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483 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/08/15(土) 23:24:10 ID:QpWlO0o0
 俺は一人、リビングで普段は飲まない酒に手を出していた。
まあ、今日ぐらいは許して欲しい。
なんたって、一人娘の麻美が大学を卒業したんだから。
既に大手企業への内定も決まっているし、明日からは引越の作業で忙しくなる。
家族でゆっくり過ごせるのは今日が最後なんだ。
明日からの一人暮らしのために、昔を思い出しながら感傷に浸っても構わないだろう。
でもほんと、よくできた子に育ってくれたと思う。
途中から、男手ひとつで育ててきたのにしっかりした自慢の娘だよ。
……「娘」か……。 
自嘲の笑みを浮かべるがそれを酒を煽ることで誤魔化した。
そろそろ言うべき時期なのか、それとも一生黙ってる方がいいのか。
何年経っても未だに答えは出ない。仕方ないだろう。
実は麻美が「妻の美香と不倫相手の間にできた子です」なんて事。
しかし、そんな昼のドラマみたいなことが本当にあるなんてな。
また自嘲の笑みを浮かべた俺は、紛らわすようにコップの酒を全て飲み干した。
が、すぐに後悔することになった。
完全に酔いつぶれてしまったのだ。どうやらハイペースで飲み過ぎたらしい。
意識が朦朧とする中、俺が最後に見たのは聖母のような微笑みでこっちを見る麻美だった。

 お父さんがソファで寝たのを確認した私は、お父さんに膝枕をしてあげました。
22年間、血の繋がりのない私を娘として育ててくれてありがとう。お父さん。
お父さんは私が知らないと思っているみたいですけど、とっくに知っているんですよ。
あの女がいつも、本当の父を家に連れ込んでいましたから。
初めて知った時はすごくショックでしたけど、もう大丈夫です。
今ではあのゴミ共にとても感謝してるぐらいです。
だってそのおかげでお父さん、ううん「恭介さん」と恋人として愛し合えるんですもの。
今まで恭介さんが注いでくれた愛情を、今度は私が恭介さんに注いであげますからね。
私の引っ越し先、それが二人の新しい愛の巣になるんですよ。
この家だと、あの女との思い出もあって二人きりの生活には邪魔になりますからね。
次の家は遠い場所ですから私たちを知る人は誰もいませんので、夫婦ということで大丈夫です。
……まあ、仮に誰か知ってる奴がいても消せばいいだけですから。あの女みたいに。
今まで苦労した分、精一杯幸せにしてあげますね。
勿論、今度はちゃんと恭介さんの血を分けた子供を抱かせてあげます。
そのためにも、いっぱい愛し合いましょうね。あ・な・た。