774 : ◆ewP6fUImNw5g [sage] :2009/11/10(火) 12:08:22 ID:cHD3KfLX
第一話 「明きら・メルは大変なものを奪っていきました」

(前略)*明きら、談。 病む前の「暗・メル」ちゃんはやはり「暗・メル」ちゃんだった

俺は明きら・メル、この物語が中心に置いている男だ。突然だが僕は大変なものを奪ってしまった。
ん? それは何かって、それはね、暗(くら)・メルちゃんの処女だ。ああ、何て事をしてしまったんだ(汗)
こんなに被造物と創造物の関係に忌々しい考え方をしたことは無い。んっ、暗ちゃんが起きたぞ。
 
「ふふふふふ、ついに奪ったわね。私の、私の処女を。責任とって結婚してもらうわよ」

暗ちゃん、君の僕に対するこだわりは、強いようだね。

「なら、僕の童貞を奪った責任はどうしてくれるんだ。これって逆レイプっていうんじゃないかな?」

そう、僕はベットに両手両足を縛られ、彼女に犯されていた。そして僕は彼女を犯していた。
中田死した。オワタ。ボクハ子供を持つ気はない。

「暗ちゃん、責任は取りたい人が取ればいいよ。僕は責任取る気なんてさらさらないし、誰かに押し付けようとも思わないよ」

「何言ってるの? この子は必ず守り通すわ。一定期間が過ぎればあとは法律がこの子を守ってくれる。貴方は私のものよ」

僕はもう明らめた。何故なら僕は明きら・メルという存在だからだ。
明らめるには一度、暗めることを認め、明らめることを明らめる必要がある。そう、僕は自分の存在さえをも明らめていた。
そして明らめの連鎖は続く。彼女の暗める連鎖が続くように。僕達はずっと共にいて引き合っているようにも見えるが、
いつまでも、溶け合うことは無く、離れているようにも見えた。

「うふふふふ、さあ、二回戦に行くわよ。今夜も寝かせないからね」
「ああ、暗ちゃん、分かったよ」

さて、二人は溶け合うが混ざらない。暗いが明るい。くっ付かないが離れない。全ては視点の問題なのだ。

最終更新:2009年12月11日 12:58