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530 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/05/08(金) 03:09:44 ID:j71/dOW4
この世には、色々なヤンデレが存在する(色々と言っても、根本的な所は同じだが)
ゴイスーな能力を持っていたり、ロリロリだったり
アンドロイドであったり、身体能力がやたら高かったり
盗聴と盗撮に長けていたり、国内の有力者の令嬢だったり
ポ○モンだったり

十人十色というべきか…そんなところだ、うん

彼女ら…もといは「ヤンデレ」とはある意味、純粋な愛情表現の一つと言えるものだろう
好きな人を獲られたくない、他の女には触らせない、たまに他の女と話させないというのもある
彼女らには一定のテリトリーがある、ソレを超えない限り彼女らはいたって温厚だ
ただし、一度でも超えてしまうと「ヤンデレ」たちは行動を開始する

ま、見てる分にしては面白いが…自分だと…なぁ?

そんな素晴らしい彼女ら「ヤンデレ」に惚れられた男達は……いや、語るまい


さて、ムダ話はここら辺にして、話をコチラ側に戻そう


俺とアヤちゃんはファミレスの奥の方の席に居る
ココなら、色々と話しても他人には聞かれないだろう
アヤちゃんはというと、オーラが非常に暗い状態で俯いたままだ

まいったな…ファミレスに連れて来たのはイイが
どう、話を切り出したものか…てか何の話をすればいいんだ?

世間話?面白話?何でもいいか…

人の恋路に深入りするのはいいことではないが
ここでアヤちゃんと話をしておかないといけない
自分で言うのもアレだが、俺は鼻が利く方だと思っている
ここで話しておかないと後々不味い事になりそうな予感がする

だが、いくら鼻が利いても、話しかける言葉が出てこないとは我ながら情けない



531 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/05/08(金) 03:11:25 ID:j71/dOW4

たとえ、言葉が見つかっても話の進め方にも気をつけないといけないな
先ほどの表情といい、呟きといい
アヤちゃんは「ヤンデレ」であろう…あくまで推測だが

タイプは恐らく「スタンダート型、攻撃的思考」のヤンデレだろう
このタイプは変に捻くれていない分、行動や思考が単調であり、手の込んだトラップよりも
実力行使を行いやすく、自分の……

「…タロウ君」
「はい?」

アヤちゃんに急に話しかけられて、声が裏返ってしまった

アヤちゃんから話かけてきた、脳内解説中に不意打ちをされるとは…
しかしアヤちゃんから話し掛けてくるとは考えもしなかった
なにせ、あのオーラで俯いたままなら、誰も話し掛けてくるなんても思わないだろ

今のアヤちゃんの様子は…相変わらず暗いが、何処と無く黒い感じする
何というか…こう、キレイな黒い感じじゃない、とても嫌な黒い感じ

「…タロウ君は…私の味方だよね?」
「へ?」
「味方だよね?…いつも、アっちゃんと上手くいくように手を貸してくれてたし
 味方でしょ?ねぇ…いつもいつも、わたしたちを手伝ってくれたもんね
 だから、私とアっちゃんの味方だもんね、だからあのアっちゃんの妹のクソ猫も」
「ストーップ!!」
「どうしたの?タロウ君?」
「味方って…そもそも、敵は居ないんじゃ…」
「何を言ってるの?アっちゃんに言い寄る女は全部敵だよね?それとも…
 それとも…私とアっちゃんを裏切るの?他の女の肩を持つの?私とアっちゃんの仲を裂くの?
 タロウ君はそんな事しない…よね?…味方だもんね?タロウ君は信用してるよ
 あ…まさかとは思うけどあんなアっちゃんにくっついてるクソ猫を擁護したりしないよね?
 もししようとしていたら…ソレはよくない事だよタロウ君、いまならまだ考えを改めれるよ?
 タロウ君は私とアっちゃんの味方、いっしょにワルモノを退治しよう?」
「…ま、まずは落ち着いて」
「私は落ち着いているよ、タロウ君のほうが落ち着いていないよ」

