をずらし、自らの秘所を触り始める。もうそこは十分に濡れていた。
ちゅく。
「はぁ……!」
びくんと身体が跳ねる。
「(自分でちょっと触っただけなのに……お兄ちゃんにされてると思ったら……気持ち、いい……!)」
指を挿入する。とはいっても、処女膜の手前で止める。その先は、兄のものだ。自分のものじゃない。
入り口で指を出し入れし、快感をむさぼる。
「はぅ……あ、あぁ……ん、んんぁ、ああ!!」
声は抑えない。もうこれ以外のことなんて考えられない。
誰かに聞かれようがどうでもいいことだったし、そもそも授業中だ。誰も来ない。
指を加速する。いやらしい水音がかわいたトイレの空気全体に響き渡る。
じゅくじゅくと、わざと卑猥に音をたて、自らの興奮も加速させる。

202 名前:ワイヤード 第十話 ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/18(土) 20:16:45 ID:jpNcDmls
「ふぁ、あぁん! ……お兄ちゃん、好き! もっと激しくして、いいよぉ!!」
だらしなく涎をたらしながら叫ぶ。
スカートをめくり上げ、下着を下ろし、見せ付けるように足を大きく開いた。
誰も見ているわけではないのに、誰かに見せ付ける。――心の中の、兄に。
愛液でてらてらと濡れて光る秘部がむきだしになり、外気にさらされる。その冷たさすら心地が良い。
「見て……お兄ちゃん……」
両手でそこを押し広げ、心の中の兄に中を晒す。
「お兄ちゃんになら……全部……」
妄想だというのは分かっていた。しかし、この世界よりもよほどリアルな想像だった。
百歌にとっては、これは自慰行為ではない。
兄と繋がる手段のひとつ。
繋がるもの――ワイヤードとしての習性のひとつだった。
「指、増やして……。ふぁあ! ……そんな、いきなりぃ……!」
三本。入り口をかき回す。
「あぅ……ぁああん!! ふにゃああ! いいよぉ、きもちいぃよ! お兄ちゃん!!」」
水音と嬌声が木霊する。
頭の中では、兄の自らを求める声が渦巻く。
「お兄ちゃん……来て……百歌を助けて……!」


203 名前:ワイヤード 第十話 ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/18(土) 20:17:15 ID:jpNcDmls
「……」
耳を塞いでしまいたい。そう、メアは思った。
「ふあぁ……そこ、もっとぉ、もっとぉ!!!」
「(百歌ちゃん……)」
トイレの扉の前に立ちながら、その水音と嬌声が奏でる曲を聴いていた。
気になって百歌を追いかけてみたが、やはりこういうことになっていた。
こんなことは今までにもあった。おそらく気付いているのはメアだけであろうし、メアは他の人間に対しては隠しとおそうと思う。
百歌の不幸な心と、声と、自慰の音を、ただ、聴いている。
メアにできるのは、今は見守ることだけだった。
何度、この中に入っていって百歌を抱きしめて愛を叫びたいと思っただろうか。
名前を呼んでやりたいと思っただろうか。
「(百歌ちゃん……まってて……)」
――だがそれは、今までの話だ。
メアは不幸な百歌に対して、ただまっていることなどもうできなかった。
「お兄ちゃん……助けて……」
百歌の悲痛な叫びが、喘ぎ声に混じってメアの耳に、心に突き刺さる。
「(こうして未来を失ってしまうのが『ワイヤード』の宿命なら……)」
――誰よりも愛する百歌のためなら。
「(百歌の苦しみを……その涙を、ボクが止める)」
ワイヤードを、百歌を苦しませる元凶『コントラクター』。
そう。
鷹野千歳を、殺す。


204 名前:ワイヤード 第十話 ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/18(土) 20:17:46 ID:jpNcDmls
「まただ……。また、ワイヤード。これで三人目だ」
さらなるワイヤードの反応を感知し、金髪の少女は狼狽した。
「一体どうなっている……。この街は」
まだ近くにいないであろうに、これほどはっきりとした気配を持って能力を使用するワイヤードが、三人。
これほどに強力なワイヤードを生み出すコントラクターの存在。
「『アドルフ』の再来、か」
歴史の中で、コントラクターは何人も出てきた。
しかし、その多くは力が弱く一人の人間をワイヤードに変える程度だったり、そもそも力の発現がないこともある。
そのなかで、この力は偉大だった。
かつての強力なコントラクターたち。
彼らはみな、大勢の人間をワイヤードにし、かつ側近をかなり強力に変質させたコントラクター。
世界を変える存在。
今はまだ、数をこなしてはいないが、このコントラクターの生み出すワイヤードの強力さを見るに、ここにいる個体は――
「また、始まるのか……」
――世界を変えるもの。
それをめぐる闘い。
そして――その先にある、『クオリア』。
「私が、私が、世界を救わないと……」
金髪の少女は、底知れぬ恐怖を振り払いながら目的地を目指した。
「まずは西又イロリ。やつを――」

205 名前:ワイヤード 第十話 ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/18(土) 20:19:23 ID:jpNcDmls
終了です。
金髪の娘(アリエスっていう立派な名前があります)はいつまでのそのそ歩いてんだって話ですよねw
もうちょっとで合流します。

206 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/18(土) 21:00:03 ID:Pz56XLW4
>>205
投下ありがとう

207 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/18(土) 21:14:50 ID:DORVBjMC
>>205
GJ!


208 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/18(土) 23:42:51 ID:UbHuOyAI
>>207
GJ!


職人さま方の素晴らしい作品には頭が下がるばかりですが、
皆さんはどこで小説の文章能力を学ばれるのでしょうか?


209 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/18(土) 23:44:43 ID:UbHuOyAI
すみません、>>207ではなく>>205でした

210 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/19(日) 00:01:54 ID:WN4xIE8D
GJ!! 乙です

211 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/10/19(日) 02:48:20 ID:ZkRT/fm3
GJ!!とてもよかったです

メアも病んでますね

212 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/19(日) 20:51:58 ID:kXA35oFr
サルでも出来るマスコミ式発言表

妥協して落しどころを探ると・・・・・・・・・・・・・・・・・・・法案は骨抜きだ
政治に民意を反映させ法案を押し通すと・・・・・・・・一方的だ、独裁だ
部下に大きな権限を与えて任せると・・・・・・・・・・・・丸投げで無責任だ
官邸主導で進めると・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・独裁政治は許せない
決断を下すと・・・・・・・・・・・・・・なぜ急ぐのか、慎重に議論すべき
保留すると・・・・・・・・・・・・・・・・また先送りか
支持率上がると・・・・・・・・・・・人気取りの政策
〃 下がると・・・・・・・・・・・もっと国民の声に耳を傾けよ
靖国に行くと・・・・・・・・・・・・・・近隣諸国の許可を得たのか?軍歌の足音が聞こえる
〃 行かないと・・・・・・・・・・・国民との公約を破った
拉致問題に取り組む前・・・・・・北朝鮮との友好を壊すな、拉致は政治的捏造だ
〃  〃  取り組み後・・・・・なぜもっと早くやらなかったのだ

サルでも出来るヤンデレ式発言表

ヤンデレ以外の女を見ると・・・・・・・なんで他の女の子ばかり見てるの?
男の彼女が身を引くと・・・・・・・・彼を思う気持ちが、それほどなかった
〃 が譲らないと・・・・・・・私と男くんは恋人同士だから、遠慮してください
ヤンデレ以外の女が近づくと・・・・・・・・・・・・・・・寝取ろうなんて許せない
別れ話を切り出すと・・・・・・・・・・・・・・なぜ急ぐの、家に監禁すべき
保留すると・・・・・・・・・・・・・・・・だよね、あなたは私だけ(ry
男の支持率上がると・・・・・・・・・・・彼の周りにはいつも雌猫がうろついている
〃  下がると・・・・・・・・・・・やっぱり、彼には私がいないとだめだ
ヤンデレと一緒にいると・・・・・・・・・・・・・・何をしていたのか?あの女の匂いがする。
〃    いないと・・・・・・・・・・・約束を破った!
監禁に発覚前・・・・・・彼との友好を壊すな、拉致監禁は刑事的捏造だ
〃  〃 発覚後・・・・・(発覚しません)





213 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/19(日) 21:08:17 ID:dVD9/78s
そういえば、ガンダムOOのヤンデレ姫のMADは病んでいたので
ニコニコでまた新作とか作ってくれないかな

去年はヤンデレアニメ多かったんだけど
今年はヤンデレは0か

だって、放送中止になるから誰もやらなくなったよ

214 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/19(日) 21:42:29 ID:5dr5fy0D
>>212ワロタwwww
足音がするのは軍歌ではなく軍靴じゃないか?
捏造のくだりが特に秀逸www

215 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/19(日) 22:28:28 ID:L4rwno4O
>>213
ニコ厨は寝ゲロして死ね

216 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/19(日) 22:48:05 ID:6MCpECPx
>>213場所をわきまえろゲロ
ニコニコにあがってるヤンデレなんかキチガイの間違いだろjk

217 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/19(日) 23:09:44 ID:Rj7AgqHS
>>216
しょうがないさ、一般的なヤンデレがこことは微妙に違うみたいだし
ヤンデレの定義自体、人の見方によって変わるようだ
でもニコ厨氏ねには同意、あれは酷い


218 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/19(日) 23:36:51 ID:B/L41uld
一般的なヤンデレとここって同じじゃないか
多分間違えてるのは一部の人間だけだろ

219 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/19(日) 23:40:57 ID:MgH49dUb
ひぐらしがヤンデレとかまじであれすぎる


220 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/19(日) 23:47:26 ID:0y/wxpJz
ヤンデレかどうかってのは一応指標はあるけど基本的にそいつの主観で決まるからな~
なんとも言えん

221 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/19(日) 23:51:41 ID:kXA35oFr
ヤンデレはひそかに笑う

「あはははは――」「うひひひいぃ」とか色々笑い声があるけど、どんなのが好き?

222 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/20(月) 00:01:17 ID:9R4G7E8y
WRYYYYYYYY!!!

223 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/20(月) 00:16:13 ID:9l4zAY/N
ボンゴボンゴ

224 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/20(月) 00:19:29 ID:g3qY1Pad
”発作”を抑えるために薬を飲み始めたヤンデレ。
しかしそれは製薬会社の巧妙な罠だった。

225 名前:天使のような悪魔たち 第3話 ◆UDPETPayJA [sage] 投稿日:2008/10/20(月) 00:31:33 ID:xRLJ+/CC
投下します。妹は次回の予定です。

226 名前:天使のような悪魔たち 第3話 ◆UDPETPayJA [sage] 投稿日:2008/10/20(月) 00:32:16 ID:xRLJ+/CC
結意の家は、一言でいうととても簡素だった。どうやら独り暮らしをしているようで、あまり物がない。
部屋自体の規模もあまり大きくなく、どこにでもあるありふれたアパートの一室だった。
結意は帰宅して早速晩飯を作る準備をしている。変なものを入れないよう見張っていれは、そこは問題ないだろう。
…歩き方がぎこちない内股ぎみになっていることに対しては、つい責任を感じてしまった。

「まっててね飛鳥くん!今日は飛鳥くんの大好きな焼き魚にするから!」
「あ、ああ。」
―――あれ?こいつにそのこと話したっけ? ……愚問か。87回も告白するようなやつが俺のことを調べててもおかしくはない。

「88回目だよ。」
「!?」
びっくりした…結意のやつ、実は読心術でも使えちゃうのか?
それにしても、実に手際いいな…。やはり一人暮らししてるだけあって料理も上手いんだな。
あっというまに食卓に焼き魚と白飯とその他いろいろが並べられた。明日香も料理はできる方だが…これはもう、どこに嫁に出しても恥ずかしくないレベルだ。

「だからぁ、飛鳥くん以外のとこにお嫁になんか行かないからね!」
「…なあ、さっきから俺の独白への的確なツッコミが気になるんだけど…。」
「飛鳥くんのことならなんでもわかるよ?」

と、まるで「地球が回ってるのは常識だよ?」と言わんばかりに当然のようにそう答えた結意。
そこまで清々しく言われたらなんだか反論する気もおきなくなってしまう。

「ふう…ごちそうさま。」
結意の作った飯は旨かった。魚の焼き加減も完璧だし、付け合わせの品もかなりの出来だ。変なものも入っていないようだし…これなら大丈夫だ。
満腹になったところで俺はシャワーを借りようと切り出した。

「なあ結意、風呂借りていいか?」
「うん、いいよ?廊下でて右だよ。」
「助かるよ。」


227 名前:天使のような悪魔たち 第3話 ◆UDPETPayJA [sage] 投稿日:2008/10/20(月) 00:33:06 ID:xRLJ+/CC
…結意の家の風呂は意外に広かった。俺はついユニットバス風な造りかと思ってたからこれには驚いた。
しかし、やっぱり風呂は最高だな。こう…なんていうか、一日の疲れが吹き飛ぶというか…そんな感じがする。
と考えていると、突然ドアが開けられた。冷えた外の空気が入り込み、背中がぞくりとしてしまったが、さらなる侵入者への驚きでそれはすぐかき消された。

「えへへ……背中流してあげる。」
「なっ――――結意!?」
そう、結意が風呂場に入ってきたのだ。全裸で。なんだか目がヤバいような気がしないでもない。むしろヤバい。
あ、鍵かけられた。本日二度目の監禁っすよ。

「ほらほらぁ遠慮しないで♪」
「っく……」
だめだ。こんなときでも俺の相棒は空気を読めない。いや…あえて空気を読まない、通称えーけーわい か?
俺が振ればカラカラと音がしそうな自らの頭でそんなことを考えている間に結意はなにやらごそごそと動いて―――

むにっ むにむに…

突然のやわらかい感触に俺の思考はリアルに引き戻された。そしてそのまま異物はどうやら俺の背中を磨いている…?

「あのー、なにをしてらっしゃっるんでしょうか…?」
「なにって、背中洗ってるんだよ、おっぱいで。飛鳥くんこういうの好きでしょ?」

―――――誰か、宇宙人とコミュニケーションをとる方法を教えてくれ。あまりのぶっとび具合についていけそうにない。
結局、結意に背中のみならずあちこち洗われそうになったがなんとかやり過ごすことに成功した。…もうここの風呂を借りるのはよそう。

そのとき、洗面台の上に置いておいた携帯がぶるぶると震えていることに気づいた。着信だ…自宅…!?なんだこれ!

