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412 :無限連鎖 第2話:2009/08/13(木) 03:08:34 ID:la1Uw2Ht
「・・・なんでだ?」
翌日の学校、自分の席で思わず呟く功一。
教卓の前には担任と今まで見たことの無い女生徒が一人、おそらく転校生だろう。
(まさか、五分の一の確立をひいてしまうとは・・・)
などと考えていたら担任が女生徒に
「それじゃ、自己紹介を頼む」
と促し、女生徒の方も「はい」と返事をしながら黒板に文字を書き始める。

 呉  岱  龍  牙

「・・・?」
(えっと・・・。ゴダイ・・・リュウ・・・ガ?)
と功一が頭をひねっていると、
「呉岱龍牙(ゴダイリュウガ)です。これから宜しくお願いします」
と自分の名を口にした。
(おお。あってた。・・・しかし、呉岱はともかく龍牙って、なんつー名前だ)
と、思いながら功一は辺りを見回してみた。
光をはじめ、皆なんともいえないような表情をしていた。
恐らく、考えていることは功一と大差ないだろう。
「おう、お前ら。まあ質問は色々あるだろうが、もう授業が始まっからな」
担任が手をパンパン叩きながらざわめき始めた教室を静かにする。そして、
「さて、呉岱の席なんだが、真ん中の列の一番後ろ・・・高原光の隣に座ってくれ」
光の席を指差しながら説明する。
龍牙は「わかりました」と言い、光の隣にあった席に座った。
「えっと、高原・・・光さんですね。よろしくお願いします」
「・・・うん、よろしくね」
龍牙の挨拶に光は複雑そうに返事をする。
「よーし、じゃあ授業を始めるぞー」


413 :無限連鎖 第2話:2009/08/13(木) 03:10:54 ID:la1Uw2Ht
昼休み。
功一は教室で光と昼食をとっていた。
「・・・それにしても、龍牙か。あらためて、なんちゅう名前だ」
「呉岱さんの事?」
「ああ、娘にこんな名前付けるなんて、いったいどんな親なんだ」
「・・・あの娘のこと、気になるの?」
「そりゃ、まあ・・・。女性は確かに苦手だが、綺麗なのは認めるしな」
と、言いながら龍牙の方を見る。
流れるような綺麗な金髪(どうやらハーフのようだ)に太陽の光が反射する綺麗な肌。
少しきつめの目をしているが、話し方のせいだろうか、母性的な感じがする。
そんな龍牙の周りには、人垣ができている。
クラスのほとんど(違うクラスからも来ているようだ)の質問ぜめにあっている最中だ。
最初は、転校前の話とか容姿の話だったが今は名前の話になっている。
そこには功一も興味があったので少し聞き耳を立ててみた。
「それにしても、龍牙ってすごい名前だよねー」
と、女生徒の一人がきりだした。
「実はその名前、親の趣味でつけられた名前なんです」
そう、龍牙が答えると「マジで?」「娘につける名前じゃねーだろ」「どんな親だよ」と周りがざわめきだす。
「あの・・・」
不意に、後ろにいたメガネの男子が龍牙に声を掛ける。
「はい?」
「もしかして、呉岱って『マックスアニメーション』のあの呉岱さんですか?」
その言葉に、龍牙は反応した。
「・・・もしかして、知ってるんですか?」
「はい、確かあの人『MA』のかなり偉い人、と同時にかなりのオタクですよね?」
メガネ君はなんだか少しずつ興奮してきているようだ。
「あの人、『LBL』の舞葉龍牙を大絶賛してて、自分の娘の名前にしたとかいってたような・・・」
「うう・・・。その通りですぅ」
龍牙は情けない声を上げながら肯定する。
「うは!じゃああなたがその娘なのか!!まあ、確かにあのキャラはボクも大好きだけどね!」
すると、メガネ君の後ろにいた男子が
「『MA』は有名だから知ってっけど、『LBL』ってなんだ?教えろよ」と、メガネ君に尋ねた。
「あ!聞いちゃダメ!!」と龍牙は叫んだが、メガネ君はすでにウンチクモードに入っていた・・・。



