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152 :ヤンデレ素直クール:2010/02/20(土) 22:43:39 ID:56PLRE7Q
第三話 3レス消費

明が目を覚ましたのはそれから二時間後のことだった。
窓の外は既に真っ暗だ。
場所は全く知らないどこかの和室。律の家だろうか。
明は布団をごそごそと抜け出した。暖房が効いていて暖かい。
「すいません。」
声を上げてみる。襖の向こうに誰かいる気配は無い。
とは言え、他人の家だ。勝手はできない。
「律さん、いる?」
再び声をかけると、向こうから「すぐ行く」と返事が。
階上から、階段を下りる音が聞こえる。
襖を開けたのはやはり律だった。
「起きたか。喫茶店で突然倒れるなんて驚いたぞ。」
不安そうな顔で腰を下ろす律を見ると、明はなぜか頭痛を感じた。
『そうだ。俺は喫茶店で律と話してて・・・、なんだっけ、何かあった気が。』
「うっっ・・・。ごめん、律さん。俺なんだかよく分かんないけど・・・。」
事情を尋ねようと声を上げた途端になぜか律に遮られる。
「大丈夫だ。店で何かあったわけじゃない。ただ君の体は心配だな。」
すこし強引な律に違和感を感じるが、思考がまとまらない。
「本当に?俺、ちょっと思い出せな・・・。」
「大丈夫だ。言っただろう。それより突然倒れたりして本当に大丈夫なのか?」
「私は明の体調のほうがよっぽど心配なんだが・・・。」
どうやら店のことは話したくないようだ。
思い出せない以上仕方ない、と諦めると明は笑顔で答えた。
「いや、大丈夫だよ。なんだか気分が悪くなったみたいだけど、今は全然。」
そう言うと、律もやっと安心したようだった。
「良かった・・・。」と言いながら顔を綻ばせている。
「大げさだよ。ちょっと気を失ったくらいさ。」
「何を言ってるんだ。大病なのかと本当に心配したんだぞ。」
いつもの凛とした表情でオーバーに言うので、すこし笑ってしまう。
すると、律は困ったような顔で言うのだった。
「私は明の恋人だからな。君のことを心配するのは当たり前だ。」
「うん、ありがとう。心配かけてごめんな。」
まったくだ、という律をみて明は何となく彼女をすこし理解できた気になった。
幸せ、とはこういう気分だろうか。

※※※※


153 :ヤンデレ素直クール:2010/02/20(土) 22:46:17 ID:56PLRE7Q

その内、何かを取りに律は部屋を出て行った。
身体が心配だから動くなと明に言いつけ襖をしっかりと閉めていく。
『汚れているのだろうか、気にしないのに・・・』
そして、律の先ほどの可愛らしさと告白の時の迫力を思い出していた。
確かに律の明への態度には異常なくらい変動があるのだ。
好きだから、とかいう理由で説明がつくのか、明には分からなかった。
眠りすぎたからだろうか、さっきから思考がうまくまとまらないのだ。
ぼんやりしていると、律が戻ってきた。持ってきたのは鍋と茶碗。
来たときと同じく、襖をしっかり閉めている。
さっきと同位置に座る律の頬は、なぜか少し赤みくなっていた。
『可愛いなあ』などと思っていると、差し出されるレンゲ。
「中華粥だ。元気が出るぞ。」
そう言って律は二人の前に置いた鍋から粥を茶碗に盛り付ける。
しょうがの、食欲をそそる良い香りがしてきた。
「じゃあ、いただきます。ほら、明も。」
あまりに自然な流れで、明もつられてしまう。
「あ、うん。いただきます。」
口に含むと、ごま油の風味が広がる。
続いて海老のプリッとした食感。海鮮粥だ。
しかし、それだけではない、何か独特のコクがある。
「あ、おいしい。」
「ふふ、そうだろう。私の特製だ。」
律も心底嬉しそうな顔をする。見ているほうも満たされるような笑顔だ。
料理の上手さに脱帽しながら、食べていると明は大事なことに気付いた。
「あ、そうだ家に連絡・・・。」
なぜだろうか、完全に忘れていた。明は慌てたが、律は落ち着いている。
「もう連絡しておいたぞ。寝ている間に携帯を見させてもらった。すまない。」
「いや、俺が助けてもらったんだしいいよ。ありがとう。」
「ふふ。ご家族も心配していたからな。後で電話するといい。」
「うん。」

※※※※


154 :ヤンデレ素直クール:2010/02/20(土) 22:55:00 ID:56PLRE7Q
食後、明は律とくつろいでいた。
本当は食後に帰る予定だったのだが、律に引き止められたのだ。
家に電話してみると、なんだか変な声で「泊まってらっしゃい」と言われる始末。
幸い、明日は日曜日。昼のこともあるし、明は泊まっていくことにした。
「話したいことがある」と律は言っていた。
それで二人でソファに座り、テレビを見ている。
律は学校で見た事が無いような、甘えた雰囲気だった。
しなだれかかり、何かせがむような目で時おり明を見つめる。
明の緊張が最高潮に達した頃、律が切り出した。
「なあ、明。君が聞いてたことだが。」
「なんで私が明を好きになったのか知りたがっていたな?」
下から見上げるような視線で尋ねる律の表情に明の顔は熱くなった。
「うん。なんで?」
落ち着いた風を装って答える。
「それはな。この前の始業式の時だ。」

律によると始業式の日の小さな騒動がきっかけだという。
教師がペットボトルジュースを式場で見つけて、明たちのクラスを疑った。
そのとき、誰も出てこないのに痺れを切らした明が名乗り出たのだ。
教師はあからさまに明の告白を疑問視したが、それでも仕方なく明を叱った。
何とそれは律のボトルだったのだという。
式の用意が忙しく、うっかり持ってきてしまったそうだ。
片づけを手伝っていた律はその場におらず、後で事情を聞いた。
普段から素直さや自らの正しさを全うする律は、明の行動に衝撃を受けた。
なぜやってもいない罪をやったと言えるのか。
しかもずっと待たされるのが面倒だという理由だけで。
律は石堂明という人間を不思議に思うと同時に心惹かれた。
「もしかしたら、君の打算の無さに惹かれたのかもしれない。」
「私を捨てた両親は打算しかない人間だったし。私は人間不信なんだ。」
「クラスメート達もそうだ。みんな浅い計算で動いてる。」
「でも、君だけは。君だけは違うと、そう思えたんだ。」
話し終えると律は明にキスをせがんだ。
「明・・・キス、してほしい。」
キスをする間も、律はうわごとのように呟き続けた。
「・・・はぁ、・・・君を、ンム、石堂明を愛したい。」
「生きていて、ンン、はじめて、チュッ・・・なんだ。」
どんどんキスは深くなっていく。
「・・・つっ・・・はぁ・・・抱いて、くれ。明・・・。」
そう言いながら律は明の首筋に甘噛みする。
ぐるぐると回る思考のなかで、明はそんな律を抱き寄せた。
気がつけば二人とも裸になってしまっている。
律が明の全身に噛み付くようなキスをしてくる。首筋から出血。
あまり豊かではない胸をギリギリと押し付けてくる。
全身をこすりつけ、噛みつき、爪をたて、体液をなすりあった。
やがて律が凄絶に身体を震わせて気絶するのを見た直後、明も意識を飛ばした。

※※※※