自宅 21:57  自宅 21:57  自宅 21:56…………履歴は、自宅からの着信で埋め尽くされていた。なんなんだ…これじゃあまるで、いつもの結意みたいだ。
とりあえず、電話に出てみる。

228 名前:天使のような悪魔たち 第3話 ◆UDPETPayJA [sage] 投稿日:2008/10/20(月) 00:34:25 ID:xRLJ+/CC
「もしもし…?明日香か?」
『あ…やっとでたぁ…おにいちゃぁん…ひっく…』

電話越しの明日香の声は、震えているようだった。「お兄ちゃん」なんて言われたのは小学校以来だ。
俺が帰ってこなかったことがそんなにも不安だったのだろうか。

『お兄ちゃん…今どこにいるのよぉ…?』
「悪い悪い。今友達んちにいるんだ。晩飯ごちそうになったから、今日は俺の分はいいからな。」
まさか結意と一緒にいるなんてこと言えるわけがない。明日香の中ではおそらくたちの悪いストーカーと認識されてるだろうからな。
まあ、ついさっきまでは実際そうだったわけだが。

『そういうことを聞いてんじゃないのよ!!ばかぁ!』
―――耳がイカれるかと思った。明日香め、いきなりでかい声出すなよ。

『私がどれだけ心配したと思ってるのよ…。まさかあの女に捕まって監禁されて××されたり×××されてんじゃないかって…心配だったんだからぁ!
お兄ちゃん…早く帰ってきて…。私…お兄ちゃんがいないと…ねえ……お願い…うぁぁぁぁん……。』
訂正。どうやらうちの妹は極度のブラコンだったようだ。

「…わかった、すぐ帰るよ。だから、大人しく待ってるんだぞ?」
そう言ったとたん、ぴたりと泣き止んだ。よほどうれしいかったんだなぁ。

『うん…待ってるから!早く帰ってきてね!』

――ふう。仕方ない、帰るか。
電話を終えた俺はそそくさと衣服を身につけ、かばんを持って玄関へと向かった。靴を履き、ドアノブへ手をかける。

刹那―――風を切る音がした。

「どこいくの、飛鳥くん?」

229 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/20(月) 00:35:19 ID:BG4KFN7S
支援

230 名前:天使のような悪魔たち 第3話 ◆UDPETPayJA [sage] 投稿日:2008/10/20(月) 00:35:21 ID:xRLJ+/CC
振り向くとそこには結意がいた。本来なら目も眩むような魅力的な笑顔の下からは、般若のような冷やかなオーラを感じる。
どこから引っ張り出したのかはわからないが、木刀を構えて氷のように冷たい声で俺にそう問いかけている。一言でいうと…怖い。

「いや…その…」
「ど こ い く の ?」
「ひっ―――!?」
「外に出ちゃだめって言ったよね?飛鳥くんの為なんだよ?外に出たらこわいお兄さんに襲われちゃうよ?」
「だから、いいかげんその発想から離れ――(ヒュンッ)――うわぁっ!?」
名人も真っ青なほどの神速で木刀を振りぬいてきた。あんなもの食らったら男の俺でもただでは済むまい――――っ!?

「飛鳥くん…ごめんね。」

―――時が止まって見えた。結意は木刀をゆっくりと俺めがけて振り下ろそうとしている。俺は、それをただぼうっと見ていることしかできなかった。
それはまるでスローモーションで再生されたムービーのような光景だった。
ばきっ、と鈍い音が響いた。その瞬間、襲いかかった激痛に俺は意識を手放した。

次に目を覚ましたとき、俺は即座に自分が絶対的なピンチに陥っていることを悟った。

まず、両手を後ろにまわした状態でおそらく縛られている。
両足も同じく。足首と、膝元を縄できゅうきゅうに固められていた。そのような格好で俺はベッドに横たわっている。ちなみに服は着たままだ。
肩からは先程の打撃の痛みがずきずきとしみてくる。

「具合はどう?」と結意が尋ねてきた。
「いいわけないだろう。さっさとほどいてくれないか?」
「だめ。だってほどいたら飛鳥くん、出ていっちゃうでしょ?外は危険なんだよ?ここで朝までゆっくりしていきなよ、ね?」
と、あどけない笑顔でそう告げる。普通に考えたら外より今のこいつの方が数倍危険なんだけどな…。

「離してくれ。俺は帰らなくちゃいけないんだ。」
そうだ、家で明日香が待ってるんだ。余計な心配かけちまったからな。早く安心させてやりたいんだ。

「…さっきの電話の女のとこに行くの?そんなにその子がいいの?……私じゃ、足りないの?」
「あのなぁ、明日香は俺の妹だ。足りる足りないとか、そういうもんじゃないだろう。」
「知ってるよ。あの雌猫ったら、私の飛鳥くんになれなれしくして……そのうちひどい目にあわせてあげるわ。それより…」
そう切って、俺のもとに歩み寄る結意。思わず背筋がぞくりとしてしまった。

231 名前:天使のような悪魔たち 第3話 ◆UDPETPayJA [sage] 投稿日:2008/10/20(月) 00:36:21 ID:xRLJ+/CC
「飛鳥くんが他の女のことを考えてるのが許せないなぁ。そういうのって、すっごく失礼だよ?飛鳥くんは私のことだけ考えてればいいの。」
結意は俺のズボンのチャックに手をかけようとしていた。俺はとっさに身をよじってかわす。が、縛られているせいでうまく動けない。結果、俺はベッドからずりおちた。
そのまま、馬乗りの形で結意に押さえつけられてしまった。

「すぐ気持ちよくしてあげるからね?大丈夫、飛鳥くんのためにちゃんと勉強したから。」
なにをどう、とは言わなかった。結意の次の行動がそれを示したからだ。いつのまにかズボンは膝までおろされ、わが分身が情けなくあらわにされた。
結意は、それをうれしそうにほおばった。

「ん……ちゅっ…ちゅぱ…あひゅかくんの…おいひぃよ…んぐ……」
「っ、ああっ…やめろ……!」
初めて味わう生暖かい感触から注ぎ込まれる快楽の波に、俺は早くも限界を感じていた。

「ゆいっ…やめろ…もう、でるっ……!」
が、結意は離れなかった。むしろ今の言葉を合図により一層激しさを増した。獣のように俺にむしゃぶりつく結意の姿に、俺はさらに興奮した。

――――我慢できなかった。俺は結意の口のなかに迸りを放った。

「えほっ…ごほごほっ……」
結意は苦しそうにせき込んだ。瞳からはうっすら涙が滲んでいる。が、口の中のものを軽く咀嚼し……飲み干した。

「ん…あんまりおいしくないね……。やっぱ、漫画ってあてにならないなぁ……」
「お前は普段どんな漫画を読んでるんだ!?」
「えっと、(検閲により削除)とか(検閲により削除)とか、あと(検閲により削除)かなぁ。」
「……もういい、訊いた俺がバカだった。で、用は済んだだろ?さっさとほどいて…」

――――――♪♪♪♪♪♪

日本語で"飲み下せ"という意味の曲名の、某スタイリッシュアクションゲームの主題歌の着うたが流れた。
なんていうタイミングだ。このすさまじい皮肉に俺は一気に脱力した。マナーモードを解くんじゃなかった。
なぜか結意のポケットから聞こえているが、このさい考えるのもあほらしい。
まてよ…この着信は確か……自宅だ。まさか、明日香!?ほんっと、なんつータイミング!

232 名前:天使のような悪魔たち 第3話 ◆UDPETPayJA [sage] 投稿日:2008/10/20(月) 00:38:23 ID:xRLJ+/CC
ピッ―――

「もしもし?」
『お兄―――だれ?』
「あ、申し遅れました。私、飛鳥くんの彼女の織原 結意っていいます。よろしくね?」
『…どういうことよ。あんた、まさか例のストーカー女!?兄貴に何したのよ!』
「何って……ナニかな?」
『――――あんたねぇ!あたしの兄貴を汚したわね!?』
「汚したなんて……飛鳥くんのほうからシテきたのよ?」
『…うそ!そんなのうそよ!兄貴がそんなことするわけないわ!』
「本当よ。私がやめてって言っても聞いてくれなかったわ。おかげで私、腰が立たなくなっちゃって飛鳥くんにおんぶしてもらっておうちまで連れてってもらったのよ?」

俺は思った。女って、恐ろしい。まさかこの天然系変態美少女からこんな、相手を的確になじるようなせりふが出てくるなんて。
織原結意……恐ろしい子!

バキン!!

ふと、なにかが砕けるような音がした。床には青い破片がいくつか散らばっている。これは…なんだ俺の携帯じゃないか。
「ってオイ!!なに人の携帯をこんな見事に粉砕してくれちゃってんだよお前!」
「だって…あの女むかつくんだもん。飛鳥くんは私のものなんだよ?なのに自分のものみたく主張しちゃって……だから、ついやっちゃった。てへっ☆」
「てへっ☆じゃねえ!このバカ!」
「…飛鳥くん、もうあの娘と話しちゃ駄目だよ?飛鳥くんには私がいるんだから。」
「無茶言うな!あれは俺の妹だ!そんなこと―――」
「 わ か っ た ? 」

結意は俺に木刀を再び差し向け、そう言った。くそう……木刀なんて、だいっきらいだ!
だけど…そんなこと言われて黙ってなんかいられない。

「…そんなことできない。明日香は、俺の大事な妹なんだ…。」

233 名前:天使のような悪魔たち 第3話 ◆UDPETPayJA [sage] 投稿日:2008/10/20(月) 00:39:11 ID:xRLJ+/CC
―――がしかし、次に結意の口からでた言葉はあまりに俺の予測を度外視していた。

「ねぇ…どっちだと思う?」
意味がわからない。なにが、「どっち」なんだ。俺は結意にそう尋ねた。すると結意の回答は……

「私の…ううん、私たちの赤ちゃん!男の子かな?女の子かな?わくわくするね!」
世界が凍りついた。俺の頭の中は「絶望」の二文字で埋め尽くされた。予測してはいたが…実際こうして言われるとダメージがでかい。
もう俺は結意に完璧に囚われた。一生逃げられないのだろうか…?

「今日、いっぱい中に出してくれたよね?だから絶対、飛鳥くんに似て元気いっぱいの赤ちゃんが産まれるよ!」
「―――――くっ…」
もう俺には抵抗する気力もなかった。それを悟ったのか、ふいに結意は俺の手足の枷を解いた。が、最強(凶)の枷をはめられた今の俺には、ロープなんざおもちゃ以下だ。
もはや逃げる気も起きない。俺は死んだも同然だった。そんな俺に結意はさらなる追い討ちをかけてきた。

「でも、元気な赤ちゃんを産むためにはいっぱい栄養が必要だよね!だから…頑張ってね、お と う さ ん !」
そう言いながら服を脱ぎだす。脱ぎながら、結意の手が俺の相棒をさする。こんなときでも相棒は敏感に反応した。この空気の読めなさを俺も見習いたいよ。

…とりあえず、朝になるまで俺は解放されなかったとだけ言っておこう。

234 名前:天使のような悪魔たち 第3話 ◆UDPETPayJA [sage] 投稿日:2008/10/20(月) 00:40:07 ID:xRLJ+/CC
終了です。

235 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/20(月) 00:45:57 ID:huLpVivc
結局さ、ここにある作品だってニコニコに「オリジナルヤンデレ小説書いてみた」
みたいな感じで投稿したら、ここの住人は「あれ、キメェ」ってなるわけだ…
だからニコニコの話題はやめようぜ…
ニコニコってだけでみんな嫌うんだから

236 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/20(月) 00:45:57 ID:8eB+tW2C
>>234
リアルタイムGJ!
監禁は正義だな。どうしても勃起してしまう。

237 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/20(月) 00:49:53 ID:dBY5lelx
>>234
投下乙 いつも待ってます!

238 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/20(月) 00:51:58 ID:/C8hqFAg
GJ!
この調子でがんばってくらさい!

239 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/20(月) 01:13:47 ID:hgEWdGZD
GJ!!
着メロはDRINK IT DOWNだろw


240 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/20(月) 01:23:48 ID:osTHjYzw
>>218

241 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/20(月) 01:27:39 ID:osTHjYzw
>>218
すまん、ぽちってしまった
あれだヤンデレ大鑑?だったか?
あれ自体が少しおかしかったからな


242 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/20(月) 02:09:17 ID:e+A0ypPo
>>234 GJ

243 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/20(月) 03:34:52 ID:uejg2YMZ
>>234
妹の話も期待してます!

244 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2008/10/21(火) 11:25:45 ID:lRCzRr/4
上げるよ

245 名前:天使のような悪魔たち 第4話 ◆UDPETPayJA [sage] 投稿日:2008/10/21(火) 18:11:37 ID:K43y8ILg
投下します。

246 名前:天使のような悪魔たち 第4話 ◆UDPETPayJA [sage] 投稿日:2008/10/21(火) 18:12:10 ID:K43y8ILg
飛鳥が監禁(?)されている時同じくして、別のところではある少女が追われていた。

「はぁ…はぁ…」
「いたぞ!森に逃げ込むつもりだぞ!」
「ばかめ!森には対侵入者用のトラップが山ほどある。袋の鼠だ!」

少女は必死に走っていた。捕まればまた実験道具にされる。そのことへの恐怖心だけが少女の足を動かしていた。

「もう……だめ…。」

一本の木に身を委ね、へたりと座り込む。が、追っ手はすぐそこまで来ていた。

「見つけたぞ!囲め!」
「なんとしても逃がすな!なんなら足の一本や二本、折っても構わん!」

少女の恐れは最高潮に達した。そのとき、森は光……いや、夜の闇より暗い、闇色の光に包まれた。
男たちの断末魔が森にこだまする。あとに残されたのはただ一本だけの木と、少女だけだった。

「…行かなきゃ。"アスカ"のもとへ…。」

少女は、再びゆっくりと歩みだした。

247 名前:天使のような悪魔たち 第4話 ◆UDPETPayJA [sage] 投稿日:2008/10/21(火) 18:12:57 ID:K43y8ILg
▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

ところかわってここは結意の自宅。
結局俺は朝まで結意と致しまくってた。…むしろ結意に一方的に搾り取られたようなもんだが。

「…うーん、今何時だぁ?」
「えっと…9時47分だよ。」
「はぁ…遅刻か。おい結意、今からでも学校行くぞ。」
「あっ、ちょっ、待って!」
「なんだ。」
「…立てないの。おなかに力はいんないのぉ…。」

ベッドにちょこんと座り込んでそう答える結意…またか。まてよ、これは好都合かもしれない。今の結意は自力では家から出ることすらできないだろう。
そうなると必然的に今日は自主休講、つまりサボらざるを得ない。ならば、俺だけ学校に行くふりして自宅に帰れる!

