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225 :近藤さんちのやんでれ事情1/2 ◆irhNK99GCI [sage] :2007/11/10(土) 22:15:53 ID:JCzgfpY5
 勉強を終えてスタンドの灯りを消し、ベッドにもぐりこむ。
冷えたシーツが心地よく熱を奪う、その感触を味わっていた頃。
「お兄ちゃん、愛してる。だから……私の為に死んで♪」
部屋に入ってきた妹は笑顔でそういった。
「…はは、冗談だろ?」
「私はいつだって真剣だよっ」
けして崩すことの無いこの笑顔、それに抗えない自分に嫌気が差す。
そのおかげで僕は何度も派手に包帯を巻いて学校に通うことになった事か。
「勘弁してくれ、命は一つしかないんだ、ほら腕でも脚でも……な?
 今まではそれでよかったじゃないか」
どうにか説得できないかと話しかける。
「もう、後には引けないの」
そういって僕に抱きついき、胸に顔を埋めて言葉を続ける。
「お父さんも、お母さんも殺しちゃった」
「なっ! 入院させるだけって言ってたのは嘘だったのか!?」
僕は妹の肩を揺すり問い詰めた。
「ごめんなさいっ…でもでも、仕方なかったんだもん!」
「去年の夏におじさんとおばさんを殺した時の事忘れたわけじゃないだろっ!
 あんなに騒ぎになったのに……また繰り返すのか!」
「ごめんなさいっごめんなさいっ…あたし、あたしにはもう…
 お兄ちゃんしかいないのっ! 大好きだからっ! お願い!」
「……」
泣き崩れる妹の姿を眺めながら考える。
きっと誰の為にもならない愚かな考え。
ただ目の前で泣いている女の子を放って置けないだけなのかもしれない。
「わかった、でも一つだけ約束してくれ。絶対に後悔しないって」
「……お兄ちゃん? うん、ありがとう…大好きっ」
妹の唇がそっと触れた。
それだけで全て許せてしまうのは僕もまた妹の事を……
「おやすみなさい、そしてありがとう。お兄ちゃん……」
返事を返す事無く、僕の意識は闇に飲み込まれていった。


226 :近藤さんちのやんでれ事情2/2 ◆irhNK99GCI [sage] :2007/11/10(土) 22:17:21 ID:JCzgfpY5

翌日の朝、チャイムがなっても教室にはまだ一つ席が空いていた。
「なぁ、アイツやっぱり……?」
「ん? 今日も学校休みじゃないかな」
「まさか今日もなのか? こう立て続けに不幸があるって…なぁ……」
「あら、知らないの? いつもの事よ」

「おーっし席につけぇー!」
担任がクラスに入ってくると、慌しかった教室が静まり返る。
「あー、今日はなぁ、近藤はお兄さんが不幸に会って休みだそうだ。
 藤崎、お前学校終わったら帰りに寄って行ってやってくれ」
「はぁ~い」
「それじゃしっかり授業うけるんだぞ! 委員長、号令たのむわ」

「なぁ、帰り、俺も一緒にいっていいか? もうあいつんち誰も居なく……」
「来るのはかまわないけど、どうせ追い返されるわよ?
 あの子、お兄ちゃん以外には見向きもしないから」
「はぁ? だって今…その…不幸があったって……」
「私は中学からの付き合いだからもう慣れたけど、アンタは知らなかったわね。
 近藤のトコはね、水泳の授業が始まると不幸に見舞われるのよ」
「なんだって?」
「生理、食中毒、骨折、風邪。出席日数で詰まったら身内の事故とか忌引きね。
 お兄さんとかもう全身の骨折れたんじゃなかったかしら」
「それって……ただの仮病じゃねぇかっ!」
「とっても病んでるわね♪」