ごもっとも…
これで、アヤちゃんは「ヤンデレ」確定だ
確定したからといってどうという事はないが、
自分は『「ヤンデレ」の相手をしている』ということで少しは心に余裕が持てる
後は、慎重に言葉を選びつつ…とかいっても、現に俺はビビッてしまっている
先ほどの言動が証拠だ、「落ち着いて」などと何の意味も無い事を言ってしまった



532 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/05/08(金) 03:12:25 ID:j71/dOW4

落ち着くのは俺の方だ…現状を把握してと

さっきのアヤちゃんの言葉からして、他の存在に対して敵対心をむき出しにしている
俺はかろうじで信用されているらしい
そしてメイちゃんへの強烈な敵対心

「こうしてる間にもクソ猫とアっちゃんが一緒にいるんだよ、アイツが無防備なアっちゃんを
 放っておくワケが無い、発情したクソ猫が何時手を出すか」
「いや…メイちゃんとアツシは兄妹で、仲がいいだけで男女のそう言ったのは無いと思うよ」
「関係ないよタロウ君、兄妹とか以前に…男と女じゃない!兄妹だからって関係ないよ!!
 あのクソ猫はアっちゃんに発情してるような悪い猫、早く駆除しないといけない
 はやくしないとアっちゃんが汚されちゃう、一刻もはやく駆除しないと!!」
「…いやだから、そういうのは無いって」
「…タロウ君ウソは良くないよ、あのクソ猫がアっちゃんがスキなの知ってるんでしょ?」
「え?いや…それは…その…」
「…知ってるよね?だから早くなんとかしないと早く駆除しないといけないのは解るでしょ
 アっちゃんが汚されてしまう…私のアっちゃんがぁぁああ!!」

やばい…アヤちゃんがヒートアップしてきたぞ
このままだと店を飛び出して、メイちゃんを駆除しに行ってしまうかもしれん
それだけは、何としてでも避けなければいけない

最悪の出来事は想定するだけで起こしてはならないのだ

なんとかクールダウンさせないと…正攻法でいってみるか?
アヤちゃんには悪いが、彼女はとてもマトモな状態とは言えない
そんなアヤちゃんに普通に話が通じる可能性は低い…

「アヤちゃん、自分の言ってる事の意味がわかって言ってる?」
「何?」
「人を傷つけるような事はしてはいけない」
「傷つけるのはイケナイ事?私のアっちゃんに手を出そうとしているのに?」
「そうだ、そんな理由で人を傷つけてはいけない」
「そんな理由??そっか…そっか、タロウ君は味方じゃないんだ…私とアっちゃんの仲を邪魔する
 ワルモノになっちゃうんだ、だったら…」
「ち、ちょっと!!ちょっと待った!!俺は2人を応援してるし、だからこそその…
 事件が起こるような事は避けた方がいいんじゃないかなー?って」
「ソレも一理あるね、あんまり目立ったら私にもアっちゃんにもよくないね、
 てっきり変な事、言い出すから裏切られたのかと思っちゃった、タロウ君がそんな事するハズ
 無いの、に私とアっちゃんの事を思うからこそだよね」

あぶないあぶない…
アヤちゃんはいつの間にか握り締めていたフォークをテーブルに置いた 
…あやうく、俺が駆除されるところだった


533 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/05/08(金) 03:13:20 ID:j71/dOW4

「でも、やっぱりアっちゃんに近づいてくるクソ猫共は駆除しないと…」

またもや駆除理論を語り始めたアヤちゃん
聞くフリをして、少し頭をスッキリさせよう

脳内のキャパに少し余裕が出てきたところで、考えよう
何故アヤちゃんが「ヤンデレ」となってしまったのか
「ヤンデレ」は比較的何か過去に大きな
人間の性質を変えてしまう位の出来事がありソレがトラウマとなって
「ヤンデレ」と化す…たまに例外はあるが
アヤちゃんについては彼女の人生は俺が知る限り、今まで何も問題は無いはず
トラウマと言えるモノもなし
「ヤンデレ」になる条件が整って無い…あくまで俺の持論だが

とすれば…危険だが「押し」で行くか

「なぁ、アヤちゃん?」
「何?」
「もしアヤちゃんがメイちゃんを駆除出来たとする、そしたらアツシはどう思うだろうな?」
「どう?そんなの決まってるよ、アっちゃんは感謝してくれるハズだよ!」

決まってる…か、だが怯んではいけない「押し」だ

「警察はどうする?それにアツシの親御さんたちは?それにアヤちゃんの親御さんだって…」
「そんなのは関係ないッ!!関係ないのッ!!」
「関係ないワケないだろ」
「私はアッちゃんだけ居ればイイのッ!!他の奴等はいらないッ!!関係ない!!」
「そんなの許されるわけ無いだろ」
「関係ないって言ってるでしょ!!私は…アっちゃんが」

ああ!!もう!!ラチがあかない!!