「…とか考えてるんじゃないよね?」
「なっ!?」
「言ったよね?飛鳥くんのことならなんでも分かるんだよ?あの女のところに行ったら………からね。」

最後の方がよく聞き取れなかったが…はっきりしない分逆に怖い。

でも、結意はなにをそんなに明日香のことを邪険にするのだろうか?
明日香はあくまで妹。だけど結意はもう恋人も同然だ。…さすがに妊娠してもおかしくないくらいシたのはまずったけど。避妊もしなかったし…。
何が言いたいのかというと、今さら俺は結意から離れる気はない。それはあいつだって分かってるはずだ。
だから取り越し苦労だってことをなんとか教えてやりたいわけだが…さて、どうしたものか。とりあえず……

「結意……」
「なに…んっ」

キスをしてみた。ちなみに深い方。軽く舌を動かしたのち、唇を離してさらに追い討ちのひと言をかける。

「…愛してるよ、結意。」

あ…落ちた。うん、安らかな寝顔だ。こうしてれば可愛いんだよなぁ。っと、見惚れてる場合じゃない。
俺はそのまま結意の手足を、昨日俺を捕縛していた縄で固定し、猿ぐつわを噛ませた。よし…これなら心配ないだろう。

248 名前:天使のような悪魔たち 第4話 ◆UDPETPayJA [sage] 投稿日:2008/10/21(火) 18:14:00 ID:K43y8ILg
「…ん?んん―――!ん―――!!」
「って、はやっ!」

間一髪。結意のやつ…もう目を覚ましやがった。なにやら必死にもがいて涙目で俺を必死ににらみつけてる。たしかこういうときは……

「…結意。このままおとなしく待ってられたら、 ご ほ う び  あげるからな?」
「……?――!―!」

うんうんと犬のように首を縦にふる結意。…変態め。

そんなこんなでようやく結意の家から脱出できた俺はその足で自宅に向かった。
携帯は粉々だし…結局昨日は帰れなかったからなぁ…。明日香のやつ、俺がいなくて寂しがってるかもな。
そんなことを考えてるうちに、あっという間にに自宅に着いた。徒歩5、6分てとこか…やっぱ近いな。
がちゃりと鍵をあけ、中に入る。


「ただいまー。明日香、いるか?」
…返事はない。寝てるのか。明日香も遅刻か………な!?
ふと、リビングに目をやってみる。そこは、悲惨な状態になっていた。

床には料理と砕けた皿が散らばっていた。さらに、カーテンはぼろぼろに切り刻まれている。電話の子機も真っ二つにへし折れていた。
まず俺が真っ先に疑ったのは強盗の可能性。…だが、財布や通帳は無事だ。じゃあいったい…?
明日香のことが心配になった。俺は慌てて二階へと駆け上がり、明日香の部屋に向かう。

扉を開け放つ。明日香は部屋の中にいた。だが…様子がおかしい。俺はそっと近づいて、声をかけてみた

249 名前:天使のような悪魔たち 第4話 ◆UDPETPayJA [sage] 投稿日:2008/10/21(火) 18:14:37 ID:K43y8ILg
「明日香………?」
「あ…おにいちゃん?」

明日香は俺の姿を視認するや否や、はじけるように飛びかかってきた。自然と、俺たちの体は重力の法則にしたがって床に倒れこむ形になる。
そのまま明日香は俺の胸元に顔をうずめ、荒く呼吸をしている。

「はー、はー…おにいちゃん…さびしかったよぉ……昨日帰ってくるって言ったじゃない…。ねぇ…なんでよぉ…なんで私を独りにするの…?」
「…ごめんな、明日香。もう大丈夫だから、な?」

涙ながらにそう訴える明日香に対し俺は、ありきたりな慰めの言葉しかかけられなかった。
が、明日香は……

「あは…おにいちゃんの匂いだぁ……いい匂い…」

まるで昨日の結意のようなことを口走った。思わず、肩をつかんで距離をとろうとしたが、がっちりと抱きついて離さない。
その息遣いも、言動も、上気した表情も、結意そのものだった。いや…これは、俺に対して向けられたある共通の生理的反応……すなわち欲情。

「すーはーすーはー……もうだめ、我慢できない…。」
「明日香、やめるんだ!」

が、明日香はとどまるどころか俺のズボンのファスナーに手をかけ始めた。…もう、明日香が何をしようとしているのかは容易に予測できた。

「やめろ!俺たちは兄妹だぞ!」
「もう遅いよ……お兄ちゃん。お兄ちゃんが寝てる間にもう何度も何度もこうしてたんだよ?気づかなかった?」
「え…?うそだろ……それじゃあお前は…っ!」

250 名前:天使のような悪魔たち 第4話 ◆UDPETPayJA [sage] 投稿日:2008/10/21(火) 18:15:19 ID:K43y8ILg
とうとう俺のモノをほおばりだした。獣のように一心不乱にしゃぶりついている。明日香はそれこそ子供のような体つきだ。払おうと思えばそれは簡単だ。
だが今の明日香からは不思議とオーラが漂っているようだ。あくまで感覚的なものであり、実際に見えるわけでもないのだが…そのオーラが俺にそれをさせない。
今の俺にできることといえば明日香に言葉で訴えることだけだった。

「…頼む、やめてくれ!お前は俺の妹なんだ!汚したくないんだ!」
「いいんだよ?私、お兄ちゃんにならどんなに汚されたっていいの。むしろ、いっぱいお兄ちゃんに汚されて、お兄ちゃんだけのものになりたいの…。だから…」
「……っ!!」

俺はついに限界を迎えた。明日香の口内を迸りの受け皿のようにしてしまった。明日香は、口いっぱいに放出された精液を余すことなく飲み干した。
それだけにとどまらず、俺のモノを舌できれいにせんと精液をなめとりだした。

「ぴちゃ…ぺろ…おいしぃ……お兄ちゃんの味だぁ…。」
「あす…か…何でこんなことを?」
「だって、私お兄ちゃんが好きだもの。いつもずっとお兄ちゃんのそばにいて、ごはん作ってお洗濯して、せーよくしょりだってしてあげたいの。
なのに…どうして?お兄ちゃんがいなくて私、気が狂いそうだったんだよ?もうどうしたらいいかわかんなくて、死んじゃおうとすら思ったの。
それなのに、お兄ちゃんは他の女と一緒で…私、お兄ちゃんに捨てられちゃったの?ねぇ…答えてよ。」

だが、何も言えなかった。今まで明日香が俺をそういう目で見ていたことなんて露ほども知らなかった。
それに、俺たちは血のつながった兄妹だ。俺には明日香を受け入れることはできない。

「……ごめんな、明日香。俺はお前の気持ちには応えられない。」
「なんで?私が妹だから?子供みたいな体で満足できないから?」
「そうじゃない…俺はお前が何より大事だ。お前が好きだよ。
でも、俺にとっては今まで一緒に過ごしてきた大事な家族なんだ。だからこそ、こんな風に汚したくないんだ。」
「…いやぁ!そんなの聞きたくない!私にはお兄ちゃんがすべてなの!…そんなこといわないで…お願い……。」

最後のほうは消え入りそうなほどか細い声だった。それだけで俺が明日香にとってどんなに残酷なことを言ってるのかがよくわかる。
だから、せめて……

251 名前:天使のような悪魔たち 第4話 ◆UDPETPayJA [sage] 投稿日:2008/10/21(火) 18:16:15 ID:K43y8ILg
「お兄ちゃん……んっ…」

ちゅぱ……ぴちゃ……ちゅ…

「……ぷは…ごめんな明日香。俺には、ここまでしかしてやれない。」
「……あっ…あぁぁぁん…ふぁぁぁん…ぐすっ…」

大粒の涙を流す明日香。俺は、今にも壊れてしまいそうなくらい細いその肩を抱いてやることしかできなかった。



それから数時間後、なんとか明日香をなだめた俺は部屋の片付けをしていた。
…正直、複雑な心境だ。このまま明日香と二人で今までどおりやっていける自信がない。
いっそ、俺がいなくなれば……だめだ。それこそ明日香が発狂するかもしれない。
自惚れか、はたまた考えすぎかもしれないが…そう思えて仕方がないんだ。
俺は明日香とはひとつになれない。でも、明日香を失いたくない。誰か…教えてくれよ。

「ほんと、どうすればいいんだよ……?」

252 名前:天使のような悪魔たち 第4話 ◆UDPETPayJA [sage] 投稿日:2008/10/21(火) 18:17:43 ID:K43y8ILg
終了です。
個人的には結意はヤンデレではなくただの変態キャラになりつつあると感じていますorz



253 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/21(火) 18:48:28 ID:3SJkNXCz
GJ

254 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/21(火) 18:55:30 ID:lRCzRr/4
GJ
変態でもいいじゃないか!

255 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/21(火) 18:57:11 ID:+v+tTV/7
GJ
むしろ変態の方向で

256 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/21(火) 20:34:21 ID:lU0fQa7r
飛鳥の精液容量はとんでもないなwww

257 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/21(火) 20:45:49 ID:PXrnxANS
だよなw

258 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/21(火) 21:13:09 ID:0w3wrgdS
1回分の精液を10秒チャージ出来るとか出来ないとか

259 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/21(火) 21:52:55 ID:WmQ6RrVk
いわゆる主人公補正ってやつだな

260 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/21(火) 22:42:04 ID:pzylaQol
GJ
次回も楽しみにしてマスオ
どうでもいいけど、マスオさんはサザエの何処に惚れたんだろう

261 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/10/21(火) 23:07:10 ID:8q90zbIP
GJです
精液の高速リロードw俺とか3発が限界なのに・・・

262 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/21(火) 23:22:28 ID:psrKcmTo
>>261
食生活次第で2桁までリロード可能になるからガンガレ

263 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/21(火) 23:36:37 ID:/wAtEr2V
僕なんて2発で血出ますからね

264 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/22(水) 00:05:00 ID:X6iMeIqr
病院いった方がいいとおもふ

265 名前:主人公補正 ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/10/22(水) 00:15:38 ID:FVtWq7kL
「主人公補正って知ってる?」
俺は唐突に優にそんなことを尋ねられた。
「なんだ、藪から棒に」
「主人公補正ってのは、主人公はたとえどんな朴念仁だろうと可愛い女の子に愛されたりするってことだよ」
そういいながら彼女は俺に抱きつき、首に腕を回す。
「へえ」
「私は緋色くんのことだーいすき! だって緋色くんは私の人生の主人公なんだもん!」
そう話す彼女の表情はまるで年端も行かぬ幼子のように無垢だ。
「お前の人生の主人公はお前だろう。それになんだ、それじゃまるで俺が朴念仁だと言っているようなもんじゃないか」
「そう言ってるのに……気づかないんだから。だから朴念仁なのよ」
「何か言ったか?」
「何も」
主人公補正か。じゃあ俺がもう時間の感覚が無くなるくらい長期にわたって彼女に監禁されているのに、いまだに俺の体に何の異常もないことも主人公補正なんだろうか。
もう何回目になるだろうか、彼女の大きく膨らんだ腹部を見て、そう思った。

266 名前: ◆wzYAo8XQT. [sage] 投稿日:2008/10/22(水) 00:16:52 ID:FVtWq7kL
上のほうを見てついやってしまった
本当は>>212を見てティン!とキタから長文を書いていたんだが、操作ミスで全文消えてあばばばば

267 名前: ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/22(水) 00:21:29 ID:wHrqCpJg
ちょうど直後に来てしまいました……投下してもいいですかね?

268 名前: ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/22(水) 00:28:03 ID:wHrqCpJg
>>251 GJ! 個人的には変態方向に突っ走ってもらいたいですw
あと、ラルク好きなんですね。ちょっと僕とお茶(以下略

>>266 確かにヤンデレは主人公補正の産物ですねw 僕のお話もちょうどそんな感じですw

やっぱりしばらく投下する暇があるかないかなので、置いていこうと思います。
上のお二方へのご感想は、アンカーをつけて俺を飛び越していってください。
というわけで、ワイヤード11話、投下します

269 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/22(水) 00:28:37 ID:mrE1HOoL
投下が続くというのは喜ばしいことなのです
さあカモーン

270 名前:ワイヤード 第十一話  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/22(水) 00:28:49 ID:wHrqCpJg
第十一話『ちょっとした休息と・推測』

「私の処女、千歳君にあげますね」
「……!?」
「驚かなくてもいいじゃないですか。期待していたんでしょう?」
――こんなことされてるんですから、行き着く先はおのずとわかるでしょう。
くすくす笑い。それは聞き飽きた。
「お前……なんで」
「何故か、ですか? まだ分からないんですね。ならそれでいいです。一生迷っていてください」
ミクの小さな手が、それにそぐわない腕力で千歳の性器を掴む。
「やっぱり、普通よりちょっと大きいんですね……。こういうの、ちょっと気分がいいです。じゃあ……」
ミクはハーフパンツを脱ぎ去り、下着を露出した。
昨日より何倍も大人っぽい、黒い下着。ぐちゃぐちゃに濡れて、薄い生地が透けている。
ぴったりと肌にくっつき、『そこ』の形をくっきりと浮き出させている。
「……」
思わず、千歳は唾を飲み込む。
「興味、あるんですよね。……いいですよ、千歳君が脱がせてください」
「……っ!?」
「ほら……こっちも、ちゃんと触ってください」
ミクに両手をつかまれ、右手をミクの胸に、左手を下着に導かれる。
「(柔らかい……)」
経験したことのない感触が千歳の手の中にあった。
さっきまでは乳首しか攻めなかったから分からなかった、その胸の柔らかさ。
そして、どろどろに溶けているのが下着の上からでもわかる秘所。


271 名前:ワイヤード 第十一話  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/22(水) 00:29:23 ID:wHrqCpJg
「ほら、早く……もう、我慢できません」
「う……ぁ……」
ミクがせかすため、仕方なく千歳は下着に手をかけた。
「(そうだ――もともと拒否権はない。迷うな、鷹野千歳)」
しかし、処女を奪うというのは……。
「(何遠慮してんだよ! 相手はもう高校生だぞ。最近の馬鹿な女ってのは、年上の男に憧れて遊ばれて処女だけ奪われて捨てられてんだ……!)」
そう、こんなこと、行動だけ見たら普通のことなんだ。自分が極端に嫌がっているだけだ。
割り切るよう、自分に言い聞かせる。
ゆっくりと、手を動かし、下着を下ろしていく。
昨日はできるだけ目を逸らしていたミクの身体が、今はいやというほどに見えた。
白い太股が、赤く染まっていた。汗が流れ落ち、色づいている。
なんとも、本能というものを見事にダイレクトアタックしてくる。
下着を脱がせる。脚から取り去ろうとした、その瞬間。ミクが静止した。
「ストップですよ千歳君。こういうのは、下着は脚に引っ掛けておくのが作法なんです」
「……どういう意味だ」
「いやですね、怖い顔をしないで下さい。本で読んだだけですよ」
――研究熱心なもので。
千歳は、ミクがよく図書室で本を読んでいたのを思い出した。
思えば、以前は真面目なやつなんだなと、好印象だったはずだ。
なぜ、こうなったのだろうか。
「図書室でも、教室でも、いつも官能小説ですよ。好きなんです。ああいう世界が」
あきれる。
この行動も、官能小説の影響なのだろうか。どうにせよ、真面目な印象などもう完全に瓦解している。
「馬鹿にしていますね、でも、えっちでは『シチュエーション』が大切だと思うんです」
見ていてください、と、ミクは千歳の唇に指を当てた。
脚をゆっくりと広げ、千歳に見せつけるように開く。
「……千歳君、目を逸らさないでください。これは、命令です」
「……俺はっ……!」
「?」


272 名前:ワイヤード 第十一話  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/22(水) 00:29:53 ID:wHrqCpJg
千歳の震える声が急に強くなる。
冷静さを失っていた。
「お前なんかに――」
「ちーちゃーん! どこー!?」
と――急にイロリの声が近づいてきていた。犬並みの嗅覚で千歳の歩いた跡を追ってきたのだろう。
ミクはちっと舌打ちをし、恐るべき早業で自らの服と、千歳の服の乱れを直す。
「(このまま見せ付けてやってもいいが、まだ早すぎる……。それに、西又イロリの力は今の私には危険か)」
ミクの冷静な打算が、この判断を生んだ。
このときの千歳も、ほぼ似たような理由でその場を取り繕うことを選んだ。
――結果的には、これは正解だった。
「ちーちゃん……?」
がさがさと草を掻き分け、イロリが二人のいる木陰に踏み込んできた。
そこでイロリが見たのは、日射で弱っているミクと、それを介抱する千歳。
「あ、ああ。イロリか。どうした?」
「どうしたって、ちーちゃんが急にいなくなるから。……ミクちゃん、どうしたの?」
「体が弱いもので……。千歳君に介抱してもらって楽になりました」
「そっか。健康は大切だもんね。ダメそうなら、私が保健室に……」
「いえ、私はもう大丈夫です。千歳君、イロリさんの所に戻ってあげてください――お嫁さんを心配させてはいけませんよ」
ミクはそう言って悪戯っぽく笑った。
「……まあ、体育終わるまでそこで休んどけ。委員長」
「優しいんですね。さすがです。いいお婿さんになりますよ」
また、イロリに向かってご機嫌取りのようなことをいう。
しかし、イロリは素直に喜ばずに少し困ったような顔をして返答した。
「まだ、友達だから。もっと未来の話になるかな?」


