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146 :溶けない雪 [sage] :2007/11/05(月) 18:31:06 ID:7DZdiTvy
7

携帯から、今流行りのアーティストの着歌が流れた。
着歌の曲から、鳴った理由がメールだという事は直ぐに分かった。
慣れた手つきで携帯を開きメールを見てみると、
やはりというべきなのか、予想通り差出人は水無月さんだ。
予想通りというのは、メールアドレスを交換したばかりなら、
とりあえずメールアドレスを交換した人とメールをする事がよくあるからだ。
同時に、最初のメールは相手と話が合うかどうかを調べる、
戦闘における言葉で表すと前哨戦に値するので舐めてはいけない。
最初のメールで15件位は続かないと、直ぐにメールをしなくなる可能性が極めて高い。
登録しているのにメールをしていない人と会うと、
気まずくなりやすいというオプションがもれなく付いてきたりもする。

そんなどうでもいい意見はともかく。、
まずはメールの内容を見る。
(これからよろしくね~)
……当たり障りはないけれど、これだけで話が広がるのか?
とりあえずはこちらもメールを返そう。
(よろしくね)
送信し終わり約15秒位で直ぐにメールが返ってきた。
少し早すぎる気もしたが、内容が薄いのだろうと思い、
メールの内容を見る。(えっと……
いきなりで驚いちゃうかもしれないけど、以下の質問に答えてね
好きな食べ物
嫌いな食べ物
身長
趣味・特技
血液型
寝る時間帯
今現在好きな人がいるかどうか
もしくは付き合ってる人がいるかどうか

以上が
知りたい事かな)
メールを読み、一旦携帯を閉じる。
そして、
誕生日のケーキの蝋燭の火を消すみたいに息を吹く。
内容が薄い?
むしろ濃いだろ
とにかく、驚いた。
質問に驚いたのではなく、
あの短時間でこの量の文のメールが返ってきた事がだ。
物理的に無理な気がするのだが………



147 :溶けない雪 [sage] :2007/11/05(月) 18:32:13 ID:7DZdiTvy
ではどうやってあれだけの量を送る事が出来たんだ?


…………そうか、
予め質問をメモ辺りに書いて保存しておいたんだ。
きっとそうに違いない。


それにしてもメールで質問か…
なんか違和感を感じざるを得ないのだが、
元々は興味があるとの事、それを考慮すれば質問位あるのだろう(多分)
くると分かっていても、2件目のメールでされるとは思わなかっただろうが。
(好きな食べ物はシチュー
嫌いな食べ物は特になし
身長は去年のデータによると173センチ位
趣味 特になし
特技 実は料理が得意だったりする
血液型 AB型
寝る時間帯 12時
好きな人
や付き合っている人がいるか 残念ながらというべきか居ない

と、まぁよくそこらへんに居そうな人だよ)
細かく自己紹介をした気分だ。
しかし、他は分かるとして、
寝る時間帯は一体何の為に聞くのだろうか。
夜中に寝ている時にメールしてこちらを起こさない為かな?
もしそうならかなりの気遣いだな……
気付くと、メールの返信が届いていた。
またさっきと同じような慣れた手つきで携帯(実は結構練習した)を開ける。
さっきみたいに驚く事は多分もうないだろう。
そう思い、視線を、携帯の画面に落とした。(ありがとう
お陰で助かったよー)

はて、
助かった?
一体何が助かったのだろうか?

質問に答えてお礼を言われるのは分かるのだが…………


メールだと伝わりにくいという事はよくある事だ。
きっとこれも伝わりにくいメールだったんだ。
勝手に納得しておこう。
深く考える必要ないし。



148 :溶けない雪 [sage] :2007/11/05(月) 18:33:15 ID:7DZdiTvy
少し返信が遅れてしまったので、急いでメールを返信する。
内容を打ち、返信ボタンを押そうとする。
その時だ。
近くでなった轟音が―――正確に言うと目の前からなった―――
右耳を貫き、左耳から出ていき、脳を揺らした。
それと同時に、自分の視点が急激に低くなる。
あまりの事に、心臓が一瞬止まった気がした。