「このッ…バカヤロウ!!」

―パシィィ

「我侭いってんじゃねぇよ!お前一人の勝手で皆を不幸にすんのかよ!そんなの許さねぇ!」
「ッ………」
「アツシはそんなことされても絶対喜ぶはずがねぇんだよ!アイツはそんな人間じゃねぇ!!」
「・・・」
「だからよ……あ…」

………我に還る…………もしかして、俺ってばやっちゃった?



534 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/05/08(金) 03:14:01 ID:j71/dOW4

現状把握!!…頭をクールダウン!!
右手には嫌でも人を叩いた感触がのこっている
俺の右手はアヤちゃんの左頬を、結構強めにビンタしてしまったようだ

熱くなって、つい手が出てしまった…最悪だ
この程度で感情が爆発するなんてガキか俺は…最低だ
ココが奥の席でなかったら大変なことになっていただろう

アヤちゃんは叩かれた方の頬に手を当て、目に涙を浮かべて
俺をまっすぐ見つめてこう言った

「でも…でも…それでも、私はアっちゃんがスキだから…」

と、

ものすごく気まずい…全身から罪悪感がじわじわ染み出してきた

アヤちゃんはポロポロと涙を流しながら

「私は、アっちゃんと一緒に居たいだけなのに…」
「アヤちゃん…えっと…叩いたことは謝る…ゴメン」
「ううん…いいよ、私が悪いの…タロウ君の言ってる事は正しいよ、正しいけど…
 気持ちが抑えられないの、頭では理解してるのに、
 アっちゃんが他の人に取られるかと思うと…気持ちが抑えきれないの」
「でもさ、抑えきれないからって人を傷つけるのはダメだ」
「・・・・・・・・・」
「あのさ…何て言うか…もっといい別の方法があるはず!」
「…・・・・・・」
「ほら例えば…ええと…いや俺も協力するからさ!2人が上手くいくように!!」
「…うん」

アヤちゃんがすっかり大人しくなった、変なオーラも無し!
コレは「押し」が成功したということなのか?
まぁ・・・多少想定外なコトが起きたが、
結果オーライということで、ああ…罪悪感が押し寄せる…



535 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/05/08(金) 03:16:34 ID:j71/dOW4

「さっきはマジでゴメン」
「・・・・・・・・・」
「お腹へってない?…お詫びに奢るから…何か食べる?」
「…ハンバーグ」
「りょーかい」

食事を済ませたあと俺はアヤちゃんを家まで送り届けた
道中では叩いた事を何度謝った事か…10回以上謝ったな
最初は暗い表情だったけど、俺がバカしてるうちにいつもの表情になり
アヤちゃんの家に着く頃には普通に笑ったり、話したりできた

別れ際に

「今日は…えーと…その…助けてくれてありがとう」

の言葉と最高級の笑顔を貰った、俺には勿体無いな…

さぁて…

自宅近所の公園に立ち寄り、自分以外はこの公園に誰も居ない事を確認する
ベンチに座り携帯を取り出し電話をする、相手?相手はもちろん・・・・・・

「オイーッス、何用だタロウ」
「よう、アツシ…実は話しがあってよ、俺んちにの近くの公園まで来てくれ」
「えらくテンションが低めだな!街でなんかあったか?」
「ちょっとな」
「らしくないなタロウ、まぁいいか…すぐ向かう」
「おう」

ふぅ…やっぱ色々と話しておかないとダメだろ
アツシに話しておけば最悪の事態は避けられる可能性は上がるだろう
それでも………ダメなときは俺が意地でも何とかしてやるさ

俺は自分の中でそう覚悟を決めた