273 名前:ワイヤード 第十一話  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/22(水) 00:30:40 ID:wHrqCpJg
「(いろいろあったけど、やっと日曜日だな)」
イロリが来てからもう一週間が経った。
イロリの行動は、この一週間予想通りというか予想外というか、とにかく奇抜なものばかりで、千歳を困らせた。
ぴょこぴょこと後ろをついてきたかと思ったら、急にツンデレ風味に気を引こうとしてきたり。
昼休みにバレンタインでもないのにチョコを差し出してきて、「勘違いしないでよね! 義理なんだから!」と言って来た時はさすがにそのとき食べていたアンパンを吹き出してしまったものだ。その内容物はイロリの顔に盛大にぶっかかり、大惨事を巻き起こした。
結局はイロリが千歳の口の中のものならと、ぺろりと顔についたアンを食べてしまってその件は大丈夫だった。
その後、千歳がイロリにその行動を吹き込んだ犯人であるナギの弱点である脇を十分間くすぐったことで事態は収拾した。
いや、正確には終息していない。くすぐりでナギが妙になまめかしい声を出したせいで男子生徒がみんな前かがみになるという二次災害を巻き起こした。
そのときの声と言ったら、もともとアニメ声なナギが本気で出すものだから……。
一般の声優がエロゲーに出ているときのような、二乗化された興奮度なものだ。男子にとっては仕方がないのである。
トイレに行って、帰って来ると賢者だったものもいた。さすがに声だけでするのはどうかと千歳は思った。
というより、千歳だけはナギの声ではどうともならなかったのである。
これは千歳の精神装甲がゴッグに匹敵するなんともなさだからではなく、単に慣れから来るものだった。
千歳はナギを起こすとき必ず生まれたままの姿を見るし、下着をはかせるとき無毛の割れ目をばっちり見てしまっている。
それどころか、ナギは寝ぼけているとき大股開きをしていたりするから、実は結構詳細に見ている。
いまさらなのだ。
そんなこんなで、千歳はナギに殴られ、彦馬(賢者)に殴られ、クラスメイト(前かがみの男子)に殴られ、クラスメイト(好きな男子をナギに賢者にされた恨みを持つ女子)に殴られ、クラスメイト(千歳に思いを寄せる女子)に殴られ、そのたんこぶをイロリに撫でられ。
帰ったら帰ったで百歌に「けがしたの!?」と騒がれ、「お風呂入ったらたんこぶいたいでしょう、百歌が洗ってあげるね!」と、妙に過保護にされたりと、ストレスが溜まってしまった。
幸運だったのは、ミクがおとなしかったことだ。


274 名前:ワイヤード 第十一話  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/22(水) 00:31:13 ID:wHrqCpJg
ミクは強姦を繰り返すかと思っていたが、案外普通のことにナギの写真を使ってきた。
「図書館で勉強しましょう、千歳君」「この小説面白いから読んで下さい、千歳君」「とってもいい古本屋さんがあるんです、帰りに一緒に行きませんか?」「この本、どう思いますか? 明日までに原稿用紙十枚でレビューしてください」「数学教えてください」などなど。
文面だけ見れば普通だった。しかしこれには殆ど官能小説が絡んでいた。
千歳は、最近になって実はミクは官能小説マニアで、あまりにものめりこみすぎて現実にもやってみたいと思ったのではないか、と思い始めた。
ありそうな話だ。ミクはもともと真面目な性格のむっつりスケベな委員長だったが、勉強や家庭などのストレスと、そして何故か自慰行為をしない性質から、官能小説のシチュエーションをなぞる行動に出た。不自然では全くない。
それに、千歳がその相手に選ばれた理由もなんとなく心当たりがあった。
千歳は文系であり、そこそこ本に慣れ親しんでいるし、読むのは好きだった。図書館も良く利用していた。
ミクにはそこで何度か会って、「本が好きって、良い趣味だよな」みたいなことを千歳が言った。なんとなくそんな記憶がある。
――ミクは、仲間が欲しかったのだろうか。
官能小説のシチュエーションをともに再現する仲間。
官能小説の話をできる異性。
それを求めていたのだろうか。
まだ正確にはわかっていないが、推測できたのはここまでだった。
「(まあ、あいつは極端なだけで、思ったより邪悪なやつじゃないっぽいな。ミクの説得は案外楽か――)」
ここまで考えて、千歳は気付いた。
――最近、頭の中でも普段でも委員長じゃなくて、ミクって呼んでるな。
良い兆候であるのだろうか。
テロリストに譲歩している気分にもなる。
しかし、悪い気分じゃなかった。


275 名前:ワイヤード 第十一話  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/22(水) 00:31:43 ID:wHrqCpJg
「(ま、今日は休めるんだ。休めるときにゆっくり休まないとな)」
考えるのをやめ、部屋を出ようと立ち上がった。
ナギの家にでもいってだらだらとゲームでもするかと考えたところで、千歳は部屋からでるのをやめた。
「(いや、もうすぐ『六月』だったな。じゃあ、ナギの家には行っちゃだめだったな)」
ナギの、野々村家の『掟』。ナギとは、母親たる頼さん以外、六月の第一週には会ってはいけない。
何故かは知らないが、ナギは一年に二週間、絶対に家から出ないし誰にも会わない時期がある。
その一回目が、六月第一週、つまり来週の終わり頃以降一週間だった。
まだその時期には一週間ほど早いが、ナギがあまりこの時期に訪れても良い顔をしない。
「……ん?」
ぶるぶると、ベッドのしたで何かが震えているのを感じた。
「携帯か」
拾い上げ、着信履歴を見る。
千歳はあまり携帯を使用しない。だからこうして一週間放置することも少なくない。
着信履歴は……。案の定、ある人物でいっぱいだった。
「あのアホ……何通出すんだ」
しかし、今日の目的地は決まった。


276 名前:ワイヤード 第十一話  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/22(水) 00:32:14 ID:wHrqCpJg
「おい百歌ー! ちょっと出かけてくるわー!」
「お兄ちゃん、どうしたの? もしかして、あの女のメール、また溜まってたの?」
「正解。ちょっくら行ってくる」
「別に行かなくてもいいよ。お兄ちゃん忙しいのに、あの女がお兄ちゃんに迷惑ばっかりかけて……」
「あのなぁ」
千歳が百歌の頭の上に手をぽんと乗せて、軽く撫でた。
百歌は猫のように気持ちよさそうに喉をならした。
「あの女あの女って、俺もお前も、あいつに結構昔から世話になってんだぞ。そんなこと言うような恩知らずに育てた覚えは無いぜ」
「お兄ちゃん……うん。ごめんなさい」
しゅんとして縮こまり、百歌はバツの悪そうに下を向いた。
「分かったら良い。お前は偉いな」
わしゃわしゃと乱暴に撫でた。つもりだったが、千歳は百歌に対してはどうしても優しくなるらしく、実際は丁寧だった。
百歌はまた気持ちよさそうにごろごろと喉をならし喜び、千歳の手に頬を擦り付けた。
「(ああ、可愛いなぁ)」
正直、千歳はものすごくシスコンだった。妹萌えだった。百歌より可愛い女はいないとまで思っている。
別にそういう性癖があるわけではないが、百歌はたぶんロリコンシスコンという名の紳士を目覚めさせる魔力を持っていた。


277 名前:ワイヤード 第十一話  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/22(水) 00:32:44 ID:wHrqCpJg
人気の無い道路を歩く。季節は五月下旬、ぽかぽか陽気が暖かい。
この街は東京なのにあまり人が多くない。珍しい場所なのではないだろうか。
「ちーちゃん!」
後ろから呼ぶ声に、千歳は振り向いた。
イロリだった。当然のとこながら私服だ。
薄着で、白いワンピースのみ。派手な正確に似合わずシンプルだ。
「ちーちゃん奇遇だね……。あ、この服、どう……かな?」
千歳の、服への視線に気付いたのか、顔を赤らめながらくるっと一回転した。なかなかさまになっている。
「ちょっと地味かなって思うんだけど……」
「いや、むしろ似合ってる。良いんじゃないのか」
「本当!? 嬉しい!」
イロリは勢い良く千歳に抱きついた。
千歳はそのテンションに少したじろぎながら、昔のことを急に思い出した。
イロリは、昔からこういうシンプルなワンピースを好んで着用していた。
そしてその服への意見を一々聞いてきて、千歳は「いいんじゃないかな」と答えていた。
そのたびにイロリは千歳に抱き付き、「うれしい!」と叫んでいた。
「同じだな」
ふっと笑ってしまった。
イロリは顔を上げ、千歳に疑問符の乗った顔を向ける。
イロリの身長はわりと高いのだが、やはり男である千歳とは差が有り、必然的に見上げる形となった。
少したじろぐ。これはさっきとは違う、純粋に心臓が跳ねた。
「いや……昔から、お前は変わらないな、と思って」
「そうかな……。えへへっ、そうだといいな。ちーちゃんは、どっちが好き?」
「ん、なにがだ?」
「昔の私と、今の私」
「どう違うんだよ、今同じって言ったばっかりの俺にはさっぱりわかんねーよ」
イロリは抱きついたまま、ふふんと鼻を鳴らして得意げに解説を始めた。


278 名前:ワイヤード 第十一話  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/22(水) 00:33:15 ID:wHrqCpJg
「昔の私はちーちゃんの知ってる通りだよ。ちーちゃんには嘘ついたことないから、本当に全部、その記憶のまま」
「へぇ、じゃあ今は?」
「……聞きたい?」
「まあ、ちょっと興味はある」
もじもじと脚をすり合わせて、イロリはもったいぶった。若干可愛かったが、千歳はあえて無視した。
「今はねー。汚い女になった」
「はぁ? 汚いって、なんだよ」
「ちーちゃんのために、嘘つくようになった」
「……嘘って、お前がそんなんに嘘つきだとは思えないけどな。例えば、どんな嘘をついた?」
「前に、義理チョコあげたでしょ?」
「ああ」
「あれ、実は本命なんだ……」
「……」
吹き出すどころか、今回はあきれ果てて笑いすら出なかった。
くだらない、実にくだらない理由でイロリはちょっとした悩みを抱えていたように見える。
「ちょっとぉ、あきれてるなー! 私は本気でちーちゃんのこと……むぐっ」
「あはっ……あははははははははははは!!!!!」
後からこみ上げてくる感情に、千歳はついに笑ってしまった。なぜかイロリの口を手で押さえて。
「ははははは! ……はぁ、はぁ……いや、スマン、笑っちまった。いや、皆まで言うなよ、イロリ」
「ぷはっ……どうして?」
「恥ずかしいだろ。お前に好き好き言われてたらさ、俺も」
イロリの目の光が暗くなる。しょぼんと頭を下げ、今にも崩れ落ちそうだ。
「私……ちーちゃんに迷惑を……?」
千歳は一瞬焦ったが、イロリに対しては無駄だということを思い知った。
昔もこんな展開があった。あの時と同じにすればいいんだと、もう分かってしまった。
「かけてねぇよ、いっちゃん」


279 名前:ワイヤード 第十一話  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/22(水) 00:33:45 ID:wHrqCpJg
「えっ……」
昔の呼び名で呼ばれたことがそんなに珍しいのか、イロリははっと前を向いた。
目に涙がにじんでいた。昔から泣き虫だった。
「好きだって言ってくれた奴をキライになる奴なんていない。……ちょっと最近のお前がなんつーか……可愛いっていうか」
「ちーちゃん……!」
イロリの顔がぱぁっと輝き始める。ひまわりのようだ。
「その……それ以上されると惚れそうだから、マジでヤバイ。うん、そういうこと」
「ちーちゃん!!」
がばっと、再び千歳に抱きつくイロリ。その顔には、さっきためた涙が流れていた。
流したのは、悲しみの心ではない。幸福。イロリの限りない幸せだった。
「ちーちゃん! 私を好きになってくれてるんだね! なら、何度でもいっちゃう! 好き! 好き! 好きーっ!!」
「こっ、こらお前、公衆の面前で……!」
「この愛は、誰をも超えられる……! どんな視線にも耐えられる……! そうだよ、ちーちゃん! やっぱり結婚しよう!」
イロリは興奮でもう千歳以外の何も目に入らないらしい。
近所の人間が大声につられて好奇の目を向けてもどうでもよいらしかった。
「(――やっぱ、変わってねーよ。昔から、そうやって純粋で、ただひたすら……綺麗だった)」
ふっと、諦めたように千歳が笑い、イロリの手をさっと握って駆け出す。
「ちーちゃん!?」
「ま、結婚は大人になってから考える! とりあえず今日は今日のことだ! お前今日ヒマか!?」
「うん! ちーちゃんと会えたらいいなって、この辺りをぐるぐる散歩してたから、ヒマー!」
風を切るこの感触が懐かしい。
昔は、野原をこうやって手を繋いで走った。
「じゃあ、今日はちょっと懐かしい奴に会いに行こうぜ!」
「懐かしいひと……?」
「会えばわかる!」
悪戯をした時のこと。泥んこになって互いの親に怒られたときのこと。
失敗をして、笑いあった時のこと。


280 名前:ワイヤード 第十一話  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/22(水) 00:34:15 ID:wHrqCpJg
――二人なら。
「ちーちゃん……こうして走るの、懐かしいね!」
「……ああ!」
――二人なら、怖くなかった。
この街の地図を書いた時のこと。自転車に乗ろうとしてイロリがすべって脚をすりむいたこと。
その傷口をなぜか千歳が舐めさせられたこと。その代わりイロリが千歳の傷を全て舐めて治そうとしたこと。
――二人なら、痛くなかった。
一緒に風呂に入って、お湯を掛け合って湯船を干上がらせたこと。
ボタンが上手くはめられないイロリのボタンをはめてやったこと。
「(イロリ……やっぱお前はすげーよ……!)」
――二人なら、どこにでもいけた。
手を取り合えば、一人でも上れない高い木に上れたこと。
二人で手を取り合えば、怖い夜道も歩けたこと。
――二人なら、淋しくなかった。
泣いているイロリを慰めた時のこと。
反対に、泣いている千歳を、いつもポジティブなイロリの姿が励ましたこと。
――二人なら……。
「(イロリ、お前なら……!)」

――未来だって、つかめるんだ。

281 名前:ワイヤード 第十一話  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/22(水) 00:36:20 ID:wHrqCpJg
終了です。
次の話で一旦キャラクター紹介期間みたいなのは終了で、十三話からVSメア編が始まると思います。
そこからはこのグダグダではないので、どうかお付き合いをお願いします。
ではまた。

282 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/22(水) 00:43:04 ID:1nN8wRK1
リアルタイム盛り上がりGJ。流れに乗るか

283 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/22(水) 01:20:02 ID:c7FEItLs
俺の120ミリライフル砲が大変なことになった。

284 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/22(水) 02:50:58 ID:ZtAvydMD
GJ

285 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/22(水) 07:28:52 ID:rsDi7aRu
いいねぇ。
GJ!!

286 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/22(水) 08:01:14 ID:NiBjK4mu
もうイロリとくっついちゃえよw

287 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/22(水) 17:45:36 ID:TlgMmsLn
GJ~!

288 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/22(水) 18:28:34 ID:sLh6LgxP
わたしたちがヤンデレだ!!

289 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/22(水) 19:42:18 ID:C2KNRpxM
違う!!!!!貴様は自分のエゴを押し通しているだけだ!!!!
その狂愛……俺が断ち切る!!!!

290 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/22(水) 19:58:42 ID:VXpECp8N
よぉくいったぁ!ヤンデレェーー!!!!

