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34 :変歴外伝  ◆AW8HpW0FVA :2010/04/06(火) 19:07:59 ID:fM2KC+El
まだ蝉達が狂騒する中秋の頃、六波羅の周りを一人の男がうろついていた。
男は目が窪み、頬はこけ、無精髭は生やし放題という形であった。
それだけならば、町中をうろついている浮浪者となんら変わりないが、
腰に差した大小の刀と、存在しない右腕が、その男を凡百の浮浪者と隔絶させた。
この男、実は清盛に仕えていた家宰であり、
その実力は、平家家中随一の使い手(清盛の兄弟親族を除く)と言われていた人物である。
しかし、初秋の初め頃に行われた武術大会で、いびり続けていた天田業盛と戦って惨敗し、
その時の戦いで右腕をへし折られ、使い物にならなくなってしまい、
武士としての人生に終止符を打たざるを得なくなってしまったのだ。
だらりとぶら下がっているだけの右腕を見ていると、その時の事を思い出す家宰は、
怒りに任せて右腕を斬り落し、今に到るのである。
最早来る必要のない屋敷の周りを彼がうろつく理由は、
業盛に復讐したいという一心からだった。
自尊心が異常に強い家宰は、傷が完治する一月の間、
業盛に腕をへし折られる悪夢を見続け、目を覚ますたびに業盛に対する恨みを思い返し、
いかにして業盛に恥辱を与えながら甚振る事が出来るのかと考える事で、
自らの復讐の炎を絶やさない様にしていたのである。
新手の臥薪嘗胆ともいえるが、その規模のいかに小さき事か。
まるで、そこらにいる小悪党の下っ端の仕返し程度の規模である。
おそらく、クズとはこの男のためにある言葉であろう。
そんな家宰が六波羅に張り付いて、七日目の昼、
業盛が門から出てくるのを、家宰は目視した。
相変わらずの中性的な優男面は、
家宰の嫉妬と復讐の炎を燃え上がらせる事など造作もなかった。
そんな家宰の負の感情をさらに増大させたのが、業盛の横に侍っている女だった。
目付きのきつさや貧乳を考慮しても、その女は間違いなく美人であった。
今まで女にもてた例のない家宰は、口から血を滴らせるほど歯を食いしばった。
この手の男の嫉妬ほど薄汚く、手に負えないものはないであろう。
過去の栄光に縋り付く家宰に、自分の顔でも見てみろと言いたくなる。
嫉妬の炎を燃やす家宰は、その女を見ながら、醜い面をさらに歪めた。
なにがなんでも業盛に恥辱を与えたい家宰は、二人を後を追った。
女を人質に取り、業盛をたっぷりと甚振ってやろうと考えたのだ。
これが名案だと思ったのだから、家宰には、もう武士の矜持もなかった。



35 :変歴外伝  ◆AW8HpW0FVA :2010/04/06(火) 19:08:43 ID:fM2KC+El
なにもかも地に墜ちた家宰は、しばらくの間は二人を後ろから眺め、機会を窺っていた。
その機会はすぐに訪れた。業盛がごろつき達と喧嘩を始めたのである。
喧嘩と聞き付けた町民達が、業盛とごろつき達の周りで人集りができ、
辺りはあっという間に喧騒に包まれた。
攫うなら、今が好機である。
家宰は人ごみを掻き分け進み、業盛の戦闘を潤んだ瞳で見つめている女の口に手を当てた。
「声を出すな……。出したらお前の首をへし折るぞ」
利き腕を失ったとはいえ、それぐらいの事なら今の家宰でも出来る。
そのどすの聞いた声が利いたのか、女は静々と家宰の言う事を聞き、
難なく路地裏まで連れて来る事に成功した。
「ふひひひ……、これで作戦の第一段階は完了だ。
後はあのクソ生意気な三郎を呼び出して、徹底的に甚振ってやるだけだ。
へっへっへっ……、女ぁ……、その後はお前もたっぷりと犯してやるよ……。
それもお前の大好きな三郎の前でなぁ。ありがたく思いなぁ!