何が起きたのか分からず、しばらく呆けていたが、
肩を叩かれてハッとなり直ぐに後ろに振り向いた。
そこには見憶えがない、初対面のおじさんが立っていた。
「大丈夫かね?」
「は?」
いきなりの問いに思わず聞き返してしまった。
「分かってないのかね?トラックに君は跳ねられそうだったんだよ」
「え………」
おじさんの言葉を聞き、辺りをキョロキョロ見回す。
状況把握というやつだ。
辺りを見回して気付いた。
人が視界に写ると足しか見えていない上、
周りにある家や車等がいつの間にか大きくなっている。

何故足しか見えていないのか、
答えは単純、尻餅を付いて僕の視点が下がっていたからだ。
今更だが、目の前にいるおじさんも屈んで僕に視線を合わせていた。
気付いたからにはいつまでも尻餅を付いてるわけにもいかず、
よっこらせっと親父臭い事を言いながら立ち上がる。
視点が回復し、何故、さっきの突然の状況が発生したのかが分かった。
ここは…………信号だ。

さっきの轟音も、目の前にいるおじさんが言うには、
トラックが僕の目の前を通過したからか……

どうやら、考え事に没頭している時に、
横断歩道まで来ていたと気付かずに歩いていた。
そして、信号が赤なのにも関わらず、
横断歩道を渡ろうとした。
そして目の前をトラックが通過、そ
の事に驚き僕は尻餅を付いて呆けていたというわけか。
……ってあれ



149 :溶けない雪 [sage] :2007/11/05(月) 18:35:15 ID:7DZdiTvy
もしかしてもう少しで死ぬ所だったんじゃあ…………………
まじで?


おじさんから注意の言葉を有り難く頂戴し
、帰るまで携帯の電源を切ってまた帰る為に歩き出す。
人は学習するのだよ。

ようやく家に着く事が出来た。
移動した時間自体は10分位なのだろうが、
今日の10分程忘れない10分はないだろう。
なんていったって、危うく死ぬ所だったのだから。
人は簡単な事で逝くという事を今日改めて実感した。

そういえばまだ水無月さんにメールを返していない事に気付いたが、
もう疲れたから寝たいという欲求と、
メールの内容的に返信しなくてもよさそうな感じなので、送るのをやめた。
シャワーを少し浴び、着替えてベッドにダイブ。
したのだが、今は仕事で居ない親に今日はもう寝るからと、
連絡を入れてなかったのでベッドから降り、家にある電話で留守電を入れておく。

さて、やる事をやったし寝よう。
そうしてベッドに潜り、意識が遠のいていくのを感じた。

幸いにも明日は土曜だ……………昼まで寝てよう。


朝、昨日夕方に寝たツケなのか、
いつもより早めに目が覚めてしまった。
まだ寝ぼけ気味だが、
僕は一度起きたら二度寝をする事が出来ないので起きるしかない。
今の時刻を確認する為にベッドの近くにおいてある携帯を開いた。
しかし、今気付いたが昨日から携帯の電源を消したままだった。
少しムカツイたが、
たかが数秒の手間にわざわざケチをつけようとは思わなかった。
消してたの自分だし。


やっとの事で電源が付き(やっとと言っても数秒だが)、
携帯の画面を見た瞬間に完璧に目が覚めた。
別に携帯の画面を見ると目が覚めるとかそういう体質という訳ではない。
目が覚めた理由、それは、



メール件数16件



150 :溶けない雪 [sage] :2007/11/05(月) 18:36:19 ID:7DZdiTvy
メールの量の多さだ。
え?なんで?
というのが最初の感想。
次の感想が
雲海辺りがイタズラメールでもしたのか?
といったものだ。
無理もない、今までメールといえば溜まっていて6件だったのだ。
その記録が、いきなり朝起きたら2桁行ってましたみたいな感じで、
塗り変えられているともうなにがなんだか分からなくなる。
とりあえずは差出人を見る事にする。
話はそれからだ。
まぁ、きっと雲海辺りがイタズラしたとかいうオチだろうと楽観していた。
しかしそれは受信ボックスを見た瞬間に楽観は崩れる。
(まだ聞きたい事があるんだけどいいかな?)
(どうしたの?)
(取り込み中?)
(ねぇ)
(まだ取り込み中?)

見たのはここまでだが、
恐らく残りのメールも同じ様な内容だろう。
一言、言う事があるとすれば、

これはシャレなのか?というとこだ。

そうだとしても正直笑えない。

かなり怖い。
メールは全て同一人物。
しかも、雲海や夏夢みたいにこれといって親しい友人でもなかった。








メールの差出人は、全て水無月さんだった。