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579 :名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 00:34:03 ID:/987lIXE
「おい、そこのお前。」
「オゥフ、自分ですか?」
「今日も残業だ。 理由は・・・分かるな? お前だけ仕事が遅いんだ。」 「ウッフゥ、申し訳ござ・・・申し、申し訳ありません。」
今、叱られている拙者は入社2年目でござるが、仕事はそんなに出来ないので、毎日毎日上司に怒られ、残業させられてアニメやフィギュアも愛でる暇が無いでござる。 ドゥフ。
「おい、私の話を聞いているのか!?」
「アヒィ!?き、聞いています。」
今、拙者に怒っているのが上司の朝比奈 美鈴(あさひな みすず)さんでござる。
身長は165センチの拙者より10センチも大きく、容姿は黒髪のロングで目鼻立ちは整っていて、性格は温厚・・・のはずが拙者にだけはこの態度。
所詮、三次元の女なんてこんなもんでござる。
早く、家に帰ってゆのっちをみたいでござる。
「・・・私も一緒に残って、仕事を手伝うから早くやるぞ。」
「グゥゥフ、す、すいません。」
いつも、こうやって一緒に残業をしてくれるだけで有り難いでござる。 なんだかんだ言っても、優しいでござるなぁ。 ウッフゥ。


「よし、終わったか・・・。」 「あ、ありがとう御座います。」 早く家に帰ってゲームやアニメを見なければ!
「あ、おい。」
デュクシ。 まだ拙者に用があるでござるか。 もう、仕事は終わったんだし余計なことを言われる前に帰宅でござる。
「す、すいません。 ん、ンウフゥ。自分は用事があるので、お先に失礼します。」
「そ、そうか。わかった。 お疲れ。」
「お、お疲れ様です。」
は、早く家に帰るでござる。デュフフフフ。



580 :名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 00:36:54 ID:/987lIXE
・・・はぁ、今日も断られちゃったなぁ。 もしかして嫌われてるのかなぁ。
毎回、彼に多くの仕事を出し残業をさせて、2人で一緒に残って終わった後、どっかに少しだけでもいいから遊びに行きたいのに・・・。
いつも、断られているなぁ。
彼は、私の事は覚えていないだろうけど私はあの事を鮮明に覚えている。
中学の時、私は根暗で友達もいなく1人ぼっちだった。
そんな私が、いじめの的になるのは必然だったといえよう。
最初は、机に落書きや上履きなどが無くなったりと軽いことしかされてはいなかった
しかし、いじめはエスカレートしていき、殴る、蹴るなどの暴力が毎日のようにあった。
放課後には呼び出され、人目のつかない所で男子に殴られていた。
「お前、暗くて何考えてるかわかんねーだよ。 早く死ねよー。」
「マジ学校に来て欲しくないよねー。」
こんな幼稚なことをしていて何が楽しいんだろうかと思う。
・・・でも、こんな幼稚なことがこんなにもつらいとは思わなかった。
一体、私何の為に生きているんだろう・・・。
毎日、学校では女子からは陰口や嫌がらせ、男子からは暴力。
家に帰っても、両親は仕事でいない。
話を聞いてくれる人は誰もいないし、助けてくれる人もいない。
今日という日が終わったら、・・・・・・死のう。
殴られているなか、何もかもを諦めて目をつぶった。
・・・? 急に静かになった。 いつもだったらまだ殴られるのに。
そう思ってつぶっていた目をあけた。
そこには、同じクラスの男子が立っていた。
彼も、私ほどでもないがいじめを受けていた。 ・・・何で彼がここに?
「うっわ、キモい奴がまたきたよ。 えっ、何? お前も殴られたいの?」
「う、う、うるさぁい! 女の子を殴るなんて最低だ!!」
「げー、なにコイツキモーい。 コイツもやっちゃえよ。」
彼は、殴られながらも抵抗していたが、男四人には勝てるはずもなく、いつもの私の倍以上に殴らていた。
「うっわ、コイツキモー。 次からはコイツいじめようぜー。」