恨むんだったら、こうなる原因を作った三郎を恨むんだなぁ!!!」
三流以下のごろつきの言う様な台詞を垂れ流す家宰は、
最早武士としても、一人の人間としても終わっていた。
今その顔は、復讐と性欲で染まり尽くされ、豚の如き醜悪さを醸し出していた。
女はこの耳障りな声を聞いてもまったく声など出さず、身体を身震いさせるだけであった。
家宰は、それは恐怖で震えているのだと思い、ふとその顔を見てみたくなった。
恐怖に染まる人の顔を見る事ほど、面白いものはないからである。
しかし、女の顔を覗いた家宰は、歓喜ではなく、言い知れない恐怖を感じた。
女は、恐怖で震えていたのではなかった。笑いを堪えていたのだ。全身で。
この時、家宰は自らが女に誘い出されたのだという事にやっと気付いた。
慌てて家宰は離れようとしたが、それよりも早く、凄まじい衝撃が腹部を襲った。
「馬鹿な奴……」
意識が飛ぶ瞬間、家宰は、底冷えする様な女の声を聞いた。



36 :変歴外伝  ◆AW8HpW0FVA :2010/04/06(火) 19:10:15 ID:fM2KC+El
家宰の目覚めた場所は、路地裏ではなく、仄暗く黴臭い部屋だった。
さらに服は全て脱がされており、左腕は吊るし上げられ、
両足は開脚の状態で鎖に繋がれ、身体を動かす事が出来なかった。
家宰は焦った。あの女から感じたものは、家宰が今まで感じた事のないものだったのだ。
このままでは殺されてしまう。家宰はそれをはっきりと自覚できた。
そんな時、少し遠くから足音がこちらに向かってきていた。
足音の数からして、人数は三人ぐらいだろう。
足音が近くなると同時に、仄かな光が辺りを照らし出した。
「こんにちは、愚かなゴキブリさん……」
灯りに照らされて、業盛の傍にいた女が、他の女二人を侍らせ、鉄格子越しに立っていた。
それで家宰は、自分が牢屋の中にいるのだと理解できた。
「なんなんだよ、お前は……。ここはいったいどこなんだ!」
「ゴキブリに教える名前なんてないわ。
それに、見れば分かるでしょ。ここは土牢よ。……これから地獄と化すけどね……」
女はそう言うと、鉄格子を開け、中に入ってきた。
「あんたは二つの罪を犯したわ。一つはこの私に汚い手で触れた事。
そしてもう一つは……」
女はそう言って一旦区切ると、家宰の無防備な股間を思いっきり踏み付けた。
「この私を出しにして、三郎に危害を加えようとした事よ!!!」
女は、何度も何度も、さらに捻りを加えて家宰の一物を踏み続けた。
家宰の声にならない悲鳴が、牢屋に響く。
「あらあら、気持ち良くておしっこ漏らしちゃったの?
こんな事で感じるなんて、あんた、ゴキブリ以下のクズね」
「ちっ……違う……、気持ち良くなど……」
「あらっ……、じゃあなんであんたの汚いこれはこんなに勃起しているのかしら?」
女の言う通り、家宰の股間は失禁で濡れていながらも、
自らの一物は、まるでもっと蹴られる事を望んでいるかの様に固く怒張していたのだ。
「まさかあんた、痛い事をされるのが好きなのかしら。
だとしたら、これからやる事は、あんたにとっては極楽浄土かもね……」
女がそう言って、鉄格子越しで待機している二人の女を土牢の中に招き入れた。
女の一人が家宰に目隠しをし、口には猿轡を噛ませた。
「楽しみだわぁ……。これはいつも吐かせるためだけにやっていたから、
最後までやった事がないのよ。それを今日は最後までする事が出来るなんて、
私、嬉しくてたまらないわ……。……さぁ……、後学のためにも、
あんたが何刀目で逝くのか、じっくりと見させてもらうわよ……」
女の艶やかな声と共に、狂宴の幕が切って落とされた。



37 :変歴外伝  ◆AW8HpW0FVA :2010/04/06(火) 19:11:00 ID:fM2KC+El
薄暗い土牢の中は、噎せ返る様な臭いと金属音が響いていた。
「気持ちいいかしら……、ゴキブリさん?……まぁ……、当然よね。
目隠しされて、次はどこをやられるのか予測が付かないのだもの。
