208 :刹那の想い 後編 ◆PLalu2rSa. [sage] :2009/04/14(火) 00:18:11 ID:diqIsyRp
「うぐっ・・・ごめん。ごめんなさい・・・」
口からはただ謝罪の言葉が漏れるだけ。
取り返しのつかないことをしてしまった。
酷い事をしてしまった。
疎遠になっていた幼馴染を気遣って、関係を修復しようとやってきてくれた祐二に。
「私に・・・祐二を好きになる資格なんてないのに。祐二の幸せを奪う権利なんて無いのに!」
いくら、祐二の彼女になれなかったからって、想いを遂げられなかったからって・・・こんな事をしていい理由になる訳が無い。
さめざめと泣き続ける私の頬に祐二の手が近づく。
「ひっ・・・!」
ぶたれる・・・!
そう思った私は思わず短い悲鳴をあげて、仰け反ってしまう。
「あ、すまん・・・」
けど、祐二の表情は憤怒でも軽蔑でも無く・・・悲哀の表情だった。
一度、私の頬に伸ばした手を戻して、今度はゆっくりと私に近寄ってくる。
そして、私の身体に腕を伸ばす。
ぴくり、と震える身体。
祐二はゆっくり、ゆっくりと私の体をその腕の中に納めていく。
「あっ・・・」
私の体は祐二にすっかり抱きしめられていた。
どうして?という疑問だけが私の頭の中を駆け巡る。
少なくとも、私は祐二に殴られても仕方無い事をしたのだ、それなのに、抱きしめられている意味がわからない。
「ゆう・・・じ?」
「刹那。俺、お前に謝らなくちゃいけない事が沢山あるわ」
ぎゅう、っと。
祐二は私の身体を強く抱きしめる。
それと同時に私の頭の中はより混乱していく。
謝る?
いったい祐二は何を言っているのだろう・・・私に謝られることはあっても、謝ることなど何も無いはずだ。
「えー、まず第一にお前がここまで追い詰められてるのに全然気づけなかった事だ。こんな事ならもっと早くお前に晩飯の世話を泣きつくんだったって、後悔してる!そしたらもっと早く気がつけたのにな」
これだけの事をしても祐二はまだ私の事を気にかけてくれるのだろうか?



209 :刹那の想い 後編 ◆PLalu2rSa. [sage] :2009/04/14(火) 00:20:50 ID:diqIsyRp
確かに私は失恋して、こんなになるまで追い詰められたけど、それはあくまで私の身勝手な祐二への想いと、ましてやそれを当人に伝えられないヘタレさが原因だ。
祐二が気に病む事じゃ無い。
「それから第二にお前が俺の事、その、好きだって知らなかった!全然気がつかなかった!鈍感で済まん!・・・そのうえお前の前で亜衣の事で惚気たりして・・・ホント・・・すまなかった!」
なんか・・・祐二、テンション変じゃない?
なんか無理に叫んでるような気が・・・。
まぁ、あんな事した私が言う事じゃないけど。
「第三!俺、お前に言って無いことがありました!・・・実は亜衣と別れました!」
「はぁっ!!?」
あれ、え?ちょっとまって。
今、こいつは何と言いやがりましたか?
は?別れた?・・・え、誰と?姫宮さんと!?
「ちょ、ちょっと待って。姫宮さんと別れたぁ!?ど、どういうことなの!?」
「いや、ははは。うーん。・・・その、あいつと過ごしてるうちに自分が本当は誰が好きなのか気がついちまったんだよ。・・・俺が本当に好きなのは、亜衣じゃなくて、刹那だって」
・・・え?
自分の思考がすべて静止した。
祐二が言った事の意味が理解出来ない。
・・・わ、私が好き?
「離れてみて初めてわかったんだ。一緒にいて一番楽しいのは誰か。これから先、ずっと一緒にいて欲しいのは誰なのか。」
祐二が私を好き、祐二が私を好き、祐二が・・・
頭の中でその言葉だけがリフレインする。
私は祐二が大好きで・・・でも素直に言い出せなくて・・・そのうち祐二を彼にぴったりの女に盗られて・・・その事でヘタレな私は祐二を諦めようとして・・・でも諦められなくて・・・暴走した私は祐二を縛りつけて犯して・・・。
でも、今、私は祐二に嫌われるどころか、愛の告白を受けている。
何なの?これ・・・。
「・・・ばか」
「えっ?」
「ばか祐二ィッ!!どうして、そんな、いまさら私の事好きとか!!・・・うぐぅ・・・ばかぁ・・・」
涙が止まらない。
祐二の胸の中で嗚咽を吐く。



