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33 :Chains of pain [sage] :2009/04/02(木) 04:35:11 ID:K95U9KCO
こういう試みは初めてです。
汚い文ですがよろしくお願いします。


いつも通りの朝……何にも変わらない目覚め。
枕元で騒いでる目覚まし時計を黙らせてあくびをすると、窓の外の風景が目に入る。
今日は雨か……なんかだるいな……
ベッドからでると、慣れた手つきでネクタイを締め、ブレザーを着ると部屋を後にした。
「お兄ちゃーーん! 朝できたよー!」
妹の声だ……朝から良くそんな声が出せると思う。
階段をふらふらしながら降りていくと、一階のリビングで妹が声を掛けた。
「あ、お兄ちゃん、朝ごはん出来たよ。トーストは何枚焼く?」
「……ん? え~っと、一枚でいいや……」
「了解ぃ! ちょっと待っててね」
なんて朝からテンションが高いのだろう、出来るのならそのテンションを少し分けてもらいたい。
ふと妹に目をやると、妹はトースターとにらめっこをしていた。
そして……
「ん? 何、お兄ちゃん。この可愛い妹にいやらしい目を向けて……」
自分でそれを言うか。
確かに妹は兄である僕から観ても可愛いと思う。
顔はどこをとっても申し分ないくらいに整っているし、身長は少し低いぐらいだが
それに丁度いい感じに体のバランスが取れている。
大きすぎず小さすぎず……けれども身長を考えてやや小さめなところがいい。
綺麗な黒髪はツインでまとめていて、妹の明るさを際立たせている。
「……いや、別に……なぁ優花、何かいい事でもあったの?」
それを聴いてうれしそうに笑う優花。
「それがさ、今日お父さんとお母さんからエアメールが届いたんだ!」
テーブルの上を指差しながらうれしそうに言った。
つられる様に目をやると確かに開封済みのエアメールが一通。
「二人から? 珍しいね……」
封筒の上にあった折りたたまれた手紙を広げる。



34 :Chains of pain [sage] :2009/04/02(木) 04:35:42 ID:K95U9KCO
春斗と優花へ

あまり電話や手紙を送れなくてごめんね。
二人で仲良くやっていますか? もっとも仲が良いのはわかってるから
正直、心配はしてません。冷たいかな? ごめんね。

今、お父さんとお母さんはロサンゼルスにいます。
今度夏休みには帰ってこれると言っていたのですが、
大きな仕事が来てしまって帰れそうにありません。
本当にごめんね、こんな私たちを許してください。
けれども、冬休みには必ず帰るようにします。
冬休みには泊り込みでスキーでもしに行きましょう。
それでは、冬休みに。

両親より

「……そっか、やっぱり駄目になっちゃったか……」
あれ? すると優花はなんで喜んでるんだ?
「そうなんだよね、でも冬休みにスキー行くって!」
「それでうれしそうなのか?」
「うん!」
なんと無邪気なのだろう。
ただそれだけでこんなに喜ぶのは今の中学生では珍しすぎるだろう。
「…………それに……おにいちゃんと二人きりで一緒にいられるし……」
「……へ? 今何か言った?」
確かに今、何かを言われた気がする。
「え? ううん、何も言ってないよ……お兄ちゃんの聞き間違いじゃない?」
聞き間違い? 本人が言うのだからそうなのだろう。
「そっか……って、あ……もうこんな時間……」
妹の焼いたパンとトーストを急いで食べると、鞄を持って立ち上がる。
丁度その時だった、部屋中をドアホンが鳴り響いた。
「もしかして七海さんじゃない?」
「相変わらず時間ぴったり……それじゃあ、いってきまーす」
「……って、お兄ちゃん! ケータイ忘れてる!」
ケータイ? そういえばいれてなかったっけ?
「うん、ありがと。いってきます」
優花からケータイを受け取ると、急いで玄関まで行き、靴を履いて傘を持ち、外に飛び出した。



35 :Chains of pain [sage] :2009/04/02(木) 04:36:48 ID:K95U9KCO
「おはよう、春斗君……」
「七海……おはよう」
外には、幼馴染の夢七海が待っていた。
「それじゃあ学校行こうか……」
そう言って二人で歩き始める。これも何ら変わらない日常の一コマだ。
僕と七海は気がついたら一緒にいた。
それは別に深い意味があるわけじゃなくて……ただ小さい頃から一緒にいた。
恐らく僕と七海の両親が友達で、海外に住んでいた七海の両親が日本に移住したんだと思う。
その証拠に七海の髪は綺麗な金色である。
両親がアメリカに住んでたとは言え、父親がハーフなため、実際にはクオーターと言う事になる。
そのため髪の色は金色だが、顔立ちや背丈は完全に日本人のもので、そのアンバランスさも
上手い具合にバランスが取れている。
……と、まあ七海について語ってみるのだが、そんな彼女は友達とか恋人というより
家族という方がとてもしっくり来る。別に恋愛対象として見たことは一度もなかったし、
そこは恐らく七海も同じだろう。
「……ん? どうしたの春斗君……」
「いや……相変わらずいつになっても春斗君って言うなと思ってね……」
「えっと……なんだかもうそれで定着しちゃって……嫌、かな……」
「ううん、別に気にしてないよ」
「そっか、ありがと」
登校時間約三十分、退屈することはなさそうだ。

家の中ではテーブルを叩く音が響いた。
「あの女……なんでいつもいつもいつもいつもいつもお兄ちゃんと登校しているの!?」
優花は手に持っていたグラスのコップを壁に向かって投げつける。
グラスは見事に粉々に割れ、破片が床に飛び散った。
「いつも十五分も余裕を持って来るなんて信じられない! 十五分もあったらお兄ちゃんと
たくさん会話が出来るのに!」
トーストを握りつぶし、テーブルの上に叩きつけた。
優花はカーテンを少し開くと、二人が歩いている姿を確認した。
「…………きっとあいつ、あたしからお兄ちゃんを奪い取ろうとしているんだ……」
その場にしゃがみこんでうつむきながらも右手を握り締めた。
「お兄ちゃんのメール……ほとんどあいつからだったし……絶対そうだよ……」
優花はその綺麗な手を緩めると、無言でガラスの片付けに取り掛かった。


終わりです。
一応続きます。退屈しのぎになってくれたら幸いです。