581 :名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 00:43:36 ID:/987lIXE
「いいよー。 コイツにも飽きてきたし。 このキモオタいじめようよ。」
「いいね。 それさんせー。」
最後に彼の顔を殴って、あいつらは帰っていった。
「・・・どうして?」
「・・・・・・ウッフゥ?」
「どうして、私を助けたの?」
「だ、だって・・・その・・・前から朝比奈さんがいじめられてたのは、わかっていたんだけど・・・・・・、あんなにもヒドいことをされてるとは、思わなかったんだ。」
「・・・貴方には、関係ないでしょ。 どっか行ってよ。」
私は、未だにあの時のことを後悔している。
もっと、優しい言葉をかければ・・・、素直にありがとうと言えていたら・・・。
「私だって、あなたみたいな人とは関わりたくないの。 早くどっか行ってよ。」
「・・・うん、わかった、ごめんね。」
彼は、そういって去っていった。
私は、彼の顔を覚えておくようにした。
こんな私を助けてくれた彼を・・・。
驚くことに次の日から、いじめがなくなった。 相変わらず友達はいなかったが、前よりは幾分かマシだった。
代わりに彼がいじめられるようになった。
私は、彼のことを助けたいと思ったが、いざ助けようと思ったら、足が竦んで動けなかった。
そうやっているうちに、彼とは一言も話さずに卒業してしまい、中学は終わった。
私は、私のことを庇ってくれた彼が好きだった。
他の人たちは、見てみぬフリをして、私のことは気にかけなかったのに、あなたは、助けてくれた。
嬉しかった。 なのに、私はあなたを助けれなかった。

・・・だから、もしもう一度、会った時はあなたの彼女になってあなたの隣にいたい。
あなたの傷を癒やしてあげたい。
あなたの優しさに見合うような女になるから・・・。
それまでは、さようなら・・・

高校生になってからは、あのいじめメンバーもいなく、自分を磨くことに必死だった。
彼のために・・・。彼だけのために・・・。
成績も常にトップをとり、部活にも入り、交遊関係も結び、見た目や服も変えた。
そして、中学校の時とは考えられないぐらい男子に言い寄られた。
告白も数えきれないぐらいされた。
でも、告白してきた彼らの多くは、私の体などしか見ていなかった。 まぁ、そんなのはどうでも良かった。
相手の印象が悪くならない程度には断ったが。
見た目や中身にも自信がついてきた私は、1年ぶりに彼に会いたくなった


582 :名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 00:48:25 ID:/987lIXE
彼に会わなかったのは、彼の優しさに見合うような女になるまでは、彼には会えないと思ったから・・・・・・。
でも、今なら会える・・・!!
中学の時に貰った連絡網で彼の家に電話を掛けてみた。
心臓の音がスゴい。緊張する。なんて言おう。 付き合って下さい!とか、色んな考えが頭の中にあったが、電話が繋がらなかった。
よし、電話じゃなくて、彼の家に行って直接告白しよう!と思い、中学校の担任に電話して彼の住所を聞いたが、彼は卒業と同時に引っ越ししてしまったらしい。
行き先は、担任もわからないと言っていた。



・・・・・・・・・・嘘でしょ? 彼に会えない? ううん、嘘だよ。 そんなの。
だって、私は彼に何もしていない。
お礼も言ってない。あの時ありがとうって。
あの時、ヒドいこと言ってごめんねって。

・・・・・何も・・・・・言ってない。
それから、1週間程放心状態だった。
もう、彼に会えない・・・。 その事実が心に大きく響いた。
でも、いつかはきっと彼に会える。
そう信じて自分を磨こう。 彼の傍にいても彼が自慢出来るような女になるために・・・!
私は、自分を磨くたびにまた色んな男の人が寄ってくる。
彼に会いたいのに、どうでもいい人達が寄ってくる。


583 :名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 00:53:33 ID:/987lIXE
私が好きなのは、彼だけ・・・。
私の見た目だけしか見てない奴らは、本当にどうでも良かった。
彼以外に触れられると気持ちが悪い。
私に触れていいのは、彼だけだ。
そうやって、高校も終わり、一縷の望みをかけて大学にも行ったが、彼は居なかった。
もう、彼には会えないのかな…そう想うと胸が苦しくなり、涙が出てくる。
結局、大学でも彼を見つけきれないまま、就職の時期が近づいてきた。 私は、進路もまだ決まっておらず何となく小企業の所に研修に行った。 私は、この時ほど『運命』というものを感じるものはなかった。
彼がいた。彼に会えた。
何年越しに会う彼は、中学の時と変わっていなくて、なぜかとても安心した。
彼に話かけたりしたが、彼は私のことなんて、覚えていなかった。

・・・・・・仕方ないよね。 中学の時助けられたあの時だけしか、喋らなかったし、覚えてなくても仕方ないよね。
でも、これからは二人で色々な場所に行ったり、二人でお喋りしたり、そ、そ、その、あなたともしたくて、ずっと我慢してたの・・・。
これからは楽しみだなぁ。 ウフ、ウフフフフフ・・・・・・。