210 :刹那の想い 後編 ◆PLalu2rSa. [sage] :2009/04/14(火) 00:22:31 ID:diqIsyRp
「そういう事は、本当に早く言いなさいよ・・・馬鹿祐二」
「すまん」
私は祐二の身体を強く抱きしめ返す。
もう二度と離さない、というくらい強く。
確かに私は、祐二の彼女になるには相応しくないかもしれない。
でも、そんな私を祐二は選んでくれた。
「もう離さないんだから。もう絶対に他の女に渡して諦めたりしないんだから。・・・でも、こんな事してごめんなさい」
冷静に考えれば、いくら祐二も私の事が好きだった、って言ったって私のやった事は普通に犯罪だ。
もしもあのまま、初めての痛みに我慢して、ずーっと祐二を監禁し続けていればどうなっただろうか?
せっかく姫宮さんじゃなく私を、祐二は選ぼうとしてくれていたのに。
それを自分で潰していたかもしれないと思うとぞっとする。
監禁され続けて、いずれは私を嫌いになったかもしれないのだ。
「俺も刹那の異変に全然気づいてなかったんだから、お互いさまだって。・・・あ、初めては痛いもんだぞ?」
「し、知ってるわよっ!それでも痛いものは痛いの!」
でもその痛さのお陰で、いまはこうやって祐二と抱き合っていられるわけだから、それはそれで良かったのかも知れない。
・・・あ、でもこれから祐二とその・・・付き合っていくに当たって、その・・・また、するんだろうし。
そしたらまた、あの痛みを私は味あわなければいけないのだろうか?
正直、勘弁してほしいが、祐二としたくない訳じゃなし。
「で、でも祐二が・・・その、またしたい・・・って言うなら。してあげない事も・・・」
「いや、正直逆レイプはもう勘弁願いたいです、刹那さん」
「なっ!なぁっ・・・なぁぁーっ!!?」
顔を真っ赤にして祐二を見上げる私、そこに祐二の顔が間近にある。
せっかくのいい雰囲気を壊す祐二に文句の一つも言ってやろうと思ったけど、私はこいつの顔を今更ながらマジマジと至近距離で見て、思わず顔を背けてしまう。
唯でさえ赤くなっている私の顔が、よけいに熱を帯びる。
「お前、散々あれだけやって、いまさら恥ずかしいか?」
「う、うるさいわねっ!は、恥ずかしいものは仕方無いじゃない!」
はぁ、とため息を一息ついた祐二は、私を抱きしめていた腕を解く。
祐二からの拘束が解かれ、自然と私も祐二を抱きしめていた腕を解く。
それだけの事で、ちょっと、残念だと思ってしまう。



211 :刹那の想い 後編 ◆PLalu2rSa. [sage] :2009/04/14(火) 00:25:50 ID:diqIsyRp
もっと、抱き合っていたいな。
「刹那、キスしていいか?」
「なぁっ!?」
祐二の提案に驚く私。
いや、まぁ・・・あんたが寝てる間に何度となく唇を奪ってきましたけれども。
でも、そんな、あんたが自主的に私とキスしたいとか・・・そんな、恥ずかしいじゃない。
・・・逆レイプしといて何言ってんだ私。
「嫌だって言ってもやるけどな、さっきのお返しって事で」
「ちょ、まっ・・・!」
私が抵抗するまでも無く、祐二は私の唇を奪った。
夢にまで見た、祐二とのキス。
私が一方的に彼の唇を、寝てる間に奪うんじゃなくて、彼の方から私に口付けする。
夢見心地でしばらく祐二に唇を奪われていたが、やがて、彼の方から唇を離した。
「・・・いきなりディープですか、刹那さん」
祐二の突っ込みも上の空で、私は祐二の唇が私から離れていくのをただ呆けたように見守った。
互いの唇の間に出来た唾液の橋を見つめる。
「あれ、刹那?おーい、刹那さーん?聞いてる?」
「もう一回・・・」
「は?」
光悦とした表情を浮かべたままの私は、祐二の返事も無視して、再び祐二に抱きつく。
いきなり私に抱きつかれて慌てる祐二。
私は、そんな祐二の唇を無理やり奪う。
「んぐっ・・・!」
私はそのまま、祐二の唇を凌辱し、舌を差し込む。
祐二が逃げられないように、両腕できつく祐二を抱きしめる。
・・・私のスイッチを入れちゃったあんたが悪いんだから。
想いが通じ合った恋人同士のキスが、こんなに気持ちいいものだと思わなかった。
結局私達は、そのまま夜が明けるまで口付けを続けていた。
・・・祐二は途中から半分寝てたけど、私は自分自身に歯止めが利かなくなっていって、結局朝日を拝む羽目になってしまった。
「もう絶対離さない、もう絶対諦めないから。ずっと傍にいるからね、祐二」
いまや完全に熟睡している祐二の耳元で、私はそう囁いた。