291 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/22(水) 20:30:16 ID:fXUMPcgN
>クラスメイト(千歳に思いを寄せる女子)に殴られ
バカな…まだ増えるというのかッ

292 名前:小ネタ[sage] 投稿日:2008/10/22(水) 21:39:34 ID:NRnVBBer
説得する
彼女の愛を否定する  ←
彼女の愛を受け入れる

「違うッ! 貴様は自分のエゴを押し通しているだけだ!
その狂愛……俺が断ち切る!」
「……そう」

彼女は悲しそうに呟き、いったん黙り込む。
そして、小さな弟を諭す姉のような口調で切り出した。

「人は誰しもエゴや狂気を抱えているものよ。ただ、二種類の人間がいるだけ。
それを押さえ込むことに理性を従事させている人間と、
それを後押しすることに理性を活用している人間。
――ねぇ、あなた? 一体、どちらのほうが自然だと思う?」

疑問符を追いかけるように、たん、と小さな靴が石畳を叩く音が響いた。
それが聞こえたと思った瞬間、酷く楽しそうな瞳と三日月を描いた唇が目前に迫る。
反応して身体を動かすどころか、視認することすら叶わない。
次の瞬間に身体の芯を貫いた衝撃は、体格差から考えれば異様なものだった。

「大丈夫、ちょっと寝てもらうだけ。傷なんてつけないから」

意識が傾いでいく。
同様に倒れようとする身体は、優しく抱きかかえられている。
暗転していく視界の隅に、彼女の至極満足げな笑みが見えた気がした。

――GAME OVER。


上のほうの台詞を見てやった。今は反省している
ほんの少しだけ、ヤンデレが何で戦闘力高めなのか分かる気がした

293 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/22(水) 22:35:07 ID:tPE9KWh5
ところでこのスレ的に止マナイ雨ニ病ミナガラはどう思う?今プレイ中だけど、シナリオもできてるし
キャラもかわいい。しかし、つねに背筋が寒い状態だ。

294 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/22(水) 22:48:11 ID:bnO+EeIV
角煮でやれ

295 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/22(水) 23:05:07 ID:mrE1HOoL
>>293
あれって完成してるのか?

296 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 00:05:56 ID:P420JLv9
一人のぞけばルートはおおよそ完成してた
でも、結末が不評なルートがあったからシナリオ書き直し中
まぁ、フリゲにしては完成度高い

297 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 00:56:37 ID:BVL550Mr
幼馴染:悪くはないが、風呂敷を畳み切れてない印象。一部意味があるのかないのかよくわからないトンデモ設定あり。
妹:NTRで非難轟々、書き直し予定らしい。俺は悪くないと思うが。
先輩:他と比較するとボリューム少なめ。何故か妹エンドありで、これが一番怖いw
後輩:ひたすら長い。正直疲れた。がまだ未完。結末しだいで名作になるかも?


DL販売してたら買ってもいいくらいには面白かったよ。
次回作もヤンデレらしい。百合だけどw

298 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/10/23(木) 02:04:15 ID:8YRTM7xM
確かに止マナイ雨ニ病ミナガラはすごかったなw
ヤンデレ好きは一度やってみるべし
背景がリアルすぎてフイタw


299 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 02:09:10 ID:BVL550Mr
そういえば先輩ルートの人はキモウトスレにも書いてたよ。

>>298
リアルとかそれ以前にアキバがあったりするしなw

300 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 17:45:52 ID:okmCQXSv
先輩ルートの人が書いたやつってどれ?

301 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 20:05:51 ID:z2TVnPKo
「ダークナイト」のジョーカーに恋愛を加えたらいいヤンデレになっていたことだろう。

302 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 21:27:30 ID:b+AHEp8r
>>283
今更なんだけど、すごそうに見えるけど12cmって普通の大きさだよね。
それとも銃とかの「ミリ」ってミリメートルのことじゃないのか?
ほんとにどうでもいいけど。


303 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 21:31:32 ID:tiImqdSr
>>302
12センチだとやや小さいほうね

304 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 21:36:31 ID:iuRfFWaa
>>302
本当にライフルなんじゃね?
12センチっつうと完全にカノンの領域だが

305 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 22:11:58 ID:C483eQgP
口径のことなら、ザクマシンガンがその大きさだねぇ。

それよりヤンデレが知らないはずの個人情報を使ってストーカーしてるか心理戦がしたい

306 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 22:33:30 ID:J6lqMani
>>303
たしか日本人の平均が15センチメートルだったキガス

307 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 22:50:57 ID:q6eU0eUE
120mmライフル砲は英陸軍の主力戦車チャレンジャー2の主砲だな
第三世代主力戦車(つまり最新型戦車)の主砲が120mmだし陸上兵器の火器としてはかなりでかい
ちなみに他の第三世代主力戦車は120mm滑控砲
現在の主力戦車は使用する砲弾の性質上、ライフルにすると威力が逆に落ちる

308 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 22:57:52 ID:m4AjHW8o
>>283の局部ってかなり恐ろしいんだな

309 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 23:04:08 ID:tiImqdSr
>>306
13だよ

310 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 23:18:17 ID:yy+z+AOC
そんなことよりおっぱいのサイズについてでも語れよ

311 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 23:48:45 ID:Y4OCi/bn
そんなのデカイ方が良いだろ。ひんぬーもすきだが、顔面挟まれたい

312 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 23:58:13 ID:q6eU0eUE
ひんぬーを吸いたい
ひんぬーに授乳されたい

313 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 23:58:22 ID:iuRfFWaa
>>311
ひんぬーのヤンデレがアップを始めました

挟まれるだけならふとともでいいだろ。むしろふとももがいいだろ。ふとももいいよふともも

314 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/24(金) 00:21:58 ID:xwmkGTN2
局部のは長さ。
銃や砲のは口径。

つまりアレが120ミリの場合長さが12センチだが、
砲の場合は弾丸の太さが直径12センチと言うこと。(銃の場合はまた違う)

とここまで書いて、ふとヤンデレ戦車という電波を受信した。
恋人(軍人)を守るためスーパーハッカーの彼女が戦車の制御COMPに電脳ダイブして乗っ取る。
恋人を守るために獅子奮迅するが、整備兵のメス豚が恋人にちょっかいをかけ始めて…

315 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/24(金) 00:57:42 ID:Tq2xSZjK
チハ擬人化でヤンデレとか見てみたいな


316 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/24(金) 01:10:56 ID:MTDbFcae
どう考えても泥棒猫に勝てそうにねえ…

317 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/24(金) 03:19:41 ID:M3vK+a9d
一番は細い二の腕だろ


318 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/24(金) 03:50:14 ID:8ER5v7Vw
>>316
同じ対ヤンデレには非常に弱いけど、しょぼい雑魚を狩るには向いていそう。

319 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/24(金) 06:46:05 ID:MFhJJnRj
アメリカ人の転校生は強敵


320 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/24(金) 07:45:17 ID:idiBsvA6
あれそれって嫉妬スレの作品じゃw

321 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/24(金) 23:09:15 ID:c1/lpRgy
>>314
※「口径」は「砲弾の直径の何倍の長さ」という意味で砲身長を指すこともある。
52口径5インチ速射砲→砲弾の直径5インチ(127ミリ)で砲身長260インチ(6.6メートル)

「えへへ、せんぱぁい
先輩のずいぶん細長いんですねぇ
そんなんじゃ女の子に愛してもらえませんよお
あ、そんな言い方したら失礼かぁ
じゃあとっても長砲身ですねぇ
そんな顔しないでくださいよお
長砲身ほど砲弾の初速は上がるもんですから
わたしがたっぷり可愛がってあげますからねぇ」

軍事オタっぽくしようと思ったがただの変態オヤジに・・・orz

322 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/24(金) 23:49:17 ID:sukZEa8P
ヤンデレつーよりデレデレだが、チハたん擬人化×車長さん(チハ坊)ネタ。

あ、また出てる。
そーろーさんは嫌われるんだよ。君ももうちょっと頑張りなよ。
………私の体が助平なだけだって?君が童女趣味なだけじゃないの?
それじゃなきゃこんな貧相な戦車となんかしないでしょ。
今すぐ突撃一番持ってアメちゃんの戦車とやって来れば?
………馬鹿。
はいはい、わかりました。
私は車長殿の事ばかり考えて、今日も久々に車長殿とできると思って発情して、早々と車長の精子を出させてしまった助平な戦車です。
どうぞ私のお腹の中を車長の精子で征服してください。とでも言えばいい?


でも、君のことばっかり考えてたのは本当なんだから。
私、君のことが大好きなんだよ。
え、いつからって?
君とあった時からずっと。
最初は頼りなさそうで大丈夫かなって思ったけど、君が私を初めて指揮してくれた時、私の車長は君しかいないって思ったの。
満州でも、この島でも、君は私をずっと指揮して、いろんな事を教えてくれた。
そりゃ、やらしい事だっていっぱいされたけど。君なら自然に許せた。
でも段々好きって気持ちが大きくなりすぎて、ちょっと怖かった。
私を捨てないか。って……
ねぇ、私は君が私以外の戦車に乗られるのが嫌なんだよ。
満州にいた時、君が用事でイ号姉さんに乗ってたことがあったよね。
私、あの時本当に嫌だった。イ号姉さん撃ち抜いてやろうかとも思ったくらい。
そのくらい独占欲の強い戦車なんだよ。私。

……それに、君が他の戦車に殺されるのも嫌。
君が私ごとアメちゃんの戦車に殺されるくらいなら、車長ハッチから放り出してでも逃がして、私だけアメちゃんに突撃して自爆する………

え、泣いてなんか、ないよ。
これは……眼からエンジンオイルが漏れてるだけ。
しょっぱいのはしょっぱいエンジンオイルだからだよぉ……
泣き顔なんてしてないんだから、泣き虫なんかじゃないんだからぁぁ………
泣きやませないでよ。どうせ私には君を守れないんだから。
だって、私なんて装甲薄いから、当たりどころが悪くなくても君は死んじゃうんだよ?
……確かに私は君の事大好きだよ。でも心中なんてする気は無い。君には生きていて欲しいの。
もういいでしょ!こんな弱くて気持ちの悪い戦車なんて置いて輸送船で出ていけばいいじゃない!
私はアメちゃんにマワされても感じる変態だもん。さっさと内地の妹たちの車長になって、平和に妹ズコズコ犯してればいいじゃない!

323 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/24(金) 23:50:13 ID:sukZEa8P
………本当に馬鹿。
あたしなんかに乗ってたら死んじゃうのに。
そんなに命が惜しくないの?君のお母さんから貰った物なのに、そんなに粗末にしていいの?

……そっか。そうだよね。私は君のお嫁さんだったんだよね。
戦場の中だけの、戦争してる時だけの君のお嫁さん。じゃあ旦那様?お願いがあるの。
旦那様が上になって、私の中に突撃一番なしで精子を……赤ちゃんの素をお腹がいっぱいになるくらい出して。
うん。せっかくある子宮なんだから、赤ちゃんが産めなくてもいっぱいにしてあげたいの。
本当、なんで兵器に子宮なんてあるのかなぁ。


んん、入ってくるぅ……んはぁ。やっぱり生は君が直に感じられていいね……
ほら、私の一番奥に当たってるのわかる?
……うん。きゅん、きゅん、って君を欲しがってる。思う存分可愛がってあげて。
ゃっ、急に、動か、ないでよ。ひぁぁ、チンポ、気持ち、よすぎ、なんだからぁっ。
やだ、はっ………あっ、激しすぎる……
え?チハの顔と体がやらしすぎるって?
……君が、やらしいから、だよ。ふぁ、こんな貧相な戦車相手に、あん、ズコズコ腰振って。やらしく、ああぁぁ、ならないわけ、んっ、ないじゃん。
あ、おっきくなってきてる。もう、出るんだ。ほんとに、そーろーさん。
……い、いよ。にゃぁぁん、わたし、だってもう、ひぁっ!限界、あん、だもん。
出して!お腹、膨らむ、くらい!赤ちゃん!赤ちゃん出来るくらい!いっぱい出して!
やぁっ!きちゃ!きちゃっ!ふぁっ!ふぁぁぁぁぁぁぁああっ!!!


本当にいっぱい出たね。お腹たぷたぷ。
え、なんで抜かないのって?
だって、抜いたら膣に溜ったの出ちゃうでしょ。
なんなら代わりにコルク栓でも詰める?
……ふふ、でも子宮の中の精子は絶対逃がさないよ。やらしい君の精子なんか監禁してやるんだから………

……そっか、明日総攻撃かぁ。
さっきは輸送船でどっかいっちゃえなんて言ったけど、輸送船も来ないんだよね。
GFのばーか。カンタイケッセンなんて結局起こってないじゃん。使えない船ばっか並べて。
……でも、私と車長殿の仲を割らなかった事だけは褒めてやる。
でも、明日が最後なんて寂しいね。
え?私がいるから寂しくない?
………最後まで馬鹿だね。
ね、もう一回しよっか。
夜が開けるまで、ずっと。


チハたん∩(;ω;)∩ばんじゃーい


324 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/24(金) 23:53:05 ID:E8IrPCfa
>>322
>私はアメちゃんにマワされても感じる変態だもん。

砲手のアメちゃんに砲塔ぐるぐる回転させられているのを想像してしまった・・・

325 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/24(金) 23:54:36 ID:iDx/NXDh
>>323
擬人化総合SSスレ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1176796139/

326 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/25(土) 01:05:18 ID:OoIlugRx
>>323
上手いよ。上手いSSだけどさあ……。
病んでないじゃんコレ! 普通にいい話じゃん!
ここに投下するのはもったいないって。>>325でやってくれよ。
そしたら惜しみないGJを奉げるから。

327 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/25(土) 01:28:38 ID:M6+dMogA
これ病んでないのか?
戦時下補正があっても、一応病んでるんじゃないのか?
それともここの住人は並みの病みでは何も感じはしないのか

328 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/25(土) 03:20:52 ID:GtRmZedh
「あなたを生涯直掩したい」

329 名前: ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/25(土) 19:40:45 ID:BCBiq9CW
投下します。

330 名前:ワイヤード 十二話 前  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/25(土) 19:41:44 ID:BCBiq9CW
第十二話『きみの散歩道・憫笑』

ひたすら歩く千歳の後ろを、イロリがてくてくとついていく。今の千歳の気分はドラクエの勇者だ。
いや、カモの親か。
どちらにせよ、後ろにいる奴が可愛くてほほえましくて仕方が無い。
「なつかしいね」
イロリが口を開いた。
「ああ、昔はお前と結構遊んだな。ここでさ」
商店街。
ある程度の活気と、ある程度の落ち着きがある街並み。
現代的ではない。ノスタルジックな光景。
昔のままだった。
「走り回って、八百屋さんに怒られたっけ」
「ジャッキーチェンの真似とかしてな。思えばあの頃は馬鹿ばっかしてたな」
「ジャッキーかっこいいし面白いしね。たぶん、男の人の中ではちーちゃんの次くらいに好き」
「なんだよ、それ」
イロリは話すと本当に面白いやつだった。これも、たぶん昔からだろう。
なぜ、忘れてしまったのだろうか。千歳は少し自分の思慮の浅さを恥じた。
いろいろあったからだろう。イロリのいない間に、いろんなことが変わった。同じじゃない。
ずっと変わらないものなんて無い。この商店街ですら、少しずつ変わっている。
しかし、イロリは変わらなかった。
「(やっぱ、俺は駄目だな)」
「どうしたの? 考え込んじゃって」
「いや、ちょっとな」