きーんこーん
「・・・おっと、昼休み終わっちゃったな。まだまだ語り足りないけど仕方ないね」
と言いながら、メガネ君は意気揚々と自分のクラスに戻っていった。
周りの連中は(龍牙と功一も含め)なんだかげっそりしている。
「うう・・・お父さんもそうだからもしやと思ったけど、やっぱり話し出したら止まらない人でした・・・」
ため息をつきながら龍牙は止めた理由を話した。
(なるほど、経験済みだったということか)
と、思いながらも功一は彼が語った『LBL』の要点のみを思い出していく
 ・正式名称 『リミットブレイクラブ』ギャルゲーとアクションが混ざったゲーム・・・らしい
 ・主人公は新人ながら実力を見込まれたボディーガード
 ・攻略可能キャラは良家のお嬢様(このキャラが舞葉龍牙らしい)とメイド長
 ・二人とも序盤の最後あたりからもう主人公にべた惚れ
 ・どちらか一人を決めると選ばれなかったほうが嫉妬の鬼と化すのだそうだ
 ・その状態で選択肢を間違えると悪いエンディングになり選ばれなかった方と殺し合いをする羽目になる
 ・特にお嬢様のほうがあほみたいに強いらしくまともにやりあって勝ったプレイヤーは未だにいない(本当か?)
 ・暗い豪邸の中を、日本刀を片手に人外の動きで追い詰めてくるその姿に心を折られたプレイヤーが続出したとか
 補足 龍牙の父親談では、その姿が非常に神々しい(?)らしい
  結論
「ギャルゲー云々は置いといてそんなにムズイのか。ちょっとやってみてぇな」



そんなことを考えながら龍牙のほうを見ている功一
その功一を光もまた、何を考えているか分からない無表情で・・・じっと見つめていた。


414 :無限連鎖 第2話:2009/08/13(木) 03:12:45 ID:la1Uw2Ht
下校時間
いつも通りに、功一は光と雪菜を引き連れて帰ろうとしたところ
「あ、あの・・・」
と、呼び止められた。
功一達が振り返ると、そこには転校生、呉岱龍牙の姿が
最初に反応したのは雪菜だ。
「あら、あなたが噂の美人転校生かしら?」
「う、び、美人・・・?あ、あの、呉岱龍牙と申します。えっと・・・」
「高原雪菜です。功一と光、この二人の姉です。よろしくね」
「あ、功一・・・君・・・と光さんのお姉さんですか。よろしくお願いします」
と、挨拶を交わす雪菜と龍牙に光が声を掛ける。
「で、何か用なの?龍牙さん」
「あ、えっと・・・その、功一君にちょっと聞きたいことが・・・」
そのせりふを聞いて「う・・・お、俺・・・?」と、明らかに動揺している声で功一は返事をする。
「はい。・・・昼休みなんですが、ずっとこちらを見ていたようなのですが」
(うっ!気づかれてたのかっ!)
即座に雪菜がちょっかいを掛ける。
「・・・功一。こんな綺麗な子なんだから仕方ないかもしれないけど、やっぱ、なめまわすようにじろじろと・・・」
「してねえよっ!」
と、突っ込んでから龍牙の方に振り返る。
「・・・私は何か功一君の気に触るようなことをしたでしょうか?」
「・・・は?」
「いえ、その後も何か難しい顔をしてましたし、今も私が近づくとその分離れようとしますし・・・」
「そ、それは・・・」
「功君は女性が苦手なんです」
突然、光が話しに割って入ってきた
「だから近づかないで」
「え・・・で、でも、光さん達は・・・」
「私達は、昔から一緒に育ってきた仲だからある程度は大丈夫なの。でも、あなたは違う」
「・・・・・・」
この龍牙の沈黙で流石にいたたまれなくなってきた功一が
「お、おい光。ちょっと言い過ぎじゃ・・・」
と、止めようとしたが
「じゃ、じゃあ、これから一緒に帰りませんか功一君?私にも慣れてほしいんです」
予想外の龍牙の提案に「・・・っ!?」功一はさらに動揺する。
「私は別にいいですよ。色々聞きたいこともあるし。ふふっ」
雪菜は肯定の意思を示す。
「・・・・・・」
光は黙ったまんまだ。
功一も少し戸惑ったが
「・・・そうだな。いつまでも女性苦手じゃ、格好つかないもんな。よし、一緒に帰ろうか!」
と、勢い良く承諾した。
龍牙も「あ、ありがとうございます!」と嬉しそうに返事をした
そして4人で帰路に着く。
道が分かれるまで功一、雪菜、龍牙の三人は(主に龍牙の名前について)談笑しながら歩いていた。
まだ全然慣れていないので功一と龍牙の距離はあまり近づかなかったが。
そしてただ一人、光だけが少し後ろから三人をじっと見つめていた。