「起きろっ!こら、馬鹿祐二ッ!!」



212 :刹那の想い 後編 ◆PLalu2rSa. [sage] :2009/04/14(火) 00:27:44 ID:diqIsyRp
「ん・・・」
私は祐二を覆っている掛け布団を勢いよく剥ぎ取ると、眠っている祐二のお腹に一撃を加える。
手に持ったカバンを直撃させたので、祐二は途端にお腹を抱えて丸くなる。
そして、その体勢のまま悶える。
「うぐぉぉぉ・・・おま、なんてことを・・・」
「あれ?幼馴染で恋人の私がせっかく、久しぶりに起こしに来てあげたのに祐二は嬉しくないの?」
しばらく声も無く、悶えていた祐二が私をジト眼で睨むもんだから、言ってやる。
・・・まぁ、流石にやりすぎたかな?
ちょっと反省。ちょっとだけね。
「うぐぐ・・・お前の起こし方が凶暴なのを忘れてた、完全に失念してた。」
「忘れてたの?通りで。あんたがいきなり、久々に起こしに来てくれー、なんて言うから変だと思ったのよ」
あの、祐二と結ばれた夜から、私たちは元の関係を取り戻しつつあった。
お昼のお弁当を毎日作ってあげる、放課後に一緒に帰宅する、勉強を一緒にする、毎朝迎えに来てあげる・・・祐二が姫宮さんと付き合い始めてから、失ってしまった日常を取り戻す。
こうやって祐二を叩き起すのも、私がいつも日課にしていた、失ってしまった日常の一つだ。
「あ、じゃあ明日からは恋人っぽく、あ、朝フェラで起こして・・・あげようか?」
「朝から何エロい事言ってんだ。普通に起こしてくれ刹那。ていうか顔が真っ赤だぞ?自分で言ってて恥ずかしかった?」
う、五月蝿いっ!
私は祐二の顔を無言で殴った。
「と、とにかく早く起きなさいよっ、学校行くわよ!」
「・・・・」
返事が無い。
どうやら先ほどの一撃で気絶してしまったようだ。
・・・朝フェラを試してみようかな。


「腹イテェ。前より強烈になってたぞ、刹那」
「う、うるさいわねっ!」
祐二と一緒に学校へ登校する。
ただそれだけの事ながら、私にとってはとても大切な時間で、かけがえの無い時間。
祐二が姫宮さんと別れて、私を選んでくれたから、取り戻す事が出来た時間。



213 :刹那の想い 後編 ◆PLalu2rSa. [sage] :2009/04/14(火) 00:29:58 ID:diqIsyRp
「叩き起したのは、正直悪かったわよ。私も久しぶりで、その、嬉しかったから、つい・・・。なんならこれからずっと朝フェラで起こし・・・」
むぐ。
祐二が私の口を慌てて押える。
そして、周りを見回している。
「頼むから往来でそういう事を堂々というのはやめてくれ」
ふぐふぐ。
祐二に口を押さえられているので反論が出来ない。
確かに登校中のこの道には、同じ学校の生徒や通勤中のサラリーマンや近所の主婦などいろんな人が通るし、現にいまもたくさんの人が私たちの周囲にいる。
私には目の前の祐二しか見えてないけどね。
私は祐二をギョロリと睨む。
「はぁ・・・。常識を弁えた俺の幼馴染の刹那はどこに行っちまったんだ・・・」
祐二が私の手を離す。
常識など知った事か。
そんなものの為に祐二を諦めそうになった昔の私は死にました。残念。
「幼馴染で、祐二の恋人ならここにいるじゃない。それで十分でしょ?で、結局どうやって起こして欲しいのよ?」
「いや、普通に起こして欲しいんだけど」
それじゃ、つまんないじゃない。
そう言おうとして、私は思わず言葉を飲み込んでしまう。
目の前に、突然その人物が現れたから。
その人は祐二の元恋人で、私も何度かあって話したことがある人。
「姫宮・・・さん」
すらっとした長身に、腰まで伸びる長い黒髪。
女の私から見ても清楚で恵まれてると思う美人。
整った顔立ちで、一見すればどこかのお嬢様のようにも見える。
・・・本当に、こんな美人さんがよく祐二を彼氏に選んだものだ。
その超絶お嬢様美人の姫宮さんが、いま私たちの目の前に立ちつくしている。
「あー、亜衣。・・・その、久しぶり」
祐二が片腕をあげて、なんだか間抜けな挨拶をする。
対する姫宮さんは祐二の言葉に返事を返さず、ただ黙ってこちらを睨みつけている。
・・・うわぁ。怒ってる、怒ってるよ。
私の知っている姫宮さんは終始笑顔の、女神様みたいな女の人だったから、いまの彼女の表情はものすごく怖い。
すごく鋭い視線で私の事を睨みつけている。