331 名前:ワイヤード 十二話 前  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/25(土) 19:42:15 ID:BCBiq9CW
「もぅ、教えてくれたっていいじゃない。イジワルー」
「いや、あんまりいいことじゃないしな」
「え、それって、私でえっちな想像してたとか……? ならばウェルカム! レッドスネークカモン! カモンナカモンナマイハウス!」
「意味わからねぇー」
大体、イロリは時代錯誤だ。なぜ東京コミックショーのネタを知っているのだと小一時間問い詰めたい。
が、あえてやめておいた。
「……ねぇ、ちーちゃん」
「ん?」
「私ね、本当に好きだったんだ」
「好き……?」
「ちーちゃんのこと」
どきん。
イロリの悪戯っぽい笑みが、千歳の胸を打った。
心臓が跳ねる。
「ここで、一緒に遊んでたときも、ずっとちーちゃんを見てた。手を繋いだとき、いつもドキドキしてたよ」
しみじみと、身体にこの街の空気を染み込ませるように、ゆっくりと、一歩一歩。
かみしめるように。ふみしめるように進みながら、イロリは夢見がちな――星みたいに綺麗な瞳で空を見ていた。
真っ黒で、宇宙みたいなのに。そんな深みの中にあるはずのない光が輝いていた。
それは、たぶん未来という名の希望。希望という名の光。
「これからは、また、一緒なんだ」
千歳の手を、優しく握る。
千歳がさっき掴んで走っていたときとは全然違う。
「ほんと、面白いやつだな。お前」
千歳もつられて微笑んだ。
――なんで、こんなに魅力的なんだ。
昔は気付かなかった。イロリの、宝石箱のようにたくさんの輝きを秘めた瞳。
今なら、わかる。
たぶん、そう遠くない未来。
もっと近くに。


332 名前:ワイヤード 十二話 前  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/25(土) 19:42:45 ID:BCBiq9CW
「そうだ。ちーちゃん」
「ん、どうした?」
イロリは千歳の惚けを全くスルーして、話題を転換した。
昔から、不安定というか、ころころと変化の激しい奴だった。
変化の激しい点が変わってないなんて。すこし面白い。
「この商店街、ヤクザ屋さんが仕切ってたよね。今はどうしてるの?」
「ああ、そういやそうだったな。『今日からヤのつく自営業』の方々がいたな」
「怖かったねー。でも、迷子になったとき助けてもらった覚えがあるかな。意外と優しいひとだったのかもね」
「……あいつらなら、俺が……。っ!? なんか、騒がしくないか?」
あまり騒がしくないこの商店街で、怒鳴り声。珍しい。
「ヤクザ屋さんかな?」
「わからん」
「私、見てくる!」
「お、おいっ……!」
静止も聞かずにさっさと走り去ってしまった。
「ったく……こういうところも変わってないのかよ」
目を離すと、すぐいなくなった。目を離さないでも、すぐいなくなった。
まるで成長していない。
だが、それがイロリの魅力的なところなのだろう。千歳はうすうす感づいていた。


333 名前:ワイヤード 十二話 前  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/25(土) 19:43:25 ID:BCBiq9CW
「おうおう、アンタがウチらの縄張りになんのようじゃ」
「場合によっちゃ、ただじゃかえさんど」
イロリが見ると、大柄な男が二人、犬を連れた女性に詰め寄っていた。
「あら、何度も言ったじゃありませんか? 愛犬のスティーブの散歩中ですの。わたくし、ゴリラを飼う趣味はございませんので、そろそろついてくるのをおやめくださいな」
「てめぇ! 舐めとんちゃうぞ!」
女性は全く動じないで、逆に男達を挑発していた。
「この街はワシら『九音寺組』のモンじゃ! アンタら『御神グループ』にゃあ、渡すわけにはいかんのじゃい!」
『九音時組』。これはイロリもなんとなく知っていた。
さっき話していた、この街を仕切っているヤクザ。
それと、『御神グループ』。これもうっすらと記憶にある。
関東で最近急激に肥大化し始めた『財閥』。多くの企業を傘下に持ち、その力は政界にまで及ぶという。
少し前までは旧華族の末裔、ただの名家だったのだが、ある少女の登場でこの変化がもたらされたといわれている。
その名は――
「――『御神 枢(みかみ カナメ)』! アンタの好きなようにはさせんのじゃ!」
男が懐からナイフを取り出す。
女――御神カナメは、袖で口元をかくしながら、くっくっと笑った。
その動作の一つ一つにただならぬ威圧が含まれており、男達を警戒させる。
「あらあなた、お若いのに。人を殺す『覚悟』をお持ちなのね」
「『覚悟』じゃとぉ……ワシら極道じゃ! てめぇら成り金に舐められるわけにはいかんのじゃ!」
「そう――じゃあ、お刺しなさい」
「……!?」
平然と、言い放った。
なんの恐怖も感じていないようだった。
男達は呆然と立ち尽くす。イロリも状況が理解できず、止まったままだった。
「(なんで、あのカナメって娘は……)」
男二人の前に、ただ立っているだけで。
――制圧している。


334 名前:ワイヤード 十二話 前  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/25(土) 19:43:57 ID:BCBiq9CW
「どうなさったのかしら。『覚悟』があるのでしょう? 相手を傷つける覚悟があるなら、当然あるのですよねぇ……。『殺されてもかまわないという覚悟』。ならば、試すのが一番早いでしょう?」
「う……ぁ」
「おちつくんじゃ! 『いんてり』の口車にのんな!」
もう一人の男が、ナイフを持った男を諭す。
が、もう遅い。ナイフの男は既に走り始めていた。
「おどりゃー!! もうヤケじゃ!!!」
「(しまった……!)」
イロリの距離からは止められない。状況判断が追いついていない。
このままでは、あの女性は――
「――俺が!」
「ぇ――?」
イロリの隣を、疾風のように駆けるもの。
「(ちーちゃん!?)」
千歳はそのまま異様な素早さ――縮地法によってカナメと男の間に割り込んだ。
「ふっ!」
呼気を入れながら、千歳は男のナイフに向かって真正面から拳を放つ。
衝撃。
次の瞬間には、男とナイフが数メートルほど吹っ飛んで倒れていた。
「……ったく」
千歳が拳を放ったほうの手をぷらぷらと振る。
普通ならナイフが刺さっていたであろうそこだが、全く怪我もなかった。
「な……なんじゃこらぁ! 御神グループのもんかい!」
もう一人の男が千歳に向かって怒鳴る。
「いや、違うけど……って、聞いてないか」
仲間を倒されて冷静さを失った男は、拳を振り上げて千歳に飛び掛かった。


335 名前:ワイヤード 十二話 前  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/25(土) 19:44:27 ID:BCBiq9CW
千歳はやれやれと首を振り、すっと身体を逸らす。最小限の動きで男の拳をいなし、すれ違った。
「がっ……!」
男がうめき、倒れる。
「(そんな……ちーちゃんの攻撃、見えなかった……)」
千歳の動きに。すれ違っただけで相手を倒していたように見えたそのスピードに、イロリは驚愕した。
イロリの知っていた頃の千歳は、決してこんな強者じゃなかった。
「ちーちゃん、大丈夫!?」
しかし今はそんな変化に戸惑うよりも、千歳が無事か心配だった。見た目では傷が無いように見えても、ナイフと正面衝突したのだ。
どこかきられているかもしれない。
「いや、大丈夫だ。……それより、あんたは、大丈夫か?」
千歳は駆け寄ってきたイロリを軽く制し、御神カナメに向き直った。
「はい、ご心配には及びません。この通り、おかげ様でどこにも怪我はございません故」
カナメは穏やかに笑い、千歳の手をとった。
「あなたに助けていただいたことは、決して忘れはしないでしょう。必ずお礼をいたします」
「ん、ああ。べつにいいんだけど」
「そういうわけにはいかないのです。わたくしのプライドが許しませんの。わたくしの名は、御神カナメと申します。どうぞカナメと及びください。……あなた様のお名前を、わたくしにお教えくださいますか?」
「カナメさん、ね。俺は、鷹野千歳。けど、俺に対する気遣いはいいから、今日は気をつけて家に帰ったほうがいい。あいつらには俺が言っておくから」
「千歳さま、ですね。……この恩は、御神の名にかけて、必ず」
カナメはすっと顔を近づける。千歳の頬に、柔らかい唇が軽く触れた。


336 名前:ワイヤード 十二話 前  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/25(土) 19:45:30 ID:BCBiq9CW
「これは、わたくしの約束の証しでございますわ。次にお会いする時は、この続きを……」
ぽっと顔を赤らめ、カナメは犬を連れてそそくさと立ち去った。
「……」
千歳は、その勢いに呆然と立ち尽くすだけだった。
――ふと、背後から強力な怨念を感じる。
「……ちーちゃーん?」
イロリだった。
じとっとした目で千歳をにらみつける。
「なんであんな初対面の女の子にデレデレしてるの……? 私にもあんな顔してなかったのに」
「いや、別にそんなことは……!」
「してるよー! もう、私もちゅーするんだから!」
「ちょ、まっ、あっー!!!」
イロリはがばっと大胆に千歳に飛びつき、頬に吸い付いた。まるでヒルのように強烈に吸い上げる。
「痛い痛い!」
やっとふりほどく。
するとイロリがニヤニヤして千歳の頬を見ていた。
「マーキング成功だね~」
そこには、真っ赤なキスマークができていた。

337 名前:ワイヤード 十二話 前  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/25(土) 19:46:00 ID:BCBiq9CW
「ふぅ……やだわ。わたくし、なぜあんなに大胆なことを。殿方に……」
カナメははぁはぁと疲れた様子で遠くの公園のベンチに座っていた。愛犬スティーブの散歩コースだった。
「千歳様……。素敵なかた……」
バッグから、さっき隙を見て拾ってきた、ヤクザのナイフを取り出す。
ひしゃげてもう使い物にならないだろう。
「素手でこのナイフをこんなに……。お強いんですのね……」
思い出すと、また顔が赤くなる。
「鷹野、千歳様……。弱きを助け、強きをくじく。あのお方こそ、わたくしの『運命の人』ですのね」
ぱちんと、指を鳴らす。
数秒で黒服の男がどこからともなくあらわれ、カナメにひれ伏した。
「高崎。あのお方の情報を、できるだけ詳細まであつめてくださる?」
「三日ほどかかりますが」
「頼みましたわ。……できることなら、すぐがいいのですが、我が侭は今は無しにします」
「承知」
そして次の一瞬で高崎と呼ばれる黒服の姿が消失した。
まるで忍者のような身のこなしだった。
「スティーブ、あなたもそう思うでしょう? 千歳様と、わたくしの間の、赤い糸。見えるでしょう?」
スティーブのくびすじを撫でる。気持ちよさげにふんと息を吐いた。
「千歳様……わたくしの唇の代金は、高いのですよ……?」
空に向かって、誰にも伝わらない声を飛ばしていた。
周囲の人物は、そんな怪しい少女に声をかけないように避けた。

338 名前:ワイヤード 十二話 前  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/25(土) 19:46:31 ID:BCBiq9CW
「(なんだあいつ、休日だというのに騒がしいな……)」
金髪の少女も、その一人だった。
「(いや、なんだ、この違和感は……あの女、微弱だが……ワイヤード反応がある?)」
ほんの少し。おそらく、今生まれたばかり。
しかし、確実に息づいている。
この近くにコントラクターがいる証拠だ。
「(つかまえたぞコントラクター。もう少しだ。……まずは、あの女に聞き込みを)」
犬を連れた少女、カナメに目を再び向ける。
と、そのベンチには既にその姿は無かった。
「しまった……。ついはしゃいで、目を離してしまった」
若干の自己嫌悪。そして行動。
「だが、近いということは分かったんだ。この脚で、今から探せば……!」
金髪の少女が、ばっと走り出……せなかった。
どてっと倒れ、地面をのたうちまわった。
「くそっ、急に走り出したら腹が……! 腹が減って……」
「ねぇお母さん、あの人ー」
「見ちゃ駄目よ!」
親子が公園から走り去る。
「くそっ、この街の住人は飢えたものに食べ物を恵むという心遣いもないのか……! なんたる……!」
ぐぎゅううう。腹からマヌケな音が漏れた。
「だめだ……怒ったら腹が減る……。もう、だめ……。不覚」
ばたりと倒れ、意識を失った。


339 名前:ワイヤード 十二話 前  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/25(土) 19:47:02 ID:BCBiq9CW
「ちーちゃん、どうするの? ヤクザ屋さん、放って行くの……?」
「いや、そろそろ来るはずなんだが」
「え、誰が……?」
「おーい!」
イロリが言ったと同時に、遠くから男の声。
見ると、スキンヘッドのいかにも悪そうな男が手を振って走ってきていた。
「千歳さん! 今日はウチの馬鹿どもがご迷惑を!」
男は千歳の前まで来ると、即座に頭を下げ、謝罪した。
「いや、いいよ。それより、なんであんたらは御神グプールに突っかかったんだ? それが気になる」
男は倒れている二人の部下をたたき起こしながら答える。
「へい、実は、オレ達『九音寺組』の組長『九音寺 轟三郎(くおんじ ごうさぶろう)』親分が、重いご病気でして、その隙を狙って奴らがこの地域の支配権を狙って圧力を……」
「……なるほどな」
「あの御神の小娘、オレ達を挑発してるんすよ……親分さえ、親分さえいれば、舐められることもないのに」
「けどな。今回は軽率すぎだぞ。力で負けてんだから、お前らこそ冷静になれ。挑発にいちいちかかってんじゃねえ」
「へい、こいつらにはよく言い聞かせます」
「ああ。……危なかったぞ。あのカナメさんって人は、結構抜け目ない。見えないところに銃を持った男を数人配置していた。たぶん、俺が入っていかなかったらその二人は射殺されていたな」
「……すまねぇと思います。千歳さんは俺らの組の人間を何人ももう助けてくださって。……千歳さんがいたら百人力なんですが」
「いや、俺は……。百歌が怒るから、そういう職業は……」
「ははっ! 冗談でさぁ! ですが、ウチの『久遠(くおん)姐さん』は千歳さんのこと諦めてないみたいですぜ! また会いに来てやってください!」
「久遠が……。まあ、ヒマがあれば、そのうち」
「へい! では、オレらはここらで失礼します!」
スキンヘッドの男は二人の部下を引きずりながら、にこやかに去っていった。すさまじい腕力である。
今日からヤのつく自由業とは思えないさわやかさと優しさだった。


340 名前:ワイヤード 十二話 前  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/25(土) 19:47:46 ID:BCBiq9CW
「……いっちゃったね」
「ああ」
「私、私が居ない間のちーちゃんの経歴がすごく気になってきたよ……まさかヤクザ屋さんに敬われる立場だなんて」
「いや、あいつらの組長の娘を助けたことがあるだけだから」
「それって、さっき言ってた久遠っていう人?」
「ああ」
「……さっきの人の口ぶりからすると、その久遠っていう人もちーちゃんのこと好きみたいじゃん」
口を尖らせて問い詰めるイロリ。
ちょっと可愛いなと思いつつも、千歳はがんばってごまかそうと努力する。
「いや、そういうのじゃないって。……会ってみればわかる。っていうか、たぶんそう遠くない日に会うことになるから。久遠とは、さ」
「……ちーちゃん、モテすぎだよぅ。ライバルが多い」
イロリはぶつくさと文句を言いながら、先に進んだ。
「まあ、いいや。今日はどこかに連れて行ってくれるんでしょ? 早く行こうよ!」
「ああ。行くか」


341 名前:ワイヤード 十二話 前  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/25(土) 19:48:57 ID:BCBiq9CW
十二話は長いので、ここで一旦分割します。
文章がめちゃくちゃになっていますが、おおらかに読解してください。
では、後編は今夜か明日にでも。

342 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/25(土) 19:57:10 ID:O1zIqMsV
一番槍乙

343 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/25(土) 20:02:09 ID:KDUInzFW
GJ!
何で千歳が戦闘用員なんだよwwww

344 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/25(土) 20:03:10 ID:D/4rka8g
GJ!!

345 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/25(土) 20:59:11 ID:JC4lgpS0
金髪の行く末が気になるぜ
GJ!!

346 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/25(土) 22:21:25 ID:wgzRoGhd
てか、投下イラストで見たけどイロリがめっちゃ可愛いなww

347 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/25(土) 23:27:37 ID:o1LC7T7C
主人公が武術の達人
これは……良いw、強いのに女に喰われるんですねw
そのギャップにGJ!


348 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/25(土) 23:49:53 ID:8Aty13OO
>>331
>御神グプール(笑)

349 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/25(土) 23:50:31 ID:8Aty13OO
みす
>>339

350 名前: ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/25(土) 23:52:55 ID:BCBiq9CW
それはミスを笑う人もミスするという一発ネタなんですかねw
ってか、誤字はおおらかに見逃してくださいと(ry

351 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 00:24:54 ID:SYWFi+tW
うぜえ

352 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 00:30:50 ID:NvWShWFM
作者はあんまり自分の意見を出さない方が叩かれずに済む
面倒ごとはさけたほうがいいぞ
スレのためにも自分のためにも

353 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 00:36:46 ID:+93uePo2
この作者は妙に正直というか人間臭いからな。前スレから。
話が面白いからつぶされて欲しくない。
的確なツッコミではあるけど、叩く口実になるから控えようぜ。心配だ。あとGJ

354 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 00:43:42 ID:SdEq3LL2
たまに作者は文章製造機だとでも思ってるやついるよな
言い分はわかるがあんまりだな

>>350
GJ
これからも頑張ってください

355 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 01:09:29 ID:ZNl8ljDV
でーれーでーれー

356 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 07:42:25 ID:HCc9EOQ7
ででーん!

357 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 08:15:24 ID:yA7o491D
でででで

358 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 14:33:55 ID:TWWqUh5Z
でーん!でーん!

359 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 15:34:12 ID:/aFKEaXV
でででん

360 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 15:50:17 ID:HCc9EOQ7
ででーん!

361 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 16:14:54 ID:p9s5QRjc
ウィキももうすぐ500000アクセスか
結構増えたなあ

362 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 17:59:06 ID:IgppDcME
今朝ヤンデレ幼女に襲われるというやたらに生々しい夢を見た
正夢にならないかな……


363 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 18:27:01 ID:TWWqUh5Z
夢じゃないよ?現実だよ?

364 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 19:59:04 ID:IgppDcME
>>363
うはwちょっと幼女探してくるw
ちなみに夢の内容はこんな感じだった


365 名前:ヤンデレ幼女の夢[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 20:00:47 ID:IgppDcME
夢の中の幼女とはもともと仲がよかったみたいで、お兄ちゃん、お兄ちゃんって俺のことを慕ってくれていた。
俺も最初の内は大いに彼女を可愛がった。暇な時はよく一緒に遊んでやっていたようだ。
でも幼女はいつでもどこでも俺に引っ付いてくるもんだから俺は次第に彼女のことを疎ましく感じるようになった。
俺が幼女以外の人、特に女性と話していると突然どこからともなく幼女が怒鳴りこんできて、それでも俺が無視していると泣き喚く。
俺にも人付き合いってもんがあるんだ。なのに何で彼女が怒ったり泣いたりするのか理解できない。
彼女が俺のせいで泣いているということで俺の評判が落ちたらたまったもんじゃない。
小さな女の子を泣かせるなんて、と俺の評判はがた落ちするかもしれない。
今後できるだけ幼女とは関わりを持たないようにしよう。
そう思って幼女を避けるように行動をしているはずなのに、彼女はどこからともなく必ず俺の前に現れる。
彼女は俺を見つけると嬉しそうに勢いよく俺に抱き付き、その端正な顔を胸に埋めてくる。
しかし、俺の方はこの頃になると幼女を見ることさえ苦痛に感じるようになっていた。

しばらくして俺は何故か突然遠く離れた所に引越しすることになった。
すると幼女は俺を力の限り抱きしめ、顔を涙と鼻水でぐしゃぐしゃにしながら、
「行かないで!」「ずっとずっと一緒って言ったよね?」「私はお兄ちゃんのことがこんなに大好きなのにどうしてそんなこと言うの?!」
と喚き続け、一向に俺を離そうとしてくれない。
俺も初めは波風を立てたくないので穏便に幼女と別れようとしていたが、いつまでも泣きやまずに我侭ばかり言っている彼女に腹が立ち、
「うるさい!いつもいつも自分勝手なことばかり言いやがって!お前の顔なんか見たくもねぇよ!」
と彼女に怒鳴りつけ、強引に引き剥がすとその場を去ろうとした。
「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!」
突然気味の悪い声で笑い始めた幼女。
驚いて振り返るとそこには俺の知らない彼女が立っていた。
「そうか。わかったよ。あの女が悪いんだよね?そうだよ。そうに決まってるよ。だってお兄ちゃんが私にそんなひどいこと言うわけないもん。
うん。大丈夫だよ。私全然気にしてないから。悪いのは全部あの女だもん。だからお兄ちゃん。離れるなんて言わないで私とずーっと一緒にいよう?
いつまでも二人だけで一緒に暮らすの。えへへ。私お兄ちゃんのこと大好きだから楽しみだなぁ。ね?ずーっと、ずぅぅぅぅぅぅっと一緒だよ?」
いつ息継ぎをしているのか分からないほどのスピードで恐ろしいことを言い放つ幼女。
その双眸は大きく開き、いつもきらきらと輝いていた瞳に光はなく、代わりにあるのはどろっと濁った深淵の闇。
彼女はその年齢には見合わないほどに美しく笑っていた。そう、寒気がするほどに。
やばい。このままこの場にいたら間違いなくやばい。
そう直感した俺はそんなことを言いながら一目散にその場を駆け出す。
走る走る。一刻も早く幼女の傍から離れたかった。
なのに――

「あははははは♪待ってよー、お兄ちゃーんっ♪」
彼女は俺を追いかけていた。しかも、大人の俺が走るスピードに食いつく速度で。
「くそっ!!な、何なんだよ!気持ち悪いんだよ、お前っ!!こっちに来るんじゃねぇ!!」
普段だったら考えられないような酷い罵声を幼女に浴びせる。それだけ今の俺には余裕がなかった。
「ひどーい、お兄ちゃん。そんなこと言う子にはオシオキだからねっ!」
しかし、幼女は特に気にした様子も見せず、むしろ嬉々とした表情で隙あらば俺の背中に掴みかかろうとしている。
しかもいつの間に取り出したのかその手には鋏が握られているではないか。
ちゃちな作りではあるが仮にも刃物。十分に殺傷力はあるだろう。
わからない。幼女はどうしてそこまでするのだろうか。わからない。
混乱した俺の脳みそじゃその結論に辿り着くことはできず、ただひたすらに逃げろと体中に警鐘を鳴らすことぐらいしかできなかった。


366 名前:ヤンデレ幼女の夢[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 20:02:53 ID:IgppDcME
彼女から逃げ回ってるうちに何故か舞台はうっそうと木が生い茂る山奥に。
後ろから聞こえる幼女の不気味な笑い声がまるで鎖のように俺の体に纏わり付き、耳から離れない。
いつまでこうやって逃げ続ければいいんだ?
こうやって走っていても彼女から逃げられるとは思えない。漠然とした恐怖を感じながらそれでも走り続けるしかない。
もう2,3時間以上は走っているように感じられる。喉が渇いて貼りつく。頭がぼうっとする。
ふと腕を引っ張られる感触。恐る恐る後ろを振り向くとそこには――

「つーかまえたっ♪」

この上ないほどの笑顔を浮かべた幼女が俺の腕を掴んでいた。
「うわあああっ!!!離せっ!!!離せよっ!!!」
怖い。怖い。この年端も行かない彼女の笑顔、行動、あらゆる全てが怖い。
完全に取り乱した俺は幼女の手を振り解こうと暴れる。
しかし彼女は絶対に離そうとしない。しかもその顔は喜悦に歪んだまま。
その表情にこの上ないほどの恐怖を感じ、幼女の可憐な顔を思い切り叩く。
口の中を切ったのだろうか。その可愛らしい口の端からはつーっと一筋の赤い雫が滴り落ちる。
それでも彼女は俺の腕を離そうとはしない。むしろ腕を掴む力が強くなるだけだった。
「このっ、いい加減にしろよっ!!」
なお俺の腕にしがみつこうとする幼女の頭を引き剥がそうと髪の毛を思い切り掴む。
勢い余って彼女のさらさらと流れる美しい黒髪がぶちぶちと音を立てて抜け落ちた。
それでも幼女は何も応えていないらしい。
「あははっ♪痛いよー、お兄ちゃん。でもね、こんなことされても平気なんだよ?」
彼女は最早狂っている。そうとしか思えない。
振り乱した髪の下から覗く瞳は焦点が定まっておらず、片手に握られた鋏はギラリと光る。
「うふふ。だって私、お兄ちゃんのこと」
やめろ!!言うな!!それ以上言ったらわかってしまう。理解してしまう。
だからお願いだ。それ以上は言わないでくれ!!
しかし俺の願いは彼女に届かなかったようだ。

『愛してるから♪』

彼女の口が形作る。声帯が空気を震わす。俺の鼓膜が振動を捉える。脳が信号に変換して理解する。
「う、うわあああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」
その言葉が俺の脳内で静かに響き渡った時、俺はついに正気を失った。
助けて。誰でもいい。嫌だ。早く逃げなきゃ。怖いよ。
最早言葉にすら聞こえない叫び声をあげ子供のように喚きながら俺は必死にもがく。
決して幼女が振り回す鋏で傷つくことが怖かったんじゃない。
彼女から俺に流れ込んでくる重苦しく絡み付くような暗い情念を受け続けることに耐えられなかったのだ。
幼女の呪縛から逃れようと目を血走らせ,息を荒げながら彼女と揉み合いになる。
しかし,幼女はこの状況にも関わらず、キャッキャとまるで面白いおもちゃを見つけた赤ん坊のように屈託なく無邪気に笑い続ける。
「えへっ。楽しいね、お兄ちゃん?」
「くそっ!!くそっ!!離せ――」
ふと足元が軽くなる。何だ?
後ろを振り向くと視界一面に切り立った急斜面が映った。
ああ、つまり俺は足を踏み外してこの崖から――

重力に従って俺はそのまま空の底へと落ちていく。奇妙な解放感が俺を包んだ。
やっとこれで幼女から逃げられる。そう、例えそれで命を失うことになったとしてもだ。
そう思うとあれほど混乱していたにも関わらず、不思議と俺の心は安らいでいた。
最後に彼女の方をぼんやりと見る。
崖から転落して落ちていく俺を幼女はじっと見つめていた。
彼女の瞳の中に俺が映っている。その姿は奇妙に歪んでどこか滑稽な姿に見えた。
そして彼女はずっと嬉しそうにニコニコと俺に微笑んでいた。
意識が途切れる寸前、微かに届いた彼女の声。

『えへ。大好きだよ、お兄ちゃん♪』


367 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 20:04:24 ID:IgppDcME
所々支離滅裂なのは夢だからってことで。
ってこんなの書いてる暇があったら早く長編の続き書けって話ですよね……


368 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 20:31:51 ID:TWWqUh5Z
こえーな、おい。
しかしウラヤマシス
俺にも幼女が・・・幼女さえ居れば・・っ・・ ・・・!


369 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 20:33:53 ID:HCc9EOQ7
嫌いじゃない。夢を小説に変える力はむしろ好ましいことだ

370 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 20:47:10 ID:iHzZCRKb
よくそんだけ夢を覚えていられるなw
俺はふたなりに延々と後ろを掘られている夢だけ覚えているぜ……

371 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 21:16:08 ID:b20dAgpu
俺なんかヤンデレと延々とディープキスの夢しかないな

372 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 21:49:10 ID:Y2tXhxP4
最近ヤンデレの夢見てないな
前はちょいちょい見たのに
大昔は、夢に相手が出てくると、相手がこっちのことを考えているから出てくるんだ、と考えられていたらしい
つまり最近ヤンデレが夢に出てこないのは……

373 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 21:59:45 ID:ZAamBSi1
俺の夢に出てくるヤンデレは母親だから困る。

374 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 22:08:33 ID:P7umqAPl
>>373

さあ、その夢を文章にする作業に戻るんだ!

375 名前: ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/27(月) 00:08:47 ID:aOh43Lz2
上の方の件はすみませんでした。以後、軽率な発言はできるだけ慎みたいと思います。

投下します。

376 名前:ワイヤード 第十二話 後 ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/27(月) 00:09:37 ID:aOh43Lz2
「おーす」
「千歳!? 遅いじゃんかよ!」
扉を開けると、即座に駆け寄ってくる、胴着をきた少女。
「すまんすまん。ちょっと面倒があって」
「メールも返さないし……」
「ボックス一杯のメールだともはや逆に返しづらくなるだろ」
「……心配したんだぞ……。罰として今日はいつもよりも稽古を延長するからな」
「マジすか? ……まあお詫びに、懐かしい顔を見せてやるよ。イロリー! そろそろ入っていいぞ!」
「イロリ? ……まさか」
遅れて入ってくるイロリ。胴着の少女と目が合う。
「……いっ……ちゃん……?」
胴着の少女はその名前をしっかりと記憶していた。
対して、イロリはすぐには思い出せなかった。が、その声がなんとなく記憶に残っており、最終的には答えにたどり着く。
「もしかして、りっちゃん?」
「そうだよ! なつかしい、帰ってきたんだね!」
りっちゃんと呼ばれた胴着の少女は、すばやくイロリにかけより、抱きついた。
イロリよりも大きいかもしれないその胸が押し付けられ、若干戸惑う。
「そっか。ちーちゃんが私に会わせたい人って、りっちゃんだったんだ……」
『蒼天院 理科子(そうてんいん リカコ)』。幼稚園の時の友達だった。
少し遠くにすんでいたため校区が違い、学校が同じになったことはないが、千歳とは同じ道場で修業する間柄であり、縁は深い。
そのため、幼稚園時代にいつも千歳にくっついていたイロリも何度も会っていた。
この古武術流派『蒼天院流』の後継ぎであり、蒼天院流の一派『蒼天院炎雷拳』の師範代でもある。
「って、再会の喜びに浸る前に、千歳! 門下生待たせてるんだから、早く『清水拳』教えてよ! ほら胴着!」
指をさした先に、丁寧に折り畳まれた胴着と黒帯が置いてあった。
イロリが視線を移すと、道場の奥に門下生達が座っている。
イロリたちよりも小さな少年少女がおもであり、大人は全くいない。今は思い思い遊んでいる。


377 名前:ワイヤード 第十二話 後 ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/27(月) 00:10:08 ID:aOh43Lz2
「わかったよ、ったく……」
「文句言わない。『清水拳』はあたしの『炎雷拳』よりも人気なんだ。真面目に教えないとぶん殴るからな!」
「物騒な奴」
面倒くさがりながらも千歳は胴着を拾い上げ、奥の部屋に着替えに入った。
「さて、いっちゃん。あたしらは昔話にでも花を咲かせようか。せっかく再会したんだしね」
「うん。ちーちゃんのお稽古も見てみたいしね」
「……」
「どうしたの?」
「いや、いっちゃん、相変わらず千歳のこと好きなんだなって思って」
「……わかる?」
顔を赤くしてもじもじと照れ始めるイロリ。
それを見て、理科子はイロリが記憶の中にある人物と全く相違点がないことを悟った。
そして、くすっと苦笑いを漏らした。


