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221 名前:Cinderella & Cendrillon 5[sage] 投稿日:2009/09/30(水) 00:28:44 ID:uM5KCD/m
~妃乃side~

…怖かった…
……とても怖かった……
私はえねに嫌われてしまったのではないだろうか。
えねはもう私のことを気にかけてくれないのではないだろうか。
そうなってしまったら私にはもう生きる意味などない。
……怖い……怖い……怖い怖い怖い……
さっきから何度も病室に入ろうとしているのに、足が動かずソファに座っている。
幸い内臓に被害はなかったものの、吹き飛ばされたときに左肩をガードレールの角に強く打ちつけてしまった。
その結果、腕の靭帯が断裂し、筋肉が裂け、神経を切断、骨を砕き、本当の意味で腕が皮一枚でつながっていた状況だった。
さらに平日の夕方ということもあり、道路が渋滞、救急車の到着が遅れ病院への搬送が遅れた。
やっとのことで病院へ着いたころにはすでに左腕は手遅れ、むき出しになった骨から細菌感染しないよう肩から切り落とすこととなった。
……私をかばったばっかりに……
これが逆だったらまだ希望はある、左腕を失ったことでえねを心身ともに絡み取れる口実になる。
しかし実際は逆……さっきから悪い予想しか思い浮かばない。
ふと時計を見る、午前7時5分前……そろそろいつもえねが起きる時間。
私は自分の足に思いきり力を入れソファから立ち上がる。
恐る恐る病室のドアの取っ手に手をかけ深呼吸。
……1,2,3……よし、もう大丈夫。
少し力を入れてドアを開ける……目の前にえねが居た、今一番逢いたくて一番逢いたくなかった……私の大切な人……
「おはよう、さきねぇ。」
……いつも通りの朝の挨拶……
「えっ……あ、うん…おはよう……えね……」
うまく言葉が紡ぎだせない、安堵感からか目の前がぼやけてくる。
「どうしたの、さきねぇ?」
心配そうに語りかけてくる……その優しい声に私が零さないようにしていた涙を零してしまう。
「……うっ、うぇ…うぇぇぇええ」
口火を切ったようにあふれる涙、私は我慢できずにえねを抱きしめていた。
「お、落ち着いて! さきねぇ! 息が、いきができないかr」


222 名前:Cinderella & Cendrillon 5[sage] 投稿日:2009/09/30(水) 00:29:13 ID:uM5KCD/m
~10分後~

「……落ち着いた?」
「………うん………」
恥ずかしいことをしてしまった……せっかくえねの前ではクールに自分を偽っていたのに……台無しだわ……
「どうしたの? いきなり泣き出して。」
……言えない……えねの姿を見たら安心して泣いてしまったなんて言えない……
でも……今の本当の想いは……
「…えねが……私のこと……嫌いになったと思った……から…」
「え?」
「…えねが私のこと……嫌いになったと……思ったから…」
言葉を口にした瞬間、私はえねに優しく抱きしめられた。
「おれがさきねぇのこと嫌いになるわけないじゃん! なんでそんなこと思ったんだよ!」
「……だって、えねの左腕がなくなったの、私の所為だもの……」
素直に口にする……これは変わりようのない事実だから……
「そんなことない、そりゃなんともないって言ったら嘘になるけど、こんなことでおれがさきねぇを嫌いになることは、絶対ない。」
「本当? 本当にえねは私のこと嫌いにならない?」
「うん、本当だよ、約束したっていい。」
「………そう……」
なら……私はえねの唇を奪う、今までずっと監視していたから間違いなくファーストキスだ。
自分の舌でえねの口の中を蹂躙する、やっぱりこうやって攻めていくほうがしっくりくる……
……私はもう嘘はつかない……自分の心を偽らない……だから……

「好きよ、大好き、愛してるわ。 他の誰よりも、姉さんよりも。」