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421 :どうもwikwの「題名のない長編その五」の人です:2009/08/13(木) 04:44:44 ID:Hg6QrM4A
さてさて…ずいぶん長かった気もするが…

結論から先に言っておこうアツシの告白は見事大成功だ

俺がわざわざ倉庫から引っ張り出してきた『立ち入り禁止』の看板が
非常に役に立ってくれた…

告白の舞台は学園モノの定番で屋上だ…
屋上が生徒に開放されている、学校は珍しいと聞いたことがあるが
少なくともウチは生徒に解放されている
コレを利用しない手はないだろう?

昼休み前に屋上の入り口前に、立ち入り禁止の看板を立てておけば、
ウチの生徒は律儀なので、生徒は屋上へ来ない
前に一度実験をしたからな、効果は確認済みだ

何故昼休みなんだって?放課後では屋上の鍵が閉められてしまうのだ
初めは屋上の鍵を奪うという、作戦も考えたがリスクが大きいので却下した

そんな事は置いておき…いよいよ昼休みとなった頃で
ガチガチに緊張したアツシがアヤちゃんを屋上に誘うまでに、
屋上へ先回りして、隠れて待機する 俺は2の為に色々とやったんだ、
あのバカの告白を特等席で見られる権利ぐらいはあるだろ?

隠れ場所に最適な給水タンクの上へと隠れる

少し時間を空けて、アツシがアヤちゃんと一緒に屋上にやって来た
もちろん屋上前の看板が俺が仕掛けたモノということはアツシに伝達済みだ
ココに俺が居る事は言ってないがな!



422 :題名のない長編その五 第5話:2009/08/13(木) 04:47:15 ID:Hg6QrM4A

俺を除いて誰も居ない屋上に2人きり…いかにもな雰囲気じゃねーかヘイヘイ!

少し歩いて丁度屋上の真ん中ぐらいに来たところで

「誰も居ないね…アッちゃん」
「そ、そうだな…誰も居ないな」
「…静かだね」
「お、おおう」

アヤちゃんが先手にでた!アツシめ不意打ちを喰らうとは情けない…
てか、明らかに動揺してんじゃねーかよ!ファイトだアツシ!

「…アッちゃん、大切な話って何?」
「え?あ、あああ…そのな、アレだ…その…」

くッ…笑っちゃいけない…笑ってはイカンのだ…絶えろ俺!!
アツシめ『大切な話がある』と言って誘ったのか…なんてベタな奴だ

「えーと…その…えー…えー」
「どうしたの?」
「…よし!…一度しか言わないぞ!!…アヤ!」
「え?う、うん…わかった」

アツシの気迫に押され気味のアヤちゃん、全く…アツシは相変わらずバカだ
アツシが少し間を置いて決心した面構えで言う

「俺はお前が好きだ!だから…俺と付き合ってくれ!
 絶対アヤの事を大事にするから!」

言ったぁぁぁぁああ!ド真ん中へストレートなシュート!
さてアヤちゃんの反応は…一時停止みたいになっているが…

「うん…私もアッちゃんがスキだよ…だから、大事にしてね」

そう言うとアヤちゃんがボロボロ泣き出してしまったぞ…
慌てふためくアツシ…バカ!そこは黙って抱きしめるんだよ!

おっと…身を乗り出しそうになった…アツシはバカだが
俺はその10倍バカだという事を忘れていた



423 :題名のない長編その五 第5話:2009/08/13(木) 04:47:50 ID:Hg6QrM4A

「アッちゃん・・・!」
「おっと…」

あらら…アヤちゃんから抱きついちゃったよ

「私ずっと…ずっと待ってたよ…アッちゃんがスキって言ってくれるの…
 普段何気なく話す仲…友達としか見られてないのかなって、不安だった
 私から言おうとした事もあったよ…でも、言えなかった…
 もし、フられたりしたらって、考えたら怖くて動けなくて…
 でも、やっと言ってくれた…言ってくれた…大好きアッちゃん」
「…ゴメンなアヤ…そこまで悩んでたなんて…」

ギュッとアヤちゃん抱きしめるアツシ

そうだよ!それだよ!ソレが欲しかったんだよ、クソッたれ!

「アッちゃん…キスして」
「え?あ…あの…ソレは、何というか、その…はやくナイカ」

おっとコレは予想外の展開、さすがアヤちゃん…

「ううん…遅すぎたくらいだよ、私ずっと待ってたんだよ?」
「そ、そうか…だな?」
「…そうだよ」

目を瞑りジッとアツシを待つアヤちゃん…コレは見物だ…ゴクリ
アツシがガチガチになりながらも目を瞑り…

「い、いくぞ…」
「んッ…」

なんてことだ、貴重なバカがまた一人、男になってしまった
コレは一大事だ…とてつもない一大事だ…そうだ写真に収めておこう
この絶滅目前のポラロイドカメラで…パシャッ!!っと

―パシャッ!ジー

ポラロイド特有の音がする………ってあれ?何してんの俺?



424 :題名のない長編その五 第5話:2009/08/13(木) 04:48:27 ID:Hg6QrM4A

気づけば隠れるのを忘れ、カメラを構えて、身を乗り出しているではないか
ショックのあまり、おかしくなっていた様だ…

もちろん音に気づいた二人は目を点にしてコチラを見ている

「2人ともオメデトウ!」

親指を立ててみる

「タロウッ!!!?」
「タ、タロウ君!?」

2人同時、息ピッタリだな

2人の顔がみるみる赤く染まっていく…なかなかいい反応だ
もう少し見ていたいが
色々と面倒が起こる前に退散しよう、ドアを開けて…

「それでは、お2人さんお幸せに~」

―ガシッ

両肩を捕まれる…ハハハ、何でだろうな前に進めないや

「タロウ…大事な話がある」
「タロウ君…私も大事な話しがあるの」
「…ジーザス」



425 :題名のない長編その五 第5話:2009/08/13(木) 04:49:28 ID:Hg6QrM4A

あの日から数日がたった、2人のキスの現場写真は奪われてしまったが
2人の仲は順調そのもの、見ている方が恥ずかしくなる位だ

あと、アツシがメイちゃんにアヤちゃんと付き合ってる事を報告したらしい
ちょっと気になったので、メイちゃんの様子はどうだ?とアツシに聞いたら

「別に、いつもと同じだが?」

との返答だ、もしかしたら…と思ったんだが、思い過ごしだろうか
何にせよ平和なのは良い事だ
何も起きないなら、何も起きない方がいい

今日はアヤちゃんがアツシの家に遊びに行くらしい
下校前にアツシから聞いた、まぁ大丈夫だろう
俺が心配しすぎなだけで、メイちゃんは何とも…

携帯のメール用の着信音が鳴る、人の下校途中に誰だよ

あ、メイちゃんからだ…何だろ

足を止めて携帯を覗く、メールの内容は

『タロキチへ』

続きは?…ええと、あ!改行してあるのか、ややこしいな
メールの本文を下へ下げていく…メールの一番下には

『振り返るな』

は?何だコレ?振り返るな?

俺がその場で振り返ると、直ぐ後ろにはメイちゃんの姿が…何かを振りかぶっ…

―ゴッ!!

頭に強烈な衝撃、それは俺の意識を奪うのに十分な威力だったようだ

視界が暗くなっていく、足に力が入らない…立って…いられない…
消えゆく意識の中メイちゃんの顔が目に入った…まるで人形…ように無表情…だ

「…タロキチ、だから振り返るなって言ったのに」

そんな…声が…聞こえ…気…が………