変態のあんたにはたまらない趣向でしょ?」
ねっとりとした口調で、女は家宰に問い掛けた。
家宰は身体に入れられるたびに、唸り声を上げ、身体を震わせた。
「なかなか、いいものでしょ……?……自分の身体が削られていくというのは……」
それは凄惨としか言い様がなかった。
家宰の身体は、至る所が削がれ、骨や内臓が露出していたのだ。
骨や内臓が露出しているというのに、出血があまり見られないのは、
重要な血管を切らない様に肉を削いでいるからである。
噎せ返る様な臭いは、家宰が垂れ流した糞尿と削がれた血肉の混ざった臭いであり、
女は、その臭いに眉を顰める事なく、むしろ悦楽に浸った様な表情を浮かべていた。
「あぁ……、この臭い、この感覚、たまらないわ。
本当はこれに悶え苦しむ声があれば文句なしなんだけれど、
そんな事をしたら、あんた舌噛んで自害しちゃいそうだから、
それが出来ないのが心残りだけど……」
女は両手で自分の身体を抱き締めながら、快楽に震えていた。
その声を聞いて、家宰は恐怖を感じたのか、激しく身体を揺さぶり始めた。
しかし、身体を鎖で繋がれ、さらには腕や足の肉を削がれて脆くなっているため、
家宰が身体を激しく動かすたびに、金属音と骨の砕ける音が響き、
それは結局、女の快楽を増長させるだけに過ぎなかった。
「ふふふ……、私の要望に応えてくれるなんて、頭のいいゴキブリだこと……。
ご褒美に、もっといい事をしてあげるわ……」
女はそう言うと、一本の鉄の棒を取り出した。
棒の先端には無数の小さな鉤が付いており、それはまるで昆虫の足の様であった。
女はその棒を家宰の肛門に宛がうと、躊躇することなく突っ込んだ。
家宰の腹部は既に削がれており、
そのため、棒が腸の中を押し進んでいく様をじっくりと見る事が出来た。
女が棒をぐりぐりと回すと、ぐちゅぐちゅと音を立て、丸見えの腸が大きく隆起した。
肛門からは腸液と血が溢れ出て、既に漂っている臭いと合わさり、
土牢の中はさらに筆舌し難い臭いに包まれた。
一通りそれが終わると、ゆっくりと棒が引きずり出された。
すると、棒に引っ掛かった腸が、肛門から引きずり出された。
「あっははは……、ほ~ら、元気な赤ちゃんが生まれたわよ。
黄ばんでて、細長くて、臭い所なんて、あんたにそっくりじゃないの」
引きずり出した腸を、家宰に擦り付けながら、女は笑った。
だが、家宰は呻き声も身動きを取る事もなかった。家宰は、死んでしまったのである。
「あぁ~あ、死んじゃったか……。もう少し楽しめると思ったのに……。
戯れも、これにて終幕……か……」
女の家宰への興味は、この溜息を以って消え失せてしまった。
女は家宰であったものを見つめながら、
「それを適当に始末しておきなさい。
それと、刻んだ肉は乾燥させてから石臼で挽いて粉にしておいて頂戴」
と、横に侍っている女二人に新たな命令を告げると、その場を立ち去った。



38 :変歴外伝  ◆AW8HpW0FVA :2010/04/06(火) 19:11:36 ID:fM2KC+El
それからしばらくして、家宰を惨殺した女は、とある屋敷を訪れていた。
屋敷には人の気配が感じられず、閑散としてる様は、あたかも幽霊屋敷の様であった。
しかし、女が拍子を取ると、いつの間にか目の前に一人の女が現れた。
女が無言で手を差し出すと、その手に一つの袋が乗せられた。
中を確認すると、そこには赤黒い砂の様なものが入っており、
それは薄っすらと血の臭いを放っていた。
女が視線を戻すと、そこには既に誰もいなかった。
女は驚くも事なく、そのまま何事もなかったかの様に屋敷から出た。
「よかったわね、あんたみたいな薄汚いクズが、最初で最後の舞台に立てて。
正直、保険のつもりだったから使いたくなかったけど、まぁ……、いいわ。
精々、私と三郎の幸せを繋ぐ礎となりなさい」
人気のない道を歩いていた女は、まもなく都の喧騒に飲み込まれ、
どこに行ってしまったのかも分からなくなった。