415 :無限連鎖 第2話:2009/08/13(木) 03:14:27 ID:la1Uw2Ht
帰宅後。
夕食も終わり自分の部屋でくつろいでいた功一は、突然入ってきた双子に質問攻めにされた。
「お兄ちゃん!今日、転校生の人と一緒に帰ったって本当!?」
「大丈夫だったのか!?功兄!」
「ぬおっ!?おおお落ち着け二人とも、そしてそんなに寄らないでくれ!」
「だってお兄ちゃん!女の人と一緒って!」
「どうしてそうなっちゃったの!功兄!」
「わかった!話す!話すから一旦離れてくれー!」
功一は必死になって双子を落ち着かせながらその理由を語った。

「・・・なんでその人お兄ちゃんと一緒に帰りたがったの?」
話し終わった後にすぐに詩織が質問してきた。
「なんでって、俺に慣れてほしいからだそうだぞ」
「何で慣れてほしいの?」
「む・・・。さあ、そこまでは聞いてないな」
「ふーん」
詩織が話し終わると今度は沙織が聞いてくる。
「功兄はその人のことどう思ってるの?」
「どうって、まあ俺も男だからな。あんな綺麗な女の子がいたらそりゃお近づきになりたいぜ。
 近づけないけどな、体が勝手に拒否反応起こしちまうから」
「お近づきになりたいんだ・・・」
沙織も少し思案顔になる。と思ったら突然詩織が
「お兄ちゃん、今日一緒に寝ようよ」
「・・・はあ!?何でいきなりそんな流れに?」
「あ、それいいね。じゃあ、さっそく功兄をベッドに連行します」
「おー」
「な!ちょと待て!おい、あ、ちょ、やめて・・・」
一応抵抗はしたものの、結局ベッドの中に強制連行されてしまった。
「むふー、お兄ちゃん」「功兄、あったかい」
二人は功一の両腕に抱きついた状態でベッドに潜り込んでいる。
昔から、この双子はたまに功一と寝ているが(というより勝手に潜り込んでくる)
興奮もしてはいるが、それ以上に動揺している自分がいることを功一は自覚していた。
(やっぱ、まだちょっと怖いのか・・・)
と、考えながら上を向くとそこにはなぜか光の姿が。
「・・・いつから、いましたか?光さん」
「功君が二人にベッドに連行されたあたりから。ノックはしたんだけど聞こえてなかったみたいだから、勝手に入りました」
「あ、さいですか・・・」
「・・・あの、功君」
光はもじもじして、顔を真っ赤にしながら功一に話しかける。
「なんだ?」
「そ、その・・・私も、い、一緒に・・・ね、寝たい・・・な・・・」
「・・・・・・」
結局功一は三人の女の子と一緒に寝ることになった。
(猛あたりなら、泣きながら羨ましがるシチュかもしれんが・・・実際にやるといろんな意味でかなりつらい
明日は寝不足確定だな)