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708 名前:Cinderella & Cendrillon 3[sage] 投稿日:2009/09/02(水) 14:35:22 ID:HdknHNrn
~依音side~

「はぁ~……」
今日の寝起きは最悪だった、風邪は幸い問題ないレベルまで治っていたが、昨日のひめねぇの件で全く寝れなかった。
あれはなんだったんだろう……正直顔を合わせたくない、また同じ状態になったら乗り切る自信がないから。
「笑えない、全く笑えない。」
低血圧の俺が朝からこんなに頭が働くということは、昨日の睡眠時間がいかに少ないかを表している。
「学校いこ。」
ベッドから抜け出し、制服に身を包む。
今日の授業はなんだったっけな……地理があるとうれしいんだけど……
身支度も終わり1階へと延びる階段を降りる……そのままリビングに繋がるドアを開ける。
「おはよう、ひめねぇ、さきねぇ。」
「おはよう、えねちゃん。」
「おはよう、愚弟。」
あぁ、いつも通りのひめねぇだ……なぜか涙が出そうになる。
ってか今さきねぇ愚弟って言った? そんなに機嫌を損ねることしたっけ?
「愚弟はひどいよ、さきねぇ」
「あら、ねぇさんをパシリに使い、買ってきた飲み物は飲まずに寝てしまう弟を愚弟と言わずになんというのかしら?」
……マズイ、さきねぇがご立腹なさっている。
「ゴメンナサイ」
「そういえば今日の料理当番私なんだけど、冷蔵庫の中身がなくなったから買い物に行かなくちゃ……どこかに喜んで荷物持ちを引き受けてくれる弟はいないかしら……」
さきねぇの俺への呼び方が愚弟から弟に戻った、これは拒否権はなさそうだ。
「解りました、不肖ながらこの依音が荷物持ちを引き受けさせていただきましょう。」
「何その偉そうな態度、気に入らないわ。」
「引き受けさせてください、お願いします。」
「よろしい、じゃあ今日午後から授業ないから高校まで迎えに行くわ。」
「わかった、じゃあ校門のところで待ってるから。」

709 名前:Cinderella & Cendrillon 3[sage] 投稿日:2009/09/02(水) 14:36:00 ID:HdknHNrn
(1~4限の授業及び昼休みは長いので編集しました)
はぁ、なんで5限の授業はここまで眠くなるんだろう……学生に課せられた永遠の謎だな……
(6限の授業及びホームルームは長いので編集しました)
「起立、礼。」
やっと終わった、皆どこにそんな元気隠し持ってたしと突っ込みを食らわんばかりの明るさで教室を飛び出していく。
……俺もそろそろ帰ろう、校門でさきねぇが待ってるし。
「おい奏、あれ妃乃先輩じゃないか?」
「え、もう校門に居るの?」
予想以上に早い、そんなに暇だったんだろうか。
「いや、すぐそこに居るんだけど……」
「へ?」
ゆっくりと顔をあげる、居た、さきねぇが。
思わず倒置法を使ってしまうくらいの驚きがあった、なぜならそこに居たさきねぇが……優しそうだったからだ。
そうだ、そういえばさきねぇは猫かぶりの天才だった、この学校に居た時も性格の悪さなど微塵も見せない優等生だったっけ。
「えね、迎えに来たわよ。 今日は買い物に付き合ってくれるんでしょう?」
「あぁ……そうだったね、さきねぇ。」
と、その時
「妃乃さん! 覚えてますか! 柔道部の渡辺です!」
「……ごめんなさい、覚えてないわ。 何か用?」
そこには柔道部で確か朝の朝会でも何度も表彰されているでっかい人がいた。
そして何だろう……さらっと聞き流したけどすごく酷いことを言った気がする。
「じゃあもう1度言います! 好きです付き合ってください!」
「ごめんなさい、私弟以外の男に興味ないの。」
この間0.2秒、ワタナベさんが不憫すぎる……
「やっぱりそう言うんですね……だったらそいつを倒して妃乃さんを俺に振り向かせて見せます!」
え~、とばっちりじゃ~ん。
ワタナベさんが俺に掴みかかってくる、もちろん俺は武術の類はしたことがない。
あ~きっとすげぇ痛いんだろうな~
その瞬間、俺の目の前からワタナベさんが消えた。
「ぐあぁ!」
後ろから聞こえてきた悲鳴、横を見ると何かの構えを取っているさきねぇがいた。
「渡辺、といったかしら?」
あれ? さきねぇが素に戻っている。
「弟に手を出すのなら、私はあなたを殺すわよ?」
訂正、いつもの3倍は怖い、昨日のひめねぇといい勝負だ。
「行くわよ、依音。」

710 名前:Cinderella & Cendrillon 3[sage] 投稿日:2009/09/02(水) 14:36:29 ID:HdknHNrn
ところで話は変わるが、俺の学校は我が家から北に20分ほど歩いた距離にある。
そして今現在我が家が利用しているスーパーは、学校から北に30分ほど歩いた距離にある。
いつもなら家からスーパーまでは車かチャリで行くことになるが、俺の学校はチャリ通禁止でさきねぇも大学までは電車を利用している。
20+30=50……mjd?
帰宅部の俺にとって50分歩くのは拷問に等しい、しかも買った食材付きって……辛すぎるだろjk。
なんて愚痴をこぼしても家までの距離が短くなる訳でもなく、食材が軽くなる訳でもない。
家まで後10分くらいだろうか、それまでの我慢だ、明日は筋肉痛間違いなしだな……
「ところでえね、話変わるけど…あんた彼女とかまだできないの?」
「んー? できないけど?」
ってか「とか」ってなんだ?
「そう、あんた見てくれだけはいいのにね~。」
外見を褒めてない面をけなす、どっかの芸人がその逆を言っていた気がする、そうすれば相手から憎まれないんだそうだ。
「それ、何気に俺の内面をけなしてるよね?」
「酷いわね、姉の命令に絶対服従で、頼めば何でもやってくれる犬の内面をけなすはずないじゃない。」
「犬って言った!? その発言には俺もびっくりだよ!」
もしかして学校でそんな噂を広めてないよな、だとしたら俺の評価は地に落ちているどころじゃないぞ。
「あっ、えね! あの信号一端変わると長いんだから、早く渡るわよ!」
「この状態で走れと!? どこまで鬼なんだ!?」
「じゃあ私は先に行ってるわ、早く帰ってくるのよ?」
酷ッ! 本当に走った!? 
あ~あ、ハズレを引いたなぁ…この信号変わるのに5分はかかるんだよなぁ…
そんなことが頭の中をよぎった瞬間、俺の目は猛スピードで突っ込んで来るトラックをとらえた。
あぁ、あのスピードじゃあ横断歩道までには止まれないな。
恐らくあのトラックはさきねぇを轢いて……さきねぇを轢いて?
さきねぇを轢く? さきねぇが轢かれる? サキネェガヒカレル?
考える前に飛び出していた、後ろで買い物袋の中に入っていた卵の割れる音がした。
ほとんど無意識に、ただ最悪の結果を回避するために、俺は走った。
走って、さきねぇの驚く顔を見て、さきねぇを突き飛ばして、俺は……恐らく、轢かれた。