214 :刹那の想い 後編 ◆PLalu2rSa. [sage] :2009/04/14(火) 00:31:55 ID:diqIsyRp
「あなたみたいな人の方が良いだなんて。・・・おかしいよ、祐二君」
姫宮さんからものすごい殺気を感じる。
私は思わずたじろいで、祐二の腕に抱きつく。
祐二の顔を見上げれば、流石にバツが悪そうな顔をしてる。
て、言うか全然ちゃんと別れられてないじゃない。
姫宮さん、どう見ても未練たらたらなんですけど。
「私の方がこの人よりずっとずっといいのに。幼馴染ってだけで祐二君に選ばれて・・・そんなの、許せないよ」
うわぁ。
これって修羅場じゃないの?祐二。
どうすんのよ、これ?
て、いうか姫宮さんがここまで祐二にご執心だったとは思わなかった。
振られたんだからあきらめなさいよ。
「こんなのおかしいよ。絶対おかしい。・・・この人がいるから祐二君が私から離れていっちゃうんだ・・・!」
「まずいっ・・・!!」
いきなり、姫宮さんが私に向って走り出した。
私はいきなりの彼女の行動に何も出来ずにただ茫然と立ち尽くしていた。
そして、祐二が突然私を抱きしめても、何も出来ずにただ立ち尽くしていた。
「ぐあっ!」
私を庇った祐二の背中に姫宮さんがぶつかる。
・・・私は祐二に抱きしめられている。
姫宮さんはそんな祐二の背中に抱きついている。
何?これ。
傍から見たら三人の男女が朝から抱き合っているという摩訶不思議な状態になっている。
でも、そうじゃない。
私は祐二の背中を見る。
「うあ、あああ・・・・ああああああっ!」
私の口から声にならない声が漏れる。
祐二の背中には、姫宮さんが手に持っている包丁が突き刺さっている。
ドクドク、と血液が、祐二の血が出て行ってしまう。
「くそ、いてぇ・・・刹那、」
祐二が私の名前を呟くと同時に、崩れ落ちる。
嘘、こんなの嘘だよね?
私は地面に崩れ落ちた祐二の体を慌てて抱きしめる。
地面いっぱいに祐二の背中から溢れ出た血液が染みを広げていく。



215 :刹那の想い 後編 ◆PLalu2rSa. [sage] :2009/04/14(火) 00:34:27 ID:diqIsyRp
「祐二!嘘だよ、こんなの嘘だよ!いやぁぁぁぁっ!」
「どうして!?どうしてその女を庇うの!?どうしてよ祐二君!」
祐二を刺した女が何か叫んでいる。
周囲では、通行人が何やら騒いでいる。
でも、私には目の前の祐二の事しか考えられない。
「祐二、祐二!大丈夫!?ねぇ、しっかりして!!」
「・・・刹那、ごめん」
あ、ああ・・・血が止まらない。
祐二の顔がどんどん青くなっていく。
こんな、こんなの嫌だよ・・・。
死んじゃ嫌だ・・・せっかく、祐二と結ばれたのに・・・やっと想いが通じ合えたのに・・・。
「本当に・・・ごめんな・・・刹那」
「嫌だ・・・」
祐二の指が私の頬を撫でる。
私は、祐二の背中に手を回して、背中に刺さっている包丁の柄を握る。
「ぐはっ・・・」
包丁を祐二の背中から抜くと、傷口から血液が大量に噴き出していく。
激痛に、祐二の顔が歪む。
ごめんね、祐二、すぐ、終わるから・・・。
「刹那?・・・何を?」
祐二の表情が驚愕の色に染まる。
私は祐二の背中から抜いた包丁を、逆手に握りしめると、そのまま高く振り上げる。
グサッ。
「うあっ・・・!!」
包丁を突き立てた腹部から鮮血が噴き出る。
はっきり言って、すごく痛い。
私は、祐二を刺した包丁で、自分のお腹を刺したのだ。
「刹那、何で・・・」
「これで、一緒だから。・・・もう、離さないから」
「嫌ぁああああああ!!!!」
背後で、姫宮さんが絶叫してる。
あはは、ざまあみろだわ、なんてね。
でも、姫宮さんには感謝してる。
だって、よくよく考えてみればこれが祐二と永遠にずっといられる最善の方法なんだよね。
生きて、祐二ともっとデートとか色々したかったけど。
けれど、いつか、もしかして祐二と別れる、なんて事になるくらいなら・・・。



216 :刹那の想い 後編 ◆PLalu2rSa. [sage] :2009/04/14(火) 00:36:12 ID:diqIsyRp
「愛してる」
祐二の唇を、自分の唇で塞ぐ。
すると、祐二が、私の体をきつく抱きしめてくれた。
ありがとう、祐二。
ずっとずっと、一緒だから・・・。
意識が遠のく・・・体から力が抜けていく・・・視界がぼやけていく・・・。
祐・・・二・・・。
最終更新:2009年04月16日 22:13