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24 :プリプリプリンセス 一話 [sage] :2009/04/02(木) 02:58:53 ID:uJ2Lhw3o

「ごめんね、結婚を前提に付き合ってる人が居るの」
彼女、藤代ひたちはそうのたまわって黒いプリーツを翻し立ち去って行ってしまった。
ガッテム。
分かってる、席が隣だったからって…中学最後の夏休み前だからって…人生甘くない。
因みに俺の中学は私立である程度余裕で持ち上がりに高校に進学する。
その為に夏休みにヒィコラして受験(その代わり小学校には死ぬほどしたがな)は関係無く、みんな楽しく遊べる訳であって。
地元の夏祭りに誘いたいとか…まぁ告白ラッシュが重なるのだ。
それに乗っかって俺は藤代ひたちに告白した一人という訳だ。
惨敗だけど。



25 :プリプリプリンセス 一話 [sage] :2009/04/02(木) 03:00:03 ID:uJ2Lhw3o
中学生で結婚を前提になんておかしいコメントは確実に俺を拒否している理由だけに過ぎないだろう…凹むぜ。
ほんのちょっとの勇気程度で世界が変わるのは主に少年漫画の作り話くらいだっていうことも知ってる、だがあの断り方はどうなんだか。
中三であれは無いだろう、あれは。
「…ああ」
夕暮れの教室はベタか、ベタベタ過ぎて失敗したのか。
いや分かってる、あの藤代ひたちは学校が終わればすぐに帰るのは有名だったし。
それでもってそんな藤代を呼び止めて機嫌を損ねた上で告白なんてしたって、なぁ…はははは。
「何を先刻からブツブツと仰有っているのですか?」
「おわっ!?」
俺、口に出ていた?
「…安心して下さい、貴方が失恋する話なんて誰かに申しましても盛り上がりませんので言い触らしたりなんかしませんよ」



26 :プリプリプリンセス 一話 [sage] :2009/04/02(木) 03:00:49 ID:uJ2Lhw3o
突然だがこの組には二人の姫が居る。
一人は先程の藤代ひたちだが、もう一人は藤代同様にお姫様のような容姿…からでは全く無く名前からとられたものだ。
天王台姫子。
大層な名前の割に暗いわ何故か敬語だわ、毒舌だわで有名で男子陣には全く人気が無い。
そして真面目な性格や県内有数の進学校(何せ私立中学だ)でトップクラスの成績を誇ることから先生からの覚えもめでたい。
必然的に委員長になってしまうわけである。
今更無いだろと突っ込みだいような分厚い瓶底眼鏡と平行に切りそろえられた髪(つまりはおかっぱだ)は妙な違和感を残して、到底容姿なんぞを誉められないようなナリをしている。



27 :プリプリプリンセス 一話 [sage] :2009/04/02(木) 03:01:28 ID:uJ2Lhw3o
要は可愛い姫と可愛くない姫、みたいな比べ方で男子の中では二人が主に委員長…天王台へのからかいを込められてセットで呼ばれている訳だ。
「それに、告白なんてする前に夏休みはそのガタガタな成績を改善させた方が宜しいのでは?」
「うるせーな」
成績は、委員長がオール八割強だとすると俺は理系九割強、文系三割という分かりやすい(そして厄介な)点の取り方をしているのだ。
悪目立ちすることは当然で、担任が日本史なもんだから更に反感を買う原因になる。
努力してない訳じゃない、けど興味が無いものを覚えてくれる頭なんかも持って無いわけで。



28 :プリプリプリンセス [sage] :2009/04/02(木) 03:02:37 ID:uJ2Lhw3o
「更にそういう口の利き方をなさっているから、余計先生に目を付けられてしまうんです」
「…俺の頭ん中、読んでんのかよ?」
流石に成績の下りは口に出てなかった筈だ。
「…貴方の考えることは、理解しようと努力してますから…」
「へ?」
間抜けな声が出てしまった。
「それ、どういう意味?」
続きを待って委員長をジッと見つめると彼女は直ぐに踵を返して捨て台詞を吐いた。
「ッ! 貴方なんかに、彼女が出来る訳が無いです…っ」



29 :プリプリプリンセス 一話 [sage] :2009/04/02(木) 03:04:14 ID:uJ2Lhw3o
何だと!?
相変わらず人のメンタルにクる言葉を言うだなんて性格も可愛くない。
これでもフラれた直後だってのに…!
俺が失敗した後で気づくくらい他人に鈍感なのは自分でも分かってるさ。
けど何も真っ赤になって怒ることは無いだろう。
そもそも委員長には関係の無いことだし。
それよりも。
「…はあ、明日どうやって藤代と顔を合わせたら良いんだ!」
席が隣なんだ。
気まずいことこの上ない。
俺は委員長が何故教室に戻って来たのかも、何故あんなに怒ってしまったのかも分からずにトボトボと家路についたのである。
ちくしょう!
明日なんて来なければ良いのに!



つづく