378 名前:ワイヤード 第十二話 後 ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/27(月) 00:10:39 ID:aOh43Lz2
「そっかぁ……。道場とかそういうのはあんまり良く覚えてなかったけど、ちーちゃんはここでずっと修行してたんだっけ」
「幼稚園の頃は、あんまり真面目にやってなかったからな。……いつからかな、千歳が強くなったのは」
「私がいた時は、ちーちゃんはあんまり腕っ節のあるタイプじゃなかったからね……」
道場の隅に座りながら、イロリと理科子は互いの記憶を確かめ合っていた。
大抵はイロリがいなかった間の千歳についての質問になっている。
「確かに、昔はそうだった。たぶん、いっちゃんがどこかにいってしまってからかな。千歳が真面目に修行し始めたのは」
「私が……?」
「正確にはわかんないけど、千歳にとってはひとつの変化のきっかけだったんだと思う。……そして、千歳が今みたいに異常に強くなって、『蒼天院清水拳』の師範代になったのは……たぶん『ナギ』って娘と出会ってから」
「え……」
――ナギ……ちゃん?
ナギとの出会いの話は聞いていた。確かに、あの時ナギを護るために不良少年達を一人で倒したと聞いている。あの時はすでにイロリがいなくなってしばらくしていたから、修行の成果は出ていただろう。
しかし、顔に傷がついていたと言っていた。つまり、今の強さじゃない。もう少し弱かった時期だ。
今は――。イロリは千歳が少年達に稽古をつける姿を見る。
今は、もう別次元の存在。恐らく何人の屈強な男がかかってきても傷ひとつつくことのないであろう、別格の拳士。


379 名前:ワイヤード 第十二話 後 ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/27(月) 00:11:09 ID:aOh43Lz2
少年達の攻撃を受けている千歳だが、全く危なげな様子はない。
この変化は――ナギがもたらしたというのだろうか。
「さて、いっちゃんも道場にきたんだから、稽古体験していきなよ」
ぱんぱんと腰についたほこりを払い、理科子がたちあがった。
「え……?」
「最近門下生が少なくてさ。ちょっとした、デモンストレーション。いっちゃんも、蒼天院流の強さを見たら、入門したくなるよ」
「もしかして、ちーちゃんと戦うところを見せてくれるの……?」
「うん。そのつもり。あたしと互角に戦える人はあんまりいないからね、千歳が来た時は、門下生に清水拳を教えるのとあたしと組み手するのがメインイベントになってるんだ」
「……その勝負、ちょっとまって」
「へ……?」


380 名前:ワイヤード 第十二話 後 ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/27(月) 00:11:40 ID:aOh43Lz2
「あのなぁ、イロリ」
「ん、どうしたのちーちゃん?」
「無茶だと思うぞ、いきなり理科子と組み手なんて」
イロリは胴着を着てふんふんと息を荒く、士気をあげていた。
「無茶でもいいよ。……私、ちーちゃんに追いつくために、蒼天院流を知らないといけないと思ったから」
「だから戦ってみるのが一番早いってか?」
「うん!」
「……ったく。怪我すんな」
そう言って、千歳はイロリを送り出し、好奇の目で見物している門下生達の隣に座った。
「ねぇ、ちとせおにーちゃん!」
門下生の中でも特に千歳に懐いている少女『ここあ』が千歳に目を輝かせながら話かけてきた。
「ん、なんだ?」
「あのイロリっていう綺麗なおねーちゃん、ちとせおにーちゃんの彼女さん?」
「ばっ……! ちげーよ。アイツは俺と理科子の昔の親友だ。最近この街に帰ってきたんだ」
「ふーん。そうなんだー。でも、イロリおねーちゃん、ちとせおにーちゃんのこと好きみたいだよー」
ここあはニコニコと無邪気な顔をしながらも、真実を敏感に感じ取っていた。
「リカコおねーちゃんのライバルだねー」
「ライバルって、理科子は別に俺が好きなわけじゃねーだろ。ここあ、お前少女漫画読みすぎじゃねーの?」
「えー、本当だってばー。乙女の勘ってやつだよー」
ここあはぶーぶーと口をとんがらせて文句をぶつくさとぶつけた。
「馬鹿言ってないで、組み手の見物でもしてろ。ほら、始まるぞ」
イロリと理科子が互いにお辞儀をして、構えた。
理科子は『蒼天院流炎雷拳』の構え。拳を片方前に突き出し、もう片方を後ろに深くためる。攻撃型の構え。
対して、イロリは適当な構え。格闘技に関しては素人であろうことは傍から見ても分かった。

381 名前:ワイヤード 第十二話 後 ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/27(月) 00:12:10 ID:aOh43Lz2
「うわー、イロリおねえちゃん本当に素人だねー。あれじゃリカコおねえちゃんには三秒持たないよ」
ここあは素直な感想を口にする。
その推論は恐らく正しい。イロリが技術に見合った強さの人間ならば、だ。
しかし、イロリは違う。
「ここあ、本当にお前はそう思うか?」
「え……うん。確実だと思うけど」
「じゃあ、お前の未熟を悔やむんだな」
「え……?」
ここあが見ると、イロリの姿が消えていた。
「嘘、縮地法……? なんで……?」
「ここあ、よく見てろ。世の中精神だけで『上』に上り詰める人間がいるってことをな」
――長く生きてれば生きてるほど、そういう『絶対に勝てない奴』の存在に気付く。人生はそういうもんだ。
「縮地法か……。あたしと戦うとか言った時はあいかわらず無茶ばっかりすると思ったけど、存外ただの無謀でもないみたいだね!」
理科子は嬉しそうにいいながら、消失したはずのイロリを『目で追っていた』。
「でも――見えてる!」
「!?」
『何も無い空間』を理科子が蹴り飛ばした。すると、イロリが突如出現してその蹴りにあたり、吹っ飛んだ。
「いったぁ~。りっちゃん、手加減ないなぁ……」
イロリは吹っ飛んだ状態から受け身を取り、一瞬で体勢を立て直す。
「でも、今のはほんの小手調べ! 次は当てるから!」
イロリはまったくダメージがないとでも言うように再び構えた。
「へぇ、あたしの蹴りを受けてそんなにピンピンしてるんだ」
「うん。大体予測できてたから」
「なるほど。こりゃ、本気で行かないといけないかもね」


382 名前:ワイヤード 第十二話 後 ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/27(月) 00:12:40 ID:aOh43Lz2
理科子が先に動いた。縮地法による一瞬の移動からの拳打。
それを寸前で受け止めるイロリ。そこに理科子の膝蹴りが叩き込まれる。
「(――死角!?)」
すんでのところで身体を後ろに逸らして寸前で頭への直撃を避ける。
「やるね!」
理科子はそのまま振り上げた脚を振り下ろした。
「っ!」
――予測しやすい攻撃!
完全に見切っていたイロリは、その場で両足を振り上げて、理科子の脚を絡み取り、そのまま回転して理科子を浮かせた。
「らいだーきっく!」
イロリはさらに両手を床につけ、逆さに立ったまま浮いた理科子の脚をさらい、体勢を崩してそのままカポエラのようにからだを回転させながらガードの開いた胴体を蹴り飛ばした。
「うぐっ!」
予想外に強力なその蹴りに、理科子が数メートル吹っ飛び、受け身も取れずに床に叩きつけられた。
イロリはさらにジャンプして理科子に追いすがり、追撃を試みる。
「はーとふる……」
「(……まずい!)」
「ぱーんち!!」
ごっ! 鈍い音とともに、道場全体が揺れた。決して立て付けの悪い建物ではない。
イロリのパンチの威力が並外れていた。
「……くっ」
「(……受け止めた!?)」
理科子はギリギリのところでイロリの拳を掴み、直撃を避けていた。
しかし衝撃はしっかりと伝わっており、下側で受け止めた理科子の背中は道場の床にめり込んでいる。


383 名前:ワイヤード 第十二話 後 ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/27(月) 00:13:11 ID:aOh43Lz2
「まだっ!」
理科子はイロリの腕を掴んで固定したまま、両足でイロリの腹を蹴った。
イロリは後ずさりし、理科子はその隙に立ち上がる。再び、構えたままのにらみ合いとなった。
「……すごい」
ここあは目の前の光景が全く信じられなかった。
いくら修業して、技術をつけても指一本触れられない理科子に、ぽっとでの素人がダメージを与え、なおかつ互角。
「これが、イロリの力ってやつだな」
「もしかして、リカコおねぇちゃん負けちゃうの……?」
「いや、それもないだろ。まあ所詮精神だけじゃどうにもならん壁もある。理科子はそういうやつだ。そろそろ本気だすだろ」
その千歳の言葉通りに、理科子の構えが『変わった』。
「(なに、これ……りっちゃん、さっきとは全然違う)」
見た目上は、さっきと全く同じ、攻撃型の構え。しかし、その本質は全く違う。
その圧倒的な『武力』が、イロリにもはっきり感じられた。これこそが、本物の『蒼天院流』。
さっきまでのは、所詮は素人と戦う程度の型しか使っていなかったということだ。
殆ど相手と同じ状況で戦っていた。
しかし、これからは違う。
オーラとも呼ぶべき、圧倒的な『闘気』が理科子を包んでいた。
「――っ!?」
イロリがその威圧感に気を取られている隙に、理科子は全く見えない速度で間合いまで踏み込んで来ていた。
「すごい! リカコおねえちゃんの縮地法が速く……!」
「いや、ありゃ縮地法じゃねえぞ、ここあ」
「え……?」
「ただ、一歩歩いただけだ」


384 名前:ワイヤード 第十二話 後 ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/27(月) 00:13:41 ID:aOh43Lz2
理科子の猛攻は続いていた。
さっきまでとは違う、圧倒的なスピードとパワー。
『炎のように激しく、雷のように鋭く』。そんなコンセプトの『炎雷拳』の真髄。
ガトリング砲のような猛烈な打撃の嵐。
イロリは完全に防戦に回っていた。
「くっ……!」
「結構身持ちが硬いね、いっちゃん! しかし……!」
理科子の闘気が膨れ上がる。
「蒼天院流『虎王牙煉牙拳(こおうがれんがけん)』!」
牙のようにくらいつき、ガードを無理矢理こじ開ける。
イロリが無防備になった。
「とどめっ! 蒼天院炎雷拳奥義! 天翔……!!」
「やべぇ!」
千歳がすかさず走り出した。
「神雷……!」
「(……死!?)」
理科子の拳が迫る。イロリはスローモーションのようにそれを見ていた。
見ている事しかできなかった。その拳のあまりのスピードとパワーに、身体はついていかない。
ただ、反応することで限界だった。
その拳から発せられている闘気は、今まで感じていた理科子の身体の中の力全てを凝縮したものだろう。
これがクリーンヒットすれば、人体など次の瞬間には肉片だ。
悲しいことに,引き伸ばされた時間のなかでイロリはそこまでわかってしまった。
「(ちーちゃん、私、まけちゃった……。ごめん……)」
そして、目を閉じた――
「イロリ!」
道場が再び揺れた。


385 名前:ワイヤード 第十二話 後 ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/27(月) 00:14:12 ID:aOh43Lz2
その大きすぎる衝撃に、その場にいた誰もがたじろぐ。
「……千歳、どうして」
「理科子、お前なぁ……」
理科子の拳を、寸前で割り込んだ千歳が受け止めていた。手のひらから血が流れている。
ナイフの時とは違う。無傷で済むような攻撃じゃなかった。
「また勝負に熱くなっちまっただろ。イロリを殺すとこだったぞ……」
「え……そんな。そうだったのか……イロリ、ごめん」
理科子は悲しげに下を向く。
「いや、それはいいけど」
――実際死ななかったし。
「それより、ちーちゃん!」
「ん、なん……っておい!」
イロリがいきなり千歳に抱きついた。
「愛する私を助けるために……! ちーちゃんは宇宙一カッコイイよ!」
「馬鹿、大げさだ! ってか、離れろ!」
無理矢理引き剥がし、一息つく。
「とにかく、だ。理科子、お前が誰に対しても本気出す癖はよーく分かった。だからな、俺が相手してやるよ」
「千歳……」
「言っておくが、イロリを殺そうとした『オシオキ』だからな、本気でやらせてもらう」
「そんな~」
千歳の強さをよく知っている理科子は、本気でいやそうに文句を言った。
千歳は聞く耳を持たない。
「とにかく、イロリ」
「なに? ちーちゃん」
「よく見てろ。俺の闘いを。たぶん、お前なら分かるはずだ」
「ちーちゃん……?」
「未来を掴みたいんだろ。なら、こんなとこで理科子に負けてるんじゃ話にならないからな」
「……うん!」


386 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/27(月) 00:14:17 ID:a/tZDQ12
ヤンデレを外国語に訳すとどうなる?
英語ならstrange loveとか 中国語は病愛とかになるのかな


ともあれ、映画などで危険な行動の比喩をアメリカ風に「美女が素っ裸でハーレムを歩くようなもんだぜ」から
「ヤンデレに別れ話を持ち出すようなもんだぜ」とか
女ならば「ヤンデレの家に行くようなものだ」に変わる日はきっと・・・

387 名前:ワイヤード 第十二話 後 ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2008/10/27(月) 00:16:33 ID:aOh43Lz2
終了です。次の話でキャラクター紹介編から、VSメア編に入ると思います。
ttp://up2.viploader.net/pic3/src/vl2_065752.jpg
落書きは、委員長こと、ミク。
十三話には、おまけで全キャラ分の絵と紹介文をつけますので、お楽しみに。

388 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/27(月) 00:24:56 ID:JbWv/lnF
GJ!
投下ペースが速くて羨ましい……

389 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/27(月) 00:28:28 ID:YtMJYN4r
GJ!!
イロリは、何でも出来る子、だって愛が有るから

390 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/27(月) 00:46:22 ID:x0MVHeI5
>>386
何故strange?どっちかというとcrazyかsick?辺りじゃないか
まあ、外国人からしたら気持ち悪いだけかも知れんな


391 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/27(月) 01:17:19 ID:pnt8QW5m
>>387


だがなんだかヤンデレではなく少年誌のバトルものを読んでる気分になるw

392 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/10/27(月) 01:25:46 ID:nd2uiLLj
GJ!!
一度見た技を使えるなんて・・・イロリ、恐ろしい娘!だがそこがいい!!

393 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/10/27(月) 02:55:22 ID:Q/RqTLrT
覚悟と聞いてから…

千歳「その言葉、『宣戦布告』と判断する!!当方に『迎撃』の用意あり!!」

千歳「 瞬 着 !!」

―――カッ

千歳「『覚悟』完了!!」

これが頭の中にウジのようにわいてくる…ゴメンなさい

394 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/27(月) 03:19:21 ID:PuDfUyTF
なんだか知らぬがとにかくよし!

395 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/27(月) 03:40:11 ID:oHqn/OfJ
ヤンデレ家族こねえな

396 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/27(月) 04:40:19 ID:x0MVHeI5
>>395
全裸で待機だ、諸君


397 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/27(月) 05:24:50 ID:vRmCCg2h
ここでレベル上げしないと死ぬ可能性が

398 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/27(月) 05:28:05 ID:vRmCCg2h
すまない誤爆だ

399 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/27(月) 06:05:47 ID:bRwJFnhf
>>395確かに見ないが待機だ。
ワイヤードの方はGJ。まぁ少年誌っぽいなww

400 名前:天使のような悪魔たち 第5話 ◆UDPETPayJA [sage] 投稿日:2008/10/27(月) 13:19:11 ID:m4u6lA7+
投下します。ひと段落って感じです。

最終更新:2009